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ラット摘出灌流心におけるドパミンの心筋内高エネルギー燐酸代謝に及ぼす影響

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Academic year: 2021

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208 (87) 氏名(生年月日) 本 籍

学位の種類

学位授与の番号 学位授与の日付 学位授与の要件

学位論文題目

論文審査委員

ウチダ タツロウ

内田達郎(昭和3

医学博士 乙第901号 昭和63年2,月19日 学位規則第5条第2項該当(博士の学位論文提出者)

ラット摘出灌流心におけるドパミンの心筋内高エネルギー燐酸代謝に及ぼす

影響 (主査)教授 広沢弘七郎 (副査)教授 藤田 昌雄,教授 内山 竹彦

論 文 内 容 の 要 旨

目的 近年,虚血性心疾患患者が心不全・心原性ショック に陥った際,ドパミン等のカテコールアミンを使用す る機会が極めて多いが,カテコールアミンによる心仕 事量の増加に伴う心筋酸素消費量の増加は,心筋虚血 を悪化させることが予想される, 本研究では,Langendorff法によるラット摘出灌流 心を用いてドパミンの虚血心筋に及ぼす影響を心筋内 高エネルギー燐酸の測定から検討することを目的とし た. 方法 30~45週齢のウイスター系雄性ラット137匹を用い た.実験は,正常灌流圧系,低灌流圧系の各々で,灌 流液を95%,50%,20%,0%02ガスで飽和し,酸素 分圧を変化させた条件下で行なった.各酸素分圧は, およそ500,300,160,40mmHgである.頸椎を脱臼後, 摘出した心臓を,心拍数250/分,灌流温は37℃で5分 間,15分間鴨流した.さらに95%,50%,0%02の3 群で,順流開始と同時に塩酸ドパミン(DOA)を3μg/

minの速度で注入し灌流した.高エネルギー燐酸

(HEP)は高速液体クロマトグラフィー法により

AMP, ADP, ATPを定量したCPはLohman反応を

利用し,反応後のATP量を測定した. 結果

摘出直後のAMP, ADP, ATP, CPは各々3.16±

0.39,8.89±1.GO,17,05±1.77,1L17±0.29μmo1/g dryであったが,灌流開始時にはCPが2,50μmol/g dryと著明に低下した.ATP, AMPには有意な変化が なかった. ①正常山流圧系におけるHEPの経時的変化 95%0、群ではATPに有意の変化はないが, CPは

5分後には23.11μmol/g dryに回復した.また, DOA

投与群も非投与群と同様の経過を示した。 50%02群は95%02群と類似した経時的変化を示し たが,DOA投与群では, CPが灌流15分後も低値で あった.ATPに有意の変化はなかった. 20%02群ではATPは経時的に減少した.

0%02群ではATPは経時的に低下しCPも著明に

減少した. DOA投与群では, ATPは更に低回を示した.

②低灌流圧系におけるHEPの経時的変化

95%02群で5分後のATPは減少し, CPも低値で あったが,15分後にはATP, CPは15.29,21.65μmol/ gdryと回復した.一方, DOA投与群では灌流15分後 のATP, CPの回復を認めなかった. 50%,20%,0%02群ではATPは経時的に減少し CPも低値のままで, DOAを投与しても有意な変化を 認めなかった. 総括 1)正常圧灌流では灌流液酸素分圧が160mmHg以 下で,低圧灌流では300mmHg以下で, HEPは経時的 に減少した.2)正常灌流圧・灌流液酸素分圧500

mmHgでDOAを投与した場合, HEPは保存される

が,300mmHg以下では,減少した.3)低圧灌流で, 一872一

(2)

209

DOAを投与した場合には,灌流液酸素分圧が500

mmHgと高くてもHEPは低値を示した.4)以上よ

り低酸素あるいは低灌流状態に陥った心筋へのDOA の投与は, なった. HEPをさらに減少させることが明らかと

論 文 審 査 の 要 旨

心機能は心筋代謝の基礎の上に支えられている.心不全は一定の原因により誘発され,最:終的には 心筋の変化の進行と悪循環しながら時と共に重症化していくものである.その末;期にはやむを得ず, 大量のカテコールアミンを用いることが起こる.この為に,一時的には何がしかの効果を得ながらも, 総合的には無駄な努力に終わる事が珍しくない. 本論文はこのような心不全,心筋,治療薬の悪循環の一部を明らかにしたもので,価値ある研究と 認める. 主論文公表誌 ラット摘出灌流心におけるドパミンの心筋内高エネ ルギー燐酸代謝に及ぼす影響 東京女子医科大学雑誌 第57巻 第12号 1676~1685頁(昭和62年12月25日発行) 副論文公表誌 1)心筋梗塞ならびに突然死の病因について一臨 床,病理学的検索を中心に一 Coronary 2 (4) 493~502 (1985)

2)Kinetic Cell Death発生と心筋Mg, K量なら

びにDiltiazemの影響

Jpn Pharmacol Ther 14 Suppl,6, !255~1261 (1986)

3)心筋梗塞の発症をめぐって(3)梗塞発症に対す る生化学的アプローチ

臨床科学 23(7)867~872(1987)

参照

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