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好中球枯渇化抗体およびステロイドがラット腹膜炎発生時の好中球およびサイトカイン産生に及ぼす影響について

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Academic year: 2021

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Title

好中球枯渇化抗体およびステロイドがラット腹膜炎発生時

の好中球およびサイトカイン産生に及ぼす影響について( 内

容の要旨(Summary) )

Author(s)

加藤, 禎洋

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(医学)乙 第1372号

Issue Date

2003-03-13

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/14924

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

(2)

氏 名(本籍) 学位の種類 学位授与番号 学位授与日付 学位授与の要件 学位論文題目 審 査 委 員 加 藤 禎 洋(岐阜県) 博

士(医学)

乙第 1372 号 平成15 年 3.月13 日 学位規則第4条第2項該当 好中球枯渇化抗体およぴステロイドがラット腹膜炎発生時の好中坪およぴサイ トカイン産生に及ぼす影書について (主査)教授 佐 治 重 豊 (副査)教授 小 澤 修 教授 玉 舎 輝 彦 論文内容の要旨 敗血症時には細菌や毒素により炎症性サイトカインが産生され,SyStemicinflammatory response syndrome(SIRS)状態となる。これiま局所へ動員された好中球から活性酸素や好中球プロテアーゼなどが産生さ れて生じる一連の炎症反応で,通常は生体の恒常性維持のため作用し組織修復が完了する。しかし,敗血症の進 行や予期せぬ合併症等が誘発(secondattack)されると,活性化好中球が過剰刺激され臓器障害へと移行する0 このため,IL-1Raや抗TNF抗体等を用いた好中球制御療法が,新しい抗炎症療法の展開として注目されている0 そこで,申請者らはラット盲腸結紫穿刺法により敗血症モデルを作製し末梢血好中球数と好中球機能を評価し, さらに末梢血単核球を1ipopolysaccharide(LPS)で刺激した場合のサイトカイン産生能に及ぼす影響を検索した0 また,好中球制御療法として好中球枯渇化抗体(以下,RP3)を用いた好中球除去療法とステロイド投与による制 御療法の可能性を評価し,新しい抗炎症療法の可能性に示唆を得んと試みた。

研究対象と碗究方法

腹膜炎モデルの作製法:エーテル吸入麻酔下に7週齢雄性F344ラットを下腹部正中切開で開腹後,盲腸先端 部を結禁穿刺法(CLP)にて腹膜炎モデルを作製し,単開腹のみの対照(SHAM)群との間で比較検討した0検討項 目は末梢血好中球数,好中球機能としての活性酸素産生能と貪食能を経時的に測定した。また,尾切断法にて末

梢血を採取し,これをLPSで刺激した場合の培養上清中のinterleukin-6(IL-6),IL-10,tumOr neCrOSis factor

(TNF)-aの産生量をELISA法にて測定した。 実験群の作製法:①RP3投与による好中球枯渇化効果の検索,②RP3投与による好中球制御療法の可能性を, CLP24時間前,CLP後8,12,18,24,48時間目にRP3を単回腔内投与し,その後の生存率と末梢血単核球のLPS

刺激によるIL-6,IL-10,叩F-α産性能及びその抑制効果,③メチルプレドニン(MP)投与によるサイトカインの

過剰反応抑制効果,等を経時的に検索し,互いに比較検討した。 研究結果 ①CLP単独群での腹膜炎モデルの特徴:SHAM群に比べCLP群では24時間目に白血球数が有意に低下(p= 0.0376)し,好中球数が逆に増加傾向を示した(p=0.0979)。単位好中球あたりの活性酸素産生能は一過性に増加し たが,Chemiluminescenceactivity(CL)活性には差がみられなかった。 ②末梢血単核球のサイトカイン産生能:IL-10はCLP後12時間目をピークに有意に増加(p=0.004)後,漸減した。 TNF-αは6時間後に有意(p=0.0002)に低下後,24時間目に有意(p=0.0068)に増加し,48時間目まで持続する二双 性の変動を示した。IL-6は12から24時間目まで増加後,48時間目で有意(p=0.0285)に低下し処置前値に復した。 ③RP3による好中球枯渇化能:RP3腔内投与で好中球数は有意に低下し(p<0.01),CL活性も著明に低下したが 白血球数の減少は僅かで,好中球のみが選択的に除去可能であった。

(3)

④RP3投与による好中球枯渇化療法:RP3非投与群は120時間後に37匹中24匹が死亡し,5日間生存率は35% であった。RP3をCLP前2日間腔内投与した場合,24時間以内に全匹が死亡した。CLP後8時間目に投与した場 合,前投与群と同様の経過を示し36時間以内に全匹死亡した。CLP後24(及び48)時間後に投与した場合,CLP単 独群との間に差はみられなかったが,CLP後12時間後投与群では単独群に比べ生存率の向上と生存日数の延長 がみられた。 ⑤ステロイド投与の影響:100mg/kgのMPをCLPl時間前に単回投与した場合,生存率は非投与群に比べ軽

度延長を示したが有意差はみられなかった。白血球薮はCLP単独群に比べMp投与群では差がみられなかったが,

好中球数は処置後6時間目の低下が有意(p<0.01)た抑制草わ二好中線分画比でも24時間目までの低下程度が軽度

であった。また,サイトカイ.㌢産隼能はMP投与群セIL-6,IL-10,TNF二a.で有意(p<0.01)の抑制が観察された。

考案と結語 敗血症時には,マクロファージが細菌や毒素を貪食してIL-1やTNFを第1サイトカインとして産生し,IL-6

やⅠし8を誘導して好中球を局所へ動員させ,活性駿東や好中球プロテアーゼなどを産生して殺菌作用を発拝し炎

症が終結する。ところが,敗血症の増悪や合併症の併発により好中球が過剰産生されると,血管壁の透過性が冗 進し臓器障害が誘起されて宿主が死亡する。今回の申請者らの検討でも,CLP後白血球数は有意に低下したが, 好中球数は増加傾向を示し,単位好中球当たりの活性酸素産生能が増加した。また,IL-10は12時間後に,TNF-αは24時間後に,IL-6は12時間後に有意に増加したが,RP3投与により好中球数は有意に低下し,CL活性も低 下した。しかし,CLP後12時間目にRP3を投与すると非投与群に比べ生存率と生存日数が改善されたが,CLP前

投与では24時間以内に,CLP後8時間目投与では36時間以内に全匹死亡しキ。さらに,メチルプレドニンを

CLP前に単回投与すると,生存期間は軽度延長し,好中球減少とⅠし6,Ⅰし10,TNF-αの産生が有意に抑制され た。 以上の結果より,腹膜炎により引き起された好中球過剰産生は,好中球枯渇化抗体で抑制可能であった。また, 投与タイミングはCLP後12時間目で,他の時間では逆に短縮した。一方,ステロイドの処置前投与でサイトカ インの過剰産生が抑制可能で,炎症の特定の時期に限定した好中球除去療法とステロイド療法の有用性が示唆さ れた。 論文書査の結果の要旨 申請者 加藤禎洋は,ラット盲腸結梨穿刺法(CLP)により腹膜炎モデルを作製した上で,好中球数,活性酸素 産生能及び貪食能を経時的に観察し,さらに末梢血をLPSで刺激した場合のⅠし6,Ⅰし10,TNF-α産生能を経時 的に測定し,好中球枯渇化抗体,RP3とステロイド投与による活性化好中球の過剰反応抑制療法の有用性を検索

した。その結果,CLP後12時間日のRP3投与とステロイドのCLP直前投与に限り延命効果が観察されたが,疫与

タイミングによっては逆効果を惹起する可能性が示唆された。これらの結果は外科侵襲学,特に穿孔性腹膜炎の 治療成績向上に少なからず寄与するものと認める。 [主論文公表誌] 好中球枯渇化抗体およびステロイドがラット腹膜炎発生時の好中球およびサイトカイン産生に及ぼす影響につい て Biotherapy.2002;16(6):595∼604

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