凸多面体の見取図の立体実現について
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(2) 1. 目次 第1章. 見取図と凸多面体. 5. 1.1. 見取図とは何か、... 5. 1.2. 多面体..... 6. !.3. 凸包.... 10. 1.4. 投影.. 12. 1.5. .等角図とキャビネット図.. 18. 第2章. 凸多面体の立体実現問題 立体実現問題... 凸多面体を凸多面体に移す変換 中心投影の視点変更. 25. 2.4. 投影方法の変更...... 33. 2.5. 平行投影の視線方向の変更.... 48. 2.6. 立方体の見取図..... 51. 2.6.1 中心投影図が等角図となる凸多面体... 51. 2.6.2 中心投影図がキャビネット図となる凸多面体.. 55. 第3章. 直方体としての立体実現. 59. 3.1. 共点的な直線..... 59. 3,2. 直方体状の線画... 65. 3.3. 中心投影においての必要条件 中心投影においての十分条件 垂直投影においての必要十分条件.. 67. 2.1 2.2 2.3. 3.4 3.5. 参考文献. 25. 26. 27. 73. 83. 93.
(3) はじめに 見取図というのは立体の様子を表す回として算数で扱われ,中学校にお いても製図の方法としてキャビネット図,等角図について学習する.しか し,見取図とは何かということや立体と見取図の関係についてはあまり深 く掘り下げられない.あらためて見取図を考察すると,一見,立体の見取 図に見えても,正確な見取図として成立するのか,逆にどのような条件を. 満たしていれば正確な見取図として成立するのかといったような疑問が 生じる.そもそも,正確な見取図として成立するとはどういうことであろ うか.. そこで本研究では見取図というものを中心投影,平行投影を用いて定義 し,見取図を数学的に捉える.その見取図の定義にしたがって,ある線画. Dが中心投影,平行投影による見取図となっているかどうか,つまり立体 実現可能かという立体実現問題について考察していく. 立体実現問題を考える際に,与えられた線画Dをどのような多面体の 族の投影図とするのか,投影方法は中心投影と平行投影のうちどの投影方 法に指定するのかがまず必要である.そこで,2章において与えられた線 画Dがある多面体の族で立体実現できると仮定し,投影方法を変えたり, 視点,視線方向の変更をそれぞれある変換を用いて行ったときの立体実現 問題について考察している.つまり,ここでの立体実現問題は平面にかか れた色々な形の線画に対し,立体実現できるかどうかを一つ一つ判定して いくようなものではなく,視点や視線方向,投影方法を変えることによっ て指定した多面体での立体実現の可否がどのようになるのかについて考 えていくことである.. また,立体を表すのに使われる見取図の一つであるキャビネット図や等 角図についても考察した.中心投影においては遠近法が働くため,視点を どの位置にしても皿方体の中心投影図が立方体のキャビネット図や等角図 と」致することはない.そこで,平行投影を中心投影に投影方法を変える 変換を用いることで,投影図が立方体のキャビネット図や等角図と一致す る立体の模型を実際につくり,求めた視点からカメラで撮った映像がキャ.
(4) ビネット図や等角図となることを実際に確かめた.その模型をつくる活動 をするまでは,視点の変更を行う変換や投影方法を変更する変換を一般化 されたものとしてだけで捉えていたが,特定の場面において実際に考えた り,手を動かして活動することはさらに視点変更や投影方法の変更を行う 変換についての理解を深めることにもっながった. さらに,立体実現問題は空間ベクトルの教材としての可能性があるもの である、例えば,立体の投影像は視点や視線方向で定まる直線と投影面と の交点で求まり,空間ベクトノレの知識があれば理解できる.工夫の仕方に よって様々な状況での立体実現問題を設定し,見取図に対して実際に展開 図をつくり,立体を組み立てるところまできる.また,見取図だけでなく, 写真,絵を中心投影図として捉え,視点の位置を考察するというような生 活に身近な題材を活用した問題としても考えられる.. 論文の構成 次に,論文の構成について述べる.. 1章では,線画に対し立体実現の対象となる凸多面体の定義を有限個の 半空間の共通部分である凸多面集合を用いた定義と凸包を用いた定義の 二通りから述べた.また,中心投影や平行投影についての定義もここで述 べた.その中でも,平行投影において,視線方向が投影面に対して垂直な 垂直投影,垂直でない斜投影についても定義した.さらに,直方体を例に キャビネット図や等角図を述べているが,キャビネット図は直方体の斜投 影図であり,等角図は垂直投影図であることを述べた. 2章では,ある線画Dが中心投影,または平行投影による見取図として 立体実現可能であるとき,視点や視線方向の変更,また投影方法の変更に よって立体実現の可否がどうなるのかにっいて示した.ただし,多面体の 族を凸多面体に指定して立体実現問題を考えた、 その準備として,1章で凸包によって定義した凸多面体を使って,凸多 面体を凸多面体に移す変換gの条件を示した.その上で,中心投影におい て,視点の変更を行う変換ρ1を用いて,ψ1によっても投影図を変えず, 灼がψの条件をみたし,凸多面体を凸多面体に移すことを示した.つま り,凸多面体としての立体実現の可否は視点の変更に依存しないことを示 した.. また,中心投影と平行投影間で投影方法の変換物によっても凸多面体 の投影図を変えず,物も凸多面体を凸多面体に移すことを示した。つま.
(5) り,凸多面体としての立体実現の可否は投影方法の変更にも体存しないこ とを示した.. さらに,物,物は逆変換をもつので,平行投影による視線方向の変更を ψ1,物の合成として考えることで,凸多面体としての立体実現の可否は視 線方法の変更にも依存しないことは明らかになる.また実際に,視線方向 の変更はどのような変更となるのかということにも触れた. また,投影方法の変換を行う何1を用いて,中心投影図がキャビネット. 図,等角図となるような立体について考察した.1章で述べた視線方向の とり方によって,直方体Xの平行投影図がキャビネット図や等角図にな る1そこで,何1を使うことで,投影図を変えずに中心投影に変換し,視点 も定まる.その求めた視点から見た河1(X)がキャビネット図に一致す るもの,等角図と一致するものを求めることができる.そこで,実際に直 方体の座標を決めて,何1(X)を具体的に計算して求める過程についても 述べた.. 3章では直方体を想起させる線画のうち,どのようなものが正しい直方 体の見取図となるのかを述べた.つまり,直方体を想起させるようなある 線画Dが中心投影や平行投影による見取図として直方体で立体実現可能 であるための必要十分条件を示すが,また,平行な直線群の中心投影像は 共点的な直線群になり,直方体の辺は平行な線分の組み合わせでできてい るので,視点から見える直方体の辺の中心投影像は共点的な3組の線分群 となることを示した.共点的な3組のうち,消点を三つもつ場合から,消点 をもたない場合まで,それぞれ必要十分条件を示した.中心投影図がキャ ビネット図や等角図に一致することはないことについてもここで証明を した.. また,直方体を想起させる線画Dを垂直投影による見取図とするとき, まず線画Dの必要条件として3組の平行な線分となることがあげられる. さらに,どのような必要条件が必要なのか,その必要十分条件を示した. 最後になりましたが,大学院での2年間ご迷惑をおかけしましたが,濱 中裕明先生に丁寧にご指導していただいたことを大変感謝いたします.お 忙しい中,いつも声をかけていただいたり,なかなか理解ができない私に,. ときには遅くまでご指導していただいたおかげで,最後まで取り組むこ とができました.また,数学教室の先生方にも普段から励ましの言葉を いただいたり,授業や様々な場面でご指導をいただいて感謝いたします. さらに,いつも近くで支えてくださった院生の方々にも心から感謝いたし ます..
(6) 第1章. 見取図と凸多面体. 1.1 見取図とは何か 「見取図」を辞書で調べると,ト走の位置から目に映じたままの実景 の概要を描いた図.」とある.ここでいう「目に映じたまま」とは何だろ うか.目から感じた視覚情報は,脳で処理されるが,そういった知覚心理 学を論じるつもりはない.後に詳述するが,物体が目に映る現象を幾何学 的にモデル化した図法として,中心投影図法(透視図法)と呼ばれる方法 がある.この図法は,立体を見たままに近い形で平面に表す図法とされる.. 実際,カメラによって写真を撮った時の映像は中心投影図法による図と極 めて返し、.. 一方で,小学校の算数で描き方を習う見取図は,斜投影図法と呼ばれる ものの一種である.実際の授業では,主として直方体や立方体の見取図を 扱うこととなる.この図法で直方体を描く際(図1.1参照),長方形λBOD. を描き,∠DOHが45度となるように線分0∬を引く,D珂λ亙,B0が0H と平行で長さが等しくなるように万,瓦Gをとり,平行四辺形0DF∬, λD冊を描き,見えない辺(五G,BG,G∬)を点線で結んだものが見取図 として描かれる.. F A. B C. 図1.1:直方体の見取図. しかしながら,中心投影図法によって直方体や立方体を描いたときに,.
(7) 第1章 見取図と凸多面体 ここで習う図が得られるかというと,そのようなことはない.というのも,. 中心投影図法は別名で遠近法とも呼ばれるように,そこでは一般に,視点 から離れたものほど小さく描かれることになるが,斜投影図法では直方体 の前面と背面の同じ長さの辺が,見取図上でも同じ長さとして描かれるか. らである.実際,図1.1の斜投影図において,λDと〃の長さが等しく なっている.数学教育学の文献を見ても,例えば,[2]において,普通,見. 取図と呼ばれるものは図1.1のような斜投影図のことであるとしながら も,一方で,「形状や大小を目に映ずる実際に,できるだけ近いものとし て表現しうる点が透視図の特徴であり,合理的な見取図ということができ る.」とあるように中心投影図法が見取図と呼ぶに相応しいことも認め てし、る.. 結局のところ,どの描き方が「正しい見取図」か,というような議論は 無意味であろう.要するに「見たままの映像に近く」「その平面図から立 体が容易に想起され」「その図を用いて,立体の構成や性質を考察するこ とができる」といった性質をもつ図が見取図と呼ばれるのであろうし,見 取図を用いる場面や文脈によって,用いるのにふさわしい図法も変わって こよう.. しかしながら,中心投影図法を一つの標準的な見取図の方法と定めて, 描かれた図が正しい図であるか,また,その図から元の立体を再現できる か,などを論じることは数学的に大いに興味深い問題であろう.また,中 心投影図法においては,一つの視点を定めたうえで立体を描くこととなる が,逆に描かれた図から立体だけでなく,視点の位置の推測を行うことな どは応用上にも意味がある.さらに,中心投影図法における視点を,投影 面から遠ざけていくと,特別な平行投影図法である垂直投影図法に近くな る(実際の図法の詳細は後述).実際,望遠カメラなどで撮影した写真は垂 直投影図法による図と近い、垂直投影図法による図が,小学校で扱う見取 図と一致することがあるのか,などといった問題も考えられる. 以下本論文では,与えられた線画が中心投影や平行投影による見取図と して正しい図であるかどうか,特に後半では直方体の見取図に関しでその ような問題を扱う.. 1.2 多面体 本論文では凸多面体の見取図を扱うが,その前に,その凸多面体の定義. を明らかにしておく必要がある.凸多面体は凸多面集合というものを用.
(8) 7. 第1章見取図と凸多面体 いて定義する.. 以下,3次元空間R3の点を多く扱うが,R3の点とその点の位置ベクト ルを同一視する.また,R3∋π,μに対し,線分πμを⑳とかく. また,本論文では図を用いているが,文章と図の書体が異なることをご 容赦頂きたい. 定義1.2.1(α,わ,c)≠(O,O,0)であるようなα,6,c,d∈Rに対し, H(α,6,・,d)一{(・,μ,・)∈R31α・十う叶・・十d≧0}. と表されるR3の領域を半空間という.. X==I. ’ ‘ ’. ’ ’. O a’. 。フ. I=ギ. ギ. 図1.2:半空間. 上一定1. 。1),一一(1)と一ま伽…から. α・π≧一d (1.1). を得るここで,α’一志α,♂一法どおくと1(ll)1ま α’・π≧♂ (1.2) となる.♂が負のときは,両辺に_1をかけて,_α’,_♂を改めてα’,♂ と置き直せば(1.2)は,α’、”≧♂もしくは,α’.”≦♂の形で表せる.. (1,2)は,”がα’を法線ベクトルとして,原点からの距離♂の平面を境 界とする半空間の一方に含まれることを表している(図1.2)..
(9) 第1章見取図と凸多面体 定義1.2.2有限個の半空間∬1,H2,H3,...,∬mの共通部分∬1∩H2∩. ∬3∩_∩Hmを凸多面集合という. 上でいくつかの半空間の共通部分として凸多面集合を定義したが,この. 凸多面集合の定義では通常の感覚では凸多面体と呼びがたいものも含ま れてしまっていることを,二つの例で述べよう. まずH(1,O,O,O)∩H(0,1,0,0)∩∬(0,O,1,0)は三つの半空間”≧0,μ≧. 0,z≧0の共通部分を表しているが,このように凸多面集合が無限に広が る空間であるときは凸多面体に含めないようにしたい. また,H(α,う,C,d)∩∬(一α,一わ,一C,一d)は同一の平面を境界とする二つ. の半空間の共通部分であり結果としてαz+物十。z+d=0の平面である が,このように,つぶれている領域を表しているときも凸多面体から除外 したレ・.. そこで,以下の定義を用意する.. 定義1.2.3ρ∈R3,r>0に対して,ρを中心とする半径rである球体 {q∈R3一■ρ_q,1≦r}を,Bα〃(ρ,r)と表す。. 定義1・2・4X⊂R3に対して,ρ∈R3,r>0が存在し,X⊂BαZ工(p,r) が成り立つとき,xは有界であるという. 定義1.2.5p∈R3,r>Oが存在し,Bαlj(ρ,r)⊂Xが成り立つとき,X は有積であるという.. Xが有界とは一つの球体にXが含まれることであるから有界であれ ばXが無限に広がることはない.また,Xが有積とはXが一つの球体 を含むことであるからXが有積ならっぶれることもない.そこで,次の ように凸多面体を定義する.. 定義1.2.6有界,有積である凸多面集合を凸多面体という. ここで,凸という概念について触れておく.. 定義1.2.7XをlR3の部分集合とする.任意の”,μ∈Xに対して⑳⊂ xのとき,xは凸であるという. 命題1.2.8X,γをR3の部分集合とする.X,γが凸であるとき,X∩γ も凸である..
(10) 第1章 見取図と凸多面体 証明 任意の”,ψ∈X∩γに対して,π,ψ∈XであるからXが凸より, 瑚⊂Xとなる.また”,ψ∈γであるからγが凸より,爾⊂γとなる.. したがって,爾⊂X∩γとなり,X∩γは凸である. 口 命題1.2.9半空間H(α,6,c,d)は凸である. 証明H(α,6,C,d)∋㏄,ψをとり,π=(Z1,”2,π3),ψ=(μ1,吻,晩)とする。. また,απ1+わz2+c”3+d=γ,αμ1+わμ2+cμ3+d=5とするとr≧O,8≧O. となる.このとき,雨上の点pについて, ρ=切十(1一亡)ψ (O≦士≦1) より,p:(ρ1,ρ2,ρ3)とすれば,. αρ1+6ρ2+Cρ3+d =α(軌十(1一七)μ、)斗6(批。十(!一亡)μ。)十・(亡”3+(1一士)μ。)十d. =t(αz。十6”。十・z。)十(1−t)(αμ。十6吻十・μ。)十d. =t(α”。十6z。十㎝。十d)十(1一士)(α眈十6μ。十・μ。十d). =か十(工一亡)8≧0. ゆえに,雨上の内分点ρは”,vと一同一の半空間内にある. したがって,半空間H(α,わ,C,d)は凸である. □ 上に示す通り,半空間∬(α,6,C,d)は凸の定義を満たしており,その半. 空間の共通部分である凸多面集合や凸多面体も名の通り凸である. 確かに以上で凸多面体の定義はされたが,このままでは凸多面体の面, 辺,頂点といった概念が使えない.まず,凸多面体の境界について述べる.. 定義1.2.1O X⊂R3とρ∈R3を考える.ある定数ε>0があって, BαlZ(p,ε)⊂Xのとき,ρはXの内点であるという.. 定義1.2.11X⊂R3とρ∈R3を考える.このとき,ある定数ε>0に対 して,Bα〃(ρ,ε)⊂Xcのとき,ρはXの外点であるという.. 定義1.2.12X⊂R3とp∈R3を考える,このとき,任意の定数ε> O,B〃(ρ,ε)に対して,Bα〃(ρ,ε)¢XcかつBα〃(p,ε)¢Xのとき,pは. Xの境界点であるという..
(11) 第1章 見取図と凸多面体. 10. 凸多面体について次のことは直感的にはあきらかであるが,数学的にも 正しいことが分かっている.以下この事実を認めて議論を進める. (i)凸多面体の境界点の集合はいくつかの凸多角形の合併で,この多角. 形同士は辺または頂点以外を共有しない.また,この多角形を凸多 面体の面という.ただし,同一平面上の面は合わせて一つの面とみ なす(一つの面を複数の面に分割しない)・ (ii)凸多面体の面の辺を凸多面体の綾といい,凸多面体の面の頂点を凸. 多面体の頂点という. (iii)一つの辺は必ず二つの面に共有されている。. (iV)一つの頂点〃に対し,ωを頂点とする面を^,_,札とするとこれ らの順をうまくとれば,昂と何十1(乞=1,.、.,ηただし,耳十1=F1). がむにつながる一辺を共有するようにできる.. 1.3 凸包 定義1.3.1R3内の有限個の点p1,、..,pηに対し, {π∈Rlω一ん・P・十…十た、ρ帆,た1∈R,た1≧o,ん1+…十ん、一1} と表される集合を,ρ1,...,ρ肌の凸包という. また,p1,...,ρれの凸包をC㎝ψ1,...,pη)と表す.. 例えば,2点ρ1,ρ2の凸包はρ1p2,一直線上にない3点p1,ρ2,p3の凸 包は三角形p1ρ2ρ3,同一平面上にない4点ρ1,p2,p3,ρ4の凸包は四面体 ρ1ρ2p3ρ4となる.. 命題1.3.2R3内の”に対し,”∈c㎝の(ρ1,_,pm)であることと,㏄は ρmとCoηη(ρ1,...,pm_1)内の点との内分点であることは同値である、 証明 ”∈Coηの(ρ1,...,pm)であれば,πはp伽とCoηり(p1,...,ρ肌_1). 内の点との内分点であることを示す. ㏄∈Com(ρ1,_,ρm)とすると,. π=ん。ρ。十…十んmρm (紅≧O,ん。十…十んm=1).
(12) 第1章見取図と凸多面体. 1ユ. である.. このとき,. ん1 んm−1 ”二(ん1+ +んm_1)( ρ1+ + Pm_1)十たmPm たユ十…十んm−1 ん1+…十んm_1 と表せる、 このとき,た1、竿、m.1p1+ +た、十先帝是㎜.、ρm_1はCoηり(ρ1, ,pm_1). の点で,πはC㎝り(ρ1,...,pm−1)の点とpmの内分点((ん1+…十たm−1)十. んm=1)となる. 一方,πがρmとC㎝り(ρ1,、.、,ρ伽_1)内の点との内分点であれば,π∈ C㎝り(p1,...,ρm)であることを示す.. coηω(ρ1,..、,ρm_1)の点π’=砧p1+_十軌_1ρ肌_1(ん二≧0,科十. ・十仏一!=1)とすると,”とρmをα:(1一α)に内分する点”は π=(1一α)㏄’十αρm=(1一α)(糾ρ1+…十ん㍍_1ρm_1)十αρm (O<α<1). と表せる.このとき,ρ1,..、,ρ伽の係数は非負で,係数の和をみると, (1一α)糾十…十(1一α)ん㍍_1+α=(1一α)(姑十・一十ん㍍_1)十α. =(1一α)十α=1 となる.. したがって,π∈Coηり(ρ1,、。.,pm)となる. □ 定理1.3.3R3内のρ1,...,ρれの凸包は凸である. 証明 ω=ん1ρ1+...十た几ρη,V=∼1p1+_十王れρη (ん1+.、.十んn=. 11+…十王。=1,価≧O,1{≧O)を凸包の点とする.爾をα:(1一α)に. 内分する点をzとすると, z=(1山α)(ん1ρ。十…十た山)十α(1.P。十…十1ηPれ) (O<α<!) =((1一α)ん。十α1。)ρ、十…十((1一α)んη十α1れ)ρ刊. と表される.0<α<ユより,p1からρれの係数はそれぞれ正である. さらに,係数の和をみると, (1一α)(ん1+… 十んη)十α(工1+… 十エη)=(1一α)十α=1 となる.. したがって,Zも凸包の点となり,p1,.l1,pπの凸包は凸となる. 口.
(13) 12. 第1章 見取図と凸多面体 凸包と凸多面集合について次の定理が知られている([3]).. 定理1.3.4R3内のXについて,Xが有界な凸多面集合であることと, xが有限個の点の凸包であることは等しい. 直感的には明らかにみえるこの定理も証明は存外難しい.以下,この定 理を証明ぬきで認め,議論をすすめる.この定理を用いると,既に定義を した凸多面体は,次のようにも定義できる.. 定義1.3.5R3内のXについて,Xが有限個の点の凸包で,かっ有積な ものを凸多面体という.. 1.4 投影 以下,投影を考えるとき,対象となる立体(凸多面体)はz座標が負であ る領域におくとし,この領域{(z,μ,z)∈R3−z<0}をD■とかく.また,. {(”,μ,z)∈R3,z>0}をD+とかく、また,z=0で表せる平面πを投 影面という.. まず,中心投影について定義する. 定義1.4.1D+内の点θ(z、,μ、,z、)を一っ固定し,以下,視点とよぶ.こ. の視点eに対して,ケから平面πへの写像∫を次のように定める.す なわち,D■内の点ρに対し,萌∩π={∫(ρ)}となるように∫(p)を定 める.このとき,!をeを視点とする中心投影という.また,∫(ρ)をρの 投影イ象とし・う.. P. 一.. f(P). e. D+. D一. 図1.3:中心投影.
(14) 第1章 見取図と凸多面体. 13. この中心投影と呼ばれる写像∫とD一向の凸多面体Xに対し,「見取 図」を定義したいのであるが,ここで単純に∫(X)を見取図とする訳には いかない,というのも,∫(X)はXの点を全て投影してしまうので単なる シルエットになってしまう.実際には,Xの稜上の点を投影したものを見 取図としたいが,視点から“見える”イ則の稜だけを描くこととしたい.. そこで,中心投影において,ある視点から3次元空間の点が見える,見 えないという概念について定義する.. 定義1.4.2XをD一向の凸多面体とし,e∈D+を視点とする.p∈X に対し,亜∩X={ρ}のとき,ρはθから見える(位置にある)という.. また,師∩X≠{p}のとき,ρはeから見えない(位置にある)という. 本論文で扱う「見える,見えない」ということは日常生活での素朴な概 念を,上の定義のように数学的にモデル化し,捉えたものである. 見える稜を実線でかき,見えない稜を点線でかいたものを見取図とする こともある.しかし,応用上のことを考えると,カメラで撮ったようなそ のままの映像を見取図として捉えたいので,本論文では見える稜のみを投 影したものを見取図とする.. したがって,視点のとり方によって,立体の見える面が一つのとき,見 取図が一つの面のみになることもあり得る. ここで,以上のことを用いて見取図を定義する.. 定義1.4.3DI内の凸多面体をXとし,D+内に視点eをとる.また, γ={ア(p)一ρはXの稜上の点で,eから見える位置にある}とする.この. ときγを,eを視点とする中心投影によるXの見取図という, 中心投影によって見取図が投影面上の集合として定義されたが,以下の ように見取図はいくつかの線分の合併になる.. 定理一1.4.4D一向の凸多面体をX,両をXの稜とする.このとき,中心 投影において,次のいずれかが成り立つ. (i)西上の点は全て見える. (ii)画の端点を除く部分が全部見えない.. 証明 端点を除く部分に見える点が一つでもあれば,両は全て見えるこ とを示す、そこで,西の端点以外の点mで見える点があるとして,函 の点が全て見えることを示す.両の任意の点ωに対し,もしもπが見.
(15) 第!卓見取図と凸多面体. !4. えないとする.mは見えるので㏄≠m,そこで,㏄はmからp側にあ るとしてよい.πが見えないので,面上にπと異なるXの点ψがある.. ところが,Xは凸なので,亜もX上の点である.⑳は壱而と交わるの で,mが見えることと矛盾する.したがって,両は全て見えるか,端点を 除く部分が全部見えないのどちらかである. 口 P .!へ。. ・ニプ・・一ぺ、。. e…ξ. ’’’I一一一’I. 図1.4:視点eから見えない点” このように,凸多面体の見える稜の全ての部分の投影像が見取図となる、 次に,平行投影という投影方法について以下に述べる. 定義1.4.5晩>OとなるようなR3のベクトルω(ω1,吻,り3)をとり,以. 下,視線方向とよぶ、この視線方向ωに対し,rから平面πへの写像 gを次のように定める.すなわち,D一向の点ρに対して,ρを通りωに 平行な直線を1とするとき,1∩π={g(p)}となるようにg(p)を定める、. このとき,gをωを視線方向とする平行投影という.また,g(p)をpの 投影像という.. P. V. !. ‘・. ’・‘ .’ ’. 9(P). I. D+. D一. 図115:平行投影.
(16) 15. 第1章 見取図と凸多面体. 以下,視線方向のベクトルは常にz座標が正とする. 後述するように,中心投影では平行な線分は投影面上の平行な線分に投 影されるとは限らないが,平行投影では次の定理が成り立つ. 定理1.4.6両,灰アがD■内の平行な線分とする.また,ωを視線方向と する平行投影をgとすると,g(ρ)g(q)とg(ρ’)g(q’)は平行である.. v p / 1. D+. D■. 図1.6:平行な両,p’q’とその平行投影像. 証明 q一ρ=αとおく,すると,p・q・と西は平行より,Oでない実数ゴ を用いて,q’_ρ’=ゴαと表される.p=(πp,蜘,zp),α=(π。,μ、,z、),ρ’=. (吟ψZ二)とおく、このとき,視線方向ω=(”1,μ1,Z1)に対し,ρの投影像. ∵∵∵∴“↑∵∴ で,この値のたに対し,g(p)=(”p+ん”1,蜘十んμ1,0)である。. また,qを通りωに平行な直線上の点をr2とすると, r。:(α十ρ)十1①. 一(ll11川(工∈則 と表せる よって,g(q)は,1= 着2・に対し,(πα十”、十1”1,μα十μ、十1μ1,0). である..
(17) 第1章. 16. 見取図と凸多面体. 同様に,. z’. 9(ρ’)一(π二十㎜・,μ二十岬1,0)(m一」∈R3). Z1 9(q’)=(加α十z二十ηzユ,ルα十リニ十ημ1,O) (η=. ゴzα十z. p∈R3). Z1 である.. よって,. 新一. i∵;つ一(1∴1つ. となり,. ・面一. i㌻刈. 十列寸刊 となる. 一一一一一一一一一→ 一一一一一一一一一→. ゆえに,g(ρ’)g(q’)=ゴg(ρ)g(q)と表せる.. したがって,g(ρ)g(q)とg(ρ’)g(q’)は平行である. 口. また,平行投影に対しても見える,見えないという概念について,以下 のように定義する1. 定義1.4.7XをD一向の凸多面体とし,ω∈R3を視線方向とする. ρ(伽,吻,zρ)∈Xに対し,ヵを端点としてω方向に伸びる半直線とX の共有点がρのみであるとき,pはω方向から見える(位置にある)と いう.. また,ρを端点としてω方向に伸びる半直線とxの共有点が’ρの他に 存在するとき,pはω方向から見えない(位置にある)という。 以上のことを用いて,見取図を定義する..
(18) 第1章見取図と凸多面体. 17. 定義1.4.8D一向の凸多面体をXとし,R3に視線方向〃をとる、ま た,γ={∫(ρ)一ρはXの稜上の点で,ω方向から見える位置にある}とす. る.このとき,γをωを視線方向とする平行投影によるXの見取図と いう.. 中心投影のときと同様に,視線方向に対し,立体の稜上の点で見える位 置にあるもののみを投影したものを見取図として捉える.このように,平 行投影による見取図が定義されたが,見取図が線分の合併かについて,以 下に述べる.. 定理1.4.9D一向の凸多面体をX,両をXの稜とする1このとき,平行 投影において,次のいずれかが成り立つ、 (i)西上の点は全て見える. (ii)両の端点を除く部分が全部見えない.. 証明 R3の視線方向を①とする.端点を除く部分に見える点が一つでも あれば,両は全て見えることを示す.そこで,西の端点以外の点mで 見える点があるとして,河の点が全て見えることを示す.西上の任意の 点πに対し,もしもπが見えないとする.mは見えるのでπ≠m,そこ で,πはmからp側にあるとしてよい.πが見えないので,πを端点と してω方向に伸びる半直線上に”と異なるxの点ψがある.ところが,. Xは凸なので,卿もX上の点である亜はmを端点としてω方向に 伸びる半直線と交わるので,mが見えることと矛盾する.したがって,両 は全て見えるか,端点を除く部分が全部見えないのどちらかである. 口 したがって,平行投影においても凸多面体の見える稜の全ての部分の投 影像が見取図となる. ここまで,二つの投影方法について述べてきたが,中心投影とは視点と. 呼ばれる1点から対象となる凸多面体を“見たときの形”を数理的にモ デル化したものである1 中心投影において,立体を固定したまま視点をz軸の方向に動かして いくと視点と立体の各点を結ぶ線分は全てz軸とほぼ平行になっていき, z軸方向の平行投影に近づく.このように,投影面と垂直な方向の平行投 影を特に垂直投影と呼ぶ.このように,垂直投影は対象となる凸多面体を 無限の遠方から“見たときの形”を数理的にモデル化したものと言える. また,視線方向が投影面と垂直でない平行投影は斜投影と呼ばれる..
(19) 第1章見取図と凸多面体. !8. P. V. !. ..’’.. パ、. ’’‘. / y. .。’’. ヨ. ’.X ・・. ’、m. ..一・一q. 図1.7:視線方向ωから見えない点π 冒頭!.1節で述べたように,見取図の捉え方には多様な考えがあるであ ろうが,以下,本論文では見取図という用語を定義1.4.3,定義1.4.8の中心. 投影による見取図もしくは平行投影による見取図の意味に限定する.. 1.5 等角図とキャビネット図 直方体や互いに辺が平行な直方体の合併など,限定した立体を見取図に 表す方法として,等角図やキャビネット図がある. まず,直方体を例にして,キャビネット図について説明する.キャビネッ ト図の特徴として「キャビネット図は,立体の正面を正確に表すのに適し ています.」([1])とあるように,キャビネット図は立体の特徴を表す一つ. の面を原寸でかき,立体を斜めからみたようにかいた図である.まず,直 方体の」つの面を固定し,これを正面と決める.直方体の正面とする面を 原寸で投影面上にかく.. 図1.8:キャビネット図(直方体の正面). 次に,その正面の面に対し奥行きの稜を表す線分を図1.9のように45度 で,原寸の半分になるようにとる.. 最後に,奥の面の稜を正面の面の稜と平行にひく・.
(20) 第1章. 19. 見取図と凸多面体. “ぎ 図1.9:キャビネット図(直方体の奥行き). ■ざ 図1.10:キャビネット図. 定理1.5.1直方体Xの一つの面を正面と定め,正面の辺が”軸,μ軸と 平行となるようにD■におく.このとき,視線方向ω=(1,1,2ψ)の平行. 投影によるXの見取図はXのキャビネット図となる. y. 図1.!1:直方体Xの視線方向〃による平行投影. 証明 正面が投影面(榊平面)と平行なので,正面の面の投影像はもとの. 直方体の正面と合同になる1そこで,奥行き(z軸方向)の稜について考 える.実際,z軸に平行な線分が,投影面上でz軸と45。で交わり,長さ が半分の線分に投影されればよい1 今,西がZ軸に平行なD一向の線分としてp(ZO,μO,ZO),q(吻,眈,Zo+. α)(α>0)とおき,ρとqの投影像をそれぞれp’とq’とする。.
(21) 第1章見取図と凸多面体. 20. pの投影像はpを通って”に平行な直線と投影面との共有点である. ここで,ρを通ってωに平行な直線上の点をrとすると,. ・一. ill)・仙同. と表される.また,ρの投影像はrのz座標が0のときである.したがっ て,そのとき,た=一晶で,この値のんに対し,ρ’=(”o+ん,μo+札0)で ある.. 同様にヨq’は実数に一音芳に対し,(”o+∼o+1,O)と表される. ゆえ岬. ¥)より仙平面で一1影1−1きは1. で,長さは. ZO+α ZO = 2( 十 )2 2ψ 2ψ _α 2 である.. つまり,ρ・q・の長さは西の半分となる.. また,傾きが!であることより,西は”軸と45oで交わる.. したがって,ωによるXの見取図はキャビネット図となる. 口 上の定理において,のは投影面と垂直でないのでωを視線方向とする 平行投影は斜投影である.したがって,キャビネット図は斜投影を用いた 見取図である.. 等角図についても,直方体を例にして説明する。[11において,等角図の 特徴として,「等角図は,一つの図で三つの面を同じ書1」合で表すのに適し ています.」とあるように,等角図は幅,奥行き,高さの原寸との比率が等 しくなるようにかいた図である.. 図1.12の直方体を等角図で表すときは(以下,等角図でもとの直方体の 頂点に対応する点をダッシュをつけて表す)投影面上に点P’,〃,B’,0’ を,点P’から伸びる3線分P’λ’,PB’,P’αの間の角が全て120。とな.
(22) 21. 第1章 見取図と凸多面体 C B. A. 図1.12:直方体 C’ B’. A’. 図1.13:間の角が全て1200である3線分P’〃,P’B’,P’α. るように,またP’〃:P’B’:P’α:Pλ:PB:Pσとなるようにと る(図1.13)、. 次に,α,P’,B’の3点,B’,P’,。4’の3点,〃,P’,αの3点をそれぞ. れ頂点にもつ平行四辺形を成すように辺をかき加える(図1.ユ4)、 C’. B’. A’. 図1.14:等角図. 等角図は垂直投影による見取図と考えられる.これを示すために三つ のベクトル皿1,吻,仙3を次のように定める.. 1 市1 1 市1 1 u。=(0,一1,一一),刎。=(一,一,一一),u。=(一一,一,一一) ψ 22 ψ 22 ψ.
(23) 22. 第1章 見取図と凸多面体 とおく、このとき,仙1,吻,仙3は互いに垂直で全て長さが等しい. 実際,. 仙1・u2:u1・仙3=u2・仙3=O なので,u1,吻,u3は互いに垂直であり,. 市 1刎。1=1伽。1・・1刎。1=一. 2 となり全て長さが等しい.. これら,u1,u2,u3は次のような性質を満たすように選ばれている.す なわち,uユ,吻,u3を投影面上に正射影した(z成分をOに置き換えた) ベクトルを叱,仙ら,叱とすると,. ・一. i:外一(外十11). であり,叫,必の成す角,叱,必の成す角,叱,必の成す角が120。かつ, 全て長さが等しくなる.このような,u1,仙2,u3を用いて,次の定理を示す.. 図1.15:ω1,吻,u3. 定理1.5.2直方体Xを次のようにD■内に配置する.すなわち,Xの一. つの頂点PをD一向のz軸上にとり,Pから伸びる三つの稜P4,PB, 一合 一一一→ 一一一一}. PσについてP4,PB,P0がそれぞれ仙1,吻,仙3と平行で同じ向きと する.このとき,Xの〃=(0,0,1)方向の平行投影による見取図は等角図 となる1.
(24) 第1章. 23. 見取図と凸多面体. 証明 定理1.4.6で述べたように,平行投影では平行な稜は平行に投影さ れるので,直方体の面が平行四辺形となる.よって,等角図となることを 示すにはP,λ,B,σの投影像P’,λ’,B’,αに対して,以下のことを示 せばよレ・、. (i)∠〃P’B’:∠B’P’α=∠αP’λ’=120。. (ii)Pλ:PB:P0=P’λ’:P’B’:P’α. y. C,. B I. P. A’. 図1.16:投影像P’,〃,B’,α 一一一一} 一一一→ 一一一→. Pλ=ん㏄1,PB=1吻,P0=m仙3(ん,1,m>0)とおく. 仮定より,ω:(O,0,1)なので,各点はz軸に平行に”μ平面に投影さ れるので,”,μ座標を変えないままz座標を0とした点へ投影される。 すなわち, P’=(0,0). 3 3 ノバ=(O,一た)=ん(cos(一71一),sin(一7r)) 2 2. 市1 π .π B㌧(j,一1):1(COS(一),・1n(一)) 2 2 6 6. 凶 1 5π 5π. 0’=(一一m,一m)=m(…(一),・in(一)). 2 2 6 6. ゆえに,∠〃B’α,∠B’P’σ’,∠αP’λ’は全て120。である..
(25) 第1章. 見取図と凸多面体. 24. また,lu1I=一物■=I仙3一より,. PA:PB:P0=んlu11:王1u21:m1他31 =ん:”:m 一方,. P’A’:P’B’:P’0’=恢:〉τ:π =た:z:m. ゆえに,PA:PB:P0:P〃:P’B’:P’αである、 したがって,。ω=(0,0,1)による見取図は等角図となる. □. 上の定理でω:(0,O,1)は投影面に対して垂直であるので,ωを視線方. 向とする平行投影は垂直投影である.したがって,等角図は垂直投影を用 いた見取図であるといえる..
(26) 25. 第2章. 凸多面体の立体実現問題. 本論文では,平面上に与えられた「見取図」から立体に再現できるかど うかという問題を考えていく.. 2.1 立体実現問題 日常生活で見取図というと,立体を表した図と捉えられている.つまり,. 対象となる立体が存在するという前提で,提示された見取図を考えること が多い.. しかし,本論文では見取図を前章にあげた投影方法による投影図として. 定義したので,r見取図」として与えられた図が中心投影または平行投影 による何らかの多面体の投影図になっていなければ見取図として成立し ない.. ここで,凸多面体の見取図は,定理1.4.4,定理1.4.9で述べたように,線. 分の集まりであった.そこで,投影面上の線分の有限個の合併を線画とよ ぶ.与えられた線画に対して,これが正しい見取図として成立するかを考 えたい.そのためには投影方法を指定する必要がある.また,図2.1を見 ると多くの者が直方体を想起すると思われるが,この場合,図2.1が凸多. 面体として正確な投影図であるかよりも直方体として正確な投影図であ るかの方に関心が向くのは自然であろう.. 図2.1:直方体を想起させる投影図. そこで,投影面上の線画D,多面体の族(例えば凸多面体の族,直方体の.
(27) 第2章 凸多面体の立体実現問題. 26. 族など),投影方法gに対して,指定された多面体の族に含まれる多面体 Xでψにより,投影した見取図がりとなるものが存在するか,またその. ようなXが唯一であるかどうかを考える.上記のような多面体Xが存 在するとき,Dはgによる見取図として,指定された族で立体実現可能 であるといい,立体実現可能であるかどうかを考える問題を立体実現問題 とし・う.. 2.2 凸多面体を凸多面体に移す変換 次節以降,空間内の変換を用いて凸多面体を移すことを考えるので,こ の節でそのような変換について準一備する、. 定理2.2.1写像ダD一→D一を考える.ψが任意のp,q∈D一につい て,ψ(阿)=ψ(p)ψ(q)をみたすとき,ψはr内の有限個の点p1,.、.,ρm の凸包をD一向の有限個の点ψ(ρ1),、。.,ψ(ρm)の凸包に移す. 証明 ψ(Coηη(ρ1,、.。,pm))=Co几り(ψ(p1),_,ψ(pm))となることを,m. に関する帰納法で示す. m=1のとき,coηη(p1)・・{ρ1}より,ψ(coηり(p1)):coηη(ψ(p1))と. なり成り立つ、. m=η一1のとき正しいとして,m=nのときを示す. 〃∈ψ(・㎝り(ρ・,...,ρれ)). ⇔ψ=ψ(π),π∈・0川ρ。,..、,Pれ). ⇔V=ψ(”),πはρ仰とCoηU(ρ1,_,pη_1)の点”’の内分点 ⇔ψ∈ψη”’),”’∈・㎝ψ。,,Pη一。) ⇔ψ∈ψ(Pη)9(π’),π’∈・㎝ψ、,...,Pれ一、). ⇔〃∈ψ(ρη)ぴ,ψ’印(・㎝ψ。,、..,Pη一。)). ⇔ψ∈ψ(ρれ)ぴ,ψ’∈・㎝∼(P。),_,ψ(Pη一。)). ⇔ψ∈・㎝∼(ρ。),_,ρ(ρm)). したがって,ψはD一向の有限個の点ρ1,,..,ρmの凸包をD一向の有限 個の点g(p1),、、.,ψ(ρm)の凸包に移す. □ さらに,1章で凸包を用いた凸多面体の定義1.3.5より,次のことを示せ. ればψは凸多面体を凸多面体に移すことが言える..
(28) 第2章 凸多面体の立体実現問題. 27. 定理2.2.2D■からrに移す写像をψとする.ψが次の二つを満たす ならば,ψはD■の凸多面体をD■の凸多面体に移す。 (i)任意のp,q∈D1について,ψ(画)=g(ρ)ψ(q). (ii)9は同一平面上にない4点を同一平面上にない4点に移す. 証明 D’内の凸多面体Xをp1,...,ρ帆の凸包とする. 定理2.2.1より,ψ(X)は。㎝U(ψ(p1),...,g(ρη))なのでψ(X)が有積な らよい、. ここで,P1,...,Pηが同一平面上にあると,X=coη〃(ρ1,...,Pれ)も平. 面上となり有積ではなくなってしまうので,p1,...,ρ肌は同一平面上にな い4点を含む.それをp1,.、.,ρ4とする.このとき,ψ(ρ1),_,ψ(p4)は 同一平面上にないので,ψ(X)は四面体である。oηり(ψ(P1),、。。,ψ(ρ4))を. 含み有積である. 口. 2.3 中心投影の視点変更 中心投影による立体実現問題を考えるとき,視点の位置が関係してく る.というのも,与えられた投影面上の線画が一つの視点からの投影図と なっていても,視点の位置を変えたときに,線画が変更後の視点から中心 投影図として成り立っているとは限らないからである.ところが,多面体 の族として凸多面体を指定するならば,次の定理に述べるように立体実現 可能性は視点の位置に依存しない. 定理2.3.1投影面上の線画をD,θ1(”1,μ1,z1),e2(z2,μ2,z2)をD+内の. 視点とする.このとき,Dがe1を視点とする中心投影図として凸多面体 で立体実現可能であるとき,Dはε2を視点とする中心投影図としても凸 多面体で立体実現可能である、.
(29) 第2章. 凸多面体の立体実現問題. 28. 土の定理を証明するために,次のような.変換ψ1を導入する1すなわち, 一(1)一(ll)とおき,. 、・。”十(Z。一Z、)・. ” = Z1. μ1−z1叶(μ〔・)z (・1) Z1 ’ Z2Z z =一 Z1. とする、以下,例の性質をいくつか考察したい、まず,(2.1)をよくみる と,Zユ,μ1,Z1,Z2,吻,Z2は定数であるので,〆,μ’,ノは変数”,μ,Zに関する. 定数項のない一次式となっている.つまり,このψ1はR3内のある一次 変換を表している. 実際,. ・一÷(1ザ:ブ1). i1)一・(1)となる とおくと,一. ま一1ト(1)とすると,州一・州一 物,ψ1(e1)=e2となる.特にψ1は〃ユ,ω2を動かさず,投影面π上 の点(z,μ,O)は”ω1+〃2と表されるので,ψ1はπ上の点を動かさない、 (2.1)を”,μ,zについて解いて,z,μ,zを〆,ψ,z’の式として表すと次 を得る.. ・。〆十(Z。一”。)・’. ”= Z2. 刎’十(μ。一晩)メ. μ: (22) 、Z2 Z1Z z=一 Z2.
(30) 第2章 凸多面体の立体実現問題 29 この(2.2)を使って,〆:R3→R3を〆(〆,μ’,z’)=(”,μ,z)と定め ると,. イ)一二∴与…∵ Z2 (・、Z+(”。一”。)・十(ZrZ・)・). _ Z1. ■ (・。叶(吻一μ。)・十(μ。1。)・). Zl z 一(1). ・。(・。・’十(・ユー・。)・’十(・・一・・)・!). ■ll)一. Z1Z2 ・。(刎’十(μ。一晩)・’十(μ・一μ・)ノ) Z・Z亨. 坐 Z1 (郁’十(”rZ。)・’十(吻一”。)ノ). Z2 (郷’十(μ。一μ。)・’十(μ。一μ・)・’) Z2. z. ’. 一(ll). というように,^と仰は確かに逆写像となっている(以後,〆を何1と 表す).また,何1も一次変換で次のM’’1により,. パー. y(∵㌧つ.
(31) 第2章 凸多面体の立体実現問題. 30. イ1)一イ1)と表される さらに,例の性質について考えたい.仰,何1の定義式(2.1),(2.2)はい. ずれも一次式であるから,ψ1,何1は共に連続である.また,ψ1がD一向 の立体をどのように移すかを述べたい.. 補題2,3.2D■内の点ρがD一向の線分p3ρ4のα1一α (O≦α≦1) の内分点ならば,ρユ(ρ),何1(ρ)はそれぞれψ1(ρ3)物(p4),何1(ρ3)何1(ρ4). のα 1_αの内分点である特に,ρ1,何1は線分ρ3ρ4をそれぞれ線分 ψ1(ρ3)ψ1(ρ4),何1(p3)町1(p4)に移す.. 証明灯1も同様なので,物についてのみ述べる.D山内の任意の点を p3,ρ4とし,p3p4のα(1一α)の内分点をpとすると, ρ=αρ。十(1一α)ρ。(O≦α≦1). と表される1例は一次変換であったので, ψ。(P)=ψユ(αρ。十(1一α)ρ。). =αg。(ρ。)十(1一α)ψ。(ρ。). と表される.ゆえに,ψ1(p)もψ1(ρ3)ψ1(p4)のα:(1一α)の内分点で ある.. したがって,ψ1は線分を線分に移す. 口 ψユや何1は正則な一次変換なので次の性質をもつ. 補題2.3.3ψ1や河1によって,平面は平面に移る.. 証明 何1も同様なので物について述べる.平面をαとし,αの法線ベ クトルをηとすると,ρがα上にあるための条件式は肌.ρ=んの形に表 せる(たは定数)。このとき,ψ1(π)=Mπ(Mは3次正方行列)とおくと, ρ’印1(α)⇔ψ丁1(ρ’)∈α. ⇔〃一1p’∈α ⇔肌・(〃■1p’)=た ⇔(t〃一1η)・P’=ん.
(32) 第2章 凸多面体の立体実現問題. 31. となり,これはW−1肌を法線ベクトルとする平面を表す式である(〃が 正則より,W’■1η≠Oである).. したがって,物(α)は平面である. 口 このことからただちに次が分かる.. 補題2.3.4ψ1は同一平面上にない4点を同一平面上にない4点に移す. 証明 D■内の同一平面上にない4点p1,ρ2,ρ3,ρ4がψ1によって平面 α上のψ1(p1),ψ1(p2),ψ1(p3),ψ1(ρ4)に移ったとすれば,補題2.3.3より. p1,p2,p3,ρ4は平面可1(α)上となり矛盾. ゆえに,ψ1(ρ1),ψ1(p2),ψユ(ρ3),ψ1(p4)は同一平面上にない. 口. 補題2.3.2,補題2.3.4より,例は線分を線分に移し,同一平面上にない. 4点は同一平面上にない4点に移すことが言えた.よって,定理2.2.2より 次が成り立つ.. 定理2.3.5ψ1はD■内の凸多面体をD一向の凸多面体に移す、 一方で,!章において見取図とは,立体の稜上の見える点の投影図であ ることとしたので,ψ1は凸多面体の稜を凸多面体の稜に移すことを示し たい.一章で述べたように,凸多面体は面で囲まれているが,凸多面体は 凸であるから凸多面体の面も凸で,これは凸多角形である.凸多角形は同 一平面上の点の凸包なので定理2.2.1,定理2.3.3より,面を仰で移した ものもまた凸多角形となる.. 補題2.3.6D■の多面体Xの2面河,易が稜両を成すことと,ψ1(X) の2面ψ1(F1)とgユ(易)が稜ρ1(ρ)ψ1(q)を成すことは同値である.. 証明仮に,ψ1(^)とψ1(F2)が同一平面α上となって,稜をなさないと. すれば,補題2.3.3より,何1を施した珂,易も同一平面上となり,稜画 をなすことと矛盾する.よって,乃,凡が稜を成せば,g1(^),ψ2(易)も稜 を成す. また,ψ1(珂),ψユ(易)を珂,河とし,ψ1(ρ),ψ1(q)をρ’,q’とおけば,町1. も補題2.3.3の性質をもつので逆も正しい. 口. このことから,D■の凸多角形Xの稜上の点全体の像が,ψユ(X)上の 稜上の点の全体となる.. さらに,ψ1の変換の前後で,移動した点が視点e1やe2から見えるか どうかについて述べる..
(33) 32. 第2章 凸多面体の立体実現問題. 補題2.3.7ψユ,e1,e2は上述の通りとし,D一向の凸多面体をXとする. Xの任意の稜上の点pについて,ρがe1から見えることと,ψユ(ρ)=ρ’. がe2から見えることは同値である. 証明 まず,補題2.3.6より,Xの稜上の点はψ1(X)の稜上の点に移る.. まずρがe1から見えれば,ψ1(ρ)がe2から見えることを示すために対 偶をとって,ψユ(X)の稜上の点ψ1(p)がe2から見えないならば,pもθ1 から見えないことを示す.. もし,g1(ρ)がe2から見えないとすると,あるq∈ψ1(X)に対し,qは e2例(p)の内分点である.. よって,灯1(q)∈Xで,補題2.3,2より何1(q)は師の内分点である.. ゆえに,ρはe1から見えない. したがって,ρがe1から見えるならば,ψ1(ρ)がe2から見える. また,g1(X)をX’として,e1,X,p,ψ1をそれぞれe2,X’,p’,何1に読. みかえれば逆も同様に示される1 □ P’. q e11. X’. 、. 、 、. ’■ ’. ‘. ‘. ‘. ’. ’. 、 、 、 、 、. ∞`、.、 一 ・. 、. 1. 、 ●■ll. e2. ■vp. X DI. D+. 図2.2:見えない点ρ,ψ!(ρ)とそれらの中心投影像. 以下,物によって視点の位置を変えても凸多面体の投影像は不変であ ることについて述べる.. 補題2,3,8e1,e2,物は上述の通りとする.任意のρ∈D■に対して,p のe1を視点とする投影像とψ1(ρ)のe2を視点とする投影像は一致する. 証明 補題2,3.2より,師はe2ψ1(ρ)に移る..
(34) 第2章 凸多面体の立体実現問題. 33. また,師の内分点でπ(投影面z=0)上の点をαとする.2.3節の式 (2.1)をみると,ψユは7r上の点を動かさない。つまり,吻(α)はαと一致 し,eψ1(P)=ψ1(e1)ψ1(ρ)のπ上の内分点となる。. したがって,ρの投影像とψ1(ρ)の投影像は一致する. □ 定理2.3.1の証明. e1,e2,ψ1は上述の通りとし,π上のある線画Dがe1を視点とする中 心投影図として凸多面体Xで立体実現可能であるとする1定理2.3.5よ り,D一向の凸多面体Xは物によってD一向の凸多面体ψ1(X)に移る. また,補題2,316と,補題2.3.7より,e1から見えるXの稜全体は,e2か ら見えるgユ(X)の稜全体と一致する.さらに,補題2.3,8より,Xの稜と ψ1(X)の稜の中心投影図は一致することが言える.. したがって,ε2を視点とする中心投影によるψ1(X)の見取図がDと なるので,Dはθ2を視点としても立体実現可能である. 口 つまり,凸多面体としての立体実現問題は視点の位置には依存しないこ とが言える.. 2.4 投影方法の変更 前節では,中心投影における視点の位置を変える変換を扱ったが,ここ では投影方法を変える変換について考える.中心投影を平行投影に,平行 投影を中心投影に移す変換である. 実は,多面体の族として凸多面体を指定するならば,立体実現可能性は 投影方法にも依存せず,次の二つの定理に述べるように,投影面上の線画 が中心投影による見取図として立体実現可能であること≒,平行投影によ る見取図として立体実現可能であることは同値である. 定理2.4.1投影面上の線画をD,e1(均,μ1,z1)をD+内の視点,e2(”2,V2,z2). をD+内の視線方向とする.このとき,Dがe1を視点とする中心投影図 として凸多面体で立体実現可能であるとき,Dはe2を視線方向とする平 行投影図としても凸多面体で立体実現可能である. 定理2.4.2投影面上の線画をD,e1(z1,μ1,zl)をD+内の視点,e2(z2,μ2,z2). をD+内の視線方向とする.このとき,Dがe2を視線方向とする平行投 影図として凸多面体で立体実現可能であるとき,Dはe1を視点とする中 心投影図としても凸多面体で立体実現可能である1.
(35) 第2章. 凸多面体の立体実現問題. 34. 土の定理を証明するために,次のような変換物を導入する.すなわち,. イ1)一(ll)とおき,. 、・。”十(吻一”。)・ z =. Z1−Z. μ1−z・叶(μ〔・)z (・・) Z1−Z ’ Z2Z z = Z1■Z とする.ここで,物の性質について考察する.(213)をみると,これは π,μ,zに関しての分数式で,一次変換ではないことが分かる. 実際,. i1ザ:1つ 1一 とおくと,. 物(1)一÷(1). と表される.特にz=z1のとき,分母がOとなり,物は定義されないの で,物はR3土の変換とはいえない.そこで,物が写像としてきちんと 定義されるように定義域を定めたい. ノの値は(2,3)をみると,これは変数zのみに対して定まる、z’の式は. ’ Z2Z Z2Z1. Z= = 一Z2 Z1−Z Z−Z1. となり,グラフは次の図2.3のようになる.. グラフをみるとz≦Oの領域の点を一z2<z’≦Oの領域に,O≦z<z1 の領域の点をz’≧Oに移すことが分かる、以下,{(z,μ,z)∈R31−z2< z<O}の領域を五一とがき,{(π,μ,z)∈R310<z<z1}の領域を五十と. かく.そうすると,物はD■内の点を五■内に移し,五十内の点をD+内 に移すといえる.そこで,物を物:D一∪πU五十→五一∪πU D+の写像.
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