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小学校における攻守交代系(時間的)攻防分離型ゲームのカリキュラムの作成 : ベースボール型ゲームの教育内容の措定と教材開発を通して

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Academic year: 2021

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(3)     育  体  健  線. 秤活0 2 瀬. 1.目 的. 教生M廣.   号 攻ス番 名  一籍 専コ学氏. 小学校における攻守交代系(時間的)攻防分離型ゲームのカリキュラムの作成   一 ベースボール型ゲームの教育内容の措定と教材開発を通して 一. の妥当性.  小学校学習指導要領に示されているソフトボール は,攻守交代系時間的攻防分離型ゲームの代表として. (1)対象:1年生から6年生のそれぞれ1学級に所属する 計190名(男子97名,女子93名)の児童.. 位置付く.. (2)指導者:教職歴15年の1人の男性教師..  しかし,個人のプレイが大事にされる反面,技能の個 人差が顕在化すること,個々の技能がある程度高まっ ていないとゲームが停滞し楽しさが半減すること等によ り,全員が楽しさを味わえていないという実態を生み出. (3)学習過程:準備運動も兼ねて「捕る」「投げる」の技能. している.. (4)学習成果の把握.  ソフトボールに繋がる動きや能力は,適時性の観点 から,また,低・中学年では,ゲームを通してボール操 作能力を高めるという学習指導要領の趣旨から,低学 年の段階から,ゲームを通して身につけさせるのが望ま. 1)技能的側面:1,(2),1)の測定を,単元前・後に実施した.. しいと考えられる.. の向上を目指して開発したドリルゲームと,学年段階に 配当したゲーム教材で学習する6∼7時間からなる学習 過程(1∼3年:6時間,4∼6年:7時間).. 2)認識的側面:“2),2)の調査ならびにテストを,単元前 ・後に実施した.. 3)情意的側面:rよい授業への到達度調査」に楽しさの 項目を加えたアンケートを毎授業後に実施した。また,.  そこで,本研究では,まず,ソフトボール(ベースボー. r態度測定」ならびにr好嫌度調査」を単元前・後に実施. ル型ゲーム)を楽しむために必要な能力の種類とレベ ルを明らかにした.また,それらの能力を児童の発達段 階に応じて,ゲームを通して身につけさせ得ると考えら れるゲーム教材の選定・開発と,1年生から6年生への. した.. 4)ゲーム様相の変容:VTRに撮影した単元最初と最後 のゲーム,ならびに,学習カード,プレイ事象,作戦など を分析し,ゲーム様相の変容を把握した.. 配列について検討した.さらに,試案したカリキュラムと ゲーム教材の有効性を,授業実践を通して検討した,. 皿.結果ならびに考寮 1.教育内容の措定とその配当. 豆.方法.  ソフトボールの教育内容は,①投げる②捕る③打つ ④走塁⑤ルール理解⑥作戦立案⑦判断力の7つにまと. 1.教育内容の措定とその配当 (1)ソフトボールのゲーム様式の検討から. められた..  ボール運動領域の普遍的学習内容であるルール・技術・.  また,6年生において,味方がピッチャーをするrスリ. 戦術・マナーの側面力ち,高学年でソフトボールを実践する上. ーピッチ・ソフトボール」が楽しめるようになればよいと考. で最低限必要な能力とそのレベルを考究した.. え,これを楽しむために必要な教育内容の最低レベル (到達目標)を設定した.. (2)児童の発達段階の検討から  児童の身体的・認知的側面の発達,ボール操作能力 の発達過程を文献的に検討した.併せて,勤務校の小 学校1年生から6年生の全児童184名を対象に,下記の 項目について測定し,それらの発達過程を検討した. 1)技能面.  すなわち,①オーバーハンドスローでダイヤモンドの 対角線の距離が投げれる,②自分の正面に飛んできた ボールはつかめる,③味方が投げた打ちやすいボール は打てる,④打って走る・次塁へ進むことができる,⑤ア ウトになるプレイがわかる,⑥守備連携が考えられる・走 者を進めるバッティングが考えられる,⑦状況に応じた.  ①テニスボールの遠投②高低位での捕球動作③「捕. プレイ(投げる・捕る・打つ・走る)の選択ができる,である.. る一投げる」の運動の組合せ④バッティング.  さらに,措定した7つの能力の最低レベルを5年生ま でに身につけさせるために,各学年に教育内容を段階. 2)認識面  ソフトボールや野球に関する知識についての調査な らびにルールの理解度テストを実施した.. 2.ベースボール型ゲーム教材の選定・開発  1989年以降の先行実践の研究成果等を参考にしな がら,上記1で措定した教育内容を習得させるためのゲ. 的に配当した.. 2.ベースボール型ゲーム教材の選定・開発 ①コートは60。のフェアゾーンを基本とし,少人数で行う.. ーム教材を選定・開発した.. ②塁は4つ置き,多様なプレイの出現を保障する. ③打者一巡イニング交代制を採用する. ④味方ピッチャー制を採用する.. 3.カリキュラム試案と選定・開発したゲーム教材. ⑤イニング満塁スタート制を採用する..

(4) ⑥守備得点を設ける. を基本的な考えとし,ゲーム教材を選定・開発した.. 頻出させた.しかし,単元の前半では,ランナーの状況 がゲームの進行状況によって多様に変化するため,走 塁や守備の判断を混乱させる問題が見られた..  すなわち,1年生には,r捕る」「打つ」技能の習得, rアウト」rセーフ」rファール」のルール理解,バッターラ.  5年生の「ダブルプレイ・ソフトボール」「シフトプレイ・. ンナーとしての判断を伴う走塁の主要な教育内容が学. ソフトボール」は,連携プレイの楽しさを味わわせること. 習できるrならベース1・2」を選択・配当した..  2年生には,「投げる」「捕る」「打つ」技能の習得,「三. ができるゲームであった.しかし,走塁や守備の判断を 高め,作戦を深めていくためには,さらに学習時間を延. 振」「フライアウト」のルール理解,バッターランナーとし. 長する必要のあることが認められた.. てのベースランニングの仕方の主要な教育内容が学習.  6年生のrスリーピッチ・ソフトボール」は,連携プレイ. できる「ストップ・ハンドベース」を開発・配当した.. などの集団技能を高め,現在持っている力でも十分楽.  3年生には,rフォースアウト」rタッチアウト」のルール. しめるゲームであった.また,味方がピッチャーをするの で,バッティング技能の未熟な児童も,動くボールを打 つ楽しさを味わえていることが認められた.走塁や送球 の判断力を,5年生までに高めておくことによって,この. 理解と,これに関わるボール操作能力の習熟,ランナー. としての判断を伴う走塁の主要な教育内容が学習でき る「フォースアウト・ハンドベース」を開発・配当した..  4年生には,道具を使って打っことを加えた基本的な ボール操作能力の習熟,アウトになるプレイの理解,塁 上のランナーの状況に応じた守備・走塁の主要な教育 内容が学習できる「ラケット・ベースボール」を開発・配 当した..  5年生には,バットで打つことを加えたボール操作能 力の習熟,ダブルプレイを含む守備連携の学習,走者 を進めるバッティングの主要な教育内容が学習できる 「ダブルプレイ・ソフトボール」「シフトプレイ・ソフトボー ル』を選択・配当した..  6年生には,チームプレイの習熟,状況に応じたプレ イを選択する能力と瞬時に判断する能力の向上,ポジ ションとそれぞれの役割の理解の主要な教育内容が学. ゲームをより楽しませる可能性の高まることが推察された..  各学年に配当したゲームを中心とする授業におい て,r精一杯の運動」に対する好意的反応比率は80% 以上で推移した.すなわち,いずれのゲームも,ベース ボール型ゲームの欠点とされる運動量を確保できてい ることが認められた..  さらに,本実践のゲームは,ベースボール型ゲームを 好意的に感じる児童を増やす傾向が認められた.  しかし,『捕る」技能の未熟さは,ベースボール型ゲー ムにおいて,最も学習集団のトラブルの要因になること が再確認された.特に,これが顕在化した2・3・4年生に. おいて,仲間との関わりなど人間関係に関する態度項 目を高め得ず,体育授業への愛好的態度を十分に高. 習できる「スリーピッチ・ソフトボール」を開発・配当した.. めることができなかった..  さらに,「捕る」「投げる』技能の向上を目指し,親和達.  また,「バウンドキャッチボール」を,単元を通して,授. 成型の「バウンドキャッチボール」を全学年に配当した.. 業の前半に準備運動も兼ねて取り入れたことは,すべ ての学年において,r投げる∬捕る』技能の向上に有効 であることが認められた.この傾向は,先行研究で指摘. なお,本ゲームは,技能が向上すれば,競争型のrサー クルシュートゲーム」に発展させ得るものである.. 3.カリキュラム試案と選定・開発したゲーム教材 の妥当性  1年生に配当したrならべ一ス』では,rファール」の理. 解を促進させること,r捕る」r並ぶ」の役割を瞬時に判 断して並べるようになることが認められた.また,ゲーム2. されている学習の適時期と一致が見られた.  以上のことから,選定・開発したゲーム教材は,各学 年に配当した教育内容や学習課題を解決させ得るゲー ムであることが認められた.このことは,教育内容の配当 と順序性は妥当であったことを支持するものである.. においては,「走る」と「並ぶ』の速さ比べを,判断を伴う. 走塁として楽しめさせ得ることが認められた.. W.まとめ.  2年生のrストップ・ハンドベース」は,フォースアウトの.  各学年に配当したゲームは,それぞれの学年に配当. 基本的な概念を学習するのに有効であった.また,「三. した教育内容を習得させ得るものであった.すなわち,. 振」の理解,バッターランナーとしてのベースランニング. 低学年から積み上げていくことで,スリーピッチ・ソフトボ. の仕方が学習された.. ールを楽しむために必要な能力として措定された7つの 教育内容を,5年生までに身につけさせ得る可能性の.  3年生のrフォースアウト・ハンドベース」は,ルール学習. に有効なゲームであった.また,常に満塁で攻撃をさせ たことは,塁上にランナーがいるときのプレイの仕方を 学習する最初の段階として,適当であると考えられた.  4年生のrラケット・べ一スボール」は,道具を使って打 つ楽しさを味わわせることができた.また,イニング満塁. 高いゲーム配当であることが認められた.. (本研究の一部は,日本体育学会第54回大会,および 日本スポーツ教育学会第23回大会で発表した.). スタート制にしたことと,あまり飛ばない・転がらないスポ. 主任指導教官(後藤幸弘). ンジボールを用いたことは,走者や守備の学習機会を. 指導教官(後藤幸弘).

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(6) 目次. ページ. 13. 第1章 緒 言 文献. 第皿章 ソフトポールに必要な能力の措定と発達段階に応じた教育内審の配当4.  江.方 法.   1.教育内容の措定   2.教育内容の学年配当   (1)技能面.     1)テニスボールの遠投     2)高・低位での捕球動作.     3)r捕る一投げる」の運動の組合せ     4)パツティング   (2)認知面.  皿.結果ならびに考察.   1.教育内容の措定   (1)6年生で目指すゲームの様相   (2)スリービッチ・ソフトボールに必要な能力(教育内容)と最低レベル(到達目標).     1)ルールの面から     2)技術の面から.      ①投げる      ②捕る.      ③打つ.      ④走塁     3)戦術の面から.     4)マナーの面から.   2.措定した教育内容の学年配当   (1)投げる.   (2)捕る   (3)打つ.   (4)走塁   (5)ルール理解.   (6)作戦立案   (7)判断力.  W,まとめ 文献.                        11111‘ー11.  1.目 的.

(7) 第皿章 各学年段階に応じたベースボール型ゲーム教材の選定・開発. 19.  1.目 的.  皿.方 法.   1.ゲーム開発における基本的な考え方の検討   2.各学年段階にふさわしいベースボール型ゲーム教材の選定・開発  皿.結果ならびに考察   1.ゲームの選定・開発における基本的な考え方.   2.各学年段階に選定・配当したベースボール型ゲーム教材   (1)1年生:rならベース1・2」   (2)2年生:「ストップ・ハンドベース』.   (3)3年生=「フォースアウト・ハンドベース」   (4)4年生:「ラケット・ベースボール』.   (5)5年生:「ダブルプレイ・ソフトボール』「シフトプレイ・ソフトボール」.   (6)6年生=rスリーピッチ・ソフトボール』   (7)ドリルゲーム:rバウンドキャッチボール』「サークルシュートゲーム」.  W.まとめ 文献. 第N章 カリキュラム試案と選定・開発したゲームの妥当性の検証 1.目 的 皿.方 法.  1、対象  2.指導者.  3.学習過程  4.学習成果の把握  (1)ゲーム様相の変容から.  (2)認識的側面から  (3)情意的側面から  (4)技能的側面から.   1)テニスボールの遠投   2)高低位での捕球動作   3)r捕る一投げる』の運動の組合せ   4)バッティング. 皿.結果ならびに考察  1.各学年に配列したゲームの妥当性  (1)1年生:「ならベース』.   1)ゲーム様相の変容   2)認識的側面の変容   3)情意的側面の変容. 33.

(8)   ①到達度調査   ②好嫌度調査  4)ゲームの妥当性 (2)2年生:「ストップ・ハンドベース」.  1)ゲーム様相の変容.  2)認識的側面の変容   ①アウトになるプレイの理解   ②判断を伴うルール理解  3)情意的側面の変容   ①到達度調査.   ②態度測定   ③好嫌度調査  4)ゲームの妥当性 (3)3年生:rフォースアウト・ハンドベース』.  1)ゲーム様相の変容.  2)認識的側面の変容   ①アウトになるプレイの理解   ②判断を伴うルール理解  3)情意的側面の変容   ①到達度調査   ②態度測定   ③好嫌度調査  4)ゲームの妥当性 (4)4年生:「ラケット・ベースボール』.  1)ゲーム様相の変容  2)認識的側面の変容   ①アウトになるプレイの理解   ②判断を伴うルール理解.  3)情意的側面の変容   ①到達度調査   ②態度測定   ③好嫌度調査  4)ゲームの妥当性 (5)5年生:「ダブルプレイ・ソフトボール』「シフトプレイ・ソフトボール」.  1)ゲーム様相の変容.  2)認識的側面の変容   ①アウトになるブレイの理解   ②判断を伴うルール理解  3)情意的側面の変容   ①到達度調査   ②態度測定   ③好嫌度調査.

(9)    4)ゲームの妥当性   (6)6年生:スリーピッチ・ソフトボール     1)ゲーム様相の変容.     2)認識的側面の変容.     ①アウトになるプレイの理解     ②判断を伴うルール理解     3)情意的側面の変容.     ①到達度調査     ②態度測定     ③好嫌度調査     4)ゲームの妥当性   (7)全学年:「バウンドキャッチボール(ドリルゲーム)」.   2.全学年を通してみた学習成果   (1)投げる.   (2)捕る.   (3)打つ   (4)走塁・ルール理解・作戦立案・判断力.  W.まとめ 文献. 第V章 要 約. 71. 1.ソフトボールに必要な能力の措定と発達段階に応じた教育内容の配当 皿.各学年段階に応じたべ一スボール型ゲーム教材の選定・開発. 71 71. 皿.カリキュラム試案と選定・開発したゲームの妥当性の検証. 72. 第U章 今後の課題 謝 辞. 付録資料. 74.

(10) 第1章 緒 言  世界中で数多くの球技が行われており5),遊び. いる.すなわち,体育科は,r身体運動文化」の学. やスポーツとして多くの人に親しまれている.球技. 習を通して,個人技能や集団技能が上手になると. が世界中で親しまれている理由は,ボールを使っ. いった「技能的目標」,技術や戦術などの知識,ス. た遊びやスポーツが,多様な課題性を引き出すと. ポーツ科学・健康についての知識がわかるといっ. ともに,見るスポーツ,するスポーツとして年齢に応. た「認識的目標j,ルールやマナーを守り,協力で. じた接し方ができるなど,人間を夢中にさせる要素. きるといった「社会的行動目標」,運動が楽しく,好. を多く含んでいるからである.. きになるといった「情意的目標」の達成を目指す教.  学校体育においても,ボールを使った運動は,. 科である.. 児童・生徒の人気が高い..  後藤2)は,図1−1に示すように,体育科の目標.  平成14年度から施行されている小学校学習指. を,「技能的目標」を中核とし,「社会的行動目標」. 導要領ηでは,児童の発達段階を考慮して,低学. 「認識的目標」に支えられ「情意的目標」に向かう. 年ではボールゲームを,中学年ではバスケットボ. ように構造化できるとしている.これらは具体的目. ール型ゲーム・サッカー型ゲーム・ベースボール型. 標(近い目標)とされ,それらを達成することで,一. ゲームを,高学年ではバスケットボール・サッカー・. 般的目標(遠い目標)と押さえられる「運動を主体. ソフトボールまたはソフトバレーボールを指導する. 的に享受できる人間の育成jができるとしている.. こととされている.そして,「それぞれの運動の技能. すなわち,体育科では,できる,わかる,かかわる,. を身にっけ,簡単な作戦を生かしてゲームができ. そして楽しめる,という目標を達成するように授業. るようにする」ことが目標として挙げられている。. を計画・実践し,運動に主体的に取り組む児童・生.  球技の持つ教育的特性としては,多様な課題性. 徒を育成していく必要がある.. に自発的に進んで取り組む機会を与えること,投.  しかし,4つの具体的目標のうち,どれかに偏っ. げる,捕る,打つ,蹴るなどの操作系の運動技能. た授業,目標の意味を取り違えた授業が見受けら. を,ボールや人の動きに対応させて身につけられ. れる.このことが,適切な学習の経験を阻害し,体. ること,等が挙げられる.また,判断力,責任ある行. 育嫌いを生み出す誘因にもなり,生涯スポーツに. 動,協力する態度,さらにはマナーを身につける. 繋がる能力の習得を保障できていないことに繋が. 場になること,等も挙げられる.. っている..  しかし,多様な特性を持っ反面,技能が未熟な.  このことは,特に,ボールゲームにおける高学年. ことで,参加意欲が低い,活躍できない,作戦が深. の意識や技能の実態に見られる,中でも,ソフトボ. まらない,といった問題の生じる可能性もある.ま た,相手と接触したりボールが当たったりしたときの. 痛みから恐怖感・嫌悪感を持つ,勝敗に関するトラ ブルが生じやすい,といった問題も生じ,球技を楽. 一般的目標 (遭い団檬). 運動を主体的に享受できる人間の育成. 具体的目撮 (近い囹撮). 情意的目標  (楽しめる). しめていない児童を生み出す要因になっている..  このことは,体育科の目標構造を捉えた授業実. 技能的目標. 践のなされてないことに一っの原因があると思わ.  (できる). れる..  体育科は,「知覚一思考一実践」の過程を通し. 社会的行動目標. 認識的目標.   (かかわる).  (わかる). ての学習に本質があり,知・徳・体の三育を総合的 に学ばせることができる教科としての特質を持って. 図1−1 保健体育科の目標構造図(後藤). 一1一.

(11) 一ルは,その技能の個人差が顕著に出現しやす. 底的要因を作っていると考えられる.. いゲーム特性を持っため,これを楽しめていない.  これらの問題を解決するために,基本的技能を. 児童が多いように思われる.. 高めるための練習の工夫ωや,ルール・用具等を.  ところで,小学校学習指導要領に示されている. 工夫し,個人差を吸収しながら,誰もが今持ってい. ゲームは,ゲーム様式に着目すると攻防相乱型と. るカでゲームを楽しみ基本的技能が高まることを. 攻防分離型の2っに大別され4),ソフトボールは,後. 企図した実践6)LO)n)’2)’3)が見られる.. 者の代表として位置づく..  これらの先行実践は,それなりに成果が得られ.  ソフトボールの特性は,投げる・捕る・打つといっ. ているが,低学年のボール投げゲームから高学年. たボール運動の基本的要素を含み持つこと,攻撃. のソフトボールに繋げていくという,計画的・系統. と守備が分かれていることで運動課題が明確にな. 的な実践は,著者の管見の範囲では見あたらな. り作戦が立てやすいことである.また,打撃や守備. い.ソフトボールの楽しさを味わわせるには,低学. において,個人の能力を最大限に発揮できる場が. 年の段階から,ソフトボールに繋がる動きや能力を. 保障されており,一人ひとりが主役になれる可能性. 身につけさせておくのが望ましい.. の高い集団スポーツである.したがって,攻防相乱.  また,ボール操作能力は,これまで,『基本の運. 型よりも,個人やチームの課題を設定しやすいとい. 動領域』の「用具を操作する運動」において指導す. う良さ,個人の能力に応じて作戦を立て,その作戦. ることとされていた。しかし,現行の学習指導要領. を実行しやすいという良さがある.. では,ボール操作能力の習得は,ボールゲームの.  しかしながら,ソフトボールは,前述したように,. 一部として取り扱うこととされた8).すなわち,各種. 技能の個人差が顕在化しやすいこと,個々の技能. のボールゲームに必要なボール操作能力は,ゲー. がある程度高まっていないとゲームが停滞するこ. ムを通して身につけさせることが期待されている.. と,等により,全員が楽しさを味わえない実態を生.  これらのことは,ソフトボールが楽しめる能力(教. み出しているという現実がある.すなわち,ソフトボ. 育内容)を措定し,それに繋がる動きや能力につ. ールは,ボール操作能力がある程度身についてい. いても,低学年の段階から,ゲームを通して身につ. ないと,十分楽しめないゲームであると言える注1).. けさせていく工夫が必要であることを示唆してい.  ソフトボールに必要なボール操作能力は,「投. る.すなわち,それぞれの学年で,どのようなボー. げる」r捕る」r打つ」であり,これらの習得・習熟は,. ル操作能力を身につけさせるのかを明確にし,そ. 学習や経験の必要とされる個体発生的な運動であ. れらを習得させるために,発達段階に応じた「ドリル. る3).したがって,児童の発達段階に応じた適切な. ゲーム」や「課題ゲーム」’)を開発する必要がある.. 指導が行われなければならない..  そこで,本研究では,小学校期の6年問を見通し.  ボール操作能力は,神経系の発達が著しい小. たベースボール型ゲームのカリキュラムを作成しよ. 学校低学年から中学年にかけてその伸びの著しい. うとした.そのために,まず第H章において,ソフト. ことが報告されている9).しかし,低学年において,. ボールの教育内容を措定し,各学年の発達段階. ソフトボールの技能として必要な小さいボールを用. に応じた教育内容を配当した.次いで,第皿章に. いた実践は少ない.その背景として,小さいボール. おいて,各学年段階にふさわしいと考えられるベ. は,大きいボールよりも捕ることが難しいこと,また,. ースボール型ゲーム教材を選定・開発した.さら. これまでの学習指導要領において,その取り扱い. に,第IV章において,作成したカリキュラムを用い. がカリキュラム上に位置づけられていないこと,等. た授業実践を行い,ゲーム教材の有効性とカリキ. が考えられる,これらのことによって,ソフトボール. ュラムの妥当性にっいて検討した,. に必要な技能が十分身につけられないまま成長す ることになり,高学年でソフトボールを楽しめない基. 一2一.

(12)          注. 9)奥野暢通・後藤幸弘・辻野昭(1989),投運動学. 注1)野球やソフトボールでは,バッティングは一人. ひとりに完全に任されるものであり,その個人の能. 習の適時期に関する研究一小・中学生のオーバ ーハンドスローの練習効果から,スポーツ教育学. 力によって次の作戦が決まるなど,「打つj技能が. 研究9(1):23−35.. 身についているかどうかは重要な問題である.ま. 10)大森雅信(1995),5年生「軟式ソフトボール」の. た,責任守備範囲が決まっていることから,「捕る」. 実践一ハンドベースボールからのつなぎの工夫. r投げる」技能が未熟であると,エラーとして顕在化. 一,学校体育48(4):78−80.. し,チーム全体に迷惑がかかるだけでなく,勝敗を. 11)大西一富(1998),野球型ボールゲームの教材. 大きく左右することに繋がる.. づくり一ランランティーベースボールの教材価値の.  したがって,一人ひとりにこれらの技能が身にっ. 研究一,姫路市教育委員会内地留学研究報告二3. いていないと,得点が入らない,また,エラーばか. 7−48.. りといった展開となり,ゲームを楽しめないと言え. 12)田口了二(1991)どの子も意欲的にたのしく取り. る,. 組むゲームを目指して一ソフトボールの実践一, 学校体育44(14):48−51..          文献. 13)田中佐俊(1994),どの子も特性を味わえるソフ. 1)岩田靖(2000),ボール運動・球技の教材づくりに. トボールの工夫一ティーバッティングソフトボール. 関する一考察一「課題ゲーム」論の「戦術中心のア. の工夫一,学校体育47(7):50−53.. プローチ」からの再検討一.体育科教育学研究,1. 14)吉村 正(1990),ボール運動をどう教えるか一. 7−1:9−18.. 指導技術を中心に一ソフトボール,体育科教育38. 2)後藤幸弘(1988),新学習指導要領と体育科(中. (2):34−36.. 学校)の課題,体育と保健(1988年度3学期):2−7.. 3)後藤幸弘(1989),バイオメカニクスからみた身体. 活動,小学校教育のための体育学概論(加賀谷熈 彦・麓 信義編著),杏林書院:東京,pp.93−113.. 4)林 修・後藤幸弘(1997),ボールゲーム学習に. おける教材配列に関する事例的検討,スポーツ教 育学研究17−2:1−12.. 5)日高正博・藤田宏・本田弘子・後藤幸弘(2001),. 体育科としての総合学習プログラムの提案一身体 運動文化の「遊び」「ボール(用具)」「運動(身体. 操作)」「からだ」の内容的側面の検討から一,日. 本スポーツ教育学会第20回記念国際大会論集,5 21−528.. 6)堀井重人(1999),共通課題を設置したソフトボ ールの学習,学校体育52(1):44−47.. 7)文部省(1998),小学校学習指導要領解説体育 編,大蔵省印刷局:東京.pp37−40,pp49−51,pp78− 80.. 8)文部省(1998),小学校学習指導要領解説体育 編,大蔵省印刷局:東京.pp19−20.. 一3一.

(13) 第虹章 ソフトボールに必要な能力の措定と発達段階に応じた教育内容の配当 本的な技能が高まることを企図した実践7)19)24)が見ら. 1,目 的  野球型ゲームは,我が国で最もポピュラーな球. れる.また,作戦の工夫に主眼を置き,連携プレイ. 技であり,するスポーツ,見るスポーツとして親しま. を楽しみながら集団技能を向上させることを企図し. れている9岡.. た実践且o川も見られる.さらに,近年では,止まった.  学校体育においても,平成元年の学習指導要. ボールを打つ「ティーボール」の実践丘)20)2’)25)も見ら. 領の改訂により,小学校中学年でハンドベースボ. れる。. ール,高学年でソフトボールが再び取り上げられた’3)..  これらの先行実践は,それなりに成果は得られ. そして,平成14年度から施行されている現行の学. てはいるが,高学年児童を対象としたものが多く,. 習指導要領では,中学年でベースボール型ゲー. 低学年のボール投げゲームから高学年のソフトボ. ムを,高学年ではソフトボールを指導することとし,. ールに繋げていくという系統的な実践は見あたら. 攻撃や守備の技能を身につけ,簡単な作戦を生. ない.さらに,著者の経験においても,片手で握れ. かしてゲームができるようにすることが目標とされて. る小さいボールを用いたボール運動の実践は,低. いるω.. 学年においては少ないように思われる。.  ソフトボールは,走る・跳ぶ・投げる・捕る・打つと.  また,現行の小学校学習指導要領では,体育の. いったヒトの基本動作を含み持ち,これらの身体操. 授業時数が縮小(年間105時間から90時問)され,. 作をボールや人の動きに合わせて行う必要のある. 内容の精選とより効率的な指導の工夫が求められ. ところに技能的特性がある.この,ソフトボールは,. ている.さらに,ボールを操作する運動遊ぴが,こ. 小学校学習指導要領に示されているボールゲー. れまでのr基本の運動」領域からrゲーム」領域に. ムの中で,攻守交代系時間的攻防分離型ゲーム4》. 移され,ボール操作能力はゲームを通して身につ. の代表として位置付く。すなわち,ソフトボールは,. けさせることになった且4).. 攻撃と守備が時間的に分かれていることで運動課.  ボール操作能力は,小学校低学年から中学年. 題が明確になり作戦が立てやすく,個人の能力を. にかけてその発達が著しぐ8),低学年の段階からソ. 最大限に発揮できる場が保障されており,一人ひ. フトボールに繋がる動きや能力を身につけておくこ. とりが主役になれる可能性の高い集団スポーツと. とが望まれる.. 言える,さらに,ゲーム状況に応じて,個人として,.  そこで,本章では,小学校の6年間を見通したベ. またチームとして,様々な判断力を必要とするスポ. ースボール型ゲームのカリキュラムを作成するため. ーツでもある.. に,高学年でソフトボールを楽しめるために必要な.  したがって,児童の自発的な学習を創出させる. 能力を明らかにするとともに,最低限身につけさせ. ことに繋がり,教育的価値も高いと考えられる.. るべき能力レベルを設定し,措定した教育内容の.  しかし,ソフトボールは,個人のプレイが大事に. 発達過程の検討結果を踏まえ,1年生から6年生の. される反面,技能の個人差が顕在化しやすく,でき. 各学年段階にふさわしい教育内容の配当を検討し. る・できないによって好き嫌いがはっきりする・ま. た.. た,個々の技能がある程度高まっていないとゲー ムが停滞し,楽しさが半減してしまう可能性が高い. H.方 法. ゲームでもある.. 1.教育内容の措定.  これらの問題を解決するために,基本的な技能.  ソフトボールを,ボール運動領域の普遍的学習内容で. を高めるための練習の工夫26)や,個人差に配慮し. あるルール・技術・戦術・マナーの4つの側面から検討し,. ながら,誰もが今持っているカでゲームを楽しみ基. 高学年でソフトボールを実践する上で最低限必要な能力と. 一4一.

(14) そのレベルを考究した.. 3)『捕る一投げる』の運動の組合せ. 2.教育内容の学年配当.  前方5mの地点から,ワンバウンドで緩やかに投.  小学校1年生から6年生の男女児童,184名を対. げられたテニスボール(約5m/s)をキャッチし,素. 象に,下記の項目について測定し,それらの発達. 早く投げ返すという動作を3回行わせた.その際の. 過程を検討した.そして,上記1との関連で教育内. 捕球成功回数を測定するとともに,捕球から投球. 容の学年配当を検討した.. までの動作をVTRに撮影した.動作の分析には,. (1)技能面. 中村ら15)の報告を参考に,「捕る一投げる」の融合. 1)テニスボールの遠投. 局面をさらに細かく動作学的に分類した9段階の.  硬式テニスボール(57g)を用い,助走なしの条件. 動作パターン表(図H−1)を作成し,これを用いて. で,オーバーハンドスローを2回行わせ,遠投能力. 評価した.. を測定した.同時に動作をVTRに撮影した.動作. 4)バツテイング. は,奥野ら吐8)の10段階の動作パターン得点を用い.  斜め前方からトスされたスポンジ製ボール(スポ. て定性的に評価した.. ーツタイム社製:直径9cm,28g)を,60度のコートに. 2)高・低位での捕球動作. 向かって打ち返すという課題で3回行わせた.その.  自分でテニスボールを頭上に投げ,できるだけ. 際の打撃動作をVTRに撮影し,成果(空振り,ファ. 高い位置,低い位置で捕るという2つの課題の捕. ール,ぽてぼて,ヒット性)を定性的に評価した.動. 球動作をそれぞれ3回行わせた.その際の捕球成. 作は,5段階のパターン表(図H−7参照)を作成し. 功回数を測定するとともに,動作をVTRに撮影し. て用いた.なお,1∼3年生ではウレタン製のバット. た.動作は,池田ら8)の10段階の動作パターン得点. (250g)を,4年生以上では小学生用ソフトボール. 表を用いて定性的に評価した.. 金属バット(580g)を使用した.. 動作 点. 捕球の仕方    i動作の          断. 動作パターン. 9. 鎌麟え. 8. 齪望踊え. 7. 肇鍼耕. 6. 艦継身. 5. 麟鹸粛才. 4. 麟醜滞溌. 3. 露麟齪. 櫨球後の の向. 投球時の足の踏み出し. ステップの梯子. 岡側足→反対足(2歩). 鶏魏躍♂ムーズにiなし. 反対足鱒問側足→反対足 3歩:サイドステツプ). 績向き. 手を突き出して捕る  i. 反対足のみ(1歩). 反対側足の踏み出し. 胸で抱えるようにして補る. O同側足一・反対足(2歩). 反対足のみ(1歩) 手を突き出して捕る.             …               あり             …胸で抱えるようにして捕る   i             …             言. 正薗肉き. 2. 醜粛κ. 1. 鯵鑑.              …どのような形でもいいから櫨る. 閤側足の踏み出し. 岡側足のみ(1歩). 踏み出しなし. ステッブなし. ※ 珠  の体の肉 一” 一ルカ    ろにいった時. 図π一1 『捕る一投げる』の連続動作(局面融合)の動作パターンの類型化と動作得点. 一5一.

(15) (2)認知面. たなければアウト(三振)になる.また,盗塁やバン.  ソフトボールや野球に関する知識についての実. トはできない。これらの点を除けば,通常のソフトボ. 態を,著者らが作成したアンケート調査用紙ならび. ールと同一のゲームである.. にルールの理解度テスト(巻末資料1∼3)を用いて.  スリーピッチ・ソフトボールでは,打つのが苦手. 把握した。. な児童でも,動いているボールを打てる.また,フ. ェアゾーンに打球が飛ぶ機会が多くなり,打たれた 皿.結果ならびに考察. ボールを処理する守備機会も多くなる.事実,本ゲ. 1.教育内容の措定. ームでは,通常のルールのソフトボールの約3倍以. (1)6年生で目指すゲームの様相. 上(一単位時間当たり)にプレイ事象が増えること.  授業においてソフトボールを実践する場合,技. が認められている.. 能の低い児童でもゲームを楽しめるように工夫し,.  したがって,これまでの実践経験からも,小学校. 攻撃時,守備時ともに学習が必然的に進むように. 段階においては,この「スリーピッチ・ソフトボール」. しなければならない.. を楽しめるようになればよいと考えている..  しかし,通常のルールでピッチャーが打者を押さ. (2)スリーピッチ・ソフトボールに必要な能力(教育. え込めば,守備・走塁の機会が少なくなり,学習の. 内容)と最低レベル(到達目標). 成立し難くなる可能性が高くなる..  図H−3は,6年生でスリーピッチ・ソフトボール.  したがって,これらの学習を進行させるために. を楽しむために必要な能力の種類とその最低レベ. は,バッターがフェアゾーンに打球を打つことが最. ル(到達目標)について,ルール・技術・戦術・マナ. 低限必要となる.. ーの4つの側面から検討した結果を示したものであ.  この点に着目しての一っの工夫が,ティーボー. る.. ルのである.しかし,停止しているボールを打つこと. 1)ルールの面から. は必ずしも簡単ではない.また,動くもの(含む,.  ソフトボールを含む野球型ゲームを攻守交代系. 人)に対応する動きを身につけることがボール運動. 時間的攻防分離型ゲーム4)と分類させる規準は,. における一つの重要な学習内容である.. 攻撃と守備が時間的に分かれ,それを交互に繰り.  したがって,著者らは,6年生の段階で味方がピ. 返しながら勝敗を決するゲーム様式にある.. ッチャーをする「スリーピッチ・ソフトボール」(図H.  すなわち,野球型ゲームは,攻撃時には,ピッ. −2)ができるようになればよいと考えている注D..  この「スリーピッチ・ソフトボール」は,味方がピッ.   捕る. チャーをするので,ファールを含めて3球までに打.  投げる. O臼分の正西に漏んで きたポールはつかめる. Oオー’{一’、ンドスロー. 8器. でダイヤモンドの射角. 線の厘離が投げれる. ●. ●  ①味方がピツチャー. ●.      で虐る.       (投げる。捕る。打つ・産る).  走墨        ルール理鯛.   ③盗塁・バントはできな. 口.    い ●. 7m ●. O瞭方が設げた打ちや すいポールが打てる.      状幌に応じたプレイの遣択が.   ②3球までに打たなけれ    ばならない. ●. 判断力.   打つ. 0打って琵る.               0アウトに¢る:ノレイ.   ④上記を除き,通常のソ    フトポールルールと伺  ●  じ. 鵯塁へ避むことがで作戦立案 がわかる        o守鵬達携を考えられる        ◎意者を違めるバッティ. ●.        ングを考えられる. 15悶. 図∬一3 措定されたソフトボールの7つの教育内容と到 図夏一2 スリーピッチ・ソフトボールの概要.    達目標. 一6一.

(16) チャーが投げたボールを打ち,ホームまでランナ. があると考えられた.. ーを送り得点を挙げること,守備時には,ランナー. ②捕る. をホームまで進塁させず得点をさせないこと,を運.  ソフトボールでは,プレーヤーの守備範囲にき. 動課題としている.したがって,野球型ゲームで. た打球を捕ることはもちろん,味方が投げたボール. は,これらのプレイに関わって,アウトになるケース. を確実に捕球しないとアウトが取れない.逆に言え. とそうでないケースについてのルールが細かく規. ば,自分の守備範囲に来たボールを確実に捕れ. 定されている22).. れば,ゲームに参加し存在感をアピールすること.  野球型ゲームでは,それらのルールを知らない. ができ,失敗すればエラーとして批判の対象とな. と,ゲームをスムーズに進行させることができない. る.すなわち,r捕る」ことは,個人技能の中でもゲ. し,ゲームを楽しめない要因になる.そこで,ゲー. ーム進行に大きく関わってくる最も重要な技能であ. ムを成立させるために最低限知っておかなければ. り,r自分の正面に飛んできたボールはつかめる」. ならないルールは何かを考究した.. を最低レベルとして設定する必要があると考えられ.  ゲーム進行には,アウトかセーフかを判定できる. た.. ことが大きく関わってくる.したがって,バッターや. ③打つ. ランナーがアウトになるケースを知ること,すなわ.  バットを使って動くボールを打つことが野球型ゲ. ち,アウトとセーフの概念を含めた,ゲームで頻出. ームの特性の一っであり,楽しみの一つである,し. する「アウトになるプレイがわかる」ことが,最低限. かし,打たせないように投げられたボールでは,当. のルール理解であると考えられた.これらの「アウト. てることさえ難しくなる.イチロー選手ですら空振り. になるプレイ』を理解することで,後述するバッター. をすることは,このことを示唆している.. としての判断,ランナーとしての走塁の判断もでき.  また,ボールをフェアゾーンに飛ばすことががで. るようになると考えられる.. きなければ,攻撃・守備のいずれの学習も進行し. 2)技術の面から. ない..  ソフトボールは,ボールを投げることでゲームが.  さらに,「打つ」動作は,「投げる」と同様に個体. 開始され,それを打ち返した打者のr走塁の速さ」. 発生的な動きで,適切な学習経験を積まなけれ. と,打たれたボールの塁への「送球の速さ」比べを. ば,習熟しないと言われている5).. 楽しむゲームと言うことができる..  本研究では,(1)で示したように,味方がピッチャ.  したがって,「投げる」「捕る」r打つ」r走塁」の能. ーをする「スリーピッチ・ソフトボール」が6年生でで. 力が必要となり,この4つが教育内容として措定さ. きればよいと想定した.すなわち,打ちやすいボー. れる.そこで,スリーピッチ・ソフトボールを楽しむた. ルを投げてやることで,技能の未熟な児童でも,バ. めに必要なこれらの能力の最低レベルを,ゲーム. ットに当ててフェアゾーンに飛ばすことが可能にな. 様式から検討した.. る.したがって,「打つ』については,比較的速度. ①投げる. の遅いr味方が投げた打ちやすいボールが打て.  ソフトボールでは,中継プレイをしないで走者を. る」を最低レベルとして設定すればよいと考えられ. アウトにするためには,ダイヤモンドの対角線の距. た.. 離を投げられることが最低必要となる.また,オー. ④走塁. バーハンドスローが最も遠くまで投げることのでき.  バッターランナー,塁上のランナーのいずれの. るrヒト」固有の個体発生的な運動であり,学習によ. 場合も,一つでも先の塁をねらい走るということが. ってのみ習得される動作である23》.したがって,「オ. 課題となる.しかし,児童のソフトボールの実践に. ーバーハンドスローでダイヤモンドの対角線の距. おいて,走塁の仕方がわからず,仲問から批判さ. 離が投げられる」を最低レベルとして設定する必要. れるというケースがよく見られる.. 一7一.

(17)  この「走塁」に関しては,ルール理解が先決であ. 断するので,守備では,自分のところにゴロのボー. るが,ゲーム状況を把握した判断を伴う走塁ができ. ルが来たらどうする,自分以外のところに飛んだら. なければならない.したがって,バッターランナーと. どう動く等,事前に次にどうするかということを考え. して,どの塁まで走るかを判断しての走塁と,ラン. る時間的余裕がある.すなわち,いくつかのパター. ナーとしてゲーム状況に応じて「次塁へ進むことが. ンを予測し,実際には,対応可能なプレイの中から. できる」を最低レベルとして設定する必要があると. よりよい方法を選択するということになる。. 考えられた,.  したがって,「判断力」では「状況に応じたプレイ. 3)戦術の面から. の選択ができる(投げる・捕る・打つ・走る)」を最低.  野球型ゲームは,ワンプレイ毎に様々なかけひ. レベルとして設定する必要があると考えられた.. きを伴う.バッターは投球を予測しながらねらったと. 4)マナーの面から. ころに打っことが作戦となる。一方,守備者も打球.  野球型ゲームは,集団スポーツであるが,ワンプ. のコース等を予測しながら守備位置を移動したりし. レイが個人の責任・能力に関わるケースが多いと. て守ることが作戦となる.. いう点で攻防相乱型ゲーム4)と異なる,このことは,.  これらの作戦を一言でまとめると,ランナーの進. 前述したように,個人の失敗が明確になるため批. 塁に関わる攻防と言え,この攻防に楽しさ・妙味が. 判の対象となりやすいことを意味している.. ある..  したがって,失敗を少なくする努力とともに,失.  スリーピッチ・ソフトボールにおいても,攻撃時. 敗しても励ましの言葉がかけられるような,ゲーム. は,バッターランナーである自分も含めて,ランナ. の雰囲気を壊さないマナーを有する学級集団に育. ーを進塁させるような打球を打ち,得点を挙げるた. 成する必要がある.換言すれば,マナーは「よい試. めの作戦が考えられなければならない.. 合成立のための基底的態度3)」であることを学習さ.  一方,守備時は,守備陣形を工夫するなどして. せる必要があり,措定した7つの教育内容と関連さ. アウトを取り,ランナーの進塁を防ぎ得点させない. せて身につけさせていく必要があると考えられた.. ための作戦が考えられなければならない.また,個. 人の失敗をカバーするための守備陣形や動きの.  以上,ソフトボールのゲーム様式・様相の検討か. 工夫が考えられなければならない.さらに,ワンプ. ら,「投げる」「捕る」「打つ」「走塁」「作戦立案」「ル. レイでたくさんのアウトを取る(ダブルプレイ)守備. ール理解」,さらにこれらのすべてに関わるr判断. 連携の学習も必要になる,. 力」の7つが主要な教育内容として措定され,スリ.  したがって,「作戦立案」が教育内容として措定. ーピッチ・ソフトボールを楽しめるために必要な最. され,守備位置の工夫を含めたr守備連携が考え. 低レベルが,図皿一3のように考えられた.. られる」と「走者を進めるバッティングが考えられる」. ことを作戦の最低レベルとして設定する必要がある. 2.措定した教育内容の学年配当. と考えられた..  ここでは,児童のボール操作能力の発達過程・.  ところで,2)3)で述べてきた「投げる」「捕る」「打. 認知的側面の発達をもとに,上記1で措定した7つ. っ」「走塁」「作戦立案」という教育内容は,1)の「ル. の能力と,6年生で必要な最低レベルの具体的な. ール理解」に裏打ちされて,ゲームのそれぞれの. 内容を検討した.また,5年生までにその最低レベ. 場面で,適切な判断に基づいて行われる必要があ. ルを身につけさせるための,各学年段階にふさわ. る.したがって,上述の6つの能力すべてに関わっ. しい教育内容の配当について検討した.. て,「判断力」を教育内容として措定する必要があ.  表H−1は,設定した最低レベルの具体的な内. ると考えられた.. 容を,表H−2は,教育内容の学年配当試案を示.  野球型ゲームでは,ワンプレイ毎にプレイが中. したものである,. 一8一.

(18) 表∬一1 スリーピッチソフトボールを楽しめると考えられる,措定した7つの教育内容の最低能カレベルとその具体的.    内容 教育. 最低レベル(到達目標). 容. 投 じヂ る. 捕 る. ○オーバーハンドスローでダ イヤモンドの対角線の距離 が投げれる. 具 体 的 内 容 ①21m以上の距離(塁間を15mとして)を投げる. ②ステップ幅が身長の50%以上と広く,バックスイングは手を下か ら上へ引き上げるパターン(奥野らH)の分類では6点に相当する) 以上の投げ方をする.. ○自分の正面に飛んできたボ 一ルはつかめる. ①ほぼ自分の正面に飛んできた,バッターが打ったゴロ,フライを捕 球する.. ②ダイヤモンドの対角線の距離以下で,味方が投げたライナー性のボ 一ルを捕球する.. 打. O味方が投げた打ちやすいボ ①7m先から投げられた,打ちやすいボールが打てる.. 走 塁. ○打って走る O次塁へ進むことができる. 一ルが打てる. つ. ②横向きで構え,バットを振り切る動作で打つ.. ①打球と前のランナーの状況に応じて走る. ②ゴロの時には次の塁に向かって走る,ただし,自分の塁より後ろに ランナーがいない場合には走らなてもよい. ③フライのときには走らない。ただし,守備者がボールを取り損ねた りしてフェアグラウンドにボールが落ちたら,次の塁に向かって走る.. 2レ ノL. ○アウトになるプレイがわか る. 理. 角奉. 作 戦 山払 案. ○守備連携を考えられる. 半り. ○状況に応じたプレイの選択 ができる. 断 力. ○走者を進めるバッティング を考えられる. (投げる・捕る・打つ・走る). ①三振,フェア,ファールがわかる. ②フライアウトがわかる. フォースァウトがわかる. ④タッチアウトがわかる. ⑤ダブルプレイがわかる.. ①個人の能力を考慮して,守備位置を考える, ②ダブルプレイを取りにいく工夫をする. ③ゴロの打球を打とうとする. ④ランナーが走る方向と逆の方向(センターラインより右側)をねらう. ⑤守備者のいないところをねらう, ①どの位置で守るか. ②どこに投げるか。 ③どこをねらって打つか. ④次の塁へ走るべきか否か.. (1)投げる. 童の投能力の実態等を考慮し,若干短くした方が.  「投げる」の最低レベルは,「オーバーハンドスロ. よいと考えられたからである,. ーでダイヤモンドの対角線の距離が投げられる」と 設定された..  図H−4は,本研究で実測したテニスボールの 遠投距離と投動作得点の加齢的変化をを示したも.  奥野ら’8》は,オーバーハンドスローの学習の適. のである.. 時期は,男子では小学校低学年に,女子では低・.  奥野ら18)は,遠投能力を評価する場合,小学生. 中学年に存在すると報告している.したがって,低. 男子ではテニスボールあるいは軟式野球ボール. 学年の段階で,オーバーハンドスローの学習を行. を,女子ではテニスボールを用いるのが妥当であ. い,基本的な投動作を身につけさせておく必要が. ると報告している.したがって,今回の測定では,. あると考えられる,. テニスボールを用いた..  本研究で想定したスリーピッチ・ソフトボールの.  6年生男子の投距離は平均30。2±4.9m,女子. 塁間は15mであるので,対角線の距離の具体的な. のそれは17.8±5.Omであった.すなわち,男子で. 到達目標は,約21mと設定された.塁間を15mとし. は,設定した最低レベルの21mを投げられない児. たのは,公式ルールによる塁間距離は16.76mであ. 童はほとんど見られなかった.しかし,女子では,. るが,カリキュラムを適用しようとしている学校の児. 約75%の児童がこの距離に到達していないのが実. 一9一.

(19) 表皿一2 ベースボール型ゲームの教育内容配当試案 最低限身にっけ せたい力. 基本的なポール操作能力の. 4年. 3年. ■年     2年. 5年. 基本的なボール操作能力の. 学習課題. 得O手で打って走る. 熟○手や道具(ラケット)で打つ. 確実に捕る 正確に速く投げる. 確実に捕る 正確に速く投げる. ボール操作能. 6年 チームプレイの習熟○中継プレイ. の習熟○バットで打つ. 捕って素早く 投げる. カバーリング 状況に応じた バツテイング. チームプレイの習得. ソフトポールの基本的ルー. ソフトボール. の理解. ダブルブレイ ゴロ打ち. アウトになるブレイがわかる 走塁の仕方がわかる. ゲーム理解○ボジションと. それぞれの役 割. 投レデる. ○オーバーハン. ○オーパーハン ドスローで投. ダイヤモンド の対角線の距 離が投げれる. トスで正確に 投げる. ドスローで,. ○近くの的をめ がけて,正確 に投げる. げる. 捕る. る 1. ールを止まっ て捕る. ルがで麟る   i. 騒..._.1...._.....三. ○正面にきたボー ルを,前に出な がら捕る. 打つ. 走塁. O打って走る 次塁へ進むこ とができる. 霧離辮野. ”卿””o’鯛一”一■”’『幽”噸”’.              る体制で捕り,. める. ○味方が投げた ボールが打て. げる(ピ弾ヤ・》. に投げる. lO近い矩離でi      3 キャッチボ…_ルがで蒙. O自分の正面に O正面にきたボ 飛んできたポ ールをはっか. ○アンダーハン ドで正確に投. ○距離に合わせ て,速く正確. ○自分の体を動 かして,横や 後ろに移動し ながら捕る.         } Oトスされたボールを,i. ○自分でトスし て横手で打つ. 薪3プしながら横手i         一. る. ○ラケットを使 い,爾手で持. ○バットを使っ て打つ. って打つ. 繭打って走る冨 5. ○全力で走る. ,,””㎝甲”簡一■甲”響,嘲,■■”騨,“. 牌開關■一M㎜,關,■,,,,柵一,榊””. ㎜}㎜…. 甲■■■一,o一一一胴甲r,■”,,,■■,一. ○積極的に次の塁をねらう.       竃. 乱. ○フライが上が った時の走塁 の仕方がわか. ○タツチアツプ ができる. ○次の塁への進 み方がわかる. る. ノレ. ○アウトになる プレイがわか. ○アウトとセー フ○ファール. 〇三振 フライアウト. ○フオースアウ ト○タッチアウト. ○塁上にいる時 の走塁の仕方. ○ダブルプレイ. る. 鐸 1㎜㎜㎜’. ○守備連携が考 えられる. 作戦立案.  一 一 9 ・ ロ ” 9 ■ . ● ■ ■ ■ ● 響 一 一 ■ .. 走者を進める バツテイング が考えられ. 納,關■一,o㎜關㎜∼,. ㎜ニコ. に       ○打  順一}■. ,                   ○カバーリング ∼. ・投げる. 工}}.    篇.._.”_. ._....._.瓢”1髄. 打てるボール ・打てないボールの見極め. 1      0どこまで走れるか       i ._.一   _一.甲一..三..諜=綴... も. ○捕りやすい場 所への投球 飛んでくるボ ールの種類に よる捕り方. ○どちらへ動い て捕るか. 一10一. ⋮⋮. 力.  ○守 備 位 置. こ. プレイの選択 ができる. ・捕る ・打つ ・走る. ■■一■麗隔■,一榊一   ,,,”■關關■㎜o一榊,,,,,,,一り”,,一,一■. 一 蕗撮瀟鍔誌壷霞趨羅器論一. ○状況に応じた 半哩. ■, P甲,甲轍■一■■■■■”,,,,,,,,門,㎜㎜. ○次塁へ進むか 進まないか. 膠次のプレイの予測 iO状況に応じたプレイの署.  選択       i  (投げる・捕る・打つl 。走る》. 」.

(20) (点). 幅が身長の50%未満で上体の捻りが見られないも +男子一〇一女子. ので,1年生男子と同レベルの動作得点5点以下の. 者が多かった.奥野らは,週4回の頻度で4週間の. 練習を行わせ,6年生女子の動作得点を約7点ま. 零.  (m》. 零. 串. 宰. 40. でに向上させている.動作得点7は,5年生男子の. 零零. レベルであり,5年生男子の投距離の平均が28.0 ±7.Omであることを考え合わせると,低・中学年期. 掌零.   ⊥. 35. 導零.  30. に学習を進め21mの距離を投げれるようにすること. 投. は可能であると考えられた.. 距.  25. (2)捕る.  図H−5は,胸のあたりに来る緩やかなボールを. 零.  20 離.      1 零.  15.      ゆゆ.   零1零 1 “  1. 10. 捕り,素早く投げ返すという課題で3回の試技を行. わせた際の,捕球の成功回数と動作得点の加齢. 5. 的変化を示したものである。. 0. 零1.   動作得点 1 9876543. 態であった.その際の投動作パターンは,ステップ. 0. 零;P〈0ρ5,**:P〈0,01. 1年  2年  3年  4年  5年  6年.  加齢による顕著な向上は見られなかったが,低 学年でも3回中2回は捕球でき,6年生では,男子.  男子(n)17  21  13  19  11  17. が2.8±0.4回,女子が2.8±0.6回とかなり高い成功.  女子(n)10  18  11  ・15   19  13. 図∬一4.テニスボールの遠投距離と投動作得点の加齢. 率を示した.したがって,最低レベルとして設定し. 的変化. た「自分の正面に飛んできたボールはつかめる」 は,妥当な到達目標であると考えられた..  その際の動作得点は,1年生では,ステップなし   (回). で捕り腕だけで投げるパターンである1点の児童が.  3. 回  3. 多く,加齢とともに動作パターンは男女ともに向上. 試. 成技2 功中. する傾向を示した.男子では,6年生において,ス. 回の. テップを踏みながら「投げ」にスムーズに繋がる捕. 数  1.  +男子非女子. り方ができる6点を示した.しかし,女子では,4年. *:p〈0.05,**:p〈0.01.   (点).  9. 生以降向上が見られず,6年生においても,捕球と. 投球の動作が中断する4点の投げ方にとどまって. 8. いる者の多いことが認められた.. 7 動.  これらのことから,低学年では,まず,r捕る」r投.  6. げる」のそれぞれの学習に集中させ,中学年以降. 作 5. で,r捕る一投げる」の運動局面を融合2)できるよう. 得 4. に学習させるようにする必要があると考えられた.. 点 3.  また,本研究では,前方から飛んでくるボールだ. 2. けでなく,小さいボールの高・低位での捕球動作. 1. 一!一一…一1…. 一一……… 一. … 一一一…十一.      ホゆ” 一幽〒. 耐冒一. 一…. 丁冒…一. 一.    章     1.   0. の発達過程についても検討した(図H−6)..     1年  2年  3年  4年  5年  6年.  高い位置での捕球動作得点は,6年生の男子は. 図皿一5。捕球成功回数とr捕って投げるの連続動作』の. 跳び上がって頭より高い位置で捕れる9。4±0.6点. 動作得点の加齢的変化(被験者数は図π一4に同じ). (満点10点),女子は9.3±0,5点であり,男女差は. 11.

(21) (低いところで捕る). (高いところで捕る).     動作得貞    ノ.      10. 9.  7. 君・. 得5. ∼㎝・   盆・. 愛 1. 鳳 ・.    鳶・ 己ゴ1全... 動. ノ・. 4. ”」.  8. 作6. 刷肺.    感1・. **. 10. グー・. 皿∼8 2、.      馳作得意. (点).   *ホ. 1※瑠露』繋.  4 点  3. 鳶 ・.    感・. 盈 ・    墨・. 建 ・. 2.    窒・. *. 1. 串串.    *:p〈005, **=pく0。(}1 一. 0 1年  2年  3年  4年  5年  6年. 図∬一6.高・低位での捕球動作パターン(得点)の加齢的変化(被験者数は図皿一4に同じ). ほとんど見られなかった。また,低い位置での捕球. 確実につかめるようになると考えられた.. 動作得点は,男子はしゃがみ込んで地面すれす れで捕れる9.1±LO点(満点10点),女子はしゃが.  以上,(1)(2)のことから,投補については,1年生. んで胸の前で捕れる7.7±0.9点とやや女子が劣る. では,「投げる」「捕る」のそれぞれの学習に集中さ. ものの,ボールに対しての身のこなしはかなりでき. せ動作を向上させること,2年生から,近い距離で. ていることが認められた.. のキャッチボールを取り入れながら,正確に投げる.  このことから,r捕る」の具体的な内容は,rほぼ. ことと前に動きながら捕ること,中学年では,距離. 自分の正面に飛んできた,バッターが打ったゴロ,. に合わせて速く正確に投げることと自分の体を動. フライを捕球する」ことと,r投げる」と対応してrダイ. かして正面で捕ること,r補一投」の動作をスムーズ. ヤモンドの対角線の距離以下で,味方が投げたラ. に局面融合できるようにすること,を主要な教育内. イナー性のボールを捕球できる」とするのがよいと. 容として段階的に配当するのがよいと考えられた.. 考えられた,. (3)打つ.  さらに,高・低位の捕球動作の発達は,4年生で.  図H−7は,トスされたボールに対するバッティ. 大きく向上する傾向が見られた.このことは,捕球. ング動作と動作得点の加齢的変化を示したもので. 動作は低・中学年段階で学習させることが有効で. ある.. あることを推察させた..  バッティング動作を,体の向き・踏み込み・体軸.  宮丸ら12)は,大型ボールの捕球動作の学習は,. のずれを基準にして児童のフォームを分析した結. 5・6才から小学校低学年が適時期であると報告し. 果,図H−7の左に示す5っの段階に分類すること. ている.したがって,低・中学年の段階で捕球動作. ができた.. の学習を十分に行わせることで,6年生では,自分.  すなわち,段階1は,最も未熟な動作でr体が投. の身体をうまく操作しながら,飛んできたボールを. 手に対して正面を向いており,踏み込みがない」,. 一12一.

(22)  劇. 段作  動. 階得5. 烈欝蹴. (点).         体が横を向き,         踏み込みありで. 5一一一一一一一一一一. 一一一一一一一一一一一. 一. 一一一一一一一一一一一一一一一一.         体軸が安定. 騰羅 3. 蹴麟発購脇. 4 動. 1 一….  3 作. .…『、. ㎝.....   率串          *. .…一…. **. 得.  2. 2. 体が投手に対し. 点. て正面を向き,. 踏み込みあり. 1. 1. 灘 .      体が投手に対して正面      を向き,踏み込みがな. *:p<0.05, **:p〈0.01. 一つ一男子一←女子.                      0      い                        1年  2年  3年  4年  5年. 6年. 図皿一7.バッティング動作パターンの分類と動作得点の加齢的変化(被験者数は図一一4に同じ). 段階2は「体が正面を向き,踏み込みあり」,段階3   ーヒット1回以上男子囲ヒット1回以上女子. は「体が投手に対して横を向き,踏み込みなし」,. (%)  一〇一空振り3回男子  †空振り3回女子. 100. 段階4は「体が横を向き,踏み込みはあるが体軸が 不安定」,そして,段階5は,最上位に位置づく「体. 80. が横を向き,踏み込みありで,体軸が安定」であ 60. る.本研究では,便宜的ではあるが,バッティング. 動作を段階1から順に1から5点をつけ,動作得点と. 40. して評価した。.  男子は,1年生では動作得点が3.3±L1点,6年. 20. 生では3.6±1。0点であり,低学年の段階から横向. 0. きになって打てる児童が比較的多く存在した.しか. 1年 2年 3年 4年 5年 6年. し,顕著な加齢的変化は認められなかった.一方, 女子では,1年生で1.3±0.5点,6年生で2.9±0.8. 図皿一8。打ちやすく投げられたボールの打撃成績の加齢. 点を示し,加齢的に若干向上したが,動作得点は. 的変化(3回の試技中,ヒット性の当たりが1回以上と空振. 3点以下にとどまっている者の多いことが認められ. りが3回の児童の割合) (被験者数は図皿一4に同じ). た..  バッティング動作は,未熟な段階では,バットに. 習の必要のあることを示唆するものであった.. 一番近い上肢だけを使う打ち方,次に,体全体を.  また,図H−8は,バッティングの成果を,ヒット. 使うが体幹と腰が同時に回転する打ち方,そして,. 性の強い当たり,ぽてぽての打球,ファール,空振. 身体の各部位が別個に動く打ち方へと発達する. りに4分類し,その結果を見たものである.なお,本. が,必ずしも年齢と対応してそのステージが進むと. 研究で想定したスリーピッチ・ソフトボールでは,3. は限らない5)とされている.本研究の結果も,バッテ. 球の内で1回打てればよいので,ヒット性の当たり. ィング動作は,必ずしも加齢とともに発達せず,学. が1回以上の児童の割合と,3回とも空振りの児童. 13一.

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