容とした7つの項目の理解度の変容をみたもので
ある.
女子の「三振」「ダブルプレイ」の項目を除き,他 の5項目で80%以上の児童が理解できるようになっ たことが認められた.特に男子では,「フォースアウ ト」「ダブルプレイ」を除いて,全員が理解できるよう になった,
女子において,「三振」の項目が30%の理解度 にとどまった理由として,ゲーム中r三振」の場面が 少なかったことが関係しているものと推察された.
また,「フォースアウト」に関しては,1名(10%)の み知っていると答えるにとどまった,
35
30
25
20
15
10
5 0
(点)
図W−31
! T
最初のゲーム 最後のゲーム 得点の学習による変化(4年生)
i▽』』』▽『
20
0
・一
…ヰユモ ぐダテ
』鴻』rIIIrI』1/
Pre Post
アウト セーフ フアール 三振 フ才一ス
アウト
タッチ アウト
ダブル プレイ 図W−32アウトになるプレイについての理解の学習による変化(4年生)
②判断を伴うルール理解
図IV−33は,一塁ランナーとしての走塁の仕方 をテストした結果を示したものである.
男女ともに,フライの時の走塁の仕方を理解でき ている児童が増え,男子では全員が,女子では80
%の児童が理解できるようになったことが認められ
た.
しかし,内野ゴロの時の走塁については,男子 は69.2%から9L7%へと向上したのに対し,女子 では,単元後,「捕り損ねたら二塁に走る」と回答し た児童が多く,一人も正解していないことが認めら れた.このことは,ゴロの場合でも走らなくてもよい 場面があったことで,走塁の判断が混乱してしまっ たものと推察された.また,フライやライナー性の打 球が多かったこと,フライの時にも走ってしまうとい うミスを非難される場面の多かったことで,ゴロの場 合でも様子を見て走るという意識を植え付けてしま ったものと推察された.
図IV−34は,内野ゴロをどこに送球するかをテ ストした結果を示したものである.
男子は,単元後,全員が理解できるようになり,
女子においても一塁ランナーがいるときには二塁 に投げることを理解した児童が60%に増え,ランナ ーより先の塁にボールを送るというフォースアウトの 学習ができたことが認められた.
しかし,女子では,ランナーがいないときには一 塁に投げてアウトを取ることを理解できた児童は30
%にとどまり,近くの塁である二塁や三塁に投げる という間違いの多いことが認められた.
これらのことから,ソフトボールのルールが十分 理解できていない児童にとって,ランナーの状況 が様々に変化する学習をいきなり始めることは,選 択肢が多い分,守備や走塁の判断を混乱させてし まうものと推察された.前述のフォースアウトのルー ルがほとんど理解できていないという結果と考え合 わせると,その概念もまだ十分理解できていないも のと推察された.
3)情意的側面の変容
①到達度調査
図IV−35は,到達度調査による好意的反応比
100
80 60 40 20
0
図W−33
男子 女子
一一一 一一一 野ゴロ ー一内野ゴロ
ー 一 ・・一 野フライ … △一・・外野フライ
一一一一一一一一一一一一一一一一一▲一一一一
∂o 一一一一一一一一 一チ 一△
. o
一一
J ● ∂ 」 ● o
_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ L _ _ _ _ _ _ _ _ _ _
」 ● , ● φレ 4 」 ○
や ニ
o ク 倉●
(%)
Pre Post
『走墨の仕方』が正解だった児童の割合 (4年生)
男子 女子
一一ランナーなし 一一←ランナーなし
一一 ・一一 ランナー有り・一△一一一墨ランナー有り (%)
100
80 60 40 20
0
▲・ 一
一一一一一一一一一一一一一一一 一一一一一
〇」
,●
_ _ _ _ _ _ _ _ _ dL _ _ _ _ _ _
ρ ●
△
図W−34
Pre Post
r送球の仕方」が正解だった児童の割合
(4年生)
率の変化を示したものである.
「精一杯の運動」では80%以上の高値で推移 し,これまでの学年同様,運動量を確保したゲーム であったと言える.
「仲間との協力」「運動の楽しさ」は,ほぼ同様の 傾向で推移する傾向が認められ,連携プレイがう まくいったときにはチーム内の雰囲気がよくなり楽 しくゲームができること,キャッチミスから生じるトラ ブルが起きたときに楽しさを感じることができない,
という傾向が顕著に認められた。特に,最後のゲ ームでは,キャッチミスが原因で上手な児童がミス をした児童を強く責めたことでトラブルが生じ,ゲー ムの雰囲気がとても悪くなった,その結果,両チー ムの全員が「運動の楽しさ」「仲間との協力」の項目 で「いいえ」と答え,最も低値を示した.「捕球」技 能の未熟さが学習集団のトラブルの要因となり,そ のことがゲーム自体を楽ませないことが再確認され
た.
「技や力の伸び」では,単元を通して「打つ」こと の伸びを実感できた児童が多かったことが認めら れた.特に,女子において,単元経過に伴い打て たことを喜ぶ児童が増えていく傾向が見られ,r打 つ」楽しさを十分味わわせることができたものと推 察された,その他にも,r捕れた」r走れたjといった 個人技能に関する記述が多く見られたが,集団技 能の伸びを実感できた児童は,単元後半になって もほとんど見られなかった.
「新しい発見」では,好意的反応比率は単元経 過とともに減少する傾向が認められた.単元始め は,「投げ方がわかった」「捕り方がわかった」など 個人技能に関する記述が多く,好意的反応比率は 高いことが認められたが,攻撃や守備の作戦に関 する気づきが単元最後までほとんど見られず,逆 に,「やり方やルールは覚えた」ということで「いい え」と回答する児童が増え低下した.作戦を工夫 することを意識化させ得なかったことが影響してい るものと考えられた.
②態度測定
図W−36は,態度測定の結果を示したものであ
る.
授業の成否は,男子「アンバランス」,女子「や や失敗」と診断された.
この診断理由として,男女ともに,価値尺度の
「利己主義の抑制」「みんなの活動」「学習集団の
(飴)
100 一一一一 一一一一 一一一一
80
60
40
20
0
精一杯の運動
技や力の伸び
運動の楽しさ 仲間との憾力
新しい発見
(時間)
2 3 4 5 6 7
図W−35 到達度調査の好意的反応比率の単元経過に 伴う変化(4年生)
男子 女子
態度スコアの診断 1
よろこび A 4 A B 3 B
評価 B 3 B C 3 B
価値 A 2 B B 1 D
態度スコアの 合診断
1
高い 高い かなり高い アンパランス 授業の成否 アンバランス やや失敗
向上した項目
よろこび
O授巣時数の増加 O苦しみよりよろこび
運動に対する愛好的触震
O体育に対する好嫌
評価
O仲間からの支援
O課題解決への意欲 O挑戦する態度 運動の大切さ 技能向上のよろこび
価値 O話し合い活動 体育の有用性
O体力つくり
低下した項目 よろこび
O
に対する能動的な取り紹み Oはりきる気持ち O仲間との活動 精神力の 成価値
O利己主義の抑制 みんなの活動 学習集団の育成
O話し合い活動 体育の有用性
図W−36 態度測定の結果(4年生)
育成」の項目が大きく低下したことが認められた.
評価尺度の「仲間からの支援」が男女とも向上して いることを考え合わせると,走塁の仕方などの積極 的な声かけ・教え合いが見られた反面,勝ち負け が絡んでくる場面において,上手な児童が強い口 調で指示したりミスを責めたりすることが多く見られ たことが関与しているものと推察された.
集団技能を伸ばせば価値尺度が伸びると報告 されている7)が,本実践において,r捕る」技能が未 熟なことや使用したボールの関係で,投げてフォ ースアウトを取るという連携プレイがうまくできなか ったこと,プレイ事象としてフライアウトが多く,連携 してアウトを取るという場面が少なかったことが関係 しているものと考えられた。
③好嫌度調査
図W−37は,好嫌度の変容をみたものである.
単元前には,「できないから嫌い」と回答した児 童がいたが,単元後には,rまたやりたいj rルール がわかってくると楽しい」「できないことができるよう になって楽しかった」という感想を持ち,全員がr好 き」と回答した.
集団としての意識は高められず,授業に対して の愛好的態度を高められなかったが,技能面の伸 び,特に,「打つ」ことに関しての伸びを実感させた ことが,この結果に繋がったものと推察された.
4)ゲームの妥当性
本ゲームは,道具を使って打つことを加えた基 本的なボール操作能力の習熟,アウトになるプレイ の理解,塁上のランナーの状況に応じた守備・走 塁の教育内容を学習できるように仕組んだゲーム
である.
ラケットを使ったことは,r道具を使って打つ」こと の楽しさを十分に味わわせることができ,技能の伸 びを実感させることが認められた.また,スポンジ ボールを使用したことは,判断を伴う走塁や守備 のルール学習を促進させるものであることが認めら れた.したがって,配当した教育内容を身につけさ せ得る4年生にふさわしいゲームであると考えられ
た.
しかし,イニング開始は満塁で,その後はゲーム
100%
80%
60%
40%
20%
0%
図W−37
■好き ■どちらでもない ロ嫌い
前 後
ベースボール型ゲームに対する好嫌度の変容 (4年生)
展開によってランナーの状況が変わるゲームであ ったため,走塁の仕方や送球の仕方などに混乱を 生じさせた.ベースボール型ゲームの学習におい て,塁上にいるランナーの組み合わせを細かく設 定し,児童の思考の順序性を押さえながら学習さ せていく必要性が示唆された.
(5)5年生:rダブルプレイ・ソフトボール』rシフトプ レイ・ソフトボール』
1)ゲーム様相の変容
図IV−38は,単元経過に伴うゲーム様相の変容 を示したものである.また,図IV−39は,VTRに撮 影した最初のゲームと最後のゲームにおいて,ど んなプレイがどのくらいの割合で出現したのかを,
図IV−40は,フォースアウトがどのベースで行われ たのかを示したものである.
守備では,「ダブルプレイ・ソフトボール」の第1 時から,ボールが捕れる児童をホームに配置し,ホ ームで2点守備得点を取ろうとするチームのいるこ とが認められた.すなわち,守備得点制を採用した ことが,連携プレイの意識を高めることが認められ た.また,ゴロを必ず打つというルールの適用が,
守備の連携を引き出すことに繋がっていることが認