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細胞外Ca2十によるセメント芽細胞の機能調節作用 -塩基性線維芽細胞成長因子の産生能の克進-

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(1)

細胞外Ca2十によるセメント芽細胞の機能調節作用

-塩基性線維芽細胞成長因子の産生能の克進-著者

江部 由佳梨

学位授与機関

Tohoku University

(2)

修士論文

細胞外Ca2十によるセメント芽細胞の機能調節作用

- 塩基性線維芽細胞成長因子の産生能の克進 -平成22年度提出

東北大学大学院歯学研究科

口腔生物学講座 歯内歯周治療学分野

江部 由佳梨

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2

要旨

セメント芽細胞は歯根表面にセメント質の形成添加を行う細胞であり、多くの点

で骨芽細胞と共通の表現型を有する。高濃度細胞外Ca2+は骨芽細胞に作用し、細

胞の増殖や細胞の調節を行うことが知られている。しかしながら、セメント芽細

胞の機能に及ぼす細胞外Ca2+の作用に関してはほとんど知られていない。本研究

においては、まずCaC12を添加することにより生じさせた高濃度細胞外Ca2十がセ

メント芽細胞に作用して塩基性線維芽細胞成長因子(fibroblast growth

factor12; Fgf-2)遺伝子の発現をIrL進させることをRT-PCR法を用いて見出した。

プロテインキナ-ゼA (PKA)阻害剤であるH89、あるいはアデニル酸シクラーゼ

阻害剤であるMDL-12,330Aで細胞を前処理することにより細胞外Ca2+誘導性の

Fgf-2発現IJl.進は抑制された。一方、プロテインキナ-ゼC (PKC)阻害剤である

GF-109203X、あるいはホスホリパーゼC (PLC)阻害剤であるU73122の前処理で

はその発現に影響を及ぼさなかった。このことから、 CaC12誘導性のFgf-2発現克

進はPKA依存性であるが、 PKC非依存性であることが示唆された。アデニル酸シ

クラーゼの活性化物質であるforskolin、あるいは細胞透過性を有したcAMPのア

ナログである8-Br-cAMPは、 CaC12誘導性のFgf-2発現克進を増強したが、 cac12

非存在下ではFgf12発現を冗進させなかった。このことは、 CaC12誘導性のFgfl2

発現克進においてcAMPの生成は必要不可欠であるが十分ではないことを示唆す

るものである。以上の知見から、セメント芽細胞は細胞外Ca2+を感知する機構を

有しており、その活性化によってcAMP/PKA依存的にFgf-2の発現が元進するこ

とが明らかとなった。本研究は生物学的原理を基盤とした新たな歯周組織の再生

療法の開発に有用である。

(4)

緒言

セメント質は、セメント芽細胞によって歯根表面に形成される石灰化組織であ

り、歯根と歯槽骨の結合する上で重要な役割を果たすことから、機能的な歯周組

織の再生誘導のために必須の組織である。セメント質は、神経・脈管系が存在し

ないこと、また組織のリモデリングが限定されているなどの点で骨組織とは異な

るが、生化学的組成を始めとする多くの共通点が存在する[1, 2]。さらにセメン

ト芽細胞は、骨芽細胞と同様に、アルカリンフオスフアタ-ゼ(alkaline

phosphatase; ALP)、 Runx-2 (runt-related gene 2),タイプⅠコラーゲン、骨

シアロ蛋白(bone slaloprotein; BSP)およびオステオカルシン(osteocalcin;

OCN)等の骨形成関連分子を発現する[3-5]。

骨の微小環境においては、骨のリモデリングに伴って生じる破骨細胞による骨

吸収過程の結果として、細胞外にCa2十が高濃度で存在する。骨芽細胞はCa2+感知

受容体(calcium sensing receptor; CaSR)を発現し、細胞外Ca2十に対して機能

的に反応することが報告されている。 CaSRは副甲状腺から初めてクローニングさ

れたG蛋白質共役受容体であり[6]、骨芽細胞においては細胞走化性、細胞増殖

および細胞分化に対する機能調節に関与している[7-10]。さらに、骨芽細胞には、

casR非依存的な細胞外Ca2+感知機構が存在することが報告されている[11-14]。

セメント芽細胞は、歯根膜組織を介して骨組織に近接していることから、生理

的にも病理的にも細胞外Ca2十濃度が大きく関与し得る環境に晒されているものと

考えられる。しかし、セメント芽細胞における細胞外Ca2+感知機構の存在に関し

ては報告がなく、また細胞外Ca2十が同細胞に与える影響に関しても全く知られて

いない。

(5)

4

塩基性線維芽細胞成長因子(fibroblast growth factor-2; FGF-2)は間英系

細胞の代表的な増殖・分化調節因子のひとつであり、さらには血管新生誘導能を

有することも知られている[15]。すなわちFGF-2は骨形成過程や骨のリモデリン

グ過程において非常に重要な役割を演じている[16]。 FGF-2の持続的な刺激は骨

芽細胞の増殖を誘導し[17]、細胞分化マーカーであるALPやOCNの発現を抑制す

ることが知られている[18]。しかしその一方で、FGF-2の一過性の刺激は、invitro

とin vivoの実験において骨形成を誘導することが報告されている[19,20]。こ

れは、 FGF-2の骨形成の作用機序において中心的役割を演じるのが、前骨芽細胞

の増殖能の克進であるためと考えられている。歯周組織はセメント質、歯槽骨、

歯根膜、および歯肉から構成される歯根の支持組織である。 FGト2はヒト歯根膜

[21]やセメント質[22]に検出されるが、セメント芽細胞や歯根膜由来線維芽細胞

に対して増殖能を発揮する一方で、細胞分化に対しては同様に抑制的に作用する

[23,24]。従って歯周組織においても、 FGト2は組織再生に関わる細胞を分化初期

の段階でその増殖能を冗進させることで最終的に組織再生を克進させるものと

考えられている[15]。セメント質を実験的に欠損させた動物実験モデル[25]や実

験的歯周炎誘発動物[26,27]においてFGF-2を局所投与すると、セメント質の新

生を伴った歯周組織が再生されることが報告されている。このようにFGF-2はセ

メント芽細胞機能の重要な調節因子ではあるものの、セメント芽細胞におけるそ

の発現に関する報告は皆無である。

本研究において、セメント芽細胞に細胞外Ca2十の感知機構が存在するかを不死

化マウスセメント芽細胞を用いて解析した。その結果、高濃度細胞外Ca2十をセメ

ント芽細胞に作用させると、 pKAシグナル依存的にFgf12の発現がIJl.進すること

(6)
(7)

6

【材料と方法】

試薬

塩化カルシウム(CaC12)は和光純薬から購入した。 8-Br-cyclic adenosine mono

phosphate (CAMP), nifedipine, calcium ionophore A23187, GF109203X, phorbo1

12-myristate 13-acetate (PMA), forskolin (Fsk),アスコルビン酸, Tritin X

100, H-89, 3-Isobutyl一卜methylxanthine (IBMX)および dimethylsulfoxide

(DMSO)は、 Sigma Chemical (USA)から購入した。 0-73122, cycloheximide (CHX),

actinomycin D,およびMDL-12,330Aは、カルビオケム(USA)から購入した。

NPS-R568は、協和発酵キリン(東京)から供与されたものを用いた。 Multiple

tissue CDNA panel (MTCT")は、 BD Biosciences Clontech (Palo Alto, CA)から

購入した。

細胞培養

実験に用いた不死化マウスセメント芽細胞株(OCCM-30)は、ワシントン大学

somerman博士より分与された。同細胞はOCNプロモーター制御下にある SV40

large T-antigenを含むトランスジェニックマウスから単離した[4]。 OCCM-30

はDulbecco' s Modified Eagle' s Medium (DMEM)に10% fatal bovine serum

(FBS)と、ペニシリンGIOO U/mlとストレプトマイシン100 〃g/mlを加えた培

地で培養した。 J77411不死化マクロファージ細胞株は、東北大学医用細胞資源セ

ンター(仙台)から入手し、 10% FBSと抗生物質を含むRPMI 1640で維持した。

全ての組織培養試薬は、インビトロジェン/ギブコ(USA)から入手した。実験手

順は、東北大学大学院歯学研究科倫理審査委員会(仙台)で承認された。

(8)

7

細胞全RNAはTrizole (ギブコ)で抽出し、 DNase処理を行った。全RNAから。DNA

-の逆転写は、 Transcriptor First Strand CDNA Synthesis Kit¢ (R。。h。

Diagnostic Co,USA)を用いて行った。プライマーは、 LightCycler probe design

software㊦ (Roche Diagnostics)により設計した。 FGF-2、 CaSR、 glyceraldehyde

3-phosphate dehydrogenase (GAPDH)をそれぞれコードするプライマー・シーク

エンスとして、

Fgf12   (GTACCTTGCTATGAAGGAAGATG/ATCCGAGTTTATACTGCCCA) ;   Casr (TGTGGAGTGTCCTGACG/AGAGCGATTCCAAAGGG) ;       Gapdb (ACCACAGTCCATGCCATCAC/TCCACCACCCTGTTGCTGTA). (forward/reverse)を用いた。 PCR条件は40サイクル、 95/60、 55/30、 72/30[温度(oc)/時間(秒)]に設定した。

PCRの実施に際しては、各プライマーが0.5 〃M、 MgC12最終濃度が3mMになるよ

う試料調整し、 iQ SYBR Green Supermixe (Bio-Rad Laboratories, Hercules, CA)

を用いてiCyclere (Bio-Rad)にてPCR産物を解析した。遺伝子増幅後は、 PCR産

物の特異性を評価するために、 0. 5oC/30秒で55oCから95oCまでの融解曲線を作

成した。各反応過程においては、水をnegative control とした。反応産物産物

は、 GAPDHをreference geneとして定量化した。 conventional PCR法は、同様

のサイクルプログラム(温度/時間)を用いて30サイクル実施した。増幅後の

試料は、 2.0%アガロースゲル中で泳動を行い、エチジウムブロマイドで染色した

後、紫外線下にて撮影を行った。

cAMP測定

6-wellplateのウェル内でコンフルエントに達した細胞は、リン酸緩衝液で洗浄

した後に、 0.5 TT朋のホスホジェステラ-ゼインヒビターであるIBMXを用いて、

(9)

37oCで10分間前処理したoその後、最終濃度が10mMになるようにCaC12を添加

し、 37oCの条件下にて各図の説明に示した時間で培養した。培地を取り除いた後、

0.8% (V/v) Triton X-100を含んだ0.1 MのHClを0.5 ml添加した。室温下での

15分間処理して細胞を融解した。回収したライセ-トは、 600 ×gで5分間遠心

分離した。上浦を回収し、-20oCで保存した。ライセ-ト中のcAMP量はcAMPenzyme

immunoassay kit (Assay Designs, USA)を用いて測定した。結果は全細胞ライセ

-トに対するcAMP量をpmolで示した。

統計処理

全ての実験は、結果の再現性を確かめるために3回行い、その代表的結果を示し

た。実験値は、それぞれの平均値と標準偏差(standard deviation; SD)を算出

し、有意差検定はone-wayANOVAで行った。 p(0.05のときに有意差ありとしたo

(10)

9

【結果】

細胞外Ca2+の上昇により、 FGF-2 mRNA発現量が増加する。

細胞を図1A∼Dの各々に示した濃度条件のCaC12で刺激し、 24時間後における

Fgfr2転写産物発現墓を定量性RT-PCR法にて解析したo なお、培地のCa2十濃度は

1.8mMであるため、最終濃度が定めたCa2+濃度になるようCaCl。を培地に添加したo

Fgf12発現は、 CaC12濃度が5mMおよび10mMのいずれの場合においても、 6時間を

ピークに急激に上昇した(図1A)。 Fgf-2の発現は、 CaCl。濃度10mMまでは濃度

依存的に上昇し、 20 mMにおいては逆に発現の低下がみられた(図1B)。なお、

図には示さないが、cac1220mMで細胞を刺激しても、細胞毒性はみられなかった。

タンパク質合成阻害剤であるCHXでの細胞を前処理すると、 CaC12誘導性のFgf-2

の発現量克進は抑制された(図1C)。これはFGF-2遺伝子発現克進に際して、タ

ンパク質合成が必要であるということを示唆するものであるo また、 Fgf-2は細

胞刺激の種類によって安定性が変化することが報告されているため[28]、 Fgf-2

の安定性に対するCaC12の影響を調べた。 actinomycin D存在下において、 10 mM

cac13添加および非添加の2群に分けて細胞を12時間培養したところ、両群とも

Fgf12発現虫は、半減期3.5時間で減少し、対象群との間に有意差はみられなか

った(図1D)。このことから、 CaC12誘導性のFgf-2調節は、転写の増加により起

こるものであり、mRNAの安定性の冗進によるものではないということが示唆され

た。

CaC12誘導性のFGF-2 mRNAの発現量の冗進は、PKC経路の活性化を必要としない。

これまでの報告において、プロテインキナ-ゼC (protein kinase C; PKC)シグ

(11)

10

ナル経路の活性化因子であるPMAと、細胞内cAMPを増加させるアデニル酸シク

ラーゼ活性因子であるFskは、ともにマウス骨芽細胞[29]やヒト副腎細胞[30]に

おいて、 FGF-2発現を遺伝子レベルおよびタンパクレベルで調節することが示さ

れている。そこで、 PMAもしくはFskがセメント芽細胞のFgf-2発現をIJl.進させ

るかどうか解析した。図2に示すとおり、 10nMあるいは100nMのPMAで6時間

処理した細胞においては、 Fgf12転写産物の発現量が有意に増加し、この反応は

10 mMのCaCl。で処理した場合の発現量よりも高いものであったo 一方、 1LLMあ

るいは10〃MのFskを添加した細胞のFgf-2発現量は全く増加しなかった。次に、

CaCl。誘導性のFgf-2の発現量の克進にPKC経路が関与しているかどうかを検討

するため、 PKC阻害剤であるGF-109203Xの存在下にて、細胞にCaC12を6時間作

用させた(図3A)。予想に反し、 GFl109203XはCaC12誘導性のFgf-2の発現虫克

進を抑制しなかった。次に、ホスホリパーゼC (phospholipase C; PLC)阻害剤で

あるU73122で細胞を前処理することで、 PLCとの関連について調べた。 PLCの活

性化は、 phosphatidylinositoト4, 5-P2の加水分解を生じ、最終的にPKCが活性化

させることが知られている[31]。図3Bに示すように、 U73122はCaC12誘導性の

Fgf-2発現虫の克進に対しては全く影響を与えなかった。これらのことから、

occM-30におけるFgf-2の発現調節は、 PKC依存性および非依存性の両方の機序

を介して行われており、 CaC12誘導性のFgf-2の発現畳の克進は、 PLC/PKC非依

存性のシグナル経路を介することが示唆された。

caC12誘導性のFGFl2 mRNAの発現量の克進には、細胞内cA肝とPKAを介するシ

グナル経路が必要である。

(12)

ll

Fsk処理によってFgf12転写発現はIJL進しなかった。 (図2)が、この結果だけ

では細胞内のcAMPの増加がCaCl。誘導性のFgf12の発現克進に必須の条件である

か否かは判断できない。そこで、 cAMPとプロテインキナ-ゼA (protein kinase

A; PKA)の役割について、細胞浸透性を有するアデニル酸シクラーゼ阻害剤であ

るMDL-12,330Aと、 PKA阻害剤であるH-89を用いてさらに調べた。細胞をこれら

の阻害剤で30分間前処理を行った後、 CaC12を加えて6時間培養し、 Fgf12畳を

測定した。図4Aと図4Bに示すように、両阻害剤とも濃度依存的にCaC12誘導性

のFgf-2の冗進を抑制し、 100 〃M MDL-12,330Aあるいは20 〃M H-89の条件下

において、それぞれ完全もしくは部分的な抑制がみられた。このことから、

CAMP/PKAシグナルがCaC12誘導性Fgf-2の調節に関与することが示唆された.さ

らに、Fgf12の恒常的発現に関しても、100 pMMDL-12,330Aあるいは20 〃MH-89

存在下で抑制がみられた。

次に、 OCCM-30をCaCl。存在下で培養することにより、細胞内cAMP量が増加す

るかを、 cAMP酵素免疫測定法により解析した。図4Cに示すように、 CaC12添加前

においては細胞内cAMPが32.8±0.6pmol検出された。 10 mM CaCl。の条件下にお

いては、 cAMPは刺激10分後でおよそ2倍の値にまで増加し、そのレベルを40分

間維持した。これらの現象における cAMPの役割をさらに明確にするため、 CAMP

依存性のプロテインキナ-ゼ活性化物質である8-Br-cAMPを用い、その存在下に

おいてCaCl。を6時間細胞に作用させた。図4Dに示すように、8-Br-cAMPはCaC12

誘導性のFgf-2発現を著しくIJl.進したが、 8-Br-cAMP単独ではその発現に影響を

与えなかった。 8-Br-cAMPの代わりにFskを用いた場合においても同様の結果が

得られた(図4E)。これらの結果から、 cac12誘導性のFgf-2のIJl.進においてcAMP

(13)

12

産生は必要不可欠であるが、それのみでFgf12の冗進を誘導するには不十分であ

ることが示唆された。

Ca2+チャネルを通じた細胞外Ca2'の流入は、 CaC12誘導性のFGF-2 mRNAの調節に

は関与しない。

CAMP/PKAシグナル経路は、電位依存性L型ca2+チャネルを活性化させることが報

告されている[32]。そこで、 CaC12誘導性のFgf-2の調節におけるCal'+チャネルを

通じた細胞外Ca2+流入の関連を、電位依存性L型Ca2+チャネルの特異的阻害薬で

あるnifedipineを用いて調べた。図5Aに示すように、細胞をnifedipineで前

処理を行っても、 Fgf-2発現の抑制は見られなかった。このことから、 Ca2チャネ

ルを通じた細胞内ca2+濃度の増加は、 Fgf-2の発現IJIJ進には関与しないものと考

えられた。この現象は、図5Bに示す結果、すなわち細胞内ca2+濃度を増加させる

calcium ionophore A23187で細胞処理を行っても、 CaC12 10 mMの存在の有無に

関わらずFgf12発現畳は有意な影響を受けないという結果と一致する。

FGF-2 mRNAの増加に関与するレセプターは、 CaSRとは異なる。

occM-30において、 CaSRが発現しているかどうかをRT-PCR法にて解析した。 CaSR

遺伝子の発現は、 J774-1株化細胞[33]およびpositive controlとして用いたマ

ウス腎臓のcDNAライブラリーにおいて検出されたが、 occM-30ではその発現は検

出されなかった(図6A)。さらに、 CaSRに対する選択的アゴニストである、 Ca2+

受容体刺激薬NPS-R568[34]での細胞を刺激しても、 Fgf-2の発現はIJl.進しなかっ

(14)

13

考察

FGF-2刺激に対するセメント芽細胞の反応性に関しては、これまでに多くの研

究報告がなされて来たが[23, 24]、同細胞におけるFGト2の発現に関する報告は

全くない。本研究によって、セメント芽細胞には細胞外Ca2+を感知する機構が存

在すること、そしてその機構を介してFgf-2の発現がcAMP/PKAシグナル依存的

にFgf12の発現が調節されていることが初めて明らかにした。

Fskは骨芽細胞においてFGF-2の発現を誘導することが示されている[29,30]

が、本研究においてはFsk、 8-Br-cAMPのいずれの単独刺激ではセメント芽細胞

のFgf12発現の克進は見られなかった。この結果は、 Ca2+によるFgf12発現克進

の機構において、細胞内cAMPの生成それだけでは十分条件ではないが、必要不

可欠であることを示唆するものである。また、これはCaC12誘導性のFgf-2の発

現生のIJIJ進において、 Fskあるいは8-Br-cAMPの共存はFgf12発現をさらに克進

したという知見からも支持される。さらに、 CaC12誘導性のFgf12の発現虫の克

進は、アデニル酸シクラーゼ阻害剤であるMDL-12,330Aにより完全に抑制され、

pKA阻害剤であるH-89で部分的に抑制されることから、 PKA以外の他のcAMPエ

フェクター因子、たとえばan exchange protein directly activated by CAMP

(Epac) [35, 36]の共同関与の可能性が示唆される。骨芽細胞やアストロサイト

を、プロスタグランジン[37]、 TGF-β[38]、あるいはアポモルフィン[39]で刺激

するとPKAシグナルだけでなくPKCシグナルにも依存的にFGF-2発現が増加する

ことが報告されている。本研究において、 PKC活性化物質であるPMAでセメント

芽細胞を刺激するとFgf12発現が増強することを示したが、細胞外Ca2十刺激によ

るFgf12発現増加はPKCシグナルには依存していなかった。したがって、セメン

(15)

14

ト芽細胞は、 PKAシグナルだけでなくPKCシグナルを介してFgf-2の発現を調節

する機構を有するが、細胞外Ca2十刺激によるFgf12発現増加はPKAシグナルを介

した機序によるものであると考えられる。

L型ca2+チャンネルは、 CAMP/PKAカスケードによってその機能調節を受けてい

ることが知られている[32]。細胞外Ca2+誘導性Fgf12発現IJIJ進におけるL型ca2+

チャンネルの役割について解析したところ、同チャンネルは関与しないことが明

らかとなった。また、 PLC/PKC経路もその増強反応には関与しておらず、さらに

カルシウムイオノフォア-処理はFgf12発現に影響を与えなかったことから、セ

メント芽細胞におけるFgf12発現先進には、おそらく細胞内ca2+濃度に依存する

シグナル経路は関与しないものと推測できる。

本研究では、細胞外Ca2十を感知する機構がセメント芽細胞に存在することを初

めて明らかにした。これまでの報告から、副甲状腺細胞をはじめとする種々の種

類の細胞に細胞外Ca2†を感知する機構が存在し、その刺激は複数のシグナル経路

を活性化することが明らかにされている[40]。骨芽細胞においては、高濃度細胞

外Ca2+は細胞走化能や増殖能克進するばかりでなく[8, 9, 41]、また細胞分化の

克進も誘導する[7, 9, 42]。骨芽細胞における細胞外ca2+の感知機構については

未だ不明な点が多く存在するが、副甲状腺に存在する CaSR と分子的に同一の受

容体が骨芽細胞に発現していること報告がなされている[7-10]。 CaSRは、アデニ

ル酸シクラーゼを抑制するGiサブユニットとPLCを刺激するGqサブユニットに

共役した受容体である[43]。本研究において、細胞外Ca2十によるFgf-2増強のシ

グナルは、 CaSRの活性化によるシグナルとは異なることが示された。また、セメ

ント芽細胞にはCaSRの遺伝子発現は検出されず、さらにCaSR特異的アゴニスト

(16)

15

である NPSIR568 を用いても Fgf-2の発現には影響を与えなかったことから、

Fgf-2のIJl.進にCaSRの関与はないものと思われるo これまでに、 CaSR非依存性

に細胞外Ca2十を感知する機構が骨芽細胞に存在することが明らかにされている

[11-14]。その想定上の受容体として報告されているOb.CaSRとGPRC6Aはやはり

GiおよびGqに共役していることから[13, 14]、本研究で示した反応経路とは異な

り、従ってそれらの受容体の関与はないものと推測できる。セメント芽細胞は非

常に高度に分化した細胞であり、上述した骨芽細胞における報告と単純に比較す

ることはできないと考えられる。しかしセメント芽細胞の前駆細胞とされる歯小

嚢細胞を用いることにより、両者の相違点や共通点がより明瞭になるかも知れな

い。今後更なる検討を重ねて、本研究が明らかにしたセメント芽細胞における細

胞外Ca2十感知による反応経路が、いかなる受容体あるいは分子の活性化を通じた

ものであるかについてさらに検討を行っていく必要がある。

FGF-2は血管形成、骨形成のみならず、セメント質形成において重要な役割を

担う成長因子である[15,16,25]。従って、セメント芽細胞におけるFGF-2の発現

増強は骨とセメント質の新生を伴った歯周組織の再生を促進すると考えられる。

本研究で得られた知見は生物学的原理を基盤とした新たな再生療法の開発に有

用であると思われる。

(17)

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謝辞

稿を終えるに臨み、多大なるご指導、ご校閲を賜りました東北大学大学院歯学研

究科口腔生物学講座歯内歯周治療学分野 島内英俊教授、本研究の実施にあたり、

細部にわたるご指導を頂きました同分野 根本英二講師に深甚なる感謝を捧げ

ます。さらに、研究の技術的なご指導を頂きました歯内歯周治療学分野 金谷聡

介博士、多田浩之先博士に感謝申し上げるとともに、ご支援、ご協力頂いた同分

野教室員各位に心よりお礼申し上げます。

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(27)

26

図の説明

図1.高濃度細胞外Ca2+はセメント芽細胞のFGF-2 mRNA発現を刺激する。

コンフルエントのOCCM-30は血清を含まないDMEM中で4時間培養した。 (A):細

胞を5 mMおよび10mMCaC12により、で図に示した時間で刺激したo (B):同様

に細胞を図に示した各種濃度のCaC12で6時間刺激した。 (C):細胞は10 〟g/ml

cHXで45分間前処理後、10mA4CaC12で6時間刺激を行ったo (D):細胞は5 〃g/ml

actinomycin D存在下において、 10 mM CaC12で図に示した各時間刺激を行った。

なお、刺激に際しては血清を含まないDMEMを用いた。全RNAを回収し、遺伝子

発現をリアルタイム定量性RトPCR法で解析した。実験はトリプリケ-トにて3

回繰り返して行い、その代表的なデータを平均値±標準偏差として示した(*,

jK0.05:未処理の場合と比較して有意差あり; §, β(0.05:Ca2+のみで刺激の場合

と比較して有意差あり)。

図2. PMAはOCCM-30のFGF-2 mRNA発現を刺激する。

コンフルエントのOCCM-30は血清を含まないDMEM中で4時間培養し、その後、

細胞を図に示した濃度のCaC12、 Fsk、あるいはPMAを用いて6時間刺激した。全

てのサンプルは培養液中DMSO濃度が0. 1% (Ⅴ/v)になるように調整した。全RNA

を回収し、逓伝子発現をリアルタイム定量性RT-PCR法で解析した。実験はトリ

プリケ-トにて3回行い、その代表的なデータを平均値±標準偏差として示した

(*, β(0.05:未処理の場合と比較して有意差あり)0

(28)

27

図3.細胞外Ca2+刺激によるFGF-2 mRNAの克進はPKC経路を必要としない。

コンフルエントとなったOCCM-30を血清を含まないDMEM中で4時間培養した。

40 nM Gト109203 (A)あるいは4 〃M U73122 (B)存在下で30分間前処理した

後、 10 mM CaC12にて6時間刺激した。全てのサンプルは培養液中DMSO濃度が

0.1% (V/V)になるように調整したo 全RNAを回収し、遺伝子発現をリアルタイム

定盤性RT-PCR法で解析したo 実験はトリプリケ-トにて3回行い、その代表的

なデータを平均値±標準偏差として示した(*, P(0.05:未処理の場合と比較して

有意差あり; §, jR:0.05:10nMのPMAで処理をした場合と比較して有意差あり)0

図4.細胞外Ca2+刺激によるFGF-2 mRNAの克進は細胞内cAMPとPKA経路を必要

とする。

コンフルエントとなったOCCM-30を血清を含まないDMEM中で4時間培養した。

(A and B):細胞をMDL-12,330A (10 and lOO 〃M)あるいはH89 (1 and 20 〃M)

で30分間前処理した後、 10 n朋CaCl。で6時間刺激したo 全RNAを回収し、迫伝

子発現をリアルタイム定量性RT-PCR法で解析した。 (C):細胞を0.5 mM IBMX

で10分間前処理した後、 10 mM CaC12で図に示した時間刺激を行った。細胞ライ

セ-ト中のcAMP量はELISA法にて測定した。 (DandE) :細胞を500 〃M8-Br-CAMP

あるいは10 FLM Fskにて15分間前処理した後、 10 mM CaC12で6時間刺激を行

った。全RNAを回収し、遺伝子発現をリアルタイム定立性RT-PCR法で解析した。

全てのサンプルは培養液中DMSO濃度が0. 1% (Ⅴ/v)になるように調整した。実験

(29)

28

示した(*, j<0.05:未処理の場合と比較して有意差あり; §,尺0.05:それぞれ

のコントロールと比較して有意差あり)0

図5.細胞外Ca2+刺激によるFGF-2 mRNAのIJl.進はCa=+チャンネルは関与しない。

コンフルエントとなったOCCM-30を血清を含まないDMEM中で4時間培養した。

(A):細胞を1および5 JIM nifedipineで30分間前処理した後、 10 nA4CaC12

で6時間刺激を行った。 (B):細胞は10 mM CaCl。存在あるいは非存在下におい

て、図に示した各濃度のcalcium ionophore A23187で6時間刺激した。全ての

サンプルは培養液中DMSO濃度が0. 1% (Ⅴ/v)になるように調整した。全RNAを回

収し、遺伝子発現をリアルタイム定量性RT-PCR法で解析した。実験はトリプリ

ケ-トにて3回行い、その代表的なデータを平均値±標準偏差として示した(*,

jK0.05:未処理の場合と比較して有意差あり)o

図6.細胞外Ca2+刺激によるFGF-2 mRNAのLJIJ進を担う受容体はCaSRではない。

(A):コンフルエントとなったOCCM-30およびJ774-1から全RNAを回収し、各迫

伝子発現をRT-PCR法で解析した。マウス腎cDNAライブラリーを鋳型cDNAとし

て同様に解析した。実験は2回行い、その代表的なデータを示した。フラグメン

トサイズは153 bp (CaSR)および452 bp (GAPDH)である。 (B):コンフルエント

のOCCM-30を血清を含まないDMEMで4時間培養した。細胞を10 mM CaC12ある

いは図に示した濃度のNPS-R568 を用いて6時間刺激を行った。全てのサンプ

ルは培養液中DMSO濃度が0.1% (Ⅴ/V)になるように調整した。全RNAを回収し、

遺伝子発現をリアルタイム定量性RT-PCR法で解析した。実験はトリプリケ-ト

(30)

29

にて3回行い、その代表的なデータを平均値±標準偏差として示した(*,尺0.05:

未処理の場合と比較して有意差あり; §,それぞれのアゴニストと比較して有意

(31)

0   3   6     12

時間

図1

釦%. ♂〆♂

R l

6     5     4     3     2     -    O

H

6 0

A

4       3       2       1

Q

U

J

0 8 6 4 2 0

'. ),", 'I'1.. I. lI 'Td. ''.I. I,7

0       0       0       0

(32)

♂㌔

1 10    10 100

Fsk (pM)  PMA (nM)

(33)

0 

Ca2+

GF-1 09203X

Ca2+

∪73122

_     +      _ ■      ■      +

図3

A

H

d

V

9

N

N

t

]

5     4     3     2

B

6

5

4

3

2

H

d

V

9

r

V

N

t

]

(34)

0 1 20 十  十  十 Ca2+ 8-BトCAMP

8 6 4 2 0

MDL12330A 0 10 100 0 10 100

十  十 ・■ (pM) Ca2+

図4

B HOdV9NNt]∈ 2 0     ■ i _           + 0         ■

帽 豊

D

H

Q

d

V

9

N

N

t

J

u

A HddV9NN∝u] ( 一 〇 ∈ d ) d ≡ < U

. ∴

uJ H凸dV9NNt]Uu

(35)

Nifedipine(LLM)0 1 5    0 1 5 Ca2+      +  +  + lonophore(pM)0 10 100   0 10 100

図5

A

B

(36)

A

CaSR

GAPDH

図6

♂♂h㌔

Rl568 (pM)

5     4     3     2     1     O

B H凸dV9NN∝∈

参照

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