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Academic year: 2021

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論文内容要旨

論文題名 QOL Evaluation of Nab-Paclitaxel and Docetaxel for Early Breast Cancer(早期乳がんに対するナブパクリタキセルとドセタキセルの有害事象の 比較とQOL評価に関する検討)

掲載雑誌名 European Journal of Breast Health Vol.14 No.4 P.194-198 2018年

昭和大学薬学部臨床薬学講座 医薬情報解析学部門 奥山 裕美

【緒言】

近年,乳がん患者数は増加の一途をたどり,2000 年以降は女性が罹患するがんの トップを占めている.乳がんの治療は,手術療法,放射線療法,薬物療法などの治療 を組み合わせた集学的治療が行われており,外来で化学療法を受けることは,患 者の生活の質の向上:Quality of Life (QOL)維持に有効である.しかし抗がん 剤による治療は,抗腫瘍効果の恩恵が得られる一方で,副作用が高頻度でみられ, 特に自覚症状を伴う有害事象は QOL を著しく低下させ,治療持続性にも影響を 与える.今日のがん化学療法においては,治療効果のみならず,患者のQOLを含め た評価が求められている.今回我々は,術前化学療法におけるタキサン系抗がん 剤の特徴的な有害事象の発現頻度と,健康に関連した生活の質:Health-Related Quality of Life(HRQOL)について検討した.

【対象及び方法】

2012年4月から2014年3月の期間に,組織学的にHER2陰性,乳癌取扱い規約 第16版の臨床病期(Stage)分類において,T1c-3,N0/M0,もしくはT1-3、N1/M0 で,術前化学療法および手術施行により根治切除が期待できる患者を対象とした.

術前化学療法DTX-FEC療法群(DTX群)とnab-PTX-FEC療法群(nab-PTX 群)の無作為化第II相試験に152例,HRQOL調査に36例が登録された.主要評 価項目は,Grade3またはGrade4 の有害事象の発生割合,副次的評価項目は,すべ ての有害事象及びQOLとした.

【結果】

有害事象:HRQOL調査に登録された36例の有害事象は,Grade3以上の好中球 減少はDTX群44%,nab-PTX 群33%(p=0.494).また,Grade3 以上の白血球減少

は DTX 群 17%,nab-PTX 群 22%で,両群で明らかな差は認められなかった

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(p=0.674).また,Grade3 以上の筋肉痛,関節痛,末梢性感覚ニューロパチーの発現 は両群共に認められず,Grade2 以下の筋肉痛は,DTX 群 44%,nab-PTX 群 39%

(p=0.735),関節痛は両群共に 33% (p=1.000),末梢性感覚ニューロパチーは DTX 群56%,nab-PTX群83%で同程度の発現割合であった(p=0.070).

QOL: FACT-B,FACT-B TOI,FACT-Gで評価したHRQOL時系列スコアの結 果は DTX 群, nab-PTX 群それぞれの両群共に類似しており,明らかな差は認め られなかった.しかしFACT-B,FACT-B TOIスコアはDTX群,nab-PTX群共に 1 サイクル治療後に低下する傾向が認められ,両群共に 4 サイクル治療後のスコ アは治療前よりも低下していることが示された.

【結論】

DTX群,nab-PTX 群においては,有害事象の発現頻度及び程度は同等の結果であ った.HRQOL は治療中は低下傾向が継続することが明らかとなり,治療終了後 の手術開始前調査においても,治療開始前のレベルへの回復はしていなかった.

これらのことにより,QOL を保ちながら治療を継続していくためには,より効果 的な有害事象へのマネジメント介入の必要性が示唆された.また,QOL 調査にお いて,投与間隔の異なるレジメンでの比較を行う場合,抗がん剤投与後の自宅で の身体状態を適切には反映していない可能性が示された.これらの結果より,化 学療法における QOL 調査については,異なる投与スケジュールの評価方法の確 立が必要と考える.

参照

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