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論文内容要旨

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Academic year: 2021

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論文内容要旨

論文題名

Effects of surface roughness of ceria-stabilized zirconia/alumina nanocomposite on the morphology and function of human gingival fibroblasts

(セリア安定型ジルコニア/アルミナ・ナノ複合体の表面粗さはヒト歯肉繊 維芽細胞の形態と機能を制御する)

掲載雑誌 CLINICAL ORAL IMPLANTS RESEARCH 投稿中

歯科補綴学 秋山 友里

内容要旨

【目的】近年、インプラント治療は予知性の高い歯科治療として認識され るようになった。しかし、天然歯周囲粘膜と比較してインプラント周囲粘 膜のインプラント体に対する上皮性、結合組織性の付着は脆弱であり、イ ンプラント周囲炎の原因菌に対する防御機能は不十分である。これまで 我々は、種々のジルコニア材料の中でも、唯一低温劣化への恐れがなく、

機械的強度に優れたセリア安定化ジルコニア/アルミナ・ナノ複合体

(Ce-TZP/Al2O3)に着目し、先行研究で、Ce-TZP/Al2O3に 55%フッ化水素酸 処理を行うことにより、その骨結合能が酸処理したチタン(Ti)を凌ぐこ とを実証した。しかし、審美領域である粘膜貫通部インプラント体とイン プラント周囲軟組織との親和性については未だ明らかになっていない。

そこで、Ce-TZP/Al2O3をインプラントの経粘膜部へ応用するため、歯肉上 皮下結合組織との親和性を検討することを目的とし、ヒト歯肉繊維芽細胞 株(以下 HGF-1)の生物学的挙動に対するCe-TZP/Al2O3の表面粗さの影響 について解析を行った。

【方法】機械研磨および鏡面研磨を行った直径 20mm、厚さ 1mm で、表面 粗さの異なる Ce-TZP/Al2O3基盤 2 種類、対照として Ti 基盤 2 種類を用意 した。機械研磨および鏡面研磨を行った Ti 基盤をそれぞれ、Ma-Ti、Mi-Ti と称し、Ce-TZP/Al2O3基盤をそれぞれ Ma-Zr、Mi-Zr と称した。基盤の表 面性状を走査型電子顕微鏡(SEM、表面形態の観察)、X 線光電子分光(XPS、

元素分析の評価)、接触角測定試験(ぬれ性の評価)を用いて評価した。

HGF-1 細胞を各基盤上で培養し、①②細胞接着・増殖試験(3、24、72 時 間培養した後、比色試験にて解析)③細胞形態観察(免疫蛍光染色)④コ

(2)

ラーゲン産生の評価(Sirius Red 染色および Real Time PCR 法にてⅠ型 とⅢ型コラーゲンの産生量の検出)⑤炎症性サイトカイン産生の評価

(ELIZA 法)を行った。統計分析は、ANOVA の有意差検定後に Bonferoni 法による多重比較を行った。

【結果】SEM 像では、Ma-Ti および Ma-Zr で研磨面に沿った波状の微小溝 を、Mi-Ti および Mi-Zr では滑沢な面として観察された。元素分析では Ti 間および Ce-TZP/Al2O3間に析出された元素に有意差は認められなかった。

ぬれ性は各基盤とも親水性を呈していた。細胞形態は Ti 上で典型的な紡 錘形として観察され、Ce-TZP/Al2O3上の細胞骨格は発達した円形細胞が観 察された。また, Mi-Zr 上でより細胞は伸展しており他の基盤と比較して、

細胞周囲・周径が長く、表面積が最も大きかった。細胞接着・増殖および コラーゲン産生量は、Mi-Zr 上で他の基盤と比較して有意に増加していた (p<0.05)。しかし、基盤間で炎症性サイトカインの産生量に有意差は認め なかった(p<0.01)。

【結論】Mi-Zr 上で培養した HGF-1 細胞は、Ma-Ti、Mi-Ti および Ma-Zr と 比較して、細胞接着・増殖能、基質合成能、細胞骨格の発達がより高いこ とが認められた。また、HGF-1 細胞は Ti と比較して Ce-TZP/Al2O3上で特 有の細胞形態を呈しながら生物学的挙動が促進し、表面粗さが小さいほど インプラントの経粘膜部に対して有効であることが示唆された。

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