日本核医学会 近畿地方会
日 時:2016 年 7 月 9 日(土) 9 時 55 分∼15 時 55 分 会 場: 滋賀医科大学臨床講義棟 2 階第 3 講義室 滋賀県大津市瀬田月輪町 世話人: 滋賀医科大学 放射線医学講座 村 田 喜代史目 次
一般演題Quantitative 99mTc-sestamibi SPECT/CT in patients with hyperparathyroidism
松永 恵子他 557
FDG-PET の SUVmax は DWI の ADC 値よりも乳癌の病理学的予後因子と強く相関する
北島 一宏他 557 I-131 残存甲状腺床破壊治療における SPECT/CT の有用性 河邉 讓治他 557 ルテチウム-177 標識ソマトスタチンアナログ(Lu-177-DOTA-TATE)の使用に関する指針 の検討 細野 眞他 558 肝アシアロシンチグラフィによる肝切除後肝不全の予測 加藤 彩子他 558 SPECT/CT を用いたアシアロシンチグラフィによる慢性肝障害の肝線維化評価 小谷 晃平他 558 炎症性腸疾患における骨シンチグラフィの経験 奥山 智緒他 558 間質性腎炎における Ga シンチの腎集積の検討 吉田 篤史他 559 FDG-PET/CT が有用であった炎症性腹部大動脈瘤の一例 北原左和子他 559 FDG-PET が有用であった中枢神経発生の血管内リンパ腫の 1 例 東山 央他 559 FDG PET/CT にて悪性リンパ腫再燃と鑑別を要した進行性多巣性白質脳症の 1 例 岡村 光英他 560
第
49
回
副腎皮質腺腫を伴う副腎髄質過形成の 2 例 清水 哲他 560 出血性もやもや病と無症候性もやもや病の脳血流量 / 脳血液量比の評価 森田 敬裕他 561 11C-PiB PET 陽性認知症の線条体集積の有無の検討 細川 知紗他 561 レビー小体型認知症が疑われた症例に施行した各種検査の比較:第 2 報 東山 滋明他 561 123I-イオフルパン早期像と脳血流 SPECT との比較 廣谷 有立他 562 アシアロシンチ河法解析:施設内新規導入について 河 相吉他 562 読影レポートの書き方についての一考察 河 相吉 562 PET 健診施設における患者説明の現状 大野 和子他 563 大型ボディファントムを用いた PET における SUV 評価の検討 西田 広之他 563 線条体イメージングにおけるコリメータの違いによる定量性の比較検討 小橋 一雅他 563
Quantitative 99mTc-Sestamibi SPECT/CT in patients with hyperparathyroidism 松永 恵子1 神谷 貴史2 森田 敬裕2 渡部 直史2 礒橋佳也子2 加藤 弘樹2 巽 光朗3 下瀬川恵久1, 2 畑澤 順2 1 大阪大学大学院医学系研究科医薬分子イメージング 学寄附講座 2 大阪大学大学院医学系研究科核医学講座 3 大阪大学医学部附属病院放射線部
We used quantitative 99mTc-MIBI dual phase SPECT/ CT (xSPECT quant, Siemens) to investigate standardized uptake value (SUV) of parathyroid in patients with hyperparathyroidism. We analyzed seven patients in whom the uptake to parathyroid was identifiable in delayed phase. The SUVmean of contralatelal thyroid and SUVpeak of parathyroid in early/delayed phase were 4.8 0.9/2.9 0.7 and 8.9 2.7/9.5 3.5, respectively. The retention index of thyroid and parathyroid were -40 12 and 18 43% respectively. Quantitative analysis showed differences in SUV values and washout rates between parathyroid and thyroid.
FDG-PET の SUVmaxは DWI の ADC 値よりも乳癌の病
理学的予後因子と強く相関する 北島 一宏1 福島 和人1 山野 理子2 河中 祐介1 小田原聡一1 三好 康雄3 廣田 省三2 1 兵庫医科大学病院・核医学 PET 診療部 2 同・放射線科 3 同・乳腺内分泌外科 [目的]乳癌のバイオマーカーとして,FDG-PET におけ る SUV や MRI の拡散強調像における ADC 値の有用 性を検証する.[対象と方法]2012 年 1 月から 2015 年 3月までに,FDG-PET/CT 検査と乳腺 3Tesla-MRI が施 行された乳癌未治療 214 例 216 病変(2 例は両側発生) を対象とした.乳癌原発巣の SUVmaxと ADCmeanを組
織学的分類,免疫組織学的検査結果,病期などの予後 予測因子と比較した.[結果]216 病変の SUVmaxは 5.63 ±3.79(1.2∼24.17),ADCmeanが 894±204 × 10 −6 mm2/s (452−1550×10−6)で,両者の間には有意な負の相関が 見られた(r=−0.30,p<0.0001).SUVmaxは腫瘍サイズ (p<0.0001),エストロゲン受容体発現(p=0.00041),プ ロゲステロン受容体発現(p=0.00028),HER2 受容体発 現(p=0.00021),Ki-67 (p<0.0001),核異型(p<0.0001), 組 織 型(p=0.00061), 腋 窩 リ ン パ 節 転 移(p<0.0001), TNM病期(p<0.0001) など多くの因子と有意に強く相関 した.一方,ADCmeanは,腫瘍サイズ(p=0.013),Ki-67
(p=0.0010),組織型(p=0.00013),腋窩リンパ節転移 (p=0.00059),TNM 病期(p=0.0011)と有意に相関した. [結論]SUVmaxは ADC 値よりも乳癌の病理学的予後因子
と強く相関し,乳癌のバイオマーカーとして使える可能 性が示唆された. I-131 残存甲状腺床破壊治療における SPECT/CT の有用 性 河邉 讓治 東山 滋明 吉田 敦史 小谷 晃平 塩見 進 大阪市立大学大学院医学研究科核医学 [目的]I-131 による残存甲状腺床破壊治療(RRA)の評価 において当院では RRA 直後と RRA3ヶ月後に I-131 シ ンチを行ない planar 像,SPECT/CT を用いて残存甲状 腺床を確認している.今回,RRA3ヶ月後の I-131 シン チ planar 像で前頚部異常集積が認められ,甲状腺小残 存が疑われた症例において,両 SPECT/CT で示された 異常集積の部位を比較し,RRA の評価における SPECT/ CTの有用性を検討した.[方法]対象は平成 23 年 11 月 から平成 28 年 1 月に,当院で I-131 1.11–3.7 GBq 投与 による残存甲状腺床破壊を行った 108 名のうち,治療効 果確認 I-131 シンチで前頚部に異常集積を認め甲状腺床 残存が疑われた 22 名.女性 16 名,男性 6 名年齢は,31 歳∼76 歳,平均 53.2 +/- 12.1 歳.方法は,RRA7 日後, RRA3ヶ月後に I-131 シンチを行い planar 像,SPECT/CT にて前頚部異常集積を比較した.[結果]Planar 像では前 頚部異常集積の部位比較は困難であった.両 SPECT/CT 比較で異常集積部位が一致したものが 22 例中 18 例, 一致しなかった偽陽性の残りの 5 例は,RRA3ヶ月後の SPECT/CTで,3 例は甲状軟骨前部,2 例は食道部に認 められた.[結論]RRA 確認シンチにおいて,planar 像 のみの評価の場合,偽陽性の可能性があり SPECT/CT の追加が有用である.
一 般 演 題
ルテチウム-177 標識ソマトスタチンアナログ(Lu-177-DOTA-TATE)の使用に関する指針の検討 細野 眞1 池渕 秀治2 中村 吉秀2 中村 伸貴2 山田 崇裕2 柳田 幸子2 北岡 麻美2 小島 清孝3 菅野 宏泰3 1 近畿大学高度先端総合医療センター 2 公益社団法人日本アイソトープ協会 3 富士フイルム RI ファーマ株式会社 Lu-177-DOTA-TATE による RI 内用療法を臨床研究・ 臨床試験として実施するにあたって,平成 27 年度厚生 労働科学研究費補助金(地域医療基盤開発推進研究事業) 「医療における放射線防護と関連法令整備に関する研究」 の枠組みとして退出のあり方を含め指針を示した.核種 データにも基づいて Lu-177-DOTA-TATE による第三者 (介護者,公衆)の受ける線量を評価した.投与 24 時間 後以降に退出した患者から,介護者又は公衆が被ばくす る外部被ばく線量および内部被ばく線量について複合的 に評価すると, 介護者 1.40[mSv]+ 0.36[μSv] = 1.40[mSv] 公衆 0.70[mSv]+ 0.36[μSv] = 0.70[mSv] となった. これらの線量評価に基づき Lu-177-DOTA-TATE 注射 液を用いる内用療法の退出について,1)と 2)を満たす ことを要件とした. 1)投与後 24 時間を超えた場合. 2) 患者の体表面から 1 メートルの距離における 1 cm 線 量当量率が 10 μSv/h を超えない場合. また「放射線治療病室等」として特別な措置を講じた (一般の)病室を用いることができることを示し,「ル テチウム -177 標識ソマトスタチンアナログ(Lu-177-DOTA-TATE)注射液を用いる内用療法の適正使用マニュ アル(第 2 版)」として公表した. 肝アシアロシンチグラフィによる肝切除後肝不全の予測 加藤 彩子 中本 裕士 石守 崇好 富樫かおり 京都大学大学院医学研究科放射線医学講座 [目的]肝アシアロシンチグラフィによる肝切除後肝不 全 (PHLF)の予後予測能を検討する.[対象・方法]2012 年 4 月∼2015 年 4 月に肝アシアロシンチグラフィ施行 後,肝切除術を受けた患者 100 人 (男性 74 人 / 女性 26 人,年齢 65 12 歳)を対象とした.全肝指標として, HH15 (血中消失率),LHL15 (肝集積率),GSA-Rmax(最 大肝受容体結合量)を算出.残肝機能指標としては,予 定切除線をもとに術前に算出された Future remnant liver (FRL) 指標と,術後の CT を参考に実際に近い切除線
を用いて得られた Actual remnant liver(ARL)指標に分 け,それぞれ残肝カウント比(%FRL/ARL-GSA),残肝 LHL15 LHL15),残肝 GSA-Rmax (FRL/ARL-Rmax)を算出した.PHLF の診断は ISGLS の新定義を用 い,ROC 解析によりそれぞれの予測能を比較検討した.
[結果]PHLF は 33 人で認めた.HH15 と%FRL-GSA 以 外はいずれも PHLF 群で有意に低値であった.ROC 解 析では,いずれの ARL 指標も FRL 指標に対して有意に 良好な予測能が得られた(AUC: rARL-GSA, 0.77 > rERL-GSA, 0.62; P=0.0004, ARL-LHL15, 0.79 > ERL-LHL15, 0.64; P=0.0005, ARL-GSA-Rmax, 0.78 > ERL-GSA-Rmax, 0.66; P=0.0003).また,%ARL-GSA < 40 であった 4 人 全員が PHLF を発症した.[結論]肝アシアロシンチグラ フィは PHLF 予測に有用であること,特に正確な切除線 設定により予測能が向上することが示された. SPECT/CT を用いたアシアロシンチグラフィによる慢 性肝障害の肝線維化評価 小谷 晃平1 河邉 讓治1 東山 滋明1 吉田 敦史1 川村 悦史2 塩見 進1 1 大阪市立大学大学院医学研究科・核医学 2 同・肝胆膵病態内科学 [目的]慢性肝障害の肝線維化診断のゴールドスタンダー ドは肝生検であるが,近年,様々なバイオマーカーや画 像診断の有用性が報告されている.今回,アシアロシ ンチグラフィの SPECT/CT 画像が慢性肝障害患者の肝 線維化診断に寄与するかどうか検証した.[方法]過去 6 年間にアシアロシンチグラフィの SPECT/CT を撮像し た慢性肝胆道疾患患者 48 例のうち,肝組織の病理学的 検索を行った 29 例(男性 15 例,女性 14 例)を対象とし た.肝線維化診断は,新犬山分類により F0-F4 に分類し た.Planar 画像から LHL15,HH15 を算出し,SPECT/ CTから肝 SPECT カウント最大 / 平均比を算出し,集 積の均一度の指標とした.[結果]Child-Pugh スコアは LHL15と負の相関(r=−0.45,p=0.02),SPECT カウン トの最大 / 平均比と正の相関(r=0.52,p<0.01)を示し た.肝線維化軽度例と比べ進行例では,LHL15 が低く (p=0.03),SPECT カウントの最大 / 平均比が高かった (p=0.04).進行した肝線維化(F2-4)に寄与する因子につ いて,多変量解析では PLT(OR: 0.75,p=0.03),SPECT カウント最大 / 平均比(OR: 1.24,p=0.03)が有意であっ た.[結論]肝線維化進行例では肝臓の GSA 集積の不均 一度が強くなる.アシアロシンチグラフィの SPECT/CT は慢性肝障害患者の肝予備能評価だけでなく肝線維化の 診断に有用である. 炎症性腸疾患における骨シンチグラフィの経験 奥山 智緒1, 2 金山 大成2 越野 幸子2 伊藤 誠明2 森下 博之2 佐藤 修2 奥山 祐右3 1 イメージ・コミュニケーション株式会社 2 京都第一赤十字病院・放射線診断科 3 同・消化器内科 [背景]腸疾患(IBD)の腸管外合併症の 1 つである IBD 関 連関節症は IBD の 1∼2 割に見られる脊椎関節炎の 1 つ であり主として臨床診断がなされる.付着部炎からくる
関節炎が特徴であり,X 線写真では異常を示さないこと が多い.[目的]四肢関節痛を有する IBD 患者の骨シン チの特徴を検討した.[対象と方法]IBD の経過中に四肢 関節痛の訴えがあり骨シンチを施行された 15 例(20–67 歳,男 2:女 13)の疼痛部の個数と部位,腸炎の活動性 との関連,骨シンチ所見を検討.骨シンチの異常集積は 腱付着部,関節全体,変形性変化を示唆する関節面,限 局性集積に分類し,集積程度は(0:WNL,1:mild,2: intense)で示した.[結果]疼痛は 2∼5ヵ所の症例が多く (13 例),13 例で左右対称性であった.腫脹や熱感等の 他覚所見を有する症例は 3 例であった.また,12 例は 腸炎の活動期や薬剤減量時に見られたが 3 例は非活動期 に見られた.異常集積は症状のある部位よりも多くの部 位で見られ,集積程度は 1 のものが多く,肘 3,手 4, 膝 11,足 8 例で腱付着部や関節全体の集積を示してい た.手指,足趾全体の集積亢進を示したものがそれぞ れ 10,4 例あった.これら腸炎関連関節症としての付着 部炎から始まる関節炎のパターンは腸炎活動期の関節痛 患者において軽度の集積ではあるが,腫脹のない部位に もみられた.一方,腸炎非活動期に見られる疼痛患者で は,疼痛部に強い限局性 hot spot が見られ,脆弱性骨折 や骨壊死が確認され,ステロイドや栄養不良が原因の骨 病変と考えられた.[結語]関節痛のある IBD 患者の骨 病変分布と病態把握に骨シンチは有用であると考えられ た. 腎炎における Ga シンチの腎集積の検討 吉田 敦史 河邉 讓治 東山 滋明 小谷 晃平 塩見 進 大阪市立大学医学部医学研究科核医学 腎臓の炎症性疾患は糸球体腎炎,間質性腎炎に大別さ れる.糸球体腎炎は糸球体の炎症を主体とする疾患であ り,感染症や遺伝性疾患,自己免疫性疾患などによる異 常な免疫反応が原因となる.また,間質性腎炎は腎間質 および尿細管障害を主体とする疾患であり,薬剤などに よるアレルギー反応が原因となる.いずれも腎生検にて 確定診断が行われる. 今回,腎炎において Ga シンチ,SPECT/CT を用い, 腎炎の鑑別が可能か否かを検討した. 対象は 2013 年 7 月から 2016 年 3 月に当院にて Ga シ ンチ,腹部 SPECT/CT を施行した患者 41 例(男性 19 例,女性 22 例,平均年齢 62 歳).腎生検にて腎炎と 診断されたものは 11 例(男性 6 例,女性 5 例,平均年 齢 57 歳)であった.SPECT/CT を基に,腎臓,肝臓,椎 体,腸腰筋に球形 ROI を設定し,腎/肝,腎/椎体, 腎/腸腰筋の比を比較した. 腎炎と診断された患者群では eGFR が有意に低く,腎 /椎体,腎/腸腰筋の比が有意に高かった.それぞれ に対して,ROC カーブを作成し,cut-off 値を求めたと ころ,eGFR が 58.87,腎/胸椎比が 0.94,腎/腸腰筋 比が 3.89 であった.この cut-off 値を用い,感度,特異 度,PPV,NPV,accuracy を求めると,それぞれ,eGFR で 90.9%,76.7%,58.8%,95.8%,80.5%,腎/胸椎比 で 81.8%,76.7%,53.3%,88.5%,75.6%,腎/腸腰筋 比で 90.9%,90.9%,76.9%,96.4%,90.2%であった. SPECT/CT を用いた Ga シンチによって,腎生検を行 わずに腎炎鑑別の可能性が示唆された. FDG-PET/CT が有用であった炎症性腹部大動脈瘤の一 例 北原左和子1 外山 哲也1 仲口 孝浩1 前田 清澄1 林田 恭子2 奥村 悟2 1 草津総合病院・放射線科 2 同・心臓血管外科 症例は 74 歳男性.約 2 週間前から左下腹部違和感(重 い,だるい)を自覚し,近医を受診したところ,血液検 査で Cre 上昇を認めたため,翌日,当院内科に紹介受診 となり,スクリーニングのため腹部 CT を施行された. 腹部 CT にて腎動脈分岐下腹部大動脈に径の拡大と周囲 の軟部組織増生による著明な壁肥厚を認めた.大動脈 周囲の軟部組織には緩除な造影効果を認め,いわゆる mantle signと呼ばれる 3 層構造を呈していた.入院にて FDG-PET/CTを施行し,大動脈周囲の軟部組織に一致し て FDG 集積(SUVmax4-5 程度)を認めた.血液検査所見 では軽度の CRP 上昇が見られ,これらの所見より炎症 性腹部大動脈瘤と診断され,ステロイド内服が開始され た. 約 1ヵ月後,腹部 CT および FDG-PET/CT にて腹部 大動脈周囲の軟部組織の縮小と FDG 集積の消失を確認 し,炎症が沈静化したところで大動脈ステントグラフト 内挿術が施行された. 炎症性腹部大動脈瘤は腹部大動脈の瘤状拡張と,壁の 著明な肥厚,周囲の線維化,周囲臓器との癒着を特徴 とした大動脈瘤である.腹部大動脈瘤の 4–15%を占め るとされ,造影 CT での mantle sign が特異的な所見とさ れている.18F-FDG-PET/CT では,大動脈周囲の炎症を 反映して集積が見られ,炎症の程度を確認可能なバイオ マーカーとして有用であり,治療効果判定や治療方針の 決定に役立つとする報告が多い. 今回の症例でも,炎症の程度や沈静化を確認したうえ で,大動脈ステントグラフト内挿術を施行することがで き,より安全に治療を行えた可能性があると考えられ た. FDG PET/CT が有用であった中枢神経発生の血管内リ ンパ腫の 1 例 東山 央 小森 剛 西澤 光生 鳴海 善文 大阪医科大学放射線医学教室 症例は 50 歳代男性.足の痺れを主訴として,前医受 診.ステロイドパルスで一旦経過するも半年の経過で再 増悪し,意識障害を呈し,当院緊急入院となった.入院
後,血管内リンパ腫(Intravascular lymphoma;IVL)が疑 われ,ランダム皮膚生検,骨髄生検が施行されるも診断 に至ることが出来なかった.全身検索目的で施行された FDG PET/CTでびまん性集積低下,局所的な相対的集積 亢進(SUVmax 8.82)を認め,集積亢進部として認めた右 前頭葉と右側頭葉から開頭生検術が施行され,IVL の診 断を得た.IVL とは悪性リンパ腫の約 0.1%を占める稀 な病型で,全身臓器の毛細血管の内腔のみで腫瘍細胞が 増殖する特徴がある.進行が早く,早期診断・治療が求 められるが,診断に難渋する場合が多い.全身病変の評 価に FDG PET が有用であることは知られているが,中 枢神経病変の報告は過去に 2 報告しかなく,病理所見と 対比出来た報告はない.今回,FDG PET で中枢神経病 変を描出でき,IVL の診断に有用であった一例を経験し たので,病理所見から FDG PET の所見について考察子 し,報告する. FDG PET/CT にて悪性リンパ腫再燃との鑑別を要した 進行性多巣性白質脳症の 1 例 岡村 光英1 瀬浦 宏崇1 西田 典史2 井上 佑一2 藤谷洋太朗3 太田 健介3 岡田 直4 尾崎 彰彦4 1 大阪府済生会中津病院・PET センター 2 同・放射線診断科 3 同・血液内科 4 同・神経内科 症例:60 歳代男性.主訴:痙攣.現病歴:3 年 8ヵ月 前,全身のリンパ節腫大と左肺下葉の巨大腫瘤を認め, 頚部リンパ節生検にて悪性リンパ腫(LPL with DLBCL) と診断された.R-CHOP6 コース終了後 CR となり,1 年 半後に左肺下葉に再燃し R-GCD 療法施行.6 コース後 CRとなったがその 13ヶ月後,左下肢の震えが止まらず 救急受診.左下肢安静時痙攣,左同名半盲を認め,頭部 単純 CT,MRI を施行.CT にて右後頭葉∼頭頂葉にか けて皮質下と白質を中心に低吸収域あり.MRI DWI, FLAIRにて右頭頂葉,後頭葉,側頭葉内側の皮質に沿っ た高信号,右後頭葉∼頭頂葉には白質で高信号,皮質下 で低信号域を認め,入院となった.sIL-2R 1024 U/mL, IgM 300 mg/dLと再上昇していたため,リンパ腫再燃 と考え FDG PET/CT を施行.PET/CT 時には痙攣は治 まっていた.左肺下葉に FDG の異常集積を認め,再燃 と考えられた.脳では MRI で認めた皮質に沿った高信 号域に FDG の高集積を認めたが,右後頭葉∼頭頂葉病 変には集積を認めなかった.経過の MRI で皮質の高信 号は消失し,痙攣の影響と考えられた.MTX1 コース 後効果なく,造影 MRI で右後頭葉∼頭頂葉病変に殆ど 造影効果みられず,脳脊髄液の JC ウイルスが著明高値 であったため,進行性多巣性白質脳症(PML)と診断さ れた. PML の FDG PET/CT 報告例の多くは HIV 感染 者で,集積程度は様々であり一定していなかった.今 回,FDG PET/CT にて肺野に悪性リンパ腫再燃を示す高 集積,脳には痙攣の影響と考えられる高集積と PML 病 変の集積低下部位が混在した症例を経験したので報告し た. 副腎皮質腺腫を伴った副腎髄質過形成の 2 例 清水 哲 瀬古安由美 村上 陽子 井上 明星 大谷 秀司 永谷 幸裕 北原 均 村田喜代史 滋賀医科大学放射線科 症例 1 は 74 才女性.2 年前に左側腹部痛にて他院で 撮影された CT で,左副腎に 15 mm 大の結節を指摘さ れ当院紹介受診.尿中カテコラミンの軽度上昇を認めた が,-123I-MIBGシンチグラフィーでは左副腎への集積を 認めず,経過観察とされていた. 2 年後,再度 MIBG シンチグラフィーを施行したとこ ろ,左副腎への異常集積を認め,高血圧の増悪,尿中 カテコラミン値の上昇傾向も認めた.褐色細胞腫が疑わ れ,左副腎摘除術が施行された. 摘出標本では,肉眼的に境界明瞭な結節を認め,副腎 皮質腺腫と診断された. また,正常に比べ髄質の体積が増加し,髄質過形成が 併存していた.褐色細胞腫といえる所見は認められな かった.術後,尿中・血中カテコラミンは正常化,血圧 も低下を認めた. 症例 2 は 72 歳女性. 消化器症状の精査のための CT で,左副腎に 1 cm 大 の結節を指摘された. 自覚症状は無く,高血圧,高心拍を認め,尿中カテコ ラミンが軽度高値であった. 123I-MIBGシンチグラフィーで,左副腎への集積を認 め,褐色細胞腫の診断で左副腎摘除術が行われ,副腎皮 質腺腫および副腎髄質過形成が併存する所見であった. 術後の尿中カテコラミンは術前より低下,血圧は正常 化した. 副腎髄質過形成は稀な疾患で,多発性内分泌腺腫症 (MEN)2 型に合併することが多いとされる,孤発例も認 められる.今回の症例もいずれも MEN2 型との関連は なかった. 褐色細胞腫様の症状や血中・尿中カテコラミンの上 昇,MIBG シンチでの集積などがみられ,臨床像は褐色 細胞腫に酷似するため,術前の鑑別が困難である.片側 性の場合は,患側副腎切除で症状軽快が期待できるが, 両側性にみられる事があるため注意を要する.
出血性もやもや病と無症候性もやもや病の脳血流量 / 脳 血液量比の評価 森田 敬裕1 松永 恵子2 渡部 直史1 礒橋佳也子1 加藤 弘樹1 巽 光朗3 下瀬川恵久2 畑澤 順1 1 大阪大学大学院医学系研究科核医学講座 2 大阪大学大学院医学系研究科医薬分子イメージング 学寄附講座 3 大阪大学医学部附属病院放射線部
Cerebral perfusion pressure index of adult asymptomatic and hemorrhagic moyamoya disease
Takahiro Morita1, Keiko Matsunaga2, Tadashi Watabe1
Kayako Isohashi1, Hiroki Kato1, Mitsuaki Tatsumi3
Eku Shimosegawa2, Jun Hatazawa1
1 Department of Nuclear Medicine and Tracer Kinetics,
Osaka University Graduate School of Medicine, Suita, Japan
2 Department of Molecular Imaging in Medicine, Osaka
University Graduate School of Medicine, Suita, Japan
3 Department of Radiology, Osaka University Hospital
Objective: We investigated the regional ratio of cerebral
blood flow (CBF) to cerebral blood volume (CBV) in adult patients with asymptomatic or hemorrhagic moyamoya disease. Method: We studied 5 patients with asymptomatic moyamoya disease, 5 patients with hemorrhagic moyamoya disease and 9 healthy volunteers using 15 O PET. Result: The
CBF/CBV ratio was significantly lower in asymptomatic or hemorrhagic moyamoya disease than healthy volunteers in most brain regions. CBF was not significantly lower but CBV significantly higher in asymptomatic or hemorrhagic moyamoya disease than healthy volunteers in most brain regions. Conclusion: The present study indicated that the CBF/CBV ratio was significantly lower in asymptomatic o r h e m o r r h a g i c m o y a m o y a d i s e a s e t h a n h e a l t h y volunteers. Normal CBF associated with increased CBV was characteristic in adult patient with asymptomatic or hemorrhagic moyamoya disease.
11 C-PiB PET 陽性認知症の線条体集積の検討 細川 知紗1 石井 一成1 Julia Sauerbeck1 Franziska Scheiwein1 甲斐田勇人1 山田 穣1 兵頭 朋子1 細野 眞1 花岡 宏平2 村上 卓道1 1 近畿大学医学部放射線診断学教室 2 近畿大学付属病院中央放射線部 [背景と目的]アルツハイマー病(AD)の病理診断根拠で あるアミロイドの,線条体への沈着の病態や意義は十 分解明されていない.アミロイド沈着と認知障害とは 直接関連しないとされてきたが,レビー小体病(LBD) での線条体へのアミロイド沈着が認知機能低下と関連 すると報告されてきている.AD と LBD の11C-PiB PET
陽性例で PiB の線条体集積を比較検討した.[対象と方 法]2011 年 6 月 ∼2015 年 7 月 に11C-PiB PET・18F-FDG
PET検査を実施され,PiB 動態解析が可能で PiB 陽性 を示し,FDG PET で AD または DLB パターンを示した 71例(男:女=29:42,平均年齢=71.7 8.57 歳,平均 MMSE score = 21.5 5.0,臨床診断: AD=34,MCI=26, DLB=5,PDD=2,FTLD=2,non-Dementia=2). FDG PET は薬剤静注 30–60 分後画像データから視覚 的に,AD パターンと DLB パターンを判定した.PiB PETは静注 50–70 分後画像データから static 画像を作成 し,視覚的に陽性を判定した.BP 画像は 0–70 分後デー タから動態解析した.static 画像と BP 画像を SPM8 を 使用し標準化し大脳皮質と線条体に作成した Template VOIの SUVR と BPnd を計算した.FDG-AD と DLB パ ターンでそれらを比較し,MMSE との相関も検討し た.[結果]FDG-AD パターンは 45 例,DLB パターン は 26 例であった.線条体・大脳皮質の SUVR・BPnd は,FDG-AD と DLB パターンで有意差を示さなかっ た.MMSE と相関しなかった.[考察]線条体に沈着す るアミロイドは病理学的に diffuse plaque でこれは AD と LBD で共通である.PiB PET での線条体集積にも疾 患による差は認められず,通常 PiB が集積する fibrillar plaqueだけでなく線条体の diffuse plaque にも同様に集 積すると推測される.[結論]脳内へのアミロイド沈着は ADと LBD に依存せず同様の分布を示し,そして,軽 度認知障害において線条体へのアミロイド沈着と認知機 能の間に明らかな相関は認められない. レビー小体型認知症が疑われた症例に施行した各種検査 の比較:第 2 報 東山 滋明1 河邉 讓治1 吉田 敦史1 小谷 晃平1 内田健太郎2 松田 泰範2 井上 幸紀2 塩見 進1 1 大阪市立大学大学院医学研究科・核医学 2 同・神経精神医学 [背景]レビー小体型認知症(DLB)の主症状に幻視がある がアルツハイマー型認知症(AD)や躁うつ状態において も幻覚の症状が出現し,鑑別が困難な場合も多い.DLB に対する画像検査としては脳血流シンチ,MIBG 心筋シ ンチ,FP-CIT スキャンが広く用いられている.FP-CIT スキャンについては線条体への特異的 / 非特異的集積比 である SBR が診断的定量値として用いられるが,診断 の為の閾値については年齢に伴う非特異的な集積低下 も考慮する必要があるとされている.[目的]DLB に対 する脳血流シンチ,MIBG 心筋シンチ,FP-CIT スキャ ンの検出能を比較検討し,SBR の加齢に伴う閾値低下 を考慮した場合の検出能についても検討する.[対象] DLBが疑われ,3 種の検査を行った 9 例(男性 2 例,女 性 7 例,平均 78.3 歳).[方法]脳血流シンチは Tc-99m-ECD 600 MBqを用い統計的画像解析を追加し,後頭葉 の血流低下に着目した.MIBG 心筋シンチは定量的診断
基準として心臓 / 縦隔のカウント比である H/M 比を用 い,閾値は 1.9 とした.FP-CIT スキャンについては定 量的診断とされる線条体への特異的 / 非特異的集積比で ある SBR を用い,基準閾値 4.5 とした検討に加え,加 齢に伴い 10 年毎に閾値が 6.7%低下すると仮定した場合 と比較検討した.[結果]各検査の感度,特異度,正診率 は脳血流シンチ 60%,100%,77.8%,FP-CIT スキャン 80%,25%,55.6%,MIBG 心筋シンチ 80%,100%, 88.9%であった.SBR について加齢に伴う閾値低下を考 慮すると FP-CIT スキャンは 80%,75%,77.8%と改善 を認めた.機器間による標準化や症例数を増やす必要性 はあるが,SBR については加齢に伴い閾値を低下させ る必要性が考えられた. 123I-イオフルパン早期像と脳血流 SPECT との比較 廣谷 有立 高田 春彦 鹿園 貴士 八木 勝己 牛嶋 陽 パナソニック健康保険組合松下記念病院放射線科 [目的]イオフルパンを用いたドパミントランスポーター SPECT検査行う際,当院では早期像 SPECT も撮像して いる.IMP 脳血流 SPECT と比較し,類似性があるか検 証した.[方法]イオフルパン SPECT と脳血流 SPECT を 短期間に施行した 12 症例で比較した.イオフルパン早 期像は,線条体の特異的集積の影響を避けるため,投 与開始 8 分後より約 8 分間の收集を行った.1.SPECT は,水平断面を前頭葉,頭頂葉,後頭葉,側頭葉,中心 灰白質,小脳の 6 部位に分け,3 段階評価を行った.2. 3D-SSPは,全脳を基準とした画像を用い,内側面は後 頭葉,内側側頭部,後部帯状回,楔前部の 4 部位に,外 表面は前頭葉,頭頂葉,後頭葉,側頭葉,小脳の 5 部位 に分け,Z スコアーの 4 段階評価を行った.『共に所見 のない部位』または『集積低下の程度に関係なく,共に所 見が見られた部位』を所見一致とした.[結果]1.SPECT は平均 88%の一致率となった.2.3D-SSP 内側面は平 均 73%の一致率で,外表面は平均 79%の一致率となっ た.外表面の左後頭葉のみ,一致率 58%と低値であっ た.3D-SSP の 1 症例 18 部位,12 症例の計 216 部位で 『所見あり』『所見なし』を比較した.IMP の所見を基準 として,イオフルパンの集積異常の感度は 73%,特異 度は 80%であった.偽陰性は,IMP での軽度血流低下 部位が多く,内側側頭部,後部帯状回,楔前部が多かっ た.[結語]集積の程度に多少の差異は見られるが,イオ フルパン早期像 SPECT は,IMP 脳血流 SPECT と類似 した. アシアロシンチ河法解析:施設内新規導入について 河 相吉1 樽岡 照知2 杉林 慶一3 1 明和キャンサークリニック放射線診断科 2 明和病院放射線部 岸本悟 3 関西医科大学枚方病院放射線部 アシアロシンチ(GSA)における河法コンパートメント 解析は 1991 年に発表され,肝切除前の肝予備能指標と しての有効性,多施設共同研究での汎用性が実証され, 現在に至る.当施設で新規に河法解析を導入した経験 を報告する.[方法]①データ収集は心肝 20 分間の連続 収集,全身像,肝 SPECT,②データ処理は心・肝,全 身像の全身,肝,バックグラウンド ROI である.③ 作 成した心 ・ 肝 TAC,全身像 ROI,肝 SPECT の 4 区域別 ROIカウントをテキストファイルに抽出し,共有設定し た外部 PC に転送する.④ PC 上で患者の年齢・性別・ 身長・体重を入力し,GSA 解析マクロによって肝%ID を含めた input ファイル *.PTS,*.TXH,*.TXLを作成 する.⑤ GSA.BAT から河法解析プログラム fitas111(32 ビット環境下)を実行する.⑥作成された Output ファイ ル *.DFAから Asreport マクロによって GSARmax をは
じめとした結果を抽出し,プリントする.⑦区域別 ROI のカウント比に対応した分肝 GSA-Rmax をマクロシー トにより算定する.[考察]データ収集,データ処理は既 製ワークフローテンプレートの使用によって設定は容易 であった.データのテキスト抽出,PC との共有設定な どは新たな操作法,設定となり一連の手順は多岐にわた ることからマニュアルのみではなく実地支援も必要と思 われた.64 ビット OS,Office 2007 以後の環境における マクロ,解析プログラムの対応が課題である. 読影レポートの書き方についての一考察 河 相吉 明和キャンサークリニック放射線診断科 読影レポートのあるべき姿について私的考察を行っ た. 核医学検査報告書標準化ワーキンググループの活動の 成果として核医学レポート実例集が 1998 年に刊行され ている.報告書作成のガイドライン と位置づけされて いるが,PET 検査のレポート例は含まれていない.読影 レポートの書き方についてこれまでの推奨を振り返り, 現状のレポートの実情とその問題点を明らかにした. 依頼医の疑問に対する回答とともに,依頼医が気付い ていないが見逃してはいけない所見は主所見となり,臨 床的意義の低い所見は副所見として区別したい.読み手 の視線が円滑に流れるように記載の順番に注意を払うこ とが必用である.重要な所見を先に記載する.悪性腫瘍 の場合は,癌取扱い規約と UICC 両者の記載内容を踏ま えて T(原発巣)に関連する項目,次いで N(リンパ節転 移),M(遠隔転移)の項目順に記載する.部位の記載は 頭部⇒頸部⇒胸部⇒上腹部⇒下腹部のような順にする. 所見は画像の客観的な言語化であり,その解釈は病態 の判定である.「所見」と「解釈」の記載を分けることが, 論理的な説得力のある文につながる.診断欄は疾患名 解釈コメントのみの記述としてまとめであることが重要 である.再度,所見を反復し,まとめのない記載は,読 み手に無用な負担を強いる稚拙なレポートである. 「疾患 X の疑い」は,現状の診断レポートに頻用され
る表記である.国語としての「疑い」には確信がもてない 意味と,相手やできごとの真相への不信の意味がある. この字義が意味する“幅”は大きく,読影者の疾患に対す る確信度は不明となる.私は疾患ありと疾患なし(正常) の間における中間的な判定の強弱は「-- 示唆」,「-- 区別 はできない」「-- 可能性」の順とすることによって 3 段階 に確信度を区分表記している. PET 検診施設における患者説明の現状 大野 和子 紺谷 和俊 山口 洋平 遠藤 啓吾 京医療大 [背景と目的]厚生労働省通知(医政発第 0430 第 1 号)に より,診療放射線技師の業務に放射線検査等に関する 説明・相談を行うこと,が追加された.そこで,受診 者にわかりやすい説明を行うための基礎的資料を作成 することを目的として,PET 検診施設の HP 記載内容を 調査した.[方法]がんと生活習慣病の早期発見サイト PET検査ネット(http://www.pet-net.jp/)に登録している施 設の HP を閲覧し,受診者説明を記載している検診施設 を抽出する.施設毎に,検査の流れと絶食の 2 項目の記 載の有無を確認する.2 項目とも記載していた施設を対 象に,閲覧者が理解しやすい簡潔な文章で記載されてい る,絶食の必要性が分かり易い箇所に記載されている, 検査の流れが時系列で記載されている,の 3 点を評価し た.評価は 2 名で実施し判定が分かれた場合はその場で 合議の上決定した.[結果]受診者説明を HP 上に記載し ている PET 検診施設は 126 であった.80 施設は 2 項目 とも記載していたが,検査の流れの未記載が 22 施設, 絶食が未記載は 11 施設,2 項目とも記載無しが 13 施設 であった.記載方法の評価では,29 施設が評価項目全 てを満たした.残り 51 施設は全て絶食の必要性の記載 に関する評価が低かった.詳細は,記載が目立たないが 5施設,検査の流れの最後に絶食を記載が 20 施設,記 載が唐突で解りにくいが 26 施設であった.[考察]評価 項目を満たさなかった施設は,医療者側の視点で作成し ており,医療者の知識と一般の人の知識が解離している ことを配慮しないで作成している印象を持った.一方で 3評価項目全てを満たした施設は,必要事項が簡潔にま とまっている, 検査の流れを時系列で掲載,検査の所要 時間を明記,前処置を目立つ箇所に記載という共通性を 認めた. 大型ボディファントムを用いた PET における SUV 評価 の検討 西田 広之 赤松 剛 千田 道雄 先端医療センター分子イメージング研究グループ [目的]SUV に影響を与える因子の 1 つに,被検者の体 格差がある.特に肥満体型の被検者では,過脂肪の影 響により腫瘍や臓器の SUV は,相対的に過補正され診 断上問題となっている.近年 TOF 技術により,PET 画 像のノイズ低減から SNR を改善し,空間分解能の向上 が期待され,体格の大きい被検者において PET 画像の 画質を向上させることが期待されている.今回我々は 2種類のボディファントム(日本人体型でおよそ 60 kg 相当およそ 100 kg 相当)を用いてファントム試験を行 い,体格差による SUVmaxの評価を検証する事である. [方法]Discovery PETCT690 と長径 30 cm(BP30 cm)と長径 36 cm(BP36 cm)のボディファントムを使用して, B.G. 領 域放射能濃度 2.74 kBq/mL,各ホット球対 B.G. 比 4: 1からリストモード収集にて 30 分収集を行った.収集 された Raw データから 2 種類の画像再構成法(OSEM, OSEM+TOF)を用いて PET 画像を作成し,各ホット径 球の SUVmaxに対して検討した.[結果・考察]BP30 cmお よび BP36 cmにおいて各ホット球の描出は,OSEM より
OSEM+TOFが明瞭であった. SUVmaxも OSEM+TOF が
OSEMよりも高値であった.ファントム径が増大した 場合,BP36 cmは BP30 cmに比し SUVmaxは OSEM で 11%
減少,OSEM+TOF で 4%減少であった.TOF 技術に関 しては,Murray2)らが SUV の再現性を改善すると報告 していることや,EANM ガイドラインでも TOF 技術の 使用を推奨していることから,積極的に採用していくべ きだと考える.[結論]TOF 技術を組み入れた画像再構 成法から算出した SUVmaxは,体格が大きい被検者を想 定したファントムに対しても,標準体型で算出された SUVmaxとの差異が小さく,PET 画像の画質を改善,診 断能に大きな効果が得られる可能性が示された. 線条体イメージングにおけるコリメータの違いによる定 量性の比較検討 小橋 一雅1 井口 治巳1 西園 将来1 伊藤 彰1 中川 裕貴1 浜田 悠斗1 足達 美香1 木田 哲生1 永谷 幸裕2 村田喜代史2 1 滋賀医科大学医学部附属病院・放射線部 2 同・放射線科 [目的]イオフルパン診療ガイドラインにおいて 123I 専 用コリメータの使用が推奨されている.しかし, 定量 解析ソフトによっては,統計解析を行うため,NDB と 収集条件を同一とする必要があり,LEHR コリメータ を使用している施設もある.そこで今回,定量解析 法の違いとコリメータの選択について,ファントム データと臨床データで定量性に関する比較検討を行っ た.[方法]DaT1308- 型ファントムを使用し,線条体 と B.G. の濃度比を 8:1 に設定し撮像を行った.装置 は GEHealthCareDiscoveryNM670-8 を使用し,ELEGP, LEHRコリメータを装着し,撮像を行った.再構成条件 は OSEM 法を用い,吸収補正(+),散乱補正(-)で再構 成をおこない,DaTView(SBR),DaTQUANT(SUR)の定 量値について比較した.また同意の得られた臨床患者 40名(男性 21 名,女性 19 名)についても同様におこなっ た.[結果]ファントムの結果,SBR では理論値 7.00 に
対し,ELEGP で 7.39(6%)で過大評価,LEHR では 6.89 (2%)過小評価でほぼ理論値を示した.SUR では理論値 に対し,ELEGP が 46%,LEHR が 48%と共に過小評価 であるがコリメータ間差は少なかった.次に臨床患者の 結果,線条体の集積の程度で正常群,軽度低下群,低下 群の 3 群に分けて評価をおこなった.結果 SBR につい て 3 群ともに ELEGP が LEHR より約 10%高値を示す傾 向があった.SUR については 3 群ともにほぼ同等な値 を示した.[結語]線条体イメージングにおいて,散乱線 補正を行わない場合のコリメータ間における定量値につ いて検討した.結果,コリメータ性能(感度と後方散乱 除去能)により若干差を認めた.SUR では,線条体 VOI が小さいため,コリメータ性能以上に PVE の影響があ り,コリメータ間差もなかった.以上のことからコリ メータの選択について,定量値への影響は少ないので, 分解能の高いコリメータを選ぶ事が重要である.