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血漿中水・脂溶性フォルマリン生成 物質含量について

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(1)

1490

種々なる内分泌腺疾患患者における 血漿中水・脂溶性フォルマリン生成

物質含量について

金沢大学医学部第二内科教室(主任 日置輝輝)

富 田 喜 一 郎

  照づ0乃か0 70m舜α   (昭和30年7月5日受附)

緒  副腎皮質機能の高低を知らむとして,従来 所謂.血漿申ヘモコルチコイド測定なるものが Corcoran−Page 1)の提:案を最初として世に行わ れて来た.それは適当なる有機溶媒を以て血漿 を抽出し,コルチコイド特有の過沃度酸酸化に よるフォルマリン発生能,還元能を利用してこ れが測定を致すものである.コルチコイドの更 に一つの特性としてその水溶性なるものは,有 機溶媒中から容易に水を以てこれを抽出し得る が故にこの操作を測定法中に導入して,コルチ コイド測定の特殊性を増長せむとすることも叉 行われる所である.慰し七現在の知識を以てす

る時は,人血漿中を流れる皮質ホルモンはその 大部分が水溶性なるが故に,斯かる方法の大体 安当なることはこれを認めても宜いように一応 考えられる.しかし乍ら吾々はその後の検討に おいて,少なくとも血漿中から如何なる組合せ においてこれを抽出しても,その申のフずルマ リン発生能,還元能を測定してコルチコイド量 となすのではなお頗る特異性を欠き,不適当な ることを知るに至った.いい換えれば所謂」血漿 ヘモコルチコイド測定法は既に用をなさざるの

である,

 斯くて教室においてはその後方針を一変し,

血漿中の皮質ホルモン自身を追跡することに努 力が傾けられているが,この傾向は欧米諸国に

おいても存し,その方法は日と共に改良せられ つつある.しかし本編に著者が集録した所のも のは,著者のこれ迄に行った内分泌腺性疾患の 所謂ヘモコルチコイド測定成績であって,これ ら患者における副腎皮質ホルモンそれ自身の血 液内含量に関しては目下測定申であるので,何 れ稿を改めてこれが報告をなすこととする.

 而して本編に著者が主として述べ琴いと思う 所は,コルチコイドと同様に有機溶媒に溶解し 且つ水にも移行し,過沃度酸酸化によりフォル マリンを発生する物質の諸種内分泌腺疾患にお ける馬長である.本物質は血漿のアルコールエ キスを一旦乾固し,一,二の操作を行ってクロ

ロフォルムに転溶し,これより水抽出を行うこ とによってその中にせしめ得られる.所謂コル チコイドはこの場合なおクロロフ才ルム中に残 存し,漸くベンゼン乃至石油エーテル加ベンゼ ン等から水にて抽出せられる.本物質の本体に 関しては教室日月等によって目下検討中である ので,何れその詳細は同氏等により報告を見る ことと思う.唯本物質が例えば本態性高血圧症 において全般的に増加しあることは同僚安川2)

によって既に報告せられており,叉慢性腎炎に おいて同物質の減少が認められることが中村3)

によって,更に気管支喘息症では発作中その激 減を来すことが森井4)によって夫々報ぜられて

(2)

いるので,ホルモン代謝に異常を来せる種々内 分泌腺性疾患において,上記物質の浩長がどの

ような態度を探るかは一応興味ある所である.

実験方法5)・6)・7)

 〔試 薬〕

 1)クロロフォルム ユ級クロロフォルムを脇量の 駈。:N過マンガン酸加里溶液には洗篠すること3回,

後蒸溜水にて数回洗押し,蒸溜後芒硲にて腕水す.

 2)ベンゼン 1級ベンゼンを㌻10量の濃硫酸にて 洗盗,硫酸溶液層の着色せざるに至りて,%量のろio

:N苛性曹達溶液にて2回洗源後,蒸溜水で数回洗源,

再蒸溜する.

 3)石油エーテル 再蒸溜し40。C〜60。Cの溜分を 使用する.

 4)アルコPル 局方アルコールを睨アルデヒドす る.即ちアルコール11・に付き50%苛性曹達溶液5cc 及び亜鉛末59を加え,施時間蓮流言却器を附して煮 沸後,蒸溜する.

 5)アセトン 1級純品.

 6)塩化マグネシウム アルコール飽和溶液.

 7)過沃度酸試薬 過沃度酸加里690mgを0・25 mo1硫酸100cc中に溶解せしめる.

 8):塩化第一錫試薬 塩化第一一錫結晶280mgを2cc の濃塩酸にて加温溶解し,蒸溜水8ccを加える.試薬 は測定の都度新調する,

 9)3mol硫酸

 1Q)クロモトロブ酸試薬 クロモトロブ酸 (1・3−

Dihydroxynaphtllalene su1Fonic acid)150mgを蒸溜 水2ccに溶解し,濃硫酸を加えて50ccとする.測定

の都度新調する.

 〔装 置〕

 フォルマリン蒸溜器は蒸溜フラスコの内容約25cc,

フォルマリン捕集用として3cc及び7ccに目盛りを 附せる小試験管を使用する.

 〔実施〕

 1)血漿の分離:充分に脱脂,水洗後乾熱滅菌せ る30ccの注射筒に3・8%チトラート1ccを採り,

肘静脈より21目盛り迄採血,遠心管に移し遠心して血 漿を分離する.

 2)アルコールによる抽出: 上記血漿10ccを 40ccのアル.コール中に滴下,よく混じて後遠心し上 清を分ち,沈澱物には10ccのアルコールを加えて概

拝,濾過し濾液を前記上清に合する.しかる後抽出液 を長柄の蒸溜コルベソに入れ,50。C以下で減圧蒸溜

し,内容を全く乾燥せしめる.

 3)アセトンによる抽出及び燐脂質の除去:前記 抽出乾燥物質を8〜10ccのアセトンにより抽出し,

小遠心管に探る.これに飽和塩化マグネシウム液5滴

・々下混和し,0。C,30分放置,後遠心して上清を短柄 の蒸溜コルベンに入れ減圧蒸溜する.

 4)クロロフォルムによる抽出,次いで水による抽 出: 前記アセトン抽出物を乾燥後クロロフ滅ルム 2ccに溶解せしめ,次いで芒硲にて脱水し,後クロロ フォルム2ccにて各々2回洗確する.この際使用せ るクロロフォルみ全量は約6ccで,これを耳栓付き 遠心管に阻める.これに蒸溜水4ccを加え3分間振 盤,水分劃を分離する.かかる操作を2回繰り返し,

第1回,第2回の水分劃を合し,その申4ccを後述の 酸化法へ,2ccを還元呈色測定に供する.

 5)ベンゼン・石油エーテルによる抽出,次いで水 による抽出: 上記水分劃を分つた後のクロロフォル ム暦を芒硲にて腕水,更にクロロフォルム1ccにて 洗瓶後再び減圧蒸溜する.…欠いで乾固辞をベンゼン エccに溶解後共栓付き遠心管に移し,石油エーテル 1ecを加えて混和し,蒸溜水3ccを加え3分聞振盗 後遠心し水層を分離する.これを2回繰り返し水分劃 を合し,4ccを酸化法に,2cじを還元呈色測定に供す

る.      ・

 6)過沃度酸試薬による酸化:上記の2分劃即ち クロロフォルム一水抽出分担(C・W・),及びベンゼン

・石油一一テル一水抽出分劃(B・P・W・)の夫汝 4ccに過沃度有界i薬0・5ccを加えてよく混じ,30分 間25。±1。Cの水浴申に保ちて酸化を行い,塩化錫試 薬0.5ccを加えて酸化を止める.

 7)生成フォルマリンの蒸溜及び呈色:前記反応 液を小蒸溜フラスコに移す.而して酸化に用いた小試 験管を3mol硫酸0・5cらi欠いで蒸溜水0.5ccにて 洗い何れも蒸溜フラスコに投ずる.他方蒸溜受けの目 盛付き試験管にはクロモトロブ酸試薬3ccを容れ,小 蒸溜器の毛細管の尖端がクロモトロブ酸溶液の下端に

【139】

(3)

1492

位するようにこれを保持し,液全量が7ccの目盛りに 均する迄蒸溜する.次いで小試験管を100。Cの重湯 煎に30分聞牧めて発色せしめ,後冷却して直ちに光電 比色計にて測定する.比色の対照としては,蒸溜水 4ccに酸化試薬を加え同檬処理せるものを用いた.

 8)比色測定: 比色には日立製光電比色計TK−

120Sを用い,フィルターはYB(570mμ)を使用し た.なお比色に使用せるキュベヅトは液層の厚さ10 mmのものである.標準液としてはHydrocortisone

(Merk)結晶を蒸溜水に溶解して用い,吸光係数242 を得た.而して血漿100cc申のフォルマリン生成物

質(F.S.)量の算出は次式によった.

 F.S.(γ/d1)=・K×(A−a)×10xC

  K:吸光係数242(Hydrocortisoneに依る)

  A:血漿抽出液の吸光度   a:盲検抽出液の吸光度

  c:血液に加えたチトラートの補正

 9)盲 検3上記の実施において血漿を用いず,

その他は全く同檬にしてこれを行い,盲検:値を予め求

める.

 以上の操作を図に示せば第1図の如くである.

        第  1 図 血漿10cc十アルコ【一ル40cc

1遠心

上清 沈澱物十アルコール

       1勘       「     1

↓減卜師罐下)濾物論棄)

乾燥物質:十アセトン

 i     I

    ↓    濾過液

    ↓ 十塩化マグネシウム,30分間冷却後遠心    上清

    ↓ 減圧蒸溜   乾燥物質:

    ↓ 十クμロフォルム,脱水 クロロフォルム抽出液遠水

         1

   ↓      ↓

1::;}:三驚畿》…一1

   !脱水後減圧蒸溜

乾燥物質十ベソゼソ十石油エーテル    I         l         ↓

ベソゼソ・石油エーテル抽水野十水

ベソ

k撫誰総出細B・wi

   乾燥物質

実 験 成 績  上記測定法を以てせる正常人11

名に関するクロロフォルム→水分 田中(C.W.),並びにベンゼン+

石油エーテル→水分劃中(:B.P.

W.)フォルマリン生成物質F.S.

の測定値は第1表に示す如くで,

これを対照として著者の測定に斯 かる諸種内分泌腺耳疾患患者血漿 中夫々の物質の含:量にっき,その 増減を以下に対比する.

   a)甲状腺疾患

先ず定型的なバセドウ氏病4例 について見るに,第2表に示す如

くC.W.において何れもその増加

第1表 正常人血i野中:F.S.含量

縫陸矧性園職剰(C.W.mg/d1)

:B.:P.W.(mg/d1)

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11

木  村 中  村

竹  田 小  村

 工 石  田

3

30 25

28

29 23 22 20 19

医  師

〃.

会肚員

学  生 看護婦・

 〃 学  生

0.519 1.196 0.640 1.460 0.568 0.655 0.920 0.569 1.310 0.715 1.370

0.159 0.103 0.049 0.023 0.121 0.033 0.024 0.010 0.043 0.034 0.114 李 均 値 0.903 0.065 筆画雛雛瀞躍群団の1・・9・3±・・25・t…65±…34

(4)

を見,就中高いものでは正常人の2乃至3倍の 高値に達する.即ち正常人の平均値。.903mg/

dlに対しバセドウ氏病患者では1.818mg/dlな る手均値を得た.:B.P.W.においては正常人の

3倍に及ぶ高値を示す1例の他は略ζ正常範囲 内にあり,C. W.において高値を示すものは B.P.W.においてもその増加を見た.

 粘液水腫においてはC.W.は略ζ正常入の 限界内に止るが,一時に高値を示す一方甚だし

く低値を示すことがあり,特に湯浅例に1見る 如く同一人の動揺頗る不安定なるものがあっ

た.(第3表)

第2表 バセドウ氏病患

  者血漿申:FS含量

  1実験   姓 名

番号1 1

2 3 4

中 野 井 下 大 森 竹 ロ

  1 年齢艶ォ

28 21 26 40

ε

C.W.

(mg/dl)

ユ.020 1.980 2.050 2.220

B.:P.W.

(mg/dl)

0。040 0.100 0.100 0.330

李均値1・・8・8い・・43

第3表  粘液水腫患者血漿中:FS含量

実験 番号 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11

姓  名 湯  浅

楠  沢  〃  〃 板  本  〃

年齢 49

51

34

ε

C.W.

(mg/dl)

1.460 2.100 0.300 0.340 0.810 1.020 0.650 1.090 0.920 1.420 0.680

李 均

1.005

0.887

1.050

:B.:P.W.

(mg/d1)

0.000 0.ユ20 0.000 0.200 0.000 0.000 0.000 0.000 0.271 0.100 0.000

亭 均

0.052

0.180

0.050

卒  均  値 0.980 0.087  多発性筋炎なる疾患も叉従来甲歌謡機能の低

下が認められるという.著者は本疾患の1例を 得たが,そのC.W.中:F.S.は明らかにその 低値を示した.B.P.W.中:F.S.については 未だその特徴を発見し得ない.(第4表)

第4表 多発性筋炎患  者血漿中FS含量

実験 番号 1

姓 名 四 藤

年齢 13

δ

C.W.

(mg/d1)

0.200

:B.P.W.

(mg/d1)

0。060

     b)下垂体性疾患

先ず下垂体腫瘍患者3例を得た.その申山

田,下風例は所謂肥絆性器障碍を有した.今そ の結果を見ると,雫井,下風例においてはC・

W.中:F.S.量は正常人との差を見なかった が,山田例においては頻回の測定を行えるに,

時に著しき半値を示すかと思えば叉頗る高値を し,成績の一致を見ないことは恰も粘液水腫の それの如くであった.(第5表)

 所謂:B.P・W.中:F.S.量に関しては,成績 不定なるを以て結論を急がない方が争いと思

う.

 次いで諸種内因性肥絆症と思われる患者6例 を測定したが,概ねC.W.,B.P.W.中F.S.

共に正常人とi変る所がなかった.(第6表)

【141]

(5)

1494

第5表 下垂体腫瘍患者血漿中:FS含量

実験 番号 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11

姓  名 山  田

李  井  〃  〃

年齢 26

17

δ

6

C.W.

(mg/d1)

0.403 1.700 0.304 0.302 0.840 1.470 1.100 1.360 0.542 0.640 1.360

李 均

0.935

0.847

:B.:P.W.

(mg/d1)

0.040 0.150 0.042 0.000 0.120 1.010 0.270 0.080 0.000 0.060 0.120

牛 均

0.214

0.060

・21下学36i♀i・・59・1・・12・[・・88・1…68

0.884 0.168

第6表 諸種内因性肥絆症

  患者.血i漿中:FS含量 実験

番号

1 2 3 4 5 6

姓 名

四十内 広 根 稻 垣 前 田 野 村 甚 田

年齢 35 26 25 42 42 26

3

δ

C.W.

(mg/d1)

1.160 1.240 0.712 1.360 1.490 0.664

:B.P.W.

(mg/dl)

0.040 0.120 0.120 0,062 0.000 0.081 ・…4 「・・7・

第8表 下垂体性小野上患

  十二i十二:FS含量 実験

番・号

1 2 3 4 5

姓 名 品 村  〃  〃 孚 部  〃

年齢 7 9 12 16

ε

C.W.

(mg/d1)

1 0.870 0.890 0.810 0.820 0.640

:B.P.W.

(mg/dl)

0.260 0.172 0.100 0.000 0.000

 これに反し著しく臓痩せる患者2例におい て,恐らく中枢性障碍と思われし者において は,C.W.中:F.S.量が正常人の下方限界に 存した.(第7表)

    第7表 諸種:内因性巌痩症       患者血漿中:FS含量

C.W.

(皿9/dl)

均 i・・8・6 0.106

 円形脱毛症も叉下垂体機能の異常に密接なる 関係ありと認められるが,2例の本症において 1例は正常人の下方限界に属するC.W.中:F・

S.量,他の1例は明らかに低下せるその値を 示した.(第9表)

実験 番号

1 2

姓 名 吉 田 東

年齢 20 37

0.410 0.320

:B.:P.W.

(mg/dl)

0.060 0.030

 叉下垂体性小児症4例を得て測定を進めた 所,結果は何れも正常人と変る所がなかった.

(第8表)

第9表 円形脱毛症患者血

   漿中:FS含量

実験 番号

1 2

姓 名 道 法 法 邑

年齢 50 34

C.W.

(mg/dl)

0.540 0.340

:BP.W.

(m9/dl)

0.000 0.170

次いで二谷例は軽症乍ら尿崩症に属するもの であったが,2回の測定においてそのC.W.

(6)

       〆

中:F・S・量は大体正常範囲内に存した.(第10表)

    第10表 軽度の尿崩症患者        血漿申FS含量

実験 番号 1 2

酩1年鮒

二 谷

34

C.W.

(1ng/d1)

1.380 0.900

:B.P.W.

(mg/dl)

0.140 0.1CO

     c)副 腎疾患

僅かに1例のアヂソン氏病疾患患者丹羽例を

得たが,そのC.W.申:F.S.量は正常人の下 方限界に属した.:B.P.W.申:F.S.量につい ては今何もいうことが出来ない.(第工1表)

    第11表アヂソン氏病患者

       血漿申:FS含量

実験

番響・

1

姓 名 丹 羽

年齢

43 性

C.W.

(mg/d1)

0.510

:B.P.W.

(mg/dl)

0.160

       考  種々なる内分泌腺疾患患者血i漿について,所 謂フォルマリン発生ヘモコルチコイド測定成績 は甚だ不定で,正常人との聞に一定の差違を見 出すことが困難であった.

 しかし乍ら試料の乾燥アルコールエキスにつ いて,これをクロロフォルムに転溶せるや,水 に移行せる物質のフォルマリン発生物質につい ては,バセドウ氏病においてその量顕著に増量 せるを見た.更に下垂体腫瘍,粘液水腫等では 怠る時は低く,しかしともすれば高く,動揺常 ならざるが如くである.その他多善性筋炎症1 例,下垂体性癩痩症2例,円形脱毛症2例では 低い値を,而して諸種内因性肥莚織,下垂体性 小見症では正常人との間に大差を認めなかった

結  1.血漿中アルコールエキスの乾固せるもの をクロロフォルムに溶解せしめ,これが水エキ ス中のフォルマリン生成物質量を各種内分泌腺 性疾患別に測定し,バセドウ氏病において一般 に増加を来すこと,粘液水腫及び下垂体腫瘍に おいて時に甚だしく低値を示』動揺頗る不定 なること,所謂シモンズ氏病とも称すべき内因 性巌痩症,円形脱毛症において三値が記録せら れた.叉1例のアヂソン氏病では正常人におけ

      文 1)Corcoran−Page:∫. Lab.&Clin. Med.,

33:1326,1948・  2)安川栄一:1一全医学会 雑誌,56,193,1954.   3)中村和夫3十全 医学会雑誌,56,20エ,1954・  4)森井買==

 按

が,果してこれらの変動が何を意味するもの か,所謂C.W.申:F.S.の本体が未だ明らか でない限り叉不明である.

 同僚安川によれば本分劃:F.S.物質は同時に 還元性を示すこと少なしといい,叉既知副腎皮 質ホルモンの如何なる物質とも直接の関係を有

しないが,斯くの如く特定の疾患において梅 一定の変動を示すことは,斯かる物質の浩長に ついて文献に 乏しきが故に却って吾々の興味を 喚起することが大である.

 今後以上疾患患者にっき血i期中の皮質ホルモ ン含量追求と共にこれが解明に努力し度いと思

う.

 論

る低い限界にあった.4例の小見症及び内因性 肥絆症ではその値は正常範囲内であった.

2.所謂ヘモコルチコイド測定分劃中のフォ ルマリン癸生量についても測定を試みたがその 成績は甚だ不定で,血漿内における皮質ホルモ ンの消長に関しては,その報告を次回に譲る.

 蛮野するにあたり恩師日置教授の御懇篤なる御指 導と御校閲に衷心より感謝する.

日本内科学会雑誌,44,109,1955・  5)金田 善三:十全医学会雑誌,55,1176,1953・  6)

金田・竹田・織田等:日新医学,41,609,1954・

7)織田邦夫:日新医学,42,87,ユ955・

【143】

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