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2.2 吸水による空気量

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Academic year: 2022

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(1)土木学会第68回年次学術講演会(平成25年9月). Ⅴ‑554. 硬化後のモルタルの空気量の測定方法が空隙量および硬化物性に及ぼす影響. 1.はじめに. 名古屋工業大学大学院. 学生会員. ○水野. 浩平. 名古屋工業大学大学院. 正会員. 吉田. 亮. 竹本油脂株式会社. 正会員. 齊藤. 和秀. 名古屋工業大学大学院. フェロー. 梅原. 秀哲. 2.2 吸水による空気量. AE 剤によりコンクリート内に連行された空気泡は. 100 ml の PP 製カップを型枠とした供試体を各配合 3. 凍結融解抵抗性の向上,圧縮強度の低下などの影響を. 個使用し,式 1 により吸水による空気量を算出した.. もたらすことが既往の研究より明らかにされている.. M (m1  m2 ). コンクリートの空気量は多くの場合,フレッシュ時に. w. A. m0. 測定を行うが,凍結融解抵抗性や圧縮強度などの硬化 物性に及ぼす影響は,フレッシュ時よりも硬化後の空.  m0 100. (式 1). ここに,A:硬化後の空気量(%). 気量の方が大きいと考えられる.そこで本研究では,. M:1m3 あたりのモルタルの質量(g). モルタル供試体の硬化後の空気量を,異なる 2 種類の. m0:脱型時の質量(g). 方法で測定し,硬化後の空気量と空隙量および硬化物. m1:真空吸水後の気中質量(g). 性との関係性を検討した.. m2:真空吸水後の水中重量(g). 2.実験概要. ρw:水の密度(g/cm3). 2.1 供試体作製. 2.3 リニアトラバース法よる空気量. モルタル供試体は普通ポルトランドセメント,石灰. φ100×200 mm の円柱供試体の中央部分を 4 cm 程度. 石砕砂,アルキルエーテルサルフェート系の AE 剤,. の厚さに切り出し,表面を研磨した供試体を用いリニ. ポリエーテル系の消泡剤,水道水を用いて,W/C=0.5. アトラバース法により画像解析を行い,空気量を算出. で作製した.モルタルを構成する水とセメントと細骨. した.また,得られた気泡径分布を図 1 に示す.. 材の割合は 0.5:1:2.5(質量比)である.また,フレ. 2.4 空隙量測定. ッシュ時の目標空気量を 3.5,6,7.5%の 3 水準設定し,. 試料は,透気試験実施後の φ50×10 mm の円盤供試体. AE 剤の添加量を変えることで空気量を調整した.表 1. を,一辺 5 mm 程度の立方体となるようにハンマーと. に配合,空気量および空隙量を示す.なお各配合にお. たがねを用いて成形し,1 個の供試体から 3 個,1 配合. い て 円 柱 供 試 体 (φ100×200 mm) 1 本 , 円 柱 供 試 体. 合計 9 個の試料を使用した.成形後,前処理としてア. (φ50×100 mm)3 本,円盤供試体(φ50×10 mm)3 個,およ. セトンに 3 日浸漬させ,乾燥炉を用いて 24 時間,40℃. び 100 ml の PP 製カップを型枠とした供試体 3 個を作. で試料の乾燥を行った.試験は R.H.25%→R.H.80%→. 製し,材齢 3 日で脱型を行い材齢 28 日まで水中養生を. 真空吸水の順で湿度環境を変化させ,質量の測定を行. 行った.. った.乾燥後から吸水後までに増加した質量より全空 表1. 供試体種別 W/C Air6.0 Air6.0A Air3.5 Air3.5A Air7.5 Air7.5A. 50. 配合,各種空気量および空隙量. AE剤 消泡剤 空気量(%) 添加量 添加量 フレッシュ時 硬化後 画像解析 (C×%) (C×%) 5.9 無添加 4.4 4.2 0.01 5.7 0.001 5.1 3.3 3.8 無添加 3.4 0.004 3.4 0.001 3.1 3.5 7.4 無添加 6.4 5.9 0.02 7.5 0.001 6.8 4.1. 空隙量(ml/ml) 全空隙 3.96nm以上 21.5nm以上 3.96nm以下 0.1790 0.1802 0.1768 0.1871 0.1850. 0.1355 0.1366 0.1358 0.1424 0.1410. 0.1177 0.1187 0.1180 0.1232 0.1219. キーワード:硬化モルタル,AE 剤,空気量,空隙量,圧縮強度,透気係数 連絡先:〒466-8555. 名古屋市昭和区御器所町 名古屋工業大学大学院. ‑1107‑. TEL 052-735-512. 0.0435 0.0436 0.0409 0.0447 0.0440. 21.5以下 0.0613 0.0615 0.0587 0.0639 0.0631.

(2) 土木学会第68回年次学術講演会(平成25年9月). 画像解析と3.96nm以下. 80. 0.40~6.00. 0.35~0.40. 0.30~0.35. 0.25~0.30. 0.20~0.25. 0.15~0.20. 0.10~0.15. 0. 0.05~0.10. 40. 空気泡の寸法(mm). 図1. 8. 60.0. R² = 0.91. 50.0. R² = 0.79. 6. 4 2. 0. 0.05. 0.1. 0.15. 4.0. 6.0. 20.0 10.0 0.0. 2.0. 図3. 40.0. R² = 0.57. R² = 0.54. 8.0. 空気量と透気係数の関係. 6.0. 8.0. 空気量と圧縮強度の関係 3.96nm以下. 100. 50.0. 30.0. 4.0. 吸水およびリニアトラバース法による空気量(%). 全空隙. 3.96nm以下. 20.0 10.0. 全空隙. R² = 0.49. R² = 0.87. 10. 1 0. 0.05. 0.1. 0.15. 0.2. 0. 0.05. 図5. 0.1. 0.15. 0.2. 空隙量(ml/ml). 空隙量(ml/ml). 吸水およびリニアトラバース法による空気量(%). 図4. R² = 0.18. 30.0. 0.2. 0.0. 1 2.0. 画像解析による空気量. R² = 0.73. 40.0. 空気量と空隙量の関係. 60.0. R² = 0.35. 10. 0.0. 硬化後の空気量. 0.0. 0. 図2. 画像解析による空気量. 圧縮強度(N/mm2). 透気係数(×10-18m2). 100. R² = 0.60. 硬化後と全空隙. 空隙量(ml/ml). 気泡径分布. 硬化後の空気量 R² = 0.87. 画像解析と全空隙. R² = 0.40. 硬化後と3.96nm以下. 圧縮強度(N/mm2). Air7.5 吸水およびリニアトラバース法に よる空気量(%). Air6.0. 120. 0.01~0.05. 空気泡の個数. Air3.5. 透気係数(×10-18m2). Ⅴ‑554. 空隙量と圧縮強度の関係. 図6. 空隙量と透気係数の関係. 隙量を求め,吸着水を考慮した際の相対湿度と空隙径. 縮強度の関係を図 3 に示す.吸水による空気量増加に. の関係より,各湿度環境での試料の質量をもとに 3.96. 伴い,圧縮強度が低下する傾向がみられた.一方,リ. nm,および 21.5 nm を基準とする空隙量を算出した.. ニアトラバース法による空気量と圧縮強度に相関関係. 2.5 圧縮強度試験. はみられない.次に吸水およびリニアトラバース法に. φ50×100 mm の円柱供試体を各配合 3 本使用し,JIS A. よる空気量と透気係数の関係を図 4 に示す.吸水によ. 1108 に準拠して行った.. る空気量増加に伴い,透気係数は同一オーダー内にお. 2.6 透気試験. けるわずかな差であるが増加する傾向が見られた.リ. φ50×10 mm の円盤供試体を各配合 3 個使用し,前処. ニアトラバース法による空気量と透気係数の相関は低. 理としてアセトン浸漬を 1 カ月程度,真空乾燥を 2 週. い結果となった.. 間程度実施した後,直ちに試験を行った.また,透気. 3.3 空隙量と圧縮強度および透気係数の関係. 試験の負荷圧力は 0.3 MPa である.透気係数は空気の. 空隙量と圧縮強度の関係を図 5 に示す.圧縮強度は. 圧縮性を考慮した式より算出した.. 線形近似した場合,全空隙量および 3.96 nm 以下の空. 3.実験結果および考察. 隙量ともにやや低い決定係数となった.次に空隙量と. 3.1 各種空気量と空隙量の関係. 透気係数の関係を図 6 に示す.線形近似した場合,全. 吸水およびリニアトラバース法による空気量と空. 空隙量より 3.96 nm 以下の空隙量の方が低い決定係数. 隙量の関係を図 2 に示す.吸水による空気量には空気. となった.これより,3.96 nm 以下の空隙がモルタル. 泡以外の空隙を含むことが考えられる.一方,リニア. の透気性状に与える影響は少ないことが考えられる.. トラバース法による空気量は測定時に空気泡のみを抽. 4.まとめ. 出している.線形近似した場合の決定係数をみると,. 吸水およびリニアトラバース法によりを用いて硬化. 吸水による空気量と全空隙が 0.91,吸水による空気量. モルタルの空気量を測定し,各種硬化物性との関係に. と 3.96 nm 以下の空隙は 0.79 であり,また,リニアト. ついて検討した.2 種類の測定方法によって得られる. ラバース法による空気量と全空隙が 0.60,リニアトラ. 空隙が異なる可能性が見出だされた.. バース法による空気量と 3.96 nm 以下の空隙は 0.40 と. 謝辞:本研究において中部採石工業株式会社. なっており,2 種類の空隙量でともにリニアトラバー. 郎氏,竹本油脂株式会社. ス法による空気量の方が低くなった.これはリニアト. 学. ラバース法による空気量が空隙を含まないことに通じ. 御支援頂きました.ここに記し深く感謝致します.. ると思われる.. 参考文献:秋山仁志ほか:AE 剤の混和がセメントペ. 3.2 各種空気量と圧縮強度および透気係数の関係. ーストの細孔径分布および透気性に及ぼす影響,土木. 吸水およびリニアトラバース法による空気量と圧. 牧宗一. 野田貴寛氏,名古屋工業大. 太田健司氏,落合昂雄氏には大変多くの御指導,. 学会第 66 回年次学術講演会論文集,V‐498,2011.9. ‑1108‑.

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