(3) トングレール先端付近ではトングレール底部と床板に隙間が見られた
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(2) IV-273. らが存在した場合、トングレールが床板から浮き上がった状態となり、トングレール背面の突起部が基本 レールあご下にかみ合わずに不転換になったと推定できます。 4.再現試験 (1) 概. 要. 前項までで推定した原因を検証するため、再現試験を行いました。試験に供した分岐器は 50N レール 10#の関節ポイントです。試験に先立ち、トングレール先端付近の低むらを想定し、ポイント中央から後 端にかけてジャッキにより高むらを発生させることで先端付近の低むらを再現する方法をとりました。高 むらは3段階に分けて発生させ、10m 弦高低狂い(1m 間送り法)とレールのかみ合わせ状態を測定し検証 しました。 (2) 結. 果. 高むらを 5 ㎜,10 ㎜,13 ㎜と段階的に上げていき、扛上量が 13 ㎜に達した時点で写真―1のように突起 部が基本レールあご下にぶつかり、かみ合わせ不良の状態となり不転 換に至りました。この時、トングレールは密着していない状態で、試 験前と比較すると床板から 6 ㎜浮き上がった状態でした。これにより 原因推定時の、トングレール先端が低い場合、約 5 ㎜以上トングレー ルが床板から浮き上がり、かみ合わせ不良を起こすということが立証 されました。 10m 弦高低狂いの測定データを図―3に示します。特徴的なのは 写真−1. ジャッキアップした箇所を 13 ㎜扛上するとトングレール先端付近で. は、ジャッキアップ前よりも逆に軌道狂いが小さくなっている点です。これは、現在の分岐器軌道狂い検 軌道狂い(高低). 査において、ポイント部では高低狂いを測定する箇所はトン. 20. グレール先端部のみであることから考えると、現行の検査方. 試験前. うなかみ合わせ不良による不転換の前兆を捉えにくいとい う事が分かりました。. 狂い量(㎜). 法と軌道狂いによる目標値・基準値による管理では今回のよ. 15. 5mmこう上 10mmこう上. 10. 13mmこう上. 5 0 0. 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. -5. 5.今後の対策. 10 11 12 13 14. 測定位置(m). -10. 今回得られた結果からかみ合わせ不良による分岐器不転. トング先端位置. 換事故を防止するため、新たな検査・管理方法を設けること. 図―3. にし、2 案について具体的に検討しました。 1 案)分岐器軌道狂い検査の測定箇所、基準値を一段と厳しくする方法 2 案)トングレール先端底部と床板の隙間を検査し、新たに基準値を設ける方法 検査方法や現場実態、費用対効果等を勘案した結果、限られた労力で最大限の効果が得られる後者を採 用し、間接的に基本レールあご下とトングレール突起部の隙間を把握・管理することにしました。 現在のところ、この検査・管理方法は暫定的に都市近郊エリアの一部で施行しています。 6.おわりに 今回、分岐器先端部のかみ合わせ不良に対する対策(検査方法・基準値)を暫定的に定めましたが、今 後は軌道狂い値やその発生位置とかみ合わせ不良の関係について、より定量的に把握することにより機 械・装置等による検査方法についても検討する必要があると考えます。. -547-. 土木学会第56回年次学術講演会(平成13年10月).
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