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(3) トングレール先端付近ではトングレール底部と床板に隙間が見られた

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Academic year: 2022

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(1)IV-273. 分岐器トングレール先端部のかみ合せ管理について JR東日本 正会員 中達 太郎 正会員 上部 誠 牛膓 徹 1.はじめに JR東日本管内において密着不良による分岐器不転換事故が平成12年末頃から連続して3件発生し、 その後、不転換の原因について調査を行いましたが、転換モーター側に異常はなく軌道狂いも基準値以内 であり、原因の特定と対策に苦慮していました。しかし、我々は現場調査の記録に”N レール分岐器にし かないトングレール背面の突起部に照りがみられた”ということに着目し、これは基本レールとトングレ ールのかみ合わせの不良による不転換ではないか、と推測し、現場での再現試験による検証を行い、今後 の対策を検討することにしました。 2.現場調査の結果 不転換に至った現場調査の結果をまとめると次のようになります。 (1) 全て 50N レール分岐器で番数は 8#〜12#。弾性ポイント、関節ポイントの両方で発生している。 (2) 軌道狂いは目標値以内であったが、ポイント部の中央から後端部分にかけてよりも先端部の方が低 くなっていた。 (3) トングレール先端付近ではトングレール底部と床板に隙間が見られた。 (4) トングレール背面の突起部に基本レールあご下と擦れたような照りが見られた。 3.原因の推定 設計図面より 50N レール分岐器のトングレール先端付近では基本レールと正常に密着している場合は 図―1のように突起部が基本レールあご下に隙間をもってもぐり込んでいる状態にあります。これをここ では”かみ合せ”と称します(. 囲み部分) 。. 正規な状態. N レール分岐器は、正規な状態において構造的にトングレールが床板 から 5 ㎜程度浮き上がった状態になると突起部が基本レールあご下に. 隙間 5.3 ㎜. ぶつかり、かみ合わなくなると言うことが設計図面から求められました。 これは N レール分岐器の特徴であり、60 ㎏レール分岐器は基本レール とトングレールの削正形状が異なるため、か合わせ状態の不良による不 転換とはなり難いと言えます。. 床板. 一方、ポイント部の左右トングレールは、転てつ棒により連結されて. 図−1. おり、その転てつ棒は基本レール底部を通っており、トングレールがア オったり浮き上がったりしないような構造になっています。設計上は転 てつ棒と基本レール底部の隙間は 3 ㎜であり(図―2) 、前述のように トングレールが 5 ㎜浮き上がることは無いと言えますが、現場の実態を 考慮すると、転てつ棒自体の曲がり等により転てつ棒と基本レール底部 の隙間が 3 ㎜以上になっているケースが多々見受けられます。. 3㎜. 以上のことと2. (4)と合わせて考えて、トングレール先端付近に低む キーワード:かみ合わせ 連絡先:東京都北区東田端 2−20−68. TEL:03−5692−6136. -546-. 転てつ棒. 図−2. FAX:03−5692−6138. 土木学会第56回年次学術講演会(平成13年10月).

(2) IV-273. らが存在した場合、トングレールが床板から浮き上がった状態となり、トングレール背面の突起部が基本 レールあご下にかみ合わずに不転換になったと推定できます。 4.再現試験 (1) 概. 要. 前項までで推定した原因を検証するため、再現試験を行いました。試験に供した分岐器は 50N レール 10#の関節ポイントです。試験に先立ち、トングレール先端付近の低むらを想定し、ポイント中央から後 端にかけてジャッキにより高むらを発生させることで先端付近の低むらを再現する方法をとりました。高 むらは3段階に分けて発生させ、10m 弦高低狂い(1m 間送り法)とレールのかみ合わせ状態を測定し検証 しました。 (2) 結. 果. 高むらを 5 ㎜,10 ㎜,13 ㎜と段階的に上げていき、扛上量が 13 ㎜に達した時点で写真―1のように突起 部が基本レールあご下にぶつかり、かみ合わせ不良の状態となり不転 換に至りました。この時、トングレールは密着していない状態で、試 験前と比較すると床板から 6 ㎜浮き上がった状態でした。これにより 原因推定時の、トングレール先端が低い場合、約 5 ㎜以上トングレー ルが床板から浮き上がり、かみ合わせ不良を起こすということが立証 されました。 10m 弦高低狂いの測定データを図―3に示します。特徴的なのは 写真−1. ジャッキアップした箇所を 13 ㎜扛上するとトングレール先端付近で. は、ジャッキアップ前よりも逆に軌道狂いが小さくなっている点です。これは、現在の分岐器軌道狂い検 軌道狂い(高低). 査において、ポイント部では高低狂いを測定する箇所はトン. 20. グレール先端部のみであることから考えると、現行の検査方. 試験前. うなかみ合わせ不良による不転換の前兆を捉えにくいとい う事が分かりました。. 狂い量(㎜). 法と軌道狂いによる目標値・基準値による管理では今回のよ. 15. 5mmこう上 10mmこう上. 10. 13mmこう上. 5 0 0. 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. -5. 5.今後の対策. 10 11 12 13 14. 測定位置(m). -10. 今回得られた結果からかみ合わせ不良による分岐器不転. トング先端位置. 換事故を防止するため、新たな検査・管理方法を設けること. 図―3. にし、2 案について具体的に検討しました。 1 案)分岐器軌道狂い検査の測定箇所、基準値を一段と厳しくする方法 2 案)トングレール先端底部と床板の隙間を検査し、新たに基準値を設ける方法 検査方法や現場実態、費用対効果等を勘案した結果、限られた労力で最大限の効果が得られる後者を採 用し、間接的に基本レールあご下とトングレール突起部の隙間を把握・管理することにしました。 現在のところ、この検査・管理方法は暫定的に都市近郊エリアの一部で施行しています。 6.おわりに 今回、分岐器先端部のかみ合わせ不良に対する対策(検査方法・基準値)を暫定的に定めましたが、今 後は軌道狂い値やその発生位置とかみ合わせ不良の関係について、より定量的に把握することにより機 械・装置等による検査方法についても検討する必要があると考えます。. -547-. 土木学会第56回年次学術講演会(平成13年10月).

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