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学位論文審査の要旨

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Academic year: 2021

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学位論文審査の要旨

主 査

  

准 教 授

  

高 木 健 太 郎 副 査

  

名 誉 教 授

  

  

賀 一 郎 副 査

  

教 授

  

佐 藤 冬 樹

副 査

  

教 授

  

柴 田 英 昭

副 査

  

室 長

  

三 枝 信 子 ( 国 立 環 境 研 究 所 地球 環境 研究 セン タ ー)

学 位 論 文 題 名

  Long‑term evaluation on the effect of anthropogenlC   diSturbanCeStotheCarbonbudgetofC001

temperate

    nliXedforeStSinnorthernHOkkaidO

Japan

( 人 為 起源 の撹 乱が 北海 道 北部 冷温 帯混 交 林の 炭素 循環 に及 ぼ す影 響に 関す る長 期 評価 )

  

森 林の撹乱は、生態系の炭素の循環に大きな影響を与えると考えられているが、その定量 的な 評価は十分に行われていない。申請者は森林伐採や温暖化といった人為的な撹乱が森林 生態 系の炭素循環に与える影響について、北海道北部の針広混交林における長期観測結果に 基づ いて明らかにし、その複合影響について考察を行った。申請論文の構成は、以下の通り であ った。

1

章 「序論」

2

章 「 森 林 伐 採 が 生 態 系 の 二 酸 化 炭 素 収 支 に 与 え る 影 響 に つ い て 」

3

章 「 温 暖 化 が 森 林 土 壌 か ら の 二 酸 化 炭 素 放 出 に 与 え る 影 響 に つ い て 」

4

章 暖d瞑変動が森林の落葉・落 枝量に与える影響につしゝて 」

5

章 晞忿合討論」

  

申 請者は、1章において申請論文の構成とそれらのっながりについて、丁寧な説明を行っ た。

2

章の森林伐採が生態系の二酸化炭素収支に与える影響について、微気象長期観測デ一 夕を 解析することにより定量的に明らかにした。重要な結論としては、「北海道北部の針広 混交 林における森林伐採は、二酸化炭素の吸収源である森林を、大量の放出源へと変化させ るこ と」、また「一旦二酸化炭素の放出源となった森林が再度吸収源へとなるために7年を 要し たこと」、倣出源であった 期間に放出した二酸化炭素の総量を、その生態系自身が回 収す るためには、今後さらに8一

34

年必用となること」であ った。この章において、伐採 後 に 、 主 に 土 壌 が 二 酸 化 炭 素 の 大 き な 放 出 源 と な る こ と も 明 ら か に し た 。

  3

章では、温暖化がおこる場合、土壌炭素が十分に蓄積されている森林において、どの程 度二 酸化炭素の放出カ活発となるかについて、5年間の実験的観測により明らかにした。こ の章 の重要な結論は、「土壌に有機物が豊富に蓄積されている森林において、地温を3℃上 昇さ せた場合、土壌の微生物による有機物の分解および二酸化炭素の放出量が、対象区より も平 均80%増加すること」、「

5

年の実験期間において、こ の増加率に減少傾向は認めら れな いこと」であった。3章の結果より、土壌に有機物が豊富に蓄積している森林では、温

―110ー

(4)

暖 化 環 境 下で 、より 多くの 二酸化 炭素の 放出 カ瀧醉 売して おきる こと を明ら かにし た一方 で、

次 の 疑 問 を 設定 し た 。 「 気 温の 上 昇 に よ り、 土 壌 か らは 多くの 二酸 化炭素 を放出 するが 、土 壌 へ の 炭 素 の蓄 瞶 速 度 も 気 温上 昇 に よ り 増加 す る 場 合は 土壌の 炭素 収支は 変化し ない可 能性 も 残 さ れ て いる 。 土 壌 へ の 炭素 蓄 積 の 主 な経 路 で あ る落 葉・落 枝量 は気候 変動に どのよ うに 応 答 す る の か」 。

  こ の 疑 問 を 明 ら か に す る た め に 、4章 に お い て16年 に およ ぶ 森 林 の 落 葉・ 落 枝 量 の 変動 デ ー タ と 様 々な 環 境 要 因 と の相 関 を 解 析 し、 年 間 の 落葉 ・落枝 量に 与える 環境要 因につ いて 考 察 を 行 っ た。 そ の 結 果 、 針広 混 交 林 に おい て は 、 春先 の日射 量の み、そ の年の 落葉・ 落枝 量 を 増 加 さ せる 効 果 が 認 め られ た が 、 気 温や 降 水 量 を含 む他の 環境 要因の 変動と その年 の落 葉 ・ 落 枝 量 との 間 に 相 関 は 認め ら れ な か った 。 こ の こと から、 気温 上昇に よる落 葉・落 枝量 の 増 加 が 、 土 壌 炭 素 の 減少 を 抑 制 す る効 果 は 期 待 でき な い こ と を考 察 し た 。2―4章 の 結 果 と 考 察 よ り 、最 終 章 に お い て、 森 林 伐 採 に伴 い 予 測 され る土壌 炭素 の減少 は、気 温上昇 が伴 う 場 合 、 その 減少傾 向を促 進させ る可能 性が 高いこ と、ま たこの 減少 を抑制 する効 果とし て、

温 暖 化 環 境 下に お け る 落 葉 ・落 枝 量 の 増 加は 見 込 め ない ことを 考察 した。 以上の 公開発 表の 後 、 論 文 内 容に 関 す る 質 問 ・意 見 カ 済 せ られ 、 こ れ らの 質問・ 意見 に対し て学位 申請者 は概 ね 適 切 な 説 明を 行 っ た 。

  以 上 の とお り 、 申 請 者は 人 為 起 源 の撹 乱 が 北 海 道 北部の 混交 林の炭 素循環 に及ぼ す影 響つ い て 、 長 期 観測 ・ 実 験 デ ー タに 基 づ い て 定量 的 な 評 価を 行い、 多く の新た な知見 を得た 。こ れ ら の 知 見 は、 今 後 の 北 方 林の 炭 素 管 理 に貢 献 す る とこ ろ大な るも のがあ る。よ って、 申請 者 は 博 士 ( 環 境 科 学 ) の 学 位 を 受 け る の に 充 分 な 資 格 を 有 す る も の と 判 定 し た 。

ー111−

参照

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