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日本糖尿病学会誌第57巻臨時増刊号

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II−P−1

強化インスリン療法における,グラルギンおよびデテミル からデグルデクへの切り替え効果の検討 川崎 元樹1,永田 友香1,平澤 麗子1,西谷 里枝1,黒澤由貴子1,佐藤 文紀1 櫻田 麻耶1,西田 賢司1,辻野 元祥1,小川 佳宏2 東京都立多摩総合医療センター内分泌代謝内科1,東京医科歯科大学大学院分子内分泌代謝学(糖尿 病・内分泌・代謝内科)2 【目的】 強化インスリン療法において,既存の持効型製剤をデグルデグへ切り替えた際の臨床効 果を検討する 【対象と方法】 2013年4月から11月の間に,持効型インスリンを,グラルギンまたはデテミルの1日1回な いし2回投与から,デグルデグの1日1回投与に切り替えた糖尿病患者30例を対象とした.

HbA1c,BMI,Diabetes Therapy Related QOL(以下DTR"QOL)について検討した.

【結果】 患者背景は,1型糖尿病17例,2型糖尿病13例,男性13例,女性17例,年齢57.7±15歳,罹 病期間15.2±11.2年であった. 切り替え3ヵ月後のHbA1cは有意に改善した(7.75±0.47%→7.45±0.54%,P=0.04).BMI は有意な変化を認めず,DTR"QOLの総Scoreは改善する傾向が見られた. 【結論】 デグルデグは既存の持効型製剤からの切り替えで,体重増加を来たさず,QOLを損なう ことなく3ヵ月後のHbA1cを有意に改善した.[HbA1c:NGSP値]

II−P−2

グラルギン使用糖尿病患者におけるデグルデクへの切り替 え効果の検討 澤田 瑞穂1,浅川 雅博1,秋久 桃子1,丹羽 有紗1,三宅 敦子1 堀内 敏行2,川村 光信1 東京逓信病院内分泌・代謝内科1,東京都心身障害者福祉センター2 【目的】グラルギン(G)からデグルデク(Deg)へ切り替え,有用性を検 討.【対象】外来でG使用中の糖尿病患者(DM)44例(男性24例,女性20 例;1型DM 19例,2型DM 25例.)【結果】導入時平均HbA1cは(8.3±1.6)% で,導入後再診2回目(8.1±1.2)(p=0.029),3回目(8.2±1.1)(p=0.049), 4回目(8.2±1.1)(p=0.037)と,2回目以降僅かだがHbA1cは有意に低下 し,低血糖頻度は減少.Deg量は4回目の受診時平均2単位増加.【考察】入 院患者でGからDeg同量での切り替え症例でCGMを施行したところ,低血 糖のなく,変動幅の小さいコントロールを確認.GからDegへの切り替えは 低血糖の危険が少なく外来でも比較的容易と思われた.病型別では,1型で 有意な改善をみたが,症例数を増やし更に検討が必要と考えられた.【結語】 基礎インスリンをGからDegへと切り替えることで,より安全な血糖コント ロールが可能となることが期待される.[HbA1c:NGSP値]

II−P−3

当院におけるインスリンデグルデク導入前後でのインスリ ン必要量,血糖コントロールおよび血糖日差変動に関する 検討 大和 梓,西村 明洋,安田大二郎,長澤 薫,大久保 実, 保道 虎の門病院 【目的】1型糖尿病患者におけるインスリンデグルデク(IDeg)の効果,早朝 空腹時血糖の日差変動に及ぼす影響を明らかにする.【方法】2013年3月から 同10月までにIDegを導入した1型糖尿病患者20例.IDeg導入前後のHbA1c, インスリン必要量,注射回数,1ヶ月間の早朝空腹時血糖,標準偏差を比較 した.【結果】HbA1cは前8.9±1.5%,後8.7±1.3%(p=0.21)で有意差はな くBasal総量は前0.20±0.068U!kg,後0.17±0.093U!kg(p<0.05),自己注射 回数は前4.5±0.76回,後4.0±0.32回(p<0.05)と有意に減少した.1ヶ月間 の早朝空腹時血糖の平均値(n=15)は前166.5±56.0mg!dl,後149.8±67.2mg! dl(p=0.33),標準偏差は前49.9±26.8,後44.12±21.9(p=0.34),低血糖回 数は前1.0±1.77回,後1.2±2.24回(p=0.67)で有意差はなかった.【結語】IDeg 導入でbasal総量と注射回数は有意に減少し,低血糖回数,早朝空腹時血糖, 日差変動に有意な減少効果はなかった.[HbA1c:NGSP値]

II−P−4

基礎インスリンをデグルデクへ変更後の血糖コントロール の変化の検討 二村 育実,高巣 京子,白石 千春,黒木 幸恵,今畠 百美, 田村あゆみ,北原 詩子,南 昌江 南昌江内科クリニック 目的 基礎インスリンをデグルデク(DEG)に変更し,血糖値やインスリン 量の変化を24週間検討. 対象 糖尿病患者21例(1型19例,2型2例,男性3例,女性18例,49.6歳,HbA 1c 7.38%). 方法 基礎インスリン1日1"2回打から,DEG1日1回打に変更.血糖値に応じ てDEGおよび追加インスリン量を増減. 結果 HbA1cは8週後に有意に低下後上昇し,24週後は変更前と同等.基礎, 総インスリン量は4週後有意に減少,24週間後まで変化無し.追加インスリ ンは変更後16週に有意に減少.その後変化なし.体重は,8週後に有意に増 加後変化なし.血糖値の変動と自覚性低血糖が減少.低血糖はDEG注射後12 時間後が最多. 結論 DEGへの変更後,血糖値の悪化なくインスリン量,低血糖症状および 血糖値変動の減少あり.以上よりDEGは理想的な基礎インスリンと考えた.

II−P−5

新規持効型インスリン;デグルテクの効果と特徴 豊永 雅恵1,泊 秀史1,伊藤可央里1,溝上 哲也1,佐藤 雄一1 布井 清秀1,中村 宇大2,北園 孝成2 聖マリア病院糖尿病内分泌内科1,九州大学大学院病態機能内科学2 【目的】デグルデクの治療効果について検討した.【対象】1型糖尿病で追加 インスリン頻回注射+持効型インスリン1日1回注射(A群3名),2回注射(B 群4名),2型糖尿で頻回注射+持効型インスリン(C群3名),BOT導入例(D 群2名).【方法】上記4群をデグルデクに変更し,高血糖!低血糖の頻度,1 日血糖変動,標準偏差(SD),CGMの変化について検討した.【結果】①3 ヶ月間でHbA1c 8.1±0.8%から7.9±1.0%へ0.2%有意に改善.②夜間の,特 にBG<50mg!dlの低血糖が減少.③昼・夕前の高血糖が減少.A群は1日血 糖変動やSDが改善,B群は一部のSD改善,C群は一部SD改善傾向,D群は 食前血糖低下も食後血糖は不変,であった.他,dawnやシックデイ時の高 血糖が顕在化する可能性が示唆された.【考察】安定した基礎インスリンの 補充により,畳型の平坦な血糖コントロールが達成でき,血糖変動が減少 しQOLを向上できると考えられた.[HbA1c:NGSP値]

II−P−6

血糖コントロールにおけるインスリンデグルデクへの切り 替えの臨床効果の検討 山内 一郎,新谷 光世,松本 義弘,満田佳名子,保田 紀子, 吉田有希子,中野 厚生,田中早津紀,前田 康司,西村 治男 大阪府済生会中津病院糖尿病内分泌内科 【目的】インスリンデグルデク(Deg)切り替えが有効な症例の特徴を検討 する.【方法】当科にて既存の基礎インスリンからDegへ切り替えた49例を 後ろ向きに解析した.【結果】中央値(四分位範囲)で記載.患者背景:年 齢56歳(31"81),BMI24.3(19.0"29.5),罹病期間12年(0"24),HbA1c8.7% (6.4"11.0).HbA1cは切替前8.7%→1ヶ月後8.7%→2ヶ月後8.5%→3ヶ月後 8.3%(p=0.19)と低下傾向だが有意差なし.基礎インスリン単位数は,切 替前12単位→Deg切替時10単位(p<0.01)→3ヶ月後12単位(p=0.08)と 変化していた.ロジスティック回帰分析を行い,切替前のHbA1c高値例, BMI低値例で,HbA1cが低下しやすい傾向であった.【総括】Deg切り替え の有効性および有効な症例について,上記の傾向が示唆された.しかし, 有意差には至らず,今後も症例の蓄積を行う予定である. [HbA1c:NGSP値]

II−P−7

1型糖尿病患者へのインスリン デグルデク変更後の血糖 変動 葛葉 守1,久嶋真紀子1,野口 景子1,中野 玲子1,萬田 直紀2 萬田記念病院薬局1,萬田記念病院内科2 【目的】1型糖尿病患者の基礎インスリンをインスリン デグルデクへ変更 後の血糖コントロールなどへの影響ついて評価を行った. 【方法】インスリン デグルデクへ変更となった強化インスリン療法中の1 型糖尿病患者12名について,変更後のHbA1cや,自己血糖測定(SMBG) 値などを用いて血糖コントロールへの影響について評価を行った. 【結果・考察】基礎インスリン投与量は変更前12.3単位より変更時,10.4単 位と減量され経過していた.HbA1cに大きな変動は見られていない.SMBG 測定値は,各月の就寝前血糖値の比較ではインスリン変更前後で違いは見 られていない.しかし,朝食前血糖値では平均値に大きな違いはないが, 標準偏差の平均値は変更前1ヶ月間値と比較して,3ヶ月後には減少傾向と なっており,インスリン デグルデクへ変更に伴い夜間の血糖値推移の変 動が小さくなっている可能性が考えられた.

II−P−8

Insulin degludec!insulin aspart has distinct prandial and basal glucose"lowering effect at steady state in T1DM patients Yoshitada Kimura1 ,Tim Heise2 ,Leszek Nosek3 ,Suresh Chenji4 ,Hanne Ha-ahr5 ,Oliver Klein6

Novo Nordisk Pharma Ltd.1,Profil, Science & Administration2,Profil, Clinical Operations3 Novo Nordisk Service GSC India4,Novo Nordisk A!S5

,Profil6

Insulin degludec!insulin aspart(IDegAsp)is a soluble combination of 70% IDeg and 30% IAsp, providing ultra"long"acting basal coverage and a prandial insulin bolus in a single injection. This trial investigated the PD properties of IDegAsp at steady state in subjects with T1D. This was a single"centre, multiple"dose trial. Twenty two subjects received IDeg once daily(0.42 U!kg)for 5 days(with sepa-rate bolus IAsp)to achieve steady state of the basal component. A 30"h euglycae-mic clamp procedure(glucose target 100 mg!dL)was performed on Day 6, follow-ing a sfollow-ingle dose of IDegAsp 0.6 U!kg(0.42U!kg IDeg and 0.18U!kg IAsp).The median time to maximum glucose"lowering effect of IDegAsp was 2.5 h. In all sub-jects the duration of action extended beyond 30 h(end of observation period).At steady state, the glucose"lowering effect of IDegAsp in subjects with T1D showed a distinct peak action due to IAsp, and a separate and stable basal action from IDeg sustained for>30 h.[HbA1c:NGSP値]

(2)

II−P−9

持効型溶解インスリン デグルデグの効果 加藤 純子,西 重夫 大阪府済生会茨木病院内科(糖尿病・内分泌) デグルデクの効果を3ヶ月の経過を観察しえた30例(1型糖尿病7例を含む) につき検討した.男:女比 13:17例,平均年齢60.9+"18.0(18"86)歳. 1型糖尿病(T1)以外の23例の前治療は,インスリン(I)単独治療が43.5%. 1例のI naive以外全例が強化療法(Int)を施行.導入前のI使用量は25.4+" 10.6単位. 追加I!基礎I(Ba)比は,2.06+"0.92.3ヶ月後3例はI中止,4例がBOTに変 更.HbA1cは有意に改善し(p<0.05)(Wilcoxonの検定),24例でグリコア ルブミン(GA)を施行し有意な改善がみられた(p<0.05).GA!HbA1c比 は,有意差を認めなかった.T1のみでは有意差がなく,2型糖尿病(T2) で有意差を認めた.T1は施注時間の変更,低血糖の増加なく単位の増量, Ba2回施注を1回で可能となり,T2は,血糖の改善,Iの減量,IntからBOT, 内服へ変更の契機になりえて,低血糖の増加もなくQOL向上につながった. [HbA1c:NGSP値]

II−P−10

デグルデクの効果と使用感についての検討 中野 美幸1,神田 和子1,御幡 祐美1,佐藤 真弓1,筒井 久美1 衛藤 雅昭2,瀧上 3,斉藤美恵子3 医療法人新生会高田中央病院看護部1,奥羽大学薬学部!附属病院内科2,高田中央病 院内科3 目的 デグルデクの効果と使用感について検討した. 対象と方法 インスリン以外に糖尿病薬を用いていない患者で,アスパル トとデテミルの4回注射を行い,デテミルは夕食前注射の患者を対象とし た.対象数は34名.平均年齢 66±2才.デテミルからデグルデクへの変更 後10ヶ月のHbA1c,空腹時血糖,食後血糖について調査し,デグルデクの 使用感については聴き取り調査した. 結果 HbA1cは,7.0%から6.6%に有意に低下.空腹時血糖は144から113mg! dlへと有意に低下,低下率は"19.7%.食後血糖は191から133mg!dlに有意 に低下,低下率は"26.3%.使用感は,夜間の低血糖がなく安心.血糖低下 作用が強い.持ちやすい.皮下へ入る時の抵抗感が少ない.体が軽くなっ た.夜中の低血糖がなく安心して熟睡できる.朝前血糖が良好である. 結論 デグルデクは安心感と血糖の安定化をもたらす効果的なインスリン である.[HbA1c:NGSP値]

II−P−11

当院におけるインスリンデグルデクの使用経験 大森 一生,小澤 栄稔,出口 有近,岡田 拓也,津川真美子 市立池田病院内分泌代謝科 【目的】従来の長時間作用型インスリンからデグルデク(Deg)への切り替 えの効果を検討した.【対象・方法】当院通院中の糖尿病患者で長時間作用 型インスリンからDegへの切り替えを行った14例(年齢54.1±15.1歳,男: 女=6:8,BMI 22.5±3.59,罹病期間13.4±8.12年,HbA1c 8.84±1.60%,1 型8例,2型5例,膵性1例)を対象とし,変更後3か月間でのHbA1c,インス リン使用量の変化を検討した.【結果】変更前の基礎インスリンと変更3か 月でのDegの使用量の比較にでは有意に減量された(12.5±4.8 vs 10.1± 4.08,p<0.05).HbA1cは変更後3か月間で有意な改善を認めた(8.84±1.6vs 7.86±0.87,p<0.05).【考察】他の長時間作用型からDegへの基礎インスリ ンの変更で,投与量の減量を行いながら,HbA1cの有意な改善が得られた. [HbA1c:NGSP値]

II−P−12

インスリン自己注射困難症例におけるインスリンデグルデ ク週3回投与の有用性 柴田 大河,加藤 誠,板野 裕也,榎本 康宏,三浦絵美梨, 永田 高信,藤谷 淳,大橋 徳巳,傍島 裕司 大垣市民病院糖尿病・腎臓内科 血糖コントロール不良の認知症合併2型糖尿病患者2例で,インスリンデグル デク週3回投与(IDeg 3TW)を試みた. 【症例1】80歳男性,認知症合併2型糖尿病,HbA1c12.8%,グルカゴン負荷ΔCPR 1.3ng!ml,CPI0.59.IDeg 3TW朝食後14単位投与で注射翌朝空腹時が低値113± 14mg!dlとなる傾向があった.血糖は195±54,101∼363mg!dlにコントロー ルされた. 【症例2】80歳男性,認知症合併2型糖尿病,HbA1c12.5%. IDeg 3TW朝食後14単位投与で注射翌朝空腹時が低値86±8mg!dlとなる傾向 があった.HbA1c8%台でコントロールされている. 【総括】インスリン自己注射困難症例において,IDeg 3TWで急性合併症予防 に十分な血糖コントロールが実現でき,新たな治療オプションとして有用性 が確認できた.IDeg 3TWの場合,投与翌日の空腹時血糖が低値傾向となる ことを考慮してインスリン量を決定するのが妥当と考えられた. [HbA1c:NGSP値]

II−P−13

強化インスリン療法における超速効型インスリングルリジ ンの有用性の検討 内田 大学1 ,中村 晋1 ,吉田 知彦2 ,鈴木佐和子2 ,龍野 一郎3 ほたるのセントラル内科1 ,千葉大学大学院医学研究院細胞治療学2 ,東邦大学医療セン ター佐倉病院糖尿病・内分泌・代謝センター3 【対象・方法】 アスパルト・リスプロを,同単位のグルリジンに治療変更し12週間経過観察 を行う.その後用量調整し,20週間後の有用性,安全性を検討する. 【結果】 HbA1cは7.1±0.2%から,8週後7.1±0.2%と治療変更8週後において血糖の改 善は認められなかったが,改善群(平均HbA1c8.1±1.5%)は試験開始時のHbA 1cが全症例7%以上であり,悪化群(平均HbA1c6.5±0.2%)は全症例7%未満 であった.SMBGにて70mg!dLを低血糖とした場合,発現率11.9%から,8.2% と低下が認められた. 【まとめ】 グルリジンへの治療変更は,より質の高い血糖コントロールが可能になると 考えられる.またコントロール不十分な症例においては,血糖の改善効果が 期待出来る.今後用量調整を行い,20週間後の有用性,安全性を再考してい きたい.[HbA1c:NGSP値]

II−P−14

強化インスリン療法施行例に対するインスリングルリジン 投与の有用性 中村 祐太1,方波見卓行1,佐々木要輔1,天神 歩美1,橋本瑛理子2 松原 史明2,石井 1,太田 明雄2,田中 2 聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院代謝・内分泌内科1,聖マリアンナ医科大学代 謝・内分泌内科2 【背景】グルリジン(Glu)は他剤に比し速やかな血糖(PG)降下作用を示 し,食後高血糖是正と低血糖減少が期待.強化インスリン療法(IIT)例で のGluの有効性を検討.【方法】対象はリスプロ,アスパルトでIIT中だが, PGコントロール不良または低血糖を比較的高頻度に認める1型糖尿病(T1 DM)20名とPGコントロール不良の2型糖尿病(T2DM)5名.追加インス リンをGluに変更した後のHbA1c,1.5AG,基礎・追加インスリン投与量, 低血糖頻度,体重を解析.【結果】T1DMではHbA1cは有意に低下(7.8±0.3 →7.3±0.3%)し,基礎インスリン投与量は増加(12.5±1.8→15.7±2.0u!日). T2DMではHbA1c低下(8.7±0.3→7.7±0.3%)と1.5AG上昇(3.4±1.2→5.2± 1.3μg!ml)が得られ,基礎・追加インスリン量に変化なし.体重・低血糖 頻度に差はなし.【結語】IIT施行例でのGluへの変更はPGコントロールを 改善させる可能性がある.[HbA1c:NGSP値]

II−P−15

強化インスリン療法におけるインスリングルリジンの有用 性および安全性 中丸 和彦,海光 由紀,瀬口 正志 大分県立病院内分泌・代謝内科 【目的】インスリングルリジン(以下グルリジン)の有用性および安全性を 検討する.【対象・方法】当科通院中の糖尿病患者にグルリジンを投与し, 投与前後でのHbA1cの変化,グルリジン投与量,重症低血糖の発現,体重 の変化を検討した.【結果】新規グルリジン投与群では,投与前HbA1c11.1% →3ヵ月後7.1%へ有意に低下した.インスリンアスパルト・インスリンリス プロからグルリジンに切り替えた群では,投与前HbA1c8.5%→3ヵ月後8.2% へ有意に低下した.切り替え群において,投与前追加インスリン量32.1単位! 日→3ヵ月後グルリジン投与量31.8単位!日と,有意な変化は認めなかった. 重症低血糖は全症例において認めなかった.体重は投与前後で有意な変化 は認めなかった.【結語】グルリジンは新規投与,切り替え投与において, 重症低血糖をおこすことなく,血糖コントロールを改善する. [HbA1c:NGSP値]

II−P−16

強化インスリン療法実施中の2型糖尿病67例を,追加イン スリンをグルリジンへ変更し,6ヶ月以上経過を観察した 経験 岩本 正博1,杉元 由佳1,篠原 尚典1,松原 修司2 岩本内科医院1,香川大学医学部附属病院卒後臨床研修センター2 【目的】強化インスリン療法中の2型糖尿病でグルリジンに変更による血糖 管理の長期間の有用性を検討した.【対象・方法】外来通院中で血糖管理が 不良な強化インスリン療法中の2型糖尿病患者(67人)を対象に,追加イン スリンをグルリジンに変更.【結果】全体HbA1cは8.27±0.9%から,6か月 後7.58±0.7%に有意な改善を認めた.治療前追加インスリン24.1±8.5単位, 6か月後24.8±8.2単位,基礎インスリン21.0±9.1単位,6か月後21.6±9単位 とインスリン投与量は有意な変化は認めず.また,有意な体重変化,重篤 な低血糖も確認めず.自己記入式質問調査の結果,切り替え後の患者治療 意欲は70%上昇した.【結語】強化インスリン療法における追加インスリン として,グルリジンの長期間の有用性が確認された.[HbA1c:NGSP値]

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II−P−17

強化インスリン療法におけるインスリングルリジンへの切 り替えの有用性と糖尿病治療満足度質問調査での検討 原田友美子1 ,八木 智子2 ,山本 渉3 ,横山 珠己4 ,小見山百恵5 江尻 純子1 ,松木 道裕1 医療法人和香会倉敷スイートホスピタル内科1,医療法人和香会倉敷スイートホスピタ ル看護部2 ,医療法人和香会倉敷スイートホスピタル診療情報管理室3 ,医療法人和香会 倉敷スイートホスピタル臨床検査室4 ,医療法人和香会倉敷スイートホスピタル栄養管 理科5 【目的】強化インスリン療法をおこなっている患者に追加インスリンをグルリ ジンへ切り替えることにより,その有効性と安全性,患者の治療満足度を検証 した.【対象・方法】対象は当院の外来通院中の糖尿病患者10名.追加インス リンを同単位のグルリジンに変更し,治療変更前と12週後,24週後に体重, BMI,血圧,HbA1c,脂質,インスリン投与量を評価した.さらに,変更前後 の患者満足度も評価した.【結果】体重やBMIは増加傾向にあり,HbA1cは有 意ではないが改善を認めた.インスリン投与量や血圧,脂質は変化は認められ なかった.糖尿病治療満足度質問調査では切り替えにより,治療満足度の向上, 特に低血糖の軽減と捕食回数の減少を認めた.【結語】グラルギンはインスリ ン量を増やすことなく,HbA1cの改善傾向,低血糖や捕食回数の減少傾向を認 め,患者満足度も向上させることが示唆された.[HbA1c:NGSP値]

II−P−18

強化インスリン療法におけるグルリジンの有用性の検討 齋藤 暁美1,石丸 安明2,関東 裕美3,大嶋由加里4,中村 尚弘4 木村 香織4,佐藤富美子4,齊藤 智之2,片山 茂裕5 医療法人安和会石丸安世記念熊谷ディアベテスクリニック糖尿病内科1,医療法人安 和会石丸安世記念熊谷ディアベテスクリニック内科2,東邦大学医療センター大森病 院皮膚科3,医療法人安和会石丸安世記念熊谷ディアベテスクリニック4,埼玉医科大 学病院内分泌・糖尿病内科5 【対象・方法】 強化インスリン療法中でHbA1cが6.9から10.5%の49例. 【結果】 HbA1cは8.2±0.2%から,7.9±0.2%(P<0.01),1型8.7±0.3%から,8.3±0.3% (P<0.01),2型7.8±0.3%から,7.6±0.3%(P=0.07)と改善が認められた. 食後1時間値172.9±8.7mg!dLから160.7±9.6mg!dL(P=0.28),食後2時間 値179.6±11.3mg!dLから157.5±12.1mg!dL(P=0.08),食後3時間値148.1± 13.8mg!dLから157.4±20.0mg!dL(P=0.69)と,食後1,2時間値を低下さ せる傾向があった. 【まとめ】以上の結果はグルリジンの皮下投与後速やかに吸収,消失すると いう作用動態が反映したものと考えられる.[HbA1c:NGSP値]

II−P−19

50Mix3回注射法にて血糖コントロール不良な患者におけ るBasal 2 Bolusの有用性,安全性の検討 森下 尚明 広島医療生協広島共立病院糖尿病内科 【目的】アスパルト50Mix3回注射法で血糖コントロール不良な2型糖尿病患 者25例をグルリジン(Glu)朝夕2回とグラルギン(Gla)1日1回(Basal 2 Bo-lus)に変更し有用性と安全性の検討を行った.【方法】切り替え用量につ いてGlaはHbA1cに応じて混合製剤のNPH成分1日総量の80%∼100%,Glu は超速効成分割合と同単位で切り替え20週追跡調査を行った.【結果】全体 のHbA1cは8.18±0.22%から7.67±0.23%まで有意な改善が認められた.(P< 0.001)また空腹時血糖値は有意な改善,食後1時間値も改善傾向が認められ た.切り替え前の混合製剤は32.0±2.3単位,切り替え20週後はGla 15.0±1.3 単位,Gluが14.0±1.4単位であった.試験期間中,重症低血糖は1例も認め られなかった.【結語】Basal 2 Bolusは,50Mix3回注射法でコントロール 不良の際の次の一手として,有効な方法であることが示唆された. [HbA1c:NGSP値]

II−P−20

混合型インスリン2回注射法からグラルギン・グルリジン によるB2B療法への治療変更の検討 綾目 秀夫 あやめ内科 【目的】混合製剤で12週間以上治療を行っている2型糖尿病患者16例をグラ ルギン(Gla)1日1回とグルリジン(Glu)朝夕2回(Basal 2 Bolus)に変更 し追跡調査を行った. 【方法】Glaは混合製剤の基礎成分1日総量の80%,Gluは追加成分と同単位 で切り替えた.【結果】全体のHbA1cは8.28±1.15%から20週後7.45±1.16% まで有意に改善した. (P<0.001).また空腹時血糖値,食後1時間血糖値いずれも改善傾向が認め られた.治療変更前のインスリン総投与量は34.3±15.8単位,変更20週後は Gla23.1±10.9単位,Glu15.8±7.8単位であった.低血糖は変更前0.75回!患者・ 月から変更後0.19回!患者・月に改善した. 【考察】Basal 2 Bolus療法は,患者自身が基礎"追加それぞれのインスリン 補充の役割を理解し治療に前向きに取り組むことが可能であり,有用な治 療法であることが示唆された.[HbA1c:NGSP値]

II−P−21

混合型インスリン製剤からB2B(Basal2Bolus)への切替 における有効性・安全性の検討 木村 了介,安藤 豪将,松木 理恵,安井才知衣 名古屋市立西部医療センター内分泌・糖尿病内科 【目的】混合型インスリン30R・30Mix・Mix25(以下Mix)からB2Bへの切 替における治療効果を検討した.【対象】Mix2回法を8週間以上行っている HbA1c6.5%以上10.0%未満の2型糖尿病患者12例.【方法】Mix2回法をグラ ルギン朝か夕,グルリジン1日2回朝,夕に切替を行った.用量はMixのNPH 量の8割をグラルギンに,Mixの追加インスリン量と同単位をグルリジンに 治療変更し,24週間経過観察を行った.同時に切替前後において,低血糖 症状の頻度等の聞き取り調査を実施した.【結果】MixからB2B療法に変更 後にHbA1cが7.41±0.87%へ有意に改善(p≦0.05)し,HbA1c7.0%未満達 成率は6人(50%)であった.体重は"0.2kgと増加を認めなかった.症候性 低血糖1.6±1.8件,重症低血糖は1.3±1.7件と有意差はなかった.【総括】混 合型インスリンからB2Bへの切替は有効かつ安全な選択肢と考えられた. [HbA1c:NGSP値]

II−P−22

50%混合型インスリンアナログの3回注射からBasal+2 bolus療法への変更の効果 阿部眞理子,伊藤 裕之,尾本 貴志,篠崎 正浩,西尾 真也, 安徳 進一,三舩 瑞夫,当金美智子 江戸川病院内科(糖尿病・代謝・腎臓内科) 50%混合型インスリンアナログ(50MIX)の1日3回注射を行っている2型糖 尿病患者27例を対象に,持効型インスリン1回と,朝夕食前の超速効型イン スリン2回のbasal+2 bolus療法(B2B)への変更による効果を検討した.B 2Bでは総インスリンの50%をグラルギン,50%をグルリジン(朝,夕に分 割)とし,16週間の経過を観察した.治療満足度の評価にはアンケート調 査(DTSQ)を用いた.【結果】HbA1cは8.3%から8.2%へと有意な変化を 示さず,治療変更時よりHbA1cが低下した症例は9例であった.DTSQの治 療満足度を示す6項目の変化量は,HbA1cの改善度と相関していた.【結論】 50MIX治療患者の1!3で,B2Bへの変更後にHbA1cが改善した.生活スタイ ルに応じて50MIXとB2Bを使い分けることが重要と思われる. [HbA1c:NGSP値]

II−P−23

混合型インスリン2回注射より超速効型2回,持効型イン スリン1回注射(Basal 2 Bolus)への切り替えの有効性に ついて 竹本 育聖,長谷川貴久,森上 善史,松田 寿久,佐藤 信行 社会保険蒲田総合病院内科 方法:HbA1c7%(NGSP値)以上の2型糖尿病13例に対し,混合型インス リン2回注射から超速効型2回,持効型インスリン1回注射(Basal 2 Bolus) にインスリン総量を変更せず切り替え,血糖値・HbA1cの変化を比較検討 した. なお,原則として,混合型インスリン総量を2等分し,それぞれを超速効型・ 持効型インスリンに振り分け,以後3か月間インスリン量は変更しなかっ た.

結果:Basal 2 Bolus変更前HbA1c7.21±0.48,Basal 2 Bolus変更3か月後HbA 1c6.75±0.28と有意に改善した.(p<0.01)その間低血糖回数の増加はなかっ た.さらに,一部の症例でCGMを施行したところ,1日を通じて著明な改 善が見られた. 結語:Basal 2 Bolus療法は有効な治療法である.[HbA1c:NGSP値]

II−P−24

ヒューマログミックス50製剤 3回投与法の長期連用性の 評価について 田中 秀樹,岡田 千穂,大村 和規,青木 絵麻,平嶋 勇士, 牛腸 直樹,鈴木奈津子,大森 安恵 海老名総合病院糖尿病センター 【目的】ヒューマログミックス50製剤(Mix50)1日3回投与法の長期有用性の 検討 【対象・方法】治療困難な2型糖尿病患者14症例にMix50 3回投与法を導入し, その9年間連用している7例(男性5人,女性2人),平均年齢64才を対象に経時 的なHbA1c(NGSP),体重,インスリン使用量などの臨床データの推移を検 討した. 【成績】導入時平均HbA1c(NGSP)は10.8%,翌年には7.3%(p<0.05)とな り投与開始9年後の現在もHbA1c(NGSP)7.7%を維持していた.導入時のイ ンスリン投与量は18.8単位!日.現在28.6単位!日に増加しているものの統計学 的有意差はなく,体重増は見られていない.また,顕性腎症,増殖性網膜症 への進展,心血管合併症の出現もなく,中等度以上の低血糖も見られない. 【結語】Mix50製剤1日3回投与法は,長期にわたり安定した血糖コントロール が可能であり,合併症の予防に貢献できることを認めた. [HbA1c:NGSP値]

(4)

II−P−25

「トレシーバ 減らすか増すか そのままか」シミュレー ションの適応についての検討 中島 芳樹 なかじま糖尿病内科 超持効型インスリンDegludec(トレシーバ),安定した基礎インスリンの補 充が期待できる薬剤であるが,変更直後に思わぬ高血糖を来すことがある ため,Microsoft Excelによるシミュレーションプログラムを作成し,過去 に報告してきた.しかし,すべての患者でシミュレーション(下記【C】) が必要とは限らない. 【1】治療変更前のインスリン分泌能と【2】治療変更前後の朝食前血糖値の 変化について【A】群(減量)11例,【B】群(同量)22例,【C】群(増量) 14例の3群に分類し,今回は内因性インスリン分泌能の低下した食後CPR 2.0 ng!ml未満例について後方視的に検討を行った. シミュレーション未施行8例【A】【B】ではCPR値と朝食前血糖値の変化は 負の相関を示し,シミュレーション施行【C】群6例ではインスリン分泌能 に関係なく平均血糖値の改善傾向がみられ,その有用性が示唆された.

II−P−26

インスリンアナログ製剤により好酸球増多を来したと思わ れる緩徐進行1型糖尿病(SPIDDM)の1例 高橋 正典1,大岡 愛子1,田中 麻美1,小見理恵子1,浜野久美子2 湘南鎌倉総合病院糖尿病内分泌内科1,関東労災病院糖尿病内分泌内科2 症例は81歳,女性.73歳時に肺炎で入院した際に高血糖を指摘,内因性イ ン ス リ ン 分 泌 は 保 た れ , 抗 GAD 抗 体 陽 性 よ り 緩 徐 進 行 1 型 糖 尿 病 (SPIDDM)として当初超速効型インスリンを導入した.少量投与にもかか わらずその後度々低血糖を生じるため,持効型インスリンにαグルコシダー ゼ阻害薬を加えて加療を行った.しかし,血糖コントロール不良が続くた め,強化インスリン療法に変更したところ,この1か月後に好酸球増多症 (21859!μl)を認めた.血液疾患やアレルギーなどが原因として疑われたが いずれも関与は乏しく,一方,インスリン製剤を再度変更したところ好酸 球増多症が改善したことから,上記インスリンアナログ製剤が原因として 考えられた.原因の特定には至っていないが,貴重な症例と考えらえれる ため,文献的考察を加え報告する.

II−P−27

1型糖尿病患者においてLY2605541は定常状態でインス リングラルギンより平坦な薬力学プロファイルを示す

Linda A Morrow1,Marcus Hompesch1,Scott J Jacober2

Siak Leng Choi2,Yongming Qu2,Vikram P Sinha3

Profil Inst for Clinical Research, Inc., USA1,Eli Lilly and Company2,U.S. Food and Drug Administration3

1型糖尿病患者23例を対象とした新規の持効型インスリンアナログである LY2605541(LY)及びインスリングラルギン(GL)の8週間クロスオーバー 投与試験を実施した.試験終了時に試験前日と同量の各患者のインスリン 用量(LY:16から64 U,GL:19から60 U)を用いてグルコースクランプ 試験を実施し,グルコース注入率を比較した.1日平均血糖値はLY:138 mg! dL,GL:142 mg!dL(p=0.64)であった.総グルコース注入量の平均値 (GTOT (0"24))はLY:1.22 g!kg,GL:1.90 g!kg(p<0.01)であった.LYはGL より平坦なプロファイルを示し,より安定した血糖管理が期待される.LY はGLよりも少ないGTOT(0"24)で,同程度の血糖コントロールを示すことから, 新規の作用機序をもつ可能性がある.[HbA1c:NGSP値]

II−P−28

新規持効型インスリンLY2605541の肝臓からの糖放出及 び骨格筋への糖取り込みに及ぼす効果:生理学的シミュ レーション解析 Brian G Topp1 ,Jeanne S Geiser2 ,Danny K W Soon2 ,Tim Heise3

Mervyn Dodson Michael2,Scott J Jacober2,John M Beals2

Vikram P Sinha4

Eli Lilly and Company, USA1

,Eli Lilly and Company2

,Profil Institut fur Stoffwechsel-forschung GmbH3

,U.S. Food and Drug Administration4

LY2605541(LY)は新規のインスリンアナログであり,流体力学的分子サイ ズが大きい.そのため吸収が緩徐でクリアランスが低く,作用が長時間持続 すると考えられる.インスリングラルギン(GL)が比較的速く肝臓及び骨格 筋へ拡散する一方,LYは肝臓には速く,骨格筋へは緩徐に拡散すると考えら れ,GLでは骨格筋,LYでは肝臓が主要作用組織と予想される.肝臓への優先 的なLYの組織分布モデルを作成し第I相及び第II相試験をシミュレーションし た結果(Sims),健康成人にGL 0.8 U!kg又はLY 2.2 U!kgを単回投与後,及 び2型糖尿病患者にLY 1.0 U!kgを14日間投与後のグルコースクランプ試験で のグルコース注入率は,いずれもSimsと一致した.2型糖尿病患者にGL及びLY を12週間投与後のA1cの変化及び低血糖発現率もSimsと一致し,LYの肝臓へ の優先的な作用を支持するものであった.[HbA1c:NGSP値]

II−P−29

LY2605541はインスリングラルギンと比較して1型糖尿 病患者の食前インスリン投与量を減少し,血糖コントロー ルを改善した

Scott J Jacober1,Julio Rosenstock2,Richard M Bergenstal3

Thomas C Blevins4,Linda A Morrow5,Yongming Qu1

Eli Lilly and Company1,Dallas Diabetes and Endocrine Center2,International Diabe-tes Center3,Texas Diabetes and Endocrinology4,Profil Inst for Clinical Research, Inc5 LY2605541(LY)は新規の持効型インスリンアナログである.1型糖尿病 患者108例の試験で,LY群でインスリングラルギン(GL)群より食前イン スリン必要量の減少が示唆されたため,今回詳細に解析した.8週時の各食 前インスリン必要量はLYでGLより少なく,1日総食前投与量の最小二乗平 均の差(LY"GL)は"4.3 IUであった(p=0.005).LYの1日平均血糖値はGL より低く,LY:143.1 mg!dL,GL:151.7 mg!dLであった(p<0.001).LY の低血糖の総発現率はGLより高かったものの(30日あたりLY:9.2件,GL: 8.1件,p=0.074),夜間低血糖は有意に低かった(30日あたりLY:0.9件,GL: 1.2件,p=0.007).これは,LYの作用がより長時間持続する,及び!又は肝 臓でのグルコース産生をより抑制する可能性を示唆する.

II−P−30

インスリン新規導入時の患者背景の10年間の変遷―JDDM による全国46施設の解析― 調 進一郎1 ,平尾 紘一1 ,前田 一1 ,熊倉 淳1 ,山本 律子1 新井 桂子2,山内 幹郎1,平尾 節子1,金塚 3,川井 紘一4 小林 正5,柏木 厚典6,糖尿病データマネージメント研究会7 H.E.Cサイエンスクリニック内科1 ,あらいクリニック2 ,千葉中央メディカルセンター3 , 川井クリニック4 ,社会保険高岡病院5 ,滋賀医科大学附属病院6 ,糖尿病データマネジメン ト研究会7 【目的】最近10年間のインスリン新規導入2型糖尿病患者の患者背景等の変化を 検討した.【方法】日本データマネージメント研究会(JDDM)の46施設から2003, 2006,2009,2012年にインスリン新規導入2型糖尿病患者を抽出.患者背景等を 検討した.【結果】1.インスリン導入率は2003年2.2%(510!22563),2006年1.8% (630!34465),2009年2.9%(1285!43723)に対し,2012年1.0%(528!50941)と 有意に減少.2.導入時の年齢,罹病期間,HbA1c(2012年で61.1±13.8歳,11.9± 8.5年8.9±1.4%)は10年間著変なし.3.1日4回注射での導入は2012年14.2%で10 年間著変なし.1日1回注射での導入は優位に増加(2012年は61.7%).【総括】2012 年のインスリン導入率は激減した.DPP"4阻害剤の普及が改善例の増加が主因 と考えられた.BOTの増加と共に患者負担は減少したが,導入時HbA1cは著変 なく,より早期に導入するべきと考えられた.[HbA1c:NGSP値]

II−P−31

当院におけるインスリン使用中の若年発症糖尿病患者につ いての検討 橋本 礼1 ,岡野 優子1 ,竹下 敦郎1 ,堀田 康広1 ,上村 明1 坂本 正子1 ,安間 太郎1 ,大西 悠紀1 ,鈴木 俊成1 ,林 豊美1 松本 和隆1 ,古田 範子1 ,赤塚 元1 ,矢野 裕1 ,竹井 謙之2 住田 安弘3 三重大学医学部附属病院糖尿病・内分泌内科1,三重大学医学部附属病院消化器・肝臓内 科2 ,四日市羽津医療センター3 20"40歳のインスリン療法中の糖尿病患者で,1型と2型糖尿病における血糖,合 併症,治療内容の比較を行った.対象は若年発症(1型21.6±5.6歳,2型23.8±6.8 歳)の1型糖尿病10例,2型糖尿病19例で,罹病期間,BMI,HbA1c,総Cho,LDL" C,の値を比較した.1型に比較して2型糖尿病で有意にBMI(p<0.01),HbA1c (p<0.02),LDL"C(p<0.01)が高値であった.経口血糖降下薬の併用は1型に はなく,2型は47%が使用していた.網膜症は2型6例(32%),1型1例(10%), 腎症は2型5例(26%),1型1例(10%)であった.また,HbA1cの7%未満の割 合は,1型40%で2型26%であり,10%以上は,1型0%,2型31%であった. 20"40歳でインスリンを使用している2型糖尿病患者の血糖がきわめて不良であ り,合併症の進展も認められる.今後さらなる治療の強化が必要であると考え られる.[HbA1c:NGSP値]

II−P−32

インスリン混合製剤からBasal Supported Oral Therapyへ の変更による有用性と患者満足度の検討

渡邉

土谷総合病院内分泌代謝内科

【目的】インスリン混合製剤は1日の注射回数が多く患者への負担が大きい. Basal Supported Oral Therapy(BOT)は注射回数が1回であるため患者の 負担が軽減する.混合製剤からBOTへの変更による血糖コントロール,QOL の改善効果を検討した.【方法】混合製剤をグラルギンに変更し内服薬を適 宜追加した.QOLの改善効果はDTSQスコアで評価した.【結果】12週以上 観察した15症例中13症例でHbA1cの改善を認めた.DTSQスコアは23.3から 33.9点へ改善し,特に現在の治療への満足度と継続度が顕著な改善を認め た.【結語】混合製剤は注射回数が2回以上で混和の手間もあり,患者満足 度が低いと考えられた.BOTは注射回数が1回で混和の手間もなくシンプル な治療であるため患者満足度も全項目において顕著な改善が認められたと 考えられる.今後,全症例24週間観察しその後HbA1c改善効果については 再評価を行う.[HbA1c:NGSP値]

(5)

II−P−33

1型糖尿病の運動時のインスリン調整について―CGMを利 用してみえたこと 緒方 浩美,川口 真弓,岩崎 桂子,植田裕美子 耳原総合病院内科 1型糖尿患者の運動時のインスリン減量については内分泌の枯渇の程度や合 併症,運動内容により大きく異なり,臨床現場ではきめ細かいインスリン 調整に悩むことは多い.当院通院中の1型糖尿病患者のうち,運動時の低血 糖を何度も経験しており,長時間の運動したいがためにCSII導入を希望し 運動継続している2症例(①56歳男性罹病期間37年:マラソン,②43歳女性 罹病期間26年 乗馬)につきi Pro2による血糖モニタリングおこなった.従 来,2時間以上運動持続する際,基礎注入を20―30%に減量し,30分−1時 間毎の補食の摂取で対応していたがCGM利用前後のインスリンプログラム の変化,試行錯誤について報告する.

II−P−34

持効型インスリン使用中の強化インスリン療法患者におけ る持続血糖モニター(CGM)を用いた低血糖の調査 第2 報 田中栄太郎1,豊田 雅夫1,宮武 1,木村 守次1,鈴木 大輔2 深川 雅史1 東海大学医学部腎内分泌代謝内科1 ,鈴木糖尿病内科クリニック2 【目的】昨年度,我々はCGMを用いて,夜間の低血糖について報告したが, 本年度はさらに症例を増やし,平均血糖値や標準偏差などCGMから得られる 各種パラメーターとの関係などについても検討したので報告する. 【方法】空腹時の血糖が概ね110mg!dl以下である持効型インスリン使用中の 患者にCGMを行いその結果を調査した.年齢,HbA1c,罹病期間,総インス リン量,尿中Cペプチド,CGMによる平均血糖や標準偏差等についても検討 した. 【結果】いずれの症例も空腹時の血糖は概ね110mg!dl未満であった.夜間早 朝の低血糖は少なからず存在し,その多くが無自覚性であることが確認され た. 【結論】CGMにより持効型インスリンでの緩やかな無自覚低血糖が多数確認 されたが,臨床的危険度については,今後前向きの検討が重要であると思わ れた.

II−P−35

新型ペン型インスリン注入器フレックスタッチへの変更後 の使用感のアンケート調査と検討 鈴木 彩1,吉岡 修子2,後藤 俊晃1,勝野 晋哉1,山田 哲也1,水野 尚章1 富貴原紗侑里2 ,伊藤麻里子2 ,溝口 暁2 ,杉山摩利子2 ,赤羽貴美子2 ,鷹見 繁宏1 公立陶生病院医療技術局薬剤部1 ,公立陶生病院内分泌・代謝内科2 【目的】 他のペン型インスリン注入器からフレックスタッチに変更した患者の使用感の比 較・検討 【方法】 ソロスター,ミリオペン,フレックスペンからフレックスタッチに切り替えた外来 および入院患者20名を対象にし,握りやすさ(太さ,重さ),単位表示(単位数字の 見やすさ,表示場所),注入感を中心とした全18問で『非常に良い,良い,変わらな い,悪い,非常に悪い』の5段階で,全例聞き取りにてアンケートを行った. 【結果および考察】 全体的にフレックスタッチへの変更に支持を認め継続希望は70%であった.注入圧 が小さくて押しやすいと注入感を評価する声が多い一方,数字の表示場所,注入感 そして注入ボタンが伸びなくなった点が大きく異なるため変更初期に不安を認めた 結果もあり,切り替え時には徹底した指導と注意喚起が必要である. アンケート結果を提示し各項目についての指導・対策を報告する.

II−P−36

インスリン離脱を見据えたインスリン導入法の検討 大工原裕之1,村岡都美江1,石田 俊彦2 坂出市立病院内科1,キナシ大林病院糖尿病センター2 【目的】新規未治療2型糖尿病にDPP"4阻害薬+期間限定のインスリン併用 療法の有効性,安全性を明らかにする.【方法】HbA1c8.0%以上の新規未 治療2型糖尿病48例が対象.ビルダグリプチン(V)50mg 2回!日内服にグ ルリジン(G)3∼4単位×3回!日投与開始.食後2時間血糖値160mg!dl未満 を目指してG投与量を調整.24週後にはG投与を中止し,V内服は継続.必 要に応じ少量SU薬もしくはグリニド薬併用開始.【結果】HbA1cは8.6±0.7% から24週後に6.4±0.6%に低下(p<0.001)したが,G中止12週後も6.4±0.6% を維持した.1人あたりG最大投与量は25.2±4.4単位!日.体重は2.3±0.7kg 増加.低血糖は26例にみられたが,G中止に至る重篤例なし.【総括】24週 間の超速効型インスリン1日3回投与+DPP"4阻害薬は確実な糖毒性解除に 有効な組み合わせと考えられ,期間限定したインスリン治療は受け入れが 容易であった.[HbA1c:NGSP値]

II−P−37

インスリングラルギンによるBOTにおける患者アンケート を用いた治療満足度及び自覚的健康状態の検討:ALOHA2 サブ解析 築部 尚子1,門脇 2,池田 勧夫3,小田原雅人4 サノフィ株式会社製造販売後臨床研究部1 ,東京大学大学院医学系研究科糖尿病・代謝 内科2 ,サノフィ株式会社糖尿病メディカル部3 ,東京医科大学内科学第三講座4

目的:2型糖尿病患者におけるグラルギンによるBasal Supported Oral Ther-apy(BOT)関する特定使用成績調査(ALOHA2)のデータのサブグループ解 析により,患者アンケートの結果とHbA1c値7.0%達成との関連性を検討する. 方法:有効性解析対象1,629例について,観察終了時のHbA1c値7.0%未満達成 群または非達成群における患者アンケートの結果を解析した.尚,本調査はサ ノフィ株式会社の資金により実施され同社が解析計画を策定し,他の著者は結 果の解釈を行い,共同で抄録を作成した. 結果:DTSQsのsatisfaction score,EQ"5D効用値及びEQ"VASスコアのいず れも達成群と非達成群とも治療開始後に増加し,治療前後の変化量は達成群で 有意に増加した(p<0.05). 総括:本剤の導入により治療満足度及び自覚的健康状態の改善が認められ,達 成群は非達成群に比してそれらが有意に改善することが示唆された. [HbA1c:NGSP値]

II−P−38

フレックスタッチとフレックスペンの自己注射手技に関す る比較検討 有野 徹1 ,堀井 剛史1 ,宮川 典子2 ,沖杉 真理3 ,川崎 麻紀3 ,富田 益臣3 壁谷 悠介3,香月 健志3,加藤 清恵3,及川 洋一3,武田 裕子2,清水 淳一1 島田 朗3 東京都済生会中央病院薬剤部1 ,東京都済生会中央病院臨床検査科2 ,東京都済生会中央病院内 科3 【目的】 フレックスタッチ(以下タッチ)とフレックスペン(以下ペン)の患者指導用パン フレットの内容はほぼ同じである.本研究では,パンフレットの内容について見直 してもよい点がないか検討した. 【方法】 使用感を比較するため院内のCDEJおよび看護師にアンケート調査を行った.空打 ちに必要な単位数を検討するため空打ち時の液の飛距離を比較した.逆血の起こり やすさを比較するため万年筆用インクの逆流の程度を比較した. 【結果・考察】 アンケート結果よりタッチは手が不自由な状況において,ペンより使用しやすいこ とが示唆された.タッチはペンに比べ液がよく飛ぶため空打ちの確認がしやすく, 空打ちを1単位で行うことも可能であると考えられた.また,ペンと比較してタッチ では逆血を起こしやすいことが示唆された.

II−P−39

デグルデク注フレックスタッチの使用感について―患者ア ンケート調査より― 中野 洋子1,池田 尚美1,東 聖実1,薄田 昌彦1,大瀬 裕之2 吉本 啓助2 ,福間 博和2 ,高原里永子2 ,栗岡 聡一2 (医)協仁会小松病院薬剤科1 ,(医)協仁会小松病院糖尿病センター2 【目的】デグルデク注フレックスタッチ使用中で,フレックスタッチ以外の デバイス使用経験のある外来通院患者に対し,使用感についてアンケート調 査を行った. 【方法】2013年9から11月に受診した対象35名に対し,アンケートを実施した. 【結果】対象のうち27名より回答を得た.患者背景は,年齢66±15歳(平均± SD),男性の比率40%,1型糖尿病55%!2型糖尿病45%であった.導入後1か ら6か月の使用経験があった.アンケート項目は13項目で,HbA1cはインス リン変更時8.6±0.9%,変更3カ月後8.5±0.9%であった. 【総括】 変更前後でのHbA1cに変化がないにもかかわらず,血糖コントロールがよく なったと感じている人が多かった.注射回数の減少や新しい薬で治療してい るということが治療満足度につながっていると考えられる.デバイスについ ては注入しやすい印象を受けていることがわかった.[HbA1c:NGSP値]

II−P−40

ペン型インスリン注射用注射針の使用感についての調査 奥村 朱美1 ,中村 友美1 ,白井 元子1 ,桐生 朝子1 ,松林 泰弘2 ,宗田 聡2 新潟市民病院看護部1 ,新潟市民病院内分泌代謝科2 BDマイクロファインプラス31G 5mm(紫針)と32G 4mm(緑針)を患者が使用 した際の使用感の変化を比較検討する. <方法と対象> 入院中にインスリン導入された患者10名に質問紙調査を実施.2種類の針は4回ず つ使用(前半4回紫針,後半4回緑針).穿刺時疼痛の評価はVisual Analog Scale (VAS)を使用. <結果> 各々4回ずつ使用のVAS平均値は群間で有意差なし.薬液の注入抵抗,穿刺時出血 の有無等に関しても有意差なし.紫針使用の前半4回でVAS値は注射回数を重ねる ごとに低下傾向を認めたが,緑針使用の後半4回ではこの傾向は認めず.紫針4回 目と緑針1回目のVAS値は有意差なし. <考察> VAS値に影響を与えたのは,針の太さよりも針の使用回数であると考えられ,使 用回数を重ねるごとに疼痛は軽減されることが示唆された.インスリン治療開始 初期の穿刺痛はその後徐々に緩和される可能性が高いことも療養指導上,念頭に 置くことは重要と考えられた.

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II−P−41

病棟におけるインスリン施行時の注射部位に関するアン ケート調査 稲月 幸範1,長井 一彦1,岡田 節朗2 新潟勤労者医療協会下越病院薬剤課1,新潟勤労者医療協会かえつクリニック2 【目的】インスリンを皮下注射する場合,硬結等を防止するため2∼3cmず らす必要がある.変則勤務である病棟看護師はどのように前回の注射部位 を把握し実施しているのか調査した.【方法】病棟看護師218名に15項目の アンケート調査.【結果】回答者は120名.前回の注射部位を確認している のは68名.確認方法は患者に聞く,注射痕の確認,皮膚の状態等であった. 注射部位をずらすことは知っている109名.注射部位によって吸収速度が異 なることは知っている63名.硬結部位にインスリンを打つと吸収障害が起 こることは知っている87名.【考察】注射部位をずらすことは対応にばらつ きが生じていたことや,インスリンの吸収に関連する認知度は低かったこ とから,医療従事者にも正しい注射手技を指導することが重要であると考 えられる.今後,手順について徹底させ再度その習熟度を判定したい.

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糖尿病患者における筋力低下や神経障害がインスリン手技 に与える影響 寺田 芳弘1,黒澤 理恵2,浅野 厚雄3,三橋 里子3 独立行政法人国立病院機構甲府病院薬剤科1,内科2,リハビリテーション科3 <背景>糖尿病患者における手指の筋力低下や神経障害がインスリン手技 に与える影響を実態調査し,適切なデバイス選択の指標を作りたいと思い 研究を開始した.<目的>1.糖尿病患者と健常者の握力・ピンチ力判定と 末梢神経障害判定を行い,検討を行う.2.手指の筋力低下や神経障害が実 際に糖尿病患者においてインスリンの手技にどのような影響を与えるか調 査する.3.インスリンデバイスごとに手技の比較を行い,適切なデバイス 選択の指標を作成する.<対象>【糖尿病患者】及び【健常者】<方法>1. 握力・ピンチ力を同一条件下で測定を行う.2.末梢神経障害を同一条件下 で判定を行う.3.握力低下と神経障害で影響があると思われる項目を同一 条件下で手技を確認する.4.各種デバイスを実際に比較してもらい聞き取 り形式でアンケートを行う.<結果・考察>現在調査中.結果・考察は学 会当日発表予定.

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血糖コントロール困難例におけるインスリンデグルデクへ の切り替え後血糖変動幅に関する検討 後藤 良重,鈴木智恵子 JA静岡厚生連遠州病院内科 (目的)従来のインスリン強化療法や,pre mixed製剤の頻回使用でも,血 糖変動幅が大きな例を,インスリンデグルデクの強化療法に切り替え,血 糖変動幅が減少するかを観察した. (対象)複数回のSMBGを行っているインスリン頻回注射例で,1ヶ月間の SMBGの標準偏差が50以上の39例 (方法)持効性インスリンをインスリンデグルデクに変更した.超速効型イ ンスリンの単位は変更しなかった.pre mixed製剤例は,中間型に相当する 単位数をインスリンデグルデクに,残りを超速効型インスリンとした. SMBGは各食前,食後の測定を基本とした.観察期間は6ヶ月 (結果)HbA1cは平均で0.54%低下した.SMBG全体の標準偏差は63.7から56.0 に減少し,低血糖の頻度が減少した例は66.7%であった. (考察)インスリンデグルデクの効果が,長く一定である事から,急な低血 糖が無く,SMBGの標準偏差が低下したと考えた.[HbA1c:NGSP値]

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高カロリー輸液内インスリン混注における速効型と超速効 型の効果の比較 野村 由夫,松永 眞章,伊藤真梨子,牧 和歌子,草田 典子 稲沢市民病院糖尿病・内分泌内科 【はじめに】実臨床の場で高カロリー輸液内にインスリン製剤を混注するこ とがある.超速効型インスリンの効果についての検討は少ない.混注にお ける速効型と超速効型の効果を3例の患者で比較【症例1】81歳女性,10数 年前より糖尿病あり.肺炎にて入院,経口摂取が不能となり,高カロリー 輸液(ブドウ糖175g;820kcal)にノボラピッド20単位→ヒューマリンR20 単位を混注した.変更前後2日間の朝,昼,夕,寝る前の血糖の比較とCGM を行った.【症例2】84歳女性.肺炎にて入院,(ブドウ糖175g;820kcal) に6単位→6単位をそれぞれ混注,比較【症例3】79歳女性(ブドウ糖250g; 1160kcal)を投与,32単位→32単位をそれぞれ混注.いずれの血糖変動,CGM の評価もややヒューマリンRがノボラピッドより強い傾向にあった.【結語】 高カロリー輸液インスリン混注では両者で効果に若干の違いを認めた.

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周術期の血糖管理に関与する臨床因子の検討 上野 宏樹1,玉井 杏奈1,吉田 陽子1,薬師寺洋介1,細川 悠紀1 生野 淑子1,岡田めぐみ1,田中 永昭2,山上 啓子1,福本まりこ1 川崎 勲1,日浦 義和2,細井 雅之1 大阪市立総合医療センター代謝内分泌内科1,大阪市立十三市民病院内科2 周術期のインスリンによる血糖管理を行い血糖値に寄与する因子について 検討を行った.対象は,消化器外科入院中の患者100名で評価項目として平 均血糖値と標準偏差(SD値),低血糖率(血糖値80mg!dl未満の回数!総血 糖測定回数)とした. 【結果】単回帰分析では平均血糖,SD共にHbA1cが最も相関が強く(R: 0.451,R:0.455,P:<0.0001),重回帰分析による解析では,HbA1c高値, Alb低値,CPI低値,術前の1日総インスリン量高値が他の因子より独立し て平均血糖値高値,SD値高値に寄与(RR:0.382,RR:0.501,P:<0.0001) した.低血糖率に対しては,Cre高値,最大CRP高値が独立して寄与(RR: 0.189,P:0.022)した. 【結論】インスリン使用量が多く,血糖管理不良,低アルブミン血症の患者 では術後の血糖管理不良のリスクが高く,腎機能低下患者,術後に高CRP 血症を伴う患者では低血糖リスクが増加する.[HbA1c:NGSP値]

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インスリン注射部位とインスリン硬結の検討 神田 和子1,御幡 祐美1,谷口 幸恵1,佐藤 真弓1,瀧上 2 斉藤美恵子2,衛藤 雅昭3 高田中央病院看護部1,高田中央病院内科2,奥羽大学薬学部!附属病院内科3 目的 インスリン注射部位とインスリン硬結について調査した. 対象と方法 DM患者90名.インスリン注射部位を聴き取り,具体的に示し てもらった.注射部位を示したビニールシートを看護師と患者が腹部にあ てて確認した.インスリン硬結の有無は,看護師が腹部を触診し確認し, また硬結モデルを患者が触診し,どのようなものであるか体験した. 結果 注射部位は,患者は,腹部の両側にまんべんなく注射していた.1日 のうち,朝と昼と夕はそれぞれ異なる場所に注射していた.女性1名と男性 1名が,臍部の周辺だけの使用だった.インスリン硬結はひとりもいない. 従来と異なる方法での確認は新鮮であり,硬結モデルを触ってみて,より 認識が深まったと考えられる. 結論 これからも工夫をこらして定期的に自己注射について確認作業をお こない,自己管理能力の向上をはかっていく.

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糖尿病患者におけるインスリン抗体陽転化のリスク因子の 抽出 西村 英尚1,飯塚 勝美2,武田 3 羽島市民病院薬剤部1,岐阜大学医学部附属病院生体支援センター2,岐阜大学大学院 医学系研究科内分泌代謝病態学3 インスリン(Ins)抗体陽性のリスク因子を抽出する.2009年4月から2011 年12月まで当院に通院中の患者でインスリン使用歴がありかつIns抗体を測 定した患者(n=147)を対象に,Ins抗体の有無(陽性101人,陰性46人) を従属変数,年齢,性別,糖尿病病型,罹病期間,Ins使用期間,HbA1c, 血清クレアチニン,Insおよび糖尿病内服薬の有無を独立変数とし,ロジス ティック回帰にてオッズ比,年齢,性別,糖尿病病型による調整オッズ比 (95%CI)を算出した.Ins抗体陽性患者(n=101)は,Ins使用年数(1.08 (1.02"1.14),1.07(1.01"1.14)),中間型Ins(2.07(0.99"4.34),2.21(1.03"4.73)), 混合型Ins(2.08(0.93"4.68),2.35(1.01"5.49)),プロタミン含有Insの使用 で(3.21(1.56"6.62),4.27(1.90"9.58))と有意であった.ins使用期間およ びプロタミン含有Insの使用はインスリン抗体陽転化のリスク因子となる. [HbA1c:NGSP値]

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インスリンボールと診断された緩徐進行型1型糖尿病患者 の一症例 浪尾 路代1 ,中村 圭吾2 ,木村 裕美1 ,串田 久美1 ,川田 啓子1 ,井上 雅子3 中村 聡子4 ,吉田 淳2 香川県立中央病院看護部1,香川県立中央病院糖尿病内科2,香川県立中央病院皮膚科3,香川 県立中央病院病理部4 <目的>インスリンボールの発生が認められた症例を報告し,外来看護における看 護師の役割について検討する <症例> A氏 70歳代 男性 18年前に糖尿病と診断,6年前よりインスリン導入となった.2年前よりHbA1c上昇 し,20XX年1月に看護師が面談.A氏は間食摂取量が多いことが血糖値上昇の原因 と考えていた.2月,HbA1cは9.3%で入院を勧められた. 腹部CT検査で下腹部正中腹壁に皮下腫瘤指摘され,注射部位の変更が指示された. 病理検査でインスリンボールと診断された.退院1か月後のHbA1cは7.6%であった. <考察> インスリンボール部位が下着に隠れる場所であったため発見が遅れ,A氏自身も血 糖値上昇の原因が同一部位へ注射であると考えられていなかった.看護師の役割と して,インスリン療法している患者への定期的な注射手技や注射部位の確認および 指導が必要であり,確認,指導を強化した.[HbA1c:NGSP値]

参照

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