Wavefront Sensor 法による三角共振器のミスアラインメント検出
齊藤高大
新潟大学大学院 自然科学研究科 電気情報工学専攻 博士後期課程2年 2014 年 8 月 6 日
1 はじめに
Input Mode Cleaner(IMC)は、Fig.1 に示すような三角共振器である。懸架鏡の共振などによ り、IMC を構成する各ミラーが角度変化を起こすと、入射光軸と共振器軸との間にずれが 生じる。このずれを Wavefront sensor 法(WFS)を用いて検出する。WFS 信号の検出は、 QPD-REFL(REFL)と QPD-TRANS(TRANS)の 2 つで行う。ミスアラインメントが生じたとき に、それぞれの QPD で得られる WFS 信号について考えていく。
2 Hermite-Gaussian モード
2-1 Hermite-Gaussian モード
自由空間を伝搬するレーザ光は次のような Hermite-gaussian Modes を持つ光波として扱う ことができる。 𝑈𝑙𝑚(𝑥, 𝑦, 𝑧) ≡ 𝑈𝑙(𝑥, 𝑧)𝑈𝑚(𝑦, 𝑧) exp 𝑗{−𝑘𝑧 + (𝑙 + 𝑚 + 1)𝜂(𝑧)} (2.1) ここで、 𝑈𝑙(𝑥, 𝑧) ≡ (𝜋𝑤(𝑧)2 2) 1 4 (𝑙! 21𝑙) 1 2 𝐻𝑙(𝑤(𝑧)√2𝑥) 𝑒𝑥𝑝 {− (𝑤(𝑧)𝑥 ) 2 − 𝑗2𝑅(𝑧)𝑘 𝑥2} (2.2) であり、各記号は、 𝑤(𝑧) = 𝑤0√1 + (𝑧𝑧 0) 2 :ビーム半径 (2.3) R(𝑧) =𝑧2+ 𝑧02 𝑧 :波面の曲率半径 (2.4) 𝑧0= 𝑘𝑤02 2 (2.5) 𝜂(𝑧) = 𝑎𝑟𝑐𝑡𝑎𝑛𝑧𝑧 0 :Gouy Phase (2.6) 𝐻𝑙:Hermite 多項式 𝐻0(𝑥) = 1, 𝐻1(𝑥) = 2𝑥 (2.7) とする。 例えば、ウェスト z=0 において(2.2)は、0 次と 1 次について、 𝑈0(𝑥, 0) ≅ (𝜋𝑤2 02) 1 4 𝑒𝑥𝑝 {− (𝑤𝑥 0) 2 } (2.8) 𝑈1(𝑥, 0) ≡ (𝜋𝑤2 02) 1 42𝑥 𝑤02𝑒𝑥𝑝 {− ( 𝑥 𝑤0) 2 } (2.9) と表すことができる。2-2 Hermite-Gaussian モードの平行移動と回転
次に、00 モードが x 軸方向にδ𝑥だけ平行移動したとき、どのように展開されるかを示す。 x 方向にδ𝑥だけ平行移動した座標系を(𝑥′, 𝑦′, 𝑧′)とする。ウェストの位置について考えると、 00 モードは、 𝑈00(𝑥, 𝑦, 0) ≅ 𝑈00(𝑥′, 𝑦′, 0) + ( δ𝑥 𝑤0) 𝑈10(𝑥 ′, 𝑦′, 0) (2.10) のように展開される。 次に 00 モードが y 軸を中心にδ𝜃回転したとき、どのように展開されるかを示す。y 軸を 中心にδ𝜃回転した座標系を(𝑥′, 𝑦′, 𝑧′)とする。ウェストの位置について考えると、00 モード は、 𝑈00(𝑥, 𝑦, 0) ≅ 𝑈00(𝑥′, 𝑦′, 0) + 𝑖 ( δ𝜃 𝛼0) 𝑈10(𝑥 ′, 𝑦′, 0) (2.11) のように展開される。 ここで、𝛼0はビームの広がり角であり、 𝛼0= 2 𝑘𝑤0 (2.12) である。3 三角共振器の反射係数
入射光軸と共振器軸が一致している場合の振幅反射率を 0 次と 1 次のモードについてま とめる。[1] 00 モードが三角共振器を 1 周するときの位相変化を𝜑とすると、三角共振器の 00 モード に対する振幅反射率は、 𝑟𝑐0= −𝑟𝐹+ 𝑡𝐹 2𝑟 𝐸𝑒𝑖𝜑 1 − 𝑟𝐹𝑟𝐸𝑒𝑖𝜑 (3.1) 10 モードの場合は 00 モードと Gouy phase だけ位相が異なる。三角共振器を 1 周して進 む Gouy phase を𝜂とすると、 𝑟𝑐1= −𝑟𝐹+ 𝑡𝐹 2𝑟 𝐸𝑒𝑖(𝜑+𝜂) 1 − 𝑟𝐹𝑟𝐸𝑒𝑖(𝜑+𝜂) (3.2)4 ミスアラインメントによるウェスト周りの光軸の変化
Fig4.1 に示すように、共振器を構成するミラーの角度変化は、水平方向(上図)と垂直方向 (下図)に分けることができ、さらにそれぞれ 3 種類の角度変化に分けることができる。水平 方向については、凹面ミラー𝑀𝑏の角度変化𝛼𝑏、1 組の平面ミラー𝑀𝑎, 𝑀𝑐の同相角度変化𝛼+、 差動角度変化𝛼−であり、垂直方向については、凹面ミラー𝑀𝑏の角度変化𝛽𝑏、1 組の平面ミ ラー𝑀𝑎, 𝑀𝑐の同相角度変化𝛽+、差動角度変化𝛽−のように分けられる。[2] Fig.4.1 ミスアラインメント時の共振器軸の変化三角共振器の各ミラーにそれぞれの角度変化が生じたときに、入射光軸に対して共振器 軸がウェスト周りで、どのように平行移動、回転するかを Table.4.1 にまとめた。 Table.4.1 ウェスト周りの入射光軸に対する共振器軸の変化 Direction Cause 𝛿x 𝛿z 𝛿𝜃𝑥 𝛿𝜃𝑧 Horizontal 𝛼𝑏 0 0 − 𝑅 (𝑅 − 𝐿 − 𝑑)𝛼𝑏 0 𝛼+ 0 0 − 𝑅 − 𝐿 (𝑅 − 𝐿 − 𝑑)𝛼+ 0 𝛼− −√𝐿2+ 𝑑2𝛼− 0 0 0 Vertical 𝛽𝑏 0 −𝛽𝑏𝑅 0 0 𝛽+ 0 0 0 𝛽+ √2 𝛽− 0 0 0 −𝛽− √2
5 REFL で得られる WFS 信号
各ミラーの角度変化によって生じる入射光軸に対する共振器軸のウェスト周りでの平行 移動を𝛿𝑥、回転𝛿𝜃とすると、REFL で得られる WFS 信号は、[1] 𝑃𝑊𝐹𝑆 = −√ 8 𝜋𝑃0𝐽0(𝛽)𝐽1(𝛽)𝑈1∗𝑈0∗𝑈0𝑈0(𝑟𝑐0𝑟𝑠1− 𝑟𝑐1𝑟𝑠0) ( 𝛿𝑥 𝑤0sin 𝜂 − 𝛿𝜃 𝛼0cos 𝜂) (5.1) となる。 式(5.1)から分かるように、入射光軸に対して、共振器軸がウェスト周りで𝛿𝑥平行移動し たとき、WFS 信号強度は、 𝑃𝑑𝑖𝑠𝑝𝑙𝑎𝑐𝑒𝑚𝑒𝑛𝑡∝𝑤𝛿𝑥 0sin 𝜂 (𝑧) (5.2) となり、sin 𝜂 (𝑧)に比例する。 また、入射光軸に対して、共振器軸がウェスト周りで𝛿𝜃回転したとすると、WFS 信号強 度は、 𝑃𝑡𝑖𝑙𝑡∝ −𝛿𝜃𝛼 0cos 𝜂(𝑧) (5.3) となり、cos 𝜂(𝑧)に比例する。 Table4.1、(5.1)を用いて、REFL で得られる WFS 信号の Gouy 位相依存性を、水平方向に ついては、Fig.5.1 に、垂直方向については、Fig.5.2 に示した。計算に必要なパラメータは Table5.1 を用いた。 Table5.1:計算に使用したパラメータ Cause Value 𝐿 26.4(m) D 0.25(m) 𝑅 37.3(m) 𝑤0 2.4(mm) 𝛼0 1.4 × 10−4Fig.5.1 水平方向の WFS 信号強度の Gouy 位相依存性
6 TRANS で得られる WFS 信号
TRANS で得られる WFS 信号を導出するために、Fig.6.1 のような実験系を考える。QPD は、入射光軸上のウェストの位置にあるとする。光軸に平行移動、回転が生じたときのウ ェストの位置にある QPD から出力される信号を考える。 Fig.6.1 光軸のずれを検出する実験系 ウェストの位置での入射光軸の電場は、 𝐸(𝑥, 𝑦, 0) ≅ 𝑈00(𝑥, 𝑦, 0)𝐸0 (6.1) ウェストの位置にある QPD 上で、ビームが x 軸方向にδ𝑥だけ平行移動しているとすると、 QPD 上での強度分布は、式(2.10)より P(𝑥, 𝑦, 0) = 𝐸02𝑈00(𝑥 − δ𝑥, 𝑦, 0)𝑈00∗ (𝑥 − δ𝑥, 𝑦, 0) = 𝑃0(𝑈00(𝑥, 𝑦, 0) + δ𝑥 𝑤0𝑈10(𝑥, 𝑦, 0)) (𝑈00 ∗ (𝑥, 𝑦, 0) +δ𝑥 𝑤0𝑈10 ∗ (𝑥, 𝑦, 0)) = 𝑃0(𝑈00(𝑥, 𝑦, 0)𝑈00∗ (𝑥, 𝑦, 0) + ( δ𝑥 𝑤0) 2 𝑈10(𝑥, 𝑦, 0)𝑈10∗ (𝑥, 𝑦, 0) +δ𝑥 𝑤0(𝑈00(𝑥, 𝑦, 0)𝑈10 ∗ (𝑥, 𝑦, 0) + 𝑈 00∗ (𝑥, 𝑦, 0)𝑈10(𝑥, 𝑦, 0))) (6.2) (6.2)式の第 3 項は、(2.1)を用いてまとめると、 δ𝑥 𝑤0(𝑈00(𝑥, 𝑦, 0)𝑈10 ∗ (𝑥, 𝑦, 0) + 𝑈 00∗ (𝑥, 𝑦, 0)𝑈10(𝑥, 𝑦, 0)) =𝑤δ𝑥 0𝑈0(𝑥, 0)𝑈1 ∗(𝑥, 0)𝑈 0(𝑦, 0)𝑈0∗(𝑦, 0){𝑒−𝑗𝜂+ 𝑒𝑗𝜂}ここで、x-z 平面上での信号強度を考えるとすると、y=0 なので、 𝑈0(𝑦, 0) = 𝑈0∗(𝑦, 0) = 1 である。したがって、(6.2)の第 3 項は、 2δ𝑥 𝑤0 𝑈0(𝑥, 0)𝑈1 ∗(𝑥, 0) cos 𝜂 となり、cos 𝜂に比例した値になることが分かる。 したがって、QPD の x>0 の領域と x<0 の領域の強度の差は*1 、(2.8),(2.9)を用いて、 𝑃𝑑𝑖𝑓𝑓= 𝑃(𝑥 > 0) − 𝑃(𝑥 < 0) =2𝛿𝑥𝑤 0 𝑃0(∫ (𝑈0(𝑥, 0)𝑈1 ∗(𝑥, 0) cos 𝜂)𝑑𝑥 ∞ 0 − ∫ (𝑈0 (𝑥, 0)𝑈1∗(𝑥, 0) cos 𝜂)𝑑𝑥 0 −∞ ) =4𝛿𝑥𝑤 0 𝑃0∫ 𝑑𝑥√ 2 𝜋𝑤02 ∞ 0 2𝑥 𝑤0𝑒𝑥𝑝 (− 2𝑥2 𝑤02) cos 𝜂 = √8 𝜋 𝑃0𝛿𝑥 𝑤0 cos 𝜂 (6.3) 次に、ウェストの位置にある QPD 上で、ビームが y 軸を中心にδ𝜃だけ回転しているとす ると、QPD 上での強度分布は、(2.11)式より、 P(𝑥, 𝑦, 0) = 𝐸02𝑈00(𝑥′, 𝑦′, 0)𝑈00∗ (𝑥′, 𝑦′, 0) = 𝑃0(𝑈00(𝑥, 𝑦, 0) + 𝑖 ( δ𝜃 𝛼0) 𝑈10(𝑥, 𝑦, 0)) (𝑈00 ∗ (𝑥, 𝑦, 0) − 𝑖 (δ𝜃 𝛼0) 𝑈10 ∗ (𝑥, 𝑦, 0)) = 𝑃0(𝑈00(𝑥, 𝑦, 0)𝑈00∗ (𝑥, 𝑦, 0) + ( δ𝜃 𝛼0) 2 𝑈10(𝑥, 𝑦, 0)𝑈10∗ (𝑥, 𝑦, 0) − 𝑖δ𝜃 𝛼0(𝑈00(𝑥, 𝑦, 0)𝑈10 ∗ (𝑥, 𝑦, 0) − 𝑈 00∗ (𝑥, 𝑦, 0)𝑈10(𝑥, 𝑦, 0))) (6.4) ∫ 𝑥2𝑛+1𝑒−𝑎𝑥2 𝑑𝑥 ∞ 0 = 𝑛! 2𝑎𝑛+1 1 次の関係を使用した。
ここで、(6.4)式の第 3 項は、(2.1),(2.2)式を用いてまとめると、 −𝑖δ𝜃 𝛼0(𝑈00(𝑥, 𝑦, 0)𝑈10 ∗ (𝑥, 𝑦, 0) − 𝑈 00∗ (𝑥, 𝑦, 0)𝑈10(𝑥, 𝑦, 0)) = −𝑖δ𝜃 𝛼0𝑈0(𝑥, 0)𝑈1 ∗(𝑥, 0)𝑈 0(𝑦, 0)𝑈0∗(𝑦, 0){𝑒−𝑗𝜂− 𝑒𝑗𝜂} ここで、x-z 平面上での信号強度を考えるとすると、y=0 なので、 𝑈0(𝑦, 0) = 𝑈0∗(𝑦, 0) = 1 である。したがって、(6.2)の第 3 項は、 −2𝑈0(𝑥, 0)𝑈1∗(𝑥, 0) sin 𝜂 となり、sin 𝜂 (z)に比例した値になることが分かる。 したがって、QPD の x>0 の領域と x<0 の領域の強度の差は、(2.8),(2.9)を用いて、 𝑃𝑑𝑖𝑓𝑓= 𝑃(𝑥 > 0) − 𝑃(𝑥 < 0) = −2δ𝜃𝛼 0 𝑃0(∫ (𝑈0(𝑥, 0)𝑈1 ∗(𝑥, 0) sin 𝜂)𝑑𝑥 ∞ 0 − ∫ (𝑈0 (𝑥, 0)𝑈1∗(𝑥, 0) sin 𝜂)𝑑𝑥 0 −∞ ) = −4δ𝜃𝛼 0 𝑃0∫ 𝑑𝑥√ 2 𝜋𝑤02 ∞ 0 2𝑥 𝑤0𝑒𝑥𝑝 (− 2𝑥2 𝑤02) sin 𝜂 = −√8 𝜋 𝑃0𝛿𝜃 𝛼0 sin 𝜂 (6.5) まとめると、TRANS で得られる信号は、(6.3),(6.5)を用いて、 𝑃𝑑𝑖𝑓𝑓= √ 8 𝜋𝑃0( 𝛿𝑥 𝑤0cos 𝜂 − 𝛿𝜃 𝛼0sin 𝜂) (6.6) となる。
7 ミスアラインメントによる Ma-Mb 光軸の変化
IMC では、TRANS を Ma と Mb のビームスポットを結んだ光軸の延長線上に設置し、6 章で述べたような原理によって、ミスアラインメントによる光軸のずれを検出する。 次に、各ミラーの角度変化によって、TRANS では、どのような信号強度が得られるかを 求めていく。式(6.3)、式(6.5)は、ウェストの位置を𝜂 = 0とした時の WFS 信号強度であるの で、IMC の各ミラーの角度変化によって、Ma-Mb 光軸上にあるウェストの位置が、どれだ け平行移動、回転するかを求める必要がある。しかし、ウェストは、Ma-Mc 光軸上にある ので、Fig7.1 のようにして、ウェストの位置を Ma-Mb 光軸上に折り返して、平行移動、回 転の量を求めなければならない。 Fig.7.1 Ma-Mb 光軸上のウェスト位置の平行移動、回転7-1 ミスアラインメント後の Ma、Mb のビームスポットの座標
ミスアラインメントによる光軸の変化は、Ma と Mb のビームスポットの座標を用いて求 めることができる。初めに、Table.7.1 に、各ミラーに角度変化が生じたときの座標をまとめ た。[2] Table.7.1:ミスアラインメント後のビームスポットの座標 Direction Cause 𝑥a 𝑦𝑎 𝑥b 𝑦𝑏 Horizontal 𝛼𝑏 L + 𝑑 𝑅𝛼𝑏 (𝑅 − 𝐿 − 𝑑) d − 𝑑 𝑅𝛼𝑏 (𝑅 − 𝐿 − 𝑑) 0 − 𝐿 + 𝑑 (𝑅 − 𝐿 − 𝑑)𝑅𝛼𝑏 𝛼+ L − 𝑑(𝑅 − 𝐿) (𝑅 − 𝐿 − 𝑑)𝛼+ d + 𝑑(𝑅 − 𝐿) (𝑅 − 𝐿 − 𝑑)𝛼+ 0 𝑑𝑅 (𝑅 − 𝐿 − 𝑑)𝛼+ 𝛼− L − √𝐿2+ 𝑑2𝛼− d + √𝐿2+ 𝑑2𝛼− 0 0 Direction Cause 𝑥a 𝑧𝑎 𝑥b 𝑧𝑏 Vertical 𝛽𝑏 L −𝛽𝑏𝑅 0 −𝛽𝑏𝑅 𝛽+ L 𝛽+ (𝑅 − 𝐿) √2 0 𝛽+ 𝑅 √2 𝛽− L −d 𝛽− √2 0 0 ウェスト周りの光軸の回転は、ミスアラインメント後の Ma と Mb のビームスポットの座 標を結ぶ方程式の傾きから求められる。そこで、まず、Ma と Mb のビームスポットを結ぶ 光軸の方程式を求める。 ミスアラインメント前の Ma と Mb のビームスポットを結ぶ光軸の方程式は、 水平方向:y =𝑑 𝐿𝑥 (7.3) 垂直方向:z = 0 (7.3) である。ミスアラインメント後は、Table7.2 のようになる。
Table.7.2 ミスアラインメント後の Ma-Mb 光軸の方程式
Direction Cause Equation
Horizontal 𝛼𝑏 y = 𝑑 + 𝐿𝜃𝑏 𝐿 + 𝑑𝜃𝑏𝑥 − (𝐿 + 𝑏)𝜃𝑏 𝛼+ y =𝑑 − 𝑑𝜑𝐿 − 𝑑𝜃+ +𝑥 + 𝑑𝑅 𝐿 𝜑+ 𝛼− y =𝑑 + 𝑆𝛼𝐿 − 𝑆𝛼− −𝑥
Direction Cause Equation
Vertical 𝛽𝑏 z = −𝛽𝑏𝑅 𝛽+ z = − 𝛽+ √2𝑥 + 𝑅𝛽+ √2 𝛽− z = − 𝑑𝛽− 𝐿√2𝑥 ただし、 S = √𝐿2+ 𝑑2 𝜃𝑏= 𝑅 𝑅 − 𝐿 − 𝑑𝛼𝑏 𝜃+= 𝑅 − 𝐿 𝑅 − 𝐿 − 𝑑𝛼+ 𝜑+= 𝐿 𝑅 − 𝐿 − 𝑑𝛼+ である。 ミスアラインメント前の Ma と Mb のビームスポットの座標を結ぶ方程式の傾きを𝑚1、ミ スアラインメント後の傾きを𝑚2とすると、ミスアラインメントによる光軸の回転δθは、 δθ = tan−1(𝑚2− 𝑚1 1 + 𝑚1𝑚2) (7.3) で求められる。
ミスアラインメントによる光軸の回転δθを Table.7.3 にまとめる。 Table.7.3 ミスアラインメントによる光軸の回転δθ
Direction Cause Tilt error δθ
Horizontal 𝛼𝑏 tan−1( (𝐿2− 𝑑2)𝜃 𝑏 𝑆2+ 2𝐿𝑑𝜃 𝑏) 𝛼+ tan−1( 𝑑(𝑑𝜃+− 𝐿𝜑+ ) 𝑆2− 𝐿𝑑𝜃 +− 𝑑2𝜑+) 𝛼− tan−1( (𝑑 + 𝐿)𝛼− 𝑆 + (𝑑 − 𝐿))
Direction Cause Tilt error δθ
Vertical 𝛽𝑏 0 𝛽+ tan−1( −𝛽+ √2) 𝛽− tan−1(− 𝑑𝛽− 𝐿√2) ミスアラインメントにより、Ma と Mb のビームスポットを結ぶ光軸は、水平方向では Fig.7-3 のように変化し、垂直方向では Fig.7-4 のように変化する。 Fig.7.3 水平方向の光軸の変化
Fig.7.4 垂直方向の光軸の変化 ただし、S は原点からミスアラインメント前のウェストまでの距離、 S = √𝐿2+ 𝑑2 である。𝑆𝑂𝑃は、ミスアラインメント前とミスアラインメント後の Ma-Mb 光軸の方程式 の交点 P と原点 O の距離である。 Table7.4 に交点 P を求める。 Table.7.4 ミスアラインメント前とミスアラインメント後の Ma-Mb 光軸の方程式の交点 P
Direction Cause Coordinate P(𝑥,y)
Horizontal 𝛼𝑏 ( 𝐿(𝐿 + 𝑑𝜃𝑏) 𝐿 − 𝑑 , 𝑑(𝐿 + 𝑑𝜃𝑏) 𝐿 − 𝑑 ) 𝛼+ ( 𝑅(𝐿 − 𝑑𝜃+)𝜑+ 𝐿𝜑+− 𝑑𝜃+ , 𝑑𝑅(𝐿 − 𝑑𝜃+)𝜑+ 𝐿(𝐿𝜑+− 𝑑𝜃+)) 𝛼− (0 , 0)
Direction Cause Coordinate P(𝑥 , z)
Vertical
𝛽𝑏 Do not intersect
𝛽+ (𝑅 , 0)
Table7.5 に、交点 P と原点 O の距離𝑆𝑂𝑃を示す。
Table7.5 交点 P と原点 O の距離𝑆𝑂𝑃
Direction Cause Distance 𝑆𝑂𝑃
Horizontal
𝛼𝑏 𝐿 + 𝑑𝜃𝐿 − 𝑑𝑏𝑆
𝛼+ 𝑅(𝐿 − 𝑑𝜃𝐿(𝐿𝜑 +)𝜑+
+− 𝑑𝜃+)S
𝛼− 0
Direction Cause Distance 𝑆𝑂𝑃
Vertical
𝛽𝑏 ∞ (Do not intersect)
𝛽+ R
𝛽− 0
Fig.7-3,Fig.7-4 から、Ma-Mb 光軸上のウェストの位置での平行移動δy , δzは、
δy = δz = (𝑆 − 𝑆𝑂𝑃)δθ (7.4)
となる。
ただし、同相角度変化𝛽𝑏についてのみ、
δz = 𝑧𝑏 (7.5)
式(7.4)から、各ミラーの角度変化による Ma-Mb 光軸上のウェストの位置での平行移動δyを 求め、Table7.6 にまとめた。
Table7.6 ミスアラインメントによる Ma-Mb 光軸の平行移動
Direction Cause Displacement error δy
Horizontal 𝛼𝑏 S (1 −𝐿 + 𝑑𝜃𝐿 − 𝑑𝑏) 𝛿𝜃 𝛼+ S (1 − 𝑅(𝐿 − 𝑑𝜃+)𝜑+ (𝐿𝜑+− 𝑑𝜃+)𝐿) 𝛿𝜃 𝛼− 𝑆𝛿𝜃
Direction Cause Displacement error δz
Vertical
𝛽𝑏 −𝛽𝑏𝑅 (= 𝑧𝑏)
𝛽+ (𝑆 − 𝑅)𝛿𝜃
Table7.7 に、ミスアラインメントによる Ma-Mb 光軸上のウェスト位置の平行移動、回転を まとめた。
Table7.7:ミスアラインメントによる Ma-Mb 光軸上のウェスト位置の平行移動、回転
Direction Cause 𝛿y 𝛿θ
Horizontal 𝛼𝑏 S (1 −𝐿 + 𝑑𝜃𝐿 − 𝑑𝑏) 𝛿𝜃 tan−1( (𝐿2− 𝑑2)𝜃 𝑏 𝑆2+ 2𝐿𝑑𝜃 𝑏) 𝛼+ S (1 − 𝑅(𝐿 − 𝑑𝜃+)𝜑+ (𝐿𝜑+− 𝑑𝜃+)𝐿) 𝛿𝜃 tan −1( 𝑑(𝑑𝜃+− 𝐿𝜑+) 𝑆2− 𝐿𝑑𝜃 +− 𝑑2𝜑+) 𝛼− 𝑆𝛿𝜃 tan−1( (𝑑 + 𝐿)𝛼− 𝑆 + (𝑑 − 𝐿)) Direction Cause 𝛿z 𝛿θ Vertical 𝛽𝑏 −𝛽𝑏𝑅 0 𝛽+ (𝑆 − 𝑅)𝛿𝜃 tan−1( −𝛽+ √2) 𝛽− 𝑆𝛿𝜃 tan−1(−𝑑𝛽− 𝐿√2) ただし、 S = √𝐿2+ 𝑑2 𝜃𝑏=𝑅 − 𝐿 − 𝑑𝑅𝛼𝑏 𝜃+=𝑅 − 𝐿 − 𝑑𝑅 − 𝐿 𝛼+ 𝜑+=𝑅 − 𝐿 − 𝑑𝐿 𝛼+ である。
7-4 TRANS で得られる WFS 信号強度の Gouy 位相依存性
Table.7.7、式(6.6)を用いて、TRANS で得られる信号の Gouy 位相依存性を水平方向につい ては Fig.7.5 に、垂直方向については、Fig.7.6 に示した。計算に使用したパラメータは Table.5.1 の値を用いた。
Fig.7.7 水平方向の信号強度の Gouy 位相依存性
8 Sensing Matrix
QPD には、それぞれのミスアラインメントによる信号が混ざって現れる。これでは、 どの角度変化に対して、フィードバックを行えばよいのか分からない。そこで、それぞれ のミスアラインメントによる信号を分離する必要がある。信号の分離は、QPD を信号の分 離しやすい Gouy 位相を選んで配置することによって行う。Table.8.1 に信号を分離しやすい Gouy 位相を選んで、その位置での信号強度を示した Sensing Matrix を示す。
Table.8.1 Sensing Matrix
QPD Name( 𝜂) 𝛼𝑏 𝛼+ 𝛼− 𝛽𝑏 𝛽+ 𝛽− unit REFL(0𝑑𝑒𝑔) -39418 -11519 0 0 7958 -7958 W/rad/𝑃0𝐽0(𝛽)𝐽1(𝛽) REFL(90𝑑𝑒𝑔) 0 0 17637 24918 0 0 W/rad/𝑃0𝐽0(𝛽)𝐽1(𝛽) TRANS (57𝑑𝑒𝑔) -12644 315 0 -13431 8266 0 W/rad/𝑃0 TRANS (90𝑑𝑒𝑔) -14420 267 -17656 0 6960 76 W/rad/𝑃0