「北区版認知症初期集中支援研修」プログラムの開発と実施
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(2) はじめに 団塊の世代が、後期高齢者となる 2025 年にかけて、我が国における認知症高齢者は、全 高齢者の 25%に及ぶ、約 700 万人になると推計されている。これらの状況を背景に、我が 国では 2015 年 1 月に、 「認知症の人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域のよい 環境で自分らしく暮らし続けることができる社会の実現」 (厚生労働省他,2015)を目指すと した「新オレンジプラン」が策定された。 本研修会及び研修プログラムは、 「新オレンジプラン」の中で示される「認知症の容態に 応じた適時・適切な医療・介護等の提供」に関連する、地域の専門職による認知症早期対応 や初期支援の具体化を目指した内容としている。認知症の初期(軽度認知症・MCI 等)に 限って、どの様な専門職の働きかけ、支援の計画、多職種協働による実践が必要なのかを、 可能な限り明確なものとして提示することを心掛けた。 研修プログラムを作成する中では、認知症に関連した支援・対応の需要が、今後、地域の 中で増大していく事を踏まえて、地域のより多くの医療・介護専門職、特に地域のプライマ リケアを担う医療機関や居宅介護支援事業所等に属する専門職が、普遍的に認知症の方へ の初期支援を担える状況や環境を構築していく事が、必要であるとの認識に立った。その為、 本研修プログラムは、評価・検証を行いながら、最終的に、今回研修を実施した東京都北区 のみならず、他地域のプライマリケアを担う医療・介護専門職の認知症初期支援の実践力向 上に、大きく寄与していくものとなる事を目指すものとしている。 以下、広く地域の認知症初期支援の実践力の向上・実践体制の構築を目指した、研修実施 及び研修プログラムに関する報告をまとめる。 1. 「北区版 認知症初期集中支援研修」開催概要 本研修は、以下の研修実施の背景・目的・枠組み・内容の元、研修実施を行った。 (1)東京都北区 研修実施の背景 ①.全国他地域の「認知症初期集中支援チーム」が、認知症に関連する緊急性の高い困難 事例の対応を優先せざるを得ない状況にあるのに対し、東京都北区は先んじて、 「高齢者 あんしんセンターサポート医」という在宅の困難な問題を抱える事例に対応するシステ ムを別に作ってきた経過があった。その為、 「認知症初期集中支援チーム」が、純粋に疾 患の初期(軽度認知症・MCI 等)の支援に集中することができる状況にある。 ②.東京都北区は、初期集中支援の担い手となる「認知症支援コーディネーター」 (東京都 事業)を一か所の機関・事業所に委託するのではなく、区内(17 か所)の全地域包括支 援センターに配置した。更に、そこに地域の他機関の専門職(作業療法士・介護福祉士) がチーム員として参画する形をとった。これにより、一か所の事業所に偏らない地域毎 の多職種チームの形成が容易となった。.
(3) →以上の背景より、東京都北区における「認知症初期集中支援チーム」は、軽度認知症ま たは MCI の方への対応をメインとした専門知識等を身に着ける事、また地域の多職種 が協働し、実践する基盤を作る事が重要である事が確認された。 ⇒申請者の所属する「オレンジほっとクリニック」が、地域連携型認知症疾患医療センタ ー(東京都)として、「北区版 認知症初期集中支援研修」の企画から実施を担う事とな った。 (2) 「北区版 認知症初期集中支援研修」の目的 ○東京都北区における「認知症初期集中支援チーム」に属するチーム員の認知症疾患の 初期(軽度認知症・MCI)の方々への支援・対応に関する基礎知識・初期集中支援の実 践に際しての考え方等の理解向上 ○実施した研修プログラムの内容や効果の評価・分析を行うことで、次年度以降の実施 を見据えた、プライマリケアを担う医療機関や居宅介護支援事業所等の専門職を対象 とした研修プログラムの改良を行う。 (3)開催の枠組み ・主催:地域連携型認知症疾患医療センター オレンジほっとクリニック ・共催:北区、北区医師会 ・後援:東京都健康長寿医療センター (4)日程・会場(研修全日程:3 日間) 第 1 回:2016 年 10 月 15 日(土)13:30~16:30 (会場: 「北とぴあ」第2研修室) 第 2 回:2016 年 11 月 19 日(土)14:30~17:30 (会場:北区医師会館 4階講堂 ) 第 3 回:2016 年 12 月 17 日(土)14:30~17:30 (会場:北区医師会館 4階講堂 ) (5)各回、研修参加対象 (第 1 回・第 2 回・第 3 回) :看護師、作業療法士、介護福祉士、社会福祉士等 (第 2 回・第 3 回) :認知症サポート医・認知症かかりつけ医 ※基本的に、認知症初期集中支援チームに関わる専門職を対象の主とした。 ※オブザーバー参加可.
(4) 2. 「北区版 認知症初期集中支援研修」実施の様子 (1)研修内容(当日プログラム:資料 1 参照) ・目的に照らし合わせて、大まかに講義とグループワークを織り交ぜた研修構成を行った。 ・実際の地域毎の認知症初期集中支援の実践を見据えて、地域毎にグループを固定し、研 修実施を全 3 回に渡って実施した。 ・研修内容・研修資料の検討・作成、また当日の講義・グループワーク等の全体進行は、 東京都北区行政との相談・協議を重ねながら、主に「オレンジほっとクリニック」スタ ッフで担った。 (申請者以外の研修企画・実施者:「オレンジほっとクリニック)スタッフ) □小山宰(社会福祉士) □中塚智子(看護師) □柴崎望(臨床心理士) (2)参加状況 ○第 1 回:計 41 名 内訳(医師:1 名、看護師(保健師を含む):25 名、作業療法士:3 名、介護福祉士:3 名、 社会福祉士:2 名、その他(ケアマネジャー等):7 名) ○第 2 回:計 44 名 内訳(医師:4 名、看護師(保健師を含む):24 名、作業療法士:3 名、介護福祉士:3 名、 社会福祉士:2 名、その他(ケアマネジャー等):8 名) ○第 3 回:計 47 名 内訳(医師:7 名、看護師(保健師を含む):24 名、作業療法士:3 名、介護福祉士:3 名、 社会福祉士:2 名、その他(ケアマネジャー等):8 名) ◎研修修了者:42 名(医師は第 2・3 回参加、他職種は、全 3 回の参加が修了要件) (参加の様子). 各地域毎にグループを作り、研修を進めた。.
(5) 3. 「北区版 認知症初期集中支援研修」の参加者による評価 研修プログラムの妥当性や、参加者の理解度を確認する為に、研修各回においてアンケート を実施した。以下に一部を示す。 (1)研修全 3 回終了時点: 「認知症初期集中支援」各項目に対する専門職自身の自己評価 研修終了後、初期集中支援の実践項目のそれぞれについて参加した専門職の多くが肯定 的な自己評価をした。 全くそう. あまりそ そう思わ. 思わない. まあそう う思わな. ない. 思う い. 非常に そう思う そう思う. 合計. 0. 0. 1. 22. 20. 3. 46. 0.0%. 0.0%. 2.2%. 47.8%. 43.5%. 6.5%. 100.0%. 0. 0. 1. 28. 13. 4. 46. 0.0%. 0.0%. 2.2%. 60.9%. 28.3%. 8.7%. 100.0%. 0. 0. 2. 21. 21. 2. 46. 0.0%. 0.0%. 4.3%. 45.7%. 45.7%. 4.3%. 100.0%. 0. 0. 2. 24. 18. 2. 46. 0.0%. 0.0%. 4.3%. 52.2%. 39.1%. 4.3%. 100.0%. 軽度認知障害や軽度アルツハイマ ―型認知症の方の初期集中支援 ができそうですか?. 認知機能が疑われる人の初期の 相談・トリアージができそうです か?. 初期集中支援チーム員同士で、対 象者それぞれに合った支援計画の 立案~実行をできそうですか?. 初期集中支援の終了と在宅ケアチ ームへの引き継ぎ・モニタリングが できそうですか?. (2)研修が、参加前の期待と比べてどの様であったか? 研修参加者の 45.6%が研修参加前の期待を超えて、「期待以上」であったと評価した。 期待を大幅. 期待を大幅 期待以下. 期待どおり. 期待以上. に下回る. 研修終了前後の 「期待」の変化. 無回答. 合計. に上回る. 0. 0. 24. 18. 3. 1. 46. 0.0%. 0.0%. 52.2%. 39.1%. 6.5%. 2.2%. 100.0%. ※研修参加者の研修後の知識の変化、行動変容等に関する「研修プログラム」の評価は、 2016 年度末時点で評価予定。.
(6) 4.今後の展望・継続性 研修を終了した段階での北区内専門職の「認知症初期集中支援」の実践体制の構築につい ての展望、研修プログラム自体の継続性について下記に述べる。 (1)東京都北区における「認知症初期集中支援」の実践体制構築 今回は、研修プログラム実施の初年度となった為、研修の参加対象を「初期集中支援チー ム」のチーム員に集中させた。今後、研修に参加・修了した専門職が、実践を重ねる中で、 学んだ知識を再確認したり、多職種との協働を進める中での、知識・実践力の向上が期待さ れる。また、区内の高齢者の増加・認知症高齢者の増加が明らかな中で、 「初期集中支援チ ーム」のチーム員以外の医療・介護専門職が、認知症初期支援に関連する知識等を身に着け、 それぞれの地域において、その実践が展開していくことを目指していかなくてはならない。 次年度以降、研修対象者の拡大をしながら、プライマリケアレベルでの認知症初期支援の体 制の拡がりを作っていくことを引き続き検討していきたい。 (2) 「北区版 認知症初期集中支援研修」プログラムの展開 今回の研修に参加した専門職には、各回において、アンケートや知識テストへの参加をお 願いし、研修プログラムの検証にも協力をして頂いた。今後、実際の「認知症初期集中支援」 の実践を継続して頂きつつ、その後、研修参加前と比べて、専門職の行動がいかに変化した か等に関する効果検証への協力もお願いをしていく予定である。 上記のプロセスを経て、今回作成をした研修プログラムの改良を重ねる予定である。改良 した研修プログラムを用いて、プライマリケアを担う医療機関や居宅介護支援事業所等の 専門職を対象とした研修の実施をする事で、研修を終了した医療・介護専門職が、各地域で あまねく認知症初期支援を展開できる様な体制作りを継続して目指していきたい。 おわりに 今回の研修の企画・実施にあたって、共催として携わって頂いた東京都北区、北区医師会 より多大な協力を頂いた事に、改めて感謝の意を表したい。同時に、地域レベルでの医療・ 介護の質向上に向けた取り組みは、行政や医師会との協力の元に、展開していく事が有用で あることを再確認した。今回の研修実施は、当初目標の最初段階であることを考えると、今 後とも、地域内の各機関との連携を深めながら、地域の認知症高齢者等を支える体制作りを 深化させていきたいと考える。 本研修プログラム及び、研修実施は、「公益財団法人 在宅医療助成 勇美記念財団」の 助成による。 (添付資料) ・資料 1‐①~③:研修プログラム概要 ・資料 2~4:研修当日(1 日目~3 日目) 講義資料 ・資料 5:研修プログラム. 実施チラシ.
(7) 資料1-①. 北区版 認知症初期集中支援研修 プログラム. 1日目. 日時:10月15日(土)13:30 ~ 16:30. 時刻. タイトル. 場所:北とぴあ 第2研修室. 概要. 分類. 時間. 開場. 13:00. 開会. 他 18分. 13:30 事前アンケート. 本研修プログラムの実施効果・参加された 皆様の知識向上への効果を測る為のアン ケートへの協力をお願い致します。. 他. 13:48. 【講義①】 ・認知症オレンジプランと初期集中支援の目的 ・北区の認知症高齢者の概要と北区版初期集中 支援システム. 認知症初期集中支援に関する我が国の動 向、またその目的を確認します。それらを 踏まえて、認知症初期支援に関連する北区 の実態・その具体的な取り組みの動きにつ いて講義を行います。. 講義. 24分. 14:12. 【アイスブレーキング】 北区の認知症施策と初期集中支援の課題. 日々の実践を通して感じる認知症初期集中 支援等に関する課題や思いを参加メンバー で共有します。. GW. 25分. 14:37. 【ミニレクチャー】 初期集中支援のめざすもの. 北区版 初期集中支援の目的・狙いを再確認 します。. 講義. 10分. 休憩. 14:47. 14:57. 【講義②】 初期支援対象者のトリアージ (ⅰ)対象となる疾患の選別について. 10分. 認知症初期支援の対象者を適切に見定める 為に必要となる認知症の原因疾患について 講義を行います。. 40分 講義. 15:37. (ⅱ)初期支援対象者のトリアージ ~指標の説明~. 実践場面で使えるトリアージシートの使い 方について説明します。. 15分. 15:52. 事例演習. 模擬事例を用いて、トリアージの実際を学 びます。. 20分 GW/ 演習. 模擬事例について、そのトリアージの流れ を解説します。. 16:12. 事例演習(解説). 16:22. 総括・質疑応答. 他. 5分. 16:27. 閉会の挨拶. 他. 3分. 次回案内 アンケート回答. 10分.
(8) 資料1-②. 北区版 認知症初期集中支援研修 プログラム. 2日目. 日時:11月19日(土)14:30 ~ 17:30. 時刻. タイトル. 場所:北区医師会館. 概要/担当. 分類. 時間. 開場. 14:00. 14:30. 開会挨拶. 他. 5分. 14:35. 前回内容への質疑応答. 他. 5分. 14:40. 【講義③】 軽度認知障害(MCI)、軽度認知症の方の心 理・社会的側面の理解. 講義. 20分. 軽度認知障害(MCI)、軽度認知症の方 が、どの様な心理・社会的状況にあるのか に関する理解を深めます。 認知症初期集中支援において、医療的側面 に偏らない、心理・社会的側面への支援の 必要性を確認します。. 【アイスブレーキング】 軽度認知障害(MCI)・軽度認知症の方が抱え 日々の実践を通して感じる・気づく軽度認 る、身体的・心理的社・社会的問題は何か? 知障害(MCI)・軽度認知症の方が抱え 15:00. 20分 GW. る、身体的・心理的社・社会的問題につい て参加メンバーで整理・共有します。. グループ意見の全体化. 15:35. 15分. 【講義④】 認知症の予防 軽度認知障害(MCI)と軽度ア ルツハイマー型認知症に対する初期介入 ~ 知的活動・運動・食事 を中心に~. 認知症の予防及び、認知症初期集中支援を 実践をするにあたり、どの様な視点や知識 を持って取り組み・実践をすれば良いか? 知的活動・運動・食事の観点を中心に、講 義を行います。. 講義. 休憩. 16:05. 10分. 【グループワーク】 軽度認知障害(MCI)の方を想定した初期集中 地域で生活する軽度認知障害(MCI)の方 支援の実践 への初期集中支援の具体的な実践をグルー プ内で討議します。. 16:15. 事例提示 10分 GW/ 演習. グループ意見の全体化. 17:15. 討議 30分. 20分. 【ミニレクチャー】 グループワーク事例への初期介入の実際:解説 グループワーク事例への初期介入の実際に ついて解説を行い、改めて初期集中支援に (初期介入としてのリハビリテーションの実 おいて考慮すべき点等の確認を行います。 際) 総括・質疑応答. 17:30. 30分. 講義 15分 他. 閉会. 次回案内 アンケート回答.
(9) 資料1-③. 北区版 認知症初期集中支援研修 プログラム. 3日目. 日時:12月10日(土)14:30 ~ 17:30. 時刻. タイトル. 場所:北区医師会館. 概要/担当. 分類. 時間. 開場. 14:00. 14:30. 開会挨拶. 他. 5分. 14:35. 前回内容への質疑応答. 他. 5分. 14:40. 【講義⑤】 り、どの様な視点や知識を持って取り組 軽度認知障害(MCI)と軽度アルツハイマー型 み・実践をすれば良いか? 前回に引き続き、本日は、教育的支援・慢 認知症に対する初期介入. 講義. 50分. 認知症初期集中支援を実践をするにあた. ~ 教育的支援・慢性疾患管理・薬剤 を中心に ~. 性疾患管理・薬剤調整を中心に講義を行い ます。. 【グループワーク①】 軽度アルツハイマー型認知症の方を想定した初 これまでの講義や演習を踏まえて、地域で 期集中支援の実践 生活する初期アルツハイマー型認知症の方 15:30 への初期集中支援の具体的な実践をグルー プで討議します。. 事例提示 5分 GW/ 演習. 全体化 20分. グループ意見の全体化. 休憩. 16:20. 討議 25分. 10分. 16:30. 初期集中支援の終了と引き継ぎ ~初期集中支援の評価・事例の解説~. 初期集中支援の終了を判断するにあたって の「評価」について、前半のグループワー クで検討した事例を踏まえて、解説を行い ます。. 他. 10分. 16:40. 【グループワーク②】 認知症初期集中支援の評価・実践. 認知症初期集中支援の終了を判断する際の 支援の評価について、演習を通し学びま す。. GW/ 演習. 15分. 16:55. 【ミニレクチャー】 認知症初期集中支援チェックリストを用い 認知症初期集中支援の終了・引き継ぎ・モニタ た、支援の終了・引き継ぎ・モニタリング の流れについて、講義を通し学びます。 リングの実際. 講義. 15分. 17:10. 閉会の挨拶・修了にあたって. 17:20. 知識テスト・感想アンケート. 17:30. 10分 来年度以降の、北区版 認知症初期集中支 援研修の内容 検討 等の 為、 テス ト・ アン ケートへのご協力をお願い致します。. 閉会. 他. 10分.
(10) 資料2. オレンジプランの概要. 北区版 認知症初期集中支援研修プログラム 一日目. 講義資料1. 平成24年 新オレンジプラン. 1. 標準的な認知症ケアパスの作成と普及 2. 早期診断・早期介入 • •. 認知症の初期集中支援の 概要. 認知症の容態に応 じた適時・適切な医 療・介護等の提供. かかりつけ医対応力向上、初期集中支援チーム 身近型認知症疾患医療センター 等. 3. 地域での生活を支える医療サービスの構築 • •. 薬物ガイドライン、一般病院での手術治療の実施確保 一般病院での対応力向上、精神科入院状態像の明確化 等. 4. 地域での生活を支える介護サービスの構築 • •. 医療介護サービスの円滑な連携、認知症にふさわしい介護サービス BPSDの介護保険施設での対応、介護保険施設の認知症対応力向上. 5. 地域での日常生活・家族の支援の強化 •. 介護予防推進、認知症地域支援推進員設置推進、互助組織等への活 動支援、サポーターキャラバンの継続実施、虐待防止等権利擁護、市 民貢献人の育成、家族に対する支援. 6. 若年性認知症施策の強化 7. 医療・介護サービスを担う人材の育成 •. 1. 認知症の地域ケアパス 中等度. 軽度. 重度. • オレンジブランの柱の一 つとして、早期診断・早期介入が掲 げられ、具体策として認知症初期集中支援チームが創られた. 地域包括支援センター 相 談. 認知症 初期集中 支援チーム. (認知症カフェ、初期教支援、市民後見人等). 初期支援 予防 本人 気 確定 家族 づ 診断 (地域) き 相. 連係. 談. 啓発. アウトリーチ. デイサービス、ホームヘルプ、ショートステイ、 地域密着型サービス、施設サービス等. 認知症サポート医 コンサルテーション. 身近型認知症疾患医療センター. 急性増悪 (合併症) 短期治療. 認知症疾患医療センター. 認知症疾患医療センター(診療所型) 急性増悪 (BPSD). 地域支援型病床. 3. 認知症初期集中支援チームとは?. ~住み慣れた地域で暮らし続けるために~ 気づき~診断. ライフサポートモデル、医療介護職への研修の充実. 短期治療. 認知症疾患医療センター 精神科. ≪背景≫ ①早期対応の遅れから認知症の症状が悪化し、行動心理症状 等が生じてから,医療機関を受診している例が散見される。 ②ケアの現場での継続的なアセスメントが不十分であり、 適切な認知症のケアが提供できていない。 ③これまでの認知症ケアは,認知症の人に「危機」が生じてか らの「事後的な対応」が主眼となっていた。 5. 4. 初期集中支援の訪問支援対象者. 初期集中の意味 • 「旱期支援機能」と「危機回避支援機能」を整備し,「危機」の発 生を防 ぐ「早期・事前的な対応」に基本をおくことが求められる。 • この「早期支援機能」として期待されるのが「認知症初期集中支 援チーム」である。このチームは、地域での生活が維持できるよ うな支援を、できる限り早い段階で包括的に提供するものであり、 新たな認知症ケアパスの「起点」に位置づけられる。 • 「初期」とは必ずしも疾患の初期段階という意味ではなく . 初動 (first touch)を意味している。 • 「集中」は認知症の人及びその家族を訪問し、アセスメント、家 族支援等を包括的・集中的(おおむね6力月)に行い、自立生活 のサポートを行ったうえで本来の医療やケアチーム に引き継い でいくことを意味している。 6. (訪問支援対象者の選定の際にはb に偏らないよう留意する). • 原則として40歳以上で、在宅で生活し、かつ認知症 が疑われる人又 は認知症の人で以下の a、b のいずれかの基準に該当. a 医療サービス、介護サービスを受けていない者、また は中断している者で以下のいずれかに該当する者 ① ② ③ ④. 認知症疾患の臨床診断を受けていない者 継続的な医療サービスを受けていない者 適切な介護サービスに結び付いていない者 介護サービスが中断している者. 疾患の初期(軽 度認知症の方) へのアプローチ. b 医療サービス、介護サービスを受けているが 認知症の行動・心理症状が顕著なため、 困難事例の ファーストタッチ 8 対応に苦慮している者. 1.
(11) 困難事例のファーストタッチ. 困難事例へのファーストタッチ. 北区・あんしんセンターサポート医モデル. ~アウトリーチ例の相談の主訴~. 人口34万の北区を3地域に分け、数か所 の地域包括と医師会指定の医療機関 (在宅療養支援診療所&認知症サポート 医)が常時連携できる体制をつくる。. 経済問題 介護負担大. 地域包括で発生した困りごとは、担 当のサポート医に相談。サポート医 は、必要に応じて自宅に訪問し、包 括と協力して問題解決にあたる. 医師会指定 在宅療養支援診療所. 家族が 支援拒否 他. 5%. 地域包括支援センター. 定期的に各包括持ち回り の検討会を開催。. 身体的問題. 11%. 6%. 介護 サービス 拒否 4%. 梶原診療所. 生活障害. 11%. 14%. キーパーソン なし. N=60. BPSD. 1% 4% 4%. 21%. 19%. 未診断 受診拒否. 9. 10. 困難事例へのファーストタッチ ~アウトリーチの概要~. サロン. N=50 80代(44.0%)が多く、男女比は、男性/女性 22/28 独居19人(38.0%)高齢夫婦13人(26.0%)その他18人(36.0%). 近隣 住民 民生 委員. その他の内科疾患. 2%. 褥瘡. 2% 甲状腺 機能低下. 2%. 14%. 6%. カフェ CM. 精神疾患. AD. チーム作り. 二次予防 事業. 30%. 骨折. CVA 4%. 8%. 末期癌. DLB MCI. 4%. mixed. 4%. FTLD VD. 12%. 6% 認知症 62% 内科疾患 24% (末期癌8%) 11 精神疾患 14%. NPH. 2%. AGDs/o. 2%. 2%. 12. 介護保険認定者の認知症高齢者日常生活自立度. チーム員の構成 初期の要件. (北区) Ⅳ 1528人 M 414 人 2% 9% Ⅲb 964人 自立 6% 24% Ⅲa 2680人 15%. 新しい要件 (旧条件を満たすことが困難). 医 A 保健師,看護師,作業療法士,精神保 療 健福祉士,介護福祉士等の医療保 健 介 福祉に関する国家資格を有する者 護 B 認知症ケア又は在宅ケア実務経験 専 3年以上を有する者 門 C 国が定める「認知症初期集中支援 職 チーム員研修」を受講、試験合格. A +歯科衛生士、社会福祉士 B +相談業務3年 C 研修を受講したもの、ある いはその内容をチーム内 で共有した者. 専 A 学会専門医or認知症疾患の鑑別診 門 断等の専門医療を主たる業務とした 5年 医 以上の臨床経験 B 認知症サポート医. Aで認知症サポート医研修を受 講予定の者 Bで認知症疾患の診断・治療に 5 年以上従事した経験を有す る者(認知症疾患医療センター 等との連携を図っている場合). Ⅱb 14% 2408人. Ⅱa 11%. N= 17,405人 H28.5.31現在. 4230人. Ⅰ 3306名 Ⅱ以上 9920名. Ⅰ 19% 3208人. 1894人. 13. Ⅰ. Ⅱa Ⅱb Ⅲa Ⅲb Ⅳ M. 何らかの認知症を有するが、日常生活は家庭内及び社会的にほぼ自立している。 日常生活に支障を来たすような症状・行動や意思疎通の困難さが多少見られても、誰かが注意して いれば自立できる。 家庭外で上記の状態がみられる。 家庭内でも上記の状態がみられる。 日常生活に支障を来たすような症状・行動や意思疎通の困難さが見られ、介護を必要とする。 日中 を中心として上記態が見られる。 夜間を中心として上記の状態が見られる。 日常生活に支障を来たすような症状・行動や意思疎通の困難さが頻繁に見られ、常に介護を必要と する。 16 著しい精神症状や周辺症状あるいは重篤な身体疾患が見られ、専門医療を必要とする。. 2.
(12) 北区の認知症高齢者の推定値. 北区の高齢者の状況. 人口344,237人⇒高齢者人口87,677人(高齢化率25.5%) (2016.9). 65歳以上 要介護高齢者. 1 推定認知症患者数 13152人(高齢者人口の15%として) • 重症度別割合(町田市の調査研究データを当てはめて計算) • 軽度認知症患者 8152人 • 中等度認知症患者 2894人 • 重度認知症患者 1138人. 家事全般ができない 年金などの書類が書けない 請求書の支払いができない. 2. 推定軽度認知障害数 11398人(高齢者人口の13%) 3. 推定療養場所 (全国の認知症患者の療養場所の割合を当てはめて計算) • 居宅140万人 (50.0%) 在宅 4960人 • • • • •. 特定施設10万人(3.6%) グループホーム14万人(5.0%) 介護老人福祉施設41万人(14.6%) 老人保健施設等36万人(12.9%) 医療機関38万人(13.6%). 357 人 496 人 1448 人 1280 人 1349 人. アセスメント 初回家庭 訪 問. 情報収集 初期集中支援の対象者か否かの判断. 17. 高齢者あんしんセンター 看護師など あんしんセンター看護師(認知症コーディネーター) あんしんセンターサポート医(認知症サポート医). 情報の整理・共有 課題の明確化・目標設定 支援計画・役割分担. ○チーム員 ①あんしんセンター看護師(認知症支援コーディネーター) ②あんしんセンターサポート医(認知症サポート医) ③定期訪問担当グループ(VNS,OT,介護,福祉士) ○認知症疾患医療センター ○北区認知症担当 ○その他必要に応じて(かかりつけ医、歯科医). 終結・引継ぎ (開始後6M>) モニタリング (引継ぎ2M<). 定期訪問担当員(圏域毎に固定) VNS,OT北区訪問支援員 介護福祉士区内事業所サ責. チーム員会議の開催 計画の修正. チーム員(訪問担当員 Nrs,OT等). 北区在宅療養訪問支援. チーム員、認知症疾患医療セン ター、北区認知症担当、その他. サービスにつながらなかった場合、 必要に応じて切り替え利用する. 5分前のことが思い出せない. M/標準. M/標準 M/標準. M/標準 M/標準. M/標準. M/標準M/標準M/標準M/標準M/標準M/標準M/標準M/標準M/標準. MCI又は軽度認知症. 初期集中 支援の実施. M/標準. 要介護高齢者. 情報収集・DASK21・DBD-13など 初期集中支援の対象者か否かの判断. チーム員 会議開催. M/標準. 周りの人からの物忘れがあると言われる. 施設 4930人. 北区認知症初期集中支援 フロー図 相談受付. M/標準. 今日が何月何日かわからないことがある. ⇒ 予防の対策が必要な方. M/標準. M/標準. M/標準. n=2100 n=2100. あんしんセンター看護師(認 20 知症支援コーディネーター). 65歳以上. % 18. 介護保険事業計画のためのアンケート調査結果報告書より 平成26年11月. 初期支援のチーム員の役割とコンピテンス チーム員. 役. 割. コンピテンス. 認知症地域 相談受付、初回訪問 支援推進員 情報収集と整理 (地域包括) 対象の抽出. 相談と情報収集、検査 様々な相談の中から初期支援対 象者を抽出するトリアージ力. 認知症 サポート医. 診断や状態を推察 医療のかかり方の検討。 診断や状態をシェアする(自ら主 治医となる場合). 症候や調査結果(HDSR,DASC 等)から疾患とステージを推定。 診断と状態のシェア 初期の教育(リハビリ等)動機付け. 認知症 チーム員. 初期支援の実施 情報の整理と課題明確化. 診断の理解度確認と追加説明 教育的介入(本人・家族) リハビリプラン(運動、知的活動)提起 慢性疾患管理の援助 適正なサービスの導入援助 チームつくり、受診・服薬援助. 全員. 初期支援終了の判断 モニタリングによるストラクチャー評価. 主治医とケアマネジャーの確定 対象の状態に応じたチームづくり 21. 北区版の初期集中支援制度の 特徴とねらい. アイスブレーキング 司会 : 認知症支援コーディネーター. グループ内で自己紹介(一人3分) 〇 職種、所属など 今まで、あるいは現在の認知症ケアへのかかわり 〇 初期集中支援の活動に期待すること. 22. 1. 全国のほとんどの地域で、緊急性の高い困難事例の対応を 優先せざるを得ない状況にあるのに対し、北区は先んじて 「あんしんセンターサポート医」という困難事例に対応するシ ステムを別に作ってきたため、純粋に疾患の初期(軽度認知 症の方)の支援に集中することができる。 2. 地域の事情にあった独自の研修プログラムの実施によって 初期支援ができる専門職を地域に数多く輩出する。それに よって、医療と介護に一応結びついてるが、十分な初期支援 がされていない認知症の方と家族にも適切な初期支援が提 供されることが期待される。 23. 3.
(13) 初期の介入によってもたらされるものは?. 北区版の初期集中支援制度の 特徴とねらい 3. 初期集中支援を一か所の機関に委託するのではなく、地 域包括に集中させ、そこに地域の多職種専門職がチーム 員として参画する形とした。これにより、地域毎にパスの 起点としての主治医ーケアマネの連携を軸とした多職種 チームの形成が容易になる。 4. 初期支援に明るい多くの専門職を輩出する動きと連動し、 認知症の初期の対応や予防に関しての区民啓発を行うこ とによって、予防活動や認知症を進行させない地域の活 動を推進することができる。 24. • 予防や進行を遅らせる活動に結び付ける 慢性疾患管理、リハビリ(運動、知的活動)、内服 認知症の有病率の低下 • チーム(主治医、ケアマネジャー含)を創り、医療とケアの連 携体制を構築する ケアパスの起点となる • 地域(自宅)での生活を継続できる 危機対応型ではなく、事前に危機を防ぐケアにより • 進行したときにむけての準備ができる 本人の将来の意向の確認、家族の教育的支援の効果 • 専門職、区民の意識改革(啓発) 認知症は早く対応することでよいことがある 25. 認知症初期集中支援の実施上の留意点 • 介入のタイミングを意識する 早ければ早いほどよいのか? • 介入には適切なタイミングがある。 • 外来と違い、訪問の場合、ご本人、ご家族に受け入れる準備 ができていない場合があることに注意する。 • 早期診断のデメリットも意識する(過剰診断や誤診、本人や家 族の失望や不安の助長) • 診断でなく状態を伝えることでも初期の介入はできる. • 何が問題なのか、何が将来の問題となるか? • 望んでいないのに家に押し掛けているという自覚 • 過剰に問題としてとりあげすぎない(90歳代の認知症、認知症 はあるが環境因子がしっかりしていて困っていない例) 26. 4.
(14) 北区版 認知症初期支援研修プログラム 一日目. 認知症とは?. 講義資料2. 認知症とは、「一度正常に発達した認知機能が後天的な脳 の障害によって持続的に低下し、日常生活や社会生活に支障 をきたすようになった状態」である。. 初期支援対象者の トリアージ. 多彩な認知障害の出現 • • • • •. ~対象となる疾患の選別について~. 複雑な注意機能・遂行機能:計画、決定、最優先の習慣、柔軟性等 学習と記憶:直接記憶、自由想起を含めた近時記憶等 言語:呼称、流暢性、言語の理解等 視空間知覚能力:構成、視覚認知 社会的認知能力:情動の認知、心の理論、行動の統制. ~認知機能障害は自立した生活を妨げるほど重篤である~. 1. 認知症の基礎疾患. ものわすれ外来患者の疾患構造と アウトリーチの患者の疾患構造の違い. 認知症には70以上の病気が含まれる 主要な認知症 ・ • • •. ものわすれ外来患者の基礎疾患. アルツハイマー型認知症 (AD) (50%) 血管性認知症 (VD) (10~15%) レビー小体型認知症(DLB) (15~20%) 前頭側頭葉変性症(FTLD) (5%). アウトリーチ患者の基礎疾患. N=60 (2014.9.1~2015.8.31). ○ 行動障害型前頭側頭型認知症 (bvFTD)・・・性格変化・行動変化 ○ 言語障害型前頭側頭型認知症 * 意味性認知症(SD)・・・言葉の意味がわからない、失語 * 進行性非流暢性失語(PNFA)・・・発語の流暢性が損なわれる. ・ 嗜銀顆粒性認知症(AGD). 2 P49 朝田隆 DSM-Ⅴにおける認知機能障害診断の動向 Cognition and Dementia vol.11 no3. (5~10%?). 3%. 2%. 8%. 内科的疾患(ホルモン異常、肝不全、呼吸不全、腎不全、膠原病、ビタミン欠乏症等) 中毒(コルサコフ症、水銀、鉛、シンナー等) 脳外科的疾患(特発性正常圧水頭症、慢性硬膜下血腫、脳腫瘍、頭部外傷等) 感染(AIDS脳症、進行麻痺、単純ヘルペス、クロイツフェルトヤコブ病等) 大脳皮質基底核変性症、進行性核上麻痺、多発性硬化症等 下線は治療できる認知症 (約5%) 3. 7% 13% 0%. 軽度認 知障害. 15%. 5% DLB 5% VD. 混合性. その他. 3%. NPH FTLD. 中等度 AD. 軽度 39% AD. N=50 その他の. 2% 内科疾患. 甲状腺 機能低下. 精神疾患. 2%. 褥瘡 2% CVA. 6% 骨折. 4%. 14%. AD 30%. 8%. DLB. 末期癌. NPH. 2%. 4%. AGDs/o 4%. 2%. 12%. 混合VD FTLD 性 6%. 2% 4. この講義のめあて 様々な認知症の相談の中で、初期集中支援の対象 となる軽度アルツハイマー型認知症や軽度認知障害 の方を抽出するための基礎知識を得る ②軽. ①. 度 認 知 障 害. 軽度 予 防 活 動 に つ な げ る. 1 アルツハイマー型認知症の 自然経過とステージを理解する. アルツハイマー型認知症. 中等度. 重度. 末期. 日常的に介護が必要(介護保険). ③. レビー小体型認知症 前頭側頭葉変性症 その他の認知症 5. 6. 1.
(15) アルツハイマー型認知症の自然経過. アルツハイマー型認知症の事例. 発 症. 8×歳女性 長男と嫁と同居. 軽度の時期. 即時記憶低下 長期記憶↓. 近時記憶 低下. 失語 単語数↓ 見当識障害 会話が成立しない 時間 ⇒ 場所 ⇒ 人 身 全介助 実行機能障害 体 歩行障害 失行、失認 症 失禁 仕事 家事 ADL 肺炎 社会活動 手段的ADL 生命維持状 嚥下障害 死 軽度 中等度 重度 末期. M C I 0. 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 10. MCI:軽度認知障害. 9. * 昨年までボランティアをしていたが、もの忘れが出現. し、お金の管理がうまくできなくなり、人に迷惑をかける ことを心配され、ボランティアをやめた。それを機に、外 出もあまりしなくなり、心配したご家族に連れられ、● 年9月に当院受診した。 * 外来受診時のHDS-Rは20点で、近時記憶の低下(三 単語再生)と時間の見当識の低下が見られ、採血、 MRIなどを行い、軽度アルツハイマー型認知症と診断 した。 * 診断結果は、お嫁さんとともにご本人にもお伝えした. 年. 10. アルツハイマー型認知症 軽度の時期に見られる症状. アルツハイマー型認知症の自然経過 発 症 即時記憶低下 長期記憶↓. 近時記憶 低下. 失語 単語数↓ 見当識障害 会話が成立しない 時間 ⇒ 場所 ⇒ 人 身 全介助 実行機能障害 体 歩行障害 失行、失認 症 失禁 仕事 家事 ADL 肺炎 社会活動 手段的ADL 生命維持状 嚥下障害 死 軽度 中等度 重度 末期. M C I 0. 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. MCI:軽度認知障害. 9. * * * * * * * * *. 去年くらいから同じことを何度も聞いたり、言ったりする 保険証や通帳を無くし、何度か再発行した 火のつけっぱなしで、鍋ややかんを二、三回焦がした 自分で忘れるようになったことを嘆いている 食事の味が変になった。あるいは料理が単純になった 外出や旅行も面倒くさがり、あまりしなくなった 40万円の布団(浄水器)を買い、家族がクーリングオフをした 日や曜日が混乱して新聞とカレンダーでいつも確認している 嫁(ヘルパーさん)が、財布を盗っていったという(盗られ妄想). 10 11. 年. アルツハイマー型認知症の事例 8×歳女性 長男と嫁と同居. 12. アルツハイマー型認知症の自然経過 発 症. 中等度の時期 * ●+2年6月にはHDS-Rは15点、とアルツハイマー 型認知症は中等度に進行した。 * 日常生活では、電話のかけ方が分からなくなり、買 い物もできなくなった。また近時記憶の低下に加え、さ っきのことも忘れる(即時記憶の低下)ようになり、夜 にトイレにいくのに迷うことが多くなった。 * ●+3年7月には、HDS-Rは11点で、入浴など生活 全般に介護が必要になってきた。最近では、同居して いない三男の顔が分からなくなることもあった。. 失語 単語数↓ 見当識障害 会話が成立しない 時間 ⇒ 場所 ⇒ 人 身 全介助 実行機能障害 体 歩行障害 失行、失認 症 失禁 仕事 家事 ADL 肺炎 社会活動 手段的ADL 生命維持状 嚥下障害 死 軽度 中等度 重度 末期. M C I 0. 13. 即時記憶低下 長期記憶↓. 近時記憶 低下. 1. MCI:軽度認知障害. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 10 14. 年. 2.
(16) アルツハイマー型認知症の事例. 中等度の時期に見られる変化. 8×歳女性 長男と嫁と同居. 重度~末期 * ついさっきの事も忘れる。30秒ごとに同じことを言う。(即時記 憶の低下) * 夜にトイレの場所がわからなくなった(場所の見当識障害) * お風呂に入りたがらない。入ってもボーとしている * 家電製品や電話の使い方が分からない(手段的ADLの障害) * 遠方に住む息子や嫁が誰かわからなくなってきた(人の見当 識障害)。 * テレビのあらすじがわからず、見なくなった * 服を選んで、順番に着ることができない(着衣失行) * いつも誰かがそばにいないと生活できなくなった. 15. * ●+4年にはHDS-Rは4点で底打ちとなり、尿失禁、便失禁が 出現。身の回りのことのほとんどに介助を要するようになり、常 に介護者がそばにいないといけない状況となった。歩行も介護 を必要な状態になった。 * ●+5年、便秘や尿路感染症の発症、転倒を起こすようにな った。 * ●+6年2月肺炎発症、同3月に呼吸不全を伴う二度目の肺炎 で入院、ねたきり状態となった。三回目の肺炎発症時は嚥下反 射の消失を認め、経口摂取は不可で、末期ADと診断した。 * ご本人の以前からの希望に従って、胃瘻などの経管栄養は 実施しない方針とし、皮下輸液を開始した。5月○日早朝、家 族全員に見守られながら穏やかにお別れをした。 16. 重度から看取りの時期に見られる変化. アルツハイマー型認知症の自然経過 発 症 即時記憶低下 長期記憶↓. 近時記憶 低下. 失語 単語数↓ 見当識障害 会話が成立しない 時間 ⇒ 場所 ⇒ 人 身 全介助 実行機能障害 体 歩行障害 失行、失認 症 失禁 仕事 家事 ADL 肺炎 社会活動 手段的ADL 生命維持状 嚥下障害 死 軽度 中等度 重度 末期. M C I 0. 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. MCI:軽度認知障害. 8. 9. * 言葉がうまくでてこなくなり、意味のある会話ができない * 食事排泄など生活のほとんどに介助を要し、常に介護者がそ ばにいないといけない * 尿失禁、便失禁が見られる * 歩行にも介助が必要となり、眼を離すと転ぶ * 便秘や尿路感染症の合併症をしばしば起こすようになった * 転倒(感染)を機に、完全にねたきりとなった * 肺炎を繰り返すようになった * 食べ物を入れるとぜろぜろし、苦しがるようになり、口からほと んど食べれなくなった. 10 17. 年. 18. アルツハイマー型認知症における 活動と生活機能 ステージ 障害と活動. 生活機能障害 評価. 社会資源. 初期. 高次のADL (社会活動). 仕事をする、旅行に FAI 行く、知人と交流する DASC 諸手続きをする 交通機関を利用する ⇒社会の中での孤立. インフォーマルな資源 認知症カフェ サロン 地域支援事業. 軽度. 手段的ADL. 服薬管理 金銭管理 家事や食事の準備. DASC. 家事援助 訪問リハ(OT)、看護 リハビリデイ. 一部の 基本的ADL. 着替え、入浴、整容. DASC FIM. 身体介護 訪問リハ(OT)、看護 デイサービス. すべての 基本的ADL. 排泄、食事、移動. DASC FIM. 入居サービス. 中等度. 重度. 19. 2 軽度認知障害について理解する. 20. 3.
(17) アルツハイマー型認知症の発症まで. 軽度認知障害 Mild cognitive impairment:MCI. 軽度認知障害(MCI) アルツハイマー病の発症. 《MCIの診断基準》. 1. 2. 3. 4. 5. 6.. 数年 予防活動. 記憶障害の愁訴がある 日常生活活動は正常 全般的な認知機能は正常. . 水際予防. 進行を 遅らせる. MMSEは24点以上. 年齢に比して記憶力が低下 標準化された記憶検査(Wechsler memory scale)が1.5SD以上下回る 認知症は認めない CDRのスコアが0.5. 例:軽度の物忘れが常に存在、部分的に思い出す、良性健忘. 約25年 50歳. 75歳. 79歳. 約10年 81歳. 21 1990 Petersonら. MCIのサブタイプ診断. 2003年. 89歳. 22. MCIで気付かれやすい徴候 直近のエピソードを忘れている. 認知機能に関する訴え(本人or家族). 同じ質問・話を繰り返す * 記憶、言語 遂行機能 視空間機能. 正常ではなく、認知症でもない 認知機能*の低下あり 日常生活機能は正常 Yes. 置いた場所、しまった場所を忘れる 蛇口、スイッチ・ガス栓の閉め忘れ 今何をしようとしていたかわからない. No. MCI. 時間の見当識障害 日付や曜日がわからない どれくらい前のことかわかならい. 記憶障害. 健忘型MCI. 記憶障害. 性格変化. 非健忘型 MCI. 猜疑心、依存傾向、怒りっぽい とんちんかんな応答. 認知障害は記憶障害のみ Yes. 認知障害は一領域に限られる. No. アルツハイマー病 うつ病. No. Yes. 健忘型MCI 多領域障害. 健忘型MCI 短領域障害. 非健忘型MCI 単領域障害. アルツハイマー病 血管性認知症 うつ病. 話の理解困難. 前頭側頭型 認知症. 非健忘型MCI 多領域障害 レビー小体型認知症 血管性認知症 25. つじつまを合わせようとして作話になる 少し複雑な話は理解できない 長年の趣味をやめた. 意欲の低下. 物事に対する興味・関心の喪失 外出しない. 26 2006 田北昌史:軽度認知障害:外来診療のこつ モダンフィジシャン26 1823-1827. 軽度認知障害 (MCI)の場合 有病率 65歳以上の人口の13%. 運動 (有酸素運動). 正常. リバート率(14~44%). 知的活動. 慢性疾患管理 MCI. 認 知 症. (糖尿病、血圧等). 3 レビー小体型認知症や 前頭側頭葉変性症など 非アルツハイマー型認知症の特徴 を理解する. 年間で10%認知症を発症(コンバート率) 正常者1-2%). 4年間で半数が 認知症に移行 27. 30. 4.
(18) レビー小体型認知症の診断基準 MIBG A中心的特徴(必須事項). C示唆的特徴. 進行性の認知機能障害 レム睡眠行動 異常症. 注意障害. 視覚認知 機能障害. 転倒・失神. 遂行機能 障害. 意識障害 幻視以外の 幻覚. *初期は近時記憶は比較的保たれる. 抗精神病薬に 対する過敏性. 認知機能 の変動. 基底核ドパミン・トランスポーター 低集積(SPECT/PET). 幻視 体験. レビー小体型認知症でみられる幻視. D支持的特徴. 系統化 された妄想. 特発性の パーキン ソニズム. B 中核的特徴 B2個 or B 1個+C1個. うつ. 自律神経症状 (起立性低血圧、尿失禁 便秘、発熱等). MIBG心筋シンチ. SPECTで後頭葉に血流低下. 脳波、徐波. 出典NHK ためしてガッテン 気づいて!新型認知症 見分け方&対策大公開 2013年10月2日放送. CT/MRI:内側側頭葉の委縮は軽度 (Mckeithら,2005年より改変) 31. レビー小体型認知症で用いられる 機能画像. 空間認知(構成障害)をみる検査 ダブルペンタゴン. 32. CDT(時計描写). 立方体. 11 0 10. ドパミントランスポーターイメージング (dat scan). 1 2. MIBG心筋シンチ. 3. 9. 4. 8 7. 6. 5. 山口キツネ・ハト模倣テスト(YFPIT). 正常. 33. レビー小体型認知症. 立方体. DLBでは黒質線条体ドパミン神経の終末部に 存在するドパミントランスポーターが減少する. 正常. レビー小体型認知症. DLBでは交感神経の機能低下により、 心臓への集積が低下する 34. レビー小体型認知症の症状とBPSD. 7×歳 女性、一人暮らしで、子供はいない。 甥に連れられて、外来受診、以後通院困難のため、訪問診療となった。 1~2年前より、「家の中に韓国の子供が10人以上いるようになった」と話す。当 初、家の外から「出ていってよ!」と大声で叫んでいるのを近所の人が聞いて、 区役所に通報があり、包括につながった。 HDS-Rは22/30点で、遅延再生は4/6とやや低下しているが、時間の見当識障 害は認めず、約束の遂行も可能であった。時計描写テスト(CDT)などの検査で 構成障害を示し、頭頂葉の機能低下が疑われた。 もともと変形性股関節症による歩行障害を認めていたが、最近さらに歩行が悪 化し、転倒が増加してきた。L-DOPAの少量投与が有効で、転倒は少なくなっ た。立ち上がり時にたちくらみを認める。また、切迫性尿失禁も認めている。 ダブルペンタゴン. レビー小体型認知症. CDT. 幻視(約8割) 照明を明るくする。壁紙を変える。色彩に変化をつける。 対象物が視界に入らないようにする。 ドネペジル(即効性+)、抑肝散5g(効果発現まで2週間). うつ(約5割) SSRI、ドネペジルなどCH-I パーキンソン症状 (進行すると必発:固縮、無動) パーキンソン症状に対しては、幻視等の悪化に留意しな がら、少量のL-DOPAやドパミンアゴニストを用いる. 妄想性誤認症候群(51%) 35. ジプレキサ2.5mg、セロクエル25㎎ (糖尿病で禁忌) 錐体外路症状悪化、転倒等に注意してモニタリング. 36. 5.
(19) 前頭側頭葉変性症(FTLD). レビー小体型認知症の症状とBPSD レム睡眠行動障害: (しばしば譫妄と誤診、前駆症状) 概日リズムの障害を合併しやすい⇒サーカディアンリスム確保 のためのケアの導入が重要 例)デイサービス導入、モーニングケア、午前中のリハビリなど 少量のリボトリール投与(0.5mg vds)、. 自律神経障害: (本人の苦痛になっていることが多い) 起立性低血圧:ゆっくり起床,転倒予防,ストッキング,薬剤(ドプス等) 弛緩性便秘:下剤の使用 尿失禁:認知機能に影響を与えにくい治療剤(ベタニス)を選ぶ 発熱:環境整備(室温、衣服の調整)、合併症の除外. 認知機能の変動. 1996年Manchesterグループが前頭側頭葉変性症 (FTLD)の概念を提唱 1 前頭側頭型認知症(frontotemporal dementia;FTD) 2 意味性認知症(semantic dementia:SD) 3 進行性非流暢性失語(progressive non-fluent aphasia;PA). ○ 行動障害型前頭側頭型認知症(bvFTD) * 前頭側頭型認知症・・・性格変化・行動変化. ○ 言語障害型前頭側頭型認知症 * *. 意味性認知症(SD)・・・言葉の意味がわからない、失語 進行性非流暢性失語(PNFA)・・・発語の流暢性が損なわれる. 認知レベル低下時は合併症との鑑別が必要 37. 38. 前頭側頭型認知症. 前頭側頭型認知症の症候学 1. 2. 3. 4.. 5. 6. 7. 8. 9. 10. 11. 12. 13.. 病識の欠如 我が道を行く行動(going my way behavior) 脱抑制・・・衝動の自制を失い、欲求の赴くままに行動 前頭葉下面~内側 社会的逸脱行動・・・窃盗、交通違反で 感情・情動変化・・・多幸性、児戯的な性格変化(モリア) 自発性の低下・・・自発性の低下や無為などの陰性症状 無関心・・・比較的初期から他人に対する関心がなくまる 前頭葉凸面 考え不精・・・課題に対する意欲低下、無関心。 立ち去り行動・・・診察室から突然出て行ってしまうなど 常同行為・・・常同的周遊(roaming)、滞続言語、反復言語や反復書字 側頭葉底面 時刻表的生活 食行動異常・・・大食(hyperphasia)や口唇傾向(oral tendency) 被影響性の亢進・・・模倣行為、脅迫的音読、何かの文句につられて歌を 次々歌いだす、反響言語 前方連合野領域. 6×歳男性 平成15年頃より拾いタバコをするなど奇行を認めていた。平成16年末より蒐集 癖が悪化。毎日決まった時間に、散歩にでかけ、同じコースを回って帰ってくる (常同性)。途中、マンションのゴミ収集所に行き、ゴミの山から壊れたストーブや 自転車、植木鉢など色んな物を拾って帰り、部屋に持ち込むため部屋はゴミの山 になっている。置いてある自転車などを持ち帰り、窃盗犯として警察に捕まったこ ともある。周りではやし立てる子供を捕まえて殴るなど、否定されるとカーと怒るこ とが目立つ(易怒性)。ご飯を3合以上一度に食べる(炭水化物の過食)。同年9月 ころからは、長い間寝ていることも増えてきた。 SSRIという抗うつ薬で、易怒性や窃盗などはみられなくなり、在宅生活を継続 している。. 露口敦子ら 前頭側頭型認知症の症候学 cognition and Dementia volより一部改変 39. 40. 認知症の基礎疾患による違い. 前頭側頭型認知症(FTD)の初期症状. アルツハイマー型 FTDでは社会的行動、感情、日常生活での変化が初発症状の 59%を占め、特に自発性低下と常同行動が特徴(Shinagawaら) 自覚的な訴えはなく、介護人からの聴取では人格や行動面で の変化、もの忘れ、全般的な認知機能の低下、喚語困難等が 多かった。FTDの初発から診断までは平均2年(0.5 ~5.5年)( Pijneburg). FTDでは、人格変化>健忘>喚語困難の順に多く、SDでは喚語 困難と行動異常、PNFAでは喚語困難が多かった(Diehl-Schmid) 「周囲への気遣いや他者への共感がなくなる」「我が道を行く行 動や社会ルールを守らない」「多幸的(軽薄)、心的葛藤や病識 を欠く」「うつ病ととらえがちな自発性の低下」(田邊) 初期は、空間認知障害(構成障害)、記憶の著明な低下は認め ない(関心がなく全く覚えようとしないということはある)。 41. 血管性. レビー小体型. 前頭側頭型. 予測される自 10年程度、軌道 然経過や予後 の均一性高い. 階段状、 ADより短い. 動揺性 ADより短い. ADより短い. 認知障害. 近時記憶障害. 多彩. 構成障害,注意,遂行. 性格・行動の変化. 起こりうる身 体合併症. 身体症状(歩行、 歩行障害、嚥 転倒、嚥下障害、 嚥下障害等)は 下障害、パー パーキンソン症状、自 重度まで認めず キンソニンズム 律神経障害、. 行動心理徴候 中等度の時期に アパシー等 の頻度と種類 多発、 軽度:とられ妄想 予防法 MCIでは運動、知 抗血小板薬 的活動、慢性疾 等が有効 患管理が有効 薬物治療 ACH-I(アリセプト® 等) 、メマンチン(メマ リ‐®) ケアや接し方 行動に意味があ る。その人らしさ、 情動は保たれる. 失禁+ 歩行、摂食・嚥下 は保たれる. 幻視、妄想性誤認 症候群、レム睡眠 行動障害等多彩. 脱抑制、常同性、 反社会的行為、情 動変化、食行動等. ?. ?. ACH-I,抗パ薬,クロナ SSRI、バルブロ散、 ゼパム,抗精神病薬 非定型抗精神病 の過敏性に注 薬 病識の欠如 行動を妨げない 42. 6.
(20) 資料4. 北区版 認知症初期集中支援 研修プログラム 一日目. 認知症初期集中支援対象者 トリアージシートの使い方. 「認知症初期集中 支援対象者トリ アージ」 対応ルート. (暫定版) 今後、変更・修正等の可能性あり. 認知症初期集中支援対象者トリアージ 対応ルート. 認知症相談対応 各事業等の 主たる役割範囲のイメージ MCI・軽度アルツハイ マー型認知症. 認知症相談を受け、具体的な介入を行う事業等 • 初期集中支援チーム • もの忘れ相談医 • 認知症サポート医 • 認知症疾患医療センター. どういう人を、 どの機関へ 繋ぐことが良 いか?. • 認知症高齢者訪問相談事業 • (高齢者あんしんセンターサポート医). アルツハイマー型 認知症 (行動・心理症状なし). アルツハイマー型 認知症 (行動・心理症状あり). 非アルツハイマー型 認知症. 初期集中支援 チーム もの忘れ相談医 認知症 サポート医 認知症疾患医療 センター 認知症高齢者 訪問相談事業. 認知症初期集中支援対象者トリアージ 基本的な考え方. 認知症初期集中支援対象者 トリアージ 項目. ※主治医がいる場合は、主治医とのやり取りを基本に対応。. • 認知機能. • MCI・初期認知症と思われる方 →初期集中支援チーム. 「もの忘れ」等を主とした、アルツハイマー型認知症 らしいか、それ以外の認知症が疑われるか?. • アルツハイマー型認知症(行動・心理症状なし)と「予想さ れる方」 →もの忘れ相談医、認知症サポート医. • 身体症状 対応に急を要するかどうか? 認知機能の問題と同時に、身体症状はどの様か?. • アルツハイマー型認知症(行動・心理症状あり)、 非アルツハイマー型認知症と「予想される方」 →認知症サポート医、認知症高齢者訪問相談事業、 認知症疾患医療センター. • (陽性)行動・心理症状 問題の困難さ、対応の困難さはどうか? アウトリーチ等の対応が必要かどうか?. 1.
(21) アウトリーチ実践の対象となった患者50名 ○診断名:. (2012年6月~2015年12月). アルツハイマー型認知症が、15人(30.0%)で最も多く、続いて精神疾患7人(14.0%)、 レビー小体型認知症(以下、DLB)6人(12.0%)、末期がん4人(8.0%)の順で続いた。. 認知症(31人)62% 非認知症(12人)24%. 精神疾患(7人)14%. 北区版 認知症 初期集中支援対 象者 トリアージ シート. アウトリーチ実践の対象となった患者50名 (2012年6月~2015年12月). 認知症・非認知症・精神疾患の患者群比較 ○非認知症の患者群では、相談・対応の時点、体動困 難や食思不振などの「身体的問題」が有意に多い 25. Χ²=19.568 自由度=2 p=.000. 20 15. 22. 10 5. 9. 11. 7. 1 非認知症. 身体的訴えあり. • 認知機能 • 身体症状 • (陽性)行動・心理症状 -救急医療としてのBPSDの考え方-服部(2012) A:初期評価 ・・・地域のレベルで、どこまで対応可能なのか? 専門医療機関へ紹介すべきか? B:初期対応 C:専門医療への継ぎ目のない連携. 0. 0 認知症. 認知症初期集中支援対象者 トリアージ 項目. 評価の基準:『(陽性)行動・心理症状」・・・BPSDの中でも、対応 に、より困難さを伴うと考えられる 幻覚・妄想・徘徊などの BPSDをトリアージ項目としてチェック. 精神疾患. 身体的訴えなし. (Ⅰ)認知機能. (Ⅱ)身体症状. 2つ以上で該当(○)、1つ以下は非該当(×). 1つ以上で該当(○). ①.少し前に聞いた話をすっかり忘れていることがある。 ②.同じことを繰り返し話したり、尋ねることがある。 ③.物の置き忘れ、探し物が目立ってきた。. 近時記憶. ⑤.時間や日にちの感覚が不確かになった。 ⑥.以前していた日課や趣味をしない・無関心になった ⑦.整容(入浴・着替え等)を面倒くさがるようになった。 ⑧.貯金の出し入れ、郵便物等の管理が難しくなった。 ⑨.調理や仕事等の段取りが上手くいかず、失敗することが増えた。 ⑩.感情の起伏が、以前に増して激しくなった。 ⑪.自分自身で、もの忘れを自覚し気にしている。. ①.急なADL低下 ②.失禁. ④.買い物で、同じものを買っていることが見られるようになった。 見当識 アパシー. IADL. ③.極度のやせ(食思不振など) ④.意識障害 ⑤.発熱(平熱+1℃) ⑥.呼吸困難. 初期 心理 的反応. ⑦.急性疼痛(頭痛・腹痛・胸痛等) 救急対応検討(状況に応じて). 2.
(22) (Ⅲ)陽性 行動・心理症状 1つ以上で該当(○) ①.幻覚. 主治医がいる場合 • 認知症に関する相談であっても、これまで本人と関わ りのあった主治医とのやり取り(現状把握や情報交換 等)は、必須です。 ※認知機能低下が、内科疾患等に関連している事は、 少なからずある。. ②.妄想 ③.暴言・暴力. ※認知症の診断後も、内科管理は継続する・薬剤管理 の問題等、総合的に対応する必要がある。. ④.徘徊 ⑤.昼夜逆転 ⑥.反社会的行為 ⑦.人格変化(ゴーイング・マイ・ウェイ行動、脱抑制等). • 医療機関と本人居住地との地域が離れている場合、 主治医が認知機能に関わらない臓器毎の専門医であ る場合などは、認知機能に関して、別途、医療機関の 関わりを構築することも想定します。 (初期集中支援チームについては、最長6か月の関わりを想定). (グループワーク). 事例を用いたトリアージの実践 司会 : 定期訪問担当員 トリアージシートを参考にして、各事例についてどの 対応ルートを辿ると良いか?(どの医療機関・窓口へ繋げていく ことが良いか?)を検討して下さい。 〇 各事例5分を目安に検討(全体:20分) ○ 提示された情報の範囲の中でのトリアージ・判 断をお願いします。. 3.
(23) 資料3. アルツハイマー型認知症の自然経過. 北区版 認知症初期集中支援研修プログラム 二日目. 発 症. 講義資料3. 軽度認知障害(MCI)、軽度認知症 の方の心理・社会的側面の理解. 失語 単語数↓ 見当識障害 会話が成立しない 時間 ⇒ 場所 ⇒ 人 身 全介助 実行機能障害 体 歩行障害 失行、失認 症 失禁 仕事 家事 ADL 肺炎 社会活動 手段的ADL 生命維持状 嚥下障害 死 軽度 中等度 重度 末期. M C I 0 1. アルツハイマー型認知症における活動と生活機能 ステージ 障害と活動 生活機能障害 評価 社会資源 初期. 高次のADL (社会活動). 仕事をする、旅行に FAI 行く、知人と交流する DASC 諸手続きをする 交通機関を利用する ⇒社会の中での孤立. インフォーマルな資源 認知症カフェ サロン 地域支援事業. 手段的ADL. 服薬管理 金銭管理 家事や食事の準備. DASC. 家事援助 訪問リハ(OT)、看護 リハビリデイ. 一部の 基本的ADL. 着替え、入浴、整容. DASC FIM. 身体介護 訪問リハ(OT)、看護 デイサービス. すべての 基本的ADL. 排泄、食事、移動. DASC FIM. 入居サービス. 軽度 中等度. 即時記憶低下 長期記憶↓. 近時記憶 低下. 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 10. MCI:軽度認知障害. 2. 年. 軽度認知症・MCIの人が体験をし ている精神症状 軽度認知症・MCIの方の内、少なくとも何らか一つの 精神症状を持ち合わせている方の割合 軽度認知症. MCI. 60~80%. 約50%. 症 状 あ り. 症状あり. 重度. 3. 軽度認知症・MCIの人が体験をし ている精神症状. 4. Lyketsos,Constantine,G and Olin,J (2002),Chan,Ding-Cheng et al.( 2003). 軽度認知症・MCIの方の心理・内面理解 • 近時記憶の低下 ものをどこかにしまったが、全く思い出せない 「さっき言ったじゃない」と言われても、言われた覚えもない. 不安 抑うつ アパシー 動揺・興奮 易怒性 等. • 見当識障害 今が、いつなのか? 今、自分がどこいるのか分からない. 恐怖. もどか しさ. 不安感. 混乱. • 実行機能障害 料理を作る手順が分からない!. ・動揺・興奮の症状は、MCIの方より、認知症患者に明 らかに多い ・抑うつは、認知症患者・MCIの方、ほぼ同率に体験を している。. お金を引き出すことができない!. Chan,Ding-Cheng et al.( 2003) 5. “自分らしさ”の危機が、招く 6 軽度認知症・MCIの方の精神症状. 1.
(24) 「認知症高齢者の日常生活自立度」別 世帯類型. 軽度認知症・MCIの人の社会的側面 世帯構造 行動の範囲 他者との繋がり・交流 7. 世帯類型別 認知症・身体状況の程度. 8. 日本医療福祉生協連合会(2013)「認知症者の生活支援実態調査と支援方策の開発に関する臨床研究事業」. 軽度認知症 高齢者の 「生活の広がり」・「人とのつながり」 もの忘れ外来を初診となった後期高齢者58 名。(2012 年7 月~2013 年10 月) ⇒内26 名(45%)が認知機能低下あり。 認知機能低下の無い高齢者と、軽度の認知機能低下がある高齢者の比較. 認知軽度:「認知症高齢者の日常生活自立度」Ⅱb以下 ⇔ 認知重度:Ⅲa以上 身体軽度:「障害高齢者の日常生活自立度」A2以下 ⇔ 身体重度:B1以上 9. 日本医療福祉生協連合会(2013)「認知症者の生活支援実態調査と支援方策の開発に関する臨床研究事業」. 軽度認知障害(MCI)の人の「他者との繋がり」. • 生活の広がり. • 人とのつながり. (日常の活動で、最近4 週 間に移動した範囲). (地域や人との関係性). 認知機能低下がある人は、二項目共に有意な低下あり。. ⇒軽度の認知機能低下の社会生活への影響. インフォーマルサポートの状況 家族_支援の有無・頻度…. • MCIと診断された人と,認知機能低下の無い人の 状況を比較. 10. 上原(2014). 74.1. 7.6. 7.7 2.7 6.6 1.2. 0.1. 民生委員_支援の有無・頻度…2.6. 8.5. 86.4. 2.0. 0.3 0.1. 地域の役員(民生委員は除く)_支援の有無・頻…0.32.8. • 記憶困難、易怒性、自発性の喪失、猜疑心、不安 の精神症候、および閉じこもりについては,有意に MCIと診断された人に多い。. • 記憶の低下⇒猜疑心の誘発といった状況が招くと 推測される「他者との繋がり」の低下 Forsell,Yvonne et al. (2003). 認知機能の低下(初期認知症・MCI)をきっかけに、縮小することが 懸念される、地域の中での他者との繋がり・交流 ⇔インフォーマルサポートの活用が望まれる状況との矛盾 11. 93.4. 2.0. 1.4. 近隣住民(主に地縁関係にもとづく関係)_支援…1.95.6. 7.4 4.7. 78.5. 友人_支援の有無・頻度…0.94.0 5.5 4.3. 1.8. 83.7. 1.7. 0.20.6. ボランティア_支援の有無・頻度…0.6. 96.7. 1.5. 0.5. 認知症サポーター_支援の有無・頻度…0.1. 98.4. 1.5. 97.3. 1.5. 0.3. 家族会_支援の有無・頻度…0.9 0.7. 医療福祉生活協同組合の組合員_支援の有…0.42.32.4 0%. 92.7 20%. ほぼ毎日. 週1~3回程度. 数か月に1回程度. 支援なし. 40%. 1.5 60%. 80%. 100%. 月1~3回程度. 無回答・無効回答 12 認知症者の生活支援実態調査と支援方策の開発に関する臨床研究」報告~平成24年度厚生労働省老人保健健康増進等事業~. 2.
(25) 軽度認知障害(MCI)、軽度認知症の方の 心理・社会的側面 まとめ. 病前の地域活動へ積極的に参加しているほど, インフォーマルサポートの活用につながっている とてもよく参加していた (n=659). 46.9. どちらかといえば参加していた (n=1114). 58.3. どちらかといえば参加していなかった (n=927). わからない (n=838) 0%. 支援なし. 20%. • もの忘れへの「自覚」に関連する心理・内面の不 安定さ • 初期認知症・MCIの人に共通する、世帯規模の小 ささ ⇒インフォーマルサポートの繋がり・積極的活用. 41.7. 65.5. まったく参加していなかった (n=860). • 初期認知症・MCIに伴う、多くの人に共通する多様 な精神症状. 53.1. 34.5. 73.6. 26.4. 77.2. 22.8. 40%. 60%. 80%. 100%. 支援あり. 13 認知症者の生活支援実態調査と支援方策の開発に関する臨床研究」報告~平成24年度厚生労働省老人保健健康増進等事業~. • 他者との繋がり・交流を維持・継続していく事の難 しさ ⇒一人では、できない事への「支援」の必要性 ☆初期認知症・MCIの人の心理・社会的側面を支え 14 る「初期集中支援」の重要性. アイスブレーキング 司会 : 認知症支援コーディネーター (前回、司会を担っていない方を優先に). ○軽度認知障害(MCI)・軽度認知症の方の身体的・心理的・社 会的な問題には、どの様なことがあるか? ⇒日々の実践の中で、気づく・感じる事柄について、共有・整理 をして下さい。 タイムスケジュール ①グループワーク(全:20分) ・個人作業 : 付箋への書き出し(3分) ・グループ内共有~「問題」のカテゴリー分け(17分). ②全体化(全:15分) ・A・C・Eチームより発表(王子・赤羽・滝野川圏域より各1チーム)(各チーム2分) ・B・D・Fより付け足し・補足発表. 15. 3.
(26) 認知症予防の意味. 北区版 認知症初期集中支援研修プログラム 二日目. 認知症対策の方向性. 講義資料4. Alzheimer Association. 認知症の予防 軽度認知障害と軽度ADに 対する初期介入. 認知症の発症時期を平均2年遅らせることができれば、2050年時点 600万人 の認知症の有病率が20%、5年間遅らせると43~49%下がる 200万人. 800万人. ① 知的活動 ② 運動 ③ 食事 を中心に. 400万人. (発症を5年遅くできた場合) 2010. 2020. 2030. 2040. 2050. 1. 2. アルツハイマー型認知症の発症まで 軽度認知障害(MCI) アルツハイマー病の発症 数年 予防活動. 水際予防. 認知症の予防と 軽度認知障害、軽度アルツハイマー型 認知症への初期介入. 治す・進行を止める. 1. 運動療法 2. 知的活動 3. 食事. 進行を 今回の事例 次回の事例遅らせる. 約25年 50歳. 1. 診断後の教育的支援 と環境調整 2. 慢性疾患の管理 3. 抗認知症薬の投与. 約10年 75歳. 89歳. 79歳. 次回の内容. 3. 4. Mild cognitive impairment (MCI). 軽度認知障害(MCI)は必ず進むとは限らない 年間18.6%~50% (MCIを3-5年追跡した8つの研究) リバート率. 軽度認知障害 (MCI) 認知機能の低下が 進むとはかぎらない 健常な状態に回復 していく人も多い. 1. 2. 3.. 健常. 14~44% は回復. 4.. 急激に認知機能が 低下し、1年後に 認知症と診断され る人は1~2%程度. 5. 6.. 認知機能低下が進 み1年後に認知症と 診断される人は10% コンバート率 年間5.2%(メタアナリーシス). Peterson et al. 1996. 《MCIの診断基準》. 認知症 5. 記憶障害の愁訴がある 日常生活活動は正常 全般的な認知機能は正常 MMSEは23点以上 年齢に比して記憶力が低下 標準化された記憶検査 が1.5SD以上下回る 認知症は認めない CDR (clinical dementia rating) スコアが0.5. ① スクリーニング検査でカット オフ以上(HDS-R≧21). ②. Wechsler memory scale リバーミード行動記憶検査(RBMT) SPSが6/24点~16/24点. ③ 記憶、見当識、判断力と問題解 決能力、社会適応、家庭状況・ 趣味・関心、介護状況の6つの 項目で判定。0,0.5,1,2,3 の5段 階で表示。 例)記憶0.5:一貫し た軽いもの忘れ、出来事を部 分的に思い出す良性健忘6. 1.
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