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リコピンの抗酸化に関する化学的研究

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Academic year: 2021

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Title

リコピンの抗酸化に関する化学的研究( 内容の要旨 )

Author(s)

横田, 正

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(農学) 甲第327号

Issue Date

2004-03-15

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/2668

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

(2)

氏 名(本掴)籍) 学 位 の 種 類 学 位 記 番 号 学位授与年月 日 学位授与の要件 研究科及び専攻 研究指導を受けた大学 学 位 論 文 題 目 審 査 委 員 会 横 田 正 (岡山県) 博士(農学) 農博甲第327号 平成16年3月15日 学位規則第4粂第1項該当 連合農学研究科 生物資源科学専攻 静岡大学 リコピンの抗酸化に関する化学的研究 主査 静岡大学 教 授 衛 藤 副査 静岡大学 助教授 轟 副査 岐阜大学 教 授 加 副査 信州大学 教 授 茅 藤 原 男 司 治 紘 英 泰 宏 論 文 の 内 容.の 要 自然界に広く分布する黄色、棲色、紅色の色素であるカロテノイドは、様々な生理機能を持つ ことが明らかになっている。中でも、リコピンは抗酸化作用・発ガン予防作用などの生理作用で 注目されている。これは、リコピン申持つ高い活性酸素消去能であると言われている。そこで、リ コピンと一重項酸素をはじめとした様々な活性酸素種との反応が行われてきた。リコピンとメタク ロロ過安息香酸(爪CPBA)および過酸化水素水との反応において、末端に5員環を有した酸化 体(2,6-CyCtOlycopene)が単離されている。以前、我々はトマトピューレ中より 2,6-CyCIolycopene-1,5-diolを単赦した。今回、トマトピューレより新たなリコピン酸化体の単離 を試みた。また、リコピンとmCPBAおよぴペルオキシナイトライト(ONOO )の反応生成物を解 析し、リコピンの抗酸化機構の解明を行った。 1.トマトピューレからのリコピン酸化体の単撤:トマトピューレ3Kgに水を加え遠心分散し、その 沈殿物にメタノールを加えさらに遠心分散を行った。この上澄みは、減圧濃縮後ジクロロメタンで 抽出した。一方、沈殿物はベンゼンで抽出し、減圧濃縮後、ジクロロメタンーメタノールの再結晶 によりリコピンを取り除いた。この母液と先ほどのジクロロメタン抽出物を合わせて減圧濃縮後、 シリカゲルカラムクロマトグラフィー、逆相 HPLC(ODS および C-30)により 1,16-didehydro-2,6-CyC]0[ycopene-5-Ol(1;5mg)と1二methoxy-2,6-CyCJoIycopene-5-Ol (2;5mg)を得た。これらは、共役二重結合を10個有し生理活性が期待できる。 2.リコピンとn7CPBAの反応:リコピンをTHFに溶解させ、そこにmCPBAのTHF溶液を添加 し、4時間反応させた。その結果、Jycopenel,2-ePOXideおよぴIycopene5,6-ePOXideと考え られる酸化体が生成し、このIycopene5,6-ePOXideは不安定で、環化して各種イリダン骨格を 有す引ヒ合物が生成した。今回、トマトピューレから単赦された化合物1およぴ2を単擬した。ま

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-74-た、これらの化合物はこれまで単離されている2,6-Cye101ycopene-1,5-dioIと同じ立体であり、 その生成機構はSN2タイプの反応で生成すると考えられた。 3・_リコピンとベルオキシナイトライトとの反応:リコピンを丁目Fに溶解させ、ベルオキシナイトライト 溶液を最終濃度-mMになるように添加し、遮光下室温にて1分間反応させた。反応生成物の 構造から、①酸化的開裂により生成した各種リコペナール、②開裂を伴わない削ヒ体、③シス 異性体、の大きく3つのグループに分類できた。 4・-リコピンの抗酸化機構‥以上の結果より、リコピンはmCPBAと反応し、Iycopene

l,2⊥epoxide およびIycopene 5,6-ePOXide を生成し、その後、さらに環化して

2.6-CyClofycopeneとなり、ペルオキシナイトライトに対しては、直接反応しジオキセタンを経由し てapo・[ycopenaI.2,6-CyCIoIycopeneが生成する。または、エネルギーを受け取り、励起状態 (ビラジカル)となり、この状態から基底状態に落ちる際にシス化した化合物へ誘導したと考えら れ、この結果はmCPBAによる酸化とは異なっていることも明らかに出来た。 審 査 結 果 の

平成16年1月29日(木)に、静岡大学農学部において審査員を含む

関連教官、学生の出席のもと、横田正氏の博士論文の公開発表会が行

われ、引き続き質疑応答が行われた。

横田正氏の博士論文は、トマトピューレからリコピン酸化体を単離し、ま

た、リコピンとメタクロロ過安息香酸およびペルオキシナイトライトの反応を

行い、これらの反応生成物の解析によって、リコピンの抗酸化機構を推定

したものである。

トマトピューレから、水およぴメタノールを加え遠心分離および再結晶などを行ない、

その後、各種クロマトグラフィーに供し、分離精製後、スペクトルデータの解析に皐り、

1,16didehydroT2,6サCJolycopene加I(1)と1-methoxyi2,6勺dolycopeneT5d(2)

を天然物として初めて単離した。これらは、共役二重結合を10個有し生毯副生が期待

できる。

続いて、これらリコピン酸化体の生成メカニズムを明らかにするため、リコピンと

mCPBA、ペルオキシナイトライトとの反応を行った。mCPBAとの反応では、Iycopene

l,2刊画deと一問5,坤由と考えられる酸化体が生成し、このIy∞搾ne

5,6可成deは不安定で、環化して各種イリダン骨格を有する化合物が生成した。今臥

トマトピューレから単離された化合物1および2が生成することが分かった。また、これ

らの化合物は、これまでに単離、報告されている2.6qcIolycopene-1,5diolと同じ立

体であり、その生成機構は畠N2タイプの反応で生成すると考えられた。ペルオキシナ

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イトライトとの反応では、酸化生成物を①酸化的開裂により生成した各種リコペナール、

②開裂を伴わない酪ヒ体、③シス異性体、の大きく3つのグループに分類できた。こ

れらの生成物のうち、①および②は中間体としてジオキセタンを経由すると考えられ、

③のシス異性体はエネルギーの授与により生成すると推定され、mCP臥の酸化とは

異なる機構であった。

本研究は、リコピンとペルオキシナイトライトとの反応生成物を解析し、これらの反応

生成物からその抗酸化メカニズムが、ジオキセタン経由であることを世界ではじめて

明らかにした。また、自然界やヒトの血清中に存在する2,叫doIy∞P訂恰類が、エポ

キサイドだけでなく、ジオキセタンから生成する可能性も示唆したものである。

以上について、審査員全員一致で本論文が岐阜大学大学院連合農学研究科の学位

論文として十別耐直あるものと認めた。

「基礎となる学術論文」

1・OxygenatedPpmearddehydratedILheinintomatopuree.,Ybkota,T.,Etoh,

H・,Oshima,S・,Hayakawa,K,andlshigurD,Y.,BぬSdBbtechndBkxd7em.

67(12),迅叫一期7(2∝B).

2・QuenchingofperophitebyJycopeneh7伽・.Yokota,T.,Ohtake,T.,Ishikawa,

H・,Lnakuma,T・・Ishiguro・Y・7鴨rao7J・,Nagao,A7andEtoh=・,ChembbyLetters,

お(1),8Ml(2叩4).

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