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水酸化鉄を主成分とするバイオマットの初期形成に ついて

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(1)

水酸化鉄を主成分とするバイオマットの初期形成に ついて

著者 田代 陽子, 田崎 和江

著者別表示 Tashiro Yoko, Tazaki Kazue

雑誌名 地球科学

巻 53

号 1

ページ 29‑37

発行年 1999‑01‑25

URL http://doi.org/10.24517/00061681

doi: 10.15080/agcjchikyukagaku.53.1_29

(2)

地 球 韋卜学

53

巻

,

 

29 〜 37

 (

1999

年 )

Earth

 

Science

 (

ChikS −

u 

l

(ngaku }vol

. 53 , 29 − 37 .

 

1999

水酸 化鉄 を主成分 と す る バ イオ

マ ッ

ト の 初期 形成

に つ い

て

田 代陽子

 

田 崎和 江

*

’

* *

The

 

primitive

 stage  of microbial  mats  

comprizing

 

iron

 

hydroxides

Yoko

 

Tashiro

*

and

 

Kazue

 

Tazaki

*

・

* *

Abstract   Brownish

 

yellow

 

microbial

 

mats

 

growing

 

abng

 

the

 

Kakurna

 

River

 

and

 

at

 the 

controlling

pond

 

in

 the 

Kakuma

 

Campus

 

of

 

Kanazawa

 

University

 

are

 

ofpredominantly

 

iron

 

oxidiz

五

ng

 

bacteria ,

such

 

as

 

LePtothrix

 

sp .

, 

Gallione

〃α

sp .

 

and

 

Toxo

 

th

 

re ’ x

 

sp .

 

Those

 

microbial

 mats 

use

 

ferrous

 

ions

 

as

their

 

energy

 

source

 

through

 

the

 

oxidation

 

into

 

ferric

 

ions ・

  Transmission

 

electron

 

microscopy

 of  the 

primitive

 

microbial

 

mat

, 

have

 

revealed

 

mucoid

 substances

of

乃κo’ぬ万κ

sp ,

 

like

 

polysaccharides

 are 

effective

 

for

 

adhesion

 

ofiron

 

hydroxides

 

produced

 through

biomjneralization

 

of

 

7b

κ

o

魏ア 

sp .

 

Iron

 

hydroxides

 

coated

 

with

 

mucoid

 

substances

 

are

 coagulated

into

 

coUoidal

 

particles

 

200

 

nm

 

in

 

size .

 

Such

 

condensed

 

colloidal

 

iroll

 

hydroxides

 

grow

 

intQ

 

the

aggregates

 

and

 

subsequently

 

may

 

be

 

expeHed

 

outward

 

from

 the thin 

membrane

 

of

 

polysaccharides . It

 

is   suggested  

that 

polysaccharides   of   7

わκo’ん万κ

  sp .

 

prevent

 

dispersion   of

 

iron   hydroxides   and

promote

 

coagulation

 

ofiron

 

materials .

 

Such

 

a

 

condensation

 

process

 

ofiron

 

hydroxides

 

isconsidered

to

 

be

 

a

 

factor

 

for

 

increasing

 

the

 thickness 

of

 m {crobial  

mats , Key

 

w ’ ords

mlc

「

oscopy ・

microbial

 

mats

, 

Toxothrix

 

sp .

, 

polysaccharides ,

 

iron

 

hydroxides

, transmission  

electron

は じめ

に

 西オ

ー

ス トラ リ アに約

35

億 年前とい う世界最古の生命化石 が 全 地 球 史 解 読研 究 グル

ー

プ に よって発 見さ れ

,

初 期の地球 生命

の生 息 環 境に関 心 が もた れてい る

.

地 球

一

ヒに微 生 物があ らわ れ

てか ら地 球の大 気 組 成 も変化し, その環境の変化に適応し な が

ら微生物は生存し続け た (川 上

・

熊 澤

1995

;

Jr1

上 ほ か

1995

)

.

微生物は, 地球環境の中で, 有機物の分解や 窒索の固 定, 微量 元 素の濃集な どを通 じて

,

生 態 系の物 質 循 環の中で重 要 な 役 割 を 果 たし て い る (例えば

Beveridge

 

and

 

Fyfe

l985;

Beveridge

 

and

 

l

)

oyle

 

1989

;田崎

1995a

;田崎

1997

)

.

微生物は しばしば集合体を作っ て生息し, バイオマ ッ ト (微生 物被膜)と呼 ばれる構造 物 をな す

.

バ イ オマ ッ トは間 欠 泉 や

,

熱水 噴 出孔

,

鉱 山 廃水

,

河 川な どの水辺の さ まざま な環境下に 存在す る (田崎

1995a

;若尾

1996

;

Tazaki

 

and

 

Ishida

 

1996

a

;田崎ほ か

1996b

)

.

田崎 (

1997

)は, 日本の29ヶ所で確 認

さ れ たバ イ オマ ッ トにつ いて

,

その生息環境とバ イオマ ッ ト中

に みられ る微生物と生 体 鉱 物に ついて報告し てい る

.

バイ オマ

ッ トの生 存お よ び繁栄は その水質 (化学成分, pH , 酸 化 還 元 竃位な ど)に大きくゆだね られ, フ ィ ルム状

,

被膜状

,

マ ッ ト 状

,

テラス状な どの様々な構造物を形 成し

,

その内部に金属の 沈積と生体鉱 物の生 成 〔バ イオミネラ リゼ

ー

ショ ン)が認めら れている (田崎

1995

;田崎ほ か

1995

;

Ferris

 

1989

;

Fortin

et 

al .

1997)

.

バ イ オマ ッ トは, 多種 多様の細菌 (バ ク テ リ ア)

の集合体であ り, 生息環 境と の相互作 用によ る 周 辺 環境へ の影 響を評 価で きる (例 えば

Tazaki

 

and

 

Ishida

 

1996

)

. Schrenketal,

  (1998)に よ れば, 酸性鉱 山 廃 水 域に おいて pH が異 なるのは

,

そこに生 息す る

TJtiobaci

!

gtts

 

ferrooxidans

と

LePtosPirillum

 

ferrooxidans

の存 在率が異な る た め にpH

が変り, そ の pH は代 謝速度を反映し てい るという

.

また

,

先

カ ンブ リア時代の地球に おいて, 微生物が行 う代 謝 作 用に よっ

て縞状鉄鉱床やス トロ マ トラ イ トなど が形成さ れ

,

地球表 層の

 1998年4月6H 受付

.

1998年10月

27

日受 理

.

’

金 沢 大

学理 学部地 球 学 科 〒9201192 金沢市角間町

 Departmenしef Earth Sciences

,

 

Kanazawa

 

University ,

 Kakuma

,

 

Kanazawa

 9201192

,

 Japan

* ’

北 陸支 部

(3)

30

田代 陽 子

・

田崎 和 江

環境に大規模な変動をもた ら した といわれて い る

.

縞 状 鉄 鉱 床 やス トロ マ トラ イ ト は

,

始生代, 原 生代のバ イ オマ ッ トの化 石 と考 え られ (川上

・

熊澤

1995

), これ ら の形成メ カニ ズムを明 ら かにす るた めにも

,

現 生バ イオマ ッ トの研 究 が必 要と され て

い る (例えば田崎ほか 1996)

.

と くに

,

高温

,

強 酸性 環 境の バ イオマ ッ ト は, 生 息で き る微生物の種類が限定さ れ ることか ら

,

原 始 地球の生 態 系モデル として重 要で, 温泉バ イ オマ ッ ト

の研 究が 注 目されてい る (川 上

・

熊 澤 1995;川 上 ほ か

1995

)

.

 バ イオマ ッ ト は岩石の表面や側溝な どの固体の表面に付着し て生 長 す る

.

付 着のメ カニ ズムは微 生物の分 泌物がそ の役割を 果た し てい る と考え ら れ て お り

,

若 尾 (

1996

> は, 酸 性 鉱 山 廃 水 中に生 息す る粘性糸状バ イ オマ ッ トの実体は

,

好 酸 性化 学 独 立栄養の鉄 酸化細菌が自ら粘性多糖 (

一

種のグリコカ リック

ス)を生産し

,

連 鎖状に増殖した, 細胞集塊 鉄 酸化バ イ オマ ッ

トである と報告して い る

.

ま た

,

微 生 物の分 泌 物は代 謝活 動に よ り形成さ れ た鉱物を付着さ せ る働き が あ る と考え ら れて い る

(

Gh1orse

 l984)

.

しかし, そ の分泌物とバイ オ ミネラ リゼ

ー

シ

ョ ン との相 亙 関 係につい ては不 明 な点 が多い

,

 そこで, 本研究で は

,

金沢大学調整池および角間 川にみ ら れ るバ イオマ ッ トを用いて, 主に電子顕微鏡により微 生物 とその 分 泌物

,

さらに, 生体鉱物の形成過程に おける分泌物の役割に 注 目し, 観察を行っ た

.

微生物の放出 す る粘着物 質 が, 水 酸 化 鉄 を取り込みバイ オマ ッ トが形成される, 初 期 段階につ いて検 討し たの で報告する

.

試料

お

よび 実験方 法

翻

 金 沢 市 角間町にある金沢大学角間キャンパス内調整池およ び 角間川の本 流 お よび その側 溝の水 抜 き穴の湧水に おいてバ イ オマ ッ トの み と め られ る地点で野外実験を行い

,

付 着 したバ イ オマ ッ トを研究試料と し て用い た (第

1

図)

.

金 沢 市

一

帯には 第四紀更新世 浅海性の砂岩層である大桑層が広く分布してい る が, 土地開発に より大 桑 層 が切 り崩 され

,

そこか ら流出す る湧 水の周 辺に は おびた だ しい 量の赤 褐 色のバ イオマ ッ トが生成し

て お り, 金沢 大 学 建 設 地 周 辺 もその

一

例である

.

大桑層からの 湧 水 が 流れ ている金沢大学調整池の側 溝 は

,

黄 褐 色のバ イ オマ

ッ トが

一

面に覆

ってい る

.

試料の採取に当たっ ては

,

それぞれ

の調査地 点に カバ

ー

ガ ラ ス お よびマイ クロ グリッド を両 面テ

ー

プで接着さ せた

OHP

シ

ー

トをス ラ イドの枠 (カ ラ ム)に挟ん

だ ものを設置し, 黄褐色のバ イオマ ッ トを沈 着 させ て研 究 試料

と した (第

2

図 )

.

その際, カバ

ー

ガ ラス は葉な どの浮遊物の 付着を避け る た めに流 れに対して平行に置き, バイ オマ ッ トの みが付着する ように設 置 した

.

それらを定期的に調整池で は

1

時間,

3

時間,

6

時間

,12

時間

,1

日

〜 7

日毎に

,

角 間 川で は

1日

〜

7日毎に採 取し た

.

この野外実験 は,

1997

年 4月

〜

12

月の間 行なっ た

.

第1図

.

金 沢 大 学角問 キャ ン パ ス の調整池に向かっ て流 入 す る 側 溝に 形成し た黄褐色のバイ オマ ッ ト

.

矢印は サンプル採 集地 点 を示 してい る

.

0          

5

 

一

第2図

.

第1図 に 示 し た側 溝に お け るバイ オマ ッ トの付着実 験の模 式 図

.

数 日 間で, カ ラム全体が 黄褐色のバイオマ ッ ト

で覆わ れ る

.

実験方法

 

付 着 実 験 を行った現 地で は定 期 的に水質調 査を行い,

pH

,

Eh

(酸化還 元 電位), 

EC

(電 気伝 導度), DO (溶 存酸素 量)

を そ れ ぞれ 各 電 極メ

ー

タ

ー

(堀 場

,D −

12, 

D −13

, 

ES −12

,

OM −14

)で測定し た

.

バ イ オマ ッ トは

,

落射蛍光

・

微分 干渉

顕微 鏡 (ニ コン製

, OPTIPHOT −2

/LABOPHOT

−2

;落 射蛍 光 装 置

EFD − 3

およ び 透 過 型微分 干 渉装 置

NTF ・ 2A

>によ

り

,

付着物の観察を行っ た

.

落 射 蛍 光 顕微 鏡で観 察の際には,

DAPI

(

4,6−

 

diarnidino −2−

phenylindole)染 色を行い

,

フ ィ ルタ

ー

(

UV −

1A) を通し て観 察した

.

  DAPI

−

DNA 錯体は蛍 光顕微鏡下で

365nln

の波 長の光 (紫 外 線 )で観 察 す ると青 色 を呈し, 生 物の存 在が確 認できる

.

また

,

付 着 物のっいた カバ

(4)

水酸 化 鉄を 主成分 とするバイ オマ ッ トの初期 形成につ い て 13

一

ガ ラスをその ま ま試 料 台に岡定 した もの と

,

超音 波 洗 浄 を

3

分 間行い

,

風 乾し た試料と を カ

ー

ボン の両 而テ

ー

プで固 定し

,

炭 素蒸着 あるい は金蒸着し た後, 走 査型電子顕微 鏡 (日本 電 子,

JSM

 

52eeLV

)を 用い, 加速電圧

15kV

の条件で観察を 行っ た

.

その際 化 学組成は, 炭 素 蒸着し た も の につ いて, 走 査 型電 子 顕 微 鏡 に取 り付 け られたエ ネル ギ

ー

分 散 分 析

(

Philips ,

 

PV −9755−88

)を用いて, 加速電 圧

15kv

, 傾 斜角 度

30

度で分析した

.

さらに, 透 過 型電子顕微 鏡 (日本 電子

,

JSM −

2000EX ) を用いて, 付 着 物のつ い たマイ クログリッ ド を

,

加 速 電圧

20DkV

で観 察 し

,

電 子線 回折で付 着 物の同 定 を 行っ た

.

無反射板 (

Si

単結晶)に塗布し て風乾し たバ イ オマ

ッ ト は,

X

線粉末回折 分析 (理学電機

,

 

RINTI200

, 電圧 40 kV, 電 流

30mA

, 

CrK

αの管球)を行い, 鉱 物組成を同定

した

.

結 果

水質

 実験地である金沢大 学調 整 池および 角間川の水 質 は,

1997

年

4

月

〜12

月の間, 定 期 的に測 定 をお こなっ た結果

,

pH

, Eh

, 

EC ,

 

DO

の どの測 定 値も非常に安定し ていた (第

3

図

A

,

B ,C

, 

D

)

.

調整 池の pH は

6. 4〜7. 0

, 角 間川は

6. 0〜6 , 5

と年間を通し て

一

定してい る

.

また,

Eh

は 両 地 点とも

OmV

で ほ ぼ同 じ値を示し,

EC

は調整池では 0

.

26

〜O. 40mS

/

cm ,

角 間

lr1

で は

D. 40mS

/

cm

で, わずか に前者が低い

.一

方, 角 間 川と調整 池の

DO

は大きく異な る

.

また角間川に流れ 込 む 水抜き穴か らの湧水の

DO

は,

0

から1mg /

e

で貧溶 存 酸 素 状 態を示し, 調整 池で は 6

〜

8mgfe と い う酸 素 状 態を示し た

.

水 温は調 整 池では 11

〜14

℃

,

角 問 川本流で は

14〜20

℃を示 し

,

後者のほうが高い傾 向が ある

.

エ ユ

9

.

O 8

.

O 7

.

O 6

,

0

5 .

0

4 , 0

A

[

pH ]

: i 評

、

e

_一 一 t −. − i −

}

’ A LL − i

’ 二

∵ 寸 1 「

一    

.

            I

t、 . 一_

_

」

1997年

4

月

500B

5

月  6月  7月   8月  9月 

10

月 

12

月

      時 間

1

1

.

0 0

.

8 宕 o

.

6 ミ

窟 ご

o

.

4

国

0

. 2

o

. o

C

1997年

4

月

lEhI

っ  調整 池

世

 

角 間川

15

. 0

ECI ・

調 ]

‡ ぐ 4 劉

250

0

(

>

E

)

‘ 国

一

250

一

5001997

年

4

月

乱

宀

=

珪

∵

                       

_

  ■

5月   6月   7月  8月   

9

月  10月  12月         時 間

D

. 凡

       

一

L 

−−

  i

5月   6月   

7

月   

8

月   9月  10月  12月       時 閥

12

.

5

 

10 .

0

;

翫

・

8

   5

. O

   2

,

5

   0

.

01997

年 4月

IDO

      」

一

. _ . 一 _ . 一 一

σ

 

躙

整

池

]

畳

 

角

闘

川

一

一

一 一

s 〆 渉 ト 毒

一一 _

_ γ !

<

」

\ 豊 二 士 二 〜 −r − 一 綿

5

月  6月  7月  8月  9月  10月  12月       時閥

第3図

.

調整 池および角間川の水質 調査の結果

.

測 定期間は1997年4月

〜

12月である

.

(

A

)

pH

, (B)

Eh

酸 化 還 元 電位

,

(C)EC 電気 伝 導度

,

(D)DO 溶存酸素

.

調整池と角 閭川を 比較する と

,

 DO の値が大き く違い, 角間川に流 れ込 む湧 水は

,

酸素が非 常に少ないこ と

を示し ている

.

(5)

32

田代 陽子

・

田崎 和 江

訟

の

冖

g 褊

≦

q

:

quartz

20 . O 40 . 0

    

60 . O

 

Cr

κa  

2

θ [

’

ユ 第

4

図

.

バ イ オマ ッ トの

X

線粉末 回折分析

.

バ イ オマ ッ

トは 2

. 5A

付 近に弱い ピ

ー

ク が みられるこ と か ら

,

非 晶質の水 酸化 鉄が

,

ま た 3

,

0蓋付 近をピ

ー 一

クにした プ

ロ

ー

ドな反射を示すこと か ら

,

有機物で構 成されている

こ とを示 唆 してい る

.Q

:石 英

,

  F :長石類

.

付 着 実験結果

 実験 開始

3

日後

,

肉 眼で も認 識できるほ どに黄褐 色のバ イ オ

マ ッ トがガ ラス面に付着し始め

, 一

週間後に は全 面 を覆い

,

バ

イオマ ッ トの付 着 状 況は, 厚さ

35mm

ほ どになっ た

.

最 表 面に付 着 して いるバイオマ ッ トは, コ ロイ ド状の塊が凝集し,

触れ る と容易に分散する

.

 調整 池に

7

日間設置して付着したバ イ オマ ッ ト と

,

角間 川に 流れ込む水抜き穴の下に付着したバ イ オマ ッ ト を

X

線粉末回 折分析し た結果, どち ら も

2,

5A 付 近にバ ッ クグラン ド の高 ま りが 見 られ, 非晶質物質の存在を示 し た

.

ま た

,

少量の石 英 や長 石 類 も調 整 池の試料に は含ま れ てい ることが認め ら れ た

(第

4

図〉

.

付着物の光学顕微鏡観察結果

 

実験 開 始3時 間後の カバ

ー

ガ ラ ス の表 面を静か に蒸留水 で洗

い, 落射蛍光

・

微分干渉光学顕微鏡で観察 したところ

,

黄 褐 色 の微粒子 と微生物のコ ロニ

ー

が観察さ れ た

.

その コ ロニ

ー

は不

定 形で

,50.

100μm の大 き さである (第

5

図

A

:微分 干渉顕 微 鏡写真,

B

:蛍 光 顕 微 鏡 写 真 )

.

バイオマ ッ ト中の微 生 物は,

主に球状, 桿状, 糸状お よびらせ ん状のバ ク テ リ ァ が主で あ り

,

ら ん藻類 や ゾ ウ リム シなどの原 生 動物も認め られ た

.

調整 池, 角間川と も ほ ぼ同様の結 果を得 た

.

第5図

.

実験 開 始か ら6時問後の (A)微分干渉顕 微 鐔 写 真, (

B

)

DAPI

染色による蛍 光 顕 微 鏡 写 真

.

萬褐 色のバ イ オマ ット中には

,

糸 状 菌 や 桿 菌が微 粒 子と混在して い る

.

B

Si

PSCa

Mn Fe

Fe

付着 物の電 子顕微鏡観 察結果

 

実験開始

24

時 間以 内に側 溝か ら採 取 した 試 料 を走 査 型電 了顕 微 鏡によ り観 察 した

.

その結果, 糸状菌が網目構造をな して分 布して いる状態 が観察さ れ た (第

6

図

A

矢 印)

.

この糸状菌は

Holt

 et al

.

(

1994

>による

Bergey

,s 

Manual

〔エf 

Determina−

tive

 

Bacteriology

に基づ けば, 束に なり扇の ように広が る形

1

2. O

4

. 6, 0

       

.

    energy  [keV 

1

第

6

図

.

実 験 開 始から1凵後の走 査 型 電 子 顕 微 鏡 写 真 (

A

) と

エ ネル ギ

ー

分 散 分 析 結 果 (B)

.

Toxothidr sp 之 みら れ る糸 状 体 (矢印)が網 目状に広がり

,

他の微 生物や 粒 子と絡み合っ て

いる

.

エ ネルギ

ー

分散分 析 結 果はFe に富み

, Si, Ca と少量

の P

,

S

,

 Mn を含有するこ とを 示 して いる

.

(6)

水 酸 化 鉄を主成分とす るバ イ オマ ットの初期形 成につ い て

33

態的特徴から,

’ lbxothrix

 

sp ,

と考え られ る

.

これ らの表面に 付着して いる微粒子 をエネルギ

ー

分散分析で点分析し た結果

,

多 量の

Fe,

 

Si

の濃 集 と少 量の

P

, 

S

, 

Ca ,

 

Mn

が 認められた

(第

6

図

B

)

.

この微粒子は微生物の表面以 外にも独 立 して

,

そ

の周辺に集合し てい る

.

 透 過型 電 子 顕微鏡を用い て, 実験開始か ら

1

時間後,

3

時間 後

,6

時 間後

,

24時 間 後のマイクロ グ リッ ドを観 察 した

.

形 態 的特徴か ら

,Holt

 

et

 

al ,

(

1994

)のマ ニ ュ ア ル によっ て

,

鞘 状

の

LePtothrix

 

sp . ,

排 泄物を螺旋 状に生成す る

Gallionella

 sp

.

,

乃κ

o

漉ガκ

sp .

な ど が同定さ れ, そ れ ら はコ ロ ニ

ー

を作っ てい

ること が明 らかになっ た (第

7

図)

.

この 三者はい ずれ も桿菌

や球菌の鉄酸化細菌で ある

.

付着実験開始か ら

,

3 時間後

,

24 時間後のマイ クログリッ ド上 で観 察さ れ た

LePtothrZx

 

sp . ,

C

.

allioneUa

 

sp ,

, 乃κ

o

疏激

sp ,

の個体数を測定し た結果を第

1

表に示 す

.

その結 果

,

同 じ面 積 内に

Toxothrix

 

sp .

が最も早 く

,

かつ非 常に多 量に付 着 するこ とが認められた

.

また,

Le一

μ

o

漉癩

sp .

や桿菌の細胞壁に は, 微粒子が多量に付着して い た (第

8

図, 第

9

図 )

.

微 粒 子はこれ らの微 生物の細 胞表面以 外にも独 立 して集 合 体で観 察さ れ た

.

その付 着し ている微粒子

の電 子 線 回折 分 析で は

,2. 04A

付近に スポッ ト と, 2

.

54 

A

,

1. 47A

付近に拡散し た リ ング状の弱い 回折が認め ら れ た こ と か ら

,

低結 晶 性の水 酸 化鉄 鉱 物 と同 定 され た (第

10

図 )

.

また,

厚さ

20nm

程の膜が

To

耀 々7齋 sp

.

の細 胞 壁 を覆い

,

細 胞に付 着し てい る粒子も そ の膜の中に取 り込まれていた (第

11

図)

.

その膜の厚 さは均

一

で はな く

, 細胞から外に向かっ て拡散し て

いる様 子 も認 め られ (第

12

図 矢 印), 細 胞か ら

2eOnm

程離れ

て独立 している微 粒 子も膜で覆わ れて い ることが観察さ れた

.

第 7図

.

実 験 開始か ら1日後のバ イ オマ ッ トの透 過 型 電 子 顕 微 鏡 写真

.

GaUioneilαsp

, ,

 Lゆ’o 漉 癬 sp

, ,

お よび Toκo’々癬 sp

.

など の鉄細菌と微粒子 が混在する (矢印;a :C;allionella sp

. ,

b :Toxothit 

SP ・ ・ c

:LePtothn

’

x SP

’

)

’

第 1表

.

実 験 開 始か ら3時間後

,

24時聞後の

LePtothnt

sp

. ,

 Gattionetta sp

,

, 7褫 08 励 κ sp

.

の個 体 数

。

3時 間 後に っ いて は

,

サイズによる個 体 数 をともに記し た

.

Time (hour) Leρ

m

ε舟厂’xsp

.

6a〃’oρe 〃θsp

.

τ

O

κ

o

εわ〃κ

sp .

1μ

m

< 十 十 十 十 十 十

3h1

μm > 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十 十

24h 十 十 十 十 十 十 十 十 十

++十+:many

,

++ +:COmmOn

,

+ +:SOme

,

+;traCe

第

8

図

.

実験開始か ら6時 間後のバ イ オマ ッ トの透過 型電子顕 微鏡 写真

.

LePtothrix sp

.

の細 胞 壁に は

,

微 粒 子が密に付 着 し

てい る (矢 印 )

.

第9図

.

実験開始から1時間後のバ イ オマ ッ トの透 過型電 子顕微鏡 写真

.

桿 菌の細胞壁に付着し た鉱 物が固定さ れ て

いる (矢 印 )

.

参照

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