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数学科における問題解決能力形成のための指導法の研究 : 類推転移を促進するスキーマ学習の研究

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(1)平成8年度 学位 論 文. 数学科における問題解決能力形成のための指導法の研究. 一類推転移を促進するスキーマ学習の研究一. 兵庫教育大学大学院. 学校教育研究科 学校教育専攻 教育方法コース. M95117K t曽. 本. i≠…B. 雄.

(2) 【目 次】 1. 【問題】 …一一一…一一一一一一一一一一…一一一一一一一一一一…一一一一一一一一一. 【研究1】 〔目的〕一一一…一一…一一一・一一一一一一一一…一一一一一…一一一…一一. 20. 〔方法〕…一一一一一…一一一一一一…一一一一一一……一……一一. 21. 〔結果及び考察〕 一一一一一一…………一一一一一一一一一一一一一一……. 26. 【研究2】 〔目的〕一…一一一…一…一一一一一一一一一一…一一一一一一一一一一一一. 39. 〔方法〕…一一一一…………一一一一一…一…一一一一一一一…一一. 39. 〔結果及び考察〕 …一一一一一一一一………一一一一一一……一一一一. 44. 【研究3】 〔目的〕一一一…一一一一……一一一一一…一一一一一一一一………一一. 56. 〔方法〕一一一一…一一一一一一……一一一一一一一一一一一一一…一一…一一一. 57. 〔結果及び考察〕 一一一一一……一一一一一一一…一…一……一一一一一. 59. 【総合考察】. 68. 【要 約】. 81. 【引用文献】 【参考文献】. 一一一一一…一一………一。…………一一……一一一一一 87. 一一一一…一囚一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一冒一一’ 一一 一一 一 90. 【附 記】. 91. 【巻末資料】. 92.

(3) 【 問 題 】 本研究は、従来の「問題解決法」の先行研究に対する、市川(1993)13). をはじめとする多くの研究者の批判を基にして、 「問題解決能力の形成. のための指導法」を研究したものである。その批判とは、次のような内 容である。. いわゆる「問題解決法」の研究は、ポリア(1954)9)以来、心理学の内. 外でなされてきた。この分野では、一般的に有効といわれている問題解 決の方略のようなものがあり、それらを身につけることが推奨される。 しかし、 「この本(ポリア(1954)9))を読んだら問題がよく解けるよう. になったという話は、ついそ聞いたことがない」 (安西(1985)2))。こ. れらの研究では、解決の途中におけるストラテジーやヒューリスティッ クス(すなわち、 「いかに解くべきか」)に重点が置かれており、解い. たあと(特に、解けなかったとき)に何をすべきかが見落とされがちで ある。すなわち、問題の解決時のみに注目しているため、問題を解いた 状態で「終わり」になってしまうのである。 このような批判に対して、Gick&Holyoak(1983)7)の「スキーマ帰納」. や、市川(1993)13)の「教訓帰納」では、解決しているときのストラテジ ー(例えば、 「過去に解いた似たような問題を思い出せ」)ではなく、. むしろ、ある問題を解いた後の処理が、次に解くときの転移を促すこと を強調する。これらの教授方略を考案した根底には、 「できること」の みへのこだわりが生む「結果主義」 「暗記主義」 「物量主義」をなんと. か打破したい、という彼らなりの挑戦があるように思われる。教育現場 で授業を行う筆者としても、このような彼らの挑戦に対して共感できる 部分もあり、なんらかの形で教育現場に生かしたいと考える。. では、中学校数学科の授業の中で、1つの問題解決後の処理を次の間 一1一.

(4) 題解決に生かすには、生徒にどのような指導を行えばよいのであろうか。 筆者は、ここに、 「PSI(Prag皿atic Schema lnduction)」と名付けた. 新たなスキーマ学習を提案する。この「PSI」は、生徒に練習問題の 解決を求め、次に、その詳細な解答例を提示し、さらに、下記のような 練習問題への4つの質問に答える、という3つの過程から構成してある。 ①求めるものは何ですか。 ②分かっているものは何ですか。. ③どのようにして、解けばよいですか。 ④もし、あなたが次に練習問題と似たような問題を解くとしたら、 上の③で最も大切なポイントは、どこだと思いますか。. 本研究の目的は、PSIの有効性と限界を検討することを通して、 「中学校数学科の授業に対する示唆」を提示することである。まず、研. 究1において、PSIを適用するのにふさわしい問題と効果の高い生徒. を示す。次に、研究2と研究3において、PSIの効果を高める方略や 留意点を述べる。最後に、上記の3っの研究をまとめ、PSIを授業に 導入する場面を想定して、中学校数学科の授業に対する示唆を挙げる。. それでは、最初に、 「PSI」が考案された過程について述べる。 中学校数学科の中で、生徒は問題をどのように解決しているのだろうか。. また、なぜ問題解決ができない生徒がいるのであろうか。教育現場で授. 業を行う筆者にとっては、大きな問題である。筆者は、次の3つを問題 解決ができない原因と考えていた。. a.どんな問題へも立ち向かおうとする「やる気」の問題 b.保持している知識のどれを使うのかを考える「選択能力」の問題 。,問題を解くために、保持されているべき「必要知識」の問題 これに対して、最近の教育心理学の中で、市川(1989,1993)12)13)の考. 案した認知カウンセリングは、学習者の「自己教育力を促すための教授 一2一.

(5) 方略」という点からも非常に興味深い。認知カウンセリングとは、 「学. 習や理解、問題解決などに困難を感じている学習者を、相談者が認知科 学的な立場で問題を共有することによって、その問題を取り除いていこ うとする教育実践活動」である。その認知カウンセリングにおいて、 「わからない」という状態を分析する側面として考えられているのは、 「動機づけ:学習意欲、学習対象に対する態度」、 「メタ理解=自己の 理解状態の把握、 『わかる』ようになるための学習方法等」、 「認知構. 造;既倒知識のあり方、誤った思い込み・手続き的知識等」、 「必要知. 識:問題の理解や解決のために必要な知識の欠如」の4つである。 また、波多野・稲垣(1984)11)は「生活で学ぶこと」と「学校で学ぶこ. と」とを対比させ、この両者がいかに、統合された人間の知的有能さ一 「知力」一の形成に結びつくかを検討した。学校の育成すべき「将来学. ぶための基礎となる能力」を解釈する上で「理解を深める場としての学. 校」と「自己学習能力を育てる」の2つの章は、比較的ポジティブに学 校教育の役割を述べている。そめ中に示された「概念的知識の発展」と 「理解」、 「理解の自己制御能力(モニタリング)」、 「深く知ろうと. する意欲」、 「自分の知的可能性についての自信」の4っの観点は、本 研究の目指す問題解決能力形成の参考になると思われる。. これらの研究は両者とも、言葉こそ違え、問題解決能力の構成要素を 示していると思われる。その構成要素を基に、中学校数学科の問題解決 において、生徒の問題解決ができない原因を考え直してみると、 a.動機づけ・・一t・… 問題解決に有用な意欲・態度・自信の不足. b.メタ認知的能力・・メタ認知的モニタリング・コントロール能力の不足 。.知識構造一一・… 一一概念的知識や手続き的知識からなる知識構造の不足 d.必要知識一・一一・一一問題解決に最低限必要な知識の不足. 一3一.

(6) の4っであると考えられる。そして、これらは、互いに深く関連しあっ ていると思われる。. この4っの問題解決ができない原因のうち、現場の指導者として触れ られなかったのは、 「知識構造」という概念である。生きて働く知識と. いう点で単なる「必要知識」と、必要知識を構造化した「知識構造」は 大きく異なる。それは、今まで筆者が行ってきた数学の授業の中にも現 れていた。そこでは、とにかくその問題が「できること」が重要視され、. 他の類似問題まで解けるように「わかること」はあまり強調されていな かった。この違いは、スケンプ(1992)22)の指摘する「道具的理解」と. 「関係的理解」の違いと同様であると考えられる。受験制度の競争原理 の中で、数学は、解法を丸暗記し、道具として使うという「道具的理解」. のみが重要視されている。しかし、様々な知識を結び付け構造化し、そ の関係の中で解法を考えるという「関係的理解」もまた重要視されなけ ればならない。そういう意味で、 「知識構造」の構成はかなり重要であ る。また、波多野・稲垣(1984)11>は、学校が子どもたちに身につけさせ. る「将来学ぶための基礎となる能力」は、 「一般的知的能力」や「読み. 書き計算という基礎技能」の2つではないと主張した。そして、事実を 既有の知識と関連づけて理解したり、なぜこの技能はこうした手順で遂 行されなければならないのかの根拠を理解することを通して、概念的知 識を発展させ、 「将来学ぶための基礎となる能力」が獲得されるとした。. そこで、本研究では上記に挙げた4っの問題解決ができない原因のう ち「知識構造の不足」の解消を目的とする。そして、この「知識構造の 獲得」によって問題解決能力の向上を図ることを大きな目的とする。た. だし、他の3つの原因も「知識構造の獲得」に大きく関連しており、そ の点を考慮しながら、研究を進めていく必要がある。. 一4一.

(7) まず、 「知識構造」の活躍の場、あるいは、獲得の場となる問題解決. とその過程について述べる。認知的情報処理理論からのアプローチでは、 問題解決を「現在の状態(初期状態)と目標の状態の問にある差をなく. すために、現在の状態を認知的に変換していく過程」と定義し、変換す るための方法をオペレータ(演算子)と呼んでいる。数学科の問題につ いても同様の定義がなされ得るが、伊東(1994)15)は、さらに制限を加え. て、既知の認知的操作を即座に問題に適用して解を求める場合は、問題 解決とは呼ばずに、目標状態に達するための認知的操作を探索し、発見 する過程を含むものだけを問題解決と捉えている。. もう少し具体的に問題解決の過程を捉えた研究に、伊藤・大西・杉江 (1994)14)がある。彼らは、問題解決の過程を以下の5つの段階に分け、. 一連の解決過程を「問題解決スクリプト」と呼んだ。. ①問題理解の段階一与えられた問題の意味を理解する段階。 ②解法探索の段wa 一解決者の知識ベースの中から問題に当てはまる 解法を探索する段階。 ③解法適用の段階一解法を利用できる形にして適用する段階。 ④解法吟味の段階一解法を適用して得られた答えが題意に合うかを 吟味する段階。 ⑤答案作成の段階一解決者内部の解決を外に表現する段階。 さらに、崎谷(1996b)29)は、数学科における問題解決の過程を、その 中で使われる知識構造(スキーマ)を考慮し、フローチャL一一一トに表した。. そこでは、解法の探索と適用の断罪を、 「プラン具体化による問題解決」. 「手段一目標分析による問題解決」 「類推による問題解決」の3っのル. ートに分けて捉えている。本研究では、これらの研究をふまえて問題解 決の過程を図1に示す。図1では、崎谷(1996b)29)の手段一目標分析に. よる問題解決と類推による問題解決を1つにまとめて表してある。それ は、手段一目標分析による問題解決の中で用いられるオペレータは、類 一5一.

(8) 推により以前獲得した知識から転移されると考えられるからである。さ らに、伊東(1994)15)の制限を加え.た考え方に準じ、図1で示したプラン. 具体化による問題解決は含めず、手段一目標分析による問題解決によっ て「目標状態に達するための認知的操作を探索し、発見していく過程」 を問題解決と定義する。 ロ頁の 示 ☆問題理解の段階 ※主に、既有の 数学的スキーマ. 過去の 問題解決の経験. 既有の 数学的スキーマ. no. を駆使:してその問題. を振り返りその問題. は理解が可能. は理解が可能. に頼る 平均. 全体一部分. no. か. か. *問題Aでは、. yes. yes. 代入. などのスキーマ. 口. 理. 田 理解の. 既有の. 問題解決経験 を振り返りその問題 n。. ☆解法の探索と 適用の段階. に使える問題解決:. 騰劉. スキーーマが. あるか. 既有の問題解決スキー マや数学的スキーマを 使って手段一目標分析. es. プラン具体化に よる。. 決. 」. 口. no. 功したか. 成功したか yes. no. yes. no. ☆解法吟味の段階. 解答の吟味. ’その答えはもっとも. LH. の. らしいか ☆答案作成の段階. Pt の. es. (注)この図1は、 「知識構造(スキーマ)」との関連も合わせて、作成してある。. 図1 数学学習における問題解決の過程. 上記の定義は、中学校数学科の問題解決場面に、よく適応していると 思われる。中学校数学科においての問題解決を考えた場合、そのほとん どは「類推による問題解決」である。つまり、ある問題解決を行おうと したとき、以前解いた似た問題を思いだし(類推し)、その問題解決の. 過程で獲得した知識を使用するのである。その知識の枠組みをそのまま 一6一.

(9) 転移できるプラン具体化による問題解決は、道具的理解で十分に対処で きるため生徒の問題解決に支障はない。しかし、問題理解の段階で以前 獲得した知識をより抽象化し、さらに、解法の探索と適用の段階で解法 計画をより一般化しなくてはならない問題であったとき、知識の理解が 関係的理解でなければ、知識の転移は不可能となり問題解決ができない のである。このように、中学校数学科の授業における問題解決では、手 段一目標分析による問題解決の中の類推がその主たるものであり、類推 に使用できる知識構造の獲得が非常に重要になっている。 そこで、少し詳しく「知識構造」の重要性と役割を述べる。 「知識構 造」は、認知心理学、数学科教育の多くの研究で「スキーマ(schema)」. と呼ばれて扱われる。そこで、本研究でも今後は「スキーマ」と呼ぶ。. スキーマの研究は、ピアジェの「シェマ(schema)」以来、様々な研究 がなされてきた。崎谷(1990,1991)23)24)は、Anderson, Greeno, Kline&. Neves(1981)1)とGreeno(1982)8>のスキーマを基にした「数学的スキーマ」 とGick&Holyoak(1980,1983)6)7)のスキーマを基にした「問題解決スキー. マ」を示した。そして、問題解決場面でのスキーマの役割を考え、様々 な問題の理解、解決のためにスキーマはより抽象化・一般化されなけれ ばならないとした。さらに、数学を学習するということは、正に、数学 的知識(概念的知識と手続的知識)を表象したスキーマを生徒自身が構. 成することであると述べた。ここに、1つの問題(問題A)とその「問 題解決スキーマ」、さらに、その中で使われる「数学的スキーマ」の1 っを示す。. 問題A(平均問題). A中学校には、無敵の男子バレーボール部がある。レギュラー6人 の平均身長は170c皿である。レギュラーで160c皿の文人くんを補欠の. 国生くんに代えると6人の平均身長は173cmになる。補欠の国生くん の身長は何cmか。 一7一.

(10) 問題Aの問題解決スキーマA 初期状態 目標:国生くんの身長を求める 条件:レギュラー6人の平均身長(170・m)、文人くんの身長(160・・). 国生くんを入れた平均身長(173cm)が与えられている 解法計画:文人くん以外のレギュラー5人の身長の総和と国生くんを入れた 6人の身長の総和を求め、その差を国生くんの身長とする. 「平均」の数学的スキーマ. スロマト1_スロマト2_\スロマト3. s lt 1 N lt. データの総和(Z). E. データの個数(N). NNttt. データの平均(X) 手続き付加. (前 提). (実 行). (結 論). 1 Z、Nが分かっている→Z÷Nを計算する→Xが求まる 2 N、Xが分かっている→X×Nを計算する→Zが求まる 3 Z、Xが分かっている→Z÷Xを計算する→Nが求まる 図1で示したように、問題解決の過程では、数学的スキーマと問題解 決スキーマの2つが必要である。解法の探索と適用の段階に限るならば、 上位の問題解決スキーマを下位の数学的ス. )e ・一マが構成するという階層. 構造をもっているように思われる。また、練習問題で問題解決スキーマ であったスキーマも、次の目標問題である類似問題を解くときには、数 学的スキーマとなって、新たな問題解決スキーマに取り込まれると考え られる。そこで、本研究では、類推による問題解決の過程の中で、練習 問題で使用される問題解決スキーマの構成を目的とする。この問題解決 スキーマの獲得が、次に解く目標問題を解決可能とする数学的スキーマ の獲得となるからである。そして、このようなスキーマを適応し、問題 を解決しながら、スキーマは抽象化・一般化されていくと考える。. さて、ここで、研究を進める上で必要となる「スキーマの獲得を確認 する方法」と「スキーマの抽象化と一般化の定義」について述べておく。. 問題を与えられた被験者は、問題解決の過程で、問題の構造や解法計 画を各自の頭の中に作り出す。このように作り出された知識を「表象」 一8一.

(11) と考える。特定の表象は、何回か使われる度に長期記憶に保持され、問 題解決の過程でいつでも引き出し使用できるようになる。本研究では、. そのような状態になった表象を「スキーマ」と考える。スキーマは、頭 の中にできた表象なので、同じスキーマであっても、表現として外に出 したときの形は、各自の表現能力・表現のしかたによって異なると思わ れる。つまり、スキーマを直接表現させても、スキーマの獲得は確認で きないのである。よって、スキーマの獲i得を確認するには、被験者にそ. のスキーマを使用する問題を解かせ、問題解決の過程を言語表現させた 中から、そのスキーマの使用の有無を確認しなくてはならないのである。. では、どのような問題の解決過程から、スキーマの獲得を確認できる のであろうか。Reed,De皿pster&Ettinger(1985)20>は、1つの問題カテ. ゴリーには、異なったタイプの問題が含まれていることを指摘している。. 彼らは、ある問題カテゴリーの中から3つの問題を作り、ある問題と同 じ方程式を使える問題や、同じカテゴリL一一一一に属するが異なったタイプの. 問題の存在を示した。さらに、Reed(1987)21)は、 「場面の相違」と「解. 法の相違」の2つの側面から、図2で示すような分類を明らかにした。 しかし、この分類は、解法の「Different」に大きな幅を持っている。. rSimilar problem」は、解法に修正を加えれば解ける問題なので類似問 題と考えられるが、同じ「Different」に含まれる「Unlated problem」. は、解法が全く異なるため類似問題とは考えられないのである。これに 対して、崎谷(1993)27)は、解法の「Different」を解法に「修正が必要」. であると考え、場面が同じで解法に修正が必要な問題を「同相問題」と した。そして、新たに、場面が異なり解法に修正が必要な問題を「同類 問題」として、類似問題を「揚玉の相違」と「解法修正の必要性の有無」 から4っに分類した。本研究では、崎谷(1993)27)の分類を使用する。. 一9一.

(12) 小. 解法. 齧ハ. 小. 同. T. 一. ■. 一. 一. 零. 一. 一. 一. 一. 冒. 一. 一. 一. 一. 一. ■. (Different) (注)(. 1. 1. 一一一一一一_一一一一一.一_一一一一一一一__. 同型問題. →. 大. (Different). 同相問題. (Equivalent prob:Lem) i. 異なる. 」. 大. 層. i 修正が必要(Same). 同等問題. じ. (Same). 抽象性. 一般性. ← 同じ. (Si皿ilar proble皿) q._...一.......一一一一.一一_一一,一.一. i 同類問題. (lso皿orphic proble皿) 1 (Unrelated problem). 21) )内は、Reed(1987). の分類による表現である。. 図2 類似問題の分類とスキv一一一マの抽象化・一般化の関係. スキーマの抽象化と一般化は、崎谷(1993)27)の分類により定義できる。. スキーマの抽象化とは、問題理解などで使われる概念的知識の部分の抽 象化である。スキーマが働かないのは、スキーマの概念的知識が抽象化 されていないため、知識の領域固有性により転移を阻止されてしまった と考えられる。練習問題と場面の異なる同型問題や同類問題において、 スキーマの転移が行われた場合に、スキーマは抽象化されたと考える。. スキーマの一般化とは、解法計画の修正で使われる手続き的知識の部 分の一般化である。練習問題の解法に修正が必要な問題において、修正 ができないのは、解法の手続き的知識が問題に固有な知識であり一般化 されてないためと思われる。解法に修正の必要な同相問題や同類問題に おいて、修正が行われた場合に、スSe ・一マは一般化されたと考える。 それでは、再び、ス」e ・一マ構成について述べる。ここでは、 「類推に. よる問題解決」に関する先行研究より、類推転移の促進の条件を考える。 まず、Gentner&Gentner(1980)5)は、 「電流」の理解を「水流モデル」. 等による類推によって促進させ、 「人は、既に知っている類似した問題. を解くための方略知識を用いて、問題解決を行う」ことを明らかにした。. これにより、被験者に目標問題に関連した練習問題を与えることは、類 推による問題解決を可能にする条件の1つであることを示した。しかし、 Gick&Holyoak(1980)6>は、 「練習問題の解法が目標問題の助けになる」 一 10 一.

(13) というヒントなしには、類推転移が起こらないことを示した。そこから、 彼らは、 「ある問題に関連して別の問題を思い出す過程には、2つの問. 題の類似性を明らかにする深いレベルの抽象化が介在していなければな らない」と主張した。そして、 「抽象化の最適レベルは類似性が最大と なり、相違が最小となるレベルである」とした。 この抽象化に対する鈴木・村山(1991)31)の解釈は、本研究への示唆に. 富む。彼らは、類推は「ベースとターゲット間の写像」としてではなく 「ベースとターゲットとスキーマとの三項関係」として捉えるべきであ. ると主張した。また、抽象化に対する「プラグマティックな表現」の有 効性を示した。それによると、Gentner&Gentner(1980)5>の電流の理解も. 「水流モデル」の持つ「何かが流れる」というプラグマティックな表現 によって、 「電流」と「水流モデル」が1つのカテゴリL一一一に抽象化され. るとしている。彼らは、この抽象化を「準抽象化(quasi−abstraction)」. と呼び、これによって構成できた「実用的推論スキーマ」が働き、理解 が促進されるとしている。そして、鈴木(1995)32)では、転移が困難とさ. れる「仕事算」の問題を「棒アメを両側から食べる」というプラグマテ ィックな表現を使って、類推転移の促進に成功している。. ここで抽象化された方略は、特定のタイプの問題に関する過去の経験 に基づいた知識を具体的に表す記憶表現であり、問題解決スキーマと考 えられる。実用的推論スキーマも問題解決スキーマの1つである。そし て、Reed et al.(1985)20)は、この問題解決スキーマの長期記憶への保. 持が、類推転移の1つの条件であることを示した。彼らは、代数学の距 離問題について、 「練習問題の解法の詳細が提示されないと転移が見ら. れないこと」や「目標問題を解くときにそれを見せることが転移を促進 すること」を明らかにしたのである。 一11一.

(14) このように、多くの先行研究は、類推転移を促進するためには、抽象 化・一般化された問題解決スキーマの獲得が不可欠であることを示して いる。. 次に、生徒に、このような抽象化・一般化されたスキ・一一・マを構成させ、 獲得させる教授方略について述べる。崎谷(1996b)29)は、スi? ・一マ構成. の方策として、 「例題学習における自己説明」、 「問題解決スキーマの 言語化と視覚化」、 「類似問題の作成」、 「類似問題における対応付け」、. 「問題構造(問題の初期状態)の命名」の5つを挙げた。1つ目の「例 題学習における自己説明」は、崎谷(1992b)26)で詳しく述べられ、式の. みで与えられた解答を言葉で補って説明する「自己説明」の効果が検討 された。その結果、外部から説明が与えられるより、 「自己説明」の方 が学習転移に対して有効であることが示唆された。 「自己説明」の効果. を向上させるためには、その正確さと完全さが求められる(Chi&Bassok (1989)3))。そこで、説明を他者に対して行うことにより、その正確さ と完全さを高める手だてが有効と思われる。例えば、 「教え合い(peer. tutoring)j等の説明の過程の中でスキーマ構成を図る方策や、認知カウ ンセリングの基本的技法の仮想的教示(教師をわからない人と仮想して. 教示する)が有効であると考えられる。2つ目の「問題解決スキーマの 言語化と視覚化」は、後に詳しく述べる、スキーマ帰納や教訓帰納、P. SIがこれにあたると思われる。3つ目の「類似問題の作成」も、崎谷 (1996a)28)に詳しく述べられている。生徒に類似問題を作成させ、問題. の条件と目標を抽象化する活動を通して、スキーマの構成が目指された。. その結果、問題作成の経験が乏しい被験者には効果が見られず、経験と 訓練の豊富な被験者に効果が見られた。これにより、有効な方策とする ためには、問題作成の経験と訓練が必要であることが示された。4っ目 一12一.

(15) の「類似問題における対応付け」は、2つの問題において数値の対応付 けや式の対応付けを行う。それにより、問題の条件と目標の抽象化、手 殺一目標分析を行う際のオペレータと式の対応付けを促し、目標問題へ. の写像の手助けをする教示である。5つ目の「問題構造(問題の初期状 態)の命名」は、例えば、 「鶴亀算」と言えば、その解法がすぐに思い 浮かぶような場合である。 これらの方策の中で、特に、2つ目の「問題解決スキv一・・マの言語化と. 視覚化」については、興味深い先行研究がある。認知心理学の中では、 問題解決スキーマを作り出す過程は「スキーマ学習(schema learning)」 と呼ばれている。Gick&Holyoak(1983)7)は、どのような条件下でスキー. マ学習が有効に行われるかを調べた。その結果、1っの練習問題と抽象 化された原理や図を提示しても、類推の助けにはならなかった。つまり、 単独問題からではス」e 一マ学習の効果が見られないのである。ところが、. 2っの類似した練習問題から問題解決スキーマを抽出した被験者は、抽 出できなかった被験者に較べ、目標問題の正解率が有意に高かった。彼 らは、2つの類似問題において、 「それらは、どんな問題だったか」を. 書かせることにより、問題解決スキーマを抽出する過程を「スキーマ帰 納(sche皿a induction)」と名付けた。. 一方、市州(1989,1993)12)13)は、 「教訓帰納(lesson induction)」を. 認知カウンセリングの基本的技法の1つに取り入れた。 「教訓帰納」は、. 「教訓」を「どのような問題であったか」という問題構造に関するスキ ーマに限らず、 「自己の知識の誤り」など、ようするに「この問題から. 学びえたこと」と捉えている点で「スキーマ帰納」を拡張した概念と言 える。さらに、単独問題からのスキーマ学習という点で注目に値する。 その点について、市川(1993)13)は、 「単独の問題からでも被験者が教示 一 13 一.

(16) によってどの程度うまくスキーマ帰納を行なえるものか、またその場合 にも転移が促進されるものかどうかについて彼ら(Gick&Holyoak)は十分. 検討していないが、これは、教訓帰納という学習方略の有効性にも直接 関わる重要な問題であるといえよう。」と課題を残した。. 「教訓帰納」は、次に示す数学的問題解決を扱った研究に詳しい。寺 尾・市川(1995a)35)は、教訓帰納において、問題解決に有効なヒューリ. スティックに関連した記述をした被験者は、関連した記述をしなかった 被験者より成績が良いことを示した。そして、有効なヒューリスティッ クに関連したまとめが、学習の転移を促進すると結論した。また、寺尾 ・市川(1995b)36)では、学業成績の高い生徒は有効な教訓帰納を行う能 力にも優れていることを示した。さらに、寺尾・楠見・市川(1996)37)で. は、教訓帰納に、 「正解するためのポイントはどこか、なぜ自分はでき. なかったか、次に解くとしたら何に気をつけるか」の観点を与え、教訓 が有効であった時に、学習転移を促進されることを示した。. しかし、これらの教訓帰納の研究には3つの問題がある。まず、有効 な教訓を抽出できる被験者は、教訓帰納を行わなくても、解答を理解す るだけで転移を促進できるのではないかという問題がある。これに対し て、寺尾・楠見(1996)38)では、異なる教訓を直接与えて、学習転移の差. が教訓の違いによる効果の差であることを示したが、 「自己生成した教 訓を理解しスtle ・一マに組み込む過程」と「他者から与えられた教訓を理. 解しスキーマに組み込む過程」は、大きく異なると思われる。また、ス キーマ帰納も同様だが、被験者の記述に対して制御可能性の低い教授方 略であり、被験者の能力に頼る所が大きすぎるという問題もある。教訓 帰納では、被験者なりの課題が教訓として抽出できるという個に応じた 教授方略になっているが、それにしても、スキーマ構成ができない被験. 一14一.

(17) 者への助けにはならないように思える。さらに、上述した市川の課題へ の解答がはっきり示されていない。寺尾らの研究は、獲得すべき知識の 「内容」とその「獲得プロセス」を明らかにする点に重点が置かれ、獲 得のための教授方略の有効性にあまり触れられていない。. スキーマ帰納、教訓帰納ともにその有効性にやや疑問は残るが、次の 3点において、本研究が目指すスキーマ学習に大きな示唆を与えている。. まず、問題を解いた後の学習であるという点。つまり、ある問題を解 いた後の処理が、次に解くときの転移を促すと考えている点である。類 推による問題解決の場合、似たような問題を思い出すためには、それぞ れの問題を解いた直後に、のちに検索しやすくするための符号化が必要 となる。それも個々の問題の解法を思い出すというより、そのエッセン スともいうべき抽象化されたルールが想起されれば、問題解決が可能と なると考えられる(市川(1993)13))。. 次に、スキーマ構成に「言語化」が有効に寄与すると考えられる点で ある。Perkings, Simmons&Tish皿an(1990)16)は、有効な方略教授の条件. の1つとして、方略の転移の促進を挙げ、そのためには、ある問題解決 を通して方略を獲得する際に、これを明示的に言語化すること、すなわ ち、問題場面からより抽象化した高次の規則を明示的に抽出することを 重視している。また、Berar“i−Coletta, Buyer, Dominowski&Rellinger. (1995)3)は、被験者に方略を意識化させるため、課題遂行過程に注意が. 向くような質問を出し、これに対する答えを声に出しながら課題を遂行 させる方略により転移を促している。. 最後に、被験者自らがスキーマ構成を行える学習(自己生成による学 習)である点。スキーマ構成の方略は、大きく分けると、教師主体の 「教師の説明による構成(従来の授業)、他領域からのアナロジーによ. 一15一.

(18) る構成(鈴木(1995)32)等)」と、生徒主体の「自己生成による構成(ス. キーマ帰納、教訓帰納)」の2つになる。両者のうち、 「自己生成によ る構成」は、問題解決能力の自ら解決に必要な能力を獲i得するという自. 己教育力的な側面を考えた際、非常に効果的であり、解法(問題解決ス キーマ)の長期記憶という点からも、効果が高いと思われる。 「自己生 成の有効性」について、記憶に関する研究では、 「自己生成精緻:化」 「自己選択」の効果として検討されている。Pressley, MlcDniel,Turnure,. Wood&Ahmad(1987)19>は、基本文に対して「なぜその人がそうしたのか」. という質問に対する答えを生成させる条件が、実験者によって答えを提 供される条件よりも、偶発記憶、意図記憶ともに促進されることを明ら かにした。さらに、実験者が提示した情報から被験者が自ら選択しただ けでも記憶が促進されることをPerlmuter, Monty&K血ble(1971)17)や Perlmuter&Monty(1982)ユ8)は報告した。そして、 Takahashi(1992)34>. はその原因として、自己選択条件では、自分にとって記憶しやすいかど うかの判断(メタ記憶)に従って記憶しやすい語を選択できるので、選 択できない条件よりも成績が良くなるというメタ記憶説を指示している。 このメタ記憶は、 「自己生成によるスキーマ構成」の過程の中にも現れ. ると考えられる。つまり、メタ記憶説は「自己生成による構成」が問題 解決スキ・一一一一マの長期記憶に有効であることを示しているのである。. それでは、ここで、上述してきた問題解決に関する先行研究より示唆 された点をまとめてみる。まず、類推による問題解決の過程において、. スキーマは、学習転移を促進する媒体として機能している。そして、ス キーマが機能するためには、そのスキーマは、練習問題と目標問題を抽 象化したものでなくてはならない。また、そのスキーマは、プラグマテ ィック(実用的、機能的、目的的)なものでなくてはならない。さらに、 一16一.

(19) そのようなスキーマを構成するためには、被験者が頭の中に作った表象 を言語化させる作業を通して、被験者に明確に意識させる方略が必要で ある。問題解決スキーマであれば、なぜそのような手順をとらなければ ならないのか、その手順が問題解決の過程全体にどういう働きをしてい るのか、等を被験者に意識させる方略が必要である。その方略として、 「正解するためのポイントはどこか、なぜ自分はできなかったか、次に. 解くとしたら何に気をつけるか」等の観点を与えた教訓帰納は有効であ ると考えられる。. 上記の示唆を網羅した新たなスキーマ学習を考案し、その有効性と限 界を示すことは、 「数学科における問題解決能力形成のための指導法の. 研究」として、大変意義深いものであると思われる。筆者は、冒頭に、 rPSI(Pragmatic Sche皿a lnduction)」と名付けた新たなスキーマ学. 習を提案した。このPSIは、上記の示唆をふまえて、崎谷(1992a)25). で行われたスキーマ帰納を改良した教示を基に作成した。そして、PS Iは、生徒に練習問題の解決を求め、次にその詳細な解答例を提示し、. さらに、下記のような練習問題への4つの質問に答える、という3っの 過程から構成してある。. ①求めるものは何ですか。 ②分かっているものは何ですか。. ③どのようにして、解けばよいですか。. ④もし、あなたが次に練習問題と似たような問題を解くとしたら、 上の③で最も大切なポイントは、どこだと思いますか。 これらの質問のうち①、②は、問題の目標と条件の「言語化」により、 問題理解の段階で、初期状態と目標状態を明確に意識させる。さらに、. 表現に使用した言語の抽象画によっては、スキーマの抽象化も狙えると 考える。質問の③、④は、練習問題の解法計画の言語化・視覚化により、. 一17一.

(20) 目標問題の解決の段階で使用される解法を明確に意識させる。さらに、. 解法のキーポイントの作成により、解法の構造を明確に意識させる。そ れにより、なぜこのような手順で遂行しなければならないのかの根拠を 理解し、プラグマティック(実用的、機能的、目的的)なスキーマを構 成する。理解の深さによっては、スキーマの一般化も狙えると思われる。 従来のスキーマ学習である「スキーマ帰納(Gick&Holyoak(1983)7>)」 や「教訓帰納(寺尾・市川(1995a)35)、寺尾・市川(1995b)36>、寺尾・. 楠見・市川(1996)37>)」の研究は、高校生以上の比較的表現能力の高い 被験:者に対しての教示であり、表現の困難性を問題にしていなかった。. しかし、表現能力が比較的低い者にも行える学習が必要であると考える。. また、制御可能性の低さは、学習の有効性にも支障を来す。自らの力で はスキーマを獲得できない生徒に対して、その手助けとなる有効な教示. を与えることをPSIは目的とする。. このように、PSIは、生徒一人ひとりに、スキーマを獲得させ、生 徒の問題解決能力形成に貢献する教授方略として考案された。しかし、. 従来のスキーマ学習との比較において、効果の度合い、適応問題の有効 範囲、類推転移の促進を有効にできる条件、等の検討すべき点もある。. そこで、本研究では、PSIについて、次のような研究を行う。 【研究1】. 単独問題からのスキーマ学習(スキーマ帰納、教訓帰納、PSI)は、 類推転移に有効に寄与するか否かを明らかにする。また、目標問題であ る類似問題(同等問題、同型問題、同相問題、同類問題)のどれに効果 があるかを分析し、最も効果的なスキL・一一一マ学習を検討する。 【研究2】. PSIについて、単独問題からの効果と2つの類似問題からの効果に 一18一.

(21) どのような違いがあるかを検討する。 【研究3】. PSIによってスキーマ構成に成功できなかった生徒に対する「仮想 的教示を主とした認知カウンセリング」の実施が、PSIに対して、ど のような影響を与えるのかを検討する。. 一 19 一.

(22) 【 研究1 】 〔 目 的 〕. 類推による数学的問題解決のためには、練習問題において使用される 「スキーマ」を、目標問題に転移できる状態で獲得することが1っの条 件と考えられる。その「スキーマ」を獲i得させるための学習が「スキー. マ学習」であり、その中で注目したいのが、自己生成による学習である 「スキ・一一・一一マ帰納」 「教訓帰納」 「PSI」である。スキーマ帰納につい. て、Gick&Holyoak(1983)7>は、単独問題からの効果は小さいことを示し ている。しかし、市川(1993)13)は、これについて、彼らは十分に検討し. ていないと指摘し、さらに、このことは教訓帰納という学習方略の有効 性にも直接関わる重要な問題である、とした。そこで、ここでは、上記. の3っのスキーマ学習に、生徒が普段行っていると思われる「解答例の 理解(解答例を何回も読む)」を加え、4つのスキーマ学習について、 次の3点を明らかにする。 (1)類推による問題解決に有効に働くスキL一一一マを構成する方略(スキーマ. 学習)が、単独問題からでも行われるか否かを明らかにする。 (2)次の4つのスキL一一・・マ学習のどれが最も効果的か、を明らかにする。. a.解答例の理解「解答例を十分理解するように何回も読んで下さい。」 b.スキーマ帰納「練習問題は、どのような問題でしたか。」. c.教訓帰納「なぜ解けなかったかも含めて、練習問題から学んだこ とを書きなさい。」. d.PSIr練習問題について、①求めるものは何ですか。②分かって いるものは何ですか。③どのようにして解けばよいですか。. ④もし、あなたが次に練習問題と似たような問題を解くと したら、上の③で最も大切なポイントは、どこだと思いま. 一20一.

(23) すか。」. (3)上記の4っのスキーマ学習について、どの類似問題に有効か、 (同等、. 同型、同相、同類問題のどれに効果があるか)を明らかにする。 〔 :方 法 〕. 1.実験計画 実験:群をスキーマ学習要因(4水準=被験者間配置)×問題類似要因(4. 水準:被験者間配置)の16条件で構成した。また、実験群に加え、問題解. 決後に解答を与えずに4つの類似問題の解決を求める統制群を設けた。 統制群では、問題を解き進むうちにスキーマが構成され、正答率向上が. 期待される。その場合、1つ目の問題解決のみを行う条件を「練習問題 を与えられない場合の問題解決」として、これを統制群1(問題類似要 因4水準:被験者間配置)とする。さらに、同等問題→同型(もしくは 同相、又は同類)問題の順で解決を行う条件を「練習問題の解決後に解. 答の与えられない場合の問題解決」として、これを統制群2(問題類似. 要因3水準:被験者間配置)とする。統制群2では、目標問題として同 等問題を割り当てることはできないが、その点は分析の際に考慮する。. 2.被験者. 公立中学校2校(静岡県1校、北海道1校)の2年生13学級475名(そ れぞれ7学級268名、6学級207名)を被験者とした。両校ともに学業成 績の学級平均が中位の1学級ずつ計70名を統制群に割り振った。残りの 11学級405名の被験者を実験群に割り振り、各条件問で学業成績が等質に なるように割り振った。統制群においても、問題の順序を入れ替えた24 通りの用紙を各条件間で学業成績が等質になるように割り振った。各条 件に割り当てられた被験者数を表1に示す。. 一21一.

(24) 表1 各条件に割り当てられた被験者数 同等問題. 統制群1 統制群2 実験群1 実験群2 実験群3 実験群4. 1 7 一. 25 25 26 25. 同型問題. 18 36 25 26 25 25. 同相問題. 同類問題. 1 8. 1 7. 35 26 25 25 25. 35 26 25 25 26. 合 計. 70. 106 102 101 101 101. 3.実験期日. 平成8年5,月31日(静岡県の中学校)、平成8年6」月6日(北海道の 中学校)に実施した。. 4.材 料 本実験では、図3に示す問題を次のように各被験者に与えた。 ・実験群の問題1 平均の問題. ・実験群の問題2 問題1の同等問題、同型問題、同相問題、同類問題 ・統制群の問題 実験群の問題2で使用した4っの類似問題 これらの問題は、すべて筆者の自作問題である。問題の作成に際して は、どの学年に適用するのが最も商さわしいか、また、その解答例はど. のような書き方がわかりやすいかを調べるために、予備調査1(平成8. 年1E実施、対象者は島根県内の公立中学校の全学年各1学級)と予備. 調査2(平成8年3月実施、対象者は北海道内の公立中学校の1年生2 学級)を行った。その結果、3年生は正答者が多すぎること、1年生は 解答例の理解において文字式の単元が未習であることより、2年生が適 当であると判断した。また、問題理解のために図を付ける必要があるこ とがわかった。さらに、解答例は、詳細にしすぎると複雑になりかえっ てわかりにくくなることが明らかとなった。これらの点を考慮しながら、. 質問紙(問題用紙、解答用紙)B4版の冊子2冊を作成した。また、解 答用紙には、解答欄には現れないであろう生徒の気づきや感想を知るた 一 22 一.

(25) めに、事後アンケートを付けた。. 平均の問題 A中学校には、無敵の男子バレ’一ボール部がある。レギュラー6人の平均身長は くtこお ふみと 170cmである。レギュラーで160cmの文人くんを補欠の国生くんに代えると6人目平均 くにお 身長は173cmになる。さて、補欠の国生くんの身長は何c皿か。 (問題につけた図は略す) ゐi. 類’似問題. 同等問題 B中学校には、無敵の女子バレーボール部がある。レギュラー6人の平均身長は ふみこ くにこ か 161cmである。レギュラーで150cmの文子さんを補欠の国子さんに代えると6人の平均 くにこ 身長は163cmになる。さて、補欠の国子さんの身長は何cmか。 (問題につけた図は略す). 同型問題. ひゆうま. いってつ. 飛雄馬くんは、父ちゃんの一徹さんとの約束で、期末テストでは、国語、社会、 理科、英語、数学の5つの教科の平均点が60点以上でなくてはならない。ところが、 今回の期末テストでは、調子が悪く、5つのテストが終わって、平均点が56点だっ ひゆうま た。 「このままでは、父ちゃんに怒られる。」と思った飛雄馬くんは、もしかすると と思い、テストの採点間違えを調べた。すると、50点だった数学のテストで採点 間違えがあり、先生に直してもらった。その結果、5つの教科の平均点は、60点にな ひゆうま った。さて、飛雄馬くんの数学のテストは、一点になったのでしょう。 (問題につけた図は略す。). 同相問題 B中学校には、無敵の男子バレーボール部がある。レギュラー6人の平均身長は みのる としじ か 171cmである。レギュラーで174cmの稔くんを補欠で176cmの敏司くんに代え、さらに、 ふみと くにお レギュラーで163cmの文人くんを補欠の国生くんに代えると6人の平均身長は175cmに くにお なる。さて、補欠の国生くんの身長は何cmか。 (問題につけた図は略す。) か. 同類問題. ひゆうま. いってつ. 飛雄馬くんは、父ちゃんの一徹さんとの約束で、期末テストでは、国語、社会、 理科、英語、数学の5っの教科の平均点が60点以上でなくてはならない。ところが、 今回の期末テストでは、調子が悪く、国語、社会、理科、英語の4つのテストが終わ って、平均点が56点だった。 「このままでは、父ちゃんに怒られる。」と思った ひゆうま 飛雄馬くんは、最後の数学のテストに向けて気合いを入れて勉強した。しっかり勉強 したおかげで、数学の点はすごく良かった。その結果、5つの教科の平均点は60点 ひゆうま ’ になった。さて、飛雄馬くんの数学のテストは何点だったのでしょう。 (問題につけた図は略す。). 図3 研究1で用いた問題 5.手続き 実験は、質問紙(問題用紙、解答用紙)により、学級単位で実施した。. すべての学級において、実施に先だって、成績には何ら関係しない旨を 一23一.

(26) 説明した。統制群、実験群ともに、以下の手続きに従い実施した。解答. に要した時間は、統制群、実験群ともに、約50分であった。 (1)実験群の実施手続き. ①解答のしかた、「注意事項を説明した。. ②全被験者に問題1(平均の問題)を提示レ9分で解答するよう求めた。. ③下記の解答例(図4)を提示し、5分で理解するように求めた。 まず、1つ目の平均から. 畜畜み\菰畜i文人く. Ocm Ocm Dcm Acm Vcm 1160cm 1. ÷ 6=170. だから、○,◇,□,△,▽,160をたしたものは170×6で出てくる。. O十〇十n十A十V十160=170×6. (170×6=1020だから) (合計は1020−160で出る) O十〇十Z十A十V=1020−160 (1020−160=860だから). ○一ト〈〉十[]十△十▽十160ニ1020. ○十〈〉十[コ十△十▽=860. これで、文人くん以外のレギュラー5人の身長の合計がわかった。. 轟.轟潟6?試論 Ocm. ◇C皿. □C皿. == 860. △cm ▽cm. 次に、2丁目の平均から、. 冷轟冷噛畜畜i論 Ocm ◇cm □cm △cm. ▽C皿. ÷ 6=173. Xcm. だから、○,◇,□,△,▽,κをたしたものは、173×6で出てくる。. O十〇十〇十A十V十x=173×6 (173×6=1038だから). O十〇十〇十A十V十 x == 1038. ↓. 860. ここで、さっき求めたように ○+◇丁丁十△十▽=860だったから ○+◇+□+△+▽を860にする。 十 Z =1038. Zニ1038−860 (1038−860=178だから) Z=178. くにお これで求めたかった国生くんの身長xがわかった。 くにお. Ptえ ・生くんの身長は178cm. 図4 問題1(平均の問題)の解答例 一 24 一.

(27) ④解答例の理解度の自己評価を2分で行った。. 図5の尺度を示し、自己の理解度に最も近い数値に、○を つけるように指示した。. O 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 0/. ぜんぜん解. 完全に騰. できなかった. できた. 図5 解答例の理解度を自己評価する尺度 ⑤各群ごとに、スキーマ学習を10分で行った。 問題、各自の解答、解答例を自由に参照させた。 a.実験群1一解答:例の理解. 「解答例を十分理解するように何回も読んで下さい。」 b.実験群2一スSe ・一マ帰納. 「練習問題は、どのような問題でしたか。」. c.実験群3一教訓帰納 「なぜ解けなかったかも含めて、練習問題から学んだことを 書きなさい。」. d.実験群4−PSI 「練習問題について、. 1求めるものは何ですか。 ll分かっているものは何ですか。. 皿どのようにして、解けばよいですか。. IVもし、あなたが次に練習問題と似たような問題を解く としたら、上の皿で最も大切なポイントは、どこだと 思いますか。」. ⑥再度、解答例の理解度の自己評価を1分で行った。. 一25一.

(28) 図5の尺度を再び示し、④と同様の指示をした。. ⑦問題2(問題1の同等問題、同型問題、同相問題、同類問題のいず れか)を提示し、9分で解答するように求めた。 問題1が、問題解決のヒントになることを知らせた。 ⑧事後アンケート(6分目 (2)統制群の実施手続き. ①解答のしかた、注意事項を説明した。. ②4つの類似問題を順に提示し、各9分で解答するように求めた。. 順序効果を相殺するために、順序を入れ替えた問題用紙を24 通り作成し、配布した。 ③事後アンケート(6分) 〔結果及び考察〕. 実験群405名のうち欠席者11名を除く394名、統制群70名のうち欠席者 1名を除く69名の結果を分析対象者とした。その結果、各条件群に割り 振られた分析対象者数と各条群群の学業成績(注1)の平均点は表2のよう になった。. 表2各条件の欠席者を除く分析対象者数と学業成績平均点 統制群1 統制群2 実験群1 実験群2 実験則3 実験群4 P 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 層. 合 計. 一. }. 一. 一. 同等問題. 同型問題. 同相問題. 同類問題. 合 計. 17(46.2). 18(48.1). 17(50.4). 17(49.9). 69(48.6). 一(一). 35(48.8). 35(47.4). 34(47.8). 104(48.0). 25(48.1). 24(48.4). 26(47.1). 25(48.1). 100(47.9). 25(48.1). 26(48.9). 25(48.2). 25(48.0). 101(48.3). 24(48.9). 24(48.3). 24(48.8). 24(48.2). 96(48.5). 24(48.9). 25(48.0). 23(49.5). 25(48.0). 一. 一. F. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. }. r. 曽. 一. 一. 115(47.9). 一. 一. 一. 一. 一. ■ ■. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. ■. 盟. 一. 冒. 一. ■. ■. ■. ■. 一. 152(48.4). 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 冒. 冒. ■. 150(48.6). 97(48.6) 一. 150(48.3). 一. 一. 一. 一. r. 一. 一. r. 一. 一. 炉. 一. 567(48.3). (注)各セルの( )内の数字は、各条件群の学業成績の平均点を表している。 (注1). k海道内の1中学校の学業成績は、道内における学力テスト(平成8年4月実施)の数学の 偏差値(平均45.9)を基にした。静岡県内の1中学校は、校内の1学期中間テスト(平成8 年5月実施)の数学の偏差値(平均50.0)を基にした。2校に共通したテスト結果がなかっ たが、本実験の問題1の正答率を比較した所、静岡県の1中学校の方が極めて高かった。そ こで、両校の学業成績の差を2つのテストの平均の差4.1をそのまま使用することによって、. 表すことにした。. 一 26 一.

(29) また、各問題解決の結果は、事前に設定した採点基準(図6)を基に. 6点満点で得点化し、5点以上を「正答」、4点以下を「誤答」として 処理した。. 6 ほぼ解答例、別解通りの解き方をしていて、 しかも、答えもあっている。. 5 解き方は、ほぼ解答例、別解通りで正しいが、途中に計算間違 いがあって、答えが違っている。. 4 文人くん以外の5人の身長の合計860は、求めているが、 その後の解き方に誤りがある。別解では、差の18cmは求めたが、 その後の解法に誤りがある。. 3 文人くん以外の5人の身長の合計860を求めようとしたが、 失敗。その後の問題解決はゆきづまった。他の者の身長を 平均身長と考えた。. 2 6人の平均の差3c皿をそのまま、文人くん160cmと国生くんZcm の差と考えたもの。平均身長×人数の計算を使ってないもの。. 1 国生くんの身長を求めようとはしているが、解き方に誤りがあ り、そのままやっても、正解にはならないもの。 0 何を求めるのかがわかってないと思われるようなやり方で、答 えが出なかったもの。白紙、あるいは、ほぼ白紙のもの。 ※別解. 6人の平均が170cmから173cmへ3cm増えている。 合計では、3×6で18c皿の増加である。 その増加は、160cmの文人くんをxc皿の国生くんに 代えたからである。. よって、国生くんの身長は、. 160十18=178c皿 である。 図6 問題1の採点基準 1.統制群について (1)各問題の問題順序ごとの正答率の変化. 統制群の各目標問題の解決結果を問題順ごとに集計し、表3に示す。. 一27一.

(30) 表3 統制群における各目標問題の正答数、誤答数、正答率 同等問題 問題順. 3. 15 17%. 1. 3. 13 19%. 3問目. 10 41% 4 13 24% 7 12 37%. 8. 8 50%. 一. 需. 4問目. 8. 一. 一. 冒. 一. 騨. 2∼4合計 1∼4合計. 誤答. 7. 2問目. 一. 同相問題. 誤答正答率. 正答. 1問目. P 一. 同型問題. 正答率. 正答. 卿. 一. 鴨. 一. 一. 一. 8 一. 一. 一. 卿. 一. 一. 一. 8. 50% 一. 一. 一. 一. }. 一. 一. 一. 一. 19 33 37% 26 43 36%. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 一. ■. 一. 1142% 需. 一. 一. 一. 一. 一. ■. 一. 薗. 一. 一. 19 32 37%. 22 47 32%. 一. 諮正答率. 正答. 翻. 冒. 冒. }. 一. 一. 合 計 正答 酪正答率. 誤答. 正答率. 16 6%. 8. 9. 47%. 3. 11. 7. 19 5028%. 15 17%. 61%. 5. 1131% 1422%. 21 48 30% 27 42 39%. 4 旧. 同類問題 正答. 一. 一. 一. 一. 一. 一. 12 40 23% 13 56 19%. 7. 10. 11 39% 6. 63%. 28 24 54% 34 35 49%. 晒. 一. 30 3943% 一. 曽. 一. 一. 一. 一. 一. 一. _. _. _. 一. 一. r. 78 129 38%. 95 18134%. 表3の合計の欄に着目すると、正答率は問題を解き進むに従って高ま る傾向があることがわかる。つまり、目標問題の解決の前に、練習問題 の解決に取り組ませるだけでも、問題解決に効果があることになる。そ れは、練習問題の解決の際に、手段一目標分析により、ある程度の問題 解決スキーマが構成され、目標問題の解決時に、再度、手段一目標分析 により、問題解決スキーマの構成が実施され完成されたと思われる。し かし、解答例なしにそれを行える生徒は少ないことも示される結果であ った。そこで、実験計画で述べたように、次の2つの統制群を設定した。. ・統制群1 練習問題を与えられず、目標問題を単独で解決する群 ・統制群2 練習問題→目標問題の問に解答例を提示されない群 (2)統制群2の正答率. 統制群の中で、同等問題→同型(もしくは同相、または同類)問題と なっている箇所を抽出し、その結果を表4に示す。. 表4「練習問題→目標問題」の問に解答例を示さない場合の正答率 練習問題→目標問題. 目欄題の正答者. 同等問題→同型問題 全体 (同等問題の誤瀦). 同等問題→同欄題 全体 (購問題の誤賭). 20. 43%. 19. 14%). 8. 27 23. 19. (同鯛題の誤瀦). 正答率. (3 (0. 同等罷→同類問題 全体. 誤答者. 15. (8. 15 15. 23% 0%). 56% 23%). 表4を統制群2の問題解決の結果とした。なお、統制群2では、 「同等 一28一.

(31) 問題→同等問題」の条件を設定することができないので、この点を考慮 しながら以降の分析を行った。. 2.実験群について (1)分析対象者の設定. 実験群における問題1の解決結果を各条件群ごとに表5に示す。. 表5 実験群における各条件群ごとの問題1の正答者、誤答者. 黒糸1. タ騨2 タ験群3. タ験群4. 計. 同等問題. 同型問題. 同相問題. 同類問題. ウ答 誤答. ウ答 誤答. ウ答 誤答. ウ答 誤答. 5 W V W 28. 7 W S V 26. 6 W U W 28. 9 W U R 26. 20 17 17 16 70. 17 18 20 18 73. 20 17 18 15 70. 16 17 18 22 73. 合正答. 計誤答. 27 R2 Q3 Q6 108. 73 U9 V3 V1. 286. 問題1の正答者は、目標問題解決の前に問題解決スキーマを保持して いるものと考え、分析対象者からはずした。そこで、以降の分析では、 練習問題の正答者を除いた「練習問題誤答者」のデL一一・・タを分析した。表. 6に、 「練習問題誤答者」の目標問題における問題解決の結果を示す。. 表6練習問題誤答者の目標問題における正答者、誤答者、正答率 同等問題. 正答. 10 41%. 3. 統制群1 統制群2. 一%. 3. 実験群1. 7 65% 13 4 76% 13 5 71% 12 2 14 88% 59 28 68%. 8. 鰍群2 実囎3 実囎4 計. 7 一. 誤答. 同型問題. 正答率. 正答. 一. 同相問題. 正答率. 正答. 誤答. 15 17% 19 14%. 1. 16. 誤答. 正獅 6%. 0 23 0% 9 55% 11 8 9 47%. 9. 47%. 13. 5. 72%. 11. 9. 55%. 8. 9. 9. 50%. 10. 47 66. 42%. 38 72 35%. 10 44% 5. 67%. 同類問題 正答. 誤答. 正答率. 8 8 9. 9. 47%. 15 35%. 5. 12 29%. 13 16. 7. 56%. 5. 72%. 6. 73%. 59 54. 52%. 合 計 正答 酪. 19 11 41 39 44 49. 正答率. 50 57 32 30 29 22. 69%. 203 220. 48%. 28% 16%. 56% 57% 60%. (注)表中の太字は、各目標問題における最高正答率を示す。. (2)スキーマ学習の有意差の分析. ①統制群を含めたスキーマ学習の分析. 表6に示した正答率を見る限り、統制群1、2と実験群1∼4には、 大きな差があり、実験群において4つのスキーマ学習の効果があったこ. 一 29 一.

(32) とは明らかである。この結果より有意差を示したいが、上述したように. 統制群2を含むデータを用いるには問題がある。そこで、ここでは、統. 制群2を除いたデータを用いることにする。表7には、統制群2を除く 「練習問題誤答者」の各群における各目標問題の解決結果を正答・誤答 に分けて集計した結果を示した。 表7練習問騨瀦における目欄題の略綴、誤瀦数(騰隷形モデルのあてはめによる齪). 同等問題. 同型問題. 同相問題. 同類問題. 正答誤答. 正答誤答. 正答誤答. 正答誤答. 統制群1. 7. 実騨1. 13 13 12 14. 実験群2 実験群3. 実騨4 計. 10 7 4 5 2. 59**+28**一. 3. 15. 8. 9. 13*+ 5*一. 11. 9. 9『 9+. 44. 47. 1. 11 8. 8 10. 16 9 9. 10 5. 38*一49*+. 合 計 正答 誤答. 8*+ 9*一. 19**一50**+. 9. 41 39 44. 7. 5**一12**+. 13 16. 5 6. 51 39. 32 30 29. 49**+22**一. 192 163. (注)**+,**一,はp〈.Olで、*+,*一,はp〈.05で有意に多い(+)・少ない(一)を表し、. +,一,はp〈.10で多い・少ない傾向にあることを表す(以下の表も同じ)。. この結果について、5群(統糖1、山群1∼4)×4問題(畔∼同類問題)×2水準(正 答・誤答)の対数:一線形モデルの当てはめによる検定(弓野,1981,以下、対数:. 一線形モデル分析と略す)を行った。なお、対数一線形モデル分析の結 果では、本研究の目的に関連した結果のみを述べる(以下の分析も同じ)。. 分析の結果、交互作用について、実験群4(PSI)が他の群より有 意に正答者が多かった。逆に、統制群1は他の群より正答者が有意に少. なかった。この結果より、PSIによるスキーマ学習は、単独問題から であっても、類推転移を促進するためのスキーマ構成に寄与することが. 示されたと言える。また、統制群1において正答者が有意に少なかった ことから、解答例理解・スキーマ帰納・教訓帰納も若干はスキーマ構成. に寄与したと考えられる。なお、統制群を代表して統制群1を、実験群 との比較に用いた。それは、表8に示すように、2群(統制群1、2)×3問題 (同型∼同類問題)×2水準(正答・誤答)の対数一線形モデル分析により、統制群1と. 一 30 一.

(33) 統制群2には、有意差が認められなかったからである。 表8統繍内の紹問題誤答都おける睡問題の正答者数、誤答者数(対数一線形モテ“ル分析). 同型問題. , 一. 一. 統制群1 統制群2 〇. ■. 曹. 一. ■. ■. 一. 一. 一. 陶. 零. 15 19. 3 3 一. ,. 一. 一. 一. 計. ■ 一. 一. 6. 同相問題 正答 誤答. 誤答. 正答. 一. 冒 一. 一. 卿. 一. 一 一. 34. , 騨. , 一. 一. 一. 一 一 一. 一 冒 一 一. 一. ■. 1. 16. 0. 23. 同類問題 正答 誤答 8. 9. 8. 15. 一 一 ■ 一 冒 一 一 一 冒 一 輸 一 一 一 一 噛 一 一 薗 一. 1*一 39*+. 合 計 正答 誤答 12 11 一. 16**+24**一. 讐. 層. 一. 一. 鼎. 一. 囎. 一. 一. 40 57 騨. 騨. 騨. 雪. 障. 一. 雪. 一. 雪. 一. 23**一97**+. 次に、各目標問題ごとのスキーマ学習の効果を分析するために、各目 標問題とその合計について、対数一線形モデル分析を行った。同等問題 については、5群(統繍1、実験群1∼実験群4)×2水準(正答・誤答)の対数一線形モデル. 分析を行い、その他の問題と合計については、6群(統繍1∼実囎4)×2水準 (正答・誤答)の対数一線形モデル分析を行った。その結果を表9にまとめて示 した。 表9練習問題誤瀦における目標問題ごとの正瀦数、誤瀦数(対数一線形モテ“ル分析) l. 統繍1 攝翌Q. タ囎1 タ騨2 タ囎3 タ験群4 計. I. l. ッ等問題1同型問題1同相問題1同類問題 ウ答誤答i正答誤答i正答誤答i正答誤答 16+ 1 8 9 7*一 @10*+ 1 3*一 15*+ 1 1− ?一i3**一19**→・・一23*+i8−15・ P3. 7. 1 8. ァ1ゴゴi線羅. 9. 111*+. l. 9*一 1. l. 9. 7. ’. 合 計. ウ答 誤答. 19**}50**+ P1**一57**+. S1+ 32− R9+ 30− S4*+ 29*一 S9**+22**一. 59**+28**一147唱. 66+. 138**一72**+159. 54. 巳. 1. 203 220. 願. 分析の結果、交互作用について、同型問題においては実験群2(スキ ーマ帰納)で、同型問題においては実験:群2(スキーマ帰納)で、同相. 問題においては実験群4(PSI)で、同類問題においては実験群4 (PSI)で有意に正答者が多かった。また、同等問題においては実験. 群4(PSI)で、同相問題においては実験群2(スキーマ帰納)で、 同類問題においては実験群3(教訓帰納)で正答者が有意に多い傾向が あった。逆に、同類問題においては実験群2(スキーマ帰納)で有意に. 一 31.

(34) 正答者が少なかった。以上の結果から、同類問題におけるスキーマ帰納 以外は、4っのスキーマ学習が類推転移を促進することが示された。 ②実験群書でのスキーマ学習の分析 実験群言では、どのスキーマ学習が最も効果的なのかを分析する。実 験群内での比較を行うために、実験群における各目標問題の正答者数・ 誤答者数とその合計の正答者数・誤答者数を表10に示した。 表10 実騨内の紹問題誤瀦における目標問題の正瀦数、誤押堀(対数一線形モデル分析). 同等問題 実囎1. タ騨2 タ験群3 タ験群4. 計. 同型問題. ウ答誤答 13 7. ウ答誤答 8 9. P3 P2 P4. P3*+ 5*一. 4 5 2. 52**+18**一. P1. 9. X− 9+. 41. 32. 同相問題. 同類問題. ウ答誤答. ウ答誤答 9 7. 11+ 9− W 9. W P0. T**一12**+. 10. P3+. 5. P6. 37 33. 5−. 6. 43 30. 合 計. ウ答 誤答. 41 R9 S4. S9+. 32 30 29. 22『. 173**+113**一. この結果について、4群×4問題(同等∼同繍題)×2水準(正答・誤答)の対ta 一. 線形モデル分析を行った。その結果、交互作用について、合計において. 実験群4(PSI)で他のスキーマ学習に較べ正答者が有意に多い傾向 があった。4つのス・キーマ学習の中で、PSIによるスキーマ学習が最 も類推転移を促進することが示された。. 各目標問題ごとのスキーマ学習の効果を分析するために、各目標問題 とその合計について、4群×2水準(正答・誤答)の対数一線形モデル分析を行. った。その結果を表11にまとめて示した。 表11 実験群内の網問題誤瀦における目標問題ごとの正答者数、誤冊数(対数一線形モデル分析). 実騨1 実騨2 実験群3. 同等問題1同型問題1同相問題1同類問題 コ 正答誤答1正答誤答1正答誤答1正答誤答. 13 7 18 9 lll 9 19 7. 13 4 i13 5 i 8 9 1 5**一12**+. IZ 5, ii6 g I,g i: llg ,5. 実囎4 計. 52’*’18’*’. P 41 32 137 33 i43 30. 一 32 一. 合 計 正答 誤答. 41 32 39 30 44 29. 49’ 22一 173’*’113”一.

(35) 分析の結果、交互作用について、同類問題において実験群2(スキー・一・一. マ帰納)の正答者が有意に少なかった。また、合計において実験群4. (PSI)の正答者が有慮に多い傾向があった。以上の結果より、実験 群雀では各スキーマ学習の効果は目標問題ごとにはあまり差がなかった。 ③スキL・一一・Lマ学習の効果の考察. 上記の①、②の結果より、PSIが他のスキーマ学習よりも効果的で ある傾向が示された。しかし、4つのスSe 一一マ学習の効果の差は小さく、. どのスキーマ学習もそれなりに効果的であったと思われる。. 各スキーマ学習の効果の度合いと効果的であった目標問題は、それぞ れ少しずつ異なる。ここでは、①、②の分析結果を基にして、各スキー マ学習ごとに、学習が効果的であった原因と改善点を考察する。 a.実験群1 (解答例理解). 有効に学習転移を促進することができた。この原因は、次の3点であ ると思われる。1つは、この問題の解答例が大変わかりやすいものであ ったという点である。生徒の事後アンケートでは多くの生徒がわかりや. すかったとしている。生徒は解答例を10分以上もじっくり検討するこ とで、関係的理解ができたのではないだろうか。2つ目は、解答例の理 解を、生徒は日頃じっくりやることがなかったのではないか、という点 である。一斉授業の中では、例題による学習の理解が不十分なまま、次 の目標問題の解決に進んでしまっていたのではないだろうか。3つ目は、. 他の学習が記述を必要としているのに対して、この群のみはそのような 作業に気を取られることなく、理解に専念できたことも高成績の原因と 思われる。. b.実験群2 (スキーマ帰納). スキーマの言語化に着目した学習として、PSIとともに効果を上げ 一33一.

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