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【資料3:研究3に関する資料一⑦認知カウンセリングの個別データの分析・考察】
個人別実験データの分析・考察
個人別実験データの分析・考察は、実験2終了後、 「仮想的教示を主とした認知 カウンセリング」の効果を検討するために、実験1のデータと実験2のデータを比 較することによって行われた。
注:「(1)得点の変化」において、()内の数値は(実験1→実験2)の得点を表す。
「問題1」 「問題2」 「問題3」は、それぞれの得点を表す。また、「問題23」は問題2と問題3の 得点の合計を、「問題23伸び」は問題1から問題2、問題3への得点の伸びの合計を表す。
Aさん 「必要知識の獲得」 (連立方程式の解き方)を目的に指導 (1)得点の変化
問題1 (O一>1》 問題2 (0→0) 問題3 (0一>1} 問題23(0一>1) 問題23伸び(0≒〉一1)
(2)解答、PSIの記述の変化の分析と考察
・得点から分かるように、解答には変化は見られなかった。強いて上げれば、
足し算だけの解答だったのが、かけ算も使えるようになったくらいである。
・また、PSIの記述についても解答例を写すだけであり、変化は見られない。
(解答例を理解しきれない状態に変わりがなかった。)
・Aさんにとって、個別指導はスキーマ学習の能力を向上させるのに至らなか つた、と結論づけなければならないであろう。
・その原因として、次のことが考えられる。
①獲得を目指した必要知識(連立方程式の解き方)が、今回の問題には、あ まり関連していなかったこと。
②Aさんにとって、5日間の認知カウンセリングでは、必要知識以外のメタ 認知的能力、知識の構造化などに変化を与えられなかったこと。
③今回の問題は、Aさんの変化を見るには、難しすぎたこと。他の問題であ れば、Aさんの変化を解答用紙から捉えられたかもしれない。
Bさん 「学習観の改善」「メタ認知的能力の向上」「図の利用」を目的に指導 (1)得点の変化
問題1 (1≒>1) 問題2 (2一>1) 問題3 (0一>3) 問題23(2一>4) 問題23伸び(O/・一>2》
(2)解答、PSIの記述の変化の分析と考察
・すべての問題において、解答例のような解き方ではないが、Bさんなりの解 き方で正解にせまろうとしている。
・特に、問題3(陸上問題)においては、別解による解き方を行うことができ、
得点を向上できた。
・問題1(池問題)で特に顕著であるが、図や表を用いて、問題理解を十分に している。そのことが、解法探索の過程まで進むことができた原因と思われ る。
・PSIでは、解法のポイントに「一周多く回ったこと」を上げており、解答 一資料3一⑦個別データの分析・考察一1一
例を十分に理解していることが明らかである。
・アンケートの中で、「よく考えてみると(何回か読んでみて)、よくわかっ た。」という感想がある。理解の深さとモチベーションの高さをうかがうこ とができる。
・個別指導によって、知識構造を理解するだけのメタ認知的能力の向上がなさ れたと考えられる。
Cさん 「必要知識(割合の概念)の獲得」 「図の利用」を目的に指導 {1)得点の変化
問題1 (1一>1) 問題2 (2一>3) 問題3 (0一>2) 問題23(2一>5) 問題23伸び(0→3)
(2>解答、PSIの記述の変化の分析と考察
・すべての問題において、図や表を用い、問題理解に勤めているところに変化 が見られる。
・問題2(時計問題)においては、長針、短針の進んだ角度6x。、0,5x。、や 1周360。などの立式の材料を上げることができた。
・さらにアンケートでは、「材料を揃えることはできたが、その後の解法がわ からなかった。」という感想を記述している。
・PSIでは、解法計画を箇条書きにして、まとめている。そのまとめ方も手 順を正確に記述してあり、解答例理解が十分であったことがうかがえる。
・以上の4点から個別指導の成果をまとめてみると次のようになる。
①問題解決の第1段階である問題理解の段階において、図表の利用が大きく 貢献していること。
②速さ・時間・距離の概念(内包量の概念)を利用し、進んだ角度を上手に 表すことができたこと。
③自分の解答を解答例と比較し、どこまでできているかがわかっていること から、メタ認知的モニタリング能力が向上していること。
Dくん 「問題解決の方略(図を利用した問題理解)の獲得」を目的に指導 (1)得点の変化
問題1(1一>1) 問題2(2→1) 問題3(2一>5) 問題23(4一>6) 問題23伸び(2一>4)
(2)解答、PSIの記述の変化の分析と考察
・実験2開始時間に遅れてきたり、調査用紙に名前は書かなかったりで、実験 に対する(学習に対する)姿勢に向上は見られなかった。
・PSIについても、ポイントとなる式を書き並べる程度で変化は見られなか
つた。
・図の利用も解答欄等には、いっさい記述は見られていない。
・問題3(陸上問題)において、325x、300xという距離を出し、さらに、距離 の差を3000と2800という形ではあるが表すことができた。
・その4っの材料を使い立卜し、正解を得ることができた。
・陸上問題は4点以上の正解者は5人しかいなく、比較的難しい問題であった 一資料3一⑦個別データの分析・考察一2一