(3) (+3)
U +2
1
i23/30)1(2)
пEi5
(1)
T
(一1)
P0
(13/30) } 1(2) (4) (+2) (14/30)1(3) : (3) (0)
E 1 3 3 0 e l 8 5 一3
1
(6/30)
ス 均
1(1)…一一一一一一一一一→……一一一一一一…一一一一………一
@ 1 2.2
@ i(o.6)
(1) (0)
R.8 +1.6 i1.8)(+1.2)
≦.7∠§9L一≦全し一一一∫盗1一一一上}一一一一一平均i5・8 1(3.0)
3.6 i2.4)
一2.2 i一〇.6)
(注)名前の欄の( /30)は、学業成績の順位を表す。各セルの数値は、問題2、3の得点の 合計を表し、その下の()内の数値は、問題1から問題2、3への得点の伸びを合計し たものを表す。
表16 サイン・テスト用の集計表
対象者 実験群 統制群 符号(+,一)
A・a
1(一1) 一2(一2) 1@ : 一3(一1) 一 (一)B ・b 2(2) 一1(1) 1 一3(一1) 一 (一)
C ・c 3(3)・ .5(.、)i 一8(一4) 一 (一)
D・d
2(2) 。(。)i 一2(一2) 一 (一)E ・e 0(0) 一3(一)i 一3(一1)
一 (一)
サイン・テストにおいて、プラス(十):マイナス(一)の割合は、
「2、3合計」 「合計の伸び」ともに、0:5である。これを直接確率計算 にかけると、有意傾向にある(両側検定:p=.0625)。すなわち、実験群 の方が統制群よりも有意に伸びている傾向がある。よって、 「認知カウ ンセリング」は、PSIを有効に行う能力の向上に効果があることが示
された。
3.解答、PSIの記述(質的データ)による分析
次に、量的データの分析では見ることのできない「認知カウンセリン グ」の参加者の質的な変化を検討する。 「認知カウンセリング」参加者
一61一
の個人別実験データについては、 「巻末資料一資料3一⑥認知カウンセ リングの個別データの分析・考察」で分析し考察してある。ここでは、
その資料を基に、全体的な分析を行うこととする。
(1)実験対象者の実験1の解答と実験2の解答の比較
①図・表の利用を指導したことによって、問題理解が深まった。
図・表の利用については、対象者A以外の5人に指導を行ったが、実 験3で利用したのは、そのうちの3人であった。利用した3人について は、問題理解の成果は十分に見られ得点の向上もあった。使わなかった
2人には、成果は見られなかった。使えるだけの能力が身に付かなかっ たか、その有効性について十分野理解がなされなかったと思われる。
②仮想的教示を行ったことによって、解答例の理解や自己の解法の吟味、
及び、修正などの能力が高まった。
特にアンケートの中で、自己の解法や解答例についての吟味が的確に なされており、そのことが次の問題の解答に生きている。実験1では、
解答例についての疑問点を挙げられても、その対処ができなかったこと を考えれば大きな進歩と言えよう。 「認知カウンセリング」の中で、こ れらの能力を向上させる可能性は「仮想的教示」が最も強いと思われる。
③問題2の解答から問題3の解答への変化(向上)が統制群より大きい。
(実験群 実験1(一〇.6)→実験2(1.4) 統制群 実験1(一〇.6)→実験2(0.78))
②に関連すると思われるが、解答例の理解・自己の解法の吟味を的確 に行えた結果であると思われる。自己の作った問題解決スキーマを着実 に改善できるだけの能力が統制群よりも高まったと思われる。
④必要知識(特に内包量の概念)の獲得が問題解決を助けた。
「速さ×時間=距離」の式を用いる問題が出題されたが、対象者A以 外の5人全員がこの式を上手く使い、進んだ距離を式で表すことができ 一62一
た。これも実験1では、見られなかったことであり、 「認知カウンセリ ング」が必要知識獲得を促した成果であると思われる。
(2)対象者のPSIでの記述についての実験1、実験2間での比較
①PSIの解法のポイントにおいて、的確にその解答例のポイントを挙 げることができた。
個人により違いはあるが、その後の問題解決のために適切なポイント を挙げ、そのポイントを生かして問題解決がなされている。解答例の中 にある問題構造を的確に捉えることができており、メタ認知的モニタリ ング能力の向上が原因と思われる。これも「仮想的教示」の実施による 成果であると思われる。
②解法計画の記述では、大きな成果は見られなかった。
実験3のPSIには、記述例をつけた。それにより解法手順を箇条書 きで表すことが全体的に促進されている。実験群の中には的確に表現で きた生徒もいるが、全体の中では小さな伸びにすぎない。つまり、解法 計画の記述(表現)では大きな変化は見られなかったのである。しかし、
その後の問題解決に生かされるか、生かされないか、が実験群と統制群 の相違点である。
(3)PSIを有効に行う能力の向上
研究3では、PSIを有効に行う能力を「必要知識の獲得」 「メタ認 知的モニタリング・コントロールの能力」と考え、上記の分析を行って
きた。ここでは、これらを中心に「認知カウンセリング」が参加者に与 えた影響と学習効果の程度を細かく検討する。
①必要知識(数学的スキーマ)の獲得
必要知識の獲得は、スキーマ構成の1つの条件である。さらに、問題 理解や解法計画の理解にも不可欠なものである。本研究では、必要知識 一63一
を問題解決スキーマの下位スキーマ(数学的スキーマ)と捉え、 「認知 カウンセリング」の中で獲得を目指した。それにより、ほとんどの対象 者は、獲得された数学的スキーマを使い問題解決スキーマの構成が可能 となった。したがって「認知カウンセリング」はPSI(スキーマ学習)
を有効に行う能力の向上に寄与したと言えよう。
しかし、今回のような少ない回数の「認知カウンセリング」において、
獲得が可能となる数学的スキーマには限界があるように思われる。今回 の「認知カウンセリング」で獲i得が可能であった数学的スキーマには、
その獲得を目指した生徒(対象者)との問に次のような関係があった。
まず、獲得を目指す数学的スキーマのさらに下位の必要知識(数学的 スキーマ)を、その生徒が持っていなくてはならない。今回の対象者の
うち、必要知識の獲得が困難であった対象者Aには、残念ながらそれが なかった。 「連立方程式の解法」という問題解決スキーマの獲得のため に、 「一次方程式の解法」や「代入」などの下位の数学的スキーマの獲 得を目指した。しかし、そのために「正・負の数の計算」や「文字式の 意味」などのさらに下位の数学的スキーマの獲得に終始してしまい、少 ない実施回数では、問題解決スキーマの獲得に至らなかったのである。
次に、獲得を目指す数学的スキーマについて、その生徒は小さなバグ を持っているか、忘れているという状態までならば、獲得は可能である。
その数学的スキーマの必要性を感じていないか、感じていても忘れてい たりバグが含まれているため使えない生徒がほとんどであった。それら の生徒に対しては、その数学的スキーマの獲得は容易であり、獲i得がす ぐに問題解決スi} 一一マの構成に役だった。必要知識(数学的スキーマ)
の獲得に対して「認知カウンセリング」はこのような限界を持っていた。
②メタ認知的モニタリング・コントロールの能力向上 一64一
メタ認知的モニタリングは、練習問題の解答例や自己の解答を吟味す
るような場合に用いられる。また、メタ認知的コントロ・一一一・ルは、解法計
画や解法の修正を行う場合に用いられる。つまり、この2っの能力の向 上は問題解決スキーマの構成に不可欠である。三宮(1995)30)は、これら の能力を高めるためには、メタ認知的知識の伝達だけでは不十分であり、
これを補う方法の1つに「対話・討論を活用する」ことを挙げた。そし て、能力向上に際して他者が果たす役割を、a.新たな考えを提供する視 点提供者、b.考えを言語的説明や行動に移すシミュレーション、 c.思考
を映し出す鏡的存在、d.思考を評価する評価者、の4つを挙げた。本研 究は「認知カウンセリング」を「対話を活用する」という方法の1つと 捉え、上記の2っの能力向上を図ってきた。ここで、三宮(1995)30)の理 論を基に、今回の「認知カウンセリング」の効果を検討する。
まず、メタ認知的能力の向上がなされなかった原因として、必要知識.
の不足がメタ認知の働きを阻止したことが考えられる。問題理解や解法 の計画ができない原因は、必要知識の不足が第一に考えられ、必要知識 が十分に獲得されているのならば、その次にメタ認知的コントロールの 能力不足が考えられる。つまり、必要知識の問題が解消されなければメ タ認知的コントロールの能力は働けないのである。対象者Aの場合、こ のことがメタ認知的能力の向上を妨げたと思われる。さらに、他の生徒 の中には、必要知識をどのように使えるのか、どのような場面で使うの かなどの獲得の不十分さによる問題があった。そのために、メタ認知的 能力の向上が妨げられたと思われるケースも含まれていた。
次に、このような必要知識の問題がクリアできた生徒にとって、 「認 知カウンセリング」はメタ認知的モニタリング、コントロL一一一・ルの能力を 向上させたと思われる。図・表の利用は、上記のa.の視点提供の役割を 一 65 一