• 検索結果がありません。

    ココ      トコ       ロ      

M=1 00    1M=0.33  1   M=1 33   1 M=1.00  1  Mニ2 00

      コ       コ       

SDニ1.26   1 SD=0.87 1  SD=1.35  1 SD=1.93 1  SDニ1.59

       ドロココココ コ ロロコ  へBIS  一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一lBIRG}一♪BRS

Nニ15   iB工TGi・ BTS  iN=15  i Nニ15

M=1.00    1M=0.20  1  M=1.20   1 M=1.30  1  M=2.60

     コ       ロ       コ

SD=1.15   1 SD=1.33 1  SD=0.91  1 SD=2.22 1  SD=1.74

       ロコリリほりロ ココロ へ全体IS…一…………一一一一…一一…一一1全体13Gt一♪全体3S

       ロ       ロ      コ  ロロロロロロロ コロ 

N=30  1全体12GI・全体2SlN=30 1 N=30

       コ

     コ       ロM[=1 00    1Mニ0.27  ,  M=1 27   ・M=1.30  1  M=2.30        コ       コ

       コ

SD=1.21  1SD=1.121  SD=1.15 1SD=2.1 1  SD=1.7

     1_________一__1      L_______一___1

図19 実験2の群ごとの成績と全体の成績

(2)問題1の成績の比較

 A群、B群の問題1の平均の差に有意差があるかどうかを調べた。

t検定の結果、両群の平均の差は有意でなかった(両側検定: t(28)ニ 0.00,p>.10)。したがって、両群の問題1の平均に差がないことが示さ れた。よって、実験1と同様に、問題2の得点をそのまま「単独問題か

らのPSIの効果」とし、問題3の得点をそのまま「2っの類似問題か らのPSIの効果」として分析を進めていくことにした。

(3)「単独問題からの効果」と「2つの類似問題からの効果」の比較  次に、 「単独問題からの効果」と「2つの類似問題からの効果」を比 較するために、2×2の混合計画(第1要因は問題順要因による被験者 間配置、第2要因は問題数要因(「単独問題からのPSIの効果」と

「2っの類似問題からのPSIの効果」)による被験者内配置)で分散 分析を行った。図20は、各条件の平均を図示したものである。

一51一

5

4

3

2

1

0

問題2 問題3

e・A群(陸上問題→時計問題) ◆・B群(時計問題→陸上問題)

図20 問題2から問題3への平均得点の変移(満点は5点)

分散分析の結果、第2要因(問題2の平均と問題3の平均の差)の主効

果が有意であった(F(1, 28)=8.23,p〈.01)。なお、交互作用は有意でな かった(F(1,28)=1.04,p>.10)。これにより、実験2では「単独問題か

らのPSIの効果」より「2つの類似問題からのPSIの効果」の方が

大きいことが示された。

(4)実験2の考察

 以上の結果より、実験2では「単独問題からの効果」より「2っの類 似問題からの効果」の方が大きいことが示された。しかし、実験1で示

されたように、複雑な類推による問題解決の認知的メカニズムにおいて は、このことを安易に受け入れることはできない。ここでは、どのよう な条件によって上記の結果に達することができたのか、等を考察する。

①問題の難易度

 「追いつき問題」は、寺尾・楠見・市川(1996)37)では、高校生を対象 に使用された問題である。しかも、生徒にとって苦手である「速さ」の 数学的スキーマが問題解決スキーマの下位スキーマとして使われており、

中学校の2年生には比較的難しい問題であった。それが3つの問題の低 得点につながったと思われる。このことは、後に、総合考察で述べる        一52一

「動機づけの問題」に関わると考えられる。

②3つの問題の類似問題としての関係

 図21に3っの問題の類似問題としての関係を示す。

       池問題(練習問題)

        同相問題       同類問題

  陸上問題(目標問題)一一一・一同型問題一一時計問題(目標問題)

      図21 実験2の問題の類似問題としての関係

問題2の解決時には、練習問題は池問題のみであり、陸上・時計問題と は解法に修正が必要な問題なので、PSIにより獲得された問題解決ス キーマを使用するのに、困難があると思われる。一方、問題3の解決時 には練習問題の中に、解法の修正が必要ない同型問題が含まれているた め、比較的転移が容易に行われると考えられる。このことが、問題2の 得点と問題3の得点の差につながったとも考えられる。しかし、このこ とは、 「2つの類似問題からのスキーマ学習の効果」における有利な面 であると考えられる。 「問題をたくさん解けば良い。」という物量主義 的な考えには、このような目標問題と非常に近い問題を過去に解いてい る可能性の高さも含まれているのである。

③物量主義的発想の2面性

 しかしながら、上記のような物量主義的な考えは、解法を暗記しさえ ずれば良いという暗記主義につながる恐れもあり、逆に獲得した問題解 決スキーマの一般性を小さくする可能性がある。池問題には別解が存在 し、それは陸上問題には適用できるが、時計問題にはそのままでは適用 できないものであった。しかし、問題1、問題2において別解による解 決に成功した生徒の中には、解法の一般化を放棄し、問題3の解決が不 可能になった生徒もいる。そこには、楽な方法でよい、解ければよい的        一53一

な考え(結果主義)が強く感じられる。これらの生徒の多くには、理解 が非常に浅いもの(道具的理解)になっている感じがし、 「結果主義→

暗記主義→物量主義」の悪循環が横行しているように思われる。このこ とは、市川(1993)13>でも指摘されている。もし、このような考えを排除 する教示(自分の解き方以外の別の解き方についても考えてみよう、等)

を与えることができれば、実験2では、 「2つの類似問題からのPSI の効果」はもっと大きくなっていたと思われる。

④解法のポイントの揺れ

 実験2の問題において、解法のキーポイントは「距離の差に目をつけ る」ことであった。しかし、PSIの例が非常に抽象的で、不適切であ ったため、生徒の挙げたポイントはそこから離れるものが多かった。解 答例に解法のポイントを明確に示す必要があったと考えられる。

3.研究2のまとめ

 研究2では、実験1・実験2の2つの実験によって「単独問題からの 効果」と「2っの類似問題からの効果」にどのような違いがあるかを検 討した。実験1では、適切な解答例を提示しなければ「2つの類似問題 からの効果」は大きくならないことが示された。また、実験2では、2 つの練習問題の設定のしかたによって、 「2つの類似問題からの効果」

が大きくなることが示された。2つの実験から、 「単独問題からのPS Iの効果」と「2つの類似問題からのPSIの効果」には、質的に違い があることが示された。ここから、PSIによるスキーマ学習を、より 効果的なものとするための次の条件を示すことができる。

 まず、PSIで獲得を目指すスキーマは、生徒の既述知識でほとんど 構成され、組み入れる新たな知識は1つだけにすること。2つ以上の新 たな知識を組み入れることは、生徒の理解に支障を来すことになり、ス        一54一

キーマの獲得を妨げると思われる。

 また、目標問題の解法は、練習問題の解法に1つの既有知識を加える 程度の追加にとどめること。新たな知識や2つ以上の既有知識を加える

と練習問題の問題解決スキーマを適用できなくなる生徒が増え、せっか く構成しっっあったスキーマを壊すことになりかねない。

 さらに、練習問題の解答例は、適切なプラグマティックな表現により、

練習問題の解法と目標問題の解法を含む抽象化・一般化を目指し、目標 問題の解決を可能にすること。このことは、総合考察で詳しく述べる。

 では、次に、研究1のまとめで挙げた後者の問題である「PSIによ るスキv・一一マ学習に失敗した生徒に対して、PSIを有効に行えるだけの 能力を向上させるような学習はどのようなものか。」について、研究3

で検討する。

一55一

       【 研究3 】       〔 目 的 〕

 PSIは、スキーマ構成に寄与し、類推転移を促進することが研究1 から示された。しかし、すべての生徒がスキーマ構成を行い、類推転移 に成功したわけではない。では、これらの生徒に対して、どのような学 習を施し、どのような能力を高めれば、PSIによりスキーマ構成を行 い、類推転移に成功できるようになるのであろうか。寺尾・市川(1995b)

36) ナは、学業成績の上位群は、教訓帰納で抽出する教訓を有効にする能 力が高いと捉えている。その中では触れられていないが、その能力向上 の手だてとして、スキーマを「自己説明」することにより明確に意識さ せる方略や、 「自己説明」の効果を高めるために「仮想的教示(注1)」塗 行うような方略は有効であると思われる。そこで、研究3では、 「仮想 的教示を主とした認知カウンセリング(以下、認知カウンセリングと略 す)」がPSIを行う能力にどのような影響を与えるのかを、次の2っ

の観点から検討する。

(1)PSIによるスキー一一Lマ学習に失敗し、スキーマ構成ができなかった   生徒は、 「認知カウンセリング」により、スキーマ学習を有効に行う   能力が向上し、 rPSIによりスキーマ構成を行い類推転移に成功で   きる」か否かを明らかにする。

(2)「認知カウンセリング」が対象者の何を変えたのかを明らかにする。

(注1)   寺尾・市川(1995b)は、日本教育心理学口恥12回大会において寺尾を発表者として口頭発表   された。その質疑応答の場で、 「教訓を抽出する能力を向上させる手だては何か。」という   質問がなされた。これに対して、寺尾は「1人の例しかないが、認知カウンセリングの中で、

  カウンセラーをその問題がわからない人と考え、その人に教えるつもりで説明させる手だて   により、能力が向上した例がある。」と答えた。

   すべての口頭発表終了後、筆者は個人的に寺尾に質問し、次の3点を確認した。まず、上記   の手だては認知カウンセリングの基本的技法の「仮想的教示1であること。次に、有効な教訓   を抽出する能力の内容については、寺尾・市川(1995b)の実験では、他の条件を統制すること   が難しく、明らかにできなかったこと。さらに、 「メタ認知」はその能力の1つと考えられ、

  他にも多数の能力が必要であると考えられること。

   以上のような経緯によって、筆者は、 「仮想的教示」が有効なスキーマ学習の1つの方略で   あるという確信を得た。教訓帰納やPSIを有効に行えない生徒に対して、 「仮想的教示」を   行うことは、スキーマ学習の能力向上につながり、引いては問題解決能力の形成につながると   考えられる。そこで、研究3で、仮想的教示の有効性を検討することにした。

       一56一

関連したドキュメント