51-1
華田 健人
1. はじめに
コンクリート充填鋼管(以下、CFTと呼ぶ)部材に、経
済性や耐火性を高める目的で鉄筋を配置した鉄筋内蔵
CFT(以下RCFTと呼ぶ)部材の研究はこれまで数多く行
われているが、日本建築学会「コンクリート充填鋼管構
造設計施工指針(2008)」(以下、CFT指針と呼ぶ)、新都
市ハウジング協会「コンクリート充填鋼管技術基準・同
解説(2012)」ではRCFT部材の耐力算定手法は明示され
ていない。そこで、本研究ではまず累加強度及び断面解
析から得られたRCFT短柱の耐力と既往の実験結果を用
いた比較検討を行う。その後、累加強度による耐力評価
に鉄筋が与える影響の確認を目的として断面解析を用い
たパラメトリックスタディを行う。なおRCFT部材の既
往研究は多様な断面形式に対して行われているが1)、本
研究では正方形鋼管1重円形配筋断面を対象とする。
2. RCFT短柱の終局耐 力の算定手法
2.1 累加強度を用いた算定手法
現行のCFT指針では、配筋無いCFT短柱の終局耐力
として全塑性状態を仮定した累加強度を用いている。本
研究ではそれをRCFT短柱に準用する際に、主筋の強度
の追加と帯筋の拘束によるコンクリートの圧縮強度の上
昇2)を考慮する。ただし、このとき文献2に従い、帯筋
の降伏応力度
wyの上限を687[N/mm2]とする。図1に累
加強度算定の際でのRCFT断面の応力ブロックを示す。
図1では主筋を独立した鉄筋として示しているが計算に
おいては断面積と位置の等しい鋼管に置換する。また耐
力算定の際には帯筋によるコンクリートの断面欠損は
考慮しないが主筋による断面欠損は考慮する。 2.2 断面解析を用いた算定手法
中心圧縮耐力の算定ではひずみ増分法によるN-解析
を行い、曲げ耐力の算定では平面保持を仮定し、断面分
割法(1000分割)を用いた曲率増分法によるM-解析を
行う。鋼管とコンクリートの構成則を図2と表1に示す。
鋼管は圧縮側では局部座屈による耐力低下とひずみ硬
化や残留応力の影響による耐力上昇を、引張側ではコ
ンクリートの拘束により鋼管が2軸引張状態となること
による強度上昇を考慮したモデル3)とする。コンクリー
トでは帯筋の外側と内側でモデルを分けており、外側
では文献4のモデルを準用するが、コンクリートの圧縮
強度時までを無拘束コンクリートモデル5)とする変更を
加える。内側では文献2のモデルを準用するが、下り勾
配係数dを式1で算定することで鋼管の拘束を考慮す
る。主筋は降伏応力度
ryを上限とする完全弾塑性モデ
ルとする。各材料のヤング係数はCFT指針に則り決定
図2 断面解析に用いる鋼管とコンクリートの構成則
鉄筋内蔵コンクリート充填角形鋼管短柱の
終局圧縮耐力及び終局曲げ耐力算定手法に対する解析的検討
= 3.0 = 1.0
ひずみ度
応
力
度
[N
/m
m
2 ]
sy S・sy
S・sy
-1.1sysy
圧縮
引張
sB sTsB sT sT
sT
基準化 幅厚比
-1.1sy sE
sE
図 1 累加強度算定の際での RCFT 断面の応力ブロック B:鋼管幅[mm] cB:鋼管内法幅[mm] t:鋼管板厚[mm]
wD:帯筋の配筋直径[mm] ρh:帯筋体積比 s:帯筋のピッチ[mm] xn:コンクリート端から中立軸までの距離[mm]
sσy:鋼管降伏応力度[N/mm2] rσy:主筋降伏応力度[N/mm2]
wσy:帯筋降伏応力度[N/mm2] cσB
:コンクリート圧縮強度[N/mm
2]
cσcB:拘束を考慮したコンクリート圧縮強度[N/mm2] (a)
鋼管 (b) コンクリート
表1 鋼管の構成則に用いる係数
cσcB= cσB+ 2.05ρh・wσy・(1 – s / (2wD) )2
場合分け
耐力上昇(低減) 係数S
最大強度時 ひずみ度sB
弾性限界 ひずみ度sE
≦1.6 sy
1.6 <≦2.0 1.0 sy sy
2.0 < S・sy S・sy
sεy
t
x
n-rσy rσy sσy
-sσy cσB
B
cσcB
wD cB
コンクリート 鋼管 主筋
中立軸
sεT:荷重が一定値となるひずみ度 sσT:荷重が一定値となる応力度
sE:鋼管のヤング係数
α:基準化幅厚比
sεy:鋼管の降伏ひずみ度
(式1)
d=1.5–0.0171
・c
σ
B
+1.6
・
√
wσ
re+2.4
・
√
sσ
resσre:鋼管の有効側圧因子
wσre:帯筋の有効側圧因子
有効側圧因子の詳細は文献6を参照されたい
帯筋の内側
帯筋の外側 無拘束
圧縮ひずみ度
圧
縮
応
力
度
c
m
m
ccB
cB
cc0
c0
c0:無拘束コンクリートの圧縮強度時ひずみ度
51-2
0.6 0.7 0.8 0.9 1 1.1 1.2 1.3 1.4
0 10 20 30 40 50 60
y = 1.000 + 0.00572x
実
験
結
果
ex
N3
と
累
加
強
度
cl
Nu
'
の
耐
力
比
h・wy [N/mm2]
する。なお、M-解析を行う際には断面内のひずみ勾配
の影響を考慮して鋼管の圧縮側とコンクリートの構成
則の耐力低下勾配を2/3倍にする。
3. 既往の実験結果を用いた検討
3.1 中心圧縮実験結果の評価と考察
本節で検討対象とする実験結果はRCFT短柱12体と
比較実験として行われた配筋の無いCFT短柱9体を用
いる7,8)。なお、本研究では耐火性の検証実験やCFT指
針の短柱の適用範囲外であるものは対象外とする。今
回収集した範囲では主筋の配置された試験体の中心圧
縮実験は無かった。評価に用いる実験結果は各文献に
示された荷重変形関係から読み取った圧縮ひずみ度3%
まででの最大の実験結果exN3を用いる。図3にはexN3と
帯筋の効果を考慮しない累加強度clNu’、考慮した累加
強度
clNu、さらに断面解析での最大耐力
clN3との比を、そ
れぞれ横軸に
h・
wyをとり、鋼管の基準化幅厚比毎に
色を分けて示す。ここでは帯筋の降伏応力度
wy毎に印
の形状を分けている。また図4には圧縮ひずみ度1%ま
ででの最大の実験結果exN1と累加強度clNu’、clNu、断面
解析での最大耐力clN1との比を同様に示す。図3(a)では
h・
wyが比較的大きい場合で耐力比が大きくなってお
り、これは帯筋の拘束の効果で実験での耐力が大きく
なったためと考えられる。図3(b)の累加強度
clNuでは帯 筋の拘束を考慮しているため、帯筋の効果による耐力
上昇を評価できていると考えられる。図3(c)の解析結
果
clN3では局部座屈による耐力低下を考慮しているた
め、基準化幅厚比の大きな試験体も比較的小さなばら
つきでの評価ができている。解析結果は図4の場合でも
実験結果を比較的小さなばらつきで評価できているが、
h・
wyが比較的大きな試験体で耐力比がやや大きくなっ
ている。これは帯筋の降伏応力度に上限を設けたこと
で、上限を超える強度の帯筋が配置されている場合で
の解析結果が小さくなったためだと考えられる。 3.2 曲げせん断実験結果の評価と考察
3.1と同様の条件で収集したRCFT短柱7体と比較実
験として行われた配筋の無いCFT短柱3体の実験結果
9-12)を用いる。ここでは解析結果
clM2は、実験での部材角
R=2%に相当する無次元化曲率Bを、塑性ヒンジ長さ
をL
p=B、曲率は塑性ヒンジ部分のみに一様に分布す
ると仮定して求めて、そのB時の曲げモーメントとす
る。また加力スタブの拘束により危険断面位置が材端
か ら 中 央 寄 り に 移 動 す る こ と を 考 慮 し て 、 材 端 か ら
0.5B中央寄りの位置の曲げモーメントを実験での曲げ
耐力とする。なお実験結果にはP-効果による付加曲げ
図3 圧縮ひずみ度3%まででの最大の実験結果と各計算結果の比
図4 圧縮ひずみ度1%まででの最大の実験結果と各計算結果の比
(a) 累加強度
clNu’を用いた場合 (c) 解析結果
clN3を用いた場合
(b) 累加強度
clNuを用いた場合
(a) 累加強度
clNu’を用いた場合 (c) 解析結果
clN1を用いた場合
(b) 累加強度
clNuを用いた場合
:基準化幅厚比 (=B/t・√sσy/sE)
0.6 0.7 0.8 0.9 1 1.1 1.2 1.3 1.4
0 10 20 30 40 50 60
y = 1.000- 0.00011x
実
験
結
果
ex
N3
と
累
加
強
度
cl
Nu
の
耐
力
比
h・
w
y[N/mm
2]
0.6 0.7 0.8 0.9 1 1.1 1.2 1.3 1.4
0 10 20 30 40 50 60
y = 1.000 + 0.00193x
実
験
結
果
ex
N3
と
解
析
結
果
cl
N3
の
耐
力
比
h・
w
y[N/mm
2]
0.6 0.7 0.8 0.9 1 1.1 1.2 1.3 1.4
0 10 20 30 40 50 60
y = 1.000 - 0.00087x
実
験
結
果
ex
N1
と
累
加
強
度
cl
Nu
の
耐
力
比
h・
w
y[N/mm
2]
※
※ ※
※
0.6 0.7 0.8 0.9 1 1.1 1.2 1.3 1.4
0 10 20 30 40 50 60
y = 1.000 + 0.00164x
実
験
結
果
ex
N1
と
解
析
結
果
cl
N1
の
耐
力
比
h・
w
y[N/mm
2]
※この2体のみ解析で圧縮ひずみ度1%までに 最大耐力を発揮していな い
※ ※
※ ※
0.6 0.7 0.8 0.9 1 1.1 1.2 1.3 1.4
0 10 20 30 40 50 60
y = 1.000 + 0.00470x
実
験
結
果
ex
N1
と
累
加
強
度
cl
Nu
'
の
耐
力
比
h・
w
y[N/mm
2]
※実験で圧縮ひずみ度1%までに 最大耐力を 発揮してい ないもの
※ ※
※
※
R CFTでの平均 0.99 変動係数 0.035
R CFTでの平均 1.04 変動係数 0.035
R CFTでの平均 1.10 変動係数 0.068
R CFTでの平均 0.99 変動係数 0.042
R CFTでの平均 1.04 変動係数 0.032 R CFTでの平均 1.11
変動係数 0.088
0.7≦< 1.2: 1.2≦< 1.6: 1.6≦≦2.1:
配筋なし :
386≦wσy≦687: 687 < wσy≦1412:
51-3 0.7
0.8 0.9 1 1.1 1.2 1.3
0 0.25 0.5 0.75 1 1.25 1.5
y = 1.000 - 0.12078x
実
験
結
果
ex
M2
と
累
加
強
度
cl
Mu
の
比
主筋と鋼管の 軸耐力の比 rNy/sNy
0.22 ≦ N/N0≦ 0.33
rNy = rA・ry sNy = sA・sy
0.7 0.8 0.9 1 1.1 1.2 1.3
0 0.25 0.5 0.75 1 1.25 1.5
y = 1.000 - 0.01560x
実
験
結
果
ex
M2
と
解
析
結
果
cl
M2
の
比
主筋と鋼管の 軸耐力の比 rNy/sNy
モーメントを含めている。図5にはR=2%まででの最大
の実験結果exM2と累加強度clMu、解析結果clM2の比を、
それぞれ横軸に主筋と鋼管の軸耐力の比
rNy/sNyをとり、
基準化幅厚比毎に色を分けて示す。また帯筋の体積比
と強度の積h・wy毎に印の形状を分けている。図5(a)で
はrNy/sNyが比較的大きい試験体と基準化幅厚比が大き
い試験体で耐力比が小さくなっている。図5(b)では比
較的ばらつきが抑えられているため、主筋は鋼管と比
べて断面中央寄りに配置されるため、曲げを受ける場
合では生じる軸方向ひずみ度が小さく降伏し難いこと
の影響と、鋼管の残留応力による耐力上昇と局部座屈
による耐力低下の影響と考えられる。 4. パラメトリックスタディを用いた検討
4.1 中心圧縮力を受ける場合
4.1.1 主筋のみを配置した断面
ここでは断面解析から得られた圧縮ひずみ度1%まで
での最大の圧縮力N
1を帯筋を考慮した累加強度
clNuで 除した耐力発揮率で、解析での耐力の累加強度の発揮
度合いを確認する。また、配筋の無いCFT断面の耐力
発揮率からRCFT断面の耐力発揮率を減じた値で、耐
力発揮率に鉄筋が与える影響を確認する。本章のパラ
メトリックスタディに用いる断面形状はB=750[mm]、
wD= 0.9cB、主筋はD-32、帯筋はD-13とし、変数は表2
に示す。軸力比N/N
0は4.2でのみ用いる。図6に主筋の
みを配置した断面での検討結果を、縦軸に耐力発揮率、
横軸に主筋と鋼管の軸耐力の比rNy/sNyをとり、基準化幅
厚比毎に色を分けて示す。ここではコンクリート強度
毎に印の形状を分けている。の最大値は= 0.76%で、
B/t=40、sy=440[N\mm2]、cB=60[N\mm2]、ry=685[N\mm2]、
pg=4.0%の場合である。この時のRCFT断面の耐力発揮
率は98.4%であるため、中心圧縮力を受ける主筋のみを 配置した断面は概ね累加強度を発揮すると考えられる。
4.1.2 帯筋のみを配置した断面
図7に帯筋のみを配置した断面での検討結果を、横軸
に帯筋の強度と体積比の積
h・
wyをとり示す。の最大
値は= 5.4%で、B/t=60、sy=325[N\mm2]、cB=60[N\mm2]、 wy=685[N\mm2]、h=1.5%の場合である。図8にその時
の配筋の無いCFT断面とRCFT断面それぞれのN-解析
の結果を示す。ここでは断面を構成する各材料毎の解
析結果も色分けして示す。なお、この時の解析結果は累
加強度もしくは累加強度を構成する各材料の耐力での
無次元化を行っている。帯筋に拘束されるコンクリー
トはその圧縮強度のみならず圧縮強度時のひずみ度も
大きくなるため、RCFT断面の最大耐力時の圧縮ひずみ
度も配筋の無いCFT断面の場合に比べて大きくなる。
加えて、これらの断面で鋼管は局部座屈によって圧縮
ひずみ度の増加に伴って耐力が低下するため、RCFT断
面の耐力発揮率が小さくなったと考えられる。
表2 パラメトリックスタディに用いる変数
図8 帯筋の影響でが最大となる場合のN-解析結果
(a) 配筋の無いCFT (b) 帯筋を配置したRCFT
図5 R=2%まででの最大の実験結果と各計算結果の比
(b) 解析結果
clM2を用いた場合
(a) 累加強度
clMuを用いた場合
N/Nu
sN/sNu
cN/cNu
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2
0.00 0.25 0.50 0.75 1.00
圧縮ひずみ度[%]
各材料毎の無次
元化し
た
解析結果
N
/ cl Nu
幅 厚比B/t = 60 sy = 325 [N/mm2] cB = 60[N/mm2] 0.955
:最大耐力発揮時 c = 0.28%
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2
0.00 0.25 0.50 0.75 1.00
圧縮ひずみ度[%]
wy = 685 [N/mm2]
h = 1.5 [%] 0.901
c = 0.45%
0.85 0.9 0.95 1 1.05 1.1 1.15
0 0.25 0.5 0.75 1 1.25 1.5
耐
力
発
揮
率
N1 /cl Nu
主筋と鋼管の軸耐力の比 rNy/sNy
※耐力発揮率の差が最大となった場合
※ ※
鋼管降 伏応力度sσy 325, 440 [N/mm2]
コ ンクリート 圧縮強度cσB 60, 120 [N/mm2]
幅厚比 B/t 20, 40, 60
主筋降 伏応力度rσy 490, 685 [N/mm2]
主筋比 pg (=rA/cA) 0, 4.0 [%]
帯筋降 伏応力度wσy 295, 490, 685[N/mm2]
帯筋の 体積比rh 0, 0.75, 1.5 [%]
軸 力比 N/N0 0.25, 0.50
N0 = sA・sσy+cA・cσB+rA・rσy
主筋の断面積:rA = pg・cA コ ンクリート の断面積:cA = cB2
鋼管の断面積:sA = B 2 -
cB2
図6 主筋を配置した断面の 中心圧縮耐力の全検討結果
図7 帯筋を配置した断面の 中心圧縮耐力の全検討結果
RCFTでの平均 0.98 変動係数 0.054 RCFTでの平均 0.90
変動係数 0.10
1.0 ≦α≦1.4:
1.8 ≦α≦2.6 : α= 4.0:
60 ≦cσB≦81 :
100≦cσB≦120:
170≦cσB≦182 :
※単位は[N/mm2] 配筋無し :
ρh・wσy=1.5 : ρh・wσy=6.6 : ρh・wσy=34.7:
※ 単位は[N/mm2]
cσB= 60: cσB= 120:
※単位 は[N/mm2]
0.8≦≦0.9: 1.6≦≦1.9: 2.4≦≦2.8:
0.85 0.9 0.95 1 1.05 1.1 1.15
0 2 4 6 8 10 12
h・wy [N/mm2]
※
51-4
参 考 文 献
1)柿田 靖幸 ら:既往研究 の実験 結果を用 いた鉄 筋内蔵コ ンクリ ート充填 鋼管柱 の終局 曲げ耐力 と変形 能力の検 討その1 日本 建 築学 会(AIJ)
大 会 学 術 講 演 梗 概 集 ,pp.1389-1390, 2015.09 2)孫 玉 平 ら:拘 束 円 形 鉄 筋 コ ン ク リ ー ト 柱 の 曲 げ 終 局 強 度 の 算 定 法( そ の1~2),AIJ九 州 支
部研 究 報告,pp229-232,1997.03 3)中原 浩 之ら:コン ク リー ト 充 填角 形 鋼管 柱 の 中心 圧 縮性 状 の モデ ル 化, コン ク リー ト 工 学年 次 論 文報 告
集 , pp817-822,1998.7 4)中 原 浩 之 ら:コ ン ク リ ー ト 充 填 鋼 管 柱 の 一 定 軸 力 下 に お け る 繰 返 し 曲 げ 性 状 ,日 本 建 築 学 会(AIJ) 構 造 系 論 文
集 , 第568 号 ,pp.139-146, 2003.06 5)shahら:Prediction of Ultimate Behavior of Confined Columns Subjected to Large Deformation , ACI Journal, pp.423-433, 1985,07-08 6)崎 野 健 治 ら:直 線 型 横 補 強 材 に よ り 拘 束 さ れ た コ ン ク リ ー ト の 応 力- ひ ず み 関 係 , AIJ構 造 系 論 文 集 ,
第461 号 ,pp.95-104,1994.07 7)山 口 育 雄 ら:充 て ん 型 鋼 管 コ ン ク リ ー ト 短 柱 の 中 心 圧 縮 性 状( そ の1~2), AIJ大 会 学 術 講 演 梗 概 集 , pp1353-1356,1988.1 8)渡辺英 義ら:鋼ス パイ ラル 筋で 補 強し たコ ンク リ ート 充填 角形 鋼管 柱 の短 柱圧 縮性 状, コン クリ ート 工学 年次 論文
集, pp1105-1110, 1999.06 9)今 井 和 正 ら: 鋼 管 で 囲 ん だ 高 強 度 鉄 筋 コ ン ク リ ー ト 柱(RCFT柱)の 開 発(そ の3), AIJ大 会 学 術 講 演 梗 概 集, pp1153-1154, 2001.09 10)荒井 豊 人, 他 : 鉄筋 内 蔵 型 鋼 管 コ ン クリ ー ト 構 造 に 関 す る 実験 的 研 究(その2), AIJ大会 学 術 講 演 梗 概 集, pp1201-1202, 2003.09 11)白 井 遼 ら:鉄 筋 内 蔵 型 鋼 管 コ ン ク リ ー ト 構 造 に 関 す る 実 験 的 研 究(そ の8-9), AIJ大 会 学 術 講 演 梗 概 集, pp1441-1444, 2014.09 12)石 岡 拓 ら:超 高 強 度 材 料 を 用 い たCFT柱 の 研 究 開 発, 技 術 研 究 報 告 第39号,戸 田 建 設 株 式 会 社, 2013.10
4.2 圧縮力と曲げを受ける場合
4.2.1 主筋のみを配置した断面
圧縮力と曲げを受ける場合では耐力発揮率の定義を
断面解析から得られたB=2%まででの最大の曲げモー
メントM2を累加強度clMuで除した値とし、を用いた検
討を行う。図9に主筋のみを配置した断面での検討結果
を 軸 力 比 毎 に 印 の 形 状 を 分 け て 示 す 。 の 最 大 値 は
=5.1%で、N/N
0=0.50、B/t=60、
sy=325[N\mm2]、 cB=120 [N\mm2]
、
ry=685[N\mm2]、p
g=4.0%の場合である。図10
にその時の配筋の無いCFT断面とRCFT断面それぞれの
M-解析の結果を無次元化して示す。高強度であること
に加えて鋼管に比べ断面中央寄りに配置される主筋は
比較的曲げ耐力を発揮し難いため、RCFT断面の耐力発
揮率が小さくなったと考えられる。また、RCFT断面の
耐力発揮率は76.9%と比較的小さいが、配筋の無いCFT
断面の耐力発揮率も82.0%と小さいことから配筋によ
る影響では無いと考えられる。
4.2.2 帯筋のみを配置した断面
図11に帯筋のみを配置した断面での検討結果を軸力
比毎に印の形状を分けて示す。の最大値は=1.7%で、
N/N0=0.50、B/t=20、
sy=440[N\mm2]、
cB=60[N\mm2]、 wy= 685[N\mm2]
、h=1.5%の場合である。ただし、この時の
RCFT断面の耐力発揮率は111.7%であり、累加強度を
発揮している。一方、の最小値は=-7.8%で、N/N
0=0.50、
B/t=60、sy=440[N\mm2]、cB=60[N\mm2]、wy=685
[N\mm2]
、h=1.5%の場合である。図12にその時の配筋
の無いCFT断面とRCFT断面それぞれのM-解析の結
果を無次元化して示す。鋼管の耐力発揮率が比較的小
さく最大耐力時のBが大きい場合では、帯筋の拘束に
よりコンクリートの耐力劣化が緩和され、断面の最大
耐力時でのコンクリートの耐力が大きくなり、RCFT断
面の耐力発揮率が比較的大きくなると考えられる。
5. まとめ
鉄筋内蔵CFT短柱の終局圧縮耐力及び終局曲げ耐力
算定手法について本研究で得られた知見を示す。
(1) 既往実験での鉄筋内蔵CFT短柱の終局圧縮耐力は
帯筋によるコンクリートの拘束を考慮することで
比較的対応の良い評価を行うことができる。
(2) 既往実験での鉄筋内蔵CFT短柱の終局曲げ耐力は
鋼管の局部座屈を考慮した断面解析によって比較
的ばらつきの小さい評価を行うことができる。
(3) 累加強度での耐力評価に鉄筋が与える影響とその
度合いを断面解析を用いて確認を行った。
図10 主筋の影響でが最大となる場合のM-解析結果
(a) 配筋の無いCFT (b) 主筋を配置したRCFT
図12 帯筋の影響でが最小となる場合のM-解析結果
(a) 配筋の無いCFT (b) 帯筋を配置したRCFT
0 0.5 1 1.5
0.0 0.5 1.0 1.5 2.0
無次元化曲 率B[%]
各
材
料
毎
の
無
次
元
化
し
た
解
析
結
果
M
/ cl
Mu 幅 厚比B/t = 60
sy = 325 [N/mm2] cB = 120[N/mm2]
N/N0 = 0.50 0.820
M/clMu sM/sMu cM/cMu rM/rMu
0 0.5 1 1.5
0.0 0.5 1.0 1.5 2.0
無次元化曲率B[%]
ry = 685 [N/mm2]
pg = 4.0 [%]
0.769
※clMu=sMu+cMu+rMu
:最大耐力発揮時
0 0.5 1 1.5
0.0 0.5 1.0 1.5 2.0
無次元化曲率B[%]
幅厚比B/t = 60 sy = 440 [N/mm2] cB = 60[N/mm2]
N/N0 = 0.50 0.731
0 0.5 1 1.5
0.0 0.5 1.0 1.5 2.0
無次元化曲率B[%]
wy = 685 [N/mm2] h = 1.5 [%]
0.809 0.6
0.7 0.8 0.9 1 1.1 1.2 1.3 1.4
0 0.25 0.5 0.75 1 1.25 1.5
耐力発揮率
M2 /cl Mu
主筋と鋼管の軸耐力の比 rNy/sNy
※ 耐力発揮率の 差が最大となった場合
※
※
0.6 0.7 0.8 0.9 1 1.1 1.2 1.3 1.4
0 2 4 6 8 10 12
h・wy [N/mm2]
※
※
図9 主筋を配置した断面の 曲げ耐力の全検討結果
図11 帯筋を配置した断面の 曲げ耐力の全検討結果
N/N0 = 0.25: N/N0 = 0.50: