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Academic year: 2021

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弘 前 医 学 67:108―109,2016

MURASAWA S, KAGEYAMA K, SUGIYAMA A, ISHIGAME N, NIIOKA K, SUDA T, DAIMON M.  Inhibitory effects of  SOM230  on  adrenocorticotropic  hormone  production  and  corticotroph  tumor  cell  proliferation in vitro  and in vivo. Mol Cell Endocrinol. 2014; 394: 37-46.

副腎皮質刺激ホルモン産生と腫瘍細胞増殖に対する

in vitro

  及び 

in vivo

  で の SOM230 の阻害効果

青森市民病院糖尿病・内分泌内科 弘前大学大学院医学研究科 内分泌代謝内科学講座 村  澤  真  吾

【目的】

 副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)産生下垂体腺腫による Cushing 病の治療の第一選択は手術治療であ るが,手術治療による根治が困難である場合,薬物治療を要する1).現在使用されている治療薬の効果 は限定的であり,より治療効果の高い薬剤として,新しいソマトスタチン受容体 (SSTR) アゴニスト である SOM230 の有効性が期待されている.SOM230 は従来のソマトスタチン受容体アゴニストであ る octreotide よりも,SSTR1/5 に30〜40倍の親和性を示す2).これまでの報告では,SOM230 は,ヒト ACTH 産生腫瘍において ACTH 産生抑制効果が示唆されている3).今回,我々は,マウス ACTH 産生 AtT-20 細胞を用いて,SOM230 の ACTH の分泌,合成及び細胞増殖抑制効果,更に細胞増殖因子や細 胞周期調節機構を調べた.また,AtT-20 細胞を移植したマウスに,SOM230 持続投与を行い,その in  vivo における効果についても検討した.

【方法】

1)  マ ウ ス ACTH 産 生 AtT-20 細 胞 に SOM230 を 添 加 し,proopiomelanocortin (POMC) mRNA 及 び 下 垂 体 の 細 胞 増 殖 因 子  pituitary  tumor-transforming  gene (PTTG) mRNA 発 現 を 定 量 PCR 法 に て,培養液 ACTH 濃度を ELISA 法にて測定した.細胞増殖は WST-8 法にて,アポトーシスは DNA  fragmentation の検出にてそれぞれ検討した.更に,cyclic adenosine monophosphate response element- binding  protein (CREB) 及び Akt リン酸化を Western  blot 法によって調べた.細胞周期への影響につ いて fluorescence-activated cell sorting analyses (FACS) を用いて検討した.また,siRNA を使用して SSTR5 発現をノックダウンさせて,POMC  mRNA,PTTG  mRNA 及び細胞増殖への影響について検討 した.2) AtT-20 細胞を KSN/Slc  ヌードマウスに皮下移植した.SOM230 投与群又は溶媒投与のみをコ ントロール群として,浸透圧ポンプを使用し 2 週間持続注入を行った.投与期間中,体重及び血糖を測 定した. 2 週間後に腫瘍の摘出を行い,体幹採血した.腫瘍細胞 POMC  mRNA 及び PTTG  mRNA,血 中 ACTH 及び corticosterone 濃度を測定した.

【結果】

1) SOM230 は,AtT-20 細胞において,POMC mRNA 及び PTTG mRNA の発現,ACTH 濃度を低下さ せた.同薬剤は細胞増殖を抑制させたが,DNA fragmentation の増加はみられなかった.FACS 解析では,

SOM230 投与による細胞周期への影響を認めなかった.CREB リン酸化及び Akt リン酸化は抑制された.

SSTR5 ノックダウンにより POMC  mRNA 発現への影響を認めなかったが,PTTG  mRNA 発現抑制効 果及び細胞増殖抑制効果は減弱された.2) AtT-20 移植マウスにおいて,SOM230 投与は,腫瘍重量を低 下させ,腫瘍細胞 POMC mRNA 及び PTTG mRNA の発現を有意に低下させた.また,同投与は,血中 ACTH 値を有意に低下させた一方で,血中 corticosterone 値の低下には有意差を認めなかった.また,

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109

マウス体重及び血糖値には,コントロール群と比べて有意差を認めなかった.

【考察】

 SOM230 は,AtT-20 細胞において,ACTH の合成及び分泌,細胞増殖を抑制させることが示唆され た.細胞増殖抑制効果の機序として,アポトーシス増加あるいは細胞周期停止効果を期待したが4),今回 の検討では認められなかった.SSTR5 ノックダウンの検討から,SOM230 投与による PTTG  mRNA 発 現抑制効果及び細胞増殖抑制効果は,SSTR5 を介した効果であることが示唆された.SOM230 投与によ る CREB リン酸化及び Akt リン酸化の抑制が確認され,これらは ACTH 分泌及び合成,又は細胞増殖 の抑制機序に関与している可能性がある.AtT-20 移植マウスにおいても,同薬剤の ACTH 産生抑制及 び細胞増殖抑制作用が証明された.よって,SOM230 が ACTH 産生下垂体腺腫に対して ACTH 産生及 び腫瘍細胞増殖抑制作用を持つことが in vitro と in vivo によって証明された.

【参考文献】

1) Schteingart DE. Drugs in the medical treatment of Cushing's syndrome. J Clin Endocrinol Metab. 14:661-71,  2009

2) Bruns  C.  et  al.  SOM230:  a  novel  somatostatin  peptidomimetic  with  broad  somatotropin  release  inhibiting  factor (SRIF) receptor binding and a unique antisecretory profile. Eur J Endocrinol. 146:707-16, 2002

3) Hofland  LJ.  et  al.  The  multi-ligand  somatostatin  analogue  SOM230  inhibits  ACTH  secretion  by  cultured  human corticotroph adenomas via somatostatin receptor type 5. Eur J Endocrinol. 152:645-54, 2005

4) Zhang X. et al. Pituitary tumor transforming gene (PTTG) expression in pituitary adenomas. 84:761-7, 1999 村 澤

620

6675

cAMP-PKA Gs

ACTH secretion CREB

phosphorylation

POMC Gene expression

PTTG gene expression

Cell growth/proliferation

Apoptosis Cell cycle

PI3 kinase/Akt

ACTH concentrations tumor weight

,QYLWUR

,QYLYR

参照

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