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論 文 内 容 要 旨 論文題目

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Academic year: 2021

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論 文 内 容 要 旨

論文題目

関節リウマチ滑膜におけるHO-1発現細胞の検討

責任講座: 病理診断学講座

氏 名: 梁 秀蘭

【内容要旨】(1,200 字以内)

【背景と目的】Heme oxygenase-1 (HO-1) は遊離ヘムに対する蛋白分解酵素 で、種々のストレス下で発現が誘導される。HO-1分解産物がTNFなどの前炎 症性サイトカイン産生を減少させ、IL-10などの抗炎症性サイトカインの産生を 亢進させるなどの機序で、抗炎症作用に働く。関節リウマチ(RA)の滑膜では HO-1の発現が増加するが、HO-1発現細胞の詳細についてはまだ不明である。

本研究の目的は、HO-1発現細胞がRAの病態形成において果たす役割を明らか にすることである。

【材料および方法】RA 50例、対照として変形性関節症(OA)の膝関節の滑膜 組織13例を用いた。免疫組織学的に、滑膜表層におけるHO-1陽性細胞出現率 や形態学的特徴を検討した。また、蛍光二重染色で、HO-1陽性細胞におけるマ クロファージマーカーなどの共発現について検討した。In situ PLA法を用いて 抗原提示能を検討した。さらに、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)で、

HO-1 mRNAの発現を検討した。

【結果】滑膜表層におけるHO-1陽性細胞の出現率は、OAに比べRAで有意に 多かった。その出現率は滑膜炎の程度が高いほど有意に高く、表層多層化の程 度とも相関していた。蛍光二重染色では、HO-1とマクロファージマーカーであ CD68、iNOS、CD163、CD206のそれぞれを共発現する細胞が確認できた。

In situ PLA法では、RA滑膜表層でHO-1陽性細胞のうち約半数で

IgG-Fc/HLA-DRα複合体を共発現していた。また、RAでは滑膜表層に対して 垂直に配列するHO-1陽性細胞(Perpendiculocyte)の数は、滑膜多層化と相 関していた。RT-PCR法では、RAおよびOA共にHO-1の mRNAが確認でき た。

(2)

【結論】RA滑膜表層におけるHO-1陽性細胞の出現率は、滑膜の炎症程度およ び滑膜表層多層化の程度と正の相関を認めた。HO-1陽性細胞の中には、抗原提 示し得る細胞が存在していた。Perpendiculocyteの出現率も、滑膜表層多層化 の程度と正の相関を認めた。これらのことは、滑膜表層におけるHO-1陽性細 胞の出現率が局所の炎症程度を推測するマーカーとなり得る可能性を示唆して いる。また、RAと炎症反応が目立つOAの鑑別診断に難渋する場合、

Perpendiculocyteの存在がRAの診断を支持する一つの材料になり得る。また、

HO-1陽性細胞の中には自己抗体産生に関わると考えられる抗原を提示してい る細胞が存在していることから、この抗原提示に関わる因子を検討することに より、抗体産生を抑制するなどの新たな治療につながる可能性がある。

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参照

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