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論 文 内 容 要 旨 論文題目

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Academic year: 2021

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論 文 内 容 要 旨

論文題目

結腸直腸癌におけるHeme oxygenase-1 発現マクロファージの検討 責任講座: 病理診断学 講座 氏 名: 木村 真五

【内容要旨】(1,200 字以内)

【背景と目的】 ヘムオキシゲナーゼ-1 (heme oxygenase-1; HO-1) は、ヘ ム異化作用のための律速酵素であり、ビリベルジン、一酸化炭素および 遊離鉄を生成し、これらの代謝産物は細胞保護効果を発揮する。多くの 癌は、健常組織よりも高い頻度で HO-1を発現し、この高発現は癌患者の 予後と関連する。しかし、HO-1の発現は癌細胞だけでなく、癌間質内の マクロファージにおいても検出される。本研究の目的は、結腸直腸癌の 腫瘍先進部における HO-1 発現マクロファージの出現頻度と臨床病理学 的パラメーターとの相関性を明らかにすることである。

【材料及び方法】 2005年から 2015年に根治手術を受けた病期ⅡおよびⅢ の結腸直腸癌患者 101 人を対象とし、ホルマリン固定・パラフィン包埋 切片を抗 CD68および HO-1モノクローナル抗体で免疫染色した。腫瘍先 進部を観察し、より多数の CD68陽性細胞を有する 3つの視野を確認し、

HO-1 免疫染色標本における同一視野を顕微鏡画像として取り込み、解析 ソフトで陽性細胞数を測定した。HO-1陽性細胞数で HO-1陰性群とHO-1 陽性群に分けた。さらに、結腸直腸癌組織における HO-1 mRNA 発現の 有無を逆転写ポリメラーゼ連鎖反応法で検証した。

【結果】 CD68HO-1陽性細胞はともに腫瘍先進部に多く認められた。

結腸直腸正常組織と癌組織において HO-1 mRNA の発現が確認された。

HO-1 陰性群のうち 34 例がリンパ節転移陰性で、47 例がリンパ節転移陽 性であった。これに対し、HO-1陽性群のうち3例のみがリンパ節転移陰 性で、リンパ節転移陽性が 17例であった。これらの2群間に有意差があ り、HO-1陽性群ではより多くのリンパ節転移が見られた (p < 0.05)。無 病生存期間は、HO-1陰性群で 4.09年、HO-1陽性群では2.44年で、多数 HO-1 発現マクロファージを有する患者において有意に短かった (p <

0.05)。しかし、Cox比例ハザード回帰モデルで HO-1陽性群は独立した因

子とはなり得なかった。

【結論】 本研究で、結腸直腸癌の腫瘍微小環境における HO-1 発現マク ロファージと臨床病理学的パラメーターとの相関性が初めて検討され、

その発現はリンパ節転移陽性及び無病生存期間の短縮と関連することが 明らかになった。このことは既報の癌細胞における HO-1発現の報告とは 異なり、マクロファージにおける HO-1発現の意義を理解するためのデー タを提示した。

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