論文内容要旨
論文題名
Microwave treatment of breast milk for prevention of cytomegalovirus infection
(サイトメガロウイルスの経母乳感染予防を目的とした
電子レンジによる加温法の検討)掲載雑誌名
Pediatric international 61
巻 12号 1227-1231頁 2019年専攻名
内科系 小児科学(小児内科学分野)(江東豊洲病院) 三川武志
内容要旨
超早産児では疾病予防効果や長期予後の改善などの面から母乳栄養が推奨されている。一 方で超早産児における経母乳ヒトサイトメガロウイルス(HCMV)感染は敗血症様症状や胆汁 うっ滞などの高いリスクを持つ。このため、オーストリアやフランスではたとえ母親の母乳 であっても、母親が
HCMV IgG
抗体陽性であれば修正32
週まで低温殺菌処理(62.5℃、30 分)を行うよう推奨している。日本ではこの低温殺菌処理は一般的ではなく、どのNICU
で も行えるわけではない。今回、電子レンジを用いた熱処理によりHCMV
の感染性がどう影響 をうけるかを検討した。方法:低出生体重児用粉ミルクに
HCMV Towne
株を 5.0×103PFU/ml
加え、電子レンジ(500w)にて
20・30・40・60
秒加温した。比較対象として、従来の低温殺菌処理(62.5℃、30分)を行ったものも用意した。その後ウイルスプラーク数及び
HCMV-DNA
コピー数を測定し た。結果:加温を行わなかったものは
774pfu/ml、電子レンジで 20
秒の加温後257pfu/ml
と減 少した。30
秒、40
秒、60
秒加温後および低温殺菌したものにはプラークが認められなかっ た。40
秒加温後の母乳温度は60℃であった。 HCMV-DNA
のコピー数は加温によっても有意に 減少しなかった。今回の実験は、粉ミルクを用いた実験であったが、母乳中のウイルスを処理する際の基礎デ ータになると考えられた。
考察:電子レンジによる母乳の処理は、特別な器具を使用せずに病棟で簡便に使用できる利 点があり、経母乳