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論 文 内 容 要 旨 論文題目

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Academic year: 2021

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論 文 内 容 要 旨

論文題目

古典的利尿薬スピロノラクトンのがん細胞でのサバイビン発現の減少を介した DNA損傷性抗がん剤との併用効果の検討

責任講座:内科学第二(臨床腫瘍学)講座 名: 佐野町友美

【内容要旨】1,200 字以内)

【背景】

本邦でがんは死因の第一位で、中でも非小細胞肺癌、膵癌及び膠芽腫は予後不良で ある。それら治療薬として上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害剤のオシメルチ ニブ(OSI)やゲムシタビン(GEM)が使用されるが、薬剤耐性のためその効果は限 定的で、治療効果を高める戦略の開発が望まれている。腫瘍関連合併症の治療薬とし ても用いられる古典的利尿薬スピロノラクトン(SPL)は、DNA修復の阻害により DNA損傷性抗がん剤の効果を高める事が報告され、既存薬を別の適応症に用いるドラ ッグ・リポジショニングの観点からも重要な治療候補薬と考えられるが、OSI GEM等のDNA非損傷性抗がん剤への併用効果は不明であった。そこで本研究では、

上記のがん種において、SPLOSIGEMへの併用効果とその機序を検討した。

【方法】

非小細胞肺癌(A549, PC-9, OSI耐性亜株;PC-9-OR)、膵癌(PANC-1)及び膠芽 腫(GS-Y01)のがん細胞とがん幹細胞、並びに非がん細胞(IMR-90)において、

SPLの抗がん効果とOSIGEMへの併用効果を細胞生存アッセイで検討した。また 抗アポトーシス分子サバイビンのOSIGEM感受性への関与が報告されているの で、SPLによるがん細胞とがん幹細胞のサバイビン蛋白発現への影響をイムノブロッ ティングで検討した。更にSPLのサバイビン蛋白質発現制御機構を明らかにするため に、SPLのサバイビンmRNA発現と蛋白質分解への影響を逆転写PCRとプロテアソ ーム阻害剤MG132を用いて検討した。またそれら細胞でのサバイビンのOSI GEMへの感受性への寄与をサバイビン転写抑制薬YM155やサバイビンsiRNAを用 いて検討した。最後にA549皮下移植腫瘍を用いてSPLOSIの生体内での併用効 果を検討した。

【結果】

SPLは非がん細胞に毒性のない濃度で、非小細胞肺癌、膵癌及び膠芽腫のがん細胞 とがん幹細胞の細胞増殖を抑制し、OSIGEMに対する感受性を高めた。また、

SPLはそれらがん細胞とがん幹細胞のサバイビン発現を低下させた。SPLはサバイビ mRNAの発現を減弱させMG132SPLによるサバイビン発現の低下を部分的に回 復させた。YM155とサバイビンsiRNAはがん細胞のOSIGEMに対する感受性を高 めた。更に、マウス生体内においてSPLOSIの併用は明らかな副作用なしに腫瘍 増殖を有意に抑制した。

【結論】

SPLは少なくとも部分的にはサバイビンのmRNAと蛋白質安定性制御の両レベルで の発現抑制を介してがん細胞を非DNA損傷性抗がん剤に対し化学増感する事が明らか になった。従ってSPLは、DNA損傷性抗がん剤・非DNA損傷性抗がん剤のいずれと 併用してもより高い抗がん効果を発揮する安全な併用候補薬であると考えられた。

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参照

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