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論 文 審 査 の 要 旨

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Academic year: 2021

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別紙1

論 文 審 査 の 要 旨

報告番号 3150 中澤 飛鳥

論文審査担当者

主査 教授 佐藤 裕二

副査 教授 菅沼 岳史

副査 准教授 堀田 康弘

(論文審査の要旨)

学位申請論文「Application of an intraoral scanner to make mucosal impressions」について,

上記主査1名,副査2名が個別に審査を行った.

本研究は,欠損部顎堤におけるデジタル印象法の有効性を検証することを目的として,健常 有歯顎者の臼歯部頬側軟組織を対象に,従来法およびデジタル印象法による辺縁形成で得られ た三次元形態データを比較検討した.その結果,口腔内スキャナーを使用したデジタル印象法 を臼歯部頬側軟組織の印象に適用可能で,デジタル印象法は従来法に匹敵する精度を有する可 能性が示唆された.

本 論 文 の 審 査 に お い て , 副 査 の 菅 沼 委 員 お よ び 堀 田 委 員 か ら の 質 疑 応 答 の 一 部 を 以 下 に 示 す.

副査 菅沼委員の質疑応答:

・本研究の結果では,デジタル印象法は従来法に比べ印象辺縁までの距離が長 いことが示唆さ れたが,考えられる理由は何か.

→スキャン時にスキャナーヘッドが頬粘膜を押し広げている可能性があり ,従来法よりも長く 採得された可能性が考えられる.また,デジタル印象時の粘膜の牽引操作は,従来法と同様 に行っていることから,デジタル印象では粘膜可動域がノイズとして記録され,その結果が 反映した可能性も考えられる.

・術者が粘膜の牽引操作を行いながら同時にスキャンをするのは困難であると推察するが,ス キャナーヘッドに装着するようなジグやリトラクターの開発が必要ではないか.

→本研究では,対象部位を下顎右側臼歯部の頬側部 と設定したため,術者にとって印象採得 が 容易であり,これらの操作を行うことは可能であった.しかしながら下顎臼歯部の舌側や上 顎 筋 突 起 部 な ど 歯 肉 頬 移 行 部 の 狭 小 な 部 分 , さ ら に は 欠 損 部 顎 堤 粘 膜 の 採 得 を 想 定 し た 場 合,頬粘膜や舌を圧排するリトラクター など,スキャンを補助するデバイスの開発が必要で ある.

副査 堀田委員の質疑応答

・欠損部顎堤粘膜のデジタル印象採得は日常臨床で行っているのか?

また,現状分かっている問題点は何か?

(主査が記載)

(2)

副査 堀田委員の質疑応答

・欠損部顎堤粘膜のデジタル印象採得は 日常臨床で行っているのか.

また,欠損部顎堤をデジタル印象採得する際の,既知の問題点は何か.

→少数歯中間欠損に対して欠損部顎堤粘膜のデジタル印象採得を行い,フルデジタルワークフ ローで部分床義歯を製作した症例を経験している.また,研究の一環として欠損部顎堤のデ ジタル印象採得を行っている.既知の問題点として,頬側粘膜面のデジタル印象採得は比較 的容易であるが,舌側粘膜面およびレトロモラーパッド部 では困難であり,三次元形態デー タが結像しない場合を認めた.また,唾液が少ない症例では比較的容易に 採得が可能であっ たが,唾液の多い症例では採得が困難であった.

・本研究はどのようなことに生かせると思うか.

→訪問診療において可撤性有床義歯製作のためのデジタル印象法を活用できれば,従来法にお ける印象材のひずみを考慮しなくてよいこと,また嚥下機能の低下した患者にとって印象材 を長時間口腔内に保持しなくてよいことなどが考えられ,患者フレンドリーと考えられる.

両副査は,上記を含めた質問に対する回答が,いずれも適切であることを確認した.

主査 佐藤委員の質疑応答

・従来法と比較した現状のデジタル印象法のメリットは何か.

→スキャンデータを蓄積し保存しておくことで,将来欠損が生じた場合に追加スキャンを行う ことが可能である.データを再利用することが患者の負担軽減に繋がる.また,高齢者や嚥 下機能の低下した患者にデジタル印象を行うことは,誤嚥を避けることができ,患者フレン ドリーである.

・今後の課題は何か.

→デジタル印象は無圧印象である.データ上で,粘膜部の加圧を行うことは可能であるが,被 圧変位量などを考慮しなくてはならない.また現状では,患者に機能運動をさせながらスキ ャンすることは困難である.さらに,欠損部顎堤は形態がフラットであるためにスキャン像 が結像されないなどの問題点が挙げられるため,舌側粘膜部や欠損部顎堤のスキャンの検証 が必要である.

主査の佐藤委員は,両副査の質問に対する回答の妥当性を確認するとともに,本論文をさら に確認するために上記質問をしたところ,適切な回答が得られた.

以上の審査結果から,本論文を博士(歯学)の学位授与に値するものと判断した.

(主査が記載)

参照

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