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(1)

博士学位本審査報告書

早稲田大学大学院

経済学研究科長 須賀晃一 先生

2012612 学位請求者氏名 李幇喜

(2006年4月博士後期課程進学, 研究指導 藤森 頼明,

2012年3月退学)

学位請求論文 線型経済理論と中国経済のターンパイク

—Marx, Sraffa, von Neumannを基礎として

主 査 藤森 頼明 早稲田大学 政治経済学術院教授, 経済学博士 副 査 笠松  學 早稲田大学 政治経済学術院教授

副 査 浅田 統一郎 中央大学 経済学部教授, 博士(経済学)

本審査日時 2012年6月5日17:00–18:30(於9号館1F面談室) 報 告 主 文

表記博士学位請求論文に就き,審査委員は,65(17:00-18:30)に本審査(口頭試問) を行ない,慎重に審議した結果,一致して,請求論文が博士学位論文に相当するものと 認められるとの結論に到った.以上,報告する.

1 概要

請求論文の題目に見える「線型経済理論」の枠組は結合生産一般を想定したものであっ て,主要命題は主に線型計画法やその他の線型不等式論を中心として確立されてきたも のである.また,結合生産を含まない体系の場合には,非負行列の理論を基礎として議 論される場合が大部分と言える.請求論文は、固定資本に着目し,中古固定資本を結合 生産物と看做すSraffaの流儀に習い,結合生産の枠組を固定資本に限定して,より精密 で計算可能な結果を得ると云う理論的な側面と,実際の中国経済を対象として,限られ た資料ではあるが,それ等から中国経済の多部門成長経路を検証すると言う応用的計算 の側面の,2つの面から構成されている.

本請求論文は,固定資本に焦点を合わせて,線型経済モデルの理論的分析,数値計算 的分析,中国経済への応用計算を行った論文であると,要約出来る.

1.1 請求論文の問題意識

請求者が請求論文を執筆するに際して念頭に置いた問題意識は,2点見られるが,次 のようなものである.

一つは,中国経済の過去20年の高度成長を振り返る時,そこで果たされた固定設備投 資の役割をどのように認識或は評価するか,特に潜在成長率を推計する場合の固定設備

(2)

の影響は如何程かと云う問題意識である.その為には,固定資本を含む枠組を考え,操 作可能なモデル分析を行う事が必要になる.

今一つは,華羅庚(1984)に遡る.非耐久財のみから構成される商品経済では均衡( 産)価格安定,数量不安定(双対不安定)なる傾向が周知の事柄である.華羅庚(1984)は この問題を議論した.華羅庚は計画経済に於いては数量不安定の問題は経済計画によっ て回避されるとした.では,固定資本を導入した場合にも同様な帰結が得られるのか否 か.この問に答える為には,体系の固有値を計算する必要が生じる.

1.2 論文の構成

請求論文の構成は以下の目次の通りである.

第1章 序論

第2章 固定資本とSraffa-置塩-中谷経済2.1 序

2.2 固定資本経済と置塩・中谷の方法  2.3SON経済と標準商品

2.4SON経済とCambridge方程式  2.5 結

第3Markov過程としての固定資本の更新動学

3.1 序

3.2 固定資本更新の山田・山田模型  3.3 減価償却率と年齢別固定資本の運動  3.4 結

第4Marx-Sraffa結合生産模型と固有値問題  4.1 序

4.2 華羅庚命題

4.3Marx-Sraffa模型と固有値問題  4.4 数値計算例:置塩・中谷の方法の場合  4.5 数値計算例:より一般的な結合生産の場合  4.6 結

第5章 固定資本の経済的耐用年数  5.1 序

5.2 基本模型

5.3 経済的耐用年数の決定に於ける模擬計算  5.4 固定資本の焼入効果に於ける模擬計算  5.5 物理的耐用年数に於ける模擬計算

5.6Marx-Sraffa模型に於ける模擬計算との比較  5.7 結

第6章 中国産業連関表と線型経済理論  6.1 序

6.2 消費投資曲線  6.3Marx2部門模型

6.4 中国経済の最適(Turnpike)経路  6.5 経済計画

6.6 結

第7章 限界固定資本係数と賃金利潤曲線  7.1 序

7.2Sraffa-Fujimori方式に依る限界固定資本の推計  7.3von Neumann-Leontief型賃金利潤曲線

(3)

7.4 結

第8Marx-Sraffa-von Neumann模型と中国経済8.1 序

8.2Kantroviq展望計画論  8.3DOSSO模型

8.4 展望計画論に依る中国経済への応用計算  8.5 結

第9章 結論9.1 要約

9.2 課題と今後の展望 参考文献

付録A 展望計画の計算結果

1.3 既出論文

請求論文の基となった既発表論文の内,査読雑誌に掲載のものは以下3点である.

「中国産業連関表と線型経済理論」『季刊 経済理論』45(2)66-71頁.2008年.

(6)

“Economic Durability of Fixed Capital,”Waseda Journal of Political Science and Eco- nomics, No. 381-2, pp.17-25. 2011. (5)

李幇喜,藤森頼明「Marx-Sraffa均衡と固有値問題: Moore-Penrose擬似逆行列の応 用」『季刊 経済理論』48(3)56-68頁.2011年.(2章前半,3章後半, 5) これらの論稿は内外の学会,研究会等での報告原稿を改良して投稿され,査読を受け て公開されたものである.

なお,その他、参考として存在を確認したものは,本学Working Paper Seriesのもの

(英語)1点,人民大学の機関誌『経済理論与経済管理』(2009, 2010)と 『政治経済学評

論』(2010)に掲載されたもの(中国語)合計3点,中国で行われた国際学会のProcedings

掲載のもの(英語)1点である.

2 各章の評価

第1章 序論は問題意識と全体像の提示である.

請求論文の主要な部分は2つに分けて見る事が出来る.第2章から第5章は固定資本 や結合生産に関する理論的な問題を取上げて議論している.第6章から第8章が応用計 算に関する章である.

第2章は,三つの論点を取上げている.

第一は,先行研究に於ける固定資本の取扱いの問題であり,これは前半の理論的部分 の出発点となる.

固定資本の如き耐久的生産財の問題を結合生産の枠組で処理する方式を最初に考えた

のはSraffa(1960)である.その枠組では,或る一種類の新品商品と並んで中古固定資本

(4)

のみが結合生産される. 均衡価格の定式化に於いては,最初に中古固定資本を含む全体 的な均衡価格の連立方程式体系が定立されるが,適当な数式操作に依り中古固定資本に 関る(相対)価格変数は消去され,新品の商品のみに関る(相対)価格変数と利潤率,賃金 率からなる縮約された,部分的であるが閉じた連立方程式が得られる.Sraffaは賃金後 払の価格均衡を考察したが,置塩・中谷(1975)は賃金前払の均衡価格体系を対象とした. 固定資本の生産効率が一定で,中古の固定資本のみが結合生産される経済をSON経済

(浅田1982)と呼ぶ.新品商品のみの場合,それを縮約SON経済と呼ぶ.

これらの先行研究では,変数を消去し,より小規模の部分的連立方程式に縮約する方 法が採られている.そこでは,新品商品の均衡価格と利潤率が最初に確定され,中古の 固定資本の相対価格は利潤率依存の減価償却率に基づいて計算される.

請求論文では,この縮約作業が,元の全体的連立方程式の係数行列を正則変換で分解 する事に相当すると云う事を示した. 即ち,係数行列は,利潤率及び新品商品の均衡価 格比率を決定する第一区画と,各固定資本種別について新品と中古の価格比率を決定す る第二区画の2つの区画に基本的に分割される.(残りの区画は0のみから成る.)

第二は,Sraffaの標準商品の拡張問題を議論している.結合生産を含まない,流動的

財のみを対象とする場合のSraffa標準商品理論は賃金利潤曲線が直線になると云う興味 深い結論を齎すものであるが,結合生産一般を許容する経済を考えれば,賃金利潤曲線 を直線とするような標準商品の存在は困難になる.

請求論文では,結合生産を中古固定資本に限定し,新品のみの縮約SON経済に限定し ても,一般に直線的な賃金利潤曲線は存在し得ない事を確認した.

第三に,縮約SON経済に於ける所謂Cambridge方程式(成長率D利潤率蓄積率) 再定立している.

結合生産の下でも,全工程に亙りそのまま生産量を集計すればCambridge方程式は成 立する.固定資本のみが結合生産の原因である場合,全商品全工程に亙り得られる産出 と投入(費用)との関係は,減価償却と云う(利潤率依存の)費用計算と現物更新と云う

(成長率依存の)更新投資とを含むものとなる. 両者は一致しないが,請求論文では,粗 利潤(D純利潤C減価償却)と粗投資(D純投資C更新投資)との間の関係として蓄積率 を定義すれば,Cambridge方程式(成長率D粗利潤率蓄積率)は縮約SON経済に於い ても成立する事が示された.

第3章では固定資本の更新動学を考察している.この問題は,山田・山田(1961)に依っ て基本的な定式化がなされ,そこでは掛谷の定理を応用した特性分析がなされている.

請求論文は,名目固定資本総量に関して定式化された山田・山田の差分方程式に内在す る年齢別固定資本の動学を析出し,その動学を表現する差分方程式の随伴行列は非負で あり,山田・山田の固有方程式の最小多項式に対応するものとなっている事,この事を示 した.随伴行列はMarkov行列になっている事から,非負行列に関するPerron-Frobenius 定理を適用して,固有値問題として更新動学を議論する事が出来る.

即ち,随伴行列は固有値1を有し,それに随伴する左右の固有ベクトルが年齢別固定 資本の相対価格比率と均衡存在量を与えている事が示される.

更に,請求論文では,随伴行列のパターンが,前章で明かにされた全商品全工程に亙 る均衡価格の定義式の係数行列の第二区画と同型となると云う,重要な点の指摘も為さ れている.

第4章は,一般の結合生産の場合を対象としている. 但し,商品は所謂基礎財に限定

(5)

され,矩形の投入と産出の係数行列は横長の行列になる場合が対象とされている.これ は,商品の種類数mが生産工程数nよりも少いと云う前提である.簡単化の為,産出行 列の階数はmとされているが,これ等の前提は必ずしも制約的ではない.

この前提の下で,賃金財が所与である場合,全商品全工程に亙るMarx-Sraffa均衡価格 の体系(賃金前払,連立方程式)を満たす価格と利潤率の利潤率の組は,係数行列の擬似 逆行列を方程式に右乗して作られる固有値問題を満たすそれ等の組と同一である事が本 章では明かにされている.

本章の議論で,以上のような固有値問題として均衡解を求める事で,次のような点が 判る.即ち,擬似逆行列の乗算によって得られる正方行列は最早非負行列では無いので,

均衡解を与える固有値は支配的で有ると先験的に云うことは出来ないと云う事である.

本章後半では数値計算例を2例,示している. 一つはSON経済の場合の例であるが,

その例を見ても,均衡解を与える固有値は支配的ではなく,均衡価格が不安定となる例 となっている.

因みに,縮約されたSON経済の場合には利潤率は支配的な固有値によって決定され る.請求論文は,この点に関し,減価償却により中古固定資本価値を評価する会計的制 度が均衡価格を安定化させる役割を果たしていると云う,興味深い指摘を行っている.

猶,非基礎財が存在する場合に於いても,基礎財を生産する工程と非基礎財の生産に 関わる工程とを区別し得るのであれば,基礎財の均衡価格と賃金利潤関係の決定は非基 礎財とは無関係に為され得る事が,本章で示されている.

更に,前提のmとnとの大小関係が逆転した場合に就いて,補足が為されている.操 業水準に関して,mnの場合には,形式的に固有値問題を想定しも,その固有値問題 の解の中に均衡水準が存在するとは言えないが,m > nの場合には,価格と操業水準の 立場が入替り,操業水準は固有値問題を解く事で探索出来るけれども,均衡価格は逆に 必ずしも探索可能とは言えない,と云う事柄が示されている.

第5章では,固定資本の耐用年数を内生的に決定する問題を論じている.固定資本の 減価償却に就いては,一定の物理的年数に到達する迄固定資本は一定の能率を保持し,

所定の割合でその投資費用が回収されると云う考え方と、性能の劣化に応じて減価償却 が行われると云う二通りの考え方が存在する.経済学では前者を仮定して議論するもの が多いが,本章は後者の場合を取り上げている.

固定資本が十分長い期間利用されると仮定して生産の編成を考え,利潤率を所与とし て実際に稼働される生産工程を消費最大計画の下で選別すると云う線形計画による試算 の応用による結果であるが,商品の相対価格,賃金率,固定資本の経済的耐用年数は全 て利潤率の関数として決定されると結論している.

本章では、所謂焼入れ効果も取り上げられ,焼入れ期間中は負の減価償却(D固定資 本価値の増加)が発生する事が示されている.

又,耐用年数が内生的に決定された状態を取り,その状態で前章の擬似逆行列の手法 を応用して,線型計画の計算結果と固有値問題の解との一致を検証している.

猶,所与の物理的耐用年数の下での利潤率の減価償却率に対する影響をSraffa(1960) は少し考察したが,利潤率の有するそれ以上の影響を本章では明かにしたものと評価出 来る.

第6章では,この章以降の中国経済への接近の導入部として,中国の産業連関表の組 替えとそれを基礎とした数値計算が行われている.最初に、中国産業連関表1981–2007

(6)

の概略が説明される.その後,本章では,3つの試算が行われている.

第一は,該当期の消費投資曲線(賃金利潤曲線)の描画であり,これによってvon Neu- mann成長率や,現実のマクロ成長率(実績値)に対応する消費と投資の組合せの点の所 在等の理論的指標が計算される.

第二に,中国の産業連関表からMarx型の2部門表を作成し,やや詳しい構造・分配 指標を求めている.各年度毎に計算される構造・分配指標には,中国経済に於ける生産 財偏重,高蓄積,高資本成長率,等々が示されている.

第三に,以上に得られた複数年次の2部門表を連結し,それと,少し長期の経済状態を 想定して得られる中国経済の最適成長経路とを比較する作業を行っている.即ち,1981 年から2007年に至る投入係数行列を使用して需要と供給に関する連立の差分不等式(今 期の供給来期の需要)を並べ,その最終期の消費を最大化すると云う最適計画を想定 し,そこで得られるターンパイク経路を2部門表の生産財と消費財の生産比率等過去の 実績値と比較すると云う,謂わば政策評価の考察を行っている.以上の枠組の下で,生 産財と消費財との生産比率が理論(最適)値を越える傾向が強いと云う意味で,中国経済 の高度成長期の性質である生産財偏重の実態が数値的に明かにされている.

第7章では,第一に,中国の1987-2000年の固定資本粗投資データから限界固定資本 係数を推計し,第二に,得られた限界固定資本係数を使用して,固定資本の存在を明示 した中国経済の利潤賃金曲線を描いている.

結論として,限界固定資本/産出比率は上昇傾向に有る事,最大実質賃金率が長期的に むしろ増加傾向にある事(7.1),最大利潤率は下降傾向にある事,等々,現実の中国経 済を理解する上で重要な事項を明かにしている.

又,固定資本が無視された場合と比較し,固定資本が存在する場合には,利潤率が増 加する程賃金率の低下がより大きくなる事も,得られた賃金利潤曲線から齎される新し い事柄と考えられる.

第8章では,前章で推計した固定資本係数を用いて,第6章でのターンパイク経路の 計算を多部門に拡張し,現実の部門間比率と計算値を比較する作業を行っている.

ターンパイク経路の計算に於いては,DOSSO型のものでは無く,旧ソ連でカントロ ヴィッチが使用した展望計画を計算の基礎としている.(ここで,展望計画とは,所定の 財の束の組数を最大化するような計画を指す.)

先ず,DOSSOと展望計画との関係に就いて,請求論文は,中間期間の経路が一致する

と云う意味で両者が基本的に同じような線型計画問題である事を示し,又,DOSSO は最終期の消費財生産額を最大化するので,全ての必要消費財が生産されるとは限らな いが,展望計画では一定の比率の消費財生産が保証されるので,その点が展望計画を計 算に利用した所以であると説明している.

次に,1987-2000年中国経済の多部門実績値の評価に関して,ターンパイク経路と現

実の中国経済の産業連関表で把握された生産量比率との比較を,固定資本部門,原材料 部門,消費財部門に集計した形で行っている.現実の中国経済が計算されたターンパイ ク経路の近傍にあり,しかし,固定資本は最適比率に近いが,原材料部門は概ねターン パイク比率を上回り,消費財生産はそれを下回ると云う,第7章の結論をより詳しくし た経済の過熱状態が明かにされている.即ち,少し細かく見れば,原材料部門では最適 比率に近いものとそれを上回るものが存在し,消費財部門では最適比率に近いものとそ れを下回るものとが識別されている.これらも,応用計算で得られた新しい知見と言え

(7)

よう.

猶,本章では相当程度大型の係数行列を有する線型計画問題の数値計算が行われてい るので,研究に必要な技術の面でも様々な工夫の跡が見られる.

第9章は結論部分である.請求論文の成果を要約すると共に,請求論文の有する限界 を認識し,将来に向けて,更に議論を拡充すべき諸点が述べられている.

3 学術的貢献の要点

以上の各章の紹介の中に,請求論文が有する新しい知見は既に細かく示されているが,

それを大きく要約すると次の通りである.

(1) 固定資本の取扱いに関する先行研究を,一般的で新しい角度から見直し,整理し た事.(2)

(2)固定資本の更新動学を詳細に検討し,それがMarkov過程になっている点,均衡は PF固有値1で決定される点,このMarkov過程はSON経済の係数行列の中に埋め込ま れている点,これ等を示した事.(第3章)

(3) Marx-Sraffa模型の均衡点を擬似逆行列を応用して固有値問題として解く方法を考

察した事,また,それを受けて,均衡の安定性を吟味する道筋を開いた事.(4) (4) 固定資本の耐用年数を内生的に決定する問題を詳しく考察し,利潤率の意義を明 らかにした事,焼入れ効果を具体的に示した事.(5)

(5)中国経済の限界固定資本係数を推計した事,固定資本を含む中国経済の賃金利潤曲 線を描画した事.(第7章)

(6) 中国経済の構造・分配指標や最適成長経路を計算し,それ等と中国の経済データ との比較を通して,中国経済の現状を評価した事,就中,多部門のターンパイク経路の 計算を政策評価に応用し,部門毎に理論値からの乖離を求めた事.(6章,第8) 等が挙げられる.

以上に加えて,請求論文の有する限界と将来の課題に関する請求者の考え方に就いて も,本審査で取上げた.

請求論文に含まれていない論点は多々存在するけれども,請求者が「将来の課題」と して考えている範囲で見れば,技術進歩の問題.教育計画の内生化,マクロ的制御と呼 ばれる経済体制の安定化問題等が請求論文の延長線上に来る課題として考えられている.

これ等の請求者の将来の研究計画は,審査委員の側から見ても,妥当なものであると考 えられる.

以上を総合的に判断し,報告主文の結論に達したものである.

以上.

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