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城北ワンド群の水質・水温観測と水温解析−№28 実験ワンドを中心にして−

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Academic year: 2022

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(1)Ⅱ-320. 土木学会第55回年次学術講演会(平成12年9月). 城北ワンド群の水質・ 水温観測と水温解析−№28 実験ワンドを中心にして− 大阪工業大学大学院工学研究科 学生員 ○中谷 貴史 近畿技術コンサルタンツ. 正会員. 宮本 和彦. 大阪工業大学工学部. 正会員. 綾. 史郎. 1 実験(No.28)ワンド 大阪工業大学水圏環境研究室では従来より淀川と城北ワンド群の水温,水質観測を行ってきてい るが,本報ではこの実験ワンドでの水質観測と水温計算を中心に報告する.1999 年夏,城北ワンド群の最上流側に既存 の No.29 ワンドに隣接して,実験ワンド No.28(図-1,図-2 参照)が建設された.近年,生息魚類種の減少,魚類の変 化,イタセンパラの生殖に不可欠なドブガイ類の減少等が確認され,かって言われた水生の動植物の宝庫からの質的な 劣化が進行し,現状のワンド群は 1970 年代初頭のものとは大きく異なってしまった.この要因として水質や底質の悪 化,水深の増大による水域の環境の悪化,冠水帯の減少による産卵適地/機会の減少が上げられ,周年水位変動の減少, 冠水頻度の減少,平均水位の上昇と水深増加等 2),3)がこれらに密接に関連していると考えられる.No.28 ワンドは面積約 0.5ha(100m×50m),平均水深 0.4m,最大水深 1.5m 程度の水域であるが,再建にあたっては,1)水深を浅くし,2)水 底は緩傾斜とし,3)起伏に富ませ,水深を非一様とするなど,現行の城北水域の水位変動幅(約 50cm 程度)を有効に 利用し,4) 既存の No.29 ワンドおよび淀川との連結部を設け,水質や魚の交換・侵入ができるようにした.また,5) 自然性のワンド,タマリに習い,底や周囲には石積を用いず,素掘りの土のままとし,6)既存の植生を最大限保存する ことや原土壌の保持等の工夫がなされたが,今後の河川,洪水の作用に任せられた部分も多いのが特徴である. 2 研究方法 2.1 観測 1 月毎の水質・水温定期観測の他に,24 時間観測を行った(表-1) .表層・半水深付近で水温 を計測し,水底で地温を計測した.同時に淀川とワンド№29 に水位計を設置し,水位変化を記録した.水質観測はゴム ボートで本川と各ワンドの中央に出て,ボートより投げ込み式の水質計により水温,DO,濁度,pH,電気伝導率を水 深方向に測定した.また同時に,各測点にて表層水をサンプリングし,SS,T-N,T-P,BOD,クロロフィル,TOC を 分析した.観測地点を図-2 に示す. 表-1 観測の概要. 観測期間. 観測地点. 定期観測 1999 年 9 月 16 日 〜2000 年 1 月 20 日 (いずれも 10 時〜12 時頃) ワンド№28,29,33,34,36 淀川本川の中央部. 24 時間観測 1999 年 9 月 8 日 12 時,16 時,21 時 9日 6時 ワンド№28,29 淀川本川の中央部. 図-1 実験ワンド№ 28.. 図-2. 水温観測 1999 年 9 月 12 日 6 時 〜1999 年 9 月 14 日 5 時 ワンド№28,29 淀川本川左岸部. 城北ワンド周辺(観測地点) .. ワンドの水温分布は 1)水面の変動はない,2)淀川・隣接ワンドとの水交換・熱交換はな 2.2 水温解析 い,と 2 つの仮定を設け,鉛直一次元の温度拡散方程式により解析する.熱保存の関係より温度の拡散方程 式は次のように表せる. キーワード:ワンド,水温,水質,野外観測,数値計算 〒535‑8585 大阪市旭区大宮 5‑16‑1 大阪工業大学 工学部 土木工学科(TEL06‑6954‑4184 FAX06‑6957‑2131).

(2) Ⅱ-320. 土木学会第55回年次学術講演会(平成12年9月).  ∂ (AT ) = ∂  AK z ∂T  + ∂  Aφ ∂t ∂z  ∂z  ∂z  ρCW.   . ∂T ∂z. ∂T ∂z. = α (Tg − Ti ) ∆z(水底) bot. = 0(水表面) sur. ここに,T :水温,Kz :拡散係数,A :鉛直方向の断面積,φ:熱輸送フラックス,CW : 水の比熱,ρ: 密度である.熱輸送フラックスφは日射による輻射熱と水表面における熱損失によって変化 3) するものとし, 大阪管区気象台の観測値を用いて計算した.但し,風速は,1/20 にした. ワンドの水底では地中への熱伝達を考慮し,地温の影響を考慮した.Tgは地温で観測値を用い,Tiは水 底より 1 つ上層のセルの計算水温である.αは 2.3×10-3cm2/s を用いた.計算に用いた係数は,拡散係数 Kz =0.1cm2/s,水面吸収率β=0.7,水面反射率α=0.06,減衰係数η=0.4 を用いた.初期水温及び水深に ついては,各水深の観測水温,平均水深を用いた. 3 結果と考察 3.1 24 時間観測 ①DO,pH はよく似た分布の 傾向にある.DO について水深方向分布を図-3 に示した.№28 ワ ンドでは 12 時頃に DO が表層で 7.3mg/L 程度,pH が 7.8 程度を 示し,翌朝6時では DO が 3.6mg/L 程度,pH が7.1 程度を示す ことから,周日変化が見られる.また,12 時頃には DO 濃度は表 層と下層で 1mg/L 差が見られた.№29 ワンドでも表層では同様 の周日変化が見られるが,下層付近では1日を通して DO が 3〜4 図−3 DO の水深方向分布( 24時間観測).. mg/L 程度,pH が 6.7 前後とあまり変化が見られなかった. 3.2 定期観測 ②淀川本川に比べ,ワンドの水温は夏期に高く,冬 が見られた( 図-4).③pH は,ワンドは本川と比べ年間を通して高い 値を示した. ④DO は,ワンドは本川と比べ夏期に低い値を示し,. 25 水温(度). 期に低い値を示す.№28 ワンドは1月に 4.8℃と水温の大きな低下. 30. 20. 本川 No.28. 15. No.29 No.33. 10. No.34. 5. 冬期に高い値を示した( 図-5).⑤T-N は,ワンドは本川と比べ低い. No.36. 0 7/16. 値を示す.№28 ワンドは月ごとに大きな変化を示した.⑥T-P は,. 9/16. 10 月には№28 ワンド,11 月には№28,29,36 ワンド,12 月には. け,上層から加熱・冷却され,日中 2℃程度の温度差を生じるが,未 明には一様化する.周日の水温差が,№28 ワンドは 4.0℃と大きな. 12/15. 1/20. 2/15. 16 14. 川と比べ年間を通して高い値を示す.また,SS との相関性が見ら. 12 DO(mg/l). 3.3 水温観測と計算結果 ⑧図-6 より観測水温は気象の影響を受. 11/15 月日. 図−4 水温の周年変化.. №29 ワンドが淀川本川より高い値を示した.⑦濁度は,ワンドは本 れた.. 10/13. 10 本川. 8. No.28. 6. No.29. 4. No.33 No.34. 2. No.36. 0 7/16. 9/16. 10/13. 11/15 月日. 変化を示したが,№29 ワンドでは 1.5℃程度であった.水温計算は. 12/15. 1/20. 2/15. 図−5 DO の周年変化.. 1.0℃程度の差はあるが,観測値に近い計算結果を得ている.. 4 まとめ DO の周日変化から№28 ワンドでは植物プランクトン,水温(℃) 32.0. OP+2.37(m) OP+2.37(m)計算値. 微生物の盛んな活動が推測される.また水深が浅いため,水温,水. OP+2.47(m) OP+2.47(m)計算値. OP+2.77(m) OP+2.77(m)計算値. 31.0. 質も変化しやすいが,既存の城北ワンド群と同様な水質環境である 30.0. と考えられる. 29.0. 参考文献 1)松波ほか:淀川ワンド群の形成衰退とその生態学的意義、河川技術 28.0. に関する論文集,第 5 巻,pp.93−98,1999.2)綾ほか:淀川の位況の経年変化. 図−6 観測水温と計算水温の比較.. 4:00. 時刻(h). 2:00. 22:00. 14日 0:00. 20:00. 18:00. 16:00. 14:00. 12:00. 8:00. 6:00. No.28ワンド. 10:00. 4:00. 2:00. 22:00. 20:00. 18:00. 16:00. 14:00. 12:00. 8:00. 10:00. 13日 0:00. 倉忠興ほか:水理公式集,昭和 60 年度版 pp351-352.. 12日6:00. 27.0. と河川の生態環境,平成 12 年度土木学会関西支部年講(投稿中) ,2000 3) 板.

(3)

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