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2/1 ××= TVL TDR 法を利用した砂面位置計測装置の開発

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Academic year: 2022

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TDR 法を利用した砂面位置計測装置の開発

日本海工株式会社 正会員 ○佐藤 晃一 日本海工株式会社 岡山 義邦 日本海工株式会社 岩田 孝三 電子工業株式会社 福田甲子郎 株式会社ウォールナット 齋藤 良二

1.はじめに

地盤改良の工法であるサンドドレーン工法とサンドコンパクションパイル工法は,ケーシングパイプ(以下 CPと略す)を地盤に打込み砂を先端より排出させ,地盤内に砂杭を造成する工法である.これらの工法の施工 上重要な点は砂が所定の深度に所要量投入されていることである.そのためにCP先端の深度と内部の砂面の 高さを常に確認しながら施工を行う.現状の砂面高さ検知は小型ウインチを使用しワイヤの先端に重錘を取り 付け,ウインチの操作にて重錘を砂面に常時接触させ,ワイヤの移動量を検出することによって行われている.

しかしながらこの重錘方法は,いくつかの改善しなければならない点を有している.CP 内への砂補充時の 操作ミスによる重錘の砂への埋没,埋没防止のため重錘の巻上げ操作,あるいは操作ミスによるワイヤの損耗 などによる交換等が生じる場合があり,これらにかかる時間が原因となって作業効率等の低下を招くことも多 い.さらにこの方式は各 CP に対してそれぞれウインチなどの独立の計測機器が必要なため,CP が多連装の作 業船の場合,連装数に見合った台数を用意する必要がある.

このような点を改善するために,TDR 法を利用した砂面位置計測装置の開発を行った.この装置の開発結 果について報告する.

2.計測原理

TDR(Time Domain Reflectometry)法とは伝送線路型の被 測定回路の入力端にステップ電圧を印加し,その応答をオシ ロスコープ上で観測するもので,線路の特性インピーダンス の測定やケーブルの特性試験に良く用いられる.本法の特色 は,反射波を時間領域で直接観測しているため,線路の特性 を距離の関数として捉えられることが出来ることである.

鋼製のCP内に内壁より一定の距離を保ち設置された平行 導体は一定のインピーダンスを持っている.CP内に砂が入る と導体は埋没し,導体と CP との間には砂が満たされ,埋没 した導体と CP との間のインピーダンスは埋没点を境に砂の 導電率や誘電率により大きく変化を起こす.

図-1・2に示すように,このような状態でインパルス波 を印加すると埋没点より反射波が得られる.またインパルス 波の印加点でもインピーダンス変化が起こっているため,そ の反射波が得られる.この二つの反射波間の時間(T1)を計測 し,インパルス波の伝播速度(V1)より,印加点と埋没点との 間の距離(L1)の計測が可能となる.

式-1

L

1

= 1 / 2 × V

1

× T

1

時間 (T1)

埋没点からの 反射波 インパルス波印加点 からの反射波 反射波

ケーシングパイプ 導体

埋没点

空気

距離 (L1) インパルス波

図-1 計測概念図・オシロスコープ波形

図-2 実際のオシロスコープ波形 キーワード 地盤改良,計測,TDR

連絡先 143-0006 東京都大田区平和島5-11-3 日本海工株式会社 技術研究所 TEL03-5762-8767

土木学会第57回年次学術講演会(平成14年9月)

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VI‑308

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3.装置構成

本装置の構成を図-3示す.ヘッドユニット内のパルス発生器で発生したインパルス波はCP内の導体へ伝 播していく.インパルス波は導体への印加点および砂埋没点において反射を起こす.これらの反射波はヘッド ユニット内で受信され,2 つの反射波間の時間計測が可能となる.計測された時間は制御装置内へ送られ,演 算処理が施され表示器に距離として表示される.

この実際の時間はナノ秒(10-9sec)オーダの短い時間であり,電子回路では信号処理に十分な速度が得られな い.高分解能で時間を計測するため,高速サンプリング方式を採用して時間の拡大を行うことで,精度の高い 時間計測を可能としている.

また1組のパルス発生器と受信装置を切替器により,各CPへタイムシェアリングを行う.これによりあら かじめ設定したシーケンスに従い計測装置は時間ごとに各CPへ切替えられ,1台の計測装置で複数の砂面位 置の計測が可能となる.

ヘッドユニット ケーシングパイプ

制 御 装 置

1 号 機

表 示 器 基準クロック発生 パルス発生器

切替器

図-3 砂面位置計測装置構成図 4.装置機能

本装置の機能を以下に記す.

①精度 ±5cm

②計測範囲 80m(max)

③計測周期 1sec

④分解能 1cm

⑤計測連装数 3連装(max) 5.現場実証実験

タイムシェアリング機能を持つ本装置にて,3 連装のサン ドコンパクションパイル船に搭載し計測を行った.図-4に 本装置で計測した値と同時に従来の重錘式の砂面計測装置で 計測した値の一例を示す.

本装置で計測された計測値は従来の重錘式の計測値とよく 一致しており,タイムシェアリングによるデータの欠落はみ られない.さらに従来では計測不能であった計測開始前や終 了後も常時計測を行っていることがわかる.

15 20 25 30 35 40 45

0 60 120 180 240

時間(sec)

本装置(m)

25 30 35 40 45 50 55

従来装置(m)

計測開始

従来装置(右目盛) 本装置(左目盛)

計測終了

図-4 2つの計測値の比較

6.まとめ

TDR法を利用した砂面位置計測装置についてまとめる.

①本装置がサンドコンパクションパイル工法などで砂面計測装置として実際に使用できることが確認できた.

②砂面位置の常時計測が可能となり,計測に必要な操作が不要となった.

③1台の本装置で複数の CP 内の砂面計測が出来るようになり,装備の簡略化が可能となる.

参考文献

・土質工学会編:軟弱地盤対策工法、土質工学会

・山本 博、大川 澄雄:改版 高周波測定、コロナ社

受 信 装 置 演 算 処 理

(時間-距離変換) 時 間 計 測

土木学会第57回年次学術講演会(平成14年9月)

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