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日本繊維産業連盟新春講演会 繊維産業の現状と経済産業省の取組 令和 2 年 1 月 17 日 経済産業省 生活製品課

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(1)

日本繊維産業連盟新春講演会

令和2年1月17日 経済産業省

生活製品課

繊維産業の現状と経済産業省の取組

(2)

目 次

– 繊維産業の概況 ・・・ 2

– Connected Industries ・・・ 8

– 通商関係 ・・・ 14

– 最近の取組 ・・・ 29

– サステイナビリティ ・・・ 36

– 海外市場への展開 ・・・ 45

– 地域未来牽引企業 ・・・ 54

– 事業承継 ・・・ 63

– 下請取引の適正化 ・・・ 67

– 外国人技能実習 ・・・ 78

(参考資料)

(3)

繊維産業の概況

2

(4)

日本における繊維産業の位置づけ

 繊維産業は全製造業のうち5.7%の事業所数、2.8%の従業員数を占める産業。

【全製造業に占める繊維産業の位置づけ】

事業所数 1.1万(2017年) 従業者数 21.4万人(2017年) 出荷額 3.2兆円(2017年)

出典:経済産業省「工業統計」

5.7% 2.8% 1.0%

製糸業・紡 績業・撚糸 業, 4.6%

織物業, 10.3%

ニット生地 製造業, 2.5%

染色整理 業, 8.5%

外衣・シャ ツ、下着、

その他の繊 維製品製 造業等, 73.4%

化学繊維 製造業, 0.6%

炭素繊維 製造業, 0.2%

製糸業・紡 績業・撚糸 業, 4.4%

織物業, 8.8%

ニット生地 製造業, 3.7%

染色整理 業, 1.8%

外衣・シャ ツ、下着、

その他の繊 維製品製

造業等, 76.0%

化学繊維 製造業, 3.6%

炭素繊維 製造業, 1.7%

製糸業・紡 績業・撚糸

4.3%

織物業 10.0%

ニット生地 製造業

2.9%

染色整理 10.4%

外衣・シャ ツ、下着、

その他の繊 維製品製

造業等 58.3%

化学繊維 製造業

9.8%

炭素繊維 製造業

4.3%

3

(5)

国内繊維産業の概況①

 国内生産の減少により、国内の繊維事業所数、製造品出荷額とも、1991年比で約1/4 に減少。

出荷額については、足下横ばいで推移。

 国内アパレル市場における輸入浸透率は増加し続けており、2018年には97.7%まで増加。

出典:経済産業省「工業統計」 出典:経済産業省「生産動態統計」/総務省「経済センサス」、財務省「貿易統計」

日本繊維輸入組合「日本のアパレル 市場と輸入品概況」

51.8 62.1

70.1 70.6 79.8

87.7 91.2 93.3 94.3 95.4 96.4 96.8 97.2 97.6 97.7

36.1 38.7 51.7

56.6

63.1 67.9 67.5 70.5

76.1 77.7 76.0

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018

輸入浸透率(数量(点数)ベース)

輸入浸透率(金額ベース)

国内アパレル市場における衣類の輸入浸透率

(%)

0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0 12.0

0 10,000 20,000 30,000 40,000 50,000 60,000

1991 1993 1995 1997 1999 2001 2003 2005 2007 2009 2011 2013 2015 2017

国内繊維業の事業所数及び製造品出荷額

事業所数 出荷額

(兆円)

(事業所数)

4

(6)

14.7

10.1 10.4

0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0 12.0 14.0 16.0 18.0

0 5 10 15 20 25 30 35 40 45

1990 91 92 93 94 95 96 97 98 99 2000 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17

国内アパレル供給量・市場規模の推移

国内供給量(左軸)

国内市場(右軸)

(億点) (兆円)

97.1

59.7

72.3 65.8 100.0

85.1 69.0

53.5 56.9

0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0 120.0

1988 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 2000 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17

衣料品購入単価・輸入単価の推移

輸入単価指数 購入単価指数

国内繊維産業の概況②

 国内のアパレル市場規模は、バブル期の約15兆円から10兆円程度に減少する一方、

供給量は20億点から40億点程度へと、ほぼ倍増している。

 衣料品の購入単価および輸入単価は、1991年を基準に6割前後の水準に下落。

出典:購入単価=総務省「家計調査」,輸入単価=財務省「貿易統計」よりそれぞれ算出

※1991年を「100」とする 出典:(国内供給量)経済産業省「生産動態統計」、財務省「貿易統計」

(国内市場)矢野経済研究所「繊維白書」※呉服・和装品等を含む

5

(7)

国内繊維産業の概況③

出典:Global Trade Atlas

 長年の厳しい国際競争の中で、生き残った素材メーカー等は相応に強いものづくりの地力 を有し、生地輸出額は世界的に見ても高い水準にある。

 生地は競争力があるが、衣料品の輸出は先進国のなかでも極めて少ない。

出典:Global Trade Atlas 69

63 50

45 40 37

32 28 23

17 15 14 13 12 11 9 7 624

0 20 40 60 80 500 600

China Italy South Korea Taiwan India Hong Kong Germany Japan United States Spain France Thailand United Kingdom Belgium Netherlands Indonesia Austria Portugal

各国生地輸出額(

2018

年)

(百億円) 主要国における繊維・繊維製品輸出内訳(2018年)

日本 フラン

ドイツ イタリ

イギリ

中国 韓国 タイ アメリ その他の二次製品 3,046 3,628 11,173 5,194 2,495 58,975 3,105 1,731 9,084 製品(衣料品) 556 14,068 26,320 27,499 10,888 166,560 2,143 2,823 6,078

生地 3,163 1,728 3,659 6,882 1,366 62,392 6,279 1,497 2,797

1,226 425 1,548 2,471 398 14,504 1,566 944 3,500

原料 1,047 855 1,079 638 963 4,729 2,127 1,131 9,410

炭素繊維 864 559 1,178 90 506 61 219 6 1,391

9,902 21,263 44,957 42,772 16,615 307,220 15,438 8,133 32,259 0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

100%

(億円)

6

(8)

衣類・服飾雑貨等のEC市場は2018年に1.77兆円(前年比7.7%増)、EC化率は約13%。

今後もEC市場規模の拡大が見込まれる。

アパレル業界におけるEコマースの拡大

1.16 1.28 1.38

1.53 1.65 1.77 7.47% 8.11% 9.04%

10.93% 11.54%

12.96%

0%

2%

4%

6%

8%

10%

12%

14%

0.0 0.5 1.0 1.5 2.0

(兆円)2.5衣類・服飾雑貨等のEC市場規模及びEC化率

市場規模(左軸) EC化率(右軸)

出典:経済産業省,電子商取引に関する市場調査

物販系分野の

BtoC-EC

市場規模

フリマアプリの市場規模(「衣類・服飾雑貨等」を含む全商品)

7

(9)

Connected Industries

(10)

Connected Industries 重点5分野

Connected Industriesについて、市場成長性、我が国産業が有する強み、社会的意義の大きさ 等から、5つの重点取組分野を定め、取組の加速化と政策資源の集中投入を図っている。

自動走行・モビリティサービス

データ協調の在り方を早急に整理

AI開発・人材育成の強化

物流等も含むモビリティサービスやEV化の将 来像を見据えた取組 ※1-3.参照

バイオ・素材

協調領域におけるデータ連携の実現

実用化に向けたAI技術プラットフォームの構

社会的受容性の確保

ものづくり・ロボティクス

データ形式等の国際標準化

サイバーセキュリティ・人材育成等の協調領域 での企業間連携の強化

中小企業向けのIoTツール等の基盤整備

プラント・インフラ保安

IoTを活用した自主保安技術の向上

企業間のデータ協調に向けたガイドライン等の 整備

さらなる規制制度改革の推進

スマートライフ

ニーズの掘り起こし、サービスの具体化

企業間アライアンスによるデータ連携

パーソナルデータの利活用に係るルール整備

9

(11)

ミツフジ(株)(京都府)は、繊維に銀メッキをした導電性繊維を電極として使用した着衣型ウェアラブルデバイス を開発。着用するだけで心拍・心電、呼吸数、加速度(体の傾き、動き)等の生体情報を測定可能。

2018年9月、福島県川俣町に自社工場を竣工※1し、導電性繊維とウェアの量産体制を整備。

日仏繊維協力の枠組みの下、仏子供服ブランドと共に生体情報の取得が可能な乳幼児向け着衣型ウェアラブ ルデバイスの開発事業を実施※2

【取組例・連携先】

プロスポーツ選手のコンディション管理サービスの開発

(ボクシング村田諒太選手、横浜ビー・コルセアーズ等)

介護施設の入居者見守りサービスの開発(社会福祉法人成仁会)

「てんかん発作を予測するシャツ」の開発(仏ベンチャー企業)

子供向けウェアラブルを用いた園児見守りサービスの開発(キムラタン)

高齢者や子供を含む地域住民見守りサービス実証(福島県川俣町※3

従業員の体調見守りサービスの開発(前田建設工業、IBM)

※1 津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金を活用。 ※2 29年度補正ものづくりサプライチェーン再構 築支援事業を活用。 ※3平成30年度地域復興実用化開発等促進事業費補助金を活用

導電性繊維からウェア、トランスミッター、システムまで自社ワンストップで 開発。

スポーツ選手の体調管理や介護・保育施設の見守りサービス等、幅広 い分野において社会課題やニーズに応じた製品およびサービスの開発・

提供を進める。

福島工場

乳幼児向け ウェアラブルデバイス

hamon

Connected Industriesの取組:スマートテキスタイル市場の創出 10

(12)

セーレンHPより作成

 セーレン(株)(福井県)は、繊維加工技術にITを融合したデジタルプロダクションシステム

「Viscotecs」を開発。同社の店舗では、等身大のモニターとタブレット端末を用いて、モニター上で バーチャルに試着しながら洋服のシルエット(型)、柄、色を個人の好みに合わせ、47万通りに及ぶ 組み合わせの中から自分に合った一枚を発注することができる仕組みを構築。

 さらに、店舗のタブレット端末から生産工場に直結したシステムにより、すぐに発注、3週間ほどで自 宅へ届く仕組みを構築。店舗は在庫を持つ必要がなく、顧客は「欲しいものを・欲しいときに・欲し いだけ」注文できる、マスカスタマイズ生産を実現する。

カメラで撮影した画像を 等身大モニターに投影

実店舗で試着し、好みの サイズやシルエットを選択

タブレット端末から柄や色を選 択するとバーチャル試着ができ る(タブレットとモニターに映る 服と連動)

自分の好みの「型」「サイズ」「柄」「色」を 選択して発注可能

個別柄を必要な量だけ生産、多 品種小ロットを個別に製造

マスカスタマイズ生産

Connected Industriesの取組:マスカスタマイゼーション 11

(13)

Connected Industriesの取組:AIを活用したアパレル分野の需要予測

 ニューラルポケット株式会社は、最先端の画像認識AIを活用し、ファッションに関する2,000万枚超 の膨大な画像データ(コレクションやSNS投稿写真等)から、着用している衣服の色・柄・アイテム 種別・シルエット・素材感・着丈等を解析することで、ファッションやコーディネートのトレンド情報を定 量化・可視化した需要予測サービスを提供。

 色・模様・アイテム等のトレンドを把握・予測するサービス「AI MD」をアパレル企業に提供し、

アパレル企業は需要予測・商品企画に活用。

(出典)企業HP(http://www.neuralpocket.com/index.html)およびヒアリング情報より作成

現在のトレンド状況の把握から、具体的な色等のトレンド動態を 解析し、需要予測につなげる

⇒アパレル業界における売れ残りの削減・プロパー消化率の向上を図ることで、余剰在庫・廃棄量の 削減、ESG経営の浸透等が期待される。

写真や映像から消費者の服装(色・アイテム等)

・属性(性別・年齢層等)を特定、分析

AI MDシステム画面 今後の需要予測(例)

衣服の「色」別の構成割合・トレンド指数を解析

12

(14)

シタテルは700を超える縫製工場/関連サプライヤーと連携し、得意な素材、商品、繁閑状況などを把握。

地方の縫製工場と都市部のデザイナーやブランドなどをマッチングし、少量・短納期での生産を実現。

また、2018年4月、ファッションブランドの受注から生産・管理までをワンストップで行えるECシステム「SPEC」

を提供開始。

アパレル製品の受発注・生産管理コストを削減し、一元的なデータ連携プラットフォームを構築することで、多 品種/小ロット/短納期時代に適合したクラウド型生産による衣服生産のシームレス化を目指す。

2019年7月、クールジャパン機構が最大10億円の出資を決定。衣服生産プラットフォームのグローバル展開 及び国内事業者の海外競争力向上を目指す。

Connected Industriesの取組: sitateru(シタテル株式会社)

シタテルの仕組み

工場

工場

工場

工場

工場 EC

小売

メーカー

ブランド

企業

生地

Design

パターン

加工 資材

シタテル

(コンシェルジュ)

オン ライ ンデ ータ ベー ス 各社

ニー ズの 汲取

ブランドなど事業者のニーズに合わせて、

自社提携の国内工場の膨大なデータベースより マッチングを行い、生産の過程をコーディネート

冬が忙しく 夏は仕事がない

春が忙しく 秋は仕事がない

縫製工場A 縫製工場B

閑散期の縫製工場に仕事をマッチング 繁閑格差を5~10%解消

出典:経済産業省資料、シタテルHP等より作成

「欲しい」と「生産」を シームレスに繋ぐ 生産一体型コマース

SPEC

消費者が選んだ商品情報 から、ワンストップで生産につ ながることで、QRや在庫リス クの解消が期待できる。

13

(15)

通商関係

(16)

RCEP

(ASEAN10カ国+日中韓印豪NZ)

交渉中

コロンビア

交渉中

スイス

発効(09年9月)

トルコ

交渉中

モンゴル

発効(16年6月)

日中韓

交渉中

タイ

日泰:発効

(07年11月)

シンガポール

日星:発効(02年11月) 改正(07年9月)

インドネシア

日尼:発効(08年7月)

フィリピン

日比:発効

(08年12月)

マレーシア

日馬:発効(06年7月)

ブルネイ

日ブルネイ:

発効(08年7月)

ミャンマー インド

日印:発効 (11年8月)

カンボジア ラオス

豪州

日豪:発効(15年1月)

中国

ASEAN

発効(08年12月)

GCC諸国 交渉延期

GCC(湾岸協力理事会):

サウジアラビア、クウェート、

アラブ首長国連邦、

バーレーン、カタール、

オマーン

韓国

メキシコ

日墨:発効(05年4月)

改正(12年4月)

ペルー

日秘:発効 (12年3月)

チリ

日智:発効 (07年9月)

TPP

署名(16年2月)

EU 発効

(19年2月)

NZ

米国

TPPからの 離脱を宣言

カナダ

日米貿易協定 日米デジタル貿易協定

署名(19年10月)

TPP11 発効(18年12月)

ベトナム

日越:発効(09年10月)

 2019年1月時点での我が国のFTAカバー率※は51.6%。政府目標は70%。(参考:韓国

…67.7%、中国…37.7%、米国…47.1%、EU…35.5%(域内貿易含まず))

※ FTAカバー率=全貿易額に占めるEPA/FTA署名・発効済国との貿易額の割合。

 現在、我が国は21か国・地域との間で17の経済連携協定を発効済。

日本の経済連携等の推進状況 15 15

(17)

日EU経済連携協定:繊維製品の関税率

単位:百万円

品目名 日本(現行) EU(2013年) EPA発効後の 関税率

対EU輸出額:2018

(対世界輸出額)

ニット

2,340 (70,662)

生地 4.0~9.8% 6.5~8%

無税(即時撤廃)

1,852 (66,236) コート、ジャケット、ブ

レザー、スーツ(※)、

セーター、カーディガン 8.4~10.9% 12% 184 (880)

シャツ 7.4~10.9% 12% 102 (873)

ズボン 8.4~10.9% 12% 191 (1,735)

下着 7.4% 12% 4 (564)

パジャマ 7.4% 12% 1 (216)

水着 8.4~10.9% 8~12% 6 (158)

ニット以外

26,674 (281,547)

生地 無税~12.6% 3~8%

無税(即時撤廃)

16,926 (248,696) コート、ジャケット、ブ

レザー、スーツ(※) 9.1~12.8% 12% 516 (3,207)

シャツ 7.4~10.9% 12% 721 (3,890)

ズボン 9.1~10.0% 12% 1,648 (6,671)

下着 7.4~9.0% 12% 12 (3,190)

パジャマ 7.4~9.0% 12% 3 (18)

水着 9.1% 12% 3 (21)

ハンカチ、スカーフ、

ショール 5.3~9.0% 10% 59 (556)

ネクタイ 8.4~13.4% 6.3% 3 (19)

帽子 3.2~5.8% 無税~5.7% 6,783 (15,275) 出所:Global Trade Atlas

16

(18)

これまではASEANプラス1のEPA/FTAのみでコマ切れの状況

RCEPで広域的な大経済圏を形成

Regional Comprehensive Economic Partnership

⃝ RCEPは、ASEANとFTAを既に締結しているパートナー(日中韓印豪NZ)間の経済連携 協定。交渉参加16か国で世界の人口5割、貿易額3割、国内総生産(GDP)3割を占 める広域経済圏を創設するもの。

「自由で開かれたインド太平洋」を実現する地政学的観点から重要。

⃝ 東アジア地域において、自由な経済活動やサプライチェーンの効率的な形成に寄与するよ うなルール作りを行い、域内では共通のルールで手続ができるユーザーフレンドリーな協 定を実現する。

RCEP(東アジア地域包括的経済連携)

〇 2012年11月に、交渉立上げを宣言。

〇 これまでに、閣僚会合を19回、交渉会合を28回開催。

(直近の閣僚会合は、本年11月1日のバンコク。)

〇2018年 11月のRCEP閣僚会合・首脳会議(於:シ ンガポール)での「実質的妥結」を目指すも実現せず。

→同首脳会議で、RCEPを2019年に妥結する決意を確認。

〇2019年 11月のRCEP閣僚会合・首脳会議(於:バ ンコク)において共同首脳声明を発出(後述)。

概要・意義

オーストラリア 中国

ニュージーラン

韓国 日本 インド

マレーシア シンガポール

フィリピン インドネシ

ラオス タイ

カンボジア ベトナム ブルネイ

ミャンマー

RCE P

交渉の経緯・スケジュール

17

(19)

○ RCEP交渉は、既存のFTAのない日中、日韓、印中、印豪、印NZの間では、相互 に関税自由化を行う初の枠組みとなる。日本にとっては、中国との間で、特に貿易量 が多く(対世界の約22%)、日本からの輸出にかかる関税支払額も多いことから、

関税自由化による経済効果が期待される。

○ 加えて、既存のFTAのあるASEAN及びインドとの関係でも、

 中国等RCEP域内の第三国の原産材料をもとに日本で組み立てられた製品の ASEAN又はインドへの輸出や、

 中国等RCEP域内の第三国で活動する進出日系企業が日本の原産材料をもとに組 み立てた製品のASEAN又はインドへの輸出について、追加的な関税支払削減効果 が見込まれる。

RCEPの期待される効果(関税)

3

日本の貿易総額に占めるRCEP参加国の割合

(2017年、小数点第2位四捨五入)

日本と交渉参加国(ASEAN、中、韓、豪、NZ、印)の貿易構造 日本→交渉参加国(2016年)

輸出総額 約30.4兆円 交渉参加国→日本(2016年)

輸入総額 約33.9兆円

出典 : 財務省貿易統計

RCEP参加国

: 計 48.3% 出典 : 財務省貿易統計

一般機械 20%

電気機器 20%

輸送用機器 12%

鉄鋼 プラスチック 5% 6%

元素及び化合物4%

農林水産品 1%

その他

32% 総額

304,193 億円

電気機器 22%

一般機械 12%

農林水産品 衣類等 11%

8%

天然ガス等・製造ガス 6%

石炭・コークス・練炭4%

金属鉱等3%

その他

34% 総額

33兆8,731 億円 ASEAN

15.2%

中国 21.7%

韓国5.9%

インド1.0%

豪州 4.0%

NZ 0.4%

米国 15.1%

EU 11.3%

その他 25.3%

18

(20)

共同首脳声明の要旨(抜粋)

●我々(注)は、RCEP参加15か国が、全20章に関する条文 ベースの交渉及び15か国の基本的に全ての市場アクセス上の課 題への取組みを終了したことに留意し、2020年における署名 のために15か国による法的精査を開始するよう指示した。

(注)ASEAN10か国、日本、中国、韓国、豪州、NZ、インドの16か国。

●インドには、未解決のまま残されている重要な課題がある。全て のRCEP参加国は、これらの未解決の課題の解決のために、相 互に満足すべき形で、共に作業していく。インドの最終的な決断 は、これらの未解決の課題の満足すべき解決にかかっている。

第3回RCEP首脳会議(2019年11月4日 於:バンコク) 19

(21)

注 2019年11月の首脳会議において、RCEP参加15か国が全20章に関する条文ベースの交渉を終了し たことを全16カ国で確認

RCEPの交渉分野

貿易救済章 冒頭・一般的定義章

投資章 電子商取引章

サービス貿易章 冒頭・一般的定義章

物品貿易章 任意規格・強制規格

・適合性評価手続章 原産地規則章

政府調達章

中小企業章 経済技術協力章 最終規定章

人の移動章 競争章

紛争解決章 税関手続

・貿易円滑化章

知的財産章 一般規定・例外章 衛生植物検疫措置章

制度的事項章

20

(22)

日米貿易協定(概要)

内閣官房・外務省・財務省・農林水産省・経済産業省201911月

 世界のGDPの約3割

(25.5兆ドル)

を占める,日米間の物品貿易に関する協定。

 2018年末のTPP11発効,2019年2月の日EU・EPAの発効を背景に,2019年4月以降,5ヶ 月にわたる交渉で,短期決着。

昨年の日米共同声明に沿って交渉を行い,9月25日の日米首脳会談で最終合意を確認。

日本時間10月8日(米国時間同7日)

,

署名。

 日本側:84%、米国側:92%

関税撤廃率(貿易額ベース)

<農林水産品>日本側の関税:TPPの範囲内

コメ(調整品含め):完全除外

林産品・水産品:譲許せず

TPPワイド関税割当枠:新たな米国枠を設けず

和牛輸出:

65,005

トンの複数国枠へのアクセス確保

酒類:容量規制等の米国非関税措置撤廃等

日本の輸出関心が高い

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品目:関税削減・撤廃

<工業品>

自動車・自動車部品:「関税の撤廃に関して更に 交渉」と協定に明記

※協定の誠実な履行中は追加関税を課さない旨,日米共同

声明に明記,首脳間で確認。

※数量制限・輸出自主規制等の措置を課さない旨閣僚で

確認。

その他工業品:日本側関心品目を中心に関税 削減・撤廃

主な交渉結果:バランスの取れた合意内容に

GDP 押し上げ 約0.8%(4兆円)

経済効果

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(24)

23

(25)

米中貿易摩擦

トランプ大統領は、2019年12月13日に以下内容を発表。

第1~第3弾分(約2,500億ドル相当)の輸入品に対する関税は25%に据え置き。第4弾分のうち9月1日発 動分(約1,200億ドル)は、現行税率を半減し7.5%を課す。12月15日発動予定分(約1,600億ドル)は見 送り。

中国政府は、12月15日に以下内容を発表。

元々12月15日12時01分より追加課税予定であった米国産の一部輸入商品について,10%又は5%の関税を 暫定的に追徴せず,米国産自動車及び部品に対し,引き続き追加関税を停止することを決定した。

米中両政府は、2020年1月15日、上記貿易ディールを含む協定に署名。

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(26)

(参考)米中貿易摩擦:主要国企業の業績への影響(ジェトロ調査結果)

 米中貿易摩擦による影響が、企業業績にどのような変化をもたらしているか、米中日韓台の5ヶ国 の業種・企業規模別に、売上高の対前年同期比較を実施。

 いずれの業種も企業規模別にみると、機械・電気製品を除けば、中小企業は大企業に比べ売上 高伸び率の振れ幅がやや大きい。

 日本企業については、大企業、中小企業とも、売上高伸び率の増減幅は米中などに比べると小さ く、米中貿易摩擦による影響は米中企業に比べ小さいが、今後も摩擦が続くと、受注減や販売減 などを通じ、日本企業、特にビジネス環境の変化に弱い中小企業の売上高に影響しうる。

(1) 素材・素材加工品:鉄鋼、非鉄金属、化学、繊維・織物・皮革、窯業・

紙、容器・包装、その他素材加工品、住設・建設資材 (5) 消費財:パーソナルケア(化粧品など)、衣服・装飾品製造、家具・イン テリア・雑貨、その他生活用品製造

「米中貿易摩擦、主要国企業の業績への影響は」(2019年10月30日ジェトロ地域・分析レポート)

https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/special/2019/1001/29ef6faf2b3da7f9.html

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2020年 1月31日 英国のEUからの離脱期限

(「離脱協定」が発効した場合)「移行期間」(EU法を英国にも適用)開始 (英EU貿易協定交渉?) ・・・・

2020年末 「移行期間」終了(2020年7月1日までに、1回に限り延長を決定することが可能) ・・・・

英国の欧州離脱(ブレグジット)

●EUホーガン貿易担当委員(12月6日)

「英 EU 間の交渉は前例がなく、合意までどの程度の期間がかかるのかは 全く予見できない。 2020 年末までの移行期間終了までの間に英 EU 間の貿 易協定が実現する保障はない。」

「『合意無き離脱』のリスクは、 2020 年1月末でも 2020 年 12 月末にもあり得 る。」

●EUバルニエ首席交渉官(10月30日)

「(英 EU 貿易交渉は)困難で厳しい交渉になる。与えられた期間は11カ月 と極めて短い」

「2020年12月31日までにEU・英国間の将来関係にかかる新たな協定を発 効させられない場合、移行期間が延長されない限り、『合意なき離脱』に 陥る」

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今後の対応

① 政府から英EU双方への働きかけ

 「合意無き離脱」の回避(透明性・予見可能性・法的安定性の確保)

 日系企業、世界経済への影響の最小化

② 「ブレグジット対応サービスデスク」を通じた個別対応

 中小企業に対するプッシュ型支援の継続

 関税、通関実務、規制対応、販路転換・開拓相談等

③ 将来の日英経済的パートナーシップに係る検討

 日EU・EPAを踏まえた将来の日英経済的パートナーシップに向けて検討

(参考)日英首脳共同声明(平成31年1月10日)

我々は,日EU・EPAを日英間の将来の経済的パートナーシップの基礎として用いるとの過去のコミットメントに基 づき議論を進める。両国の自由貿易に対するコミットメントに沿って,我々は,新たなパートナーシップを日EU・ EP Aと同様に野心的で,高い水準の互恵的なものとする。

我々は,透明性,予見可能性及び法的安定性を提供すること等によってビジネスの継続性を確保することが最も 重要であるとの認識を共有した。我々は,この経済的パートナーシップについてできる限り速やかに効力を生じさせる意 図をもって,その構築に速やかに取り組む。

我々は,このようなパートナーシップを早急に作成する必要があることを認識する一方で,この新たなパートナーシップ を共通の関心分野において,より野心的で強化されたものとすべく最大限の努力を行う。

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●これまでの成果:

共同案件組成に向けたニーズ発掘やマッチングの結果、以下2事業が現在進行中。

日仏繊維協力

概要:平成26年5月、日本の先端繊維素材と仏国の商品加工技術のマッチングによる、グローバル 市場の共同開拓の可能性の追求を目指し、仏(エリゼ宮)にて、安倍総理、オランド大統領臨席の下

、日仏繊維協力に関する協力文書(MOC)を締結。

MOC改定:平成29年4月28日、日本側3機関代表者である糟谷経済産業省製造産業局長、

日覺化学繊維協会会長及び鞠谷繊維学会会長、仏側はティエリー・ダナ駐日仏大使により、改定 MOC署名が行われた。令和2年の更新に向け、現在両国間で内容検討中。

※署名者はいずれも当時の役職

●主な協力の柱:

スマートテキスタイル分野(関連分野として標準化やリサイクルなどを取り上げ、情報交換や議論を行う。)

企業間、及び研究機関と大学間における日仏共同プロジェクトを推進(仏国における優先産業プロジェクトの素材 又は技術にかかる関心に対し、日本は先端の繊維素材又は技術の提供を行う等。)

B to B会合の深化(ビジネスフランス及び独立行政法人日本貿易振興機構の協力を得て行う。) 他

第7回日仏繊維WG(令和元年12月)

ミツフジ(株)と仏子供服ブランドによる、生体情報の取得が可能な乳幼児向け着 衣型ウェアラブルデバイスの開発事業(「29年度補正ものづくりサプライチェーン再 構築支援事業」にてFS実施)

日本環境設計(株)と仏繊維クラスターによる、リヨン市における衣料品ポリエステル リサイクル事業(「30年度質の高いインフラの海外展開に向けた事業実施可能性 調査事業」にてFS実施)

令和元年12月11日(水)に第7回日仏繊維WGをパリにて開催。これまで の成果を踏まえ、両国連携の継続のためのMOC更新が合意されるとともに、実 績報告や新規協力分野の提案、民間イニシアチブ重視の確認等が行われた。

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(30)

最近の取組

(31)

日本環境設計株式会社 (代表取締役社長 高尾 正樹)

株式会社フクル (代表取締役 木島 広)

フレックスジャパン株式会社 (代表取締役社長 矢島 隆生)

株式会社細尾 (代表取締役社長 細尾 真生)

マツオインターナショナル株式会社 (代表取締役社長 松尾 憲久)

丸井織物株式会社 (代表取締役社長 宮本 徹)

ミツフジ株式会社 (代表取締役社長 三寺 歩)

三星毛糸株式会社 (代表取締役社長 岩田 真吾)

株式会社YUIMA NAKAZATO (代表取締役 中里 唯馬)

吉田染工株式会社 (代表取締役社長 吉田 篤生)

渡辺パイル織物株式会社 (代表取締役社長 渡邊 利雄)

繊維の将来を考える会

• 繊維産業に関連する各分野において業界をリードする意欲的な取組を行っている事業者の間で、

繊維産業の課題や将来等に関して自由闊達に情報・意見交換等を行うネットワークの場を設け るとともに、当会での意見を基に政策の企画立案を図る。(事務局:経済産業省製造産業局 生活製品課)

• 平成30年4月に第1回開催後、これまで5回開催。令和元年7月には、繊維の将来に向けた行 動指針「繊維の将来宣言」を公表。

※五十音順、敬称略

AKIKOAOKI (代表 青木 明子)

浅野撚糸株式会社 (代表取締役社長 浅野 雅己)

IKIJIプロジェクト/精巧株式会社 (代表取締役 近江 誠)

株式会社エイガールズ (代表取締役社長 山下 智広)

オリエンタルカーペット株式会社 (代表取締役社長 渡辺 博明)

カジグループ (代表取締役社長 梶 政隆)

齋栄織物株式会社 (常務取締役 齋藤 栄太)

佐藤繊維株式会社 (代表取締役社長 佐藤 正樹)

株式会社ジャパンブルー (代表取締役 眞鍋 寿男)

株式会社TFL (代表取締役 市川 雄司)

東播染工株式会社 (代表取締役社長 岡田 太)

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(32)

本宣言の趣旨

かつて日本の繊維産業は、戦後の復興期・高度成長期に至るまで輸出産業として外貨を稼ぐとともに、繊維産業における機 械化が、自動車などの機械産業の礎になるなど、日本経済の発展を支えてきた。

しかし、1970年代以降、円高やデフレ経済等の中、日本の繊維産業は海外に生産を移し、海外生産比率は上昇。繊維 産業の製造出荷額は、1990年比で約4分の1に縮小した。国内アパレル市場における輸入浸透率は97.6%まで上昇する とともに、その市場規模は、バブル期の15兆円から10兆円程度に縮小した。

このように産業全体を表すマクロの数字は繊維産業が衰退の一途を辿っているかのように見えるが、個々の企業レベルでは、

産業全体のイメージとは全く異なる意欲的で革新的な動きがある。

すなわち、日本には世界をリードする高機能・高性能繊維や、海外の高級ブランドや民族衣装等からも評価・採用される高 品質・高感性の素材、精緻な縫製技術等が存在する。また、既存のビジネスモデルに囚われず、IT等を駆使し、自由な発 想で魅力的な製品づくりを実現する例や、新しい技術を積極的に取り入れ、自ら海外に販路を求めて売り込み、成功している 例もある。

このように個々の企業レベルでの革新的な取組は、日本の繊維産業は決して衰退産業ではなく、長年の厳しい国際競争で 培われた技術を強みとして、国内繊維産業を生まれ変わらせ(「アップデート」し)、さらには世界の繊維産業をリードしていくポ テンシャルを有していることを示している。

本宣言は、上記のような考え方の下、繊維産業に関連する各分野において、業界をリードし、自ら課題に挑戦し、乗り越えて いこうとする事業者による会議体「繊維の将来を考える会」において、繊維産業の課題や将来等に関して自由闊達に情報・意 見交換等を行った内容を基にとりまとめたものである。

本宣言が繊維業界のみならず、他産業においても、現状の課題に果敢に挑戦し、自らチャンスを開り拓く企業の方々の参考 になれば幸いである。

本宣言に基づく取組を通じて、日本の繊維産業はグローバルな産地として今後も飛躍し続ける。

繊維の将来を考える会メンバー

31

(33)

日本の繊維で世界を変えるための将来宣言(行動指針)

●自社の強みを生かした経営で価値を高める

●あらゆる分野で繊維の可能性を探求し、常に新しく付加価値の高いものづくりを実践することにより、

素材革命を起こす

●「メイドインジャパン」に満足するのではなく、独自の価値を世界に発信・提供する

●繊維産業が技術とクリエイティビティが融合する最先端の分野であることを広く発信する

●持続可能な繊維産業の在り方を模索し、社会課題の解決に貢献する

デジタル化が進展する中、類似の製品はすぐに作り出され、従来の品質、価格、納期だけを追求したものづくりは、生き残れない。

自社の強みを洗い出すとともに、独自の技術や価値観をものづくりの中に取り入れ、作り出した製品が提供するサービスやストーリー等に よって新たな付加価値を創造する活動を行う。また、そうした活動に積極的な価値を見いだす顧客を開拓する。

メイドインジャパンだから商品が売れる訳ではない。商品が持つ機能、こだわり、作り手の情熱、ソリューション等を明確に分かりやすく エンドユーザーに伝える事が重要であり、それが価値として共感を呼び、商品に付加されることで評価されていく。国内市場が縮小する 中、海外展開は不可避であり、「メイドインジャパン」以上の独自の価値を世界に発信・提供し、海外需要を開拓する。

繊維の可能性は衣類やファッションのみにとどまらない。IoT等新しい技術を積極的に活用し、ウェアラブル等の画期的な製品・サービ スの開発を行うとともに、インテリア、自動車、建設、メディカル、スポーツ等異分野に果敢に挑戦し、あらゆる分野で素材革命を起こして いく。新しい価値を創造し、それに見合う適正な価格設定を実現する。

技術革新により、繊維の地平線は広がりを見せ、技術・感性・クリエイティビティが融合する最先端の分野になっている。産地には、こうし た特徴に魅せられ、家業を継いだり、異業種から飛び込んだ若手や女性の人材が少なくない。こうした人材をさらに呼び込み、育てていくた め、異業種連携や産地間連携を促進し、常にイノベーティブな土壌を醸成するとともに、繊維を再定義し、その魅力を広く発信する。

中長期的な未来に向けて、衣・食・住の「衣」をより良く進化させることによって、社会に貢献する。自社の発展が国内外の環境破壊や 誰かの労働搾取等の上に築かれてはならない。環境対応やSDGsをメインストリームに位置づけ、消費者目線に立ったサステイナビリティを 追求し、社会課題へのソリューションを提供する。

32

(34)

日本の繊維で世界を変えるための将来宣言(行動指針・ポイント)

自社の強みを生かした経営で価値を高める

あらゆる分野で繊維の可能性を探求し、

常に新しく付加価値の高いものづくりを 実践することにより、素材革命を起こす

「メイドインジャパン」に満足するのではなく、

独自の価値を世界に発信・提供する

繊維産業が技術とクリエイティビティが融合する 最先端の分野であることを広く発信する

持続可能な繊維産業の在り方を模索し、

社会課題の解決に貢献する

強みの把握、ブランディング、販路・ユーザー開拓

海外販路開拓

IT・新技術の積極的活用、

画期的な製品・サービスの開発

異業種連携や産地間連携の推進 若手・人材育成への取組

環境と人権に配慮したものづくりの推進、

サステナビリティ、SDGsへの対応、責任あるサプライ チェーンづくり

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(35)

日本の繊維製品は、高品質や高感性、高機能などの強みがあり、世界の生活文化の向上に貢 献してきた。引き続き、良質な製品を世界に展開していくためには、競争力強化や環境対応を含 め、あらゆる面でサステイナブルな繊維産業を目指すことが重要。

本事業では、特に取引先・エンドユーザーへの価値・価格転嫁や、新たな販路の開拓等を実現し ている企業やサプライチェーン等の事例にスポットを当て、これらの価値創造メカニズムを分析するこ とで、競争力強化に向けて選択すべき企業行動や、政策の方向性を検討。

繊維産業の価値創造モデルに関する調査

(令和元年度戦略的基盤技術高度化・連携事業)

1.価値創造メカニズムの分析 企業やサプライチェーン等の事例を選 定し、ヒアリングや文献調査などにより、

価値創造につながった内部環境や外 部環境を分析。

2.価値創造モデルの類型化

事例ごとの内部環境や外部環境が 可視化できるようなマッピングを実施。

共通する成功要因や仮説との相関性 を分析。

3.日本が目指すべき類型の評価 成功要因や仮設について、政策として 進める場合の課題や浸透させるための ポイントを検討。

事例選定の観点

・川下領域での価値を高めるため、自社のブランド発信や消費者ニーズの把握等のマー ケティング力

・海外展開や新しい販路開拓のための提案力

・優れた高付加価値素材の開発力や生地製造におけるクリエイション力

・魅力ある産業として集積したことによるリードタイムの変化や産地の観光資源化

・マスカスタマイゼーションや工場IoT化等、デジタル技術との融合による課題解決 等

外部環境

・繊維産業の生産・貿易状況、アパレル 小売規模、衣料品消費支出の推移

・政策的、社会的、技術的背景 等

目指すべき方向性の仮説

・高付加価値商品や新しい収益モデルのための投資

・国内外の中間層や富裕層の取り込み

・デジタルツールによる生産性向上や在庫レスモデルの構築 等

内部環境

・売上高、利益率、従業員数、生産リードタ イム、原価率、在庫回転率、販管費率

・技術革新の有無、社会的ニーズ発見の有 無、オープン/クローズ開発、ボトムアップ

/トップダウン開発、収益モデル、プロモー ションの刷新 等

(委託先:㈱矢野経済研究所)

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(36)

<参考> 35

(37)

サステイナビリティ

(38)

〇 近年、プラスチックゴミの海洋流出が、新たな地球規模の問題に。

〇 温暖化に続く、21世紀の新たな地球環境問題。

海洋プラスチックごみ問題

平成31年2月26日海洋プラスチックごみ対策の推進に関する関係府省会議

海洋生物への影響

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(39)

-G20 持続可能な成長のためのエネルギー転換と地球環境に関する関係閣僚会合 6/15,16@軽井沢 -G20 首脳会合(サミット) 6/28,29 @大阪

<首脳会合(サミット)>

海洋プラスチックごみ問題は、海洋の生態系や人の健康にも影響を及ぼしかねない喫緊の課題であり、世 界全体での取組が不可欠との認識で一致。

こうした共通認識に基づき、海洋プラスチックごみによる追加的な汚染を2050年までにゼロにまで削 減することを目指す「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」を共有。

ビジョンの実現に向け、G20エネルギー・環境大臣会合において合意された「海洋プラスチックごみ対策実 施枠組」に基づき、各国で協調して実効的な対策を進めることでも一致。

<閣僚会合(軽井沢会合)>

• 「G20海洋ごみ行動計画」の実施を促進するため、「海洋プラスチックごみ対策実施枠組」に合意。

適正な廃棄物管理、海洋プラスチックごみの回収、革新的な解決策(イノベーション)の展開、各国の能 力強化のための国際協力等による包括的なライフサイクルアプローチを推進。

• G20各国は、G20資源効率性対話等の機会を活用し、海洋プラスチックごみ等に関する政策、計画、措 置等の情報について、継続的に共有及び更新を実施。

G20における環境分野の成果

2050年までに海洋プラスチックごみによる追加的な汚染をゼロにまで削減することを目指す「大阪ブ ルー・オーシャン・ビジョン」を共有。また、G20各国が、自主的な対策を実施し、その情報を共有する という「G20海洋プラスチックごみ対策実施枠組」をエンドース。

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参照

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