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事 業 報 告 書

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Academic year: 2022

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(1)

平 成 2 7 年 度

事 業 報 告 書

公益財団法人 東京動物園協会

(2)
(3)

目 次

第1 運 営 の 概 要

Ⅰ.運 営 概 要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1

Ⅱ.決 算 概 要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2

Ⅲ.組 織 概 要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 第2 公 益 目 的 事 業

Ⅰ.事 業 総 括 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6 〔1〕決 算 額 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6 〔2〕管 理 施 設 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6 〔3〕主 な 実 施 事 項 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6

Ⅱ.事 業 実 績 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 15 〔1〕動 物 飼 育 及 び 展 示 業 務 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 15 〔2〕野 生 生 物 保 全 業 務 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 34 〔3〕教 育 普 及 業 務 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 36 〔4〕受 託 業 務 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 64 〔5〕市 民 ・ 団体 と の協 働 業 務 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 66 〔6〕危 機 管 理 対 策 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 73 第3 収 益 事 業

Ⅰ.事 業 総 括 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 75

Ⅱ.事 業 実 績 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 76 〔1〕便 益 施 設 等 の 経 営 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 76 〔2〕そ の 他 の 事 業 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 77 第4 事 務 報 告

Ⅰ.役 員 会 議 の 開 催 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 78

Ⅱ.監 査 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 79

Ⅲ.人 事 関 係 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 80

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第1 運 営 の 概 要

Ⅰ.運 営 概 要

平成27年度は、現指定管理期間10年間の集大成として、都立動物園・水族園4園が一体と なって、それぞれの個性を存分に発揮するとともに、人と動物の共存への貢献、来園される方々 への感動と上質なサービスの提供を目指し、各事業を展開した。

「東京都長期ビジョン」に掲げられている生物多様性保全の拠点として、各園で希少動物の 繁殖に成功し、また、大学や研究機関等と密接な連携のもと共同研究、生息地調査、生息域内・

域外保全、保護増殖事業、野生復帰事業に取り組むなど、高度な飼育技術の承継・発展に努め た。さらに、子供達が楽しみながら学べる体験プログラムや教員を対象とした生き物観察・採 集法等のセミナーを開催し、学校教育への支援などを進め、環境学習機能の強化を図った。

夏季の夜間開園や冬季の閑散期対策キャンペーン「Visit ほっと Zoo」の実施、Twitter 等を 活用した四季折々の動物園・水族園の魅力を積極的に情報発信するなど、来園者確保を図ると ともに、海外からの来園者増加に対応して案内サインの多言語化や職員の語学研修を実施し、

「世界一の都市・東京」の動物園・水族園にふさわしい環境整備にも取り組んだ。

各園初動対応計画等に基づく災害対策訓練を公園管理者等関係機関と連携して実施すると ともに、管理監督者向け危機管理研修を開催し、緊急時における対応力の一層の向上を図った。

接遇研修の充実、各園の特色や魅力を活かした商品・メニューの提供等により、動物園・水 族園の多様な楽しみ方を演出することで、来園者サービスの向上に努めた。

各事業における今年度の主な取組事項は、以下のとおりである。

事業区分 主 な 実 施 事 項

公 益 目 的 事 業

(1)世界的な希少動物であるアイアイ、モウコノウマ、ゴールデンターキンなどの 繁殖に成功した。

(2)トキ野生復帰事業では、9羽の繁殖・育成に成功し、佐渡へ搬送した。

(3)アカハライモリ・ムササビの観察会、干潟の生き物観察会など、親子が一緒に 自然の中で生き物を感じることができるような環境教育を実施した。

(4)移動水族館事業では、障がいや病気等で来園することが難しい方々のいる施設 などを訪問し、生き物の観察やふれあい体験を通した教育普及活動を実施した。

(5)夏季の夜間開園、お正月イベント、国際交流イベント「アフリカフェア」など 様々な催事を4園で開催し、一年を通じて多くの来園者にご利用いただいた。

(6)案内サイン等の多言語化を推進するとともに、接遇業務を担う職員も含めて 全職員が一体となって動物園・水族園の情報・魅力を発信した。

(7)大規模災害への備えを更に充実するとともに、情報セキュリティ対策、感染症 対策、樹木点検など様々な危機や事故に対し予防的観点から体制構築を進めた。

収 益 事 業

(1)各園の特色を活かした高品質な商品を企画・展開するとともに、多様な年齢の お客様にご利用いただけるようなメニュー構成の提供に努めた。

(2)接遇・語学・手話研修などを実施し、多様な来園者をおもてなしできるよう接

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Ⅱ.決算概要

(正味財産増減計算書)

(単位:千円)

科目 公益目的

事業会計

収益事業

会計 法人会計 合計

Ⅰ 一般正味財産増減の部 1.経常増減の部

(1)経常収益

基本財産運用収益 2,320 ― 2,440 4,760

特定資産運用益 14 ― ― 14

受取会費 6,859 ― ― 6,859 事業収益 73,626 2,974,756 ― 3,048,381 受取寄付金 19,604 ― ― 19,604 受取委託料 5,426,089 ― 173,473 5,599,562 雑収益 11,872 7,998 890 20,761 経常収益計 5,540,384 2,982,754 176,804 8,699,941

(2)経常費用

事業費 5,575,032 2,704,904 ― 8,279,936 管理費 ― ― 277,520 277,520 経常費用計 5,575,032 2,704,904 277,520 8,557,455

評価損益等 0 0 0 0

当期経常増減額 △34,649 277,850 △100,716 142,486 2.経常外増減の部

(1)経常外収益 8,388 7,897 7,892 24,177

(2)経常外費用 0 25,430 1,077 26,507 当期経常外増減額 8,388 △17,533 6,815 △2,331 他会計振替額 100,000 △196,445 96,445 0 税引前当期一般正味財産額 73,739 63,872 2,544 140,156 法人税等

法人税等調整額

29,000 734

29,000 734 当期一般正味財産増減額 73,739 34,139 2,544 110,422 一般正味財産期首残高 294,546 1,141,101 287,061 1,722,708 一般正味財産期末残高 368,285 1,175,240 289,605 1,833,130

Ⅱ 指定正味財産増減の部

受取寄付金 13,422 0 0 13,422 一般正味財産への振替額 19,604 0 0 19,604 当期指定正味財産増減額 △6,181 0 0 △6,181 指定正味財産期首残高 82,980 0 0 82,980 指定正味財産期末残高 76,799 0 0 76,799

Ⅲ 正味財産期末残高 445,084 1,175,240 289,605 1,909,929

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Ⅲ.組 織 概 要

〔1〕協会の機構

○ 総 裁 常陸宮正仁親王殿下

○ 会 長 貫 洞 哲 夫

機関名 名 称 人数等 摘 要 1.議決・監督

機関 評 議 員 会 17名

2.執 行 機 関

理 事 会 13名 理事長・常務理事を含む 理 事 長 1名

常 務 理 事 2名 参 与 3名 事 務 局 4部13課47係

3.諮 問 機 関 顧 問 7名

4.監 査 機 関 監 事 3名

5.協 力 機 関

賛 助 会 員 5名

準 会 員 3,160名 東京動物園友の会会員

(員数は平成28年3月31日現在)

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〔2〕事務局組織

【事 務 局】

総 務 部 総 務 課 庶 務 係 職 員 係

事業調整担当部長 経理第1係

経理第2係 運営企画課 経営企画係 協働事業係 制作広報室 営 業 課 利用促進係 商品開発係 施 設 課 維持計画係

恩賜上野動物園施設係 多摩動物公園施設係 葛西臨海水族園施設係 井の頭自然文化園施設係 恩賜上野動物園 教育普及課 管 理 係

教育普及係 子供動物園係 飼育展示課 調 整 係

東園飼育展示係 西園飼育展示係 は虫類館飼育展示係 動物病院係

事 業 課 業 務 係 案 内 係 販 売 係 多 摩 動 物 公 園 教育普及課 管 理 係 教育普及係 昆虫園飼育展示係 飼育展示課 調 整 係

南園飼育展示係 北園飼育展示係 動物病院係

野生生物保全センター 事 業 課 業 務 係

案 内 係 販 売 係 葛西臨海水族園 飼育展示課 管 理 係 教育普及係 飼育展示係 調 査 係 事 業 課 業 務 係 案 内 係 販 売 係 井 の 頭 管 理 係 自然文化園 教育普及係 飼育展示係

水生物館飼育展示係 参 与

理 事 長

常務理事

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〔3〕事務局職員数

単位:人)

固有職員 都派遣職員 合 計

職 員 嘱託員 計 職 員 再雇用 計 職 員 嘱託員

再雇用 合 計

184 130 314 113 0 113 297 130 427

(平成28年3月31日現在)

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第2 公 益 目 的 事 業

都立動物園・水族園4園の指定管理者として管理運営を行うとともに、動物園事業の発展・

振興を図り、動物とその生息環境について知識を広め、人と動物の共存に貢献することを目的 に、動物飼育及び展示業務、野生生物保全業務、教育普及業務、受託業務、市民・団体との協 働業務を実施した。

Ⅰ.事業総括

〔1〕決算額

5,575,032千円

〔2〕管理施設

〔3〕主な実施事項

1.4園共通

【飼育管理】

適正な動物飼育と魅力的な展示の充実に向けて、今後予定されている各園の整備計画も考慮 し、4園の飼育展示計画(コレクションプラン)の策定に向けて作業を進めた。また、高度な飼 育繁殖技術の継承・発展を目指して、各園で飼育研究会を定期的に開催するほか、国内外の会 議・学会・研究会などへ積極的に職員を派遣し、飼育・繁殖の最新の知識の習得や技術の向上 を図った。

従来より協定を結んでいる大学や研究機関との共同により、4園で動物の繁殖生理や生態に 関する研究を行うとともに、希少野生動物の精子の回収や冷凍保存、人工授精等の技術開発に 取り組んだ。

名 称 住 所 開園面積(㎡) 摘 要 恩 賜 上 野 動 物 園 台東区上野公園、池之端三丁目 142,897.89

多 摩 動 物 公 園 日野市程久保六丁目、七丁目、

南平八丁目 601,372.54 う ち 無 料 開 園 区 域 77,508.22㎡

葛 西 臨 海 水 族 園 江戸川区臨海町六丁目 85,958.90 井の頭自然文化園 武蔵野市御殿山一丁目、

三鷹市井の頭四丁目 115,500.00

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外国産希少種の保全については対象種を定め、内外の動物園および各種の繁殖プログラムに 応じて各園の飼育展示種の繁殖に努めたほか、国産の種についても野生生物保全センターを中 心に4園が連携し域外、域内保全に取り組んだ。

各園の飼育動物の適正な管理を図るため、4園共通の動物個体管理システムを改善し、各園 で飼育している動物の個体情報を、正確且つ迅速に共有できるようになった。

【普及啓発】

各園で東京周辺に生息する野生動物の講演会やパネル展示等を引き続き行った。4園一体と なって展示を企画した「カエル学にゅうもん」は、巡回展として各園の特色を活かし4園で開 催した。また、アカハライモリの生息地調査に関連して、ボランティアや地域小学校と連携し たプログラムを継続して実施した。各園で園内や近隣の自然環境を活用して野生動物を観察す るイベントを行い、身近な自然の大切さへの普及啓発に努めた。

4園で開催している「ドリームナイト・アット・ザ・ズー&アクアリウム」は障がいをもつ子 どもたちとその家族向けの招待イベントとして好評を得ており、大変多くの参加者があった。

学校教育への支援連携として実施している教員セミナーについては学習指導要領に沿ったプ ログラムとなるよう内容を見直し、授業に役立つ実践的な講義を実施した。さらに各園におい て教員向け研修、職場体験、学芸員実習、教師養成塾生徒などを積極的に受け入れ、動物園・

水族園事業の普及啓発につとめた。

【利用促進・園内サービス】

都立動物園・水族園の利用促進をはかる「Visit Zoo Tokyo」では、閑散期である冬の集客 キャンペーン「VisitほっとZoo」が今年4回目となり、多くの来園者が参加する冬のイベント として定着した。また秋の行楽シーズンにおける新たな集客の取組みとして、スマートフォン やタブレットを使って園内を回るクイズラリーを10~11月に実施した。

通信環境の整備やスマートフォンの普及など、外部環境の変化に対応し、イベント開催など にあわせた特設ホームページの開設や、Twitterなどを活用したタイムリーな情報発信に努め た。また、各園で行う様々なイベントにあわせ、ポスター掲示、駅構内広告の掲示、車内中刷 り広告のほか、都営バスのラッピング広告やインターネットなど多様なメディアを活用した広 告宣伝を展開し、利用促進を図った。

接遇力向上のために案内接遇スタッフを中心に、語学研修を各園で開催し、増加しつつある 外国人観光客への対応強化に努めた。

【危機管理・節電対策】

危機管理対策としては、各園の初動対応計画や災害対策本部運営計画、消防計画等に基づき、

本年度も各園で震災対策訓練や消防訓練を行ったほか、他園の訓練状況を見学することにより 各園の対策を見直す機会とする他園視察訓練や、昨年度導入した安否確認システムの訓練も新 たに実施した。

情報セキュリティ対策としては、各園のサーバを一元化することによりセキュリティレベル の向上を図るなど、4園一体となって対策の強化に引き続き取り組んだ。

樹木の落枝による事故を防止するため、安全点検を適宜行い、懸念箇所については迅速に枯 れ枝処理や選定作業を実施した。また、気象災害対策計画書及び雪害対策計画書に基づき、台

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環境負荷が少ない施設づくりを目指し、夏期の電力のピークカットや既存照明のインバータ ー化、LED化、グリーンカーテンの設置、電気機器の更新等を推進し、引き続き低エネルギー化 への取り組みを行った。

2.恩賜上野動物園

【飼育・繁殖】

ジャイアントパンダは、引き続き自然交配を目指して繁殖に取り組む一方、今後の可能性と して人工授精も視野に入れ、5月にオスの採精を行った。平成28年春の繁殖期はこれまでより 早い時期にメスの発情兆候が出現したものの、それに伴う行動およびホルモン値の変化がピー クに達することなく、交尾に至らなかった。このため、次の繁殖期に備えるべく、平成28年3月 にメスの麻酔下での健康診断を実施した。今後も引き続き注意深く行動を観察しながら繁殖に 取り組むこととした。

ホッキョクグマは、4月に札幌市円山動物園からオス個体を新たに借受け、導入した。平成 28年春の繁殖期を迎える前に、オス・メスの同居の準備を開始した。

アイアイは、サンディエゴ動物園から血統更新としてオスを導入した成果として、12月にオ スの子供が生まれ、成育している。また、国際的な保全の取り組みの一環として、9月にイギリ ス・ダレル野生動物トラストにメス1頭を繁殖目的で貸与した。

【保全活動】

保全対象種であるアカガシラカラスバト、ルリカケス、ライチョウなどの保全・繁殖に取り 組んだ。

アカガシラカラスバトは6月と平成28年1月の計2羽が孵化し、人工育雛に成功した。

ルリカケスは平成28年3月に3羽が孵化した。国内での域外保全計画により、1ペアを平成28 年3月に鹿児島市平川動物公園へ搬出した。引き続き更なる創始個体を確保し、ペアの形成と 繁殖を目指していく。

ライチョウについては、環境省のライチョウ生息域外保全事業により、飼育下での繁殖技術 の確立を目指した保護増殖の取り組みを本格的に開始した。これまでのスバールバルライチョ ウの飼育繁殖技術を活かし、上野動物園では乗鞍岳から5卵を採取し輸送した。6月下旬から7 月にかけて全ての卵の孵化には成功したが、残念ながら孵化後70日までにヒナは全て死亡した。

今後も環境省他関係機関と連携し、繁殖技術の確立を目指していく。

日本獣医生命科学大学との共同研究により、ライチョウ、アカガシラカラスバトの飼料に関 する研究を継続実施した。

【教育普及・催物等】

絶滅危惧種であるジャイアントパンダの飼育繁殖と、そのための研究の取り組みを紹介する ため、タイ王国のチェンマイ動物園におけるジャイアントパンダの飼育繁殖の取り組みや、野 生動物の保全活動をテーマとして、タイ王国動物園機構の専門家を招き、ジャイアントパンダ の未来について考えるシンポジウムを開催した。

現在整備中の新しい「子ども動物園」の完成をみすえて、シンポジウム「新しい子ども動物 園」を開催した。当園の子ども動物園は1948年に、終戦直後の子どもたちへの贈り物として開 園し、たくさんの子どもたちに初めての生き物との出会い、そして生き物を通じた学びの機会

(13)

を提供してきた。子どもたちをとりまく日常が急激に変化しつつあるなか、動物園・水族園な らではの楽しい学びに向けた新しい展開について、都立動物園・水族園の4人の園長の講演会 を実施した。

東京動物園協会野生生物保全基金では様々な保全活動を支援するため、助成金交付事業を行 っているが、こうした活動について広く知っていただくため、助成対象となった研究者による 講演会を開催した。

【維持管理・園内サービス】

再整備計画により8月から弁天門が閉鎖となり、来園者の動線がこれまでと大きく変わった。

そのため、園内サインの見直しやベンチや野外卓の移動を行い、来園者の負担軽減に努めた。

また、2月に東食売店が閉店となり、4月からは東園食堂が閉店となるため、代替措置として、

繁忙日にケータリングカーによる食事の提供を実施した。

夏には昨年同様にデング熱に関する注意喚起を行ったほか、入園者に対し防虫スプレーの提 供などの対策を行った。また、危機管理対策では心肺蘇生法(CPR)とAED使用法の講習を独自に 行えるよう、レサシアン人形と訓練用のAEDを導入したほか、震災時備蓄品としてのレスキュ ーシートを準備した。

園内維持管理としては、ゴリラ舎のパーゴラと東園の外周などの補修を行なったほか、園路 の不陸部分の舗装や、園内樹木の枝処理など、利用者の快適性の向上と安全確保に努めた。ま た、昨年度に引き続き上野公園内で開催された「創エネあかりパーク2015」に協力し、東園の 開園時間1時間延長と、表門前への動物型電飾の設置を行った。

園内サービスとしては、近年増加傾向にある外国人来園者への接遇力向上を目的とし、接遇 スタッフへの英会話講習を実施した。更に、多言語対応を可能とするため、タブレット端末を 利用した通訳サービスの運用を開始した。また、引き続き、入場門での外国人来園者調査やア ンケートを実施した。

1月2日からは、博物館や美術館など上野地区の文化施設と連携し、8つの施設に入場できる 共通入場券「UENO WELCOME PASSPORT」を数量限定で販売した。

昨年から継続している取り組みとして、ジャイアントパンダの残餌である笹竹を活用し、ノ ートや付箋、A4コピー用紙を作成し、エコPR活動を推進した。

3.多摩動物公園

【飼育・繁殖】

今年度も希少野生動物の飼育展示・繁殖に努めた。レッサーパンダ、キリン、ゴールデンタ ーキン、モウコノウマ、グレビーシマウマ、サーバル、ソデグロヅル等、様々な種において繁 殖に成功した。また、飼育動物の血統更新のため、国内外の動物園と連携しユキヒョウ、チン パンジー等の個体交流を実施した。

飼育関連では上野動物園よりニホンツキノワグマ2頭を移管し飼育展示を開始した。また、

ゾウの安全な飼育体制構築のため、前年度に引き続き、アメリカのゾウのトレーニングの専門 家を招聘し、準間接飼育用防護壁を用いたトレーニングの精度向上を図った。

【保全活動】

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9羽を佐渡トキ保護センターへ搬出したほか、業務委託計画に基づく定期健康診断の実施等に より佐渡での保護増殖事業に協力した。ニホンコウノトリでは、野田市との連携により、当園 より移動した個体の子孫が関東地域で初めて野外に放鳥された。また、生息域外保全の成果と して、7年ぶりのニホンイヌワシの繁殖、28年連続でのニホンコウノトリの繁殖に加え、オガ サワラシジミは2年連続飼育下で交尾に成功して第3世代まで成育している。

生物工学分野では、EIA法による糞中ホルモン測定を実施し、チーター、アジアゾウ、キョン (大島公園飼育個体)等の繁殖生理の解明に役立てている。PCR法を用いた鳥類・哺乳類の性判 別は、平成27年度には計58種318検体について実施し、新たな試みとして、孵化前の卵から採 取した血液を材料として性判別を行った。また、ミトコンドリアDNA解析では、新たな生息を 確認した地点を含むメダカ地域個体群解析、小笠原で採取されたサンプルを含むアカガシラカ ラスバトのハプロタイプ解析、園内定着を目指すゲンジボタル群の由来確認のため解析等をお こなった。これらは保全指針を決める一助となっている。

普及啓発分野では野生生物保全の重要性を伝える取り組みとして、ニホンコウノトリの野生 復帰10年の節目となる年に、コウノトリ保全フォーラムを開催し、国内及び韓国での放鳥事業 の取り組みや、域外保全の成果、研究報告などについて広く一般に情報発信を行った。

【教育普及・催物等】

年度末にライオンバス運行休止をひかえ、「さようならライオンバス~また会う日まで~」

と題して、京王バス等と連携して、1年を通してイベントや企画展を実施した。8月の夜間開園

「サマーナイト@Tama Zoo」は、12日間実施し、夕方には、従来行っていた娯楽性の高いイベ ントに替わり、「サンセットアカデミー」と称した講演会や体験型プログラム形式の教育的な イベントを実施した。

子供向けのプログラムとして、サマースクールをはじめ、工作教室を例年の倍の回数を実施 した。また、前年に引き続き登録制の「たまZOOクラブ」を5月から毎月1回計10回実施した。大 人向けのプログラムとしては「大人のための動物園」を11月に2日間実施した。

地域連携では、7月下旬から多摩都市モノレール沿線6園館スタンプラリーや日野市「浅川~

何がいるかな~」への講師派遣、東京都埋蔵文化財センターとの「縄文人」企画などを実施し た。学校教育との連携では夏季の教員研修のほかに、教員採用予定者に対する研修も実施した。

企画展示では、昨年度末からの「ネコ展」、4園巡回展「カエル学にゅうもん」、「色・彩~生物 のいろとデザインの不思議~」、「干支展(申)」などを実施した。冬季行事として恒例となっ た「サイエンズー・カフェ」は4回実施し、動物園での業務について職員と一般市民が語り合え る場となった。年度末の3月には、アフリカ諸国の大使館等の協力をえてシンポジウムや体験 イベント、物販等を含めたイベント「アフリカフェア」を実施した。

【維持管理・園内サービス】

来園者が安全安心に園内を散策できるよう、園路広場や動物展示付近の舗装補修や段差解消、

補助的な手摺の設置などを行うとともに、強風等による枝の落下事故防止の対応策として枯れ 枝除去を実施した。各動物舎の冷暖房設備やボイラー施設など、年間の定期点検で指摘された 不具合への対応を随時行った。また降雪時には、事前の準備や作業の優先順位の調整をし、速 やかな除雪作業と雪害を受けた樹木への適切な対処により、来園者の安全確保と事業の継続に 努めた。

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省エネ対策としては、ウォッチングセンターでのグリーンカーテンの設置や空調器具の更新 を行い、動物展示施設と併せて節電節水に取り組んだほか、チーター舎の照明器具をLEDに変 更するなど、より一層の節電を可能にした。

ウォッチングセンター1階のトイレでは、来園者のニーズに応え、和式便器を洋式便器へ交 換し、照明器具を補修するなど、既存トイレのリフォームを行い、施設の快適性と利用の向上 に寄与した。

その他、北園無料休憩所の閉鎖に伴う準備の一環としてのなかよし広場の舗装化や、アジア ゾウ舎内の寝室の分離化などによる飼育環境の向上を図った。

園内サービススタッフには、接遇力向上を目的に外国人来園者対応を念頭とした英会話講習、

聴覚障がい者対応を念頭とした手話講習を継続実施した。また、救命講習(赤十字救急法救急 員養成講習や上級救命講習など)に積極的に参加し、傷病者対応における初動対応としての応 急手当や搬送などの知識と技術の習得に努めた。

4.葛西臨海水族園

【飼育・繁殖】

昨年度に飼育個体数が減少し、最終的にクロマグロ1尾となったマグロ類の展示について、

原因の究明に努めるとともに、状況改善のため、外部の専門家の意見も参考に、早期展示回復 に向けた取り組みを進めた。水質関係、工事・設備関係、病原菌関係、過飽和気体関係など影 響を与えた可能性がある複数の要因について対策を講じたうえで、前年度平成27年3月末にア カシュモクザメ2尾、4月にタカサゴ約500尾、5月にハガツオ21尾及びスマ29尾を段階的に導入 して異常が無いことを確認し、6月21日にクロマグロ77尾を導入した。以降、連続した死亡は 起きず、7月14日には舛添都知事が来園し、展示回復の状況を確認された。

平成27年9月には、地中海沿岸水槽や北海沿岸水槽の展示充実のため、モナコ海洋博物館と 友好提携協定を締結し、動物交換や人的な交流などを中心とした相互の協力体制を築いた。

平成28年2月には、南極調査・採集を12年ぶりに実施し、10種96点の生物を搬入、一部は3月 16日から展示を開始した。また、フェアリーペンギンの人工孵化・人工育すうに取り組み、計 10羽の繁殖に成功し、アドベンチャーワールドとの動物交換(当園からフェアリーペンギン3 羽)により、2羽のオウサマペンギンを導入、秋から一般公開した。

東京産の両生類では、トウキョウサンショウウオ、ニホンアカガエル、シュレーゲルアオガ エル、アカハライモリを繁殖させ、カエル類については繁殖個体の展示を行った。

「水辺の自然」エリアにおいては、池沼の展示改修工事を行い、オオクチバスなどの外来生 物やアカハライモリの成体と幼体、ニホンアカガエルなど水辺の生き物たちの展示を行うとと もに、水辺環境に関するパネルを作成・設置することにより普及啓発の充実を図ったほか、コ ウノトリ、タンチョウの展示施設では、12月にクロツラヘラサギ7羽を新たに導入した。

また、小笠原父島で生物採集を行うとともに、ユウゼンの生態調査では、新たに夜間観察を 行うなど、これまでも取り組んでいることも含めて継続的に活動に実施している。

【保全活動】

保全活動として、井の頭自然文化園、多摩動物公園、上野動物園と共同でアカハライモリや

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究所と連携し地元の市立連光寺小学校への体験授業を通年で実施するなど、普及活動とともに 生息地での保全活動に年間を通して取り組んだ。また、「東京めだか」では生息の確認・情報提 供があった地点などからサンプリングを行い、DNA分析調査を行っている。

トビハゼは、展示水槽内での繁殖に取り組むとともに、荒川河口と東なぎさにおける生息調 査も実施した。また、東京湾奥周辺でトビハゼ保全活動に取り組む博物館、民間企業やNPO の団体等による「トビハゼ保全施設連絡会」を水族園が事務局となり引き続き実施し、夏には、

江戸川放水路において、連絡会のメンバーが協力して解説を行うトビハゼ観察会を行った。

また、「ゼニタナゴ」においては、屋外水槽を設置し、9~10月にかけて二枚貝を用いて採卵 を行った。

【教育普及・催物等】

今年度は移動水族館事業の実施が本格的にはじまり、一般公募のための募集要項などの作成 や事業を円滑に進めるための体制づくりを行った。また、障がいや病気などのために来園する ことが難しい方々のいる特別支援学校、病院、社会福祉施設、及び教育を目的としたイベント 等を対象に、海の生き物に親しむ機会を提供する移動水族館事業を実施した。

園内外の教育活動では、特設展示や講演会、教育プログラムの開発・実施、既存教育プログ ラムの見直しと更なる充実に継続的に取り組んだ。

特設展示としては、トビハゼをテーマに「はまったらぬけだせない?! 干潟の誘惑──東京 湾のトビハゼとその仲間たち」を開催し、トビハゼの生態や保護活動などを紹介した。講演会 は、「小笠原の今を知る」をタイトルに、研究者や小笠原の写真家を講師とし、4園連携の講演 会を行った。また、「水草はなぜ水中で生きられるのか?─陸上生活と決別した植物の進化物 語」や「大人のためのスイート講演会 あきらめないオス したたかなメス」などの講演会を 外部講師を招き開催した。

教育プログラムとしては、毎年実施している高校生向けの連続講座「海の学び舎」に加え、

幼児向けのシリーズプログラム「進め!海のいきものたち」、小学校3・4年向けのシリーズプ ログラム「海のあそびや」を昨年度に引き続き実施した。一部のプログラムについては、外部 の助成金を使用し、プログラムの改善につながる評価研究を東京大学の協力のもと行った。フ ィールドプログラムにも積極的に取り組み、シリーズフィールドプログラム「東京の海を知る」

では、葛西海浜公園の「西なぎさ」や「東なぎさ」のほか、新たに千葉県の富津や静岡県の網 代でも観察会を実施し、「食べる」という側面から東京の海の魅力を伝えた。「西なぎさ」では、

その他にも小学校教員向けのセミナーなどを実施した。

水槽周りの情報をより充実させ、わかりやすくするため多言語化にも取り組み、「深海の生 物」コーナーなど、一部のエリアで情報サイン改修を行った。また、レクチャールーム(各種 団体ガイドや講演会等で使用)の改修を行い、明るく親しみやすい雰囲気となった。

その他、夏の開園延長時の「ナイト・オブ・ワンダー」、障がい者向けの「ドリーム・ナイ ト」、開園記念イベント「3 species in 3 days」を実施し、多くの参加者で賑わった。また、

昨年に引き続き大人限定のガイドツアーなど、幅広い来園者が楽しめ、学べる普及活動を行っ た。

【維持管理・園内サービス】

来園者の安心・安全対策として、敷石が不安定な箇所があり危険であったペンギンテラスの

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補修工事を行なった。また、アクアシアター上部パネルに、腐食による落下の危険性があった ことから、該当パネルの更新工事を実施したほか、ゲート棟からガラスドームへの通路の壁面 部を再塗装し、景観の向上を図った。

また、夏季における園内サービスの一環として、観覧通路・無料休憩所における扇風機によ る送風(夏季空調温度抑制対策による冷房補助対策)、無料休憩所外周窓の緑のカーテン(リ ュウキュウアサガオ)による緑陰の提供、空の広場における間欠式散水による来園者への輻射 熱対策、ミスト扇風機の導入(水の広場売店周辺、売札所)、氷柱の設置(ゲート棟)、よしず テントの設置(ペンギンテラス、レストランテラス)、更に氷の彫刻イベントの実施など来園 者への涼感の演出及びサービスを継続的に行っている。

また、外国人来園者に対する接遇力の強化を目的として、案内カウンターにタブレット端末 による通訳サービスを導入したほか、案内スタッフの語学講習を実施した。

5.井の頭自然文化園

【飼育・繁殖】

本年度の飼育・繁殖について特筆すべきは、哺乳類でニホンリス69頭、鳥類ではオシドリが 32羽が繁殖したことである。また、アジアゾウ「はな子」は国内最高齢記録を更新し69歳とな り、例年実施していた「お祝い会」を3月21日に実施する予定であったが、「はな子」の体調の 急変により、直前になって中止となった。

【保全活動】

ツシマヤマネコの保護増殖事業では、日本動物園水族館協会が策定した飼育下繁殖計画にお けるツシマヤマネコの「人工繁殖推進施設」として、人工授精の実施に取り組んできた。昨年 度は精液注入のためメスを開腹したところ子宮水腫がみつかり、実施を中断せざるを得なかっ たが、今年度は無事に実施することができた。しかしながら妊娠にはいたらなかった。

東京産両生類は、4園が連携して飼育下繁殖の技術向上と野外採集にできるだけ依存しない 展示の維持に努めている。トウキョウダルマガエルは低温下で越冬させることで、2年連続で 繁殖に成功した。アズマヒキガエルは、ニホンヒキガエルとの亜種間交雑のない多摩動物公園 内産の個体群を新たに保全対象として、上野動物園、葛西臨海水族園と共に飼育下繁殖の取り 組みを開始した。

【教育普及・催物等】

統一感のあるデザインと分かりやすい情報ラベル等の作成を継続し、動物園からの情報発 信を行った。また、国連生物多様性の10年日本委員会が取り組む「MY行動宣言」について、

様々な媒体を通して情報発信をするように努めた。その一環として、園内の身近ないきもの を探し、楽しみながら自然に親しみ、知ってもらう「いきもの広場で遊ぼう」の活動が、同 委員会が主催する「生物多様性アクション大賞2015」のふれよう部門の優秀賞を受賞した。

他にも、10月には、ヤマネコや野生動物保全に関連した団体と共同で、「ヤマネコ祭」を3日 間にわたり開催し、ヤマネコに関する様々な普及啓発を行った。

毎年、春・夏・年末年始にはオリジナリティの高いスタンプラリーを開催し、子供たちも楽

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当園は、夜間開園を実施していないが、夜の動物園を紹介する取組みとして、夏の怪談スタ ンプラリー関連企画の妖怪工作と夜の動物園巡りを組み合わせた「もののけワークショップ」

を開催した。また、「夜の身近ないきもの探検」では、夜活動するいきものを園内で観察する プログラムを実施した。

教育プログラムとしては、教員向けセミナーや小学生対象のサマースクールに加え、4日間 連続の講座「大学生のためのズーカレッジ」を開講した。その他、日本獣医生命科学大学や東 京農工大学の学生の受け入れを、積極的に行った。

資料館での企画展は、耐震補強工事に伴い資料館が閉鎖されたため、平成27年5月までの短 期間であったが「4園巡回企画展・カエル学にゅうもん」を実施した。これは非常に好評で、一 部の展示物については、茨城県自然博物館に貸与した。また、夏休み期間中に「井の頭自然文 化園で見つけたちいさないきものたち展」を実施した。水生物館では、「外国の魚だけじゃな い! 国内外来魚問題」「田んぼがふるさと トウキョウダルマガエル」「かいぼりで変える変わ る井の頭池」の3回の特設展示を実施した。

彫刻館では、visitほっとZooキャンペーンの一つとして、平成28年1月から「ひかりのカケ ラたち─Atelier naori ステンドグラス作品展」を、2月下旬から『Art and the Zoo Vol.2

「身近な生き物たち」』を開催した。

自然観察会は園内の生物をさがす「身近ないきもの探検」、「親子で井の頭池たんけん」、園 外では都立野川公園での「親子で川遊び」や、長野県茅野市運動公園のニホンリス観察会を実 施した。他にも高尾山での観察会を予定していたが、雨天で中止になった。

講演会はヤマネコ祭で、2題/日×3日、計6題のヤマネコ関係の講演を行った。また、野生生 物保全センター・葛西臨海水族園と連携して、「身近な水辺保全講演会」を実施した。

地域との連携では、武蔵野市や三鷹市の地域団体主催の催しへのモルモットふれあいコーナ ーの出張を行った。また、地元吉祥寺のいくつかの商業施設との連携企画も実施し、動物園事 業の普及啓発に努めた。

例年実施している文化園コンサートは、2月に4回開催した。

【維持管理・園内サービス】

動物園(本園)では、吉祥寺通り沿いの樹林地管理計画を策定し、計画に沿った高木剪定を 実施した。また、ヤマドリ舎周辺園路の段差の著しい部分や降雨時に水溜りとなる箇所の舗装 の打ちかえ補修を行い安全対策等に努めた。

水生物園(分園)では省エネルギーと観覧環境の改善のため水生物館観覧通路の照明設備を LED照明に更新した。また弁天池のかいぼり作業時期に合わせ、浮橋下の痛んだ魚網を張替え る補修を行い水鳥の脱出防止対策向上を図った。

植栽管理では枯れ枝や折れ枝の巡回強化を継続し、集中的に危険枝の除去を行った。また、

園内の植物の見どころを掲載した「花ごよみ」と「二十四節気のカレンダー」を園内とホーム ページで掲出したほか、植物ガイドツアーを7回行い、園の魅力向上に努めた。

桜花期の開園時間延長は、桜の開花予想にあわせて行った。また、吉祥寺駅周辺の商業施設 オープンなどで利便性が向上した駅の構内にデジタルサイネージ広告を掲示したほか、近隣企 業との相互広告企画も実施した。

また、外国人来園者への接遇力向上を目的として、園内サービススタッフへの英会話講習を 実施した。

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Ⅱ.事業実績

〔1〕動物飼育及び展示業務

1.展示動物の収集・管理

(1)動物収集業務

国内外の飼育動物等の情報収集に努め、動物交換、共同繁殖のための動物貸借(BL:ブリ ーディングローン)、動物購入等を積極的に行った。

【主な収集動物】

園 名 種 名 数量 区分 摘 要

恩 賜 上 野 動 物 園

ホッキョクグマ 1 借受 札幌市円山動物園 カバ 1 借受 愛媛県立とべ動物園 ムササビ 1 交換 飯田市動物園 モズ 1 採集 山梨県富士吉田市 オオアナコンダ 1 贈与 須磨海浜水族園

多 摩 動 物 公 園

シマオイワワラビー 2 借受 ひびき動物ワールド カワネズミ 3 採集 奥多摩町

ユキヒョウ 1 交換 カナダ・トロント動物園 シロフクロウ 1 借受 秋田市大森山動物園 ハチクマ 1 所換 東京都環境局

葛 西 臨 海 水 族 園

オウサマペンギン 2 交換 アドベンチャーワールド マオナガ 3 採集 網代定置網

クロマグロ 77 購入 高知県幡多郡大月町 ランプサッカー(稚魚) 52 交換 デンマーク

カットガットセンター ガウディーノトセン 5 採集 南極

井の頭自然文化園

ニホンリス 2 交換 東武動物公園 オシドリ 2 贈与 相模原麻溝公園 ツクシガモ 2 交換 高知県立のいち動物公園 クサガメ 13 採集 井の頭池

ゲンジボタル 99 譲受 個人

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(2)動物管理業務

動物台帳の管理を適正に行ったほか、国内外における稀少種血統登録への参画や国際種情報 システム機構(International Species Information System)への加盟により、動物管理事務の強化 を図るとともに、持続可能な個体群管理に向けた取り組みを進めている。

【展示動物飼育数】(平成28年3月31日現在)

園名 類 目 科 種 点 備 考

上 野

哺 乳 類 17 58 108 1,236

鳥 類 20 57 145 572

は 虫 類 5 32 80 270

両 生 類 2 18 38 335

魚 類 6 6 8 154

無 脊 椎 動 物 1 1 1 50

計 51 172 380 2,617

多 摩

哺 乳 類 10 30 61 614

鳥 類 18 29 100 1,197

は 虫 類 1 4 6 15

両 生 類 2 2 2 64

魚 類 3 3 14 469

無 脊 椎 動 物 27 62 120 20,613 昆虫網膜翅目の社会性昆虫1 12群と昆虫綱ハチ目の 社会性昆虫112群含む

計 61 130 303 22,972

葛 西

哺 乳 類 0 0 0 0

鳥 類 5 5 9 267

は 虫 類 1 2 3 30

両 生 類 2 6 10 443

魚 類 31 136 485 13,403

無 脊 椎 動 物 69 181 488 58,758

計 108 330 995 72,901

井 の 頭

哺 乳 類 8 16 26 506

鳥 類 15 24 72 345

は 虫 類 2 6 11 40

両 生 類 2 8 13 443

魚 類 8 12 42 1,909

無 脊 椎 動 物 7 14 17 524

計 42 80 181 3,767

合 計 102,257

(21)

2.飼育展示・調査研究

(1)日常飼育業務

動物の健康と飼育環境管理を適正に行い繁殖に努めるとともに、創意工夫により、動物の特 性を引き出すための展示改善を積極的に行った。

① 主な繁殖動物

園名 動 物 名 出産・孵化数

オス メス 不明 計 備考

上 野

アイアイ 2 2

アビシニアコロブス 2 2

ケープペンギン 6 6

ベニイロフラミンゴ 1 1

ミツヅノコノハガエル 10 10 育成数

多 摩

ライオン 1 3 3 7

モウコノウマ 2 2

グレビーシマウマ 1 1

ゴールデンターキン 2 2

ヒシクイ 1 1 2

葛 西

フンボルトペンギン 2 2 フェアリーペンギン 6 3 4 13

タツノオトシゴ 11 11

トビハゼ 70 70

ツチガエル 約90 約90 育成数

井の頭

オリイオオコウモリ 2 2

シマアジ 1 2 3

トウキョウダルマガエル 約100 約100 育成数

イトヨ 約150 約150 育成数

タガメ 約40 約40 育成数

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② 主な展示改善

園 名 主な展示改善の件名 内 容

恩 賜 上 野 動 物 園 合計18件

ニホンザルの展示の工 夫

サル山で夏季にはシャワー設置し、冬季に はプールにワラを敷き詰め餌を隠すなどし て、より活発な行動を誘発した。

旧ドール舎におけるア メリカバクの展示開始

旧ドール舎を展示変更で新バク舎としてオ ープン。緑と水の豊かな放飼場でバクを展 示することで来園者の好評を得た。

小獣館における解説の 工夫

小獣館で「とぴっく君のちょっとなるほど」

と題する解説パネルを設置。展示動物の 様々な情報をわかりやすく伝えた。

多 摩 動 物 公 園 合計22件

ツキノワグマの展示開 始

展示が途絶えていたクマ舎で新たにツキノ ワグマの展示を開始。放飼場に遊具を設置 するなど、より効果的な展示を目指した。

「アジアの平原」の展示 の工夫

オオカミやモウコノウマの放飼場に日除け やミストシャワーを設置。気温が上がると 物陰に隠れる動物を観客前に誘導した。

秋の鳴く虫展における ふれあい展示の工夫

鳴く虫展の展示の一環としてコオロギのふ れあいコーナーを設置。小さな子でも触れ ることから、家族連れに好評であった。

葛 西 臨 海 水 族 園 合計17件

極地展示エリアのリニ ューアル

極地水槽の展示や解説、装飾を一新し、極 地展示をリニューアル。南極圏採集による 生物の展示も行なった。

「水辺の生き物」水槽の リニューアルオープン

カエルの合唱水槽を水辺の生き物水槽とし てリニューアル。展示や解説の工夫で、両 生類の生活などをわかりやすく伝えた。

コノシロの群れ展示

鱗がはがれやすく展示の難しいコノシロ を、採集や運搬、給餌の工夫により、渚水 槽において群れで泳ぐ姿を展示できた。

井の頭自然文化園 合計13件

ヤマネコ舎の展示リニ ューアル

ヤマネコ舎にヤマネコの様子がよく観察で きるようガラス面を設けたほか、立体的な 展示にするため倒木やロープを設置した。

メンフクロウとマウス の「生態的展示」

メンフクロウのケージ内にマウスが見える ようにしたアクリルドームを設置。フクロ ウの行動の変化を展示したほか、捕食者と 被食者の関係について解説した。

リスの小径における展 示の工夫

リスの小径に観客が中をのぞくことができ る巣箱や石積みを設置。リスの様々な姿を 間近で観察できるようにした。

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(2)研究成果の発表

動物園で得られた野生動物や教育普及活動に関する情報や研究成果等について、研究会等で 積極的に発信した。

① 恩賜上野動物園(合計19件)

発表内容 担 当 摘 要 東京都恩賜上野動物園でのニホンツキ

ノワグマ、ゴリラにおけるエンリッチメ ント

齋藤圭史 中国・北京(第12回国際エンリッチ メント会議)

在来家畜に関する保存事業について 川鍋政孝 群馬サファリパーク(第3回関東東 北・北海道合同ブロック研究会)

セバタンビヘラコウモリの毛包虫症治 療例

林笑 群馬サファリパーク(第3回関東東 北・北海道合同ブロック研究会)

ミナミコアリクイの人工保育 林笑 どうぶつと動物園 2015年夏号 ハツカネズミの夏祭り~イベントと展

示のコラボ~

鳥飼香子 狭山市智光山公園(第4回関東東北・

北海道合同ブロック動物園技術者研 究会)

餌を展示する~試行錯誤の報告~ 藤岡紘 狭山市智光山公園(第4回関東東北・

北海道合同ブロック動物園技術者研 究会)

ゼニガタアザラシに見られたスエヒロ タケ感染症

平野雄三 小樽水族館(第41回海獣技術者研究 会)

「うえのトラ大使」による環境教育の試 み

鈴木仁 千葉市動物公園(第63回動物園技術 者研究会)

動物園で行うライチョウの域外保全 渡部浩文 しずぎんホール(第16回ライチョウ 会議静岡大会)

ライチョウ生息域外保全実施計画にお けるデータロガーを用いたデータ収集 の結果報告

宇 野 な つ み

しずぎんホール(第16回ライチョウ 会議静岡大会)

乗鞍岳における産卵期の種卵によるフ ァウンダー確保経過報告

高橋幸裕 しずぎんホール(第16回ライチョウ 会議静岡大会)

New Ex site conservation: The Management of Japanese Rock Ptarmigan in Japan

宇 野 な つ み

Wildlife Reserves Singapore(The 23rd SEAZA Annual Conference)

上野動物園におけるジャイアントパン ダの繁殖の取組み

阿部展子 中国・大連(2015年ジャイアントパ ンダ繁殖技術会議)

(24)

上野動物園におけるジャイアントパン ダの飼育経過と課題

豊嶋省二 中国・大連(2015年ジャイアントパ ンダ繁殖技術会議)

オオアナコンダの脱皮不全治療 齊當史恵 わんぱーくこうちアニマルランド

(第27回日本動物園水族館両生爬虫 類会議)

動物園の役割について主体的に学びあ う活動としての飼育体験プログラムの 再構築

小川雄一 沖縄こどもの国(第56回日本動物園 水族館教育研究会)

オグロプレーリードッグの個体群形成 に向けた取り組み

吉村映里 江戸川区自然動物園(第5回関東東 北・北海道合同ブロック動物園技術 者研究会)

アジアゾウにおける性ホルモンの迅速 測定の取り組み

三塚修平 江戸川区自然動物園(第5回関東東 北・北海道合同ブロック動物園技術 者研究会)

動物園あかぽっぽニュース 坂下涼子 小笠原村母島村民会館体育館・父島 地域福祉センター(あかぽっぽの日 の集い)

② 多摩動物公園(合計22件)

発表内容 担 当 摘 要 トノサマバッタ3000匹を一年中飼育す

るために

田中陽介 群馬サファリパーク(第3回関東東 北・北海道ブロック研究会)

多摩動物公園のテンジクネズミ群にお ける体重増加と病歴について

林亜紀 群馬サファリパーク(第3回関東東 北・北海道ブロック研究会)

サバンナエリアにおける混合飼育につ いて

志田昌信 群馬サファリパーク(第3回関東東 北・北海道ブロック研究会)

Artificial Breeding in The Amur and The Tsushima Leopard Cat

吉澤円 台湾・台北動物園(絶滅のおそれの ある小型肉食類の繁殖と野生復帰に 関する国際会議)

オオコノハズク展示場における巣箱カ メラの設置について

中島亜美 智光山公園(第4回関東東北・北海道 合同ブロック動物園技術者研究会) 都立公園を中心とした多摩地域のハル

ゼミの生息状況と保全の可能性

池田正人 都立神代植物公園(第3回多摩丘陵 里山連絡会)

【短報】東京都日野市におけるアカマダ ラハナムグリの記録

田中陽介 日本甲虫学会「さやばねニューシリ ーズ」No.19

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アブラコウモリ及びヒナコウモリの体 重の季節変化、冬眠との関係の事例紹介

中島亜美 ヤンゴン動物園自然史博物館(8th International Annual Meeting of ASCM in Myanmar 『アジア野生動物 医学会』)

チーターで発生した顔面変形を伴う真 菌症の一例

吉澤円 千葉市動物公園(第63回動物園技術 者研究会)

スバールバルライチョウ発生卵におけ る孵化前診断

石井淳子 静岡市役所(平成27年度第1回ライチ ョウ域外保全研究会)

Maintaining a population of orangutans and chimpanzees at Tama Zoological Park - challenges and future initiatives

冨田恭正 台 北 動 物 園 (2015 Conference on Regional Species Management Programs)

イヌワシの繁殖 新たなペアづくりの 成果

石井淳子 どうぶつと動物園2015秋号

ライオンの群れ展示 群れづくりから 新世代の誕生まで

松 井 由 希 子

どうぶつと動物園2015秋号

MOLE EXHIBIT at TAMA ZOOLOGICAL PARK 熊谷 岳 Wildlife Reserves Singapore(The 23rd SEAZA Annual Conference)

ソデグロヅルを増やす 土屋泉 ホテル日航熊本、熊本県民交流館パ レア(第19回種保存会議)

動物園と自然保護団体が連携すること の利点 -企画展「草原の小さな住人カ ヤネズミ~身近な自然を見つめ、調べ、

支えていく~」の実施から-

池田正人 日 本 動 物 園 水 族 館 教 育 研 究 会 誌 Vol.22:33-37

多摩動物公園と東京都埋蔵文化財セン ターの共同プログラムの実施―地域の 歴史を自然科学の目で見るー

池田正人 第56回日本動物園水族館教育研究会

多摩動物公園のカミキリムシ類の追加 記録

櫻井博 西多摩昆虫同好会「うすばしろ」第 47号

ヨナグニモリバッタの黒化個体を飼育 下で確認

田中陽介 月刊むしNo.538

ヤマアカガエルの水槽内繁殖 橋本浩史 江戸川区自然動物園(第5回関東東 北・北海道合同ブロック研究会)

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12年ぶりのサーバル繁殖の取り組み 新崎慶太 江戸川区自然動物園(第5回関東東 北・北海道合同ブロック研究会)

昆虫園のチョウは蜜皿を利用している か?~種ごとの利用頻度と先にいるチ ョウの影響~

田中陽介 大阪府立大学(日本昆虫学会第76回 大会・第60回応用動物昆虫学会合同 大会)

③ 葛西臨海水族園(合計15件)

発表内容 担 当 摘 要 小型生物観察誘導を目指した アマモ小

型水槽の新設について

三浦絵美 すみだ水族館(平成 27 年度関東東 北・北海道ブロック合同水族館技術 者研究会)

房総半島沖野島海底谷の海底地形・地質 および生物の目視観察-NT12-22 次航海 ハイパードルフィン#1426 潜航潜水調 査報告-

三森亮介 神奈川県立博物館研究報告(自然科 学)45 号

東京湾のトビハゼ~北限の生息域での 現状~

田辺信吾 東京スクエアガーデン(シンポジウ ム 生き物がよみがえってきた江戸 前の海)

地域と連携したトビハゼ保全と教育普 及活動

田辺信吾 沖縄こどもの国(第 56 回 日本動物 園水族館教育研究会)

移動水事業の実施において見えてきた 効果と課題

雨 宮 健 太 郎

沖縄こどもの国(第 56 回 日本動物 園水族館教育研究会)

群れ飼育における老齢個体の健康管理 について

野島大貴 江戸川区自然動物園(第 3 回関東東 北・北海道合同ブロック動物園技術 者研究会)

コガタペンギンの人工孵化・人工育雛に よる個体数回復の取り組み

野島大貴 江戸川区総合文化センター(第 24 回 ペンギン会議全国大会)

コガタペンギンの人工孵化・人工育雛に よる個体数回復の取り組み

山本達也 千葉市動物園(第 63 回動物園技術者 研究会)

誰に・何を・どのように伝えるか 葛西 臨海水族園の海洋教育プログラムデザ イン

天野未知 東京大学本郷キャンパス(第3回全 国海洋教育サミット)

人と自然をつなぐ-水族館ができる教育 活動

天野未知 博物館研究 vol.50 No.11

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トウキョウダルマガエルの繁殖 児玉雅章 わんぱーくこうちアニマルランド

(第 27 回日本動物園水族館両生類 爬虫類会議)

東京にメダカをさがす 河原直明 兵庫県豊岡市じばさん TAJIMA(第 15 回全国めだかシンポジウム)

魚類の繁殖生態の多様性をテーマとし た水族館の教育プログラム

多田 諭 近畿大学奈良キャンパス(2015 年度 日本魚類学会年会)

誰に・何を・どのように伝えるか 葛西 臨海水族園の海洋教育プログラムデザ イン

天野未知 東京大学本郷キャンパス(日本海洋 学会 2016 年度春季大会)

小型加圧水槽システムの開発とその利 用について

小味亮介 鶴岡市立加茂水族館(第 25 回日本動 物園水族館設備会議)

④ 井の頭自然文化園(合計10件)

発表内容 担 当 摘 要

ニホンリスの成長過程を調べる 赤裸の 子が独り立ちするまで

高 松 美 香 子

どうぶつと動物園 2015年夏号

Ex Situ Conservation of Tsushima Leopard Cat By The Cooperation With JAZA And MOE

堀秀正 台湾・台北動物園(絶滅のおそれの ある小型肉食類の繁殖と野生復帰に 関する国際会議)

ア ム ー ル ヤ マ ネ コ ( Pionailurus bengalensis eutilura)の精巣上体尾部精子 の回収直後および凍結融解後の性状

田 島 日 出 男

北里大学獣医学部(第158回日本獣医 学会学術集会)

たまごハウスの設置 野本寛二 智光山公園こども動物園(第2回関東 東北・北海道合同ブロック動物園技 術者研究会)

メンフクロウとマウス(ハツカネズミ)

による生態系展示

室 伏 三 喜 男

智光山公園こども動物園(第2回関東 東北・北海道合同ブロック動物園技 術者研究会)

タヌキの展示改善事例 大西一馬 智光山公園こども動物園(第2回関東 東北・北海道合同ブロック動物園技 術者研究会)

THE CONSERVATION ACTIVITIES FOR THE JAPANESE FIRE BELLY NEWT

金原功 Wildlife Reserves Singapore(The 23rd SEAZA Annual Conference)

ニホンコウノトリの個体群管理を推進 するために(ポスター発表)

大橋直哉 ホテル日航熊本、熊本県民交流館パ レア(第19回種保存会議)

(28)

地域の団体や個人が連携した「いのけ ん:井の頭公園検定」

馬島 洋 沖縄こどもの国(第56回日本動物園 水族館教育研究会)

動物園が取り組む水辺の生き物保全 大橋直哉 小笠原村母島村民会館体育館・父島 地域福祉センター(あかぽっぽの日 の集い)

(3)共同研究

大学や研究機関と協力し、動物学、獣医学等の学術的な見地から共同研究を進めた。

提 携 先 提 携 園 研究テーマ 東京大学博物館 東京動物園協会 希少動物の保全、研究及び教育

東京大学大学院農学生命 科学研究科

東京動物園協会 希少動物の保全、研究及び教育

首都大学東京 東京動物園協会 希少動物の保全、研究及び教育

日本獣医生命科学大学 東京動物園協会 希少動物の保全、研究及び教育

東京大学海洋アライアン ス海洋教育促進研究セン ター

東京動物園協会 海洋教育促進

東京農工大学 東京動物園協会 希少動物の保全、研究及び教育

独立行政法人 森林総合 研究所

東京動物園協会 イモリの保全及びその生態学的研究

東京大学大学院農学生命 科学研究科

恩賜上野動物園 希少動物の獣医衛生に関する研究(獣医病理学)

日 本 獣 医 生 命 科 学 大 学 動物生産化学教室

恩賜上野動物園 ライチョウの域外飼養技術の開発に関する研究

-飼育飼料の検討-

鹿児島大学共同獣医学部 獣医学科

恩賜上野動物園 ゴリラの飼育管理を目的としたストレス評価に 関する共同研究

日 本 獣 医 生 命 科 学 大 学 動物生産化学教室

恩賜上野動物園 アカガシラカラスバトの域外飼養技術に関する 研究-飼育飼料の検討-

日 本 獣 医 生 命 科 学 大 学 動物生産化学教室

恩賜上野動物園 飼育飼料成分のデータベース化による動物園動 物栄養管理システムの構築に関する共同研究 日本蛇族学術研究所 恩賜上野動物園 ヘビ類の飼育管理向上を目的とした粉末式人工

飼料に関する共同研究

京都大学霊長類研究所 恩賜上野動物園 ジェントルキツネザル腸内細菌叢の遺伝解析に 関する共同研究

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京都大学霊長類研究所 恩賜上野動物園 ハリモグラの化学感覚受容体遺伝子の解析に関 する共同研究

岐阜大学 恩賜上野動物園 希少動物の保全繁殖

多摩動物公園 希少動物の繁殖生理の内分泌モニタリング

多摩動物公園における希少動物の性ホルモン分 析技術の推進

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(4)飼育展示・教育普及研究会の開催

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3.動物病院業務

飼育職員と連携して病気等の予防策を講じるとともに、異常の早期発見に努め、適切な治療 を行った。また、検疫業務、病理解剖、検体の保存等を行った。

【診療件数及び検疫件数】 (単位:件)

園 別 治療 病理解剖 年間検疫件数 種数 頭数 恩賜上野動物園 14,769 101 50 384 多摩動物公園 12,715 63 37 68

葛西臨海水族園 218 30 0 0

井の頭自然文化園 6,347 67 23 50

※葛西臨海水族園については、上野動物園の動物病院においても実施。

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