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事 業 報 告 書

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平 成 2 8 年 度

事 業 報 告 書

公益財団法人 東京動物園協会

(2)
(3)

目 次

第1 運 営 の 概 要

Ⅰ.運 営 概 要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1

Ⅱ.決 算 概 要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2

Ⅲ.組 織 概 要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 第2 公 益 目 的 事 業

Ⅰ.事 業 総 括 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6 〔1〕決 算 額 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6 〔2〕管 理 施 設 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6 〔3〕主 な 実 施 事 項 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6

Ⅱ.事 業 実 績 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17 〔1〕動 物 飼 育 及 び 展 示 業 務 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17 〔2〕野 生 生 物 保 全 業 務 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 36 〔3〕教 育 普 及 業 務 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 38 〔4〕受 託 業 務 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 71 〔5〕市 民 ・ 団体 と の協 働 業 務 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 73 〔6〕危 機 管 理 対 策 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 81 第3 収 益 事 業

Ⅰ.事 業 総 括 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 83

Ⅱ.事 業 実 績 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 84 〔1〕便 益 施 設 等 の 経 営 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 84 〔2〕そ の 他 の 事 業 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 85 第4 事 務 報 告

Ⅰ.役 員 会 議 の 開 催 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 86

Ⅱ.監 査 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 87

Ⅲ.人 事 関 係 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 88

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第1 運 営 の 概 要

Ⅰ.運 営 概 要

新たな指定管理期間の初年度として、都立動物園・水族園4園が個性を存分に発揮するとともに、

一体運営の強みを活かして、人と動物の共存への貢献、来園される方々への感動と上質なサービス の提供による、首都・東京に相応しい動物園・水族園を目指し、各事業を展開した。

第一に、生物多様性保全の拠点として、各園で希少動物の繁殖を成功させたほか、研究教育機関 と連携して研究・調査、生息域内・域外保全、保護増殖・野生復帰事業等に取り組み、高度な飼育 繁殖技術の継承・蓄積に努めた。また、移動水族館によるアウトリーチ活動や、魅力的な企画展の 開催等により教育プログラムの充実に努め、生物多様性保全に向けた気運の向上に努めた。

第二に、夏季の夜間開園や、鉄道事業者と連携した「Visit ほっと Zoo」の実施、「UENO PLANET」

など ICT を活用した積極的な情報発信により来園者確保を図るとともに、案内サインの多言語化 や語学力向上等により外国人来園者への対応力を高めるなど、動物園・水族園の魅力向上を図った。

第三に、危機管理規程の整備や、テロ対策の取組み、BCP訓練・一般公募型避難誘導訓練の実施 等により、様々な危機への対応力を高めた。また、ウェブサイト「東京ズーネット」への不正アク セスによる個人情報流出を猛省し、情報セキュリティ体制を再構築し、再発防止を徹底した。

第四に、園内整備工事に伴う施設の一時閉鎖等があるなか、来園者の安全管理を徹底した上で、

「おもてなし」の気持ちが伝わる接遇の推進や、催事や展示と連携した魅力的な商品・メニューの 提供等により、来園者サービスの向上に努めた。

各事業における今年度の主な取組み事項は、以下のとおりである。

事業区分 主 な 実 施 事 項

公 益 目 的 事 業

(1)世界的な希少動物であるチーター、ゴールデンターキンなどの繁殖や、絶滅危 惧種であり、国の特別天然記念物である日本産ライチョウの孵化に成功した。

(2)タスマニア州政府が進める教育普及プログラムに参加し、アジアでは唯一とな るタスマニアデビルの飼育展示を開始した。

(3)小笠原諸島世界自然遺産登録5周年記念講演会やアイアイ来園15周年記念講演 会、ツシマヤマネコの保全活動を紹介する「ヤマネコ祭2016」など時節に応じた 企画プログラムを展開し、教育普及活動の充実を図った。

(4)「ドリームナイト・アット・ザ・ズー&アクアリウムin Tokyo」や、移動水族 館事業などにより、誰もが動物園・水族園の魅力を感じられる取組みを推進した。

(5)夏季の夜間開園、正月イベント、「アフリカフェアin多摩動物公園」など季節 ごとに様々な催事を4園で開催し、年間を通じた園の魅力向上に努めた。

(6)情報セキュリティの強化のための規程整備やシステム改修を実施したほか、鳥 インフルエンザに適切に対応するなど、様々な危機への体制構築を進めた。

収 益 事 業

(1)園内整備工事や施設の一時閉鎖等によるサービス低下を防ぐため、状況に応じ て柔軟な販売対応をおこなった。

(2)訪日外国人等をふくむ多様な来園者への接遇力向上のため、各種研修を実施す るとともに接遇環境の整備を進めた。

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Ⅱ.決算概要

(正味財産増減計算書)

(単位:千円)

科目 公益目的

事業会計

収益事業

会計 法人会計 合計

Ⅰ 一般正味財産増減の部 1.経常増減の部

(1)経常収益

基本財産運用収益 2,460 ― 3,716 6,176

特定資産運用益 2 ― ― 2

受取会費 6,497 ― ― 6,497 事業収益 35,374 2,597,697 ― 2,633,071 受取寄付金 11,757 ― ― 11,757 受取委託料 5,444,270 ― 170,869 5,615,139 雑収益 12,526 11,486 850 24,862 経常収益計 5,512,887 2,609,182 175,435 8,297,504

(2)経常費用

事業費 5,596,144 2,427,377 ― 8,023,521 管理費 ― ― 276,472 276,472 経常費用計 5,596,144 2,427,377 276,472 8,299,993

評価損益等 0 0 0 0

当期経常増減額 △83,256 181,805 △101,037 △2,489 2.経常外増減の部

(1)経常外収益 4,494 7,848 1,966 14,308

(2)経常外費用 882 3,444 1,151 5,478 当期経常外増減額 3,612 4,404 815 8,830 他会計振替額 70,000 △169,569 99,569 0 税引前当期一般正味財産額 △9,644 16,639 △653 6,341 法人税等

法人税等調整額

1,000 2,754

1,000 2,754 当期一般正味財産増減額 △9,644 12,886 △653 2,588 一般正味財産期首残高 368,285 1,175,240 289,605 1,833,130 一般正味財産期末残高 358,641 1,188,126 288,952 1,835,718

Ⅱ 指定正味財産増減の部

受取寄付金 12,353 0 0 12,353 一般正味財産への振替額 10,915 0 0 10,915 当期指定正味財産増減額 1,437 0 0 1,437 指定正味財産期首残高 76,799 0 0 76,799 指定正味財産期末残高 78,236 0 0 78,236

Ⅲ 正味財産期末残高 436,877 1,188,126 288,952 1,913,954

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Ⅲ.組 織 概 要

〔1〕協会の機構

○ 総 裁 常陸宮正仁親王殿下

○ 会 長 貫 洞 哲 夫

機関名 名 称 人数等 摘 要 1.議決・監督

機関 評 議 員 会 16 名

2.執 行 機 関

理 事 会 11 名 常務理事を含む

理 事 長 0名

常 務 理 事 2名 内1名 代表理事

参 与 3名

事 務 局 4部 13 課 47 係

3.諮 問 機 関 顧 問 7名

4.監 査 機 関 監 事 3名

5.協 力 機 関

賛 助 会 員 5名

準 会 員 2,994 名 東京動物園友の会会員

(員数は平成 29 年3月 31 日現在)

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〔2〕事務局組織

【事 務 局】

総 務 部 総 務 課 庶 務 係 職 員 係

事業調整担当部長 経理第1係

経理第2係 運営企画課 経営企画係 協働事業係 制作広報室 営 業 課 利用促進係 商品開発係 施 設 課 維持計画係

恩賜上野動物園施設係 多摩動物公園施設係 葛西臨海水族園施設係 井の頭自然文化園施設係 恩賜上野動物園 教育普及課 管 理 係

教育普及係 子供動物園係 飼育展示課 調 整 係

東園飼育展示係 西園飼育展示係 は虫類館飼育展示係 動物病院係

事 業 課 業 務 係 案 内 係 販 売 係 多 摩 動 物 公 園 教育普及課 管 理 係 教育普及係 昆虫園飼育展示係 飼育展示課 調 整 係

南園飼育展示係 北園飼育展示係 動物病院係

野生生物保全センター 事 業 課 業 務 係

案 内 係 販 売 係 葛西臨海水族園 飼育展示課 管 理 係 教育普及係 飼育展示係 調 査 係 事 業 課 業 務 係 案 内 係 販 売 係 井 の 頭 管 理 係 自然文化園 教育普及係 飼育展示係

水生物館飼育展示係 参 与

理 事 長

常務理事

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〔3〕事務局職員数

単位:人)

固有職員 都派遣職員 合 計

職 員 嘱託員 計 職 員 再雇用 計 職 員 嘱託員

再雇用 合 計

187 131 318 111 0 111 298 131 429

(平成29年3月31日現在)

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第2 公 益 目 的 事 業

都立動物園・水族園4園の指定管理者として管理運営を行うとともに、動物園事業の発展・

振興を図り、動物とその生息環境について知識を広め、人と動物の共存に貢献することを目的 に、動物飼育及び展示業務、野生生物保全業務、教育普及業務、受託業務、市民・団体との協 働業務を実施した。

Ⅰ.事業総括

〔1〕決算額

5,596,144千円

〔2〕管理施設

〔3〕主な実施事項

1.4園共通

【飼育管理】

適正な動物飼育と魅力的な展示の充実に向け、都立動物園・水族園4園間での調整を図りつ つ飼育展示業務を着実に実施するとともに、中長期的な視野に立った都立動物園・水族園の動 物収集・展示計画の策定に向け検討を進めた。また、高度な飼育繁殖技術の継承・発展を目指 して、各園で飼育研究会を定期的に開催するほか、国内外の会議・学会・研究会などへ積極的 に職員を派遣し、各方面の専門家との人的・技術的交流を図り、最新の知識の習得や技術の向 上を図った。特に日本動物園水族館協会の生物多様性委員会や国際事業部などを通じてWAZA

(世界動物園水族館協会)等の国際組織とも連携し、国際的な種保存事業への貢献を推進する ことで世界トップレベルの飼育管理の実現に向けた取組みを進めた。

名 称 住 所 開園面積(㎡) 摘 要 恩 賜 上 野 動 物 園 台東区上野公園、池之端三丁目 142,897.89

多 摩 動 物 公 園 日野市程久保六丁目、七丁目、

南平八丁目 601,372.54 うち無料開園区域 77,508.22㎡

葛 西 臨 海 水 族 園 江戸川区臨海町六丁目 85,958.90 井の頭自然文化園 武蔵野市御殿山一丁目、

三鷹市井の頭四丁目 115,500.00

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野生生物保全センターを中心に、各園で希少種等の保全活動を推進し、平成28年度は4園で ズーストック種及び保全対象種のうち、19種の繁殖に成功した。

国内の2つの動物園が一時休園となるなど、今年は鳥インフルエンザが全国で猛威をふるっ た。このため協会内に鳥インフルエンザ対策本部を立上げ、近県発生・都内発生などの発生状 況に応じた対応指針により鳥類のふれあいや放し飼いの中止、一部鳥類の展示中止など、的確 な防疫措置を講じた。

各園の飼育動物の適正な管理を図るため導入にしている動物個体管理システムについては、

機能を拡張し、各園貸借動物の一覧表を出力できるよう取組みを進めた。

【普及啓発】

各園で、身近な野生動物に関する講演会やパネル展示等を行い、野生動物が置かれた現状に ついての普及啓発に努め、4園連携のイベントとして「アカハライモリの保全現場を訪ねる」

を引き続き開催し、都立動物園・水族園が取り組んでいる保全活動について紹介した。

小笠原諸島世界自然遺産登録5周年を記念し、海外から研究者を招き、講演会「生き物から 見る小笠原の魅力とその保全」を4園連携の企画として実施し、小笠原の自然や魅力、生息す る動物や取り巻く環境、野生生物保全の重要性を伝えるとともに、都立動物園が進める小笠原 の稀少種保全の取組みを広く伝えることができた。

平成28年9月には日本動物園水族館協会との共催により、アジア各国の動物園関係者を招聘 し「アジア動物園・水族館シンポジウム」を開催、アジア間における情報共有と連携を強化す るとともに、現代の動物園水族館の持つ課題と解決に向けた取組みを一般の方に広く伝える機 会となった。

学校教育への支援連携として実施している教員セミナーについては、授業に活かせる「動物 園・水族園」講座として、学習指導要領に沿った実践的な講義を実施した。また、東京動物園 協会野生生物保全基金を活用した取組みについて知っていただくため、助成対象活動の成果に ついて、研究者による講演会を開催した。

4園の教育普及事業を充実させるため、今後設立する予定の「教育普及センター」(仮称)に ついて、PTを設置し、センターの新設に向けた準備、検討を開始した。

【利用促進・園内サービス】

恒例となった「VisitほっとZoo」キャンペーンをはじめ、平成28年6月の多摩でのタスマニ アデビル新規公開、夏季の夜間開園、4園でのスマートフォンアプリを利用したデジタルクイ ズラリーなど、機会をとらえ4園でのキャンペーンを実施し、各種媒体を活用した効果的な広 告宣伝により都立動物園・水族園のPRに努めた。

訪日外国人来園者調査を実施し、増加しつつある海外からの来園者の動向把握に努めた。ま た案内接遇職員を中心に「外国人おもてなし研修」を実施し、語学だけでない対応力や心構え について学んだ。さらに各園で新たに繁体字の中国語園内マップを作成し、配布を開始したほ か、外国人向けタブロイド紙や、台湾人向けの日本観光情報サイトに広告を掲出するなど、更 なる訪日来園者誘致を図った。

各園の利用者満足度の把握のため実施しているブラインドモニター調査は、初めての試みと して一般公募による調査員により実施し、4園で222名から回答を得た。アンケート結果は部 署別ワークショップにおいて検討し、4園の課題と対応方針をとりまとめた。

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新宿駅西口広場行政情報掲示板に4園の年間パスポート利用促進の広告を掲出した。

【危機管理・施設維持管理】

平成28年7月に「東京ズーネット」が不正アクセスにより改ざんされると共に個人情報が漏 洩し、ホームページが一時閉鎖となる事故が発生した。これを踏まえサイバーセキュリティに 関する課題を組織全体で取り組む体制の強化を図った。個人情報の適切な管理のため、情報セ キュリティ自己点検及びパソコン端末上の個人情報等を点検・削除したほか、人的な措置とし て管理職への集合研修と全職員へのe-ラーニングを実施した。さらに技術的・物理的な措置と して、セキュリティ対策を今一度見直し、年々巧妙化するウイルスへの対策として新たな機能 を取り入れ、重要情報は守る措置を講じた。ウェブサイト管理では、WAF(Webアプリケーシ ョンファイアウォール)の導入、侵入検知装置を取り入れ、不正アクセス及び情報漏洩を防ぐ 対策を講じ、10月末より東京ズーネットの個人情報を除く機能を再開した。

各園で、災害の発生に備え、様々な訓練を実施した。総務部及び上野動物園の管理職等を対 象に、テロ対策ワークショップを開催し、世界中で高まりつつあるテロの脅威への対策を検討 した。葛西では公募により入園者役を募集し、大規模でより実践的な震災対策訓練を実施した。

また多摩と井の頭では災害発生時における事業継続のための机上訓練を実施した。

樹木の落枝による事故を防止するため、施設の点検マニュアルにより、施設担当者とそれ以 外のスタッフも加わった点検を行うことで、枯枝、落枝の早期発見、早期対応を行い、来園者 の安全を保つことができた。また、気象災害対策計画書及び雪害対策計画書に基づき、台風、

集中豪雨、大雪等への対応を行った。

省エネに向けた長期的な更新計画を策定し、既存照明のインバーター化・LED化を進めると ともに、省エネ効果の高い設備への更新を行い、環境負荷が少ない施設づくりを推進した。

園内の植物を動物園の緑の資源として活用するため、他都市の動物園職員も参加する研究会 を開催した。

2.上野動物園

【飼育・繁殖】

ジャイアントパンダは、平成29年2月中旬からメスに発情に係る行動が見られ始め、ホルモ ン値の変化も伴ってきたことから、2月22日に展示を中止し2頭の同居・交配に備えていたと ころ、2月27日に4年振りに自然交配に至った。今後は出産に向けてより一層の健康管理と行 動観察を行っていく。

ホッキョクグマは、平成28年春の繫殖期に初めてオス・メスの同居を行ったが、交尾には至 らなかった。

アジアゾウは、平成28年7月にメスのウタイの妊娠がホルモン値の変動及び超音波検査によ り確認された。その後も上野動物園での初の繁殖に向け、定期的に検査を行いながら注意深く 経過を観察してきたが、10月19日からホルモン値に異常が認められ、10月31日にはすでに死亡 している胎児が娩出され、流産という結果となった。

ニシゴリラはモモコの第4子妊娠が確定し、出産を迎える準備を進めてきた。しかし、10月

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12日に出産したが子の動く姿が確認できず、死産と考えられた。

アイアイについては、より適切な飼育環境を作るため、サンディエゴ動物園の専門家の意見 を基に展示窓の改修を実施し、飼育環境改善に取り組んだ。

また、平成28年度から環境省と日本動物園水族館協会の主体で開始されたアマミトゲネズミ の生息域外保全に参加することとし、平成29年1月12日に奄美大島から4頭を搬入した。

【保全活動】

保全対象種であるアカガシラカラスバト、ルリカケス、ライチョウなどの保全・繁殖に取り 組んだ。

アカガシラカラスバトは6羽孵化し、うち4羽が人工育雛により成育している。生息域内保 全についても小笠原における定期的な報告会での発表や、アカガシラカラスバトの保護に供す る施設建設に対し技術的指導を行うなど、積極的に活動を行った。

ルリカケスは、平成28年の奄美大島での繁殖期における創始個体の確保のために、12月に巣 箱の設置場所変更などを実施したが、新たな個体を搬入することができなかった。平成28年3 月に繁殖した3羽は順調に成育している。

平成27年度に本格的に開始したライチョウ保護増殖の取組みは、平成28年6月3日、4日に 乗鞍岳から採卵した種卵4卵を輸送・搬入した。6月26日にこれら全てが孵化した。昨年育雛 に成功しなかったことを検証し、関係機関との連携を一層密にし取り組んだ結果、現在まで全 羽順調に成育している。

日本獣医生命科学大学との共同研究により、ライチョウ、アカガシラカラスバトの飼料に関 する研究を継続実施した。

【教育普及・催物等】

平成29年度オープン予定の新子ども動物園(仮称)に向けた新たな教育活動として、平成28 年4月~11月まで台東区・文京区の幼稚園・小学校対象に実施時間を延長した団体指導の新プ ログラムを試行した。また、8月から3月の間、一般向けプログラムの新たな運用手法として 整理券や自動発券機を用い、時間延長と内容の充実を図る新ふれあいプログラムを試行した。

野生動物保全の必要性を多くの人に伝えるため、平成28年5月に日本野鳥の会と共催でシマ フクロウの保全の取組みに関する講演会、7月に現地の自然保護専門家を招いたマダガスカル の希少な自然に関する講演会、11月に進化生物学の専門家を招いた小笠原の生き物に関する講

演会、12月には毎年恒例となったジャイアントパンダ国際交流シンポジウムをサンディエゴ動

物園のバーバラ・デュラント博士を迎えて開催した。

外部研究機関やNPO等との連携による環境教育プログラムとして、平成25年度より実施して いた「うえのトラ大使」の第2期を平成28年8月から開始、台東区内の小学3・4年生15名を 任命し、2月には大使たちが作成した普及啓発パンフレット「すごろくで学びタイガー」のお 披露目と配布活動を行った。

年間を通じて園の魅力を伝える取組みとして、上野動物園のまだ知られざる多様な魅力を知 ってもらうスマートフォン・タブレット端末向け特設ページ「UENO PLANET」を平成29年2 月から開設した。

【維持管理・園内サービス】

表門改修工事の影響により、平成28年4月から8月上旬まで旧正門を臨時の入場門として運

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用した。また、12月にはいそっぷ橋改修工事による通行止めの代替措置として、管理通路を利 用した来園者の東西連絡を実施した。いずれも来園者の動線が従来と大きく変わったため、園 内外サイン及び園内案内図のタイムリーな更新や警備員増員などの対策を実施し、来園者の負 担軽減に努めた。

園内サービスでは、近年増加傾向にある外国人来園者の満足度向上を目的とした「おもてな しPT」を立ち上げ、課題の抽出及び検証を行った。また、平成27年度に引き続き、接遇スタ ッフへの英会話研修、タブレット端末を利用した通訳サービスの利用、入場門での外国人来園 者調査を実施し、更に「上野動物園よく使う英会話集」や「繁体字版案内図」を作成し、多言 語対応に向けた取組みを強化した。

また、平成28年2月の東食売店閉店に続き、4月から東園食堂が閉店になったことによる飲 食提供施設の補完として、東園中央広場売店における飲食品販売コーナーの拡張及び繁閑に合 わせたキッチンカーの出店を実施し、来園者の利便性向上に努めた。併せて、東園無料休憩所 の閉鎖による来園者の寒暖風雨対策として、東園内2ヶ所に大型テントを設置した。また、園 内唯一の屋内休憩施設となり利用増加が見込まれる西園無料休憩所について、座席数不足解消 のため、閉鎖となった東園無料休憩所からイス・テーブルを移設し、最大限の座席数を確保し た。

危機管理対策では、4年後に控えた「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会」に 向けて国内のテロ対策が強化される中、テロ対応勉強会及びシミュレーションを実施し、テロ 対応に関する初動対応計画などのルールを整備した。

園内維持管理としては、東園藤棚テラスやベンチなどの補修を行ったほか、園路の不陸部分 の舗装や、園内樹木の枝処理など、利用者の快適性の向上と安全確保に努めた。また、こもれ びの小径や閑々亭において、動物園における魅力ある緑と文化のゾーンとして修景再生に取り 組んだ。

3.多摩動物公園

【飼育・繁殖】

平成28年度も希少野生動物の飼育展示・繁殖に努めた。レッサーパンダ、キリン、ゴールデ ンターキン、モウコノウマ、マレーバク、ニホンイヌワシ、ソデグロヅル等、様々な種におい て繁殖に成功した。また、飼育動物の血統更新のため、国内外の動物園と連携しアムールトラ、

チーター、シフゾウ等の個体交流を実施した。

飼育関連では、オーストラリア連邦タスマニア州政府の取り組む「セイブ・ザ・タスマニア デビル・プログラム」に参画し、タスマニアデビル2頭を受入れ、アジアでは唯一となる展示 を平成28年6月より開始した。また、ゾウの安全な飼育体制構築のため、平成27年度に引き続 き、アメリカのゾウのトレーニングの専門家を招聘し、準間接飼育用防護壁を用いたトレーニ ングの精度向上を図った。

【保全活動】

生息域内、域外の両面において保全活動の取組みを強化している。トキについては繁殖した 4羽を佐渡トキ保護センターへ搬出したほか、業務委託計画に基づく定期健康診断の実施等に

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より佐渡での保護増殖事業に協力した。ニホンコウノトリでは、IPPM-OWSの計画に従って放 鳥個体の遺伝的多様性を維持するため、コウノトリの郷公園に未発生卵の輸送を試み、無事、

孵化・成育した。また、生息域外保全の成果として、29年連続でのニホンコウノトリの繁殖、2 年連続してニホンイヌワシの繁殖に成功した。さらにオガサワラシジミでは、園内施設を用い ての交配試験を行い、初めて飼育下第3世代におけるペアリングに成功した。

生物工学分野では、EIA法によるホルモン測定を実施し、チーター、ツシマヤマネコ、イワ トビペンギン、キョン(大島公園動物園飼育個体)等の繁殖生理の解明に役立てている。PCR 法を用いた鳥類・哺乳類の性判別は、平成28年度には計46種309検体について実施した。また、

ミトコンドリアDNA解析では、新たな生息を確認した地点を含むメダカ地域個体群解析、小笠 原で採取したアカガシラカラスバトのサンプルからハプロタイプ解析、園内定着を目指すゲン ジボタル群の由来確認のための解析、動物園周辺に生息するアズマヒキガエルの交雑調査等を おこなった。これらは保全指針を決める一助となっている。

普及啓発分野では、野生生物保全についての一般市民への普及啓発を目的にカワウソシンポ ジウムを開催した。カワウソが絶滅した日本と、増加傾向に転じた韓国が交流を持ち、情報を 共有することは他の希少動物の保全活動を進める上で非常に有意義であるとの考えのもと、国 内で飼育展示にとりくむ他園とも連携し、韓国の研究者を招聘して、両国の現状を比較した。

【教育普及・催物等】

学校団体向けを含む各種教育プログラム、企画展、季節や長期休暇にあわせたイベント、外 部団体との連携プログラムなど、年間を通して様々な教育活動を展開した。

教育プログラムとしては、飼育担当者による展示前でのキーパーズトークや解説員によるタ イムリーガイドなどの他に、「たまZOOクラブ」「サマースクール」「大人のための動物園・水 族館講座」「サイエンズーカフェ」など、年齢や理解度に応じた多様なプログラムを実施した。

学校との連携では、動物園での動物観察の支援や身近な昆虫への関心を引き出すプログラムを 中心に、幼児、小学生、中高生、大学生と幅広い年齢の団体を受け入れた。教員研修にも積極 的に取り組み、「虫が苦手!そんな先生のための昆虫教室」「東京都教師養成塾の研修受入」「小 学校教員対象セミナー」「教職員採用前研修」などの実施を通し、動物園と学校教員の連携強 化も図った。

また、昨年に引き続き障がいを持つ子どもとその家族を対象にした「ドリームナイト」、一 般来園者を対象にした大規模なイベント、「サマーナイト」「アフリカフェア」などを行ったほ か、タスマニアデビル来園を記念した講演会やスペシャルトーク、入園者7,000万人達成記念セ レモニーなど園のPR事業に大きく貢献するイベントを実施した。他にも「埋蔵文化財センタ ー」「日本自然保護協会」など他団体との連携も継続し、独自のイベントを企画することで動 物園の多目的な利用に取り組んだ。

【維持管理・園内サービス】

安全に園内を散策できるよう、舗装補修や段差解消、補助手摺の設置などを行った。また倒 木や落枝対策として、樹木点検・診断に基づく予防保全としての伐採・剪定処理を行ったほか、

枯れ枝除去を実施した。安全・快適な園内環境や、適正な動物飼育環境を支える基盤となる電 気・機械設備に関しては、定期的な保守点検に加え、常に十分に機能発揮するよう、不具合箇 所については迅速に修繕を行った。

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省エネ対策は、照明のLED化などの取組みを継続している。また、園内トイレについては、

昆虫広場やコアラ下のトイレで便器の洋式化やシャワートイレ化など快適性の確保に努めた。

更に、正門前トイレのオストメイト対応、ウォッチングセンター入口の自動ドア設置など、バ リアフリー化を推進した。その他、デング熱対策として草刈や側溝・桝清掃を、鳥インフルエ ンザ対策として水鳥池の補修等を行った。

無料開園区域である七生公園については、安全確保のために柵の補修や樹木管理等を行った ほか、園地管理の基礎資料として定期的に環境調査を実施した。また、NPOとの協働により、

外来種除去を行うなど、在来昆虫の棲みやすい環境づくりを行った。

売改札スタッフの接遇力向上を目的に、外国人来園者対応を念頭とした英会話講習、聴覚障 がい者対応を念頭とした手話講習を継続実施した。また、外国人来園者への対応強化としてタ ブレット端末を利用した映像通訳サービスを新たに導入した。更には、救命講習(赤十字救急 法救急員養成講習や上級救命講習など)に積極的に参加し、傷病者対応における初動対応とし ての応急手当や搬送などの知識と技術の習得に努めた。

災害時の備えとして、園内一時避難場所の目印となる案内標識の設置を行い、また、震災時 の注意喚起とスムーズに避難誘導体制を整えることを目的とした多言語(日・英・中)自動放 送設備を導入した。

4.葛西臨海水族園

【飼育・繁殖】

平成28年度は、園内各所において大規模修繕工事が実施されたが、受変電設備更新工事にお ける工事期間中の度重なる停電対応については、光の変化に弱いクロマグロをはじめとした展 示生物に悪影響を与えないよう努めた。また、大洋の航海者マグロ大水槽のテンションバー工 事では、大水槽の上部において水槽の水位を下げた状態で長期間に渡り行われる初めての工事 でもあったが、入念な対応を行うことにより、大きな事故もなく無事に工事を終えることがで きた。

クロマグロについては、平成26年度後半に個体数が減少したが、翌27年度に様々な機器等の 点検を行ったのちに補充を行い、その後も順調な展示を維持している。平成28年度においても、

6月に70尾の補充を行い、魅力ある展示に向け個体数の回復を図った。また、同水槽において はマンボウの展示を、ビニールシートを使わずに5月より開始し、好評を得ている。

平成27年度にモナコ海洋博物館との友好提携協定を締結したが、協定締結に伴う動物交換を 平成28年7月に実施し、翌8月に世界の海エリア「地中海」水槽の展示の充実を図った。

クラゲの展示については、これまで実験展示コーナーにおいてミズクラゲのみを継続的に展 示していたが、アカクラゲやギヤマンクラゲなど複数種類のクラゲを展示することが可能な施 設「浮遊生物」にクラゲ水槽を改修し、展示改善を行っている。

東京産の両生類では、ニホンアカガエル、シュレーゲルアオガエルを繁殖させ、カエル類に ついては繁殖個体の展示を行っている。

また、小笠原父島で生物採集を行うとともに、ユウゼンの生態調査を継続的に実施し、それ ら活動により得られた知見を学会で発表した。

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【保全活動】

保全活動として、井の頭自然文化園、多摩動物公園、上野動物園と共同でアカハライモリや ミナミメダカの調査を継続的に行った。親子向け観察会の開催、国立研究開発法人森林総合研 究所と連携し、多摩市立連光寺小学校への体験授業を通年で実施するなど、生息地での保全活 動とともに普及活動に年間を通して取り組んだ。また、「東京めだか」では生息の確認・情報提 供があった地点などからサンプリングを行い、DNA分析調査を行っている。

トビハゼは、東京湾内で調査研究を行っている8施設による「トビハゼ保全施設連絡会」を 水族園が事務局となり引き続き実施し、結成5周年を記念した冊子をまとめている。夏には、

江戸川放水路において、連絡会のメンバーが協力して解説を行うトビハゼ観察会を行い、また 展示水槽において、来園者に東京湾のトビハゼの現状を伝えるとともに、繁殖研究も行ってい る。

ゼニタナゴにおいては、屋外水槽において昨年秋に二枚貝を用いて採卵を行い24尾の稚魚を 確認し、そのうちの12尾を育成することができた。

【教育普及・催物等】

2年目となった移動水族館事業は障がいや病気などのために来園することが難しい方々の いる特別支援学校、病院、社会福祉施設、また教育を目的としたイベント等を対象に合計約70 回を実施し、海の生き物に親しむ機会を提供した。

園内外の教育活動では、特設展示や講演会、教育プログラムの開発・実施、既存教育プログ ラムの見直しと更なる充実に継続的に取り組んだ。

特設展示としては、平成26年度に開催し好評であったトビハゼをテーマにした特設展「はま ったらぬけだせない?! 干潟の誘惑──東京湾のトビハゼとその仲間たち」を、リニューアルし て再び開催、また海に生息する発光生物を生体及び標本で紹介する特設展「発光生物」を開催 した。

講演会としては、開園記念日に「マグロの祖先は深海魚! -遺伝子で解き明かすマグロの 過去と現在-」(宮 正樹/千葉県立中央博物館生態・環境研究部長)、「海鳥の専門家と海鳥飼 育係が語る! ~それぞれの視点から見るウミガラスの保全活動~」として「環境省アクティ ングレンジャーが語る!天売島での海鳥保護の取組み」(松井 晋/環境省自然保護専門員)、井 の頭自然文化園・多摩動物公園野生生物保全センターとの共催による講演会として「ハリガネ ムシがつなぐ森と川の生態系」(佐藤拓哉/神戸大学大学院准教授)、大人のためのスイート講 演会「オスとメスのつきあい方の多様性~配偶システムの話」(狩野賢司/東京学芸大学教授)、

「素っ気ないけど円満なイシヨウジの一夫一妻」(曽我部篤/弘前大学助教)を開催した。

教育プログラムとしては、学年別シリーズプログラムに小学1,2年生向け「いきものこと はじめ」、小学5,6年生向け「集まれ! 汐っ子たち」を加え、幼児から大学生までのほぼ全 ての年齢を対象とした学年別シリーズプログラムをそろえた。一部のプログラムについては、

前年同様に外部の助成金を使用し、プログラムの改善につながる評価研究を東京大学の協力の もと行った。フィールドプログラムにも積極的に取り組み、シリーズフィールドプログラム「東 京の海を知る」には新たに「東京湾で魚を釣る・食べる」を加えて実施した。

水槽周りの情報の充実、多言語化をより進め、「世界の海」エリアの展示サインを段階的に 改修していくこととした。その他、夏の開園延長時の「ナイト・オブ・ワンダー」では日本財 団の助成を受けて、4夜にわたって海に関わる著名人を招いての「シーライフステージ」を開

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催したほか、障がい者向けの「ドリームナイト」、開園記念イベント「帰ってきた! All About MAGURO」ではチーム・ホヌを向かえ、ハワイの海を舞台にしたミュージカル「ホヌ・バイ・

ザ・シー」を実施し、多くの参加者で賑わった。また、引き続き大人限定のガイドツアーなど、

幅広い来園者が楽しめ、学べる普及活動を行った。

【維持管理・園内サービス】

経年劣化や腐食した設備の改修、配管類の改修、機器の交換・分解整備等により健全な飼育環境 を維持した。また老朽化した繁殖センターやテラスデッキなど建物・工作物の補修や補強を行っ た。園内樹木は樹形を考慮しながら、適切な時期に剪定を行い害虫の発生を抑え、健全な生育 と自然環境の創出と保全を行っている。また1ヶ月の閉園後の再開園に際し、来園者へのおも てなしとして、売札所脇の左右の壁面を花鉢で飾るフラワーウォールを設置した。

外国人来園者対応としては、繁体字マップの作成及び園内案内看板の多言語化に着手したほ か、接遇力の強化に向けた取組みとして、案内係員の語学講習についても継続実施している。

また、夏季における園内サービスの一環として、観覧通路・無料休憩所における扇風機によ る送風(夏季空調温度抑制対策による冷房補助対策)、無料休憩所外周窓の緑のカーテン(リ ュウキュウアサガオ)による緑陰の提供、空の広場における間欠式散水による来園者への輻射 熱対策、ミスト扇風機の導入(水の広場売店周辺、売札所)、氷柱の設置(ゲート棟)、よしず テントの設置(ペンギンテラス、レストランテラス)など来園者への涼感の演出及びサービス を継続的に行っている。

5.井の頭自然文化園

【飼育・繁殖】

平成28年度の出来事で特筆すべきは、アジアゾウ「はな子」の死である。平成28年の春頃か ら屋外放飼場に出舎しなくなった。飼育係のケアによりに、大きな体調の悪化は見られなかっ たものの、徐々に食欲が減衰していった。そして、平成28年5月26日の朝に寝室内で横たわっ ているのを飼育係が発見し、上野動物園、多摩動物公園の職員にも応援を要請して、まずは何 とか立ち上がらせようと懸命の努力をしたが、同日昼過ぎに息を引き取った。

「はな子」の死は全国的に大きな反響を呼び、その死を悼んで献花のため文化園を訪れる 人々が後を絶たず、当初準備した献花台では間に合わず、ゾウ舎屋外放飼場に並べたところ、

ほぼ一面を埋め尽くすほどの数であった。

動物の繁殖では、ニホンリスが順調に繁殖しており、平成28年の出生個体数29頭(♂14頭う ち1頭死亡、♀15頭)であった。また、大阪市天王寺動物園から繁殖用にメスを借り受け、水 生物園でペア飼育していたタンチョウの繁殖に成功し、2羽(いずれもオス)が成育した。繁 殖個体は平成28年11月28日に親と分け、本園の「武蔵野ハビタット」に移動し、飼育展示して いる。

平成23年度から整備を進めてきた「水辺のいきもの広場」の造成が終了し、定期的な植栽管 理と出現生物のモニタリングを開始した。まずは、既存のイベントプログラムの一部として、

試験的な利用を開始した。

【保全活動】

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ツシマヤマネコの保護増殖事業では、日本動物園水族館協会が策定した飼育下繁殖計画にお けるツシマヤマネコの「人工繁殖推進施設」として、人工授精の実施に取り組んできた。平成 28年度は平成29年1月に、子宮内精液注入を予定し、No.43(オス)の去勢と精液潅流、No.50

(オス)からカテーテル法による採精を実施した上で、No.39(メス)を開腹したところ、充分 な卵胞の発育が見られなかったため、注入をせずに閉腹した。なお、No.43は野生捕獲個体で あり、高齢で繁殖に供用することができないため、生存中に配偶子を回収し保存する目的で富 山市ファミリーパークから移動した個体である。回収した精液は、メスの状態がよければ授精 に用いる予定であったが、授精を実施できなかったため、日本獣医生命科学大学に搬送し、同 大学において凍結保存されている。

東京産両生類は、4園が連携して飼育下繁殖の技術向上と野外採集にできるだけ依存しない 展示の維持に努めている。アズマヒキガエルについては、4園で多摩動物公園内産個体群の保 全に取り組むとともに、平成28年度からは各園内とその周辺に生息する野生個体の産卵状況等 のモニタリングを開始した。

【教育普及・催物等】

専属のデザイナーにより、統一感のあるデザインと分かりやすい情報ラベル等の作成を継続 し、さまざまな情報発信を行った。また、地域の民間企業や団体との連携の中でも当園のデザ インを中心に展開し、園のイメージ強化を図った。

教育プログラムとしては、動物解説員のガイドツアーや教員向けセミナー、小学生対象のサ マースクールなどを内容の検討を加えながら継続してきた。また、4日間連続の講座「大学生 のためのズーカレッジ」を開講した。その他、日本獣医生命科学大学や東京農工大学をはじめ として、様々な学校・団体の受け入れを積極的に行った。

野生生物の保全に関する普及啓発については、平成28年10月に「ヤマネコ祭2016」を2日間 開催し、生息地の対馬市や保全に取り組む様々な団体とともに、ヤマネコに関する様々な普及 啓発を行った。また、国連生物多様性の10年日本委員会が取り組む「MY行動宣言」について、

スタンプラリーや各種講習会などでの啓発を図ってきた。

毎年、春は生物多様性、夏は創作怪談、年末年始は干支にちなんだ、オリジナリティの高い スタンプラリーを開催しており、子供たちに楽しみながら動物について知ってもらえるように 工夫をした。

資料館での企画展は、アジアゾウはな子の死亡に伴い、「アジアゾウはな子の69年」展を開 催。当園で長年暮らしたはな子の歴史を振りかえるとともに、これからの動物園でのアジアゾ ウ飼育について考えるものとなった。水生物館では、特設展示として「現代 トウキョウダル マガエル事情」、「みんなの井の頭池 どんな池になってほしいですか?」を実施した。

彫刻館では、VisitほっとZooキャンペーンの一つとして、平成29年2月から「Art and the Zoo

Vol.3 西浦裕太作品展『カレラトイクトコ』」を開催した。

自然観察会は園内の生物をさがす「身近ないきもの探検」、「親子で井の頭池たんけん」、

園外では都立野川公園での「親子で川遊び」や、高尾山での観察会などを実施した。

講演会は開園記念日講演会「動物の進化をひもとく─都会に暮らす動物たちの遺伝的多様性」

を実施したほか、ヤマネコ祭で、2題のヤマネコ関係の講演を行った。また、野生生物保全セ ンター・葛西臨海水族園と連携して、「身近な水辺保全講演会」を実施した。

地域との連携では、武蔵野市や三鷹市主催の催しへのモルモットふれあいコーナーの出張を

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行った。また、地元吉祥寺のいくつかの商業施設との連携企画も実施し、動物園事業の普及啓 発に努めた。例年実施している文化園コンサートは、平成29年2月に5回開催した。

【維持管理・園内サービス】

動物園(本園)では、平成27年度計画した吉祥寺通り沿いの樹林地管理計画に沿った高木剪 定を引き続き実施した。また、降雨時に数箇所水溜りとなっていたぶらんこ広場に排水設備を 設けて解消したのと共に省エネルギーと観覧環境の改善のためアトリエ館の照明設備をLED 照明に更新し来園者サービスの向上を図った。

水生物園(分園)では七井門周辺園路の段差の著しい部分や安全対策等に努めた。

植栽管理では枯枝や折枝の巡回強化を継続し、集中的に危険枝の除去を行った。また、園内 の植物の見どころを掲載した「花ごよみ」と「二十四節気のカレンダー」を園内とホームペー ジで掲出したほか、植物ガイドツアーを4回行い、園の魅力向上に努めた。

桜花期の開園時間延長は、桜の開花予想にあわせて行った。また、吉祥寺駅構内にデジタル サイネージ広告を掲出するとともに、同駅北口に新設された大型LEDビジョンにも園の紹介動 画を掲出した。さらに、近隣企業との相互広告企画も実施した。

また、外国人来園者への接遇力向上を目的として、園内サービススタッフへの英会話講習を 実施した。

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Ⅱ.事業実績

〔1〕動物飼育及び展示業務

1.展示動物の収集・管理

(1)動物収集業務

国内外の飼育動物等の情報収集に努め、動物交換、共同繁殖のための動物貸借(BL:ブリー ディングローン)、動物購入等を積極的に行った。

【主な収集動物】

園 名 種 名 数量 区分 摘 要

恩 賜 上 野 動 物 園

クロキツネザル 2 借受 進化生物学研究所 ミナミコアリクイ 1 借受 高知県立のいち動物公園 ショウガラゴ 2 贈与 神戸市立王子動物園 オオルリ 4 採集 山梨県富士吉田市 キオビヤドクガエル 5 交換 札幌市円山動物園

多 摩 動 物 公 園

ボルネオオランウータン 2 借受 よこはま動物園(王子所有) タスマニアデビル 2 借受 オーストラリア・タスマニア州

アムールトラ 1 贈与 独・ティアパーク・ベルリン シフゾウ 1 交換 熊本市動植物園 オーストラリアイシチドリ 4 交換 有竹鳥獣店

葛 西 臨 海 水 族 園

アキシラリーラス 5 交換 モナコ海洋博物館 マンボウ 1 購入 走水

ロングフィンスカルピン 8 採集 カナダ サーカスティックフリンジヘッド 6 購入 アメリカ チョウクラゲ 49 贈与 金沢大学

井の頭自然文化園

ニホンカモシカ 1 借受 横浜市金沢動物園 ヨツユビハリネズミ 4 交換 仙台うみの杜水族館 テンジクネズミ 2 購入 オリエンタル酵母工業株式会社

ニホンアマガエル 12 採集 あきる野市 ミズグモ 73 採集 北海道

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(2)動物管理業務

動物台帳の管理を適正に行ったほか、国内外における稀少種血統登録への参画や国際種情報 システム機構(International Species Information System)への加盟により、動物管理事務の強化 を図るとともに、持続可能な個体群管理に向けた取組みを進めている。

【展示動物飼育数】(平成29年3月31日現在)

園名 類 目 科 種 点 備 考

上 野

哺 乳 類 18 59 110 1,157

鳥 類 20 56 136 570

は 虫 類 5 32 77 273

両 生 類 2 18 40 428

魚 類 5 5 6 137

無 脊 椎 動 物 1 1 1 50

計 51 171 370 2,615

多 摩

哺 乳 類 10 30 61 638

鳥 類 18 28 100 1,157

は 虫 類 1 5 7 16

両 生 類 2 5 7 118

魚 類 3 3 9 27

無 脊 椎 動 物 26 61 125 23,576

昆虫網シロアリ目の社会性昆 虫1科1種1群と昆虫綱ハチ 目の社会性昆虫1科1種2群 含む

計 60 132 309 25,532

葛 西

哺 乳 類 0 0 0 0

鳥 類 5 5 9 263

は 虫 類 1 2 3 17

両 生 類 2 6 10 380

魚 類 27 134 496 13,069

無 脊 椎 動 物 68 176 475 48,214

計 103 323 993 61,943

井 の 頭

哺 乳 類 7 16 26 494

鳥 類 14 22 64 314

は 虫 類 2 6 9 60

両 生 類 2 8 11 588

魚 類 8 12 40 2,412

無 脊 椎 動 物 7 16 18 583

計 40 80 168 4,451

合 計 94,541

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2.飼育展示・調査研究

(1)日常飼育業務

動物の健康と飼育環境管理を適正に行い繁殖に努めるとともに、創意工夫により、動物の特 性を引き出すための展示改善を積極的に行った。

① 主な繁殖動物

園名 動 物 名 出産・孵化数

オス メス 不明 計 備考

上 野

オオカンガルー 1 1 2

レッサースローロリス 2 2

コンドル 1 1

シロハラハイイロエボシドリ 1 1

ニシアフリカコガタワニ 4 4 育成数

多 摩

チーター 2 2 4

シセンレッサーパンダ 1 1 2

マレーバク 1 1

ゴールデンターキン 1 1 2

ニホンイヌワシ 2 1 3

葛 西

ミナミイワトビペンギン 2 2 2 6 フェアリーペンギン 3 1 8 12

ゼニタナゴ 12 12 育成数

ビッグベリードシーホース 100 100

シュレーゲルアオガエル 18 18 育成数

井の頭

マーラ 1 2 3

タンチョウ 2 2

オオコノハズク 1 1

ツクシガモ(人工) 1 1 2

ミヤコタナゴ 646 646

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② 主な展示改善

園 名 主な展示改善の件名 内 容

恩 賜 上 野 動 物 園 合計22件

アイアイ舎の展示の工 夫

アイアイ展示場にフィーダーや解説板を設 置。ハンズオンツールや解説を通じてアイ アイの生理生態を学べるように工夫した。

ジャイアントパンダ屋 外放飼場雨除け台の設 置

ジャイアントパンダの屋外放飼場に丸太等 を加工した雨除け台を設置。来園者の見や すい場所に展示動物を誘導した。

ニシアフリカコガタワ ニの子ワニ公開

繁殖したニシアフリカコガタワニの幼体の 展示を開始。サインボードやタブレットを 活用し、生育情報をタイムリーに発信。

多 摩 動 物 公 園 合計25件

タスマニアデビルの新 規展示

オーストラリアのタスマニア州からタスマ ニアデビルを新規導入。アジア唯一の展示 公開を実現した。

企画展「ナナフシ七不思 議」における展示の工夫

夏の企画展「ナナフシ七不思議」を開催。

様々な実物展示を通じて、ナナフシの生態 等をわかりやすく伝えた。

オランウータン舎への スウェイ式遊具等の設 置

オランウータン舎大放飼場へスプリングコ イルを使用したスウェイ式遊具やガス管を 用いたブランコ、吊り輪を設置した。

葛 西 臨 海 水 族 園 合計19件

深海コーナーの解説パ ネルリニューアル

深海コーナーに解説パネルを新たに設置。

子ども向けの解説もあり、深海生物の世界 を親子で楽しめるよう工夫した。

新展示「浮遊生物」のオ ープン

東京の海エリアにおいて、新展示「浮遊生 物」をオープン。クラゲ等の浮遊生物につ いて生体や写真、パネルで紹介した。

新展示「発光生物」のオ ープン

ウミホタルをはじめ、マツカサウオやウミ サボテンなどの展示を通して、生物発光の 魅力を伝えた。

井の頭自然文化園 合計10件

テン舎の展示改善

テン舎の放飼場を空間的な広がりがもてる ようレイアウトするなど、数々の工夫によ りテンの様々な行動を誘発した。

タンチョウの繁殖解説 版

タンチョウの抱卵や孵化、成長に合わせて 解説板を設置して紹介。タンチョウの繁殖 や雛の成長についてわかりやすく伝えた。

ネズミコーナーのオー プン

資料館の一部を改修し、「ネズミコーナー」

をオープンした。多様なネズミ類の比較展 示や解説を通じて生理生態等を伝えた。

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(2)研究成果の発表

動物園で得られた野生動物や教育普及活動に関する情報や研究成果等について、研究会等で 積極的に発信した。

① 恩賜上野動物園(合計19件)

発表内容 担 当 摘 要

動物園のニホンザル研究 青木孝平 京都大学霊長類研究所(ニホンザル 研究セミナー)

ミナミコアリクイにおける飼料改善の 試み

小川美紀 市原ぞうの国(第6回関東東北・北 海道合同ブロック動物園技術者研究 会)

Aye-aye breeding program and birth 渡部浩文 台北動物園(2016MFG総会)

ヒガシクロサイの繁殖に向けての取組 み

林 皓太 桐生が岡動物園(第7回関東東北・

北海道合同ブロック動物園技術者研 究会)

上野動物園におけるライチョウ人工孵 化・育雛経過報告

高橋幸裕 サンアルプス大町(第17回ライチョ ウ会議長野大会)

The Case of Cutaneous Pruritus of Giant Panda (Ailuropoda melanoleuca) and its Fungal Flora of Body Surface

林 笑 中国・都江堰(第1回ジャイアント パンダ保全国際会議)

Blood Draw Training for Polar Bears 三塚修平 タマンサファリ・インドネシア(第

24回SEAZA総会)

Improvement of Husbandry Management for Western Lowland Gorilla at Ueno Zoological Gardens

矢部知子 メ キ シ コ ・ グ ア ダ ラ ハ ラ 動 物 園

(2016International Gorilla Workshop)

A case of estrus dynamics of female giant panda at Ueno Zoological Gardens

廣田敦司 中国・成都(2016年ジャイアントパ ンダ繁殖技術会議)

人工保育のチンパンジーを群れに戻す

~多摩動物公園での事例~

木岡真一 宇部市ときわ動物園(SAGA19)

長期単独飼育されたオオアナコンダか ら発見された幼蛇

坂部あい 琉球大学(日本爬虫両棲類学会第55 回沖縄大会)

Environmental education by the “Ueno Tiger Ambassadors”

金 子 美 香 子

ソウル動物園・スアンボ研修センタ ー(保全に関する会議・KAZA)

長期単独飼育されたオオアナコンダか ら発見された幼蛇

坂部あい 日本丸訓練センター(第28回日本動 物園水族館両生類爬虫類会議)

ニシアフリカコガタワニの繁殖 齊當史恵 日本丸訓練センター(第28回日本動 物園水族館両生類爬虫類会議)

キンイロアデガエルの繁殖 石神雄大 日本丸訓練センター(第28回日本動 物園水族館両生類爬虫類会議)

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発表内容 担 当 摘 要 アジアゾウ“ウタイ”の妊娠経過につい

山口翔平 どうぶつと動物園 2017年冬号 中学2年生に対する出張授業に関する

報告について

傳見 勇 足立区生物園(第8回関東東北・北 海道合同ブロック動物園技術者研究 会) ポスター

シロハラハイイロエボシドリの人工孵 化と育雛

宇 野 な つ み

日本モンキーセンター(第64回動物 園技術者研究会)

利用者数からみた日本の動物園・水族館 の特性

土居利光 観光科学研究第10号2017

② 多摩動物公園(合計9件)

発表内容 担 当 摘 要 いつ冷やすかで決まる、トノサマバッタ

の卵の冷蔵法

田中陽介 どうぶつと動物園2016夏号

コオロギ相撲が参加者の意識に与える 影響について

片田菜美 群馬県立ぐんま昆虫の森(平成28年 度全国昆虫施設連絡協議会)

チーター(Acinonyx jubatus)における顔 面変形を伴う真菌症の一例

吉本悠人 宮崎市民プラザ(第22回日本野生動 物医学会大会)

中古ガス管を用いた飼育展示の工夫 児島 匠 桐生が岡動物園(第7回関東東北・

北海道合同ブロック研究会)

モウコノウマの繁殖と群れ入れについ て

野村星矢 どうぶつと動物園2016秋号

M99使用例の報告(モウコノウマ) 原 樹子 安佐動物公園(第28回大型動物麻酔

研究会)

INTRODUCING THE TASMANIAN DEVIL TO TAMA ZOOLOGICAL PARK

永田典子 タマンサファリ・インドネシア(第 24回SEAZA総会)

オガサワラシジミの生息域外保全につ いての経過報告

古川紗織 足立区生物園(第8回関東東北・北 海道合同ブロック研究会)

準間接飼育用防護柵(PCW)を用いたア ジアゾウのトレーニングについて

高村里美 日本モンキーセンター(第64回動物 園技術者研究会)

③ 葛西臨海水族園(合計16件)

発表内容 担 当 摘 要 子どもといっしょに遊んで学ぶ 子ど

も向け教育プログラムの実践

天野未知 どうぶつと動物園2016春号

水族館での海洋教育の可能性 天野未知 ザ・キャピトルホテル東急(海の人 材に関する国際シンポジウム)

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発表内容 担 当 摘 要 世界最小のペンギンを救え!~新たな

繁殖技術への挑戦~

山本達也 都民ホール(第28回建設局技術業務 体験発表会)

Breeding Status and Effort of Fish in Tokyo Sea Life Park

遠藤周太 バンクーバー水族館(世界水族館会 議)

東京湾のトビハゼ生息状況

~地域連携による調査結果から~

田辺信吾 ランドスケープ研究 第80巻 第3号

マグロ大水槽におけるマンボウMola sp.

Bの飼育について

加 茂 耕 太 朗

なかがわ水遊園(平成28年度関東東 北・北海道ブロック合同水族館技術 者研究会)

小笠原諸島におけるユウゼンChaetodon

daedalmaの生態①ペアでの行動と定住

松村 悟 新潟大学 五十嵐キャンパス(第35回 日本動物行動学会)

自然体験をとおして「生物ってすご い!」を学ぶ -フィールドプログラム の実践と評価から-

天野未知 新潟市水族館マリンピア日本海(第 57回日本動物園水族館教育研究会)

身近な海、東京湾へつなげるフィールド プログラム

幅祥太 新潟市水族館マリンピア日本海(第 57回日本動物園水族館教育研究会)

葛西臨海水族園での板鰓類飼育展示の 取組みについて

小味亮介 ホテルシーサイド江戸川(板鰓類シ ンポジウム2016)

アカシュモクザメ(Sphyrna lewini)のユ ニークな頭の形の意味を伝えるガイド

西村大樹 葛西臨海水族園(板鰓類シンポジウ ム2016)

葛西臨海水族園移動水族館活動につい て

雨 宮 健 太 郎

品川プリンスホテル(第14回日本小 児がん看護学会学術集会 シンポジ ウム 「笑顔のたね」)

メンダコの飼育と産卵について 小味亮介 横浜八景島シーパラダイス(第61回 水族館技術者研究会)

「生物ってすごい!」葛西臨海水族園 のフィールドプログラム その実践と 評価

天野未知 東京大学伊藤国際学術研究センター

(第4回全国海洋教育サミット)

ウミガラスとエトピリカに実施した採 食エンリッチメントとその効果測定

野島大貴 日本モンキーセンター(第62回動物 園技術者研究会)

ミナミイワトビペンギンのペアリング 方法変更による受精率の改善

山本達也 江戸川区総合文化センター(ペンギ ン会議第16回ペンギン飼育技術研究 会)

④ 井の頭自然文化園(合計3件)

発表内容 担 当 摘 要 アカハライモリの保全地における教育

普及活動

金原功 新潟市水族館マリンピア日本海(第 57回日本動物園水族館教育研究会)

(28)

発表内容 担 当 摘 要 個体群管理ソフトを用いた日本国内の

飼育下個体群の現状分析

大橋直哉 井の頭自然文化園(コウノトリ保全 国際シンポジウム)

園内の自然を活かした観察プログラム

「身近ないきもの探検」

阿部万純 足立区生物園(第8回関東東北北海 道ブロック動物園技術者研究会)

(3)共同研究

大学や研究機関と協力し、動物学、獣医学等の学術的な見地から共同研究を進めた。

提 携 先 提 携 園 研究テーマ 東京大学博物館 東京動物園協会 希少動物の保全、研究及び教育 東京大学大学院農学生

命科学研究科

東京動物園協会 希少動物の保全、研究及び教育

首都大学東京 東京動物園協会 希少動物の保全、研究及び教育 日本獣医生命科学大学 東京動物園協会 希少動物の保全、研究及び教育 東京農工大学 東京動物園協会 希少動物の保全、研究及び教育 独立行政法人 森林総合

研究所

東京動物園協会 イモリの保全及びその生態学的研究

独立行政法人国立科学 博物館

東京動物園協会 動物等の研究

大学共同利用機関法人 情報・システム研究機 構 国立極地研究所

東京動物園協会 連携・協力に関する協定

東京大学海洋アライア ンス海洋教育促進研究 センター

東京動物園協会 海洋教育促進

東京大学大学院農学生 命科学研究科

恩賜上野動物園 希少動物の獣医衛生に関する研究(獣医病理 学)

日本獣医生命科学大学 動物生産化学教室

恩賜上野動物園 ライチョウの域外飼養技術の開発に関する研 究-飼育飼料の検討-

日本獣医生命科学大学 動物生産化学教室

恩賜上野動物園 アカガシラカラスバトの域外飼養技術に関す る研究-飼育飼料の検討-

日本獣医生命科学大学 動物生産化学教室

恩賜上野動物園 飼育飼料成分のデータベース化による動物園 動物栄養管理システムの構築に関する共同研 究

日本蛇族学術研究所 恩賜上野動物園 ヘビ類の飼育管理向上を目的とした粉末式人 工飼料に関する共同研究

京都大学霊長類研究所 恩賜上野動物園 ジェントルキツネザル腸内細菌叢の遺伝解析 に関する共同研究

(29)

提 携 先 提 携 園 研究テーマ

京都大学霊長類研究所 恩賜上野動物園 ハリモグラの化学感覚受容体遺伝子の解析に 関する共同研究

日本獣医生命科学大学 獣医臨床繁殖学教室

恩賜上野動物園 ジャイアントパンダをはじめとする希少野生 動物の精液凍結技術の開発

岐阜大学 恩賜上野動物園 希少動物の保全繁殖

多摩動物公園 希少動物の繁殖生理の内分泌モニタリング 多摩動物公園における希少動物の性ホルモン 分析技術の推進

井の頭自然文化園 アムールヤマネコの繁殖整理に関する共同研 究

東京都健康安全研究セ ンター

多摩動物公園 サル類の腸管寄生原虫に関する研究(検査・

駆除対策)

国立研究開発法人国立 環境研究所

多摩動物公園 外部環境に由来するDNAの混入が糞のDNA分 析結果に与える影響の評価

日本工業大学 多摩動物公園 モグラの地中掘削行動の機構学的解析 麻布獣医学園 多摩動物公園 ネコ科の瞳の形状に関する遺伝子解析 独立行政法人国立科学

博物館

多摩動物公園 飼育オランウータンにおける歯周疾患予防診 断のための技術開発

横浜市環境創造局繁殖 センター

多摩動物公園 希少動物の保全に関わる試験研究

日本大学生物資源科学 部

葛西臨海水族園 水生生物における包括的魚病診断調査及び防 疫法の確立

大学共同利用機関法人 情報・システム研究機 構 国立極地研究所

葛西臨海水族園 南極海に生息する魚類の繁殖および摂餌生態 に関する共同研究

東京慈恵医科大学大学 院医学研究科解剖学講 座

葛西臨海水族園 3Dエコーを用いた板鰓類心臓の形態・機能 解析

東北大学大学院生命科 学研究科器官形成分野

葛西臨海水族園 フンボルトペンギン胚における特徴的四肢形 態の発生操作

電力中央研究所 株式会社イワキ

葛西臨海水族園 大規模水槽向け脱窒装置及び小型水槽用脱窒 モジュールに関する共同研究

大学共同利用機関法人 情報・システム研究機 構 国立極地研究所

葛西臨海水族園 ウミスズメ科の水中採食生態の解明に関する 共同研究

東京海洋大学 葛西臨海水族園 深海生物共同研究

参照

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