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いもち病菌の寄生性分化に関する研究

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(1)

九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

いもち病菌の寄生性分化に関する研究

林, 長生

https://doi.org/10.11501/3180639

出版情報:Kyushu University, 2000, 博士(農学), 論文博士 バージョン:

権利関係:

(2)

第川章 イネいもち病菌病原性の遺伝子分析

前章の結果から, イネいもち病菌, シコクビ、エいもち病菌, アワいもち病菌などは同一種であり 寄生性が分化したものと考えられた。 それでは, レースにみられるような特異性はどのような遺伝的 機構により支配されているのであろうか。 いもち病抵抗性の遺伝分析がよくなされているイネとイネ を宿主とするイネいもち病菌の系を用いれば, 病原性分化の機構が明らかになると考えた。 しかし,

シコクビエいもち病菌と交配できるイネいもち病菌でも, イネいもち病菌相互での交配は困難であっ

たo Kato and Yamaguchi23)は, 日本, インドネシア, アフリカ産のイネいもち病菌問の交配に世界で

はじめて成功した。 しかし, 有性世代を使った遺伝解析までは至らなかった。

筆者は, 世界各地から分離したイネいもち病菌について交配稔性株の探索を行ったところ, イネ いもち病菌相互の交配により交配稔性を有する子のう殻を形成する株を見いだした。 そこで, これを 用いて, イネいもち病菌のF1菌系群を作出した。 本章では, まず第1節においてイネいもち病菌相互 交配により形成された子のう胞子による病原性の遺伝子解析の方法論を確立し, つぎに第2, 3節に おいて, いもち病イネ判別品種に対する非病原性に関する遺伝子解析を行った。

第1節 方法論の確立

イネ品種に対する非病原性に関する遺伝子解析を行える高い交配稔性を持つイネいもち病菌菌系 の探索及びFJ菌系による病原性の検定法を確立した。

材料および 方法

(1) 供試菌

東南アジア, アフリカ, 南米及び圏内で分離したイネいもち病菌233菌系 及び1988'"'-'89年に中国 雲南省62ヶ所から分離した308菌系を供試した。 これらの菌系は, 単胞子分離後, 大麦穀粒保存法8)に より長期保存した。

交配型を決定する標準菌として後代菌系57-R・33 (Matl-l)及び57-R-28 (Matl-2)を用いた。 両 標準菌系は, ウガンダ産シコクビエいもち病菌UG77-17-1-1と日本産シコクビエいもち病菌Z2-1 の交 配FJ36菌系群から交配稔性の高い菌系として選抜した。 いずれも雌雄性でシコクビエに病原性, イネ には非病原性である。

(2)交配

第2章, 第2節に示した方法に従った。 交配型の決定は, 交配型標準菌との対峠培養により行った。

子のう殻は, 対峠した菌系の境に形成され, 培養15'"'-'25日後に子のう殻の成熟度を調査した。 子のう 殻形成程度及び子のう胞子の成熟度は第2章, 第2節に示した方法によった。 交配型を決定した後, ィ ネいもち病菌相互に交配させた。 交配稔性の向上を図るため, 戻し交配及び後代F1菌系問の後代F1菌

(3)

系の交配型及び交配稔性を検定し, 交配稔性の高い後代系統を選抜した。 選抜した系統についてイネ いもち病菌問の交配を行い, 子のう殻数及び一つの子のうに8個の子のう胞子を形成した子のうの形 成数, 子のう胞子の発芽率を調べて交配稔性を判定した。

(3) いもち病菌の長期保存

いもち病菌は穀粒保存法またはろ紙保存法により長期保存した。

穀粒保存法は次の手順によった。 水洗したオオムギ穀粒15・20粒をワッセルマンチューブに入れ,

オオムギ穀粒が完全に浸るまで0.1%ショ糖液を入れ, オートクレーブ滅菌した。 ワッセルマン チューブの蓋には綿栓を用いた。 いもち病菌をオオムギ穀粒に接種し, 菌糸が伸長したら途中撹粋し て菌糸を全体に拡げた。 ワッセルマンチューブをシリカゲルに埋没させ, 途中撹枠し2週間程度かけ 自然乾燥させた。 密封容器に入れ40Cで保存した。

ろ紙保存法は次の手順によった。 稲葉粉末寒天培地(稲体粉末15g,イースト粉末4g, 寒天粉末 15g,水1 Q)にろ紙片( アドバンテック東洋101 )を置きいもち病菌菌叢片を4箇所に移植した。 菌 叢が漉紙を覆うまで伸びたところでろ紙をはがし, ろ紙を敷いた滅菌シャーレに静置しシリカゲルま たは硫酸カルシウムを入れた容器中で3日間, 室温下で乾燥させた。 乾燥ろ紙をハサミで細切りにし,

滅菌小封筒に入れ-20"-'-30oCで密封保存した。

(4)病原性検定

イネいもち病菌のレース検定のため。 山田卯汲び清沢36)の判別品種から次の12品種を用いた。 すな わち, 新2号(真性抵抗性遺伝子Pik-s) , 愛知旭(Pi a) , 石狩白毛(Pi i) , クサブエ(Pik) ツユアケ(Pi k-m) , フクニシキ(Piz) , ヤシロモチ(Pi ta) , Pi No.4 (Piω-2) , とりで1号(Pi z-t) , K60 (Pi k-p), BL1 (Pi b)及びK59 (Pi t)である。 レース番号は清沢の方法に従った36)。 イネいも ち病菌をオートミール 寒天培地に植え, 26"Cで11"-'12日培養した。 絵筆で気中菌糸を取り除き, 21 't, 3"'4日間, BLBランプ(360nm, 18\\う照射下に置き, 胞子形成を促進させた。 形成した胞子は ツィーン20を10,000倍になるよう添加した滅菌蒸留水に懸濁し, ガーゼで癒過し1 X 105個/m1に調整 した。 エアブラシ(HP 102C, オリンポス工業)を用い4葉期苗の各判別品種8本に30mlの胞子懸 濁液を噴霧接種し, 24.5"Cの湿室に20時聞置いた。 その後, 昼夜26"-'28"Cの温室に移し発病させた。

接種6"'7日後, 接種時最上葉に形成される最も擢病的な病斑について次の病斑型の基準に基づき調査 し(図E・1), レースを決定した。

病斑型o :病斑の形成なし。

病斑型1 :崩壊部のない褐色微点または直径0.5mm以下の微小斑。

病斑型2 :一次支脈を越えない, または直径1mm以下の周囲に壊死部, 中央に灰褐色崩壊部をも つやや丸い病斑。

病斑型3 :病斑の横幅が一次支脈幅の1.5倍を越えない, または1.5mm以下の灰褐色崩壊部をもっ 紡錘形病斑。

-65-

(4)

。 2 3 4 5

図111・1

.

病斑型の基準

病斑型o 病斑の形成なし。

病斑型1 崩境部のない褐色徴点、または直径O.5mm以下の微小斑。

病斑型2 一次支脈を越えない、 または直径1mm以下の周囲に犠死部、 中央に灰褐色崩i裏部をもつやや 丸い病斑.

病斑型3 病斑の横幅が一次支脈幅の1.5倍を越えない、 または1.5mm以下の灰褐色崩壊部をもっ紡錘形病斑.

病斑型4 病斑の横幅が一次支脈幅の2倍を越えない、 または2mm以下の灰褐色崩犠部をもっ紡錘形病斑。

病斑型5 病斑の横幅が一次支脈幅の2倍を越える、 または2mm以上の灰褐色崩壕部をもっ紡錘形病斑。

(5)

病斑型4:病斑の横幅が一次支脈幅の2倍を越えない, または2mm以下の灰褐色崩壊部をもっ紡錘 形病斑。

病斑型5 :病斑の横幅が一次支脈幅の2倍を越える, または2mm以上の灰褐色崩壊部をもっ紡錘形 病斑。

接種したイネ幼苗の半数以上に形成された病斑型を接種菌による病斑型とし, それ以下の場合は 再度接種を行った。 病斑型O�2を抵抗性, 病斑型3�5を擢病性反応とした。

実験結果

(1)世界各地のイネいもち病菌の交配型及び交配稔性

世界各地から分離されたイネいもち病菌233菌系を交配型標準菌と交配させた結果, 21菌系が交配 型Matl-l, 95菌系がMatl-2であった(表皿-1)。 残りの117菌系はいずれの交配型標準菌との交配に より子のう殻を形成しなかった。 東南アジアからの菌系は, ブータンを除きほとんど、Matl-2であった。

日本, 雲南省を除いた中国, インド, アイボリーコーストからの分離菌には両交配型がみられた。 交 配型の異なるとれらのイネいもち病菌菌系を相互に交配させたととろ, 子のう殻の形成は見られなかっ た。

(2)中国雲南省における交配稔性を有するイネいもち病菌の分布

中国雲南省から分離したイネいもち病菌308菌系の交配型を各地区毎に決定した(表E・2, 図E・2 )。 交配型Matl・1が9, 交配型Matl-2が70菌系であった。 残りの229菌系は, いずれの交配型標準菌系 とも子のう殻を形成しなかった。 交配型の異なる菌系の境に2:911に子のう殻を形成する雌雄株は交配 型Matl-lが6, 交配型Matl-2が3菌系みられた。 これらの雌雄株はQujing, Baoshan及び:Xishuangbanna 地区より分離された。 交配稔性をもっ菌の割合を地区別にみるとLincang, Nujiang, Xishuangbanna,

Baoshan, Wenshan,及び:Zhaotongは, 各々90, 75, 60, 39, 38及び 36%と高く, Qujing, Chuxiong,

Lijiang, Honghe 及びDa1i地区は低く各々14, 3, 0, 0, 及び0%であった。 地区により供試菌数に偏り があったが, Xishuangbanna及びQujing地区からは両交配型菌がほぼ同じ比率で分離された。 それ以外 の地区ではMatl-l. Matl-2のいずれかが優勢であった。

交配稔性をもっ23菌系について来歴及びレースとの関連を調べた。 その結果, これらの菌系は雲 南省の水稲地帯, 陸稲地帯またはジヤボニカ, インディカ地帯の様々な地域から得られ, 病原性は,

日本の12判別品種により16のレースに分かれた。 レース017.5, 106.4 及び117.5の割合が比較的高かっ た(表E・3)。

(3)イネ菌相互の交配

Xishuangbannaの陸稲地帯から分離された 交配型Matl-lイネいもち病菌系CHNOS37・1・1は, 雌雄性 であり特に高い交配稔性が認められ, Xishuangbannaを含め広範囲な地区からの分離菌との交配によ

り有性世代を形成した。 一方, Q吋ing及びChuxiong地区から分離された 交配型Matl-l菌系CHNOS5・1・

-67-

(6)

表皿・1 世界各地からの分離されたイネいもち病菌の交配型

交 配 型 交配稔性をもっ

国名 Matl-l Matl-2 不明の 合計 菌の割合

日本 8 8 40 56 29 %

中国(雲南省を除く) 1 3 13 17 24

フィリピン 29 3 32 91

マレーシア 3 3 100

タイ 5 1 6 83

インドネシア 33 25 58 57

プータン 4 7 11 36

インド 1 10 7 18 61

イタリア 2 2

エジプト 2 2

ウガンダ 1 1 100

アイボリーコースト 3 1 5 9 44

セネガル 1 1 100

コロンビア 1 3 4 25

ペルー 2 2

スリナム 1 3 4 25

ギアナ 2 2 100

ブラジル 1 4 5 20

合計 21 95 117 233 50

a)交配型標準菌系(Matl-l菌系、 Matl-2菌系)のいずれとも有性世代を形成しない菌系数。

-68-

(7)

表皿・2 中国雲南省各地区から分離したイネいもち病菌の交配型

地区 Matl-l Matl-2 不明。 合計 交配能力を有する

♀♂の♂め ♀♂ ♂ 菌の割合(%)

Diqing (迫慶) 2 8 10 20

Lりiang (麗江) 10 10

DaJi (大理) 5 5

Qujing (曲靖) 1 2 1 3 44 51 14

Kunming (昆明) 10 34 44 23

Zhaotong (昭通) 5 9 14 36

Chuxiong (楚雄) 1 37 38 3

Y山i (玉渓) 3 17 20 15

Baoshan (保山) 2 5 11 18 39

Honghe (紅河) 22 22

Wenshan (文山) 11 18 29 38

Nujiang (怒江) 9 3 12 75

Lincang (臨治) 9 1 10 90

Xishuangbanna (西双版納) 5 10 10 25 60

6 3 3 67

合計 9 70 229 308 26

a)雌雄性株。

b)雄株。

c)交配標準Matl-l、 Matl-2株のいずれとも有性世代を形成しない菌系数。

(8)

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図ill-2. 中国雲南省62地点におけるイネいもち病菌の交配型の分布

各調査地点でもっとも交配能力の高い菌系で示した。

.

雌雄性菌系

雄性菌系

A:交配型Mat1-j・ a:交配型Matj-2.

不稔菌系

(9)

表E・3. 交配能力を有する中国雲南省産イネいもち病菌菌系の交配特性、 来歴及び病原性

菌系 交配型 1生 採集地 分離品種 レースe)

CHNOS5-1・2 Mat1-1 ♀ ♂ Q吋ing, Qujing Chugeng 3吟 106.4 CHNOS5-1-5 Mat1-2 ♀ ♂ Q可ing,Qujing Chugeng 3a) 006.4

CHNOS7-1-1 Mat1-2 Fejichen, Kunming 不明 117.5

CHNOS8-1・5 Mat1-2 Kunming, Kunming 不明 117.5

CHNOSll-1-1 Mat1-2 平 ♂ Tenchong, Baoshan 74-35の 106.4

CHNOSl1-3-3 Mat1-2 Tenchong, Baoshan 562 116.5

CHNOS12-1-1 Mat1-2 Liuku, Nujiang Nuoguの 037.5

CHNOS12-2-1 Mat1-2 Liuku, Nujiang Nuoguの 137.4

CHNOS13-1-2 Mat1-2 Huize, Qujing 8102 017.5

CHNOS21-1-4 Mat1-1 Wuding, Chuxiong Yun'ertian 02の 001.0 CHNOS23-1-2 Mat1-2 Tonghai, Yuxi Yuxi 8126a) 117.5

CHNOS27-1-2 Mat1-2 �aguan,Wenshan Dfu 63c) 013.5

CHNOS28-1-2 Mat1-2 CJuangnan, Wenshan Keshab) 107.4 CHNOS29-1-2 Mat1-2 Yanshan,Wenshan Bendibaigu o∞.0

CHNOS32-2-4 Mat1-2 Liyingxang, Zhaotong 不明 017.5

CHNOS33-2-4 Mαt1-2 Zhongdian, Diqing Hongdiao 006.0

CHNOS34-1-3 Mat1-2 Y ongde, Lincang 不明 102.0

CHNOS34-2-1 Mat1-2 Y ongde, Lincang 不明 017.5

CHNOS37-1-1 Mat1-1 ♀ ♂ Jinghong, Xishuangbanna Luexib,d) 126.0 CHNOS38-1-4 Mat1-2 �onhai, Xishuangbanna CJanbo 104.4 CHNOS38-2-5 Mat1-2 �onhai, Xishuangbanna Tongzi 11め 026.0 CHNOS51-1-3 Mat1-2 Xichou, Wenshan CJuichaob) 106.4

CHNOS52-1-3 Mat1-2 Liyingxiang, Zhaotong 不明 106.4

a)ジヤボニカ品種。

b)インディカ品種。

。ハイブリッドインディカ品種。

d)陸稲品種。

e)日本の12判別品種によるレース検定。

-71申

(10)

2及びCHNOS21-1-4は, 他のどの分離菌とも有性世代を形成しなかった(表皿-4, 図皿・3a)。 交配剤J Matl-2菌系CHNOSll-1-1及び他の数菌系は, 分離直後に菌系CHNOS37・1・1との交配により子のう胞 子を形成したが, 2度3度と交配試験を繰り返すとその交配稔性は低下した。

対峠培養21日後,イ本部が黒化した成熟した子のう殻が形成され, 発芽能力のある子のう胞子が形 成された。 子のう殻体部は直径193.0-223.5μm(平均201.2μm), 頚部は長く, 円筒状で, 直径は体部 と同程度, 長さは609.6-853.4μm(平均772.2μm)で, しばしば枝分かれしていた(図皿-3a, b )。 子のう の大きさは61.2-89.3 X 7.7・10.2μm(平均72.9 X 8.7μm) で, 1"-'8個の子のう胞子を含んでいた。 成熟 した子のう胞子の大きさは16.4・21.5X 4.9-5.7μm(平均19.3 X 5.0μm)で, 寒天平板に置床すると約

1時間で発芽を開始した(図皿-3c)。

Xishuangbannaからの分離菌CHNOS37-1-1と他の地区から分離された交配稔性をもっ20菌系を交配 したところ, 15組合せにおいて交配型Matl-l菌系, Matl-2菌系が1:1の分離比を示す子のう胞子が得 られた(表皿-4)。 なかでもCHNOS37-1-1X CHNOS12-2-1, CHNOS37・1-1X CHNOS29-1・2

CHNOS37-1-1 X CHNOS32-2-4の3組合せでは子のう殻の形成数が多く, 一つの子のうに含まれる8個 の子のう胞子がすべて発芽するなど子のう胞子の発芽率も高く, 菌糸の生育も良好であり, イネに対 する病原性の遺伝子分析が可能であった(図III -3d)。 これについては, 第2節で詳細に記載した。 残り の5組合せでは子のう胞子ができなかった。

(4)戻し交配及び後代間交配による交配稔性の向上

イネいもち病菌問で交配可能ないくつかの菌株を得たが, それらの子のう胞子は発芽率が低い場 合が多くみられた。 遺伝解析に供試する菌系を育成するととを目的とし, 戻し交配及び後代問の交配 による発芽率の向上について検討した。

後代問の交配による交配稔性の向上では, CHNOS37-1-1 x CHNOS12・2・1(交配番号2145)の後代 112系統から交配型Matl-lの2145・R-10及び交配型Matl-2の2145-R-11の2系統を選抜し, さらに, そ れらの交配(交配番号3465)後代106系統について, 子のう胞子の発芽率を検定する交配を行い, 交 配型Matl-1の3465・R・25, 交配型Matl-2の3465-R-3, 同-20及び同-92の4系統を選抜した(図E・4, 表 E・5)。 また, 同じ交配組合せから得られた8個の子のう胞子のうち7個が発芽した子のうをそのま ま交配させ子のう殻から分離した後代83系統から, 交配型Matl-lの3465・AR-84及び同-7, 交配型 Matl・2の3465・AR・15, 同-42 同-5及び同-9の6系統を選抜した(図皿-4)。

戻し交配による交配稔性の向上では CHNOS37・1・3x 2145・R-57・1(交配番号3472)から59の後代 系統を分離した。 これらの菌系の交配型は交配型Matl-lが30系統, 交配型Matl-2が29系統であった。

交配稔性の高い系統として交配型Matl-lの3472-R・12及び、同-40, 交配型Matl-2の3472・R・59及び、同・58 の4系統を選抜した。 3472・R・58はイネいもち病菌との交配で子のう胞子の約50%が発芽した(図E

・5) 0 CHNOS37・1・1 x 2145・R・11(交配番号3475)からは102後代系統を分離した。 交配型Matl-lが46 系統, 交配型Matl-2が52系統, 交配稔性を失ったものが4系統であった。 交配稔性の高い系統として

-72-

(11)

表ill-4. イネいもち病菌相互の交配組合せによる子のう胞子の形成

Matl-2菌系

Matl-l菌系

CHNOS5-1-2 CHNOS21-1-4 CHNOS37-1・1

CHNOS5-1-5 CHNOS7-1-1 CHNOS8-1-5 CHNOSll-l-l CHNOSll-3-3 cm吋OS12-1-1 CHNOS12-2-1 CHNOS13-1-2 CHNOS23-1-2 CHNOS27-1-2 CHNOS28-1-2

CHNOS29-1-2

CHNOS32-2-4 CHNOS33-2-4 CHNOS34-1-3 CHNOS34-2-1 CHNOS38-1-4 CHNOS38-2-5 CHNOS51-1-3 CHNOS52-1-3

+

+

++

+ + +

+ + + + + + + + + + +

++ :成熟した8個の子のう胞子をもっ子のうを形成、 +: 子のう当たり の成熟した子のう胞が8個未満、 ペ子のう殻を形成しないか、 または子 のう殻が形成されてもその中に子のうが 形成されない。

ー73-

(12)

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図III -3 イネいもち病菌相互の交配により形成された子のう殻、 子のう及び子のう胞子

a: I車系CHNOS37-1-3U五右) x簡系CHNOS5-1-5(上F)の交配(交配器片2129)により 形成された子のう殻の列。 b:成熟した子のう殻体部と枝分かれした大きな頭部

(CHNOS37-1-2 x CHNOS11-1-1、 交配番号2124)。 パーの長さは200μmo C: 8例の子 のう胞子がすべて発芽したFのう(CHNOS37-1-1 x CHNOS32-2-4、 交配帯号2151)。

パーの長さは50μmo d:発芽した子のう胞子(CHNOS37-1-1 x CHNOS23-1-2、 交配需 け2148)。 パーの長さは10μm。

(13)

CHNOS37-1-1

交配番号

2J45 CHNOS12-2-1

106系統

Matj-j

3465-R-25

112系統I Matj-j : 27

Matj-2: 38 不明: 47

交配番号3465

Matj-j

: 35

Matj-2:

36 不明: 12

Mat1-2

3465-R-3 3465-R-20 3465-R-92

Matj-j

3465-AR-7 3465-AR-84

Matj-2

3465-AR-5 3465-AR-9 3465-AR-15 3465-AR-42

図llI-4. 交配後代系統問の交配による交配能力の向上

-75-

(14)

表皿-5. 2145-R-1 0-1 x2145-R-1 1-1の後代系統間交配(交配番号 3465)によるイネいもち病菌の交配稔性

交配番号 交配組合せ

3808 3465-R-25 x 3465-R-20 3810 3465-R-25 x 3465-R-3 381 2 3465-R-25 x 3465-R-11 381 3 3465-R -2 5 x 3465-R -1 7 3814 3465-R-25 x 3465-R-26 3815 3465-R-25 x 3465-R-3 6 3816 3465-R-25 x 3465-R-45 381 7 3465-R-25 x 3465-R-7 5 3818 3465-R-25 x 3465-R-92 a)ランダム調査による子のう胞子の発芽率 ω子のう毎の子のう胞子の最大発芽率

c)未調査

発芽率1a) c) %

13 7 5 4 4 16 3

発芽率2ω 100 % 75 50 38 25 38

25 50

100

(15)

交配番号 戻し親系統 交配番号 交配番号 戻し親系統

幻45-R-ll �ーをHNOS37-1-〉呼一山-R-57ヰモHNOS37-1て

102系統

Mat1-1 3475-R-37 3475-R-38

Matl-] : 46 Matl-2:

52

不明:4

Mat1-2 3475-R-ll 3475-R-12 3475-R-13

80系統

1

Matl-] : ..1"

_

"-"

20

r\A 59系統-

- . . ." ,

- I

Matl-] : 30 Mat]-2: 34 I Matl-2 : 29

不明:

2

6

Mat1-2 Mat1-1 Mat1-2 3477-R-12 3472-R-12 3472-R-58 3477-R-42 3472-R-40 3472-R-59

図ill- 5.

戻し交配による交配能力の向上

-

77

-

(16)

交配型Matl-lの3475・R・37及び同-38, 交配型Matl-2の3475-R-ll, 同-12及び同ー13の5系統を選抜した。

3475・R-37はシコクビエいもち病菌との交配で81%が発芽するなど, この戻し交配から得られた後代 系統は交配稔性が高い系統が多かった(図皿-5)0 CHNOS37-1-1 x 2145・R-57-1(交配番号3477)か ら80後代系統を分離した。 交配型Matl-lが20系統, 交配型Matl・2が34系統, 交配稔性を失ったものが 26系統であった。 交配稔性の高い系統として交配型Matl-lの3477・R・27, 交配型Matl-2 の3477-R-12及 び同・42の3系統を選抜した。 交配稔性を失った系統が多数みられるなどとの戻し交配から得られた 後代の交配稔性はさほど改善されなかった(図E・5)。

。)分離菌の安定性

イネいもち病菌CHNOS37-1・1及びCHNOS12・2・1から単分生胞子分離した各40菌系を判別品種クサ ブ工, ヤシロモチ, PiNo.4, とりで1号に噴霧接種し病斑型を調べた。 PiNo.4及びとりで1号に対 しては, CHNOS37-1-1及びCHNOS12・2-1とも病斑型は安定し, 抵抗性反応が擢病性反応に変化する ことはなかった。 しかし, クサブエ及びヤシロモチに対する病原性は, CHNOS37-1-1で安定してい たのに対し, CHNOS12・2・1では擢病性の病斑型以外に病斑型0, 病斑型1及び病斑型2を示すものが少 数菌系みられ不安定であった(図III-6)。

イネいもち病菌CHNOS37-1-3 x FR10 (Guyll)の交配FI12菌系について病原性の安定性を検討し た。 PSA斜面培地に150 Cで2カ月保存した菌系と分離時にろ紙保存した菌系の病原性特性を調べた。

PSA斜面培地保存はろ紙保存に対して, 3菌系に菌叢の色の変化, 3菌系に胞子形成数の明らかな減少 がみとめられた。 これらの菌系の胞子を噴霧接種すると多くの場合, イネ品種に対する病原性が低下

していた(表皿-6)。 菌叢の色, 胞子形成量に変化がみられない場合においても, FI-菌系3514-R・28 のように病原性の低下がみられた菌系もわずかながらみられた。 分離後ただちにろ紙に保存していた 菌系は, 4ヶ月後の病原性検定において胞子形成の低下もみられず病原性を保持していた。

考察

メヒシバいもち病菌にいもち病菌として初めて有性世代が確認される10)と, 続いてシコクビエい もち病菌とシナダレスズメガヤなどの牧草や雑草などイネ科植物からの分離されたいもち病菌間で交 配が可能となり22, 74, 84) いもち病菌の遺伝子解析の基礎的研究が開始されたお,民87)。 しかし, シコク ピエいもち病菌とイネいもち病菌の交配では, 遺伝的不和合性により子のう殻は形成しても子のう胞 子は形成されない場合や子のう胞子が形成されても発芽がきわめて悪く未熟なものが多かった。 イネ いもち病菌間の交配はさらに困難であった。 1982年, Kato and Yarnaguchi23)により日本, インドネシ ア, コートジボアール及びインド産菌系の相互交配により初めて有性世代が観察された。 Notteghern

and Silue (1992)は, 交配稔性を持つイネ菌の探索を進めていたが, 1979年に南米フランス領ギアナ から分離したGuy11菌系は, 後年イネ菌相互で交配することがわかり57), 多くの研究者によって交配 の片親として病原性の遺伝解析に使用されている。 また, VaJent et al. 77)は, 交配稔性を向上させたシ

-78-

(17)

CHN0S37-1・1 CHNOS12-2・1

40 30

32 25

30 20

20 クサブエ

10 10

40 30

36

30 22

�ー-

ヤシ口モチ

20

10-1

40

33

30

20 円NO.4

10

40寸ー40

30

20 とりで1号

10-1 0+ー

病 斑 型

文Jill- 6. イネいもち病菌菌系CHNOS37-1-1およびCHNOS12- 2-1の分生胞子の単離による各40菌系統を判別品種に 噴霧接種した時の病斑型の分布

-79-

(18)

胞子形成及び病原性の変化 保存期間

保存法の (月)

イネ品種に対する病原性(病斑型の)

胞子形成じ)愛知旭 石狩白毛 クサブエ ツユアケ ヤシロモチ PSA斜面培地保存とろ紙保存による菌叢、

表ill-6 菌株名 菌叢め

同凶

4

3 0

1 3

2 4

4 1

8

VLB LB

4 2 A

B

3514-R-12

5 4 5

5 3

2

回 国 国

同凶 問凶 同凶

回 目 団 団

団 回

目 回

4 3

同凶 問山

4 4 5

5

同凶

5 5

同 団 団 回

3 2 3 2

同凶問凶同凶同凶同凶同凶同凶同凶

168 156

B B

4 2 A

B

3514-R-24

4 0

SLB VLB

4 2 A

B

3514-R-25

2 2 6 2

VLB VLB

B B

4 2 4 2 A

B

A

B

3514-R-28 3514-R-29

1 0

B B

4 2 A

B

3514-R-30

118 3

B B

4 2 A

B

3514-R-31

3 6

B B

4 2 A

B

3514-R-36

9 0

B B

4 2 A

B

3514-R-48

5 5

5 2

3

戸、Ja斗

5 5 65

288

B B

4 2 A

B

3514-R-76

5 5

5

5 2

2 3

5 5

5 65

68

LB LB

4 2 A

B

3514-R-82

町凶 同凶

同凶

3514-R-95

2 0

1

0

LB VLB

4 2 A

B

a)保存法

A:ろ紙保存(-200C)

B : PSA斜面培地保存(15"C )

b)菌叢(オートミール培地における培地の色) B:黒SLB:やや薄い黒

LB:薄い黒

VLB:かなり薄い黒

。シャーレ(直径9cm)当たりの胞子形成量(X105個) d)病斑型

o (抵抗性)一一一一5 (感受性)

枠は品種の病斑型が感受性から抵抗性反応へ変化したことを示す。

* CHNQS37-1・3X FRIO (Guy11)のFJ菌系

(19)

ナダレスズメガヤ菌にイネ菌を交配し, 得られたF,菌系をイネ菌親株に戻し交配することを繰り返す ことで交配稔性を持ち, かつイネに病原性をもっ菌株を作出している。

本研究では, 交配稔性が高い菌系を得るため世界各地から集めたイネいもち病菌の交配稔性を調 べた。 東南アジアのイネいもち病菌の交配型はMatl-2に偏ることが多く, イネいもち病菌相互の交配 では子のう殻の形成数が少なく, また子のう胞子の発芽率は極めて悪く遺伝子分析に供試することが できなかった(表E・1)。 次に中国雲南省からの分離菌について検討した結果, 一部にイネ菌相互で 交配する菌株を見いだしたへ雲南省産イネいもち病菌雌性株を片方の親株にし, レースを異にする 多くのイネ菌と交配させると多数の子のう胞子が得られ本菌の遺伝解析が可能となった。 中国雲南省 イネいもち病菌には交配型Matl-l及びMatl-2の両交配型がみられた。 交配型Matl-l に比べ交配型 Matl-2の割合が高く, とれは東南アジアにおける分布率と似ている。 交配稔性を有する菌系は Xishuangbanna, Qujing, Baoshan 地区に多く分布し, Xishuangbanna, Q可ing地区では両交配型がみら れた。 Xishuangbanna, Q吋ing地区内の交配では子のう殻の形成数は少ないかまたは形成されず, 子の う胞子の成熟度も低かった。 との原因としては, 交配した一方の菌系の交配稔性が十分ではなかった ことによると考えられる。 Xishuangbanna地区の他の地区からの菌系との交配から形成された子のう 殻, 子のう, 子のう胞子の大きさはKatoetal.の報告とほぼ一致した23)。

中国雲南省は, 低緯度に位置しているが稲作地帯の標高は70から24∞mに広がり, 気候的には熱 帯から温帯にあたる。 インディカ稲は標高1,7 50m以下に, ジャポニカ稲は2,000m以上に, その中間 では両方が栽培されている。 雲南省の稲作区分は稲の栽培型及び普及品種の分布から高寒梗稲区, 高 原梗稲区, 期ij梗交錯稲区, 一・二期制ij稲区, 水陸兼作稲区, および一期晩期ij稲区の6つに分けられる lt交配菌はほとんどの稲作区分から分離されたが, 一期晩和ij稲区及び一・二期制ij稲区に多い傾向が みられた。 菌系CHNOS37・1-1は 雌雄性の特性を持ちイネいもち病菌との交配において多くの菌系 と子のう胞子を形成した(表団-4)。 本菌系は最南部のXishuangbanna地区の陸稲品種Luexiから分離 された。 CHNOS37 ・1・1との15交配組合せのうち8個の成熟した子のう胞子を含む子のうを多数形成し た交配型Matl-2菌は3菌系あり 1菌系は陸稲から分離されている。 陸稲と交配稔性との関連が伺えそ うである。 雲南省南部はインドアッサムとともにアジア栽培稲の起源地域に含まれ79,80), イネのアイ ソザイム解析によっても 雲南省最南端部または南西部はもっとも多様性に富んでいる4,ぺこのよ うに稲作の起源とされる地域に高い交配能を有するイネいもち病菌が見いだされたことは, イネいも ち病菌の起源、を考察する上で興味深い。 近年, ネパール西部に隣接するインドヒマラヤ(Uttar Pradesh)においても交配稔性をもち雌雄性であるイネいもち病菌が両方の交配型にみいだされた3め。

イネいもち病菌を含むいもち病菌は, 野外において無性世代でのみ活動し有性世代を形成していない とされてきた。 しかし 雲南省内には両方の交配型菌が分布し, それらの交配により活力のある多数 の子のう胞子が形成されたことから, 雲南省からネパール西部に隣接するインドヒマラヤにおいてイ ネいもち病菌の有性世代形成の可能性があるだろう。

-81-

(20)

イネいもち病菌を用いた遺伝子分析においては高い交配稔性が求められる。 交配後代系統相互の 交配, 交配親系統と交配後代系統の交配を通じ, 交配稔性に関し, 子のう胞子を選抜することにより 交配稔性に向上がみられた。 Valentet a1. 76)はシコクビエいもち病菌×オヒシパいもち病菌において4 世代にわたり交配稔性の向上を図り, 子のう胞子の発芽率を10%から95%に高めている。 交配稔性が 十分でない菌系が多いイネいもち病菌においても有効な手段になると考えられる。

いもち病菌の変異性は抵抗性イネ品種の崩壊の原因などとしてしばしば問題にされ, 変異に関す る研究がなされている6,叫汽イネいもち病菌の交配によりFI菌系群を用いて病原性の解析を行う場 合においても, 単子のう胞子分離した菌系をPSA斜面培地に短期間保存しておくことにより病原性を 失ったり, 変化する現象がみられた。 いもち病菌は変異を起こし易い菌とされているが, 特にFI菌系 群の場合, 有性生殖による組換えにより菌系が不安定になっていることも考えられる。 FI菌系の分離 に際しては, 菌の特性の変異を考慮し, ただちにろ紙法等により保存する必要があると考えられた。

また, 雲南省産イネいもち病菌菌系に, 判別品種に対して病原性反応が不安定なものがみられた。

Iwano et a1.は, 雲南省産いもち病菌を室温下のPSA斜面培地で2年間保存した時, いくつかの菌系に

おいて病原性の変化を確認しているべ特に関東日号, ツユアケ及びヤシロモチに対する変化が起き やすいとしているが, 本研究においてもツユアケ及びヤシロモチに対する反応に単胞子分離菌系聞の 変異がみられた。 このことから供試菌選定にあたっては, 病原性が安定した菌系であることを確認し ておく必要がある。

第2節 イネいもち病菌のイネ判別品種に対する非病原性の遺伝子解析

材料および方法

(1) 交配

交配は第2章第2節で用いた方法で行った。 第1節において高い交配稔性を有すると判定したイ ネいもち病菌を含む交配型Matl-l, Matl-2, それぞれ10, 15菌系のイネいもち病菌25菌系(表ill-7) を供試した。

(2)子のう胞子の単離

交配型の異なる菌系を対峠培養し, 20'"'-'25日後, 子のう殻を金属鈎で取り出し, 分生胞子の混入 を少なくするために子のう殻頚部など体部以外の器官を極力除き, 滅菌蒸留水で洗った。 子のう殻体 部をO.5mg加1のzymolyase100T水溶液中においてピンセットで潰し, その水溶液を4%寒天平板にコ ンラジ棒で広げた。 子のう胞子の発芽がよい場合は, ガラス針により単胞子分離し, 発芽が悪い場合 は28・C 12'"'-'14時間培養し, 発芽した子のう胞子を寒天ごと単胞子分離した。 分離した子のう胞子 菌系は, 穀粒保存法やろ紙保存法により長期に保存した。

(3)病原性の検定

(21)

相互交配によるF1菌系のイネ品種に対する非病原性の遺伝子解析に供試したイネいもち病菌とその病原性特性 表皿-7

病斑型 判別品 種 に 対 す る

石狩 クサ 愛知旭白毛 ブエ

とりで 1号 K60 Pi

NO.4 フク ヤシロ ニシキモチ

ユケツア t刊∞,

レース

CHNOS5-1-5 CHNOS11-1-1 CHNOS12-2-1 CHNOS23-1-2 CHNOS29-1-2 CHNOS32-2-4 CHNOS32-3-4 CHNOS32-3-6 CHNOS37-1-1 CHNOS37-1-2 CHNOS37-1-3 CHNOS37-1-5 CHNOS59-3-3 CHNOS59-9-1 CHNOS60-2-2 CHNOS60-2-3 FR10(Guy11) P012-7302 2145-R-10 2145-R-11 2145-R-57 2148-R-1-1 2151-R-55-1 3465-AR-15

3472-R-58

006.4 106.4 037.4 117.5 126.0 017.5 017.5 017.5 126.0 126.0 126.0 126.0 106.4 104.4 102.0 102.0 126.4 102.0 126.4 037.5 037.1 537.0 437.0 037.4 037.1 K59

1-

5454155511i

・15500404411141

ハU

BL1 1inununununUハUnu--nunUハUti--1itinu--1inU1i1iハU1i1i

4EA l--40455・

1001100201445014

ハU

ハUハUnunununununU今,-titi-inUハUnunUぺノ釘今ん1inunUAU寸AU寸ハUハU

ウ臼4EA AV000oolo-

-111100211002001

425512054545555544

115112

唱i10111121・1111100011211112

ハU

0050502054542200504455555 1244145421211200102444525

4444343454445500404445455 du寸A斗ζJ,、J戸、dζJ戸、J戸、J戸、JA斗寸《JA斗戸、J11戸、JζJζJζJA斗A斗ζJ戸、dA斗ζJFhJ 新2号

ウム22441435-

1111100002444442

11

交配型 Mαtl-2 Matl-2 Matl-2 uαtl-2 Mαtl-2 Mat1・2 Mαtl-2 Mαtl-2 Mat1-1 Mat1-1 Mαt1-1 Mαt1-1 Mαt1-1 Mat1・2 Mαt1-1 Mat1-1 Mαt1-2 Mat1-2 Mat1-1 Mαtl-2 Mαt1-2 Mat1-1 Mαt1-1 Mαtl-2 Matl-2 菌系

(22)

病原性の検定のため異なるいもち病真性抵抗性遺伝子を1個ずつもつ12判別品種を供試し(表E -8) , 主として病原性の品種特異性を決定している真性抵抗性遺伝子および非病原性遺伝子の解析を 行った。 イネ品種の育苗, 接種及び病斑型の判定は, 第1節と同じ方法で行った。

実験結果

(1)判別品種「新2号」に対する非病原性の遺伝子分析

イネいもち病菌相互交配による23組合せのF)菌系群のイネ品種「新2号」に対する非病原性の遺 伝子分析の結果を表皿-9に示した。 新2号は真性抵抗性遺伝子pi k-sとpi shをもつことが知られてい る。 非病原性菌系問の交配8組合せ(交配番号2124, 2129, 2150, 2196, 3511, 3514, 4000, 4013) のF)菌系群では, 交配番号2196でわずかに病原性菌系が出現したが それ以外ではいずれの組合せに おいても, すべてのF1菌系が非病原性であった。 非病原性菌系と病原性菌系の交配14組合せ(交配番 号2145, 2148, 2151, 3465, 3472, 3475, 3919, 3921, 3926, 3936, 3960, 3984, 3986, 3988)のF) 菌系群では, 非病原性と病原性のF)菌系がほぼ1:1に分離し, 1因子の遺伝子が関与していると推定 された。 非病原性と病原性F]菌系の分離比がかなり偏よる組合せが交配番号3465などにみられた。 こ れは交配番号2145などにみられるような中間的な反応を非病原性とみなすか病原性と見なすかに起因 する場合と交配番号2151などにみられるようなF]菌系の病原性が低下している場合及び交配番号3475 にみられる交配親菌系の病原性の低下に起因する場合が考えられた。 また, 交配番号3984, 3986及び 3988では非病原性と病原性のF)菌系が3:1の分離比に適合した。 病原性菌系間の交配番号3970のF)菌系 群では, すべてのF1菌系が病原性であった。

非病原性と病原性F)菌系が3:1の分離比に適合した交配番号3984, 3986及び3988では2因子の遺伝子 が関与していると推定された。 新2号の抵抗性に対する非病原性の遺伝様式を解析するため, 新2号 に非病原性の菌系CHNOS60ふ3と病原性の2145-R・57を交配して得られた125Ft菌系をpi k-sを単独に

もつF3系統ANS2F3・75及び:Pishを単独にもつF3系統ANS2F3・3�こ噴霧接種した。 その結果, ANS2F3・

75に対して非病原性F]菌系と病原性F)菌系は67 : 58, ANS2F3-3に対して非病原性F]菌系と病原性F)菌 系は68 : 57となり, いずれも1 : 1に分離し, 一因子による非病原性遺伝子が確認された(表E・10)

。また, 非病原性遺伝子Av-ksとAν-shの間には, 26.4%で連鎖がみられた(表E・11)。

(2)判別品種「愛知旭」に対する非病原性の遺伝子分析

イネいもち病菌相互交配による23組合せのF]菌系群のイネ品種「愛知旭Jに対する非病原性の遺 伝子分析の結果を表ill-12に示した。 愛知旭は真性抵抗性遺伝子Piaをもつことが知られている。 非病 原性菌系と病原性菌系の交配2組合せ(交配番号4000及び4013)のF]菌系群では, 非病原性と病原性 が1:1に分離した。 残りの21組合せは病原性菌系聞の交配であった。 これらのF ]菌系群では, いくつ かの組合せでF]菌系の病原性の低下により, また, 交配番号3511にみられる交配親菌系の病原性の低

下により非病原性菌系がみられた。 それ以外の組合せではすべてのF]菌系が病原性であった。

-84-

(23)

表III-8. 供試したイネいもち病抵抗性判別品種と今までに報告されいる真性抵抗性遺伝子

種口問一口可

朝一新 抵抗性遺伝子 pi k-s pi sh

レースコード番号 参考文献 Kiyosawa 196932) 井辺・松本198516) 山崎・清沢97) 山崎・清沢97) Kiyosawa 196932) 山崎・清沢97) Kiyosawa 196830) 井辺・松本198516) Kiyosawa 197835)

Kiyosawa 1970, Kiyosawa 196728) 井辺・松本198516)

Kiyosawa 196933) Kiyosawa 196929) 井辺・松本198516)

Yokoo and Kiyosawa 1970100) Kiyosawa 196931)

Kiyosawa 197234) 井辺・松本198516) Kiyosawa 19723'1) 愛知旭

石狩白毛

日 a

pi i pi k-s

2 4

クサブエ pi k pi sh 10

ツユアケ pi k-m フクニシキ pi z pi sh

20 40

ヤシロモチ pi ta

PiNo.4 pi ta-2 pi sh

100 200

とりで1号 pi z-t

K60 pi k-J)

BL1 pi b pi sh

400 .2

K59 pi t .4

(24)

表皿-9. イネいもち病菌相互交配による23組合せのF1菌系群のイネ品種「新2号」に対する非病原性の遺伝子分析

交配番号 交配組合わせ(MAT1-1ル1ATl-2) 親系統の病斑型 F1菌系群の病斑型 系統数

期待比率 χ2 P値 MAT1-1 MATl-2 1 2 3 4 5 (非病原性:病原性)

2124 CHNOS 37-1-2/CHNOS 11-1-1 1 2 3 9 。 1 。 。 13:0 (3/4)b 1:0

2129 clむ�OS 37-1-3/CHNOS 5-1-5 1 2 4 28 1 6 。 。 39:0 (3/4) 1:0

2145 CHNOS 37-1・l/CHNOS 12-2-1 2 4a 4 33 4 37 28 2 41:67 (2/3) 1:1 6.26* 0.01

2148 CHNOS 37-1-1ICHNOS 23-1・2 1 4 2 6 。 。 3 。 8:3 (3/4) 1:1 2.27 0.13

2150 CHNOS 37-1-1/CHNOS 29-1-2 1 1 10 15 1 26:0 (3/4) 1:0

2151 CHNOS 37-1-1ICHNOS 32-2-4 2 4 4 32 5 6 16 。 41:22 (2β) 1:1 5.73* 0.02

2196 CHNOS 37-1-5/CHNOS 5-1-5 1 2a 12 79 4 4 2 99:2 (3/4) 1:0

3465 2145-R-10/2145-R-11 2 4 14 31 38 21 3 1 83:25 (2/3) 1:1 31.15** 0.00

3472 CHNOS 37-1四3/2145-R-57 1 4 24 21 9 3 3 。 54:6 (2/3) 1:1 38.40** 0.00

3475 C田守OS 37-1・112145・R・11 1 4 14 4 21 13 5 。 39:18 (2/3) 1:1 7.74村 0.01

3511 CHNOS 37-1-3IPO 12-7302 1 。 12 6 。 。 。 。 18:0 (2/3) 1:0

3514 CHNOS 37-1-3/FR 10 1 。 17 39 41 。 。 。 97:0 (2/3) 1:0

3919 CHNOS 37-1-l/CHNOS 32-2-4 2 4 2 4 9 13 10 4 15:27 (2/3) 1:1 3.43 0.06

3921 CHNOS 37-1-3/CHNOS 32-2-4 1 4 1 3 3 1 5 1 7:7 (2/3) 1:1 0.00 1.00

3926 cm吋OS 37・1・3/CHNOS 32-3-4 1 3 6 10 10 3 3 5 26:11 (2/3) 1:1 6.08* 0.01

3936 CHNOS 37-1-3/CHNOS 32-3-6 1 5 4 19 19 16 8 2 42:26 (2/3) 1:1 3.76 0.05

3960 2151-R-55-1/3472-R-58 4 2a 6 8 3 16 18 7 33:25 (3/4) 1:1

3970 2148-R-1-l/3465-AR-15 4 4a 。 。 14 5 1 0:20 (2/3) 0:1

3984 CHNOS 60-2-3/2145-R-11 4 16 3 6 4 19:10 (3/4) 3:1 1.39 0.24

3986 CHNOS 60-2-3/2145-R-57 。 4 54 17 12 1 14 26 84:40 (3/4) 3:1 3.48 0.06

3988 CHNOS 60-2-3/3465-AR-15 4 25 10 8 2 13 13 45:26 (3/4) 3:1 5.11 * 0.02

4000 CHNOS 60-2-2/CHNOS 59-9-1 1 61 31 21 113:0 (2β) 1:0

4013 CHNOS 59-3-3/CHNOS 59-9-1 1 1 。 46 11 。 。 。 57:0 (2/3) 1:0

a接種により形成される病斑型が不安定。

b非病原性と病原性の判定の基とした病斑型の境界を示す。

5010で有意差なし、 “ 1%で有意差なし。

(25)

表国-10. イネいもち病菌菌系CHNOS60-2-3X 2145-R-57の交配からランダムに分離したFl菌系の新2号型イネ品種 に対する非病原性の遺伝子分析

親菌系の病斑型 病斑型別Fl菌系数

CHNOS 2145

非病原性:

イネ品種

60-2-3 R-57

1 2 3 4 5

病原性菌系数a) 期待比率め χ2c)

新2号(Pik-s

Pish)

4 54 18 11 1 14 27 84:41 3:1 4.06*

AA/S2F3-75 (Pik-s )

5 63 4

5 53 67:58 1:1 0.65

AA/S2F3-3(Pish) 2 5

5 56 6 10 47 68:57 1:1 0.97

ヤ'ishが発現する場合は病斑型3以下を非病原性、 病斑型4以上を病原性とし、 Pik-sが発現する場合は病斑型2以下を 非病原性、 病斑型3以上を病原性とした。

b)非病原性と病原性Fl菌系数の期待比率

c) * P=O.OS-で有意差なし。

Eト∞ー

(26)

表1II-11. イネいもち病菌菌系CHNOS60-2・3 X2145・R-57か らランダムに分離したF1菌系の新2号型イネ品種の抵抗 性遺伝子Pik-s、 Pishに対する非病原性の連鎖分析

遺伝子型 F1菌系数

PT:NPr) χ2b)

Av-ks, Av-sh 51 92:33 27.85**

Aν-ks+, Aν-sh+ 41

Av-ks, Aν-sh+ 16

Av-ks+, Av-sh 17

ヤT=両親型; NPT=非両親型。

b)期待比率を1:1として計算したχ2値、 ** P = 0.01で有意 差なし。

-88-

(27)

表E・12. イネいもち病菌相互交配による23組合せのF[菌系群のイネ品種「愛知旭」に対する非病原性の遺伝子分析

父配番号 交配組合わせ(MAT1・l/MAT1-2) 親系統の病斑型 F[菌系群の病斑型 系統数

期待比率 χ2 MAT1-1 MATl-2 1 2 3 4 5 (非病原性:病原性)

2124 CHNOS 37-1-2/CHNOS 11-1-1 4 4 1 2 10 1:12 (2/3)b 0:1

2129 CHNOS 37-1-3/CHNOS 5-1-5 5 4 2 33 4 0:39 (2/3) 0:1

2145 CHNOS 37-1-1/CHNOS 12-2-1 5 5 59 49 0:108 (2/3) 0:1

2148 CI丑..rOS 37-1-1/CHNOS 23-1-2 5 5 6 5 0:11 (2/3) 0:1

2150 C回吋OS 37-1-1/CHNOS 29-1-2 5 5 2 20 4 0:26 (2/3) 0:1

2151 CHNOS 37-1-l/CHNOS 32-2-4 5 5 1 7 43 12 1:62 (2/3) 0:1

2196 CHNOS 37-1-5/CHNOS 5-1・5 4 4 4 66 31 0:101 (2/3) 0:1

3465 2145-R-10/2145-R-11 4 4 4 47 57 0:108 (2/3) 0:1

3472 CID叫OS 37-1-3/2145-R-57 5 5 3 30 27 0:60 (2/3) 0:1

3475 CI廿..rOS 37-1-1/2145-R-11 5 4 7 28 22 0:57 (2/3) 0:1

3511 CHNOS 37-1-3/PO 12-7302 5 5a 6 4 2 3 1 2 12:6 (2/3) 0:1

3514 CHNOS 37-1-3/FR 10 5 5 1 5 37 54 1:96 (2/3) 0:1

3919 CHNOS 37-1・1/CHNOS 32-2-4 5 5 2 10 30 0:42 (2/3) 0:1

3921 CHNOS 37-1・3/CHNOS 32-2-4 5 5 1 4 9 1:13 (2/3) 0:1

3926 CHNOS 37-1-3/CHNOS 32-3-4 5 5 3 34 0:37 (2/3) 0:1

3936 CHNOS 37-1-3/CHNOS 32-3-6 5 5 1 11 19 37 1:67 (2/3) 0:1

3960 2151-R-55-1/3472-R-58 4 5 1 6 16 35 1:57 (2/3) 0:1

3970 2148-R-1-l/3465-AR-15 5 5 3 17 0:20 (2/3) 0:1

3984 CHNOS 60-2-3/2145-R-11 5 4 1 28 0:29 (2/3) 0:1

3986 CHNOS 60-2-3/2145-Rδ7 5 5 124 0:124 (2/3) 0:1

3988 CHNOS 60・2・3/3465・AR・15 5 5 1 70 0:71 (2/3) 0:1

4000 CHNOS 60-2-2/CHNOS 59-9-1 5 1 2 45 6 60 47:66 (2/3) 1:1 3.19

4013 CHNOS 59-3・3/CHNOS 59-9・1 5 1 27 2 28 27:30 (2/3) 1:1 0.16

a病原性が低下。

b非病原性と病原性の判定の基とした病斑型の境界を示す。

(28)

(3)判別品種「石狩白毛」に対する非病原性の遺伝子分析

イネいもち病菌相互交配による23組合せのF.菌系群のイネ品種「石狩白毛jに対する非病原性の 遺伝子分析の結果を表皿-13に示した。 石狩白毛は真性抵抗性遺伝子Pii及びPik-sをもっととが知ら れている。 非病原性菌系と病原性菌系の交配5組合せ(交配番号3511, 3984, 3986, 3988, 4000)の R菌系群のうち, 交配番号3984, 3986, 3988, 4000の4組合せでは非病原性と病原性が1:1に分離し,

残りの交配番号3511では3:1に分離した。 残りの18組合せは病原性菌系問の交配であったが, 交配番 号2124などいくつかの組合せでF.菌系の病原性の全般的な低下によりわずかに非病原性菌系がみられ たが, それ以外の組合せではすべてのF.菌系が病原性であった。

(4)判別品種「クサブエ」に対する非病原性の遺伝子分析

イネいもち病菌相互交配による23組合せのF.菌系群のイネ品種「クサブエJに対する非病原性の 遺伝子分析の結果を表E・14に示した。 クサブエは真性抵抗性遺伝子日;k及び丹shをもつことが知られ ている。 非病原性菌系問の交配8組合せ(交配番号2124, 2129, 2150, 2196, 3511, 3514, 4000,

4013)のF.菌系群で、は, 交配番号2124, 2196でわずかに病原性菌系が出現した以外, いずれの組合せ においても, すべてのF1菌系が非病原性であった。 非病原性菌系と病原性菌系の交配14組合せ(交配 番号2145, 2148, 2151, 3465, 3472, 3475, 3919, 3921, 3926, 3936, 3960, 3984, 3986, 3988)の

F.菌系群では, 非病原性と病原性がほぼ1:1に分離し, 1因子の遺伝子の関与が推定されたが, かな

り偏った分離を示す組合せが多くみられた。 これは中間的な反応を非病原性とみなすか病原性と見な すかに起因していた。 また, 交配番号3984, 3986及び3988のF1菌系群では3:1の分離比に適合し, 2 因子の遺伝子の関与が推定された。 病原性菌系問の交配の交配番号3960のF.菌系群では, 3菌系を除 きすべてが病原性であった。 3菌系の病斑型は1及び2であったが, これが交配親菌系の病原性低下に よると考えられた。

(5)判別品種「ツユアケJに対する非病原性の遺伝子分析

イネいもち病菌相互交配による23組合せのFl菌系群のイネ品種「ツユアケ」に対する非病原性の遺伝 子分析の結果を表皿・15に示した。 ツユアケは真性抵抗性遺伝子pik-mをもつことが知られている。 非 病原性菌系聞の交配2組合せ(交配番号4000及び4013)のF.菌系群では, いずれにおいてもすべてが 非病原性であった。 非病原性菌系と病原性菌系の交配13組合せ(交配番号2124, 2129, 2148, 2151,

2196, 3511, 3919, 3921, 3926, 3936, 3984, 3986, 3988)のF.菌系群のうち6組合せ(交配番号

2148, 2151, 3511, 3921, 3926, 3936)では, 非病原性と病原性がほぼ1:1に分離し, 1因子の遺伝

子の関与が推定されたが 4組合せ(交配番号2124, 2129, 2196, 3919)では非病原性と病原性が1:1 に適合しなかった。 残りの3組合せ(交配番号3984, 3986, 3988)では, 非病原性と病原性が3:1の分 離比に適合し, 2因子の遺伝子の関与が推定された。 病原性菌系問の交配8組合せ(交配番号2145,

2150, 3465, 3472, 3475, 3514, 3960, 3970)のF.菌系群では, 判別品種全般にわたり病原性が低下 した交配番号3960の1菌系を除いて, すべてのF1菌系は病原性であった。

-90-

(29)

表皿-13. イネいもち病菌相互交配による23組合せのFJ菌系群のイネ品種「石狩白毛」に対する非病原性の遺伝子分析

交配番号 父配組合わせ(MAT1-l/MATl-2) 親系統の病斑型 FJ菌系群の病斑型 系統数

期待比率 χ2 P値 MAT1-1 MATl-2 1 2 3 4 5 (非病原性:病原性)

2124 CHNOS 37-1-2/CHNOS 11-1-1 4 4 1 1 2 9 2:11 (2/3)b 0:1

2129 CHNOS 37-1-3/CHNOS 5-1-5 4 4 1 1 36 1 1:38 (2/3) 0:1

2145 CHNOS 37-1-lICHNOS 12-2-1 5 4 3 82 23 0:108 (2/3) 0:1

2148 CHNOS 37-1-lICHNOS 23-1-2 5 4 2 8 1 0:11 (2/3) 0:1

2150 CHNOS 37-1-lICHNOS 29-1-2 5 3 5 19 2 0:26 (2/3) 0:1

2151 CHNOS 37-1-lICHNOS 32-2-4 5 4 10 48 5 0:63 (2/3) 0:1

2196 CHNOS 37-1-5/CHNOS 5-1-5 4 4 1 21 77 2 1:100 (2/3) 0:1

3465 2145-R-10/2145-R-11 4 4 52 41 15 0:108 (2/3) 0:1

3472 CHNOS 37-1-3/2145-R-57 4 4 30 21 9 0:60 (2/3) 0:1

3475 CHNOS 37-1-1/2145-R-11 5 4 18 30 9 0:57 (2/3) 0:1

3511 CHNOS 37-1-3IPO 12-7302 4 9 2 2 4 1 13:5 (2/3) 3:1 0.07 0.79

3514 CHNOS 37-1-3IFR 10 4 4 6 42 35 14 6:91 (2/3) 0:1

3919 CHNOS 37-1-1/CHNOS 32-2-4 5 4 2 17 16 7 2:40 (2/3) 0:1

3921 CHNOS 37-1-3/CHNOS 32-2-4 4 4 1 3 8 2 1:13 (2/3) 0:1

3926 CHNOS 37-1・3/CHNOS 32-3-4 4 3 6 17 14 0:37 (2/3) 0:1

3936 CHNOS 37-1-3/CHNOS 32-3-6 4 4 1 11 37 18 1 12:56 (2/3) 0:1

3960 2151-R-55・1I3472-R-58 4 5 1 12 24 21 1:57 (2/3) 0:1

3970 2148-R-1-1I3465-AR-15 5 5 2 10 8 0:20 (2/3) 0:1

3984 CHNOS 60-2-3/2145-R・11 4 1 15 1 11 1 16:13 (2/3) 1:1 0.31 0.58

3986 CHNOS 60-2-3/2145-R-57 4 22 28 12 42 50:54 (2/3) 1:1 0.15 0.69

3988 CHNOS 60-2-3/3465-AR-15 5 7 21 6 24 28:30 (2/3) 1:1 0.07 0.79

4000 CIDぜOS 60-2-2/CHNOS 59-9-1 5 2 18 1 8 8 20:17 (2/3) 1:1 0.24 0.62

4013 CHNOS 59-3-3/CHNOS 59-9-1 5 5 29 28 0:57 (2/3) 0:1

b非病原性と病原性の判定の基とした病斑型の境界を示す。

(30)

表皿-14. イネいもち病菌相互交配による 23組合せのFI菌系群のイネ品種「クサブエJに対する非病原性の遺伝子分析

父配番号 交配組合わせ(MAT1-1ル1ATl-2) 親系統の病斑型 FJ菌系群の病斑型 系統数

期待比率 χ2 P値 MAT1-1 MATl-2 1 2 3 4 5 (非病原性:病原性)

2124 CI-丑-.rOS 37-1-2/CHNOS 11-1・1 1 2 2 4 5 2 11:2 (3/4)b 1:0

2129 CHNOS 37-1・3/CHNOS 5-1-5 2 1 14 16 9 39:0 (3/4) 1:0

2145 CHNOS 37-1-l/CHNOS 12-2-1 2 4a 3 17 5 40 40 3 65:43 (3/4) 1:1 4.48* 0.03

2148 CHNOS 37-1-l/CHNOS 23-1・2 2 4 3 3 2 1 2 9:2 (3/4) 1:1 4.45* 0.03

2150 CHNOS 37-1-l/CHNOS 29-1-2 2 1 4 14 1 7 26:0 (3/4) 1:0

2151 CHNOS 37-1-1/CHNOS 32-2-4 2 4 8 14 3 11 25 2 36:27 (3/4) 1:1 1.29 0.26

2196 CHNOS 37-1-5/CHNOS 5-1・5 1 21 68 9 1 1 1 99:2 (3/4) 1:0

3465 2145-R-10/2145-R-11 2 4 1 7 39 36 19 6 47:61 (2/3) 1:1 1.81 0.18

3472 CHNOS 37-1-3/2145-R-57 2 4 3 7 21 20 6 3 31:29 (2/3) 1:1 0.07 0.80

3475 CHNOS 37-1-1/2145-R-11 2 4 1 7 24 21 4 32:25 (2/3) 1:1 0.86 0.35

3511 CHNOS 37-1-3IPO 12-7302 2 10 7 1 18:0 (2/3) 1:0

3514 CHNOS 37-1-3IFR 10 2 1 6 11 66 14 97:0 (3/4) 1:0

3919 CHNOS 37-1-l/CHNOS 32-2-4 2 4 3 1 9 12 11 6 25:17 (3/4) 1:1 1.52 0.22

rOd \

3921 CHNOS 37-1-3/CHNOS 32-2-4 2 4 6 2 2 1 3 11:3 (3/4) 1:1 4.57本 0.03

3926 CHNOS 37-1-3/CHNOS 32-3-4 2 5 12 4 9 3 1 8 25:12 (2β) 1:1 4.57* 0.03

3936 CHNOS 37-1-3/CHNOS 32-3-6 2 4 22 1 19 15 8 3 42:26 (2/3) 1:1 3.76 0.05

3960 2151・R-55-l/3472-R・58 5 5a 1 2 14 18 23 3:55 (2/3) 0:1

3970 2148-R-1-1/3465-AR-15 4 2a 8 8 4 8:12 (3/4) 1:1 0.80 0.37

3984 CI-卦�OS 60-2-3/2145-R-11 4 17 3 1 8 20:9 (3/4) 3:1 0.56 0.45

3986 CHNOS 60-2-3/2145-R-57 4 58 8 13 5 6 34 84:40 (3/4) 3:1 3.48 0.06

3988 CHNOS 60-2-3/3465-AR-15 4 30 6 8 3 8 16 47:24 (3/4) 3:1 2.93 0.09

4000 CHNOS 60・2-2/CHNOS 59-9-1 2 50 22 41 113:0 (3/4) 1:0

4013 CHNOS 59-3-3/CHNOS 59-9-1 1 2 15 42 57:0 (3/4) 1:0

a接種により形成される病斑型が不安定。

b非病原性と病原性の判定の基とした病斑型の境界を示す。

* 5%で有意差なし、 村 1%で有意差なし。

表 皿-23 イネいもち病菌相互交配によるF,菌系群を判別品種に接種して同定された非病原性遺伝子

参照

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