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IRUCAA@TDC : 外科的矯正治療に移行した混合歯列期骨格性反対咬合患者の顎顔面形態と成長変化の特徴 : 矯正治療単独で改善した症例との比較

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Posted at the Institutional Resources for Unique Collection and Academic Archives at Tokyo Dental College, Available from http://ir.tdc.ac.jp/

Title

外科的矯正治療に移行した混合歯列期骨格性反対咬合患

者の顎顔面形態と成長変化の特徴 : 矯正治療単独で改善

した症例との比較

Author(s)

水田, 葉子; 野嶋, 邦彦; 西井, 康; 立木, 千恵; 末石,

研二

Journal

歯科学報, 112(5): 610-619

URL

http://hdl.handle.net/10130/2947

Right

(2)

抄録:本研究の目的は外科的矯正治療に移行した反 対咬合患者の顎顔面形態と成長様相の変化を検討す ることである。対象は混合歯列期に反対咬合のため 矯正治療を開始した患者のうち,本格矯正治療開始 時に,外科的矯正治療が必要と診断された17名(SU 群)で対照は同時期に本格矯正治療単独で治療が可 能と診断された16名(OR 群)である。3時点:初診 時混合歯列 期(SU 群,OR 群:T1);本 格 矯 正 治 療開始時(OR 群:T2)または永久歯列完成期(SU 群:T2);本格矯正治療終了時(OR 群:T3)また は外科的矯正治療開始時(SU 群:T3)で撮影した 側方頭部エックス線規格写真を用いて,顎顔面形態 と各期間の成長変化について統計学的に評価した。 SU 群は OR 群と比較して,T1では下顎骨体長, 下顎角が大きくなり,T2では下顎骨が前下方へ成 長し,T3では更に下顎骨がより前方に位置し,上 下顎の前後的位置関係の不調和が大きかった。以上 より,混合歯列期における下顎骨の長さと形態と, その後の下顎骨の成長量に注意を払う必要性が示唆 された。 緒 言 反対咬合は日本人に多い不正咬合で矯正歯科患者 の約3割を占める1∼3) 。混合歯列期に反対咬合を主 訴に来院した患者の資料分析の結果からその時点で の形態的不正の状態を明確にすることはできるもの の,成長完了するまでの成長変化を予測することは 容易ではない。骨格性反対咬合のうち早期治療で一 度被蓋改善したにもかかわらず,下顎骨の晩期成長 により外科的矯正治療に移行せざるを得ない症例を 経験することがある。このような患者は現在の矯正 治療におけるコントロールの限界と成長予測の不確 実性を示唆しているものと考えられる。 従来,顎顔面の成長発育の予測や個々の成長の評 価方法に関して様々な報告がなされている。思春期 性の最大成長の予測に Fengshanら4) は頚椎を,Brad ら5)は手根骨を,佐藤ら6,7)は頚椎,拇指尺側種子骨 の観察を挙げている。さらに平出ら8) は尿中ホルモ ン濃度の変化を,本吉ら9) は有限要素法で頭蓋顔面 の各要素の成長予測を指標にして検討を行ってい る。また中島10) は側面頭部エックス線規格写真を用 いて患者の親の顎顔面形態を参考にすると精度が上 がると報告し,Magalhaes ら11) は顔面計測が有効で あると述べている。これらの研究は初診時の資料を 用いて,思春期性の最大成長の時期を評価したもの がほとんどである。また,反対咬合患者の経時的な 顎顔面成長の特徴に関しては正常咬合患者の成長と 比較した報告がある12,13) 。しかし,骨格性反対咬合 患者の外科的矯正治療に移行した症例と本格的矯正 治療単独で治療した症例において,同一患者を混合 歯列期から成長終了まで縦断的に顎顔面成長に関し て比較した報告はない。したがって,双方の成長発 育の違いを知ることは診断や治療計画を立案する上

原 著

外科的矯正治療に移行した混合歯列期骨格性

反対咬合患者の顎顔面形態と成長変化の特徴

―矯正治療単独で改善した症例との比較―

水田葉子

1)

野嶋邦彦

2)

西井 康

2)

立木千恵

2)

末石研二

2) キーワード:骨格性反対咬合,外科的矯正治療,本格矯正 治療,顎顔面形態,成長変化 1)東京都 2)東京歯科大学歯科矯正学講座 (2012年4月5日受付) (2012年5月22日受理) 別刷請求先:〒261‐8502 千葉市美浜区真砂1−2−2 東京歯科大学歯科矯正学講座 野嶋邦彦 610 ― 14 ―

(3)

でも有益な情報となると考えられる。 そこで,本研究では混合歯列期に骨格性反対咬合 と診断され早期治療を行ったが,本格治療開始時に 外科的矯正治療に移行した反対咬合患者の顎顔面形 態と成長様相の変化を検討するために,混合歯列 期,永久歯列完成期,成長終了期の側面頭部エック ス線規格写真を用いて,早期治療を行い,永久歯列 完成後に本格的矯正治療単独で治療が可能とされた 患者のそれと比較検討した。 材料および方法 1.研究対象 対象は混合歯列期に本学千葉病院矯正歯科を受診 し,第一大臼歯関係がⅢ級で,前歯部水平被蓋が0 mm 以下,中心位と中心咬合位が一致していた患者 の中で,骨格性反対咬合と診断され矯正治療を開始 した患者のうち,本格治療開始時に成長完了後,外 科的矯正治療が必要と診断された17名(以下 SU 群 と略す,男性6人,女性11人)である。対照は同時 期に,本格矯正治療単独で治療が可能と診断された 16名(以下 OR 群と略す,男性7人,女性9人)であ る。初診時混合歯列期(平均年齢 SU 群8.7±1.1歳, OR 群9.3±1.6歳,T1と略す),本格矯正治療開始 時(OR 群)または永久歯列完成期(SU 群)(平均年齢 SU 群12.2±1.1歳,OR 群12.2±1.3歳,T2と略す) および本格矯正治療終了時(OR 群)または外科的矯 正治療開始時(SU 群)(平均年齢 SU 群17.1±1.8歳, OR 群14.8±1.2歳,T3と略す)の側面頭部エック ス線規格写真を資料とした。 2.方 法 1)計測方法 SU 群 と OR 群 の そ れ ぞ れ T1,T2,T3の 側 面頭部エックス線規格写真をトレースした。そして 距離計測として頭蓋底前方部の大きさを表す S-N, 頭蓋底後方部の大きさを表す S-Ar,上顎骨の前後 的位置を表す N-perpendicular to point A,下顎枝長 を表す Ar-Go,下顎骨体長の大きさを表す Go-Me, 下顎骨の大きさを表す Ar-Pog,下顎骨の前後的位 置を表す N-perpendicular to Pog,上顎歯槽基底部 と下顎歯槽基底部の前後的位置を表すWits appraisal, 前顔面高を表す Anterior facial height(N-Me),後 顔面高を表す Posterior facial height(S-Go),前後顔

面高比を表す Facial height ratio(S-Go/N-Me×100) の11項目(図1),角度計測として頭蓋底と下顎骨の 位置関係を表す Saddle angle(Ar-S-N),上顎骨の前 後的位置を表す SNA,下顎骨の前後的位置を表す SNB,上下顎骨の位置関係を表す ANB,下顎角の 大きさを表す Gonial angle(Ar-Go-Me),フランクフ ルト平面に対する下顎骨の角度を表す FMA(FH と Go-Me),S-N 平面に対する下顎骨の角度を表す SN to mandibular plane angle,口蓋平面に対する下顎 骨の角度を表す Palatal plane to mandibular plane angle,上下顎骨の前後的位置関係と下顎骨の垂直 方向の位置を表す AB to mandibular plane angle, フランクフルト平面に対する咬合平面の角度を表す Occlusal plane angle の10項目(図2),さらに Rick-etts による反対咬合患者の難易度を鑑別する計測 項目として Internal structure の Cranial deflection (Ba-Na と FH,°),Cranial length-anterior(CC-N,

mm:CC はBa-Na とFacial axis の交点),Posterior facial height(Go-CF,mm:CF は FH と翼口蓋窩の 後縁の接点で FH 平面に垂直な平面との交点),Ra-mus position(FH と CF-Xi,°),Porion

location(Po-図1 距離計測項目

① S-N;② S-Ar;③ N-perpendicular to point A;

④ Ar-Go;⑤ Go-Me;⑥ Ar-Pog;⑦ N-perpendicular to Pog; ⑧ Wits appraisal;⑨ Anterior facial height;

⑩ Posterior facial height;⑪ Facial height ratio

歯科学報 Vol.112,No.5(2012) 611

(4)

PTV,mm:PTV は翼口蓋窩の後縁の接点で FH 平面に垂直な平面),Mandibular arc(corpus axis と condylar axis,°),Corpus length(Xi-Pm,mm) の7項 目(図3),計28計 測 項 目 を 計 測 し た(Ce-phalo Metrics A to Z,安永コンピューターシステ ム)。変化量は T2か ら T1,T3か ら T2の 差 を 算出した。なお,側面頭部エックス線規格写真のト レース,計測点の入力は同一術者が行った。 2)統計処理 SU,OR 群両群の T1,T2,T3の平均値と標 準偏差を求めた。さらに両群間の T1,T2,T3 における顎顔面形態の比較するために各計測項目に おいて対応のあるt検定を,両群の T2­T1間, T3­T2間における成長様相の変化について比較 するため各計測項目において対応のないt検定を用 いて統計学的に検討した。なお,すべての統計学的 検定において,有意水準を5%以下に設定した。 結 果 1.T1の両群間の比較(図4,表1) 計5項目において有意差が認められた。SU 群が 図2 角度計測項目 図3 Internal structure ① Saddle angle;② SNA;③ SNB;④ Gonial angle;

⑤ ANB;⑥ FMA;⑦ SN to mandibular plane angle; ⑧ Palatal plane to mandibular plane angle;

⑨ AB to mandibular plane angle; ⑩ Occlusal plane angle

① Cranial deflection;② Cranial length-anterior; ③ Posterior facial height;④ Ramus position;

⑤ Porion location;⑥ Mandibular arc;⑦ Corpus length

図4 SU 群,OR 群の T1のプロフィログラム 水田,他:外科的矯正治療に移行した反対咬合患者の特徴

612

(5)

OR 群と比較して距離計測では Go-Me(P<0.05)が 有意に大きかった。角度計測では Gonial angle(P <0.05)が有意 に 大 き く,AB to mandibular plane angle(P<0.05)が有意に小さかった。Ricketts の Internal structure では Mandibular arc(P<0.01) が有意に小さく Corpus length(P<0.01)が有意に 大きかった。 2.T2の両群間の比較(図5,表1) T1で有意差を認めた5項目にはすべて有意差が 認められ,さらに3項目において有意差が認められ た。SU 群が OR 群と比較して距離計測では Ar-Pog (P<0.01)が 有 意 に 大 き く,Wits appraisal(P< 0.05)が有意に小さかった。角度計測では ANB(P <0.05)が有意に小さかった。また,AB to mandi-bular plane angle においては危険率がP<0.05から

P<0.01へと小さくなった。

表1 SU,OR 群の T1,T2,T3の計測値と有意差検定

計測項目

OR 群 SU 群 t検定

T1 T2 T3 T1 T2 T3 T1間 T2間 T3間

Mean SD Mean SD Mean SD Mean SD Mean SD Mean SD 距離計測

S-N(mm) 65.1 4.0 67.8 4.0 68.4 4.4 65.1 2.9 67.7 2.7 69.7 3.5 ns ns ns S-Ar(mm) 33.3 3.3 36.0 3.6 37.1 5.0 32.2 2.6 34.7 2.6 36.4 3.7 ns ns ns N-perpendicular to point A(mm) −1.8 3.8 −0.9 3.6 −0.7 4.2 −1.7 2.7 −0.8 2.5 −0.2 3.6 ns ns ns Ar-Go(mm) 43.2 4.6 46.3 3.7 48.8 5.6 42.0 5.0 47.2 4.6 53.3 7.7 ns ns ns Go-Me(mm) 64.6 3.7 70.5 4.3 73.7 5.2 67.2 3.2 74.0 3.7 79.4 3.1 .0340* .0185* .0006** Ar-Pog(mm) 100.0 5.6 107.5 5.6 112.0 7.2 102.1 5.1 112.8 4.4 122.7 6.5 ns .0048** <.0001** N-perpendicular to Pog(mm) −4.6 5.1 −5.0 5.7 −1.8 5.8 −3.6 5.0 −1.3 5.0 6.3 5.9 ns .0004** Wits appraisal(mm) −7.2 2.9 −4.7 2.4 −4.9 2.9 −7.6 3.8 −7.0 3.0 −10.9 2.6 ns .0314* <.0001** Anterior facial height(mm) 113.5 8.4 123.4 7.8 127.8 8.5 114.1 7.8 125.5 9.4 133.2 9.8 ns ns ns Posterior facial height(mm) 70.0 5.2 78.4 5.0 82.0 6.8 72.8 5.2 77.5 5.8 84.7 9.2 ns ns ns Facial height ratio(%) 1.6 0.1 1.6 0.1 1.6 0.1 1.6 0.2 1.6 0.2 1.6 0.2 ns ns ns 角度計測 Saddle angle(°) 121.8 4.1 122.3 4.5 121.9 5.3 123.3 5.4 123.8 5.2 123.0 4.8 ns ns ns SNA(°) 80.7 2.8 81.6 2.8 81.7 3.1 80.2 2.8 81.4 3.2 81.7 4.0 ns ns ns SNB(°) 80.1 2.1 79.7 2.2 80.7 2.5 80.0 3.6 81.2 3.5 83.9 3.9 ns ns .0085** ANB(°) 0.6 2.6 1.8 2.2 1.0 3.1 0.1 2.6 0.2 2.1 −2.2 1.8 ns .0393* .0012** Gonial angle(°) 126.6 6.9 125.4 8.4 121.7 6.3 131.8 7.2 132.3 6.4 130.2 6.3 .0424* .0115* .0005** FMA(°) 27.6 6.9 27.6 6.9 24.7 6.7 30.9 5.7 31.4 5.5 27.7 5.8 ns ns ns SN to mandibular plane angle(°) 35.0 7.6 35.1 5.5 32.2 7.4 38.8 7.1 39.2 6.9 35.8 7.8 ns ns ns Palatal plane to mandibular(°) 26.7 7.2 27.0 6.4 23.7 7.6 30.9 7.2 30.7 6.9 27.4 7.4 ns ns ns AB to mandibular plane angle(°) 65.4 6.2 67.4 6.4 68.4 5.9 61.2 5.2 59.8 5.2 57.4 5.2 .0399* .0007** <.0001** Occ plane(°) 12.8 3.8 10.9 3.7 8.9 3.5 12.5 3.1 9.8 2.5 7.8 4.0 ns ns ns Internal structure

Cranial Deflection(°) 28.3 2.8 28.8 2.7 29.2 2.5 27.1 2.1 27.4 2.4 28.3 2.5 ns ns ns Cranial Length-Anterior(mm) 54.6 4.1 57.3 3.4 58.1 3.8 55.1 2.1 57.4 2.0 58.6 2.8 ns ns ns Posterior Facial Height(mm) 58.4 6.9 65.4 8.1 71.9 9.7 53.9 7.0 60.8 6.3 68.7 8.5 ns ns ns Ramus Position(°) 76.2 3.7 76.2 4.1 78.3 4.7 77.2 4.2 78.4 3.9 80.8 4.3 ns ns ns Porion Location(mm) 38.7 2.9 40.9 3.4 40.8 3.9 38.2 2.7 40.3 2.5 41.6 3.0 ns ns ns Mandibular Arc(°) 32.2 5.6 32.1 5.4 34.9 4.5 25.7 6.6 25.8 6.5 28.7 5.8 .0044** .0051** .0019** Corpus Length(mm) 64.5 3.4 69.2 4.4 70.8 4.5 67.3 2.7 73.4 3.6 79.3 4.3 .0095** .0051** <.0001** ns:not significant *:p<0.05 **p<0.01 図5 SU 群,OR 群の T2のプロフィログラム 歯科学報 Vol.112,No.5(2012) 613 ― 17 ―

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3.T3の両群間の比較(図6,表1) T1,T2で有意差を認めた8項目においてはす べて有意差が認められ,さらに2項目において有意 差が認められた。SU 群は OR 群と比較して距離計 測では N-perpendicular to Pog(P<0.01)が有意に 大きく,角度計測では SNB(P<0.01)が有意に大 きか っ た。ま た,Go-Me,Wits appraisal,ANB, Gonial angle においては危険率がP<0.05からP< 0.01へと小さくなった。 4.T2−T1間の 成 長 変 化 量 の 比 較(図7,8, 表2) SU 群は OR 群と比較して,距離計測では Ar-Go, Ar-Pog,N-perpendicular to Pog の3項 目(全 てP <0.05)が有意に大きかった。角度計測で は SNB (P<0.05)が有意に大きく,AB to mandibular plane angle(P<0.05)が有意に小さかった。 5.T3−T2間成長変化量の比較(図7,8,表2) T2−T1間で有意差を認めた5項目にはすべて 有意差が認められた。さらに距離計測では S-N(P <0.05),Anterior facial height(P<0. 05),Poste-rior facial height(P<0.05)が有意に大きく,Wits appraisal(P<0.01)が有意に小さかった。角 度 計 測では ANB(P<0.05)が有意 に 小 さ く,Ricketts のInternal structureではPorion location(P<0.05) と Corpus length(P<0.01)が有意に大きかった。

ま た,Ar-Pog,N-perpendicular to Pog,SNB,AB to mandibular plane angle に お い て は 危 険 率 がP< 0.05からP<0.01へと小さくなった。 考 察 1.研究方法について 1)被験者と計測項目について 被験者については本研究では両群の被験者とも男 図6 SU 群,OR 群の T3のプロフィログラム 図7 SU 群の T1,T2,T3のプロフィログラム 図8 OR 群の T1,T2,T3のプロフィログラム 水田,他:外科的矯正治療に移行した反対咬合患者の特徴 614 ― 18 ―

(7)

女を区別せずに比較検討を行った。一般的には思春 期成長開始時期は男より女が約1年早く,またその 成長量は女より男の方が大きいと 報 告 さ れ て い る14) 。しかしながら,両群の男女の構成については, 本 研 究 で は X2 検 定 でp=0.61と 有 意 な 偏 り は な かったため男女差を考慮せず検討を行った。また, 本研究では歯に関する計測項目について,矯正治療 による影響が大きいと考えられることから検討対象 より除外した。 2)外科的矯正治療と本格矯正治療の鑑別について 本学千葉病院矯正歯科では早期治療後,本格矯正 治療を開始する際に再診断を行って本格矯正治療を 外科的矯正治療に移行するか,本格矯正治療単独で 行うか鑑別する。その治療方針の決定には多く要素 が関与し,画一的に判断することは難しい。 主要な要素として,患者から得られた側面頭部 エックス線規格写真などの計測,分析から骨格的な 不調和の程度や歯軸を評価し,顎顔面形態から判定 する。不調和が大きいと,本格矯正治療単独では歯 表2 SU,OR 群の T21,T32の計測値と有意差検定 計測項目 OR 群 SU 群 t検定 T21 T32 T21 T32 変化量(T21) 変化量(T32) Mean SD Mean SD Mean SD Mean SD

距離計測

S-N(mm) 2.6 2.6 0.6 1.9 2.6 1.4 2.0 1.8 ns .0332*

S-Ar(mm) 2.6 2.3 1.1 2.0 2.5 2.0 1.7 1.8 ns ns N-perpendicular to point A(mm) 0.9 2.5 0.2 2.0 0.9 1.8 0.7 2.4 ns ns Ar-Go(mm) 3.0 3.3 2.6 3.1 5.3 2.4 6.1 4.2 .0269* .0104*

Go-Me(mm) 5.9 3.3 3.2 2.8 6.7 2.8 5.4 3.5 ns ns Ar-Pog(mm) 7.4 4.3 4.5 3.4 10.7 4.3 9.9 4.5 .0361* .0005** N-perpendicular to Pog(mm) −0.4 2.6 3.1 2.2 2.3 3.4 7.5 4.1 .0150* .0005** Wits appraisal(mm) 4.9 2.2 −0.1 2.2 −2.3 11.9 −3.9 2.9 ns .0002** Anterior facial height(mm) 9.9 6.2 4.4 3.9 11.3 4.2 7.7 4.2 ns .0275*

Posterior facial height(mm) 5.6 4.4 3.6 3.4 7.4 2.7 7.2 5.0 ns .0252*

Facial height ratio(%) 0.0 0.1 0.0 0.1 0.0 0.1 0.0 0.1 ns ns 角度計測 Saddle angle(°) 0.6 1.8 −0.5 2.1 0.5 2.2 −0.7 2.1 ns ns SNA(°) 0.8 2.4 0.1 1.5 1.1 2.2 0.3 1.8 ns ns SNB(°) −0.4 1.3 1.0 1.3 1.1 1.9 2.7 1.4 .0140* .0005** ANB(°) 1.2 2.5 −0.8 1.6 0.1 2.0 −2.4 1.8 ns .0143* Gonial angle(°) −1.2 4.1 −3.7 4.5 0.5 3.3 −2.1 2.7 ns ns FMA(°) 0.0 3.0 −3.0 4.0 0.5 2.2 −3.7 2.5 ns ns SN to mandibular plane angle(°) 0.0 3.2 −2.8 4.9 0.4 2.0 −3.4 2.5 ns ns Palatal plane to mandibular(°) 0.3 3.7 −3.3 5.4 −0.2 2.1 −3.3 3.1 ns ns AB to mandibular plane angle(°) 2.0 4.6 0.9 3.5 −1.4 3.1 −2.4 2.3 .0183* .0031** Occ plane(°) −2.0 2.1 −1.9 2.2 −2.7 2.4 −2.0 2.4 ns ns Internal structure

Cranial Deflection(°) 0.4 1.0 0.5 1.1 0.3 1.1 0.9 1.3 ns ns Cranial Length-Anterior(mm) 2.7 2.0 0.8 2.1 2.3 1.3 1.2 1.4 ns ns Posterior Facial Height(mm) 7.0 5.7 6.5 5.9 6.9 3.6 7.9 4.7 ns ns Ramus Position(°) 0.0 1.6 2.0 1.4 1.3 3.0 2.3 3.0 ns ns Porion Location(mm) 2.2 2.0 −0.1 1.8 2.0 1.5 1.3 1.2 ns .0107* Mandibular Arc(°) −0.1 2.3 2.8 4.0 0.1 3.4 3.0 4.4 ns ns Corpus Length(mm) 4.8 3.3 1.6 2.4 6.0 2.7 5.8 3.6 ns .0004** ns:not significant *:p<0.05 **p<0.01 歯科学報 Vol.112,No.5(2012) 615 ― 19 ―

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を歯槽上で過度に傾斜させて正被蓋を得ることにな り,将来的な咬合の安定や歯の負担を考えると外科 的矯正治療を適応することとなる。不調和の程度に 関しては本学千葉病院矯正歯科では成人時の Wits appraisal が−10mm 以下を鑑別の参考値としてい る15) 。さらに,患者の要望も鑑別の要素として重要 である。外科的矯正治療で,咬合や発音の改善に加 え,顔貌の改善を期待する患者も少なくない。本格 矯正治療開始時の患者は思春期の患者も多く,容貌 の問題が患者の心理社会生活に大きく影響すること もあり,軽視できない要素である。一方で,外科手 術に不安や抵抗を覚える患者や親も少なくない。ま た,矯正担当医,手術担当医側にも,鑑別の基準と する分析方法の選択,臨床経験,技量など様々な要 素が挙げられる。 以上のように,治療方針の鑑別には様々な要素が 絡んでいて,単純に線引きをすることは大変難し い。今回用いた症例においても,十分なインフォー ムドコンセントを行い,それぞれの利点・欠点を患 者側と術者側が十分に理解した上で総合的な判断で 治療方針を決定した。 2.外科的矯正治療に移行した患者の顎顔面形態と 成長変化の特徴 1)頭蓋底の成長発育について 本研究で計測した範囲は主に頭蓋底,上顎骨,下 顎骨である。Proff ら16)は骨格性反対咬合患者54症 例と対照群の初診時側面頭部エックス線規格写真を 用いて21項目の計測を行い,骨格性反対咬合におい て前頭蓋底の長さ,前頭蓋底と後頭蓋底のなす角度 は下顎頭の前方位と関連があると本研究とは異なる 報告をしている。これは,対象群がⅠ級とⅡ級不正 咬合患者であったため,頭蓋底の形態と下顎骨の位 置に関連が認められたためと考えられる。 また,頭蓋底について,Zentner ら17) は反対咬合 患者80症例の治療前後の側面頭部エックス線規格写 真を用いて23項目の計測を行い,反対咬合の予後を 予測するには上下顎骨の大きさの比,下顎枝長/下 顎骨体長比や Gonial angle が有効で,治療前の頭蓋 底の形態に関する計測項目の信頼性は低いと報告し ている。Ashish ら18) も白人患者200症例を4種類の 不正咬合に分類し,それぞれの側面頭部エックス線 規格写真を用いて18項目の計測を行い,頭蓋底と下 顎窩の位置関係を示す Saddle angle だけでは不正 咬合の主要な原因にはならないと報告している。本 研究でも S-N の変化量が T3−T2間に有意に大き くなったものの,T1,T2,T3すべてにおいて, SU 群 と OR 群 で は S-N,Cranial length-anterior, S-Ar,Cranial deflection,Saddle angle において有 意差はなかった。 以上より,頭蓋底に関する計測項目から将来の治 療方針の鑑別は難しいと考えられた。 2)混合歯列期の上下顎骨の成長発育について 本研究では,上顎骨は前後的位置と成長変化量に 有意差はなかった。下顎骨の形態は Ar-Go は有意 差がなかったものの,Go-Me,Corpus length が有 意に大きいことから下顎骨体長が大きい。また Go-nial angle も有意に大きいことから下顎骨体が下方 へ回転している。また下顎骨の成長方向については AB-mandibular plane angle と Mandibular arc に有 意差があったことから前下方であった。思春期成 長の変化量は Ar-Go,Ar-Pog,N-perpendicular to Pog,SNB,AB-mandibular plane angle で 有 意 に 大きいことから,下顎枝,下顎骨体の前下方への成 長量が大きかったといえる。 混合歯列期の反対咬合患者における,将来の反対 咬合の程度の予測に有効な側面頭部エックス線規格 写真の計測項目について検討したいくつかの研究が ある。Kim ら19)は早期治療と本格矯正治療の2段階 の治療を受けた反対咬合患者38症例の側面頭部エッ クス線規格写真を用いて46項目の計測を行い,AB to mandibular plane angle, N-perpendicular to point A が重要な計測項目とした。また Moon ら20)

は混合 歯列期反対咬合患者45症例の治療前後と保定期の側 面頭部エックス線規格写真を用いて20項目の計測を 行い,AB to mandibular plane angle,N-perpen-dicular to point A が予後,特に外科処置が必要な 症例を予測するのに有効な計測項目と報告した。

本研究では両群の上顎骨の前後的位置と成長変化 量に有意差がなく,Kim ら,Moon らとは異なる結 果となった。また,AB to mandibular plane angle に関しては,さらに,成長発育の途中の反対咬合患 者30症例(外科的矯正治療群15症例,本格矯正治療 単独群15症例)の側面頭部エックス線規格写真を用 いて評価した逸見ら21) も,外科的矯正治療群と本格 水田,他:外科的矯正治療に移行した反対咬合患者の特徴 616 ― 20 ―

(9)

矯正治療単独群の識別に有用であると報告してい る。これは AB to mandibular plane angle が A­B 平面で前後的異常,下顎下縁平面で垂直的異常と同 時に2方向から判定できるためである。本研究で上 顎骨の前後的位置に有意差がなかったにもかかわら ず,ANB と AB to mandibular plane angle に有意 差があったことから,SU 群は下顎骨が前方に位置 していると考えられる。 Matthew ら22) は上顎前方牽引装置で治療した64 症例の治療前後の側面頭部エックス線規格写真を用 いて16項目の計測を行い,下顎枝長,下顎骨体長, Gonial angle が大きいと思春期成長後の予後が悪い と報告している。Tahmina ら23) はチンキャップ治療 を受けた56症例の治療後の安定性を側面頭部エック ス線規格写真を用いて20項目の計測を行い,予後不 安定群は早期治療中 Gonial angle,Ramus plane to SN plane angle,N-A-Pog,つまり下顎骨の回転方 向と頭蓋に対する位置,前方成長量が治療の予後を 左右すると報告した。本研究でも下顎骨に関して同 じ結果を得られた。これは初診時下顎骨形態の骨体 長が大きく,下顎枝に対して下顎骨体が下方向に位 置しているうえに思春期成長においては下顎枝,下 顎骨体の成長量が大きく,成長方向が前下方である ため,下顎骨が前方に位置する。よって,上下顎骨 の不調和が大きくなるため将来外科的矯正治療へ移 行する可能性が高くなると考えられる。このことは 上下顎骨の不調和に関して本研究で Wits appraisal や ANB が T2で有意差が認められたことでも裏打 ちされている。 以上より,外科的矯正治療に移行した患者の早期 治療時の顔面形態と成長変化の特徴は,骨格的に上 顎骨の前後的位置と成長変化量に差はなく,下顎骨 は下顎骨体長と下顎角が大きく,成長方向が前下方 であることと考えられる。そのため,このような症 例では,上顎骨よりも下顎骨の成長が大きく,上下 顎骨の不調和が大きくなり,外科的矯正治療に移行 する可能性が高いため,下顎骨の成長に注意を要す ると考えられる。 3)永久歯列の上下顎骨の成長発育について 本研究では,SU 群は OR 群と比較して,上顎骨は 混合歯列期と同様に,思春期成長後も前後的位置と 成長変化量に有意差はなかった。下顎骨の形態では 混合歯列期に有意に大きかった計測項目は全て有意 に大きかった。加えてN-perpendicular to Pog ,SNB が有意に大きくなったことから,下顎骨がより前方 に位置していることがわかった。また下顎骨の成長 変化量では Porion locationと Corpus length が有意 に大きくなり,さらに N-perpendicular to Pog,SNB, Ar-Pog,AB to mandibular plane angle で危 険 率 が 小さくなった。これは下顎骨体長の成長量が多くな り,下顎骨の前下方への成長の差が明確になったた めと考えられる。 永久歯列が完成した,もしくは成長終了した反対 咬合患者の外科的矯正治療群と本格矯正治療群を比 較した際の側面頭部エックス線規格写真の計測項目 で重要な項目について,Angelika ら24) は,成人反対 咬合患者175症例(外科的矯正治療群88症例,本格矯 正治療群87症例)の側面頭部エックス線規格写真を 用いて20項目の計測を行い,2群を区別する方程 式 を 作 っ た。そ の 結 果,Wits appraisal,Cranial length-anterior,上下顎比,Gonial angle が選択 さ れ,中でも Wits appraisal が決定的な計測項目であ ると述べている。西山ら25) は思春期成長を終了した 骨格性反対咬合患者35症例(外科的矯正治療群19症 例,本格矯正治療群16症例)の顔面規格写真,歯列 模型,側面頭部エックス線規格写真を用いて22項目 の計測し,側面頭部エックス線規格写真の計測項目 については SNB,ANB,SN-Pog(下顔面高を表す), Wits appraisal に有意差を認め,このことから外科 的矯正治療群の方が下顎骨の前方位が強く,上下顎 関係の不調和の大きい症例が多いと報告している。 また Tseng ら26) は成人反対咬合患者80症例(外科的 矯正治療群40症例,本格矯正治療群40症例)の側面 頭部エックス線規格写真を用いて25項目の計測を し,Overjet,Overbite,Wits appraisal,L1-MP an-gle,Mx/Mn ratio,Gonial angle の6つの計測項目 が外科的矯正治療群と本格矯正治療群を区別する最 低限の要素であると報告している。本研究でも上下 顎骨の前後的な位置関係は T2−T1間で有意差の なかった Wits appraisal,ANB に T3−T2間では 有意差が認められ同様の結果を得られた。これは下 顎骨の成長のピーク時に下顎骨長が大きくなったこ とと前下方への成長が顕著になったことから下顎骨 がより前方に位置し,混合歯列期よりも上下顎骨の 歯科学報 Vol.112,No.5(2012) 617 ― 21 ―

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前後的な不調和が大きくなったためと考えられる。 思春期成長での下顎枝,下顎骨体の成長変化量が 上顎骨よりも大きいこと,成長方向が前下方であ り,下顎骨の前方位が顕著であるために上下顎の前 後的位置関係の不調和が大きくなることが外科的矯 正治療に移行した患者の顎顔面形態と成長変化の特 徴として考えられる。 結 論 外科的矯正治療に移行した混合歯列期骨格性反対 咬合患者の顎顔面形態と成長様相の特徴を検討する ために,混合歯列期,永久歯列完成期,成長終了期 の側面頭部エックス線規格写真を用いて,永久歯列 完成後に本格矯正治療単独で治療が可能とされた患 者と比較検討した結果以下の結論を得た。 1.T1では SU 群の方が OR 群と比較して下顎骨 体長,下顎角が大きい。 2.T2では T1で得られた結論に加え,SU 群の 方が OR 群と比較して下顎骨体長が大きく,前下 方へ成長し,上下顎の前後的位置の不調和が大き い。 3.T3では T2で得られた結論に加え,SU 群の 方が OR 群と比較して下顎骨がより前方に位置す る。 以上より,本研究から外科的矯正治療に移行した 骨格性反対咬合患者の臨床的考察として,混合歯列 期における下顎骨の長さと形態と,その後の下顎骨 の成長量に注意を払う必要性が示唆された。 文 献 1)永田裕保,山本照子,岩崎万喜子,反橋由佳,田中栄二, 川上正良,高田健治,作田 守:過去15年間に大阪大学歯 学部附属病院矯正科に来院した矯正患者の統計的観察.日 矯歯会誌,53:598∼605,1994. 2)金澤成美,山本隆昭,高田賢二,藤井元太郎,石橋抄織, 佐藤嘉晃,原口直子,今井 徹,中村進治:北海道大学歯 学部附属病院を受診した矯正患者の過去15年間の変遷.日 矯歯会誌,57:92∼102,1998. 3)中川麻紀,田中隆一,小村弘斉,阿部理砂子,仏坂斉祉, 小林和英:長崎大学歯学部附属病院矯正科を受診した矯正 患者の15年間の変遷 一般矯正患者についての調査.日矯 歯会誌,59:364∼370,2000.

4)Chen, F., Terada, K., Handa, K.: A special method of predicting mand-growth potential for ClassⅢ malloc-cusion. Angle Orthod, 75:191∼195,2005.

5)Turchetta, B. J., Fishman, L. S., Subtelny, J. D.: Facial growth prediction : A comparison of methodologies. Am J Orthod Dentofacial Orthop, 132:439∼49,2007.

6)佐藤亨至:思春期性成長期における身体各部の成長タイ ミングに関する研究―下顎骨,身長,手根,頚椎を対象と して―.日矯歯会誌,46:517∼533,1987. 7)佐藤亨至,三谷英夫:骨成熟自動評価システム(CAS-MAS)の開発と下顎骨成長予測への応用.日矯歯会誌, 58:272∼278,1998. 8)平出隆俊,須澤徹夫,小澤浩之:尿中成長ホルモン濃度 を用いた新しい成長評価の試み―骨格性Ⅲ級の下顎骨の成 長能に対して―.日矯歯会誌,56:273∼280,1997. 9)本吉 満,山崎俊恒,井上喜一朗,蔵 真由美,河 内 謙,納村晉吉:有限要素法(FEM)の成長分析への応用に 関する研究(第3法)頭蓋顔面の成長.日矯歯会誌,46: 708∼720,1987. 10)中島昭彦:小児期に顎の成長予測は可能か.小児歯科臨 床,10:37∼45,2005.

11)Magalhaes, A. E., Stella, J. P., Epker, B. N.: Facial an-thropometrics versus cephalometry as predictors for sur-gical treatment in patients with ClassⅢ dentofacial de-formities. Int J Adult Orthodon Orthognath Surg, 10: 295∼302,1995.

12)Mitani, H., Sato, K., Sugawara, J.: Growth of mandibular prognathism after pubertal growth peak. Am J Orthod Dentofacial Orthop, 104:330∼336,1993.

13)Schulhof, R. J., Nakamura, S., Williamson, W. V.: Predic-tion of abnormal growth in ClassⅢ malocclusions. Am J Orthod, 71:421∼430,1977. 14)鶴田雅彦,逸見征行,桑原洋助:日本人学童生徒の身長 成長曲線と身長年間増加量による思春期成長発育年齢の検 討.日矯歯会誌,52:541∼545,1993. 15)菅原準二,大沼清美:外科的矯正治療またはカムフラー ジュ治療が適用された成人期反対咬合の顔面骨格タイプの 特徴―適応症を鑑別診断するためのポイントとは?―. 菅原準二,浅野央男編.反対咬合治療のコンセンサスを求 めて,第1版,257∼26,東京臨床出版株式会社,東京, 大阪,2002.

16)Proff, P., Will, F., Bokan, I., Fanghänel, J., Gedrange, T.: Cranial base features in skeletal ClassⅢ patients. Angle Orthod, 78:433∼439,2008.

17)Zentner, A., Doll, G. M., Peylo, S. M.: Morphological pa-rameters as predictors of successful correction of ClassⅢ malocclusion. Eur J Orthod, 23:383∼392,2001. 18)Dhopatkar, A., Bhatia, S., Rock, P.: An investigation

into the relationship between the cranial base angle and malocclusion. Angle Orthod, 72:456∼463,2002. 19)Kim, B. M., Kang, B. Y., Kim, H. G., Beak, S. H.:

Progno-sis prediction for ClassⅢ malocclusion treatment by fea-ture wrapping method. Angle Orthod, 79:683∼691, 2009.

20)Moon, Y. M., Ahn, S. J., Chang, Y. I.: Cephalometric pre-dictors of long-term stability in the early treatment of ClassⅢ malocclusion. Angle Orthod, 75:747∼753,2005. 21)逸見征行,竹下 寛,中村芳樹,桑原洋助:下顎前突に おける外科矯正の一判定基準―A­B to MP angle の有用 性について―.日顎変形会誌,9:121∼123,1990. 22)Ghiz, M. A., Ngan, P., Gunel, E.: Cephalometric

vari-ables to predict future success of early orthopedic Class Ⅲ treatment. Am J Orthod Dentofacial Orthop, 125:301 ∼306,2005.

23)Tahmina, K., Tanaka, E., Tanne, K.: Craniofacial mor-phology in orthodontically treated patients of ClassⅢ malocclusion with stable and unstable treatment out-comes. Am J Orthod Dentofacial Orthop, 117:681∼690, 水田,他:外科的矯正治療に移行した反対咬合患者の特徴

618

(11)

2000.

24)Stellzig-Eisenhauer, A., Lux, C. J., Schuster, G.: Treat-ment decision in adult patients with ClassⅢ malocclusion : Orthodontic therapy or orthognathic surgery? Am J Orthod Dentofacial Orthop, 122:27∼38,2002. 25)西山公仁,今井 徹,上野拓郎,安藤葉介,岡本 亨,

佐藤嘉晃,山本隆昭,中村進治:前後的顎関係が類似した 骨格性反対咬合の外科矯正患者と矯正治療単独患者におけ

る顎顔面形態の相違について.Orthod Waves,57:247 ∼257,1998.

26)Tseng, Y. C., Pan, C. Y., Chou, S. T., Lai, S. T., Chen, C. M., Chang, H. P., Yang, Y. H.: Treatment of adult ClassⅢ malocclusions with orthodontic therapy or orthognathic surgery : receiver operating characteristic analysis. Am J Orthod Dentofacial Orthop, 139:e485∼93,2011.

Comparison of change in maxillofacial morphology and growth between surgical ClassⅢ patients receiving orthognathic surgery after orthodontic

treatment and those receiving orthodontic treatment alone Yoko MIZUTA1),Kunihiko NOJIMA2),Yasushi NISHII2)

Chie TACHIKI2),Kenji SUEISHI2) 1)Tokyo

2)Tokyo Dental College Department of Orthodontics

Key words : Skeletal class III, Orthognathic surgery, Corrective orthodontics, Maxillofacial morphology, Growth

Change

Aim:The purpose of this study was to investigate change in maxillofacial morphology and growth in ClassⅢ patients in whom,although early treatment had been carried out during the mixed dentition pe-riod,orthognathic surgery was judged necessary on commencement of corrective orthodontic treatment. Subjects and Methods : The surgical group consisted of 17 ClassⅢ patients requiring orthognathic surgery in whom orthodontic treatment had been commenced during the mixed dentition period. The control group consisted of 16 ClassⅢ patients requiring corrective orthodontic treatment alone during the same pe-riod. Lateral cephalograms were obtained at 3 time points : at initial record for mixed dentition period (SU,OR : T1); at beginning of corrective orthodontic treatment(OR : T2)or completion of permanent dentition(SU : T2); and at after corrective orthodontic treatment(OR : T3)or beginning of pre-surgical orthodontic treatment(SU : T3); a total of 28 measurements were analyzed. Maxillofacial morphology at 3 time points and growth were statistically analyzed. Results : Go-Me,Gonial angle,and Corpus length were significantly larger in the surgical group at T1,but AB to mandibular angle and Mandibular arc were significantly smaller. Ar-Pog,Wits appraisal,and ANB also showed a significant difference at T2. N-perpendicular to Pog and SNB also showed a significant difference at T3. Conclusion : Our findings indicate that size,shape and growth potential of the mandible must be taken into consideration in treatment planning for ClassⅢ during the mixed dentition period.

The Shikwa Gakuho,112:610∼619,2012) 歯科学報 Vol.112,No.5(2012) 619

参照

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