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ベクトルと行列 参考資料 3

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Academic year: 2021

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(1)ベクトルと行列 参考資料 3. 2020 年度第 2 ターム 学芸学部数学科 1 年 担当: 原 隆 (学芸学部数学科・准教授). 参考資料 3 でも引き続き 空間ベクトル のみ を考える。 ■空間図形の方程式: 直線の方程式 空間内の 直線 ℓ は. bababababababababababab. ℓ. P. v P0. ⋆ 方向 (方向ベクトル v). p p0. ⋆ 通る点 P0 (の 位置ベクトル p0 ) O の 2 つのデータ を決めると 1 本に定まる。この 2 つのデータ を用いて直線 ℓ を表す “方程式” を導出してみよう。 直線 ℓ 上の 任意 の点 P に対して、その位置ベクトル p は先程の 2 つのデータ v, p0 で表せる; 実際 最初に p0 を用いて O から P0 に移動してから v を 適当に延ばす (“ t 倍 ”) と P に辿り着く。 命題 3.1 (直線のベクトル方程式; [新井他] (1.18) 式, [齋藤] p.p. 10–11 2◦ ). xyz 空間の点 P0 を通る直線 ℓ の方向ベクトルが v であるとき、ℓ 上の 任意の 点 P の位置 ベクトル p は p = p0 + tv. (t は実数) と表される (但し p0 は P0 の位置ベクトル)。.   x ※ v や p0 が 成分表示 されているときは、ベクトル p も p = y  と成分表示しておいて各成分 z を比較することで 直線の パラメータ表示 を得る ([新井他] 定理 1.81)。さらに パラメータ t を 消去 する ことで 直線の方程式 を得る ([新井他] 定理 1.84)*1 。 ■空間図形の方程式: 平面の方程式Ⅰ — 法線ベクトルを用いる方法 空間内の 平面 Π は. n. bababababababababababab ⋆ 鉛直方向 (法線ベクトル n) ⋆ 通る点 P0 (の 位置ベクトル p0 ). P0. −−→ P0 P. Π. P p. p0 の 2 つのデータ を決めると 1 つに定まる。この 2 つのデータを用い. O. て 平面 Π を表す “方程式” を導出してみよう。. *1. 1 つの等式では書き表せない ことに注意!! 以下で説明するように、1 つの等式となるのは 平面の方程式 のときであ る。また、直線の方程式の表し方は 1 通りには定まらない!!.

(2) 平面 ℓ 上の 任意 の点 P に対して、その位置ベクトル p は先程の 2 つのデータ n, p0 を用いて. −−→. 特徴付けられる; 実際、ベクトル P0 P = p − p0 は (どんな p に対しても) 常に 平面 Π 上にある の で 法線ベクトル n と直交 する。この条件を 内積 を用いて表すと次のようになる。 命題 3.2 (平面のベクトル方程式Ⅰ; [新井他] (1.24) 式, [梶原] p. 27, [齋藤] p.p. 12–13 4◦ ). xyz 空間の点 P0 を通る平面 Π の法線ベクトルが n であるとき、Π 上の 任意の 点 P の位 置ベクトル p は n · (p − p0 ) = 0 を満たす。. [ ] x ※ n や p0 が 成分表示 されているときは、ベクトル p も p = y と成分表示して計算すること z で 平面の方程式 を得る。これは x, y, z に関する 1 次方程式 となる ([新井他] 定理 1.92)。 系 3.3 ([新井他] 定理 1.93 も参照, [梶原] 2F). x, y, z に関する 1 次方程式 ax + by + cz + d = 0 (但し (a, b, c) ̸= (0, 0, 0) とする) は xyz 座 [ ] a 標空間の平面を表す。さらに、空間ベクトル b はその平面の法線ベクトルとなる。 c 【証明】 1 次方程式 ax + by + cz + d = 0 が xyz 座標空間で表す図形を D とし、D から任意に点. P0 (x0 , y0 , z0 ) を選んでおこう*2 。このとき、D の任意の点 P (x, y, z) に対し     ax + by + cz + d = 0 x − x0 a −) ax0 + by0 + cz0 + d = 0 ∴  b  ·  y − y0  = 0 c z − z0 a(x − x0 ) + b(y − y0 ) + c(z − z0 ) =0 [ ] [ ] x − x0 a −−→ が成り立つ。最後の等式は、D 上の任意の点 P に対してベクトル P0 P = y − y0 が b と直交 c z − z0 [ ] a することを意味しているので、D は b を法線ベクトルに持ち、点 P0 (x0 , y0 , z0 ) を通る平面であ c ることが分かる。 □ y 参考. 法線ベクトルを用いたベクトル方程式は 平面直線の. 方程式 を考える際にも有効である。つまり、xy 平面の点 P0 を通る直線 ℓ の法線ベクトル n であるとき、ℓ 上の任意の点. P の位置ベクトル p は n · (p − p0 ) = 0 を満たす。. ℓ. P0 −−→ P0 P. こ の こ と か ら (xy 平 面 に 於 け る) 直 線 の 方 程 式 が. x, y に関する 1 次方程式 であることが従う。さらには 系 3.3 とまったく同様にして、x, y[に関する 1 次方程式 ax+by+c = 0 ]. a (但し (x, b) = ̸ (0, 0)) が と直交する直線を表すことも b. p0 O. n P. p. x. 従う。 *2. つまり ax0 + by0 + cz0 + d = 0 を満たす (x)0 , y0 , z0 ) を (何でも良いので) 1 つ選んでおく、ということ。例え ( ( ) ば a ̸= 0 であれば (x0 , y0 , z0 ) =. d − , 0, 0 a (. a = b = 0 かつ c ̸= 0 ならば (x0 , y0 , z0 ) = でも点 P0 が取れることも分かるだろう。. と取れるし、a = 0 で b ̸= 0 なら (x0 , y0 , z0 ) =. 0, 0, −. d c. ). d 0, − , 0 , b. と取れる。仮定 (a, b, c) ̸= 0 より、このようにすればいつ.

(3) ■空間図形の方程式: 平面の方程式Ⅱ — 平面のパラメータ表示 空間内の 平面 Π は. P. tv. bababababababababababab. v. −−→ P0 P u su. P0. ⋆ Π 上の 平行でない 2 ベクトル u, v ⋆ 通る点 P0 (の 位置ベクトル p0 ). p Π. p0 O. の 3 つのデータ を決めても 1 つに定まる。今度はこれらの データを用いて平面 Π を表す “方程式” を導出してみよう。 命題 3.4 (平面のベクトル方程式Ⅱ; [新井他] (1.27) 式, [齋藤] p.p. 11–12 3◦ ). xyz 空間の点 P0 を通る平面 Π 上の 平行でない ベクトル u, v が与えられとき、平面 Π 上 の 任意の 点 P の位置ベクトル p は p = p0 + su + tv. (s, t は実数) と表される (但し p0. は P0 の位置ベクトル)。. [ ] x ※ u や v, p0 が 成分表示 されているときは、ベクトル p も p = y と成分表示しておいて各成 z 分を比較することで 平面の パラメータ表示 を得る ([新井他] 定理 1.100; 直線のパラメータ表 示と比較してみよう! )。さらに パラメータ s, t を 消去 することで 平面の方程式 を得る*3 。 ■空間図形の方程式: 球面の方程式 (参考) 空間内の 球面 S は. bababababababababababab. S. ⋆ 中心 P0 (の 位置ベクトル p0 ) −−→ ⋆ 半径 (ベクトル P0 P の大きさ r). P0 p0. −−→ の 2 つのデータ を決めると 1 つに定まる。実際 P0 P = p − p0 であるから、球面 S のベクトル方程式は. |p − p0 | = r または. −−→ P0 P P p. O. |p − p0 |2 = r2 となる。 [ ] [ ] x0 x p0 = y0 , p = y と 成分表示 されているときは、これらを z0 z 代入して球面の方程式 (x − x0 )2 + (y − y0 )2 + (z − z0 )2 = r 2 を 得る。. *3. 勿論『平面の方程式Ⅰ』の方法 (法線ベクトルを用いた方法) で求めたものと同じ方程式が導かれるはずです。一般に、 平面の方程式を求めるだけであれば 法線ベクトルを用いた方が計算は簡単 ですが、平面のパラメータ表示には 点 P が (平面 Π 上の) どこに位置しているかが u, v を用いて良く分かる というメリットもあるので、ケースバイケース で使い分けられるようにしておきましょう!!.

(4) ■演習問題 演習問題 3-1. (空間直線の方程式・平面の方程式). −−→. 以下の図形に対して (ⅰ) ベクトル方程式 (p = OP を用いた式) いた式). をそれぞれ求めなさい*4 。. . −2. (ⅱ) 方程式 (x, y, z だけを用. .    (1) 点 (2, −1, 3) を通りベクトル   1  と平行な直線 ℓ1 . 6     4 0        (2) 点 (0, 2, 1) を通りベクトル   −1  ,  5  と平行な平面 Π1 . 2 −2 (3) 点 (0, 2, 1) を通り (2) の平面 Π1 と直交する直線 ℓ2 . . . 【ヒント】. ℓ2 の方向ベクトルは Π1 の法線ベクトル. 2    (4) 点 (−2, 1, 0) を通りベクトル n =  −1   と直交する平面 Π2 . 1 (5) 3 点 (3, 4, 5), (−1, 2, −3), (7, −1, 3) を通る平面 Π3 . (6) 2 点 (3, 5, 7), (1, 6, 13) を通る直線 ℓ3 . −y + 1 z−1 (7) 直線 ℓ : x − 1 = = と点 (1, 1, 1) で直交する平面 Π4 . 2 3 【ヒント 1】直線 ℓ の方向ベクトルは Π4 の法線ベクトル 【ヒント 2】 (直線 ℓ の方向ベクトルの読み取り方) 「t = x − 1 =. 演習問題 3-2.∗ (球面のベクトル方程式). −y + 1 = . . . 」とおいてベクトル方程式の形に書き換える 2. −−→. 以下の球面の (ⅰ) ベクトル方程式 (p = OP を用いた式). (ⅱ) 方程式 (x, y, z だけを用いた式). をそれぞれ求めなさい。. (1) 点 (3, 2, 1) を中心とする半径 3 の球面 S1 . (2) 点 (2, 3, 4) を中心とし、点 (3, 5, 3) を通る球面 S2 . (3) 点 (−1, 3, 2) を中心とし、xy 平面と接する球面 S3 .. *4. 平面に関しては、パラメータ表示を用いる方法と法線ベクトルを用いる方法のどちらの方法を用いても構いません。.

(5)

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