■ベクトルの線形変換
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(2) x x = y を f で移したベクトル f (x) の成分表示は、 線形性 を用いて x [成分表示の定義] f (x) = f = f (xex + yey ) y a b ax + by 線形性 1◦ 線形性 2◦ = f (x ex ) + f (y ey ) = x f (ex ) + y f (ey ) = x +y = c d bx + dy と計算することが出来る*1 。つまり、平面ベクトルの線形変換は 基本ベクトル ex , ey の行き先だけ 分かれば、全てのベクトルの行き先が分かってしまう!!. y x=. yey. " # x. y yf (ey ). y. f. 1 ey. f (ey ) /. O ex 1 xex. f (x) =. O. x. x xf (ex ) + yf (ey ). f (ex ) xf (ex ) 線形変換のイメージ. . . 定義 (線形変換の行列表示). (平面ベクトルの) 線形変換 f によって、基本ベクトル ex , ey が " # " # x b の に移るとき、成分表示された平面ベクトル x = および f (ey ) = 其々 f (ex ) = y d c それぞれ. " # a. 行き先を. f (x) = xf (ex ) + yf (ey ) =. ax + by cx + dy. . 定義. =. . a b c d. x y. =: Af x. h i と書き表すことにする。この表記に現れる 2 次正方行列*2 Af = f (ex ) f (ey ) =. ". a. b. c. d. #. を線形変換 f の 行列表示 matrix presentation と呼ぶ。. 逆に 2 次正方行列 A =. " a. b. c. d. # が与えられたとき、平面ベクトル x =. " # x. をベクトル. y. a b x ax + by 定義 fA (x) = Ax = = c d y cx + dy " # " # a b に移す規則 fA が f (ex ) = , f (ey ) = を満たす 線形変換 となる (つまり c d . A(x + y) = Ax + Ay,. A(k x) = k (Ax). が成り立つ) ことは、行列とベクトルの “掛け算” Ax の計算ルールから簡単に確認出来る (⇝ 演習 まと. 問題 4-2.)。以上の関係を纏めておこう*3 ; *1. 成分表示されたベクトルの内積、外積の計算 (参考資料 1, 2) と比較してみよう! 単に「4 つの数字を縦 2 個, 横 2 個の正方形の形に並べて括弧を付けたもの」のこと。 *3 詳細は [齋藤] p. 18 4◦ などを参照されたい。 *2.
(3) o o/ /o 1o/ 対/o 1/o /o o/ / /. [平面ベクトルの] 線形変換 f. o. fA (x) = Ax. [2 次] 正方行列 h i Af = f (ex ) f (ey ) A. 線形変換を調べることは (正方) 行列を調べることと等価である (!! ). 注: 全く同様に考えると、空間ベクトルの線形変換は 3 つの空間ベクトル f (ex ), f (ey ), f (ez ) を並べて出 [ ] 来る 3 次正方行列 f (ex ). f (ey ). f (ez ) と対応する ことが分かる (各自で考えてみよう! ). ■演習問題 演習問題 4-1. (線形変換の線形性) 講義で扱った以下の線形変換が線形性 1◦ , 2◦ を満たすことを 図を描いて 確認しなさい。. (1) 角 θ の回転変換 fθ (2) 直線 ℓ : y = x に関する鏡映変換 fℓ (3) x 軸への正射影 px. 演習問題 4-2. (“左から行列を掛ける” 写像の線形性). ". 任意の 2 次正方行列 A =. a. b. c. d. #. に対して fA. " #! x y. := A. " # x. =. a. b. #" # x. 定義. " # ax + by. = d y cx + dy ◦ ◦ は線形性 1 , 2 を満たすことを. y. と定めるとき、平面ベクトルに平面ベクトルを対応させる写像 fA. ". c. 直接計算によって 証明しなさい。 演習問題 4-3. (平面ベクトルの線形変換と行列表示). " # " # 1 0 以下の線形変換 fi : R → R の行列表示 Afi を求めなさい。但し ex = , ey = とする。 0 1 5 (1) ベクトル x を原点 O を中心に 時計回りに π だけ回転する線形変換 f1 6 (2) ベクトル x を 直線 y = −x に関して 対称移動する線形変換 f2 " # " # 4 2 に移す線形変換 f3 に、 ey を (3) ex を 3 −1 " # " # 1 0 (4) ex を に、ey を に移す線形変換 f4 −3 2 " # " # " # " # 3 0 7 3 (5) a = を に、 b = を に移す線形変換 f5 −2 2 −4 −1 " # " # " # " # 2 −1 7 1 (6) a = を に、b = を に移す線形変換 f6 1 3 2 0 2. 【ヒント】 Afi =. 2. [. ] fi (ex ). fi (ey ). より、ex =. " # 1 0. と ey =. " # 0 1. が fi で移る先を調べよう。.
(4) 演習問題 4-4. (線形変換で移る点) 以下の点の座標を求めなさい。. 5 π だけ回転移動した点 P 6 (2) 点 (3, −1) を 直線 y = −x に関して 対称移動した点 Q 2 (3) 点 (2, 4) を原点中心に 反時計回りに π 回転した後 y 軸に関して 対称移動した点 R 3 1 (4) 点 (−5, 3) を 直線 y = −x に関して 対称移動した後、原点 O を中心に 時計回りに π 回転 4 移動した点 S (1) 点 (8, −2) を原点 O を中心に 時計回りに. 演習問題 4-5. (平面ベクトルの回転変換). . . 角 θ の回転行列を Aθ とすると、 「ベクトル x を (反時計回りに) θ 回転して (原点 O を中心と して) r 倍に相似拡大する」という線形変換は 「行列 rAθ を掛ける」ことに対応する. . . ことを利用して、xy 平面上の以下の点の座標を求めなさい。 ※ 余力がある人は、同じ問題を 複素平面 (または複素数平面) を用いて解いてみよう!!. 5 (1) 点 (−2, 4) を反時計回りに π 回転し、原点 O からの距離を 4 倍に延ばして得られる点 P 。 6 1 1 (2) 点 (3, −5) を時計回りに π 回転し、原点 O からの距離を √ 倍に縮めて得られる点 Q。 4 2 √ y (3) (チャレンジ問題) 点 A(2, 2) を中心とする半径 2 の円と、 A に於ける直線 OA の垂線 ℓ との交点 R, S (左図を参照し. R. なさい)。. 1 π 回転した点 R′ , S ′ の座標は 4 簡単に求まるので、先ずはそれから求めてみよう] [ヒント: R, S を時計回りに. A S O. ℓ x. 演習問題 4-6. (チャレンジ問題: 平面上の直線に関する鏡映変換). xy 平面上の位置ベクトル a =. " # x. に対して、a を直線 ℓθ : y = (tan θ)x に関して折り返したベ y クトル fℓθ (a) を対応させる規則を fℓθ で表すとき (右図を参照)、以下の設問に答えなさい。 ℓθ y (1) fℓθ が線形変換であること、即ち. fℓθ (a + b) = fℓθ (a) + fℓθ (b) fℓθ (ka) = kfℓθ (a). fℓθ (a). (但し k は実数). が成り立つことを、図を描いて 確認しなさい。. (2) ベクトル fℓθ (ex ) 及び fℓθ (ey ) を計算しなさい。. a θ. (3) 線形変換 fℓθ の行列表示 Aℓθ を求めなさい。. x O.
(5)
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