既存都市の再編集と寄与するデザインの大きな可能 性を示す.
1. Introduction
世界を形成する多様な価値の同時存在の認識に立 つサステナブルデベロップメントは社会総体の再編 集行為である.環境問題の克服のみを自己目的化せ ず,それぞれの民族,地域,国家さらに国際社会に おける経済価値とも連繋しながら生活価値として再 現することが重要である.
1.1 環境問題の展開
人間活動の拡大に伴って自然は変貌を続けてい る.人工的世界である都市の姿も大きく変貌してい る.現在あらゆる国でスカイスクレーパーが林立し,
世界中が先進国と同等の生活水準を得ようとしてい る.人口規模の大きなB R I C S(ブラジル ロシア インド 中国)の経済的台頭が著しい.E Uには東 欧等1 0カ国が加わる. 2 1世紀中期に向けて人口と 経済の変化は,従来のヨーロッパ,北米,日本を中 心とする構造から,東・南アジア,ロシア,南米,
南アフリカ,中近東,アメリカ,ヨーロッパと世界 中に拡散し多極化を志向する.
基本となるエネルギーは化石燃料を利用した内燃機 関によって得られる.石炭,石油,天然ガスと年を 経るごとに利用エネルギーはクリーンになってきて いるが,より多くのエネルギー使用者=温暖化ガ ス・人工物の廃棄者が世界中に拡散して存在し,廃 棄量は増大している.環境課題の克服は,水素社会 が達成できるまでのタイムラグを既存技術と先端技 術を駆使して生命体と共存し自然エネルギー利用を 増加し乗り切ることである.
S u m m a r y
現在世界は大きく変貌し,多くの国が先進国と 同等の生活が可能となっている.都市は欲望のま ま展開し,超高層群を始めとして巨大開発,交通 ネットワークの拡大が進行する.旧来の都市モデ ルとは状況が異なる.世界中に温暖化ガスが拡散 し,環境負荷要因が増加している.近い将来水素 エネルギーによるクリーンな社会が確立されると 予想されるが,実現までにはタイムラグがある.
豊かな社会形成を求めるデザインの役割が,環境 技術の進化と歩調をともにして機能の向上を伴い 展開することが求められる.
本論文は既存都市・近郊自然の循環型再生大阪モデ ル OSAKA MODEL of CIRCULATION ORI- ENTED SOCIETY through CASE STUDY of EXISTING CITY & NEIGHBORHOOD NATU- R E 研究に関するものである.研究対象地は1.大 阪市中心市街地 2.大阪湾湾岸である.前者では,
都市中心部のヒートアイランド化の脱却の手法を探 る.また後者では,大阪湾湾岸の未利用地とその周 辺海域における都市近郊農林水産業の展開を提案す る.身近な自然の復活・拡張を図るとともに,循環 型社会に向けた産業創造を提案する.上記研究を通 して,温暖化ガス排出量の削減を目指す.同時に,
既存都市近郊自然の循環型再生大阪モデル
BY DESIGN:都市の再編集とライフスタイルの変革
Osaka Model of Circulation Oriented Society Through Case Study of Existing City & Neighborhood nature By Design:Realigning Society & Revolutionizing Lifestyle
Key Words:revitalize, design, city, nature, heat island
池 上 俊 郎* 夢はバラ色
*Toshiroh IKEGAMI 1 9 4 8年1 1月生
1 9 7 4年大阪大学工学部建築工学科卒 現在,京都市立芸術大学,美術学部デザ イン科環境デザイン研究室,教授,建築 を中心とする空間デザイン
T E L 0 6-6 2 0 4-5 5 6 5 F A X 0 6-6 2 0 4-0 7 7 8 E - m a i l:i k e g a m i @ k c u a . a c . j p
2.2.1 P U B L I C C H A I R P R O T O T Y P EⅡ
通常は機械の中にある空気や水を浄化するエコマ テリアルである0 , 5 m mピッチのstainless steelスク リーンを椅子に造形したもの.純粋に技術的に性能 向上を目指し生み出された素材は新たな感性を表現 する.2.2.2 Y U M E S H I M A
URBAN SEA RESORT P R O J E C T
大阪湾の新島「夢洲」(ゆめしま)を活用する精 神的に豊かなアーバンシーリゾート都市を提案.海 と共生し住み・働き・遊べる "自然・人工物・エネ ルギーが循環する"社会を目指す.
2.2.3 S H O W R O O M D E S I G N
オフィスを企業のショールームとして転用した例.
再生可能なガラスの壁面,持続的に使用することが 可能な竹材の床.室内に入る自然光による省エネル ギーと心地良さの効果を配慮した空間デザイン.
2. By Design
生活美学としてのエコデザインを通じて"循環型 都市再生自然再生"モデルを創造する.
2.1 デザインに可能なこと
−エコデザインとは何か.
エコデザインは,地球環境問題とともに生活する 新しいライフスタイルを,不安感の少ない豊かなも のへと進化させていく一つの方法である.
機械仕掛けから生命体利用へ,高度技術が誘引する 時代にあって,テクノロジーと生命体の協調が求め られている.人の暮らしと環境への配慮を両立させ るのが環境に配慮したデザインの骨子である.単な る商品のデザインにとどまらず,本来,自然が持つ 自浄性が活かされるような,環境負荷の少ない社会 システム全体を作ることをエコデザインは目的とす る.そして,同時に,生活社会において新たな感性 を喚起する.
現在,社会は8つの理念で考えられる.1市民・2 文化・3福祉・4地域環境・5地球環境・6危機管 理・7情報管理・8財政である.地球環境問題は1 理念であるが,生命存続を担う人為的アキレス腱で ある.
環境負荷を減少させる評価と行動の良く使用される 手法にL C A=LIFE CYCLE ASSESMENTがあ る.素材−製造−輸送―使用―再利用のライフサイ クル各段階毎の投入エネルギー,使用素材等を総合 的に評価する.1次使用に始まり,螺旋状に展開す る数次に関わる使用が盛り込まれていく必要がある.
2.2デザインの有効性
エコデザインの有効性について,筆者がデザイン した,1:エコマテリアルによる新たな感性への挑 戦,2:地域計画,3:インテリアデザイン,4 :太陽 熱給湯器を例示する.
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CO2現状比30%削減を目指す支援的役割
日本の温暖化ガス排出量は産業部門から約7 0%,家計部門から約2 0%,その他都市・地域の日常生 活行動から約1 0%排出されている。京都議定書は基 本的に乗り物と産業界を対象として排出量の減少を 求めた。京都議定書のゴールに対して,日本企業は より高い削減目標を掲げている.一方,日本政府は 目標達成不可能とする厳しい推測を行っている.人 工的棲息領域である建築都市領域の,補足しづらい 日常活動を中心とする既存都市の温暖化ガス排出量 の減少を図る手法を探る必要がある.
既存都市での温暖化ガス排出量の減少を図る基本 的文脈を,生活の楽しみとともに創り出すモデルが 必要であると考える.そしてそのモデルは,世界の 排出源の拡散状況,京都議定書批准国と拡散対象国 との不一致などの諸問題を超えて,先行して排出行 為を進めた先進国の義務として,日本での温暖化ガ ス排出量を京都議定書の2倍を超える現状比3 0%以 上の削減達成を目標とし,その支援的役割を担う手 法を探る必要がある.デザイン行為に内在する 戦 略+構想/技術+仕様/感性+美学 を総合的に現 実化しようとする意思が,C O 2削減と精神的に豊か な社会形成を同時実現を進める.
2.3.3既存都市・近郊自然の循環型再生大阪モデル
既存都市近郊自然の循環型再生大阪モデル 研 究は,我々が生活している既存社会を循環型社会に 変えていく一つの提言である.実践可能な手法を用 いた実証モデルを目指す.現在,美学と科学を結ぶ,デザイナー・経営学者・科学者・農学者・企業人・哲学 者・技術コンサルタント・建築家・行政等幅広い構 成のチームで研究を行っている. いつでもどこで もなんでもエコデザイン をキーワードに,産業再 生を視野に循環型社会を大阪を基盤に俯瞰する.
内容:1・by design , 2・産業構造の変革,
3・温暖化ガスLCCO2現状比30%削減社会,
2.2.4 S O L A R T U B E 太陽熱給湯器
平成1 2年度にGマークを取得した太陽熱温水器を 発展させた「SOLAR TUBE」.太陽光の有効率 8 0 %弱の太陽熱給湯器の利用可能性を拡大しよう として屋外での単独設置が可能な形態にデザイン したもの.LCCO2の使用量削減を図る.
地球環境問題の深刻化にあって,デザイナーは従来 と異なる手法で地球環境に配慮する生活空間・社会 空間の形成など,具体的な解決策となる構想の提案 が求められている.デザイナーが正面から環境問題 と取り組み他の領域の人々とともに短い時間で解決 を見出すべき時代である。
2.3ASIA MODEL
2.3.1 温帯地域の循環型社会モデルを形成する
なぜエコデザインのアジアモデルを形成する必要 があるのか.世界人口の5 0%3 0億人が住み先進国化が進む,政 治,経済,文化,社会,宗教,温暖化ガスの排出量 の拡大による環境負荷等,その影響が無視できなく なっているアジア.熱帯から寒帯にまで異なった条 件で人々の住むアジアの環境課題を探ることは,持 続可能な社会を目指す世界の多様な課題を解く有効 な要素である. アジアは第1次産業を基本として形 成されてきた.現在極めて速いスピードで開発発展.
モノの移動が進んでいる.現在は化石燃料依存都市 である.温暖化ガスの排出量の拡大を中心に,世界 全体に大きな影響を与えている.
アジア各国において,自然,文化の違いなど条件や 背景が異なっている.また,産業,廃棄物,交通機 関,水整備など都市化の程度や農業,林業,漁業な ど土地利用・海洋利用なども異なっている.様々な 条件や要因を視野に入れ,エコデザインの視点から 環境負荷減少に対してアジアが担うべき役割を模索 し具体的に解決策を構築することが求められる.
2.3.2 京都議定書履行を超える
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4・環境先進都市大阪の創造,
5・環境負荷減少社会のアジアモデル形成 目的とする都市像は,人工的な技術が自然の潜在的 可能性を強化し生命体の自己修復能力を向上させる 社会である.それは都市農林水産業を視野に置くバ イオマス社会でもある.
研究状況:
1;既存都市対象地域:大阪市中心部既成市街地の 2 , 5 k m圏.都市中心部のヒートアイランド脱却に向 けた緑化.
㈰:河川と街路と空地を利用し,緑化を通じた風の 道によるヒートアイランド脱却手法.
㈪:平行して生まれる都市林業を視野に置くバイオ マス社会の形成.
㈫:デザインの効果の例の提示.2階建て2両連結バ スによる大量輸送と町の魅力形成.
2;近郊自然対象地域:大阪湾岸部の未利用の工業 用地である埋立地とその隣接する海域.大阪湾岸の 未利用地と海洋の有効利用を目指す都市農林水産業 のあり方を探る.
㈰:陸上部(未利用埋立造成地)における都市近郊 工場化農業の実験装置 SEASIDE FARM 設 置を行った.
㈪:海洋部における都市近郊水産業を視野におく海 洋生物回帰の実験装置設置 SEA FARM の 設置を行った.
3.1 環境先進都市大阪の創造
大阪は工業化等によってかつての伝統性を喪失 し,都市像は共有する目標無く変化している.環境 問題克服型社会を形成する出発点にある地域社会を
"環境先進都市大阪"として創造することが本モデル の目的である.大阪地区のヒートアイランド脱却,
大阪近郊の失われた身近な海洋自然の復活拡張を図
る.環境負荷低減を図り,大阪における産業基盤再 編成を,1次・2次・3次産業の統合された産業構 造の形成により目指す.また感性社会を目指すエコ デザインによって創造する循環型社会の実証を目指 す.ライフスタイルの構築,豊かな都市文化,都市 景観の創造とともに,ヒートアイランド脱却・食料 供給・水循環システム・多様なクリーンエネルギー 形成技術を含む.同時に大気の安定と脱貧困の手法 をも探る.
3.2都市再生:産業基盤再編成と循環型都市再生
大阪市中心部の既成市街地として,二つの川には さまれる中之島の水辺と緑のある靱公園,水と緑を 認識しやすい南北軸・なにわ筋を中心とする2 . 5 K m 圏を対象とする。循環型生活圏をCOOL HABIT(低温度で住む),GREEN WORK(自然とともに 働く)で構成し,密集市街地のヒートアイランドを 考える。
3.2.1 循環型都市再生指標の提供
循環型都市再生対象地の限られた大阪市中心部 2 . 5 K m圏は,東西軸の河川・南北軸の幹線街路ネッ トワーク・都市公園のシンボル配置・緩やかな都市 ヒエラルキーの分布・格子状プランを基本とする都 市構造の明確さに特徴付けられる.
3.2.2 クールアイランド化を進める都市再生
従来の都市再生は,"産業活動再構築、居住環境再 構築"を目指してきた。現在のヒートアイランド化は 都市排熱が空間の許容量を超え始めたことに起因し ている.私たちが目指す都市再生は,既存都市全域 のクールアイランド化を自然の営為を利用し進める ことにより,回避し,省エネルギー化を通じ温暖化 ガス減少を図ろうとするものである。f i g . 7
3.3.4 LANDSCAPE DESIGNが有する可能性
H E A T I S L A N Dを脱却するには,都市を豊かに するLANDSCAPE DESIGNを積極的に活用して いく必要がある.大江橋冷却回廊COOL CORRIDOR OHE-BASHI―
―大阪市,中之島地区における鉄道地下駅大江橋.
地上部の堂島川遊歩道を利用するCOOL CORRI- D O R創出例.(京阪電車中之島新線大江橋駅コンペ 応募案):堂島川沿いに水車を利用して,河川水を 遊歩道に流し,再度川に瀑布として流し,冷却効果 を生み出す.
N A N I W A S U Z Y――クリーンエネルギー使用の デザインされた2階建2両連結BUS
N A N I W A S U Z Yはクリーンエネルギーを使用す る.復員4 0 mの大阪市中心部のなにわ筋に適用させ ようとする.現在なにわ筋は大阪市内の幹線街路で は地下鉄が予定される街路である.比較的緑が多い.
居住環境が整ったエリアである.視覚的許求力の高 い,工事費・工事期間を短縮し,早期に大量交通機 関としてのバスの有効な利用を図る.
3.3 C O O L H A B I T・G R E E N W O R K
以下に現在,ヒートアイランド脱却にむけて行っ ている取り組みを紹介する.
3.3.1 C O O L H A B I T・G R E E N W O R K
大阪府のヒートアイランド:現在日本で1番多く 年間4 0日を超えている.夏涼しく暮らし,木々に 囲まれて働こうとの趣旨でキャッチフレ−ズであ る.
3.3.2 BIG TREE
大阪には現在緑陰を形成する樹木が少ない.大き な樹木・有効な緑化・街路樹が必要である.
3.3.3 COOL CORRIDOR・
COOL TUBE・COOL SPOT
大阪市中心部には風の道となる河川,街路が存在 す る . こ れ ら を COOL CORRIDOR・ C O O L T U B E・COOL SPOTとして有効に利用する.そこ で,1・河川沿いに植樹する.水の蒸散作用と緑陰 により海風,陸風の有効な誘導を図る.2・街路に 植樹を進める.街路は,歩道のある広域幹線,地域 幹線,地区幹線,生活幹線の街路を利用する.3・
街路に雨水あるいは建築の冷却水等を利用する水 面・ビオトープを設置する.4・COOL SPOTとし て,公園,空地を活用し,緑化と水面形成を図る.
また地上の利用できない地区では屋上やテラスを利 用し緑化する.また壁面緑化も視野に入れる.5 ・路 面に保水蒸散性能の高い素材を利用する.
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市阪南2区のちきりアイランド陸地とその周辺海洋 に設置されている.
3.5.1 SEASIDE FARM
実験目的;大阪湾の未利用地で発展可能な産業形 態として農業という選択肢が存在する可能性の実 証.大阪地区における,工場管理型農業を通じてバ イオテクノロジーをも視野に置く産業構造の形成の 必然性を実証.また,現地調達型エネルギーによる 農業運営の有効性を通じて,過疎地域のようにパイ プラインによるエネルギー供給の乏しい地域におけ る産業振興の可能性を示す.アジアを始め世界の辺 境地区への食料自給の有効性を示す.植物栽培の有 効性を増すため,光合成の促進素材である膜で構成 する.バイオマス由来の燃焼エネルギー使用時の C O 2を利用し光合成を通じた炭素の植物への固定の 実験ともする.(現段階は,代替品としてL P G利用). 設置位置;大阪府岸和田市阪南2区ちきりアイラ ンド.
装置概要:直径6m,高さ5m楕円球体.地上高さ 1 . 7 mに設置.外部膜: E T F E膜.構造:鉄骨造.内 部床:エキスパンドメタル.調達型エネルギーを基 本とする,液耕農法による農業装置である.
設備概要:電気:太陽光発電+コージェネ型給湯 器+商用電力.熱:コージェネ型給湯器.栽培用 C O 2:コージェネ型給湯器.水:雨水+海水淡水化
(少量).冷房:SPOT COOLER+HEAT PIPE.
換気:換気扇.現地調達型エネルギーを基本とする,
液耕農法による装置である.
実験概要:農業施設として透過率9 0 %を超える外部 素材E T F EとC O 2供給により光合成を推進し年間収 穫量を増加させる.栽培内容は季節等により変化.基 本はエレガンスサマーと呼ばれるサツマイモである.
3.4 自然再生:工業未利用地蘇生を探る自然再生
現 在 , 大 阪 市 内 に 約 4 0 0 h a 、 大 阪 府 下 で は 計 約 1 2 0 0 h aの湾岸未利用地がある。 大阪湾は生きてい る をテーマに大阪近郊の失われた身近な自然の復 活拡張を図るとともに,新たな循環型社会に合致し た産業創造のポテンシャルを探る.3.4.1 工業用未利用地蘇生と連続する 海洋の蘇生を探る自然再生
工業用未利用地は産業構造の変化や製造業の域外 への移転により,不毛の土地となりつつある.環境 負荷の少ない産業−農林水産業によって蘇生する.同時に連続する海洋の蘇生をも行う。例えば工場化 農業としての活用では,内部に5−1 0期作の農作物 を産むことが可能であり,その屋根壁面・街路は雨 水を受け止め高度循環する装置となる。また海洋部 には人為的に自然回復を助長する装置を設置し,生 物の多様な回帰を進め,都市近郊における漁業の復 権を進める.砂漠状態の大阪湾岸部のクールアイラ ンド化を進め、住民に自然海浜・海洋と触れ合う領 域を取り戻す。これによって産業形成を図り,食糧 自給率向上、ヒートアイランド化抑止、自然エネルギ ー創造を目指す.土壌を改良し植林を通じてC O2 吸収源として再利用する.第1次産業による未利用 地と隣接する海域を蘇生する試みは,日本国内の多 くの人工的造成地のみではなく,世界中の人工的造 成地の蘇生を図る出発点となる。
3.5 SEASIDE FARM・SEA FARM
以下に,都市近郊農林水産業の形成にむけて行っ て来た取り組みを紹介する.
1;工場化農業実験装置SEASIDE FARM 2;海 洋生物回帰装置SEA FARMである.大阪府岸和田
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る藻により魚類の回帰を促す.
本研究は,独)科学技術振興機構 社会技術開発 センターから, 循環型社会 研究としてN P O法人 エコデザインネットワークA X I S4研究部会が受託 したものである.研究代表として,1 2人のコアメ ンバーを始め,関わられた1 0 0名を超える関係機関 関係者に深い謝辞を表明するものである.
大阪大学工学部建築工学科を卒業し,建築家,空 間・プロダクトデザイナーとして具体的に社会存在 を目指す活動を行っている. 東寺デジタル空間の 透視 研究を通じて1 2 0 0年持続する過去,"宇宙へ の芸術的アプローチ S P A C E F U T O N 研究を 通じて楽間的未来と2 0年先すら予測出来ない未来を 学んだ.次回機会を得られれば,これらの研究を,
発表させていただければと願っている.美学と科学 のコラボレーションによる環境問題克服の実践が,
デザイナーに課せられた課題であり,1 0 0 0年の未来 の時空に向かう試みだと考えている.
3.5.2 SEA FARM
実験目的;大阪湾における生物回帰の実証実験と する.装置は,A上部本体,B下部,Cフロートに より構成される.上部は,干潟・磯周辺環境を設定 し(のイメージimage of),下部は藻場を設定(の イメージimage of).夏場の可視深度約1 , 5 m冬場約 3 mと現在透明度の低い海中における人為的な生物 棲息促進をP H8,5のスラグの再資源化によるエコ マテリアルによる造形物で行う.人為的な生物棲息 促進を生物になじみ易いエコマテリアルである鉄鋼 スラグ造形物および鉄鋼スラグ素材の組み合わせに より行う.素材に伴うC O2の発生減少,藻場の形 成によって光合成を行い,大気中CO2の固定をも 目的とする.長期的には,大阪湾を水産業の基地, 良好リクリエイション用地にする.また海洋浄化を 通じて大都市近郊のURBAN SEA RESORT(日 常的に海洋の良好な環境を享受可能な地域)化とい う,GRAND DESIGNの体現を目指す.
装置概要:A上部本体:直径3m,高さ1,7m円 錐体.構造体=鉄鋼スラグ水和固化体 (普通コン クリート代替物)+高炉水砕スラグ覆砂材+製鋼ス ラグ塊,B下部:幅奥行1m,高さ0,5m.鉄鋼 スラグ炭酸固化体,Cフロート:発泡スチロール+,
実験概要:A部は浅場,磯溜りをB部は藻場を想定 している.A部は,海水浄化性能のある貝を中心に,
他,蟹等の生息をめざし,B部・A部下部に発生す
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