博 士 ( 理 学 ) 藤 田 貢 崇
学位 論文 題 名
Study of Two‑Dimens10nalACCretionDiSkSatthe Sub −EddingtonLumlnOSity
(エ デイ ン トン 光度 付近の二 次元降着円盤の研 究)
学 位 論 文 内 容 の 要 旨
活 動 的 なX線 天 体 , 原 始 星 , 銀 河 核 な ど , 重 カ の 強 い 天 体 周 辺 に 円 盤 溝 造 が 形 成 さ れ , そ の 円 盤 カ 逗 力 工 ネ ル ギ ー の 解 放 , エ ネ ル ギ ー ス ベ ク ト ル 形 成 の 点 で 重 要 な 役 割 を 果 た し て い る こ と が . こ の20年 間 の 理 論 的 及 び 観 測 的 研 究 に よ り 明 ら か に な っ た . こ れ ら の 円 盤 溝 造 に 関 し た 研 究 の 多 く は , 問 題 の 複 雑 さ , 及 び 解 析 の 困 難 さ よ り , 円 盤 に 垂 直 な 方 向 の 物 理 量 に つ い て は 平 均 化 し た 値 で 置 き 換 え た 円 盤 半 径 方 向 の 一 次 元 近 似 モ デ ル(Shakura and Sunyaev,1973) に よ っ て 調 べ ら れ て き た , こ れ ら の モ デ ル は , 激 変 星 の メ カ ニ ズ ム の 解 明 な ど , 多 く の 知 見 を も たらし.現在でも この一次元モデルに よる研究カミ彳〒 われている,
近 年 , 観 測 技 術 の 進 展 に よ っ てX線 領 域 や 電 波 領 域 な ど で , 双 極 方 向 に 激 し い ジ ェ ッ ト を 放 出 す る 天 体 が 詳 し く 観 測 さ れ て お り , こ の よ う な 天 体 は 降 着 円 盤 を 伴 っ て お り , 中 心 天 体 か ら 円 盤 の 垂 直 方 向 に ジ ェ ッ ト を 放 出 し て い る 様 子 が 明 ら か に な っ た も の の , ジ ェ ッ ト の 加 速 ・ 収 束 の メ カ ニ ズ ム は 明 ら か に な っ て い な い . こ の よ う な 天 体 は , 大 き な 質 量 降 着 率 (M) を 持 っ と期 待さ れ てい るが , 理論 的な 側 面か らは , 円盤 の質 量 降着 率がEddington criUcal accrefion rate(ME) 付 近 や , そ れ 以 上 に な る と 円 盤 の 厚 さ が 大 き く な り , 一 次 元 近 似 の モ デ ル が 適 用 で きない,という問 題がある.
こ れ ら の 円 盤 購 造 を 解 析 す る た め に は , 二 次 元 で の 解 析 が 不 可 欠 で あ る が , 解 析 的 に 二 次 元 溝 造 を 求 め る こ と は 不 可 能 で あ り , 数 値 計 算 に お い て も 輻 射 輸 送 方 程 式 を 含 み , 精 度 よ く 効 率 的 に 解 く こ と に お い て は , コ ン ピ ュ ー タ の 性 能 カ 噺も 躍 的に 向上 し た現 在に お いて もな お ,計 算 の 複 雑 さ や , 計 算 時 間 が 多 く か か る こ と な ど か ら , 二 次 元 数 値 計 算 は そ れ ほ ど 多 く な い の が 現 状である. Kley and Hensler(1987),KJey (1989),Kley and Lin(1993)は,二次元粘陸流体の数値 解 法 を 試 み , こ れ ら 活 動 的 な 天 体 へ の 応 用 を 進 め た . 彼 ら の 方 法 は , 天 体 で は 非 常 に 重 要 な 役 割 を 果 た す 輻 射 エ ネ ル ギ ー の 輸 送 も 基 本 的 に 考 慮 す る コ ー ド で あ る が , 計 算 方 法 に お い て 不 十 分 で あ る , そ こ で , 計 算 方 法 と し て は 基 本 的 に 彼 ら の 方 法 を 踏 襲 し , か つ 連 立 方 程 式 を 解 く 上 で の い く っ か の 改 良 を 含 め , 輻 射 エ ネ ル ギ ー 輸 送 と 結 び つ い た 粘 陸 流 体 の コ ー ド の 開 発 を 行 つ た . 円 盤 隣 造 を 考 え る 上 で , 角 運 動 量 の 輸 送 に 不 可 欠 な 粘 陸 の 導 入 は , 現 在 も な お そ の 起 源 は 明 ら か で な い が , 降 着 円 盤 形 成 の 点 で 当 初 仮 想 的 に 考 え ら れ て き た , 磁 気 粘 陸 に 起 源 を 求 め る こ と が で き る ロ モ デ ル を 採 用 し た . 基 本 式 は , 密 度 , 運 動 量 , ガ ス の 内 部 工 ネ ル ギ ー , 輻 射 工 ネ ル ギ ー 密 度 に 対 す る6個 の 偏 微 分 方 程 式 で 構 成 さ れ る . こ れ ら の 偏 微 分 方 程 式 は 差 分 式 に 置 き 換 え ら れ , 適 切 な 初 期 条 件 , 境 界 条 件 の 下 に 円 盤 及 び 周 辺 の 物 理 状 態 の 時 間 変 化 が 調 べ ら れ
る.ここで用 いる差分法は,陽的差分法, 陰的差分法とカ混在したも のである.陽的差分法で
は,Courant 条 件によって時間ステップを 大きくとることができないだけでなく,粘´陸項,エ
ネルギー式の 段階での解の安定性について 多くの問題が生じるため, これらの段階では陰的差 分 法を 採用 した ,陰 的 差分 法で は, 大規 模な一 次元連立方程式を解<必要が あり,精度よ<,
また効率的に 解を得るために新たにコード を開発し,適用した,
このように 開発されたコードを用いて, 中心天体が中性子星であり ,質量降着率がルrE 近辺 での降着円盤購 造を解析した.中性子星周辺 に形成される降着円盤は,
radiation pressure及び
electron scattenngが優勢であるが,このよ うな円盤は粘性にロモデル を採用した場合は熟的に 不 安定 であ るこ とが い われ てき た(ShakuraandSunyaevl ワ76 ,Hosm1979 ). しか し,
A龜 程度 の 質量 降着 率を 持つ 円 盤に 対し ,円 盤内 部 のadve 面
onに よ って エネ ルギ ーが 運 ばれ ,定 常な 解を持つ5m 門口
cびピf め門d ム☆の存在がAb 珊110wiCZet 甜.(1988 )に よって明らかになった,
こ の研 究の 目的 は ,中 性子 星周 辺に 形成さ れる降着円盤に対して,この ように安定な5m 門 ロcc 陀蜥↑ぬ貴 が現実に得られるか,またそ のような円盤はどのような特徴を持つのかを解明し,
A
龜 近辺 での 降 着円 盤溝 造を 求 める こと であ る. さ らに ,具 体的 な応用とし て,X 線天体SS433 への適用を試み た.
SS433
で は , 光 速 の
O.
26倍 と ぃう 高速 なX 線ジ ェッ トが
1012cm以上 もの 長 さに わた って 放 出 され てお り, その 中 心天 体は ブラ ック ホ ール か中 性子 星 であ るか 明ら かに な って いな い.
中 陸子 星は 半径 を
l07cm,
l14太 陽質 量 とし ,計 算領 域 は中 心天 体の
10倍 程 度の 赤道 面と 回 転軸 とで 囲ま れる 四分半円とした.初期条件と して円盤領域はShakuraandSunyaev (1973 )よ り 得ら れる 円盤 溝造 を 用い ,円 盤周 辺領 域は光 学的に薄い希薄なガスで満た した.円盤最外縁 か らM 〓
2.
0A龜 ,O .5A 龜の ガ スを 流し 込み ,適 切 な境 界条 件の 下で時間変 化を計算した.得 られた結果は以 下の通りである.
1
.
Radi面
on即
SSure及 び
elemnsc織
dngカ 涯 勢 な , 熱 的 に 安 定 ・ 準 定 常 な 円 盤構
j豈 カ鴻 ら
れ た, この 円盤 は ,adve 面
0nに よっ て 運ば れる 熱工 ネ ルギ ーが 輻射 によ る エネ ルギ ーの
放 出 に 匹 敵 す る 状 況 で あ り ,
m功 ロ ― 鰤 ぬ 心 に 属 す る の も の で あ る ,
2, 得ら れた 円 盤は 対流 に対 し て不 安定 であ り, 全 体に わた って
conve面
onカ 溌 生し てい る.
特 に, 円盤 内側 で は, 円盤 赤道 面か ら 円盤 表面 まで
conVeclonce‖が伸 びている.これは
対 流現 象が 円盤 垂 直方 向の エネ ルギ ー 運搬 メカ ニズ ム に重 要な 役割 を果 た して いる こと
を示してい る.
3
. 円盤 垂直 方 向の 物理 量の 変 化が 無視 でき ない 程 に幾 何学 的に 厚い,`光 学的に厚い円盤が
得 られ ,円 盤の 角 速度 は, 非常 に狭 い 中心 星と 円盤 の 境界 層を 除い て, ケ ブラ ー速 度を
示す.
4