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博士(工学)高木清晴 学位論文題名

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Academic year: 2021

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     博士(工学)高木清晴 学位論文題名

中国北京ー上海間高速鉄道システムの      実 現 可 能 性 に 関 す る 研 究

学位論文内容の要旨

  本研究は、世界における高速鉄道時代の中で、これからの発展が著しい中国 において2005年にも着工されようとしている北京―上海高速鉄道計画を取り上 げ、その計画の必要性、基本計画、需要予測、経済財務分析について研究し、

計画の規模、妥当性、影響などについて考えをまとめ、更に我が国の本計画に 対する協カについて分析し、今後の進むべき方向を提案したものであり、その 概要は以下の通りである。

  第1章では、本 論文の背景 ・目的およ ぴ内容・構 成について まとめた。

  第2章では、中国の経済発展と鉄道整備との関連、北京一上海間在来線や沿 線地域の状況、鉄道システムの技術装備水準向上、高速鉄道の有する省エネル ギー性、環境改善効果、北京夏季オリンピックや上海世界万博との関連、並び に鉄道の企業改革という観点などから、本計画の必要性について定性的に明ら かにした。

  第3章では、本計画の基本構想が、費用対効果の上で、新幹線と同様の高速 旅客専用線であるべきことを明確化した上で、その目指すべき定性的な方向を まとめ、過去の中国との技術交流や日中共同研究などから本計画の基本計画を 各項目及ぴ技術分野別に、工事費や工期などを現時点で明らかにできる範囲内 で 示 し た 。 こ れ に よ り 、 本 計 画 の 基 本 構 想 を 体 系 的 に 明 確 に し た 。   第4章の需要予測では、過去の東海道新幹線での国民の生活様式を変えるよ うな国家的プロジェクトにおける経験から、現在、日本の整備新幹線の需要予 測で使用されているMDモデルを採用した。中国側と共同で前提条件を決めたが、

大規模プロジェクトで、かつ中国全土からの人の移動が考えられるために、沿 線ルート上を14とそれ以外の地域16の30ゾーンに区分し、ゾーンベア別、モ ード別の所要時間及び所要費用を中国側の全面的協カを得て算出し、需要予測 を行った。その結果、北京ー上海高速鉄道は、開業後の伸ぴ率は日本の東海道 新幹線より低くなるものの、総量では東海道新幹線よりも大きな需要が見込め ることを明確にした。また、時速500kmの超高速リニア鉄道がある場合の需要 予測も行い、第2の北京ー上海間高速鉄道が必要とされる時には、超高速リニ

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アの可能性があることを確かめた。

  第5章の経 済分 析で は、 中国 側と 前提 条件 にづ ぃて意見交換の上決定した上 で 、供 用後 の鉄 道サ ービス改善による施設効果を費用便益分析で検討した。そ の結果、経済効果は、EIRR(経済的内部収益率)が16%程度、NVP(純資産価値)

は700億元前後で大幅なプラスであり、CBR(コストベネフィット比率)は1.9前 後で非常に高いことを明確にした。その中で、環境改善効果が35%程度を占め、

本計画が環境に非常に貢献することを確かめた。

  また、第5章の財務分析では、FIRR(財務的内部収益率)も20%程度で、かつ、

単 年度 営業 収支 が供 用開 始7年 目に 黒字 転換 、累 積営業収支は11年目に黒字転 換 する など 、極 めて 良好な財務分析結果であることを明らかにした。更に、最 混 雑区 間で ある 南京 ・上海間のみの開業を先行させた場合には、単年度営業収 支 が 供 用開 始4年 目に 黒字 転換 、累 積営 業収 支は7年目 に黒 字転 換す るな ど、

極 めて 良好 であ るこ とが判明した。鉄道において、これほど収益性の高いプロ ジ ェク トは 稀で あり 、高速鉄道の大量性、高速性が中国の北京―上海問で活か された例であることを示した。

  第6章では 、本 計画 への 我が 国の 協カ につ いて 、政府聞べース協カだけでな く 、本 計画 への 協カ を目的として設立された日中鉄道協力推進協議会による協 カ につ いて も触 れ、10年にわたる経緯などを示した。その上で、中国鉄道産業 の 現状 と諸 外国 との 提携について触れ、我が国の本計画に対する協カへの課題 に つい て明 らか にし て、今後の同計画の中国における進め方及び我が国のこの 計画に対する協カについての方向付けを行った。

  第7章では 、本 研究 で得 られ た結 論及 び今 後の 課題をまとめた。すなわち、

中 国北 京― 上海 高速 鉄道計画に関する研究における種々の評価、分析結果を示 す と と も に 、 今 後 の 課 題 を 記 し 、 進 む べ き 方 向 を 示 し た 。

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学位論文審査の要旨 主査    教授    佐 藤馨一 副査    教授   加賀屋誠一 副査    教授    森 吉昭博

学 位 論 文 題 名

中国北京ー上海間高速鉄道システムの      実 現 可 能 性 に 関 す る 研 究

  本 研究は、 世界にお ける高速鉄 道時代の 中で、こ れからの 発展が著 しい中国 に おいて2005年 にも着工 されようと している 北京―上 海高速鉄 道計画を 取り上 げ 、その計 画の必要 性、基本計 画、需要 予測、経 済財務分 析につい て調査・研 究 を行い、 計画の規 模、妥当性 、影響な どについ て総合評 価し、今 後の進むべ き 方 向 を 提 案 し た も の で あ る 。 本 研 究 の 概 要 は 以 下 の 通 り で あ る 。   第1章 で は 、 本 論 文 の 背 景 ・ 目 的 お よ び 内 容 ・ 構 成 に つ い て ま と め た 。   第2章 では 、 中国 の 経 済発展 と鉄道整備 との関連 、北京― 上海問在 来線や沿 線 地域の状 況、鉄道 システムの 技術装備 水準向上 、高速鉄 道の有す る省エネル ギ ー性、環 境改善効果、北京夏季オリ.ンピックや上海世界万博との関連、並び に 鉄道の企 業改革と いう観点な どから、 本計画の 必要性に ついて定 性的に明ら か にした。

  第3章 では 、 本計 画 の 基本構 想が、費用 対効果の 上で、新 幹線と同 様の高速 旅 客専用線 であるべ きことを明 確化した 上で、そ の目指す べき定性 的な方向を ま とめ、過 去の中国 との技術交 流や日中 共同研究 などから 本計画の 基本計画を 各 項目及び 技術分野 別に、工事 費や工期 などを現 時点で明 らかにで きる範囲内 で 示 し た 。 こ れ に よ り 、 本 計 画 の 基 本 構 想 を 体 系 的 に 明 確 に し た 。   第4章 の需 要 予測 で は 、過去 の東海道新 幹線での 国民の生 活様式を 変えるよ う な国家的 プロジェ クトにおけ る経験か ら、現在 、日本の 整備新幹 線の需要予 測 で使用さ れているMDモデルを採用した。中国側と共同で前提条件を決めたが、

大 規模プロ ジェクト で、かつ中 国全土か らの人の 移動が考 えられる ために、沿 線 ル ー ト上 を14と そ れ以 外 の地 域16の30ゾー ン に区 分 し、ゾー ンペア別 、モ ー ド別の所 要時間及 ぴ所要費用 を中国側 の全面的 協カを得 て算出し 、需要予測 を 行った。 その結果 、北京―上 海高速鉄 道は、開 業後の伸 び率は日 本の東海道 新 幹線より 低くなる ものの、総 量では東 海道新幹 線よりも 大きな需 要が見込め

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るこ とを 明確 にし た。 また、 時速500kmの 超高 速リ ニア鉄道がある場合の需要 予測も行い、第2の北京ー上海間高速鉄道が必婁と.される時には、超高速リニ アの可能性があることを確かめた。

  第5章の 経済 分析 では 、中 国側 と前 提条 件に っい て意見交換の上決定した上 で、 供用 後の 鉄道 サー ビス改善による施設効果を費用便益分析で検討した。そ の結果、経済効果は、EIRR(経済的内部収益率)が16%程度、NVP(純資産価値)

は700億元前後で大幅なプラスであり、CBR(コストベネフイット比率)は1.9前 後で非常に高いことを明確にした。その中で、環境改善効果が35%程度を占め、

本計画が環境に非常に貢献することを確かめた。

  また、第5章の財務分析では、FIRR(財務的内部収益率)も20%程度で、かつ、

単年 度営 業収 支が 供用 開始7年目 に黒 字転 換、 累積 営業収支は11年目に黒字転 換す るな ど、 極め て良 好な財務分析結果であることを明らかにした。更に、最 混雑 区間 であ る南 京・ 上海間のみの開業を先行させた場合には、単年度営業収 支 が 供用 開始4年目 に黒 字転 換、 累積 営業 収支 は7年 日に 黒字 転換 する など 、 極め て良 好で ある こと が判明した。鉄道において、これほど収益性の高いプロ ジェ クト は稀 であ り、 高速鉄道の大量性、高速性が中国の北京―上海間で活か された例であることを示した。

  第6章で は、 本計 画へ の我 が国 の協 カに っい て、 政府間べース協カだけでな く、 本計 画へ の協 カを 目的として設立された日中鉄道協力推進協議会による協 カに つい ても 触れ 、10年にわたる経緯などを示した。その上で、中国鉄道産業 の現 状と 諸外 国と の提 携にっいて触れ、我が国の本計画に対する協カへの課題 につ いて 明ら かに して 、今後の同計画の中国における進め方及び我が国のこの 計画に対する協カについての方向付けを行った。

  第7章でiま 、本 研究 で得られた結論及び今後の課題をまとめた。すなわち、

中国 北京 ー上 海高 速鉄 道計画に関する研究における種々の評価、分析結果を示 す と と も に 、 今 後 の 課 題 を 記 し 、 進 む べ き 方 向 を 示 し た 。

  こ れを 要す るに 、著 者は、北京―上海間高速鉄道システムにっいて新たに交 通需 要推 計を 行い 、費 用便益分析法によってプロジェクト評価を実施するとと もに 、高 速鉄 道と 在来 鉄道のダイヤ編成の基本方針を示し、その実現可能性を 明ら かに した もの であ り、交通計画学、交通制御工学、鉄道工学の発展に貢献 する とこ ろ大 なる もの があ る。

  よ って 著者 は、 北海 道大学博士(工学)の学位を授与される資格あるものと 認め る。

参照

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