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プヌ語動詞アクセント試論

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Academic year: 2021

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(1)

プヌ語動詞アクセント試論

A Tevitatne lanoT anAsisyl fo nuP u Vsbre

湯川恭敏

Y a s u t o s h

i Yukawa

はじめに

プヌ語 (piy i!)un というのは、アフリカのガポン共和国の南東部に話されるパントゥ系の 一言語である。 n

本論文でこの言語の表記に用いる子音字とその概略的音価は、次の知くである。

b ()]b[ d ()]d[ f ()Jf[ g ()]g[ , gh

([y]-{

) j ([d~]) , k ()]k[ 1 ([1]),皿([凶), n ()]n[ )y]n"1.[( -p ()]p[ r ()]r[ s )]s[( , t ()]t[ t

s )]st[( v ()]v[ w ()]w[ y ()]j[ z ()]z[ m/n

(子音前鼻音).

2)

母音字は、次の通りである。

i ()Ji[

e ()Je[ a ()Ja[ 0 ()][0 u ])U([ a (.)Ja[

中舌母音のaは、語末のa( およびその前に、語幹冒頭音節母音ではないa があれば、その a

) としばしば交替してあらわれ、その限りでは音素a の異音と考えられるが、そうでない あらわれかたをする場合がある。一応独立した音素と考えておく。この言語には、長母音

(同一母音連続)も存在する。

アクセントについては、母音字上の f f

高J

を、無印で「低J をあらわす。

この言語における人称主格接辞・対格接辞S) の形は、次の通りである。

単数1人称 'N/in 1) N 複数l人称 ut ut

2人称 U U 2人称 ud ud

3人称 a 皿U 3人称 ab ab

クラス5) 主格接辞・対格接辞は、次の通りである。クラスは、名詞例で示す。ハイフン は、接頭辞と語幹の境界を示す。 IIV-I は単数名詞のクラスで、IIV 1 IIX- は複数名詞 のクラスである。

ana-' r子供J satghmu- i 「j 単数3人称に同じ 1.1 dasanu- r

J 61tsso-tm6 i 『野鳥の一種J U U

1

1.1 tsub6-ladi r

J liku6-kid j id

(2)

I V

. ut6k-iY

「着物

Ji16znuuzn-iY r

トンボ

J ly lY V

. dtGb- r

ぴん

Jk~uru

(接頭辞ゼロ) 『サソリ

J lJ IJ

V.I alas-ud rJ aneewgn-6d r

カメレオン

Judno6p-ud

「 靴

j ud ud V

I.I is61-ub f

呪術

j ub ub

V I

I .1ana-'b r

子供

J

'hg-ab i st

「 妻

j cf. .1 複数3

人称に同じ

I X

. adnas-i r

J

6stost-im i1

「野鳥の一種」

c.f 1.1 lm lm X

. ust6bal-am r

JukGk-am 1 i

『 蝶

J

m'-ng\V~ena r

カメレオン

J

s61-a

i

「呪術

J c.f 11!IIV/IV .1a a X.I ut6k-ib

「着物

J

ib l6znui 6zn- r

トンボ

J .fc .VI ib ib X

I.I dt6b-mab r

ぴん

J

uruGk-ab r

サソリ

J

udno6p-ab r

J

t s ' l

a <()al's-n rJ c.fIV/V ist ist

クラス

IIX

のうち

{ab m/)n

を接頭辞とするものは、

ist

の他に

ab

を主格接辞・対格接辞と することもある。この他に、対格接辞の一種として再婦接辞

eek

がある。

主格接辞を

S

であらわし、対格接辞を

O

であらわし、再帰接辞はそのまま

eek

であらわ す。この言語の動調自体は、元来のアクセントの型の対立を失っている。

g .1

不定形

この言語の動詞にも、不定形と呼んでよい形{

--r

すること

J

の意)がある。

不定形は、

u

+ 語 幹 +

a

および

(

u )+

対 格 接 辞 + 語 幹 +

a

という構造を有する。ただし、対格接辞が再帰接辞の場合、

U

があらわれる形はデータに はない。また、

a

が@であらわれる場合も多い。ただし、

a

で終わる形が採取されている ものは、

9

で終わる形も採取されていても、

a

であらわすことにする。語幹が子音一つの 場合、

a

以外の母音が語尾としてあらわれうる。アクセントは非常にぷれるが、次のよう に表示しうるようである。 c は(子音前鼻音+)子音{+半母音)を、

V

は母音をあらわし、

X

は任意の音索列を示す。+

11

は、調整規則的

11

をつけ加える必要がある、の意である。

(

. . . _ / . . . . _ L . .

.

.

u X V C

a ( X = -V-

なら、

V

の は直目。の

v

にうつる。

aCV = iahg

なら、

ahg

は低く、

かっ、無いものと扱われる

o X = JR

なら、

d

もダであり、 r は直前にうつる。

r

調整 規則

1 J

と呼ぶ),

(

ωcaxd6 (X=~V

なら、

G

r

は直前の

V

にうつる

o X = o

なら

j

も釘である。

(3)

「調整規則JII と呼ぶ).

k~eXÝCa ( + 11.) 6

j

i r食べるJ u ab'l r見るしagn6tu rむすびつけるJ ahgeetu 7) r汲むし u

s 6 u m b

a 8) r買うJahgibidu r閉めるJan6sugnebu rくっつけるJ (

u ) y {

j i rそれ(クラス)VI を食べるJ.ab'11y)u( y)u( t.a'gn6t (u)m't~egha rそれ(クラス XD) )を汲む J.abmu6s{y)u( .ahg{bid{y)u( (

u );anGsugnebfy

abale r自分を見るJ

調整規則I2番目の規定は奇妙であるが、この言語における派生接辞hgi

寧 < (

)ki 扱いに関係するものらしい。派生接辞liは、多くの接辞のあとにあらわれ、いわゆる『適 用動詞J をつくるが、hgi に対しては(意味的に変でも)その前にあらわれる。

u b e n g u s u n i l

a r~のためにくっつけてやる J .sv

u d i b ( l i g h

a r~のために閉めてやる J

(九

a11hgibid ) なお、あとに目的語等があらわれる時、動詞不定形は、

u X . XOu

というアクセントになることもある。

u b e n g u s u n

a ami{y rある物{y()ami をくっつけるJ

Ulinusugnebu

a ami{y r彼のためにある物をくっつけてやるJ また、 a3-2-2 参照。

1 2. 直説法形

直説法形に用いられる語尾としては、.a.agna .iigni がある。以下、語尾別に見る。

1 2-1. 語尾aを用いる形

まず、不定形と同じ語尾を用いる形を見る。

12-1-1. 逮過去形

一昨昨日もしくはそれ以前の過去に行われた行為をあらわす形は、

主格接辞+ am + (対格接辞+)語幹+ a

という構造を有する。単数1人称主格接辞はinである。アクセントは、次の如く表示しう

(4)

dmxdca(X=~V

なら、

d

の〆は直前の

V

にうつる。

aCV = iahg

なら

ahg

は低く、

かっ、無いものと扱われる

o X

=鮮なら、

d

6

である。 r

調整規員IIU [ j

と呼ぷ),

imodea(+II)

s

EIaidedca(+II).

n ( m a

j i r

私は食べたJ

a

balamin .agn

6tamin .ahge6tamin n{mas~umba,

n {

1.ahgibida ;anGsugnebamin n

i m a Y i j

i r

私はそれを食べた

j.ab'l

iyam{n .agnGtiYamin n{ma四at~egha,

n ( m a Y

i

6 s

.abmu.ahg{bidiyam(n ;an6sugnebiYam{n n

f aabale r

私は自分を見た

j

f

i 2-1-2. 近過去形

5

日ほど前以降で現時点までに行われた行為をあらわす形は、

主 格 接 辞 +

ist +

(対格接辞+)語幹+

a

という構造を有する。単数

1

人称主格接辞は

N

であり、

ist+N

izn

となる。アクセント は、次の如く表示しうる

o

S t s

i VxaC ( + [ )aCVXOistS ( + [[ .) ~tsik'eeXVCa ( + [[ .) a

t s { j

i r

彼は食べた

j list' a.'ab ~tsitGnga. 'tsit~egha, .abmubsist' '

t s i d ( b i g h a

. ;anGsugnebist' '

t

s {yi ij r

彼はそれを食べたJ

.ab'l

iyist' àtsiy(t~nga, 'tsim{t~egha,

' t s i y 1 s 6 u m b a

. ahgfbid{yista ;anus

uganeb'{yist '

t s

i erIabale r

彼は自分を見た

j

f

i 2

1-3.

現在完了形

既に行われた行為をあらわす形は、

主 格 接 辞 +

am +

(対格接辞+)語幹+

a

という構造を有する。単数

1

人称主格接辞は

in

である。アクセントは、次の知く表示しう る 。

S m ' X V C

a ( + [[ ) mSaCVX ( + 11) Smak~eXVCa ( + 11 .) n

i m ' j

i

r.私はもう食べた

j nim'l~ba. agnut'min

nim't~egha. nim's~umba.

n i m ' d i b ( g h a

. insugneb u';an n

i m

a Irij r

私はもうそれを食べたし

nimayfl~ba. agn6tfyamin

nim佃't~egha,

n i m a y f s G u m b a

. .ahig{nbid.'ya ;an6sugneb1yamin

(5)

n i m a k 6 e l ' b

a r

私はもう自分を見た

J

~

2 1-1

の形とは、アクセントだけで区別される。

~

2-1-4. 未来形

未来のある時点において行われる行為をあらわす形は、

主 格 接 辞 +

u +

語 幹 +

a

という構造を有する。主格接辞

u+

の形は、次の如くである。

単数

l

人称

uun

2

人称

uu

3

人称( =クラス

1) 00

, 複数

1

人称

uut

2

人称

uud

3

人称( =クラス

)IIVI oob

クラス

11 uu

111 uuyd

VI uuy

V juu

IV uud

IIV uub

I

X uuym

X moo

IX uuyb

IIX .uuySt

アクセントは、次の知く表示しうる。

S

UVxaC ( + 11

, )

~uÓXVCa ( + 11

, )

e6kuS VxaC ( + 11.) n

6 u

j i r

私は食べる

J

n~ul~ba, agn6tu6n

n6ut~egha, abmu6su6n

ahg{bidu6n

n 6 u b e n g u s G n a

; n 6 u y f j

i r

私はそれを食べる

J

ab16fynh a

gndd11611

nduddegha

n G u y { s 6 u m b

a n~uy{dib{gha, ;an6sugneb(yuGn

n6uk~e16ba r

私は自分を見る

J

~

2-1-5.

逮過去否定形

~

2-1-1

の形に対応する否定形は、

主 格 接 辞 +

as

+ 皿

a+

(対格接辞+)語幹+

a

という構造を有する。単数

1

人称主格接辞は

in

である。アクセントは、次の如く表示しう る 。

SsimaX~Ca ( + 1I1

, )

S

I'S6&m ω n

り、,は直前にうつる

o r調整規則JVI

と呼ぶ),

s s ' m a k 6 e x v c

a ( + 1I.) n

i s ' m a j

i r

私は食べなかった

Ja

b'lam&sin

nis~matGnga, nis~at~egha,

/ / d

n i s a m a s u u m b

a ahgibidamasin ;anusugnebamasin

n i {yam's ij r

私はそれを食べなかった

Jab'l.i

Yam6sin agn6

tiyamasin

(6)

nis'mamat~egha. nis~mayis~umba. .ahg(bidiyam6sin sin yan sui gneb 1l ; an nis'mak~elàba r私は自分を見なかったJ

対格接辞があらわれる場合、 g 2-1-1 の形と微妙に異なる点、奇妙である。一方もし くは両方がぶれているのかも知れない。

B 2-1-6. 近過去否定形

g 2-1-2 の形に対応する否定形は、

主 格 接 辞 +aahg + 側格接辞+)語幹+ a

という構造を有する。単数1人称主格接辞は Nであり、aahg+N aagn となる。アクセント は次の如く表示しうる。

sgimidea(+III) +II)Ca(a6xdgllas sghaaidedca(+II).

n g a ' j

i r私は食べなかったJab61iaglI aglIdt6agn aitge6t6aglI abmildsdagiI n

g a ' d { b i g h a

. ;anGsugneb'agn n

g a a y { j

i r私はそれを食べなかったJ ngaay11~ba, aagn Iyagn6t ngaam't~egha,

n g a a y { s G u m b

a .ahg{bid{yaagn yaagn ugneb u's;an ngaak~el'ba r私は自分を見なかったJ

B2-1-7. 完了否定形

g2-1-3 の形に対応する否定形は、

主 格 接 辞 +ak + (対格接辞+)語幹+ a

という構造を有する。単数1人称主格接辞はinである。アクセントは、次の如く表示しう

S k a X V C

a ( + IV .)aCVX6akS ( + 11

, )

ákak~eXVCa ( + 11 .) n

{ k a j

i r私はまだ食べていないJ nab'lak n1kat~nga. níkat~egha. sak{n abmui n

{ k a d i b { g h

a ;anusugnebak1n n

1 k a y { j

i r私はまだそれを食べていないJab'liyakfn n1 kay{t~nga,

níkam'at~egha, abmu6siyak1n yak(n .ahg{bid ;an6snugnebfyak n

f k a k 6 e

1 aba r私はまだ自分を見ていないJ

B 2-1-8. 未来否定形

a 2-1-4 の形に対応する否定形は、

(7)

主 格 接 辞 +

oohg +

(対格接辞+)語幹+

a

という構造を有する。単数

1

人称主格接辞は

N

であり、

oohg+N

oogn

となる。アクセント は、次の知く表示しうる。

Sgh66X~Ca ( + 11 )acVX66ohgs ( + 11 )aCVXe'k66hgS ( + 11 .)

n g 6 6 j

i r

私は食べないJ ,

abalO6gn

agn6t66gn

ahge6t66gn

6n&abmuus6

n g o O d i b ( g h

a ;an'

sugneb66gn n

g 6

6 Iy j i r

私はそれを食べないJ

a

b'I{Y66gn

yO6gn I'agnbt

ng6ómát~egha,

n g 6 6 y 1 s 6 u m b

a y6ogn ahgibil ;anGsugneb1yo6gn n

g 6

6 etIe l~ba r

私は自分を見ない

J

B 2 - 2.

語尾銅

ag

を用いる形

語幹直後の

a

は長くなると解釈される。また、語幹が子音一つからなる場合、

agna

は重 複される。

A 2-2-1.

逮過去進行形

一昨昨日もしくはそれ以前の過去に行われていた、あるいは、よく行われた行為をあら わす形は、

主 格 接 辞 +

am +

(対格接辞+)語幹+

agna

という構造を有する。単数

1

人称主格接辞は

in

である。アクセントは、かなりぶれるが、

次の如く表示しうると解釈する。

i m a x c a 6 1 1 g

a (XCa=~igha

なら、

agn'

のノは直前の

a

にうつる

o X =仰なら、 ~nga

の/は直前の

a

にうつる。

r調整規則V J

と呼ぶ),

S m a 6 X C a a n g

a

Smak~eXCa'nga.

n i m a j a a n g a ' n g

a r

私はよく食べた

Jagn

aabalam1n agn

aagnutam1n

n { m a t e e g h a a n g

a agn6

abmuusam(n

, 1

agna

n

ahgibidam ;agn6anu

sugnebam{n n

f m a y i j a a n g a a n g

a r

私はよくそれを食べた

J

'1nbal{yam I1aagn

In'yam agn'agnut

nímam'teegha~nga, agniabmuusiyamin

yam1n agn'ahgibid

yamin anusugneb ';aagn n(ma~elabaánga r

私はよく自分を見た

J

A 2-2-2.

近過去進行形

5

日ほと官官以降で現時点までのある時点に行われていた、あるいは、よく行われた行為

(8)

をあらわす形は、

主格接辞+ i + st (対格接辞+)語幹+ agna

という構造を有する。単数l人称主格接辞はN であり、ist+N izn となる。アクセント は、次の如く表示しうる。

StsiC~XCa'nga (XCa

=

(~)lgha なら、á'ngaの〆は直前のa にうつる。 X

=

JRなら a

n g

a の/は直前の a にうつる。 r調整規則JIV と呼ぶ),

S t s i 6 X C a

a .aagnaaCXe6kistS '

t

s ai gniaj gnaa r彼は食べていたJ ist' l~b~anga, agnaign6tisti 'tsit~eghaínga, u6sist' agnaab dist' agna'hgib itsib~ngusuna'nga;

~tsiyíjaanga~nga r彼はそれを食べていたJagn'abalfyista ist' Iyagnaagnut tamist

e e g h a ' n g

a 'tsiy{suu皿ba~nga,agn'ahgibid{yisti ;agnianusugneb{yist&

'tsik~elaba'nga r彼は自分を見ていたJ

g 2-2-3. 未来進行形

未来のある時点において行われている、あるいは、よく行われる行為をあらわす形は、

主格接辞+ u + 語 幹 +agna

という構造を有する。主格接辞u+ の形は62-1-4 に見た通りである。アクセントは、

次の如く表示しうる。

~uXCaánga ( + V ) ~u6XCaãnga, .agn'aCXeekUS n

6 u j a a n g a a n g

a r私はよく食べるJagnaibalu6n agna"nutu6n agniahgeetu6n I

I 6 u s u t

I agnaab n6udibigh~anga, ;agn'anusugnebu6n

n~uy{jaangaánga r私はよくそれを食べるj Ihdlabahga agndagnutfy11621 n

6 u m ' t e e g h a a n g

a n~uyfsuumba'nga, nGuy{dibigha~nga, ;agn{anusugneb{yuGn n~uk~elabaá'nga r私はよく自分を見るJ

f

i 2-2-4. 逮過去進行否定形

62-2-1 の形に対応する否定形は、

主格接辞+as + ma + (対格接辞+)語幹+ agna

という構造を有する。単数l人称主格接辞はinである。アクセントは、次の如く表示しう

Ss~aXCaánga ( + V)agn{aCXOamursS Ss'ma~eXCaínga.

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