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解砕した石炭灰混合処理土の強度特性に寄与する仮置き日数の影響   

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Academic year: 2022

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(1)

試料名 セメント添加量

(%)

石炭灰添加量

(%)

解砕までの 養生日数(日)

解砕後からの 仮置き日数(日)

仮置きから一軸圧縮試験 までの養生日数(日)

泥土 3

0 5 10

3

28 0, 7, 28 0, 7, 28

表-2  仮置きにおける強度変化の実験条件  表-1  物理特性値 

泥  土 2.609 24.6 29.3 166.7 51.2

石炭灰 2.357 0 N.P. N.D. 99.7

細粒分含有率 Fc(%)

試料名 土粒子密度 ρs(g/cm3)

含水比 w(%)

塑性指数 IP(%)

コーン指数 qc(kN)

解砕した石炭灰混合処理土の強度特性に寄与する仮置き日数の影響   

福岡大学大学院  学生会員  ○久富優二

福岡大学工学部    正会員    佐藤研一  藤川拓朗

1.

はじめに  軟弱地盤の多い我が国では、土質改良を目的として、セメント やセメント系固化材による改良工法が数多く施されている。その中には、仮 設道路のために施工された早期に掘削が予想されるセメント安定処理土や、

数十年後にライフライン等の維持修繕に伴い掘削される長期的なものまで 様々である。これら掘削されたセメント安定処理土(以後、掘削処理土)は、

一般的には廃棄物として処理されている。しかし、循環型社会を目指してい く上では、これら掘削処理土の有効利用について検討していく必要がある。

また、掘削処理土は、セメントにより土粒子が膠着した状態にあるため、一 般的な土と比べて力学特性や溶出特性が異なることが十分に考えられる。そ 

こで、本研究では図-1 に示すように掘削処理土の循環利用に着目し、掘削処理土の性状が再利用時の力学特性や 耐久性、溶出特性に与える影響、石炭灰添加による耐久性改善効果を把握することを目的としている。なお、本 報告では石炭灰を有効利用の観点から混入させたセメント安定処理土の力学特性、仮置きにおける養生日数が締 固めの強度へ及ぼす影響について検討を行った結果について報告する。

2.

実験概要

2-1

供試体作製方法  実験試料には、工事における仮設道路の供用期 間終了後に掘削されたセメント安定処理土を粒径

9.5mm

以下になる まで、解きほぐしたものを使用した。なお、この掘削処理土は性状 より泥土に区分1)される。泥土及び石炭灰の物理特性値を表-1に示す。

供試体の作製は泥土の含水比を

w=25%

に調整して、固化材の添加量を土の湿潤質量に対して外割り配合で

C=3%

とした。なお、固化材には高炉セメント

B

種を用いた。また石炭灰添加の条件に関しては、土の湿潤質量に対し て外割り配合で

ash=5, 10%

(石炭灰:ashと表記する)を添加後に同様にセメントを添加し、これらの攪拌をホバ ートミキサーで

8

分程度行った。鋳鉄製のモールド(直径φ5×高さ

h10cm)を用いて、突固め層数が 3

層となる ように試料をモールドに入れ、ランマー(質量; 1.5kg, 落下高さ; 20cm)で突固め回数を

12

回として供試体を作製 した(

JIS A 1210

)。突固め回数は、突固めエネルギー

E

c

=

550

kJ/m

3)となるように調整している。供試体作製 後、ラップで密封して

20℃一定の恒温室で所定の期

間、空気中養生させた。

2-2

掘削処理土の仮置き期間に伴う力学特性の変化    掘削処理土のリサイクルを考慮する上で、セメント  安定処理土の掘削後の仮置き日数及び養生日数に伴う強度 発現が力学特性に及ぼす影響について検討を行った。表-2 に示した実験条件及び配合条件で、

2-1

における供試体作製 時と同一のエネルギーで供試体を作製した。作製した供試 体を

3

日間及び

28

日間養生後、回転式破砕混合混練機2)を 用いて最大粒径が

9.5mm

となるように破砕した。この解砕 したセメント安定処理土の仮置きを想定し、ポリエチレン 容器内で湿潤状態となるように密封して保存した。仮置き したものを解砕前と同一のエネルギーで再度締固めて供試 体を作製後に所定の期間、空気中養生させて一軸圧縮試験 キーワード  セメント安定処理土,循環利用, 石炭灰, 一軸圧縮強さ 

連絡先      〒814-0180  福岡市城南区七隈

8

丁目

19

1

号  福岡大学工学部社会デザイン工学科  TEL092-871-6631

-1

  循環利用のイメージ

最終処分場 適正処分

セメント安定処理

・供用終了

・維持修繕に伴う再掘削

⇒掘削処理土の発生

循環型社会の構築

・建設発生土の有効利用

・軟弱地盤の改良

力学・溶出特性 未解明な部分が多い

掘削処理土の再使用・再利用

×

×

最終処分場 適正処分

セメント安定処理

・供用終了

・維持修繕に伴う再掘削

⇒掘削処理土の発生

循環型社会の構築

・建設発生土の有効利用

・軟弱地盤の改良

力学・溶出特性 未解明な部分が多い

掘削処理土の再使用・再利用

×

×

図-2  解砕から仮置きまでの考え方

養生3

3 10 31 経過日数

養生28

28 35 56 経過日数

0

0

●掘削までの養生3日の場合

●掘削までの養生28日の場合

仮置き0 養生0 養生7 養生28 解砕

解砕

仮置き7 養生0 養生7 養生28

仮置き28 養生0 養生7 養生28 仮置き0 養生0

養生7 養生28

仮置き7 養生0 養生7 養生28

仮置き28 養生0 養生7 養生28 養生3

3 10 31 経過日数

養生28

28 35 56 経過日数

0

0

●掘削までの養生3日の場合

●掘削までの養生28日の場合

仮置き0 養生0 養生7 養生28 仮置き0 養生0

養生7 養生28 解砕

解砕

仮置き7 養生0 養生7 養生28 仮置き7 養生0

養生7 養生28

仮置き28 養生0 養生7 養生28 仮置き28 養生0

養生7 養生28 仮置き0 養生0

養生7 養生28 仮置き0 養生0

養生7 養生28

仮置き7 養生0 養生7 養生28 仮置き7 養生0

養生7 養生28

仮置き28 養生0 養生7 養生28 仮置き28 養生0

養生7 養生28

土木学会第66回年次学術講演会(平成23年度)

‑23‑

Ⅲ‑012

(2)

【 参 考 文 献 】1) 土 木 研 究 セ ン タ ー

:「 建 設 発 生 土 利 用 技 術 マ ニ ュ ア ル 」 丸 善 出 版 , 1997  2) 日 本 国 土 開 発 株 式 会 社 HP URL:

http://www.n-kokudo.co.jp/tec_civil/twister_atypical.html 3)先端建設技術センター:「建設汚泥リサイクル指針」大成出版社, 1999  (a) C=3%のみ

0 100 200 300 400 500 600 700 800

0 1 2 3 4 5

養生3日 養生7日 養生28日

 σ(kN/m2)

圧縮ひずみ ε(%)

w=25%

C=3%

0 100 200 300 400 500 600 700 800

0 1 2 3 4 5

養生3日 養生7日 養生28日

w=25%

C=3%

ash=5%

 σ(kN/m2)

圧縮ひずみ ε(%)

(b) C=3%+ash=5%

0 100 200 300 400 500 600 700 800

0 1 2 3 4 5

養生3日 養生7日 養生28日

w=25%

C=3%

ash=10%

 σ(kN/m2)

圧縮ひずみ ε(%)

(c) C=3%+ash=10%

図-3  一軸圧縮試験結果 を行った。なお、解砕からの仮置き日数と全経過日数との関係図ついて図

-2

に示す。

3.

実験結果

3-1

セメント安定処理土の力学特性  図-3(a)にセメントのみで改良を行ったもの、

-3(b),(c)

に石炭灰混入させて改良を行ったセメント安定処理土の一軸圧縮試験結

果を示す。いずれの条件においても養生経過と伴に強度が増加していることがわか る。また、石炭灰添加量を増やすことで強度の増加がみられる。これらは、含水比

0%

の石炭灰を添加したことで、石炭灰の表面積による吸水効果3)が発揮されてセメ ント安定処理土の含水比が低下したためだと考えられる。また、石炭灰には数%の 

CaO

を含んでいるため、水和反応による固結効果も

一つの要因だと考えられる。 

3-2

仮置き期間が締固めの強度に及ぼす影響  図

-4

は解砕したセメント安定処理土の仮置き日数の違い が締固め後の一軸圧縮強さに与える影響について示 したものである。まず、セメントのみの改良である 図-4 (a), (b)における解砕までの養生日数(以後、解砕 日数

)

と仮置き日数の違いに着目すると、いずれの条 件においても一度解砕し再び締固めた供試体は、そ の後も養生日数の経過に伴い、強度が増加している ことがわかる。 しかし、仮置き

28

日経過後に作製 した供試体の養生

0

日から養生

28

日までの一軸圧縮 強さの増加率は、解砕日数を

3

日とした条件では、

103.3

%であるのに対して、解砕日数を

28

日とした

条件では

49.6%と養生の経過に伴う強度の増加がみ

られていない。これは、解砕日数を

28

日とした条件 では、解砕までの養生期間が長かったことから、再 び締固めてからの水和反応がゆるやかな状態にあっ たと考えられる。次に、石炭灰を添加させて改良を 行った図-4(c), (d)に着目すると、石炭灰を添加させ た条件についても同様に、解砕後の一軸圧縮強さが 未解砕と比べて低下していることが分かる。また、

石炭灰添加量の違いでみると、石炭灰を多く添加し

ash=10%の条件の方が解砕の有無による強度差が

著しいことが分かる。これは、石炭灰添加に伴い、

強度の増加が大きくみられた

ash=10%

の条件の方が、

解砕したセメント安定処理土自身もある程度の強度 を有することから、締固める際に空隙が生まれ、乾 燥密度が低下したことに起因すると考えられる。

4.まとめ  1)石炭灰を添加することで、吸水効果及び水和反応により強度が増加する。2) 解砕前の強度が大きい

程、解砕したセメント安定処理土自身も強度が大きく、再び締固めた際の強度低下率への影響が大きいと考えら れる。 3)仮置き後の強度発現は、仮置きにおける単粒子の強度増加と締固め後の水和反応による粒子同士の結 びつきといった両者のバランスに影響を受けると考えられる。

謝辞 本研究は(社)九州建設技術管理協会より、平成

22

年度研究開発助成「石炭灰混入型セメント改良土の循環 利用に伴う力学・溶出特性」の一環で行ったものであり、ここに記して関係者各位に謝意を表します。 

図-4  仮置き養生に伴う一軸圧縮強さの変化

0 100 200 300 400 500 600 700 800

0 5 10 15 20 25 30

未解砕 仮置き0日 仮置き7日 一軸 qu(kN/m2)

養生日数(日)

設定含水比:w=25%

固化材添加量:C=3%

石炭灰添加量:ash=5%

ρd=1.595(g/cm3) ρd=1.575(g/cm3)

解砕までの 養生日数3日

解砕 仮置き期間

(c) C=3% +ash=5%

0 100 200 300 400 500 600 700 800

0 5 10 15 20 25 30

未解砕 仮置き0日 仮置き7日

一軸 qu(kN/m2)

養生日数(日)

設定含水比:w=25%

固化材添加量:C=3%

石炭灰添加量:ash=10%

ρd=1.636(g/cm3)

ρd=1.538(g/cm3)

解砕までの 養生日数3日

解砕 仮置き期間

(d) C=3% +ash=10%

0 100 200 300 400 500 600

0 10 20 30 40 50 60

未解砕 仮置き0日 仮置き7日 仮置き28日 軸圧縮 qu(kN/m2)

養生日数(日)

設定含水比:w=25%

固化材添加量:C=3%

解砕までの 養生日数3日

解砕 仮置き期間

103.3% up

(a) C=3%

解砕日数

3

0 100 200 300 400 500 600

0 20 40 60 80 100

仮置き0日 仮置き7日 仮置き28日 一軸 qu(kN/m2)

養生日数(日)

設定含水比:w=25%

固化材添加量:C=3%

解砕までの 養生日数28日

解砕

仮置き期間

49.6% up

(b) C=3%

解砕日数

28

土木学会第66回年次学術講演会(平成23年度)

‑24‑

Ⅲ‑012

参照

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