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音楽科教育における基礎領域に関する研究 : 「ふしづくり一本道」を中心として

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(1)平成8年度 【学位論文】. 音楽科教育における基礎領域に関する研究 一「ふしづくり一本道」を中心として一. 兵庫教育大学大学院 学校教育研究科 教科・領域教育専攻 芸術系(音楽). M95657A澁谷由美.

(2) 目次 凡例. はじめに. 第1章学習指導要領および「ふしづくり一本道」における基礎・・1 第1節 音楽学習における基礎・基本に関して ・・・・… 一・・… (1)基礎・基本とは ・・… 一一・… t一・一・・・・・・… 一一・・一t一一…. 1 1. (2)学習指導要領における基礎・基本の変遷 … ■i・・…一一…. 2. i 昭和22年学習指導要領 … ■■・・… 一・・・・・・・・… t■・ 2. ii 昭和26年学習指導要領 ・・・・・・・・・・・・… …… …・・ 3 血 昭和33年学習指導要領 ・・・・・・・・・… 曹・・“一・・・・… i− 4. iv 昭和43年学習指導要領 ・…・・・・… …・…・・・・・… !0 v 昭和52年学習指導要領 … …・・・・・・・・・・・・・・・・・… 16 vi 平成元年学習指導要領 ・・・・・・・・・・・・・…一一・・・・・・・・… 16 第1節注 ・・・・・・…■■・・・・・・・・・…■■・・ii・・■■・…t■・・・・…一■・17. 第2節 「ふしづくり一本道」における基礎・基本に関して ・・!8 (1) 「ふしづくり一本道」とは ・・一■・・■■t■・・t■■■・・■t・…■■・18. (2> 「ふしづくり一本道」に関する言葉の定義 ・…一・■一■■一・■一・・21. (3) 「ふしづくり一本道」でいう基礎とは ・・・・・・・・… ■■・一 22 第2節注 ・・…■■・・・…■■・■■i・…■一■■一・・一・・…■■・…■■・・一■・・一t24. 第3節 基礎事項の相関 ・■■・… ■一・・・・・・・・… 9・・・… ■■■一… 25. 第2章 「ふしづくり一本道」成立までの経緯・・…一一・・・・… 28 第1節 崩芽期 ・・・・… ■■■■e■・・■■・・・・・… ■}・・■・■t…一e・・e■・28. (1) r基底カリキュラム』 ・・… ■■・…t■・・・・・・・・・・・…}■・28 (2) 『音楽のおけいこ 指導書』 ・・・・・・・・・・・・…t一・・・・… 33.

(3) (3> 『小学校 音楽学年別能力表(試案)』 ・・・・・・… ■t… 46. (4) 『小学校 音楽学習指導の手引(音楽感覚段階別能力表)』 一 ・・ ・・一一一一 ・・ 一・・ ・・ 一一一 51. (5) 『中学校 音楽学習指導の手引(基礎能力指導段階表)』 ” .. .. .. ”一一 ・・ 一・・ ・・ 一一一 56. 第2節. 『音楽のおけいこ』の改訂 ・一■・・・… ■一■■一・・・・・・…■一・62. (1)中学年における比較 ・■一・・・… 一一・・・・・・・・・…一一・…一一・66 (2)低学年における比較 ・一一・・… 一・・・・・…一一・・一一・・一一・・一・・69 第2節注 一… ■■t一・・・・… ■■・■・・■■■■・… ■“… 一・・■・・…一・t一・・74. 第3節. 『小学校 音楽学習指導の手引』の改訂 ・■■■一■・・… 一 75. 第3章 「ふしづくりの音楽教育」の足跡 ・一…一・・一一・・一一… 87 第1節 「ふしづくりの音楽教育」その経緯 ・t■・・・…■■■一… 87 (1) 「ふしづくり一本道」の草案期 ・一一・… t一一一・・一・・一 ・’・ t一 一・87. ②. 「ふしづくりの音楽教育」の拡がり ・・…一■■■・t一一■・・■■・89. 第1節注 ・・… …・…・…・・・・・・… …… …… …・・… … 91 第2節 集大成「ふしづくり一本道」 ・■一一一■■一■■■・…e■t一■■■… 92 第2節注 ・・・・・・…t一・・…■t・・・・…一i・・・…■■・・・・・・・・・・・・… 95. 第3節. 「ふしづくり一本道」の問題点と今後のビジョン ・・一 96. おわりに. 巻末資料 引用参考文献および資料.

(4) 凡例 一、年号は原則として昭和・平成を用いた。. 一、資料からの引用部分は、原則として原文のままとした。したがって、. 旧かなづかいを使用した部分がある。なお、略字は当用漢字に訂正 した。. 一、紙面の関係で、原文のレイアウトの変更を行なった部分がある。. 一、論文を書くにあたっては、現代かなつかいを用いたp 一、注は、それぞれの節ごとにいれた。 一・. A数字に関しては、全て算用数字を用いる。. 一、書籍および本小論において重要な資料はr 』で表わす。 一、引用文は「 」で囲み、文体を斜体字で表わす。. 一、重要となる固有名詞はrjで表わす。 一、重要となる語句は‘ ’で表わす。.

(5) はCめに i96◎年代における日本の教育は、「能力と適正に応じた教育∬基 礎的・基本的事項の精選」という新たな教育課題をかかえていた。. 1958(昭和33)年改訂の学習指導要領は、児童・生徒に国民と して必要な最低限の能力を身に付けさせる基準として改訂された。次の. 第3次改訂(1968年、昭和43年)においては、学習内容に‘基礎’ の項.目が設けられ、音楽的感覚の育成に重点をおく一方、人格の側面の 形成をも重視したものとされた。. このような状況の中(1960年代中頃)、岐阜県において「ふしづ くり一本道1の音楽教育実践が創始された。これは、二二的能力の基礎 的部分を重要視している点において、まことに時代を反映した実践であ ったといえる。のみならず、今日においても、極めて示唆深い実践であ るということができると考えるのである。. 筆者は、音楽科教育における‘基礎’の変遷をたどるなかで、「ふし づくり一本道」に出会い、このシステムに関して研究を始めることにし た。資料収集には、可龍な限りの努:カをした。しかし、 「ふしづくり一. 本道」の成立する経緯や、その発想の原点を論述した文献は、システム 発祥の地である岐阜県においても見い出すことはできなかったcrまた、. 当システムを扱った文献・論文等においても、内容を論述したものがほ とんどであり、音楽の基礎能力を培うシステムとして位置付ける立場か ら執筆されているものは少ない。. 本研究は、 「ふしづくり一本道jと音楽の基礎能力育成との関わりの. 解明、および「ふしづくり一本道」の歴史的側面からの検証を、主たる 目的としている。.

(6) 第1章 学習指導要領および 「ふしづくり一本道」における基礎 「ふしづくり一本道」の変遷を歴史的見地からたどるにあたり、 「ふ. しづくり一本道」自体を「基礎能力の育成をする音楽教育」の視点から 見つめることが必要と考え、この章を設けた。. 戦後の日本における音楽科教育、その中でも特に‘基礎’を中心にし た変遷をみていくこととする。. 本小論においては、小学校における音楽教育システムである「ふしづ くり一本道」に関して論ずるため、小学校音楽教育を中心に考察する。. 第1節 音楽学習における基礎・基本に関して (1)基礎・基本とは 広辞苑第4版において、基礎に関して以下のように記されている。 「①その上に建物を建てたり大きな装置を設置したりするためにすえる. 土台。いしずえ。②それを前提として事物全体が成り立つような、もと い。③建築に先立って地面をならし固めること。地形(じぎょう)。」(注ユ). また、基本に関しては以下のように記されている。 「物事がそれに基づいて成り立つような根本。」(注2). 本小論において、基礎は上記の②、基本に関しては上記のことを指す ことにする。. この節においては、音楽科教育にこれをあてはめるものとする。. 音楽科教育における‘基礎・基本’を知るうえで、学習指導要領の変 遷による‘基礎・基本’の変質をみていくことが適当と考えるため、そ れを中心にたどることとする。. 一1一.

(7) (2)学習指導要領における基礎・基本の変遷 ここでは、学習指導要領から‘基礎’および‘基本’のタームが書か れてある部分を抜き出すことにより、それぞれの学習指導要領の音楽学 習における‘基礎・基本’の変遷をみていくこととする。. i 昭和22年学習指導要領 昭和22年のr学習指導要領 一般編(試案)』において、 ‘経験:や 知識’を小学校における学習の‘基礎’としている。. 同書『音楽編(試案)』においては、音楽科における基礎的な学習を 「演奏される音楽の美しさや楽曲と音色との闘孫、あるいは標題と音楽. との闘孫、各国の民謡と労働・荏会生潜との園連、各国音楽の特徴など に対する感得や理解」としている。また、音楽と他教科及び学校生活と の関連の項では、 「理科で取り扱う音の問題は音楽にとって基礎的」で あると記している。. 小学校音楽科教育における指導事項のうち、 ‘基礎’および‘基本’. に関する記述は次の8点である(箇条書筆者)。. 1.歌唱・器楽の順次進行を音楽の基礎的なものの1つとする。 2.表現技術に関して、レガートとスタッカートを基本とする。 3.児童が演奏できる楽器の調査をすることは器楽教育の基礎である。 4.リズムが音楽の最も基本的な要素。. 5.ヨーロッパ音楽の音組織を、音楽教育の基礎として教える。 6.音楽に対する理解は直感的なものが基本。 7.児童に純一・な音楽感覚的基礎を確立するためヨーロッパ音楽を主体 として鑑賞させる。. 8.楽譜についての知識は作曲の基礎。. 一2一.

(8) 特に5・7から、この時代は‘ヨーロッパ音楽’を音楽教育の‘基礎’ としていたことがわかる。また、4からは、音楽の‘基礎’を‘リズム’ としていたこと、6からは、 ‘感覚’を基本としていたことがよみとれ. る.その他の1・2・3・8は、音楽教育をさらに細分化した場合の‘基 礎・基本’に関する叙述である。. ii 昭和26年学習指導要領 昭和26年『学習指導要領 一般編(試案)』において、22年の『学 習指導要領』にあったような‘学習の基礎’を捉えることができるよう な記述、つまり‘基礎’および‘基本’というタームの記述はみうけら. れない。これは、26年の学習指導要領が、読譜指導に重きを置いた最 中であったという点と、関係があるように思う。. 26年の『学習指導要領』は、小・中学校および高等学校編が全て1 冊に収められている。しかし、各学校種別の目標の項に、小学校におい ては‘初歩的’、中学校においては‘基礎的’という言葉が使われてい たことは、興味深いことである。. 同書『音楽編(試案)』における‘基礎・基本’に関する記述は以下 のものがある(箇条書筆者)。. 1。注意して聞くことは、りっぱに歌うことの基礎になっている。 (中 略)それが基礎になってより高い表現ができるようになる。 (後略). 2.音楽を聞くということは、リズミカルな身体的表現・歌唱・楽器の 演奏・創造的な諸活動などの基礎となっている。 (後略). 26年の学習指導要領にわいて使用されている‘基礎・基本’のター. ムは、22年のそれと比較すると次の2点の特徴が見受けられる。1点 は、全体的に‘基礎・基本’のタームが少ないこと。2点めは、音楽教. 一3一.

(9) 育における‘基礎・基本’に関する記述というよりはむしろ、表現活動 の‘基礎・基本’に関する記述に的が絞られていることである。. iii 昭和33年学習指導要領. 昭和33年の学習指導要領に関しては、教育課程審議会の小学校音楽 科の答申において、 「低学年が音楽学習の基礎段階をなす」という改訂 方針を掲げている。しかしこの学習指導要領において、 ‘基礎’および ‘基本’という言葉はない。しかし、学習指導要領の文中で‘初歩的な 理解’という言葉が使われており、 ‘基礎・基本’を置き換えたものと 考えられる。. また、この年の学習指導要領から、第5節音楽科における目標および 説明文中に‘基礎’および‘基本’という言葉が記されている。これは、 それまでの学習指導要領にはみられなかったことである。. 添付した一覧表は、その言葉が使用されている部分を学年別に書き出 したものである。. ここでは、各州年別の一覧表から、項目ごとに‘基礎’に関する記述 の部分を抜き出し、比較を試みてみる。一覧表に関する凡例は、以下の 通りである。. 一、空欄は、 ‘基礎・基本’に関する記載がないことを表わしている。. 一、記述されている文章が前学年と全く同じである場合、全文のフォン トを小さく表わす。. 一、前学年の文章に一部分追加されている場合は、同じ文章は小さく、 追加部分は前学年と同じフォントで表わす。. 一、前学年の文章から、一部分削除されている場合は、削除部分に下線 を付す。. 一4一.

(10) 、文中、新出であり、かつ重要と思われるタ・一一一一一ムを赤で表わす。. 、前学年の文章に、一部分変更がある場合は、変更前は青で、変更後 は緑でそれぞれ表わす。. 目標. 学年 1. (2)基礎的な歌唱技能を身につけさせる i4)リズム楽器による基礎的な合奏技能を身につけさせる. 2. (2)基礎的な歌唱技能を身につけさせる. 3. i5)創造的表現の基礎能力を養う (3)読譜および記譜の基礎能力を養う i5)創造的表現の基礎能力を伸ばす. 4. (3)読譜および記譜の基礎能力を養う. 5 6. 歌唱. 学年 1. (2)基礎的な歌唱技能を身につけさせる。. i3)読譜の基礎能力を養う。. 2. (2)基礎的な歌唱技能を身につけさせる。. 3. (3)読譜および記譜の基礎能力を養互。. 4. (3)読譜および寵譜の基礎能力を伸ばす。. 5. (3)読譜および記譜の基礎能力を伸ばす。. 6. (3)読譜および記譜の基礎能力を伸ばす。. i3)読譜の基礎能力を養う。. 一5一.

(11) 歌唱に関する記述 学年. 歌唱技能関係 ア よい姿勢で歌う。. イ どならないで歌う。 ウ はっきりした発音で歌う。 工 その曲を最も美しく表現できる速さ 1.. 読譜関係 ア リズム唱、リズム打および拍子打になれる 、,. ウ 習った歌をなるべく多く階名暗唱する。 工 絵譜を見ながら歌詞や階名で歌う。. と強さで歌う。. オ リズムや音程を正しく歌う。 力 伴奏を聞きながら歌う。. キ 歌い出し、息つぎ、フレーズのくぎ り:方および歌い終りを正しく歌う。. 2. ア よい姿勢で歌う。. ア リズム唱、リズム打および拍子打に慣れる。. イ 美しい声に慣れる。 ウ はっきりした発音で歌う。. イ リズム譜を見ながらリズム唱やリズム打をする。 ウ 習った歌をなるべく多く階名模召する。. エ その曲を最も美しく表現できる速さと強さで歌う。. 工 習った歌をなるべく多く階名暗唱する。. オ リズムや音程を正しく歌う。. 零」. り. 力 伴奏を聞きながら歌う。. キ 歌い出し、息つぎ、フレーズのくぎり方および歌 い終りを正しく歌う。. ク レガートな歌い方に慣れる。 Cズ. 1. ’. , 7、. イ リズム譜を見ながらリズム唱やリズム打をする。 習った をなるべく く エ 習った歌をなるべく多く階名暗唱する。. 3. オ ハ長調の簡単な旋律:を視産する。. 力 視唱法で習ったハ畏調の旋律を見て書く。 キ (略)の書き方に慣れ、かっこれらの意味を理解する。ま た、五線と加線の線間の名称、ドの位置、小笛について理解 する。 ア リズム譜を見ながらリズム唱やリズム打をする。 イ 習った歌をなるべく多く階名暗唱する。. ウ ハ長調、へ長調およびイ短調の盤旋律を視唱する。. 4. 工 撹唱法で習ったハ長調、へ長調およびイ短調の旋律を見て書く。. オ前学年のものに加えて、次の音符、休符および記号など(略) の正しい呼び方や意味を、歌ったり、ひいたり書いたりする ことを通して理解する。 ア リズム譜を見ながらリズム唱やリズム打をする。(シンコペーションお. よび三連符を含む。) イ 習った歌をなるべく多く階名暗唱する。. ウ ハ長調、へ長調、ト長調、イ短調および二短鋼の旋律、ならびにそ. 5. れらと同じ調号をもつ日本旋法の旋律を視唱する。 工 視唱法で習ったハ長調、へ長調、ト長調、イ短調および二短調の旋律、. ならびにそれらと同じ調号をもつB本旋法の旋律を見て書く。 オ 次の音符、諸記号など(略)の遡や意味を、歌ったり、ひいたり、 書いたりすることを通して理解する。. ア リズム譜を見ながらリズム唱やリズム打をする。 イ 習った歌をなるべく多く階名暗唱する。. ウ ハ長調、へ長調、ト長調、二長調、イ短調、二短調およびホ短調の旋律、. 6. ならびにそれらと同じ調号をもつ日本旋法の旋律を視唱する。. H 視唱法で習ったハ長説へ長調、ト長調、二畏調、イ短認二短調およびホ 短調の旋律、ならびにそれらと同じ調号をもつ日本旋法の旋観見て書く。. オ 習ったいろいろの記号などの意味を、歌ったり、ひいたり、番いたりする ことを通して理解する。. 一6一.

(12) 器楽. 学年 1. (2)リズム楽器を演奏する基礎技能を身につけさせる。 i4)合奏の基礎技能を養う。 (2)リズム楽器を、演奏する基礎技能を身につけさせる。. 2. i3)旋律楽器を演奏する基礎技能を身につけさせる。 i4)合奏の基礎技能を養う.. 3. 4 5 6. 器楽に関する記述 リズム楽器関係. 学年. ア 歌唱教材を編曲した簡単な曲を. ア よい姿勢、正しい持ち方で打つ。. 年間3曲以上、リズム楽器で合奏. イ その楽曲を最も美しく表現でき る速さと強さで打つ。 1. ウ. ’ 1’ 、. 、. @. ,. 合奏関係. 旋律楽器関係. する。. イ ・リズム楽器で次の基本リズムを. 一. 打つ。 (略). 、 い. .どの.リズム楽器の奏法に慣れる。 A. ぐ. 、. “. L. 轟. “. ア よい姿勢、正しい持ち方で打つ。. イ その楽曲を最も美しく表現できる速さと強 さで打つ。. ウ リズム楽器類の奏法に習熟する。. ア ハーモニカで、習った歌や 簡単な旋律を吹く。. ア 歌唱教材を編曲した簡単な曲を年間2曲 以上、リズム楽器で合奏する。. イ 歌唱教材を編曲した簡単な曲を、 イ オルガンで、リズム奏をし リズム楽器に旋律楽器(選一モニ たり簡単な旋律をさぐりびき する。 カ、木琴または鉄琴など)の部分 ウ 木琴や鉄琴で、リズム奏を 奏を加えて、年間!曲以上合奏す したり簡単な旋律をひく。. る。. ウ リズム譜を見ながら次の基本リ @ズムの打ち方にいっそう慣れる。. 2. (略). エ リズムフレーズの基本形の打ち 方に慣れる。 (略). オ フレーズごとに楽器の組合せを くふうして、分担奏や合奏をする。 力 友だちの演奏をよく聞きながら 合奏する。 3. 4 5 6. 一7.

(13) 創作. 学年 1. 2. (1)創造的に表現する基礎能力を養う。. 3. (1)創造的に表現する基礎能力を養う。. 4. (1)創造的に表現する基礎能力を養う。. 5. (1)創造的に表現する基礎能力を養う。. 6. (1)創造的に表現する基礎能力を養う。. 創作に関する記述 創造的表現関係. 学年 1. 2. ア その音楽の気分や楽しさを感じながら、歌ったり楽器をひいたりする。 C 音楽に合わせて創造的に身体表現をする。 ア その音楽の気分や楽しさを感じながら、歌ったり楽器をひいたりする。. C. 3. 4. こA せ. 噛 こ. ア その音楽の気分や楽しさを感じながら、歌ったり楽器をひいたりする。. C みんな協力して、美しいせい唱、輸唱、合唱および合奏ができるようにくふうする。 ア その音楽の気分や楽しさを感じながら、歌ったり楽器をひいたりする。 C みんな協力して、美しいせい唱、輪唱、合唱および合奏ができるようにくふうする。 ア その音楽の気分や楽しさを感じながら、歌ったり楽器をひいたりする。. 5. C みんな協力して、美しいせい唱、輪唱、合唱および合奏ができるようにくふうする。. E 知っている曲の速さ、拍子、リズムおよび調などを、変化して歌ったり楽器をひいたりする。 ア その音楽の気分や楽しさを感じながら、歌ったり楽器をひいたりする。. 6. C みんな協力して、美しいせい唱、輪唱、合唱および合奏ができるようにくふうする。 E 知っている曲の速さ、拍子、リズムおよび調などを、変化して歌ったり楽器をひいたりする。. 一8一.

(14) 指導上の留意点. 学年 1. 2 3. 4 (1)鑑賞において旋律の反復・模倣・段落ならびに対照・統一の美しさを感じとらせる取扱は、歌唱、 @器楽および創作の表現活動の基礎となるものであるから、それらの活動とじゅうぶん関連をもたせて. 5. @指導することが望ましい。 i2)合唱指導に相当重点が置かれる学年であるが、いたずらに程度の高い曲を求めず、まず瓢音感覚を @身につけ、基礎能力を養うようにするべきである。. 6. 以上の表から、 ‘基礎・基本’に関して、系統的に述べられているこ. とがみてとれる。目標に‘基礎’および‘基本’の言葉が記されている のは’. P年から4年までである。このことから、低学年における‘基礎・. 基本’の徹底がみてとれる。. 全学年において、 「A 鑑賞」には‘基礎’および‘基本’の言葉は 一度も記述されていない。これは、 ‘基礎・基本’が技術的な事項、つ. まりrA表現」にのみ存在するものであり、 「B鑑賞」には‘基礎・ 基本’の存在自体がないと考えられていたからではないか.. 学習指導の方針に関しては、以下のことが挙げられている(箇条書筆 者)。. !.児童期は音楽性を育成する基礎段階であるため、知的理解よりも感 覚に重点を置く。. 2.創作の基盤となるものは、歌唱および器楽などの表現能力や鑑賞能 力である。. 昭和26年学習指導要領に引き続き、この33年の学習指導要領にお いても、感覚の重要性を説いている。これは、前掲の各学年の一覧表に. おいて、知的理解を要する二二や記譜の学習が1、2年にはなく、3年 から入ってくること、しかも、そのとき模唱や暗唱という感覚的な部分 から入っているところがらも見てとれるのである。. 一9一.

(15) iv 昭和43年「小学校 学習指導要領」 この年の学習指導要領において、初めて領域に「基礎」が設けられた。 これは、大きな特徴であり、この時代に‘基礎・基本’が重要視されて いた事実がわかる。. ここでは、各学年別の一覧表から、項目ごとに基礎に関する記述の部. 分を抜き出し、比較を試みてみる。ただし、「B 鑑賞」に関しての記 述は見られないため、省いてある。一覧表に関する凡例は、p.4と同じ である。. 目標. 学年 1. (3)歌ったり楽器を演奏したりする楽しさを味わわせ、創造的に表現しようとする気持ちを育てるとと もに、歌唱および器楽の基礎的技能を養う。 (4)即興的に音楽表現しようとする意欲を育てるとともに、そのための基礎的技能を養う。 (3)歌ったり楽器を演奏したりする楽しさを味わわせ、創造的に表現しようとする気持ちを育てるとともに、歌唱および器楽の基礎的技. 2. 能を養う。また、やさしい輪唱や合唱、合奏の活動を通して、合わせて歌ったり演奏したりすることのお もしろさを味わわせる。 (4)即興的に音楽表現しようとする意欲を育てるとともに、そのための基礎的技能を養う。. 3. (1)鑑賞、歌唱、器楽、創作などの活動を通して、音楽的感覚の発達を図るとともに、楽譜についての 初歩的な理解をもたせ、聴取、聖母、記譜の基礎能力を養う。 (3)歌唱および器楽の基礎的技能を育てるとともに、創造的に表現する態度を養う、また、輪唱、合唱、 合奏の活動を通して、合わせて歌ったり演奏したりすることの楽しさを味わわせる。 (4)即興的に旋律を創作する態度や基礎的技能および編曲の基礎的技能を育てる。 (1)鑑賞、歌唱、器楽、創作などの活動を通して、音楽的感覚の発達を図るとともに、楽譜についての理解を深め・聴取・読譜・記. 4. 譜の基礎能力を養う。 (3)歌唱および器楽の基礎的技能を育てるとともに、創造的に表現する態度を養う。また、輪唱、合唱、合奏の活動を通して、合わせて歌 つたり演奏したりすることの楽しさを味わわせる。. (4)旋律創作の技能をのばすとともに、編曲の基礎的技能を育てるe 5 6. 一10一.

(16) 学年. 基礎 (1)リズムに関する次の事項を指導する。. 1. (2)旋律に関する次の事項を指導する。 (3)和声に関する次の事項を指導する。 (1)リズムに関する次の事項を指導する。 (2)旋律に関する次の事項を指導する。. 2. (3)和声に閃する次の事項を指導する。. (4)次の音符、休符、記号等の呼び方や意味を、歌ったり、演奏したり.書いたりすることを通して理 解させる。また、. s. ウ. 〉. (1)リズムに関する次の事項を指導する。 (2)旋律に関する次の事項を指導する。. 3. (3)和声に関する次の事項を指導する。. (4)次の音符.休符、記号等の呼び方や意味を、歌ったり.演奏したり、昏いたりすることを通して理解させるまた、. (1)リズムに関する次の事項を指導する。 (2)旋律に関する次の事項を指導する。. 4. (3)和声に関する次の事項を指導する。. (4)次の音符、壇」記号等の呼び方や意味を、歌ったり、演奏したり、書いたりすることを通して理解させる。また、雌. .iEsc2itEaze2Sc (1)リズムに関する次の事項を指導する。 (2)旋律に関する次の事項を指導する。. 5. (3)和声に関する次の事項を指導する。. (4)次の萱笹一記号等の呼び方や意味を、歌ったり、演奏したり、書いたりすることを通して理解させる。臨二理. 挫. (1)リズムに関する次の事項を指導する。. 6. (2)旋律に関する次の事項を指導する。 (3)和声に関する次の事項を指導する。. (4)次の記号等の呼び方や意味を、歌ったり、演奏したり、書いたりすることを通して理解させる。. 一11一.

(17) 基礎に関する記述 学年 リズム関係 ア リズムフレーズの拍 の流れを感じとりなが ら、リズム唱やリズム 1. 打ちをすること。. イ ニ拍子系の拍子と三 拍子系の拍子を、身体 反応しながら感じとる. 旋律関係. 和声関係. ア 2小節程度の旋律を聞いて、階名唱. ア 長調の1、Vの和音を. したり、楽器で演奏したりすること。. イ 絵譜を見ながら階名唱すること。 ウ 長調、短調、日本旋法の旋律を聞. 聞き分けたり、分散和音 唱したりすること。. イ 畏調の1、Vの和音に よる和声進行の聞きとり. き分けること。. 工 旋律の続く感ご、終る感じを感じ. をすること。. とること。. こと。. ア リズムフレーズの拍の流れ. ア 2小節程度の旋律を聞いて、階名翻したり、楽 器で演奏したりすること。. を感じとりながら、リズム唱や. リズム打ちをしたり、それを. 2. イ 箇獣リズム譜を見 て、リズム唱やリズム. き分けたり、分倣和曹律したりす. イ ハ畏調の簡単な旋律を視唱・視奏す. 記塾したりすること。. ア 長調の1、八へVの和膏を聞 ること。. イ 長調の1、!V、vの和音によ. ること。 ウ 長調、短調、日本旋法の旋律を聞き分けること。. る和声進行の聞きとりをすること。. エ 旋律の続く感じ、終る感じを感じとること。. 奏をすること。 ウ ニ拍子系の拍子と三拍子系の 拍子を、. b 轄 。. 鉱. ア リズムフレーズの拍の流れを 感じとりながら、リズム唱やリ ズム打ちをしたり、それを記譜. 3. イ ハ長調の簡単な旋律を視唱・視奏すること。. また、視唱・視奏した旋律を写譜す. C リズム譜を見て、リズム唱や @リズム奏をすること。. フ拍子を聞き分けること。 ア リズムフレーズの拍の流れを 感じとりながら、リズム唱やリ ズム打ちをしたり、それを記譜 @したりすること。. C リズム譜を見て、リズム唱や @リズム奏をすること。 ウ 扇拍子系の拍子と三拍子系の. 拍子の違いやリズムの マ化を聞き分けること。. ア リズムフレーズの拍の流れを 慾じとりながら、リズム唱やリ ズム打ちをしたり、それを記譜 したりすること。. イ リズム譜を見て、リズム唱や. 5. り、楽器で演奏したりすること。. したりすること。. ウ ニ拍子系の拍子と三拍子系. 4. ア 4小節程度の旋律を聞いて、階名渇した. @リズム奏をすること。 E 口拍子系の拍子と三拍子系の 拍子の違いやリズムの変化を聞 き分けること。. 驍アと。. ア 長調のK、IV、 Vの和音を聞き 分けたり、分散和音唱したり、. 単音抽出唱したり、掬音 奏したりすること。 C 畏調の1、IV、 Vの和音による. ウ 長調、短調、日本旋法の旋律を聞き分けること。. 和声進行の聞きとりをすること。. H 旋律のまとまりや、同じ旋律、似た旋律、 @違う旋律、曲の山などを感じとること。 ア 4小節程度の旋律を聞いて、階名目したり、. 楽器で演奏したり、記熟したりすること。. イ ハ 、 副およびそれらと同じ @調号で書かれた日本旋法の旋律を視. ア 長調および短調のLIV、 Vの和音を聞き分けたり、分散和 音唱したり、単音抽出唱したり、 @和音奏したりすること。. C 長調および短調の亜、W、 @唱・視奏すること。また、視唱覗奏した @Vの和音による和声進行の聞きと 旋律を写譜すること。. りをすること。また、」托葉丑盤. ウ 長調、短調、日本旋法の旋律を聞き分けること。. G 旋律のまとまりや、同じ旋徳、似た旋律、違う @旋律、曲の山などを感じとること。 ア 4小節程度の旋律を聞いて、階名旨したり、楽 器で演奏したり、記幽したりすること。. イ. 一. ’よびそれらと同じ調暑. で書かれた日本旋法の旋律を視唱・視奏すること。 また、視唱・視奏した旋律を写譜すること。. E 長調、短調、日本旋法く陽・陰)の旋律を聞 き分けること。. 咀蝕をすること。. ア 長調および短調の1、IV、 V の和音を聞き分けたり、分散和音 恕したり、単音抽出唱したり、和. 音奏したりすること.また、そ. れらの和音の詑譜をする アと。 イ 長調および短調の1、】V、V. 工 一部形式、二部形式、小三部形式の整つ た形式からくる美しさを感じとること。. の和音による和声進行の聞きとり や記譜や終止形合唱・合奏をする. こと。また、旋律との協和・. 不協和や終止の違いを聞 き分けること。 ア リズムフレーズの拍の流れを 感じとりながら、リズム唱やり ズム打ちをしたり、それを記膳 したりすること。. 6. イ リズム譜を見て、リズム唱や リズム奏をすること。. ウ ニ拍子系の拍子と三拍子系の 拍子の違いやリズムの変化を聞 き分けること。. ア 4小簾程度の旋律を聞いて、階名喧したり、楽 器で演奏したり、記引したりすること。. イ ト長調、ホ短鯛およびそれらと同じ調号 で書かれた日本旋法の旋律を視唱・視奏すること。 また、視唱・視奏した旋律を写譜すること。 ウ 長調、短調、日本旋法(陽・陰)の旋律を聞き 分けること。. エ 一部形式、二部形式、小三部形式の整った形式 からくる美しさを感じとること。. ア 長調および短瞬の1、IV、 Vの 和音を聞き分けたり、分散和音唱 したり、単音抽出唱したり、和音 奏したりすること。また、それら の和音の記譜をすること。. イ 長調および短調の1、W、 Vの 和音による和声進行の聞きとりや 記譜や終止形合唱・合奏をするこ と。また、旋律との協和・不協和 や終止の違いを聞き分けること。. 一12一. 楽典関係.

(18) 歌唱. 学年 1. 2. (2)歌唱の基礎的技能を育てる。 (1)歌唱の基礎的技能を育てる。. i3)輪唱、合唱の基礎的技能を育てる。. 3. (3)輪唱、合唱の基礎的技能を育てる。. 4. (3)輪唱、合唱の基礎的技能を育てる。. 5 6. 歌唱に関する記述 輪唱、合唱技能関係. 学年 歌唱技能関係 ア 聴唱法で歌うこと。また、習った歌をなるべく. 多く践名awwnrw名暗唱したりすること。. 1. イ. きれいな声に気づいて、歌声に慣れること。. ウ. はっきりした発音で歌うこと。 リズムや音程を正しく歌うこと。. エ 旧. その曲を最も美しく表現できる速さと強さで歌 うこと。. 力 旋律のまとまりをとらえ、.歌い出し、息つぎ、. 歌い終わりに気をつけて歌うこと。 キ 伴奏をよく聞きながら歌うこと。 ア 聴唱法で歌うこと。また、習った歌をなるべく多く階名暗唱する こと。. イ きれいな声に気づいて、歌声に慣れ、声域を広げること。 ウ はっきりした発音で歌うこと。. 2. エ リズムや音程を正しく歌うこと。 オ その曲を最も美しく表現できる速さと強さで歌うことe 力 旋律のまとまりをとらえ、歌い出し、息つぎ、歌い終わりに気を つけて歌うこと。. キ レガート、マルカーートの歌い方に慣れること。 ク 伴奏をよく聞きながら歌うこと。. ア 同一声部の声をそろえ、他の声部を聞きながら、 音の重なりやひびきの美しさに気づいて歌うこと。 イ 指揮者の指示に従って歌うこと。. 3. ア 同一声部の速さ、強さ、音色などをそろえ、他の声 部を聞きながら、音の重なりやひびきの美しさを味わって歌う. 4. こと。. イ 指揮者の指示に従って歌うこと。. 5 6. 一13一.

(19) 器楽. 学年 1. (2>器楽の基礎的技能を育てる。. 2. (2)器楽の基礎的技能を育てる。. 3. (3)合奏の基礎的技能を育てる。. 4. (3>合奏の基礎的技能を脊てる。. i3)合奏の基礎的技能を育てる。. 5. 6. 器楽に関する記述 学年 器楽技能関係. 合奏技能関係. 1. ア 打楽器を,その曲にふさわしい速さと強さに気 @づいて打つこと。 C オルガンで、簡単な旋律をひくこと。 E ハーモニカで、簡単な旋律を吹くこと。 “ A 打楽器を、その曲にふさわしい速さと強さに気づいて打つこと。. ア 旋律をそろえ、幽音の重なりに気づいて. 2. C オルガンで、旋律をひくこと。. @合奏すること。 C 指揮者の指示に従って合奏すること。. E ハーモニカで、習った歌の旋律を美しく吹くこと。. ア 同一声部の章を鋤、他の声部を聞きながら.音 3. @の重なりゃひびきの美しさに気づいて合奏すること。 C 指揮者の指示に従って合奏すること。. ア 同一声部の速さ、強さ、音色などをそろえ、他の声部を. 4. @聞きながら、音の重なりやひびきの美しさに気づいて合奏すること。 C 指揮者の指示に従って合奏すること。. 5. 6. 一!4一.

(20) 学年. 創作. 1. (1)即興的に音楽表現しようとする意欲と基礎的技能を育てる。. 2. (1)即興的に音楽表現しようとする意欲と基礎的技能を育てる。. 3. 4. (1)即興的に旋律創作をする態度と基礎的技能を育てる。. i2)編曲の基礎的技能を育てる。 (2)編曲の基礎的技能を育てる。. 5. 6. 創作に関する記述 学年 即興的な音楽表現・旋律創作技能関係. 編曲技能関係. ア リズムあそびをすること。 1. イ ことばで歌ったり楽器を演奏したりして、ふし あそびをすること(日本旋法を含める。)。 ウ 打楽器で、フレーズを生かした分担奏をくふう すること。. ア 簡単なリズムでリズム問答をすること。 イ ことばや階名で歌ったり楽器で演奏したりして、ふし問答. 2. をすること(日本旋法を含ある。)。. ウ 打楽器を組合せて、簡単な合奏をくふうするこ と。. ア フレーズのまとまりに気をつけて、リズム問答をす ること。. 3. ア 旋律楽器で、フレーズを生かした分担奏をくふ うすること。. イ リズム問答をしたものを記譜すること。 E フレーズのまとまりに気をつけて、ことばや階名で. イ 旋律楽器と打楽器とを組み台せて、簡単な合奏 @をくふうすること。. 歌ったり楽器を演奏したりして、ふし問答をすること(日本旋法を 含める。)。. ア 旋律楽器を組み合わせて、簡単な合奏をくふうするこ. 4. と.. イ 旋律楽器と打楽器とを組み合せて、簡単な合奏をくふうすること。. 5 6. 各学年にわたる内容の取り扱いに関しては、33年の学習指導要領と 同様に、 「児童期は音楽性を育成する基礎的な時期」としている。また、. 知的理解に先だち、音楽的感覚の発達を図ることに重点を置いて指導す. ることも、33年と同じである。 この43年の学習指導要領で設けられた‘基礎’の領域は、各領域に 分散していた基礎的な内容を、相互間の内容に関連をもたせ、基礎能力 を高めるという方法を目指したものであった。. 前掲の表をみてみると、 「A基礎」の欄には、リズム・旋律・和声. 一15一.

(21) に関する指導内容が書かれており、そして2学年からは、そこに音符・ 記号等の知的理解の項目も加わっている。学年を追ってみていくと、そ れらが系統的に編成されていることをもみてとれる。それぞれの表から、 基礎能力の向上を目指しているということがみてとれるのである。. v 昭和52年学習指導要領 43年の学習指導要領で登場した「基礎」の領域が廃されたこの52 年忌学習指導要領では、 ‘知識偏重’から‘ゆとりある教育’へと改善 のねらいがうちたてられた。. この学習指導要領における文中に、基礎・基本のタームはない。各学 年の指導目標および内容の部分にも、それに関する記述はない。‘ゆと りある教育’を展開するにあたり、詳細な指導事項を省いたためと思わ れる。. vi 平成元年学習指導要領 第1章の総則における教育課程編成の一般方針の文中には、基礎的・ 基本的な内容の指導の徹底が記載されている。 音楽科の目標においては、表現及び鑑:賞の活動を通して、音楽性の基. 礎を培うことが書かれてある。指導内容の項には、 ‘基礎’および‘基 本’のタームはない。. 周知のように、平成元年の学習指導要領においては、新しい学力観が 大変クローズアップされている。平成元年の学習指導要領における内容 的な改善は、個性的、創造的な学習活動を促進しており、表現活動に重 きを置き、 ‘基礎的・基本的な内容の指導の徹底’は、あまり目立って 取り沙汰されていないように思う。. 一16一.

(22) 第1節注 注1,『広辞苑第四版』新村出編/p.624 注2,『広辞苑第四版』新村三編/p.642. 一17一.

(23) 第2節 「ふしづくり一本道」における基礎・基本に関して 学習指導要領における‘基礎・基本’と「ふしづくり一本道」におけ るそれとを比較するために、この節において「ふしづくり一本道」に関 して叙述する。. (1) 「ふしづくり一本道」とは 本小論において、 「ふしづくり一本道」成立までの経緯を発掘調査・. 研究することは、前に述べたとおりである。 rふしづくり一本道」を内. 容面から捉えた書籍は幾つかある。よって、ここでは簡単に紹介するに とどめる。. rふしづくり一本道」は、小学校における音楽教育システムの1つで あり、1960年代中頃、岐阜県吉城郡古川町立古川小学校におて実践さ れたものが特に有名である。. 古川小学校における「ふしづくり一本道」の実践は、1966(昭和41). 年かち行われている。10年間の実践を記念して出版されたrふしづく りの教育』(注1)の内容から、 「ふしづくり一本道」をかいま見ること. にする。この本において、「ふしづくり一本道」を次に挙げる6つの視 点から説明している。. r1 2. ふしつぐりの教育は単なる創作指導ではない。. ふしづぐりの教育は低学年から系統的に二二だてた教育課程であ る。. 3. ふしつぐり一本道は楽しい活動カグヰユラムである。. 4. ふしつくクの教育は感覚優先である。. 5. ふしつくクの教育は子どもの創造:カが発揮される。. 一18一.

(24) 6 ふしつぐ0の教育は教師であれば誰にでも指導できる教育課程で. ある。. 」(注2). 上記6点で「ふしづくり一本道」の大筋が理解できると考える。加え て、重複する部分があるかもしれないが、あえて説明を付すとすれば、 次の4点が挙げられる。. 1 6年間の一貫教育であること。 2 子どもたちが、勉強しているというよりはむしろ、遊んでいる間 に能力が付くこと。. 3 学級経営が基盤になっていること。. 4 教材と2本立てで教授することである。 「ふしづくり一本道」のシステムが考え出された当時、教育界の知識 偏重主義は、音楽教育においても例外ではなかった。その結果として、. 音楽嫌いの子どもを多く生みだすことになったといっても過言ではない のではないか。. そのような状況にありながら、子どもたちは、日常生活に密着した音 楽、つまり教科書とかけ離れ、かっ生活と密着した音楽には興味・関心 を示した。その一一一方、 ‘学校の音楽’嫌い現象が露見することになる。. 「ふしづくり一本道」は、これをきっかけとして創案された音楽教育 システムである。. 今から40年以上も前に考案されたものであるにもかかわらず、教育 の直面している問題は、単に昔のこととして済まされる問題ではなく、. 現代においても全く変わらない状態であることに筆者は気付いたのであ る。. 現に、筆者自身も中学生・高校生時代において身をもって体験したこ. 一19一.

(25) とであり、また、高等学校の現場に勤務した際にも経験した。 特に現場においては、小学校において学習済みであるはずの事項すら、. 知らない生徒が大勢いたことは驚きであった。例えば、ト音記号を見た ことがある生徒(全員が知っているわけではない)の内、名称を答えら れる生徒はおよそ半数であり、へ音記号は半数以下の生徒が見たことも. ないと答え、名称を知っている生徒は5名以下、という具合である。知 識面に対し感性の面は、表現する方法を問わなければ、まんざらでもな かったと記憶している。. それとともに、義務教育期間における音楽教育の在り方を考えさせら れた。なぜならば、音楽は‘感性を培う’とか‘美的情操を養う’等言 われてきたにもかかわらず、実際の音楽の授業は、知識偏重とまではい かなくとも、知識のみを、しかもあまりにも安易に、詰め込みがちにな っているように思えたからである。. 音符は読めなくても、また記号を知らなくても、音楽そのものは生徒 の中に浸透していることが感じられ、また、感性は何らかの形で培われ つつあることをも多々見受けられた。義務教育における学校音楽教育に 関する知識面の薄さは、個々の生徒が日常生活を営むにあたり、何も支 障をきたしてはいなかったようであった。その彼らに、今からでも知識 を教え込む必要が果たしてあるのかどうか。また、,彼らなりに何らかの. 方法で培ってきた感性を、どのような方法をもってすれば、学校音楽教 育でしか出来得ない教授法が見い出せるのであろうか。彼らの能力の低 さは、単に私を驚かせただけではなく、自己反省をも強いられることと なったのである。. 学習指導要領が公教育の指針となっている現在、本当に学習指導要領. のみに頼りきった学校教育で良いのであろうか。40年以上も前にこの. 一20一.

(26) 音楽教育に真剣に立ち向かい、研究された成果である「ふしづくり一本 道」に、この問題を解決する糸口が見い出せないだろうか。. (2) 「ふしづくり一本道」に関する言葉の定義. 「ふしづくり一本道」に関しては、誤った認識が多く見受けられる。 それゆえ、ここで創案者である山本弘氏による定義を引用する。. 「音楽の3要素であるリズム・メロディー・ハL一一一・モニーの全てが、『ふ. し』という言葉に含まれていると考えている。その『ふし』の最小単位. が、○○○〉の3音の音楽言葉である。3音の音楽言葉が集まり、プレ L一一一L. Yとなる。フレーズが集まり、曲となる。 rふしづくり一本道』でい. う『ふし』とは、最小単位であるr3音の音楽言葉(○○OV)』を指 すものである。 『ふしづくり』は、そのrふし』を自由に、また自発的 に積み上げていくことである。積み上げの結果としてフレーズが出来、. 更にその結果として曲が出来る。この過程では、幼児が日本語を習得す る際に、まず単語を覚え、それを使いこなし、やがて単語+単語でフレ ーズを形成し、フレーズ+フレーズで文節を成し、やがて一連の話言葉 になっていく過程と同じである。よって、一般に創作の意で使われる‘ふ. しづくり’とは、意を異にし、いわば国語でいう‘ことばづくり’の意 味の固有名詞である。. 『ふしづくり一本道』には、音楽の3要素であるリズム・メロディー・. ハーモニーの、どの部分をも欠かすことなく、またどの子どもにも同様 に音楽能力を培うことができるように、一本道の如く系統的に作られた. 30段階、102のステップがある。また、音楽に自信のない一般の義 務教育の教師が、この一本の道を児童と共にたどって実践していけば、. 一2!一.

(27) 子どもの音楽力が育つ、という2っのことから、 『ふしづくり一一一・・本道』. の『一本道』は名付けられているb(灘㌧. (3) 「ふしづくり一本道」でいう基礎とは 基礎能力を育成するシステムである「ふしづくり一一本道」は、音楽能. 力のどの部分を基礎と捉えていたのか。以下において、文献等から探っ てみることとする。. 「ふしづくり一本道」に関して認位した4冊の書籍(灘)のうち、基 礎能力について述べているものは前掲rふしづくりの教育』のみである。 当書において、基礎能力を音楽の基礎を成す「リズム・メロディー・ハ ーモニー」と捉えており、さらに次に挙げる諸々のカが培われると述べ ている。. 「・拍の流れに反応するカ. ・摸唱奏するカ ・即興的に反応するカ ・再現するカ ・変奏したり海用するカ ・味わうカ(広義の鑑賞力♪ 」(注5) また、上記の諸力と、リズム・メロディー・ハーモニL一一一などの基礎能力. との関係を表わす図表が掲載されている(資料1−2参照)。この図表 は、一・般の音楽科教育における基礎能力の在り方(資料1−1参照)と 比較する形で掲載されている(齢)。. さらに著者は、資料1−1は「子どもたちの基礎能力は表現溜動やと ぐに彼らの柳営の普楽経齪の場まで浸透…しない復向がある」(za 7)とい. った問題点をはらんでおり、万が一この問題点をクリアしていたとして. 一22一.

(28) も、それは決して長続きするものではないと述べている。 [資料1]. 1−1. !−2. 表現’. 継藩. 表 現1舌. 動. 現,腸鱗.. 基礎能力 動. ・繕ど活力力力力S. ピx. ノ、 勤メロディー. つまり、資料1−1に見られる矢印は、理想であり、現実ではないもの といえる。それと比較し、 「ふしづくり一一本道」における基礎能力は、. 表現活動および前述の富力と、資料1−2のような関係にあると述べて いるのである。. 以上の理由から、資料1は、 「ふしづくり一本道」の音楽教育を実践. した結果、子どもたちに培われた能力が図表のような関係にあった・と いうことを図式化したものといっても過言ではないであろう。 その一一方、結果から生み出された方法論であるからこそ、この「ふし づくり一本道」の基礎能力を培う事実は明確であるともいえるのである。. ただし、ここには時代性という問題もはらんでいることを忘れてはなら ない。. 一23一.

(29) 第2節注 注1:『ふしづくりの教育』古川小学校/!975頃/明治図書出版 注2;『ふしづくりの教育』古川小学校/pp.7∼13 注3;山本氏宅におけるインタビュー(H.8.4.3) 山本氏からの書簡(H.8.5.31). 注4;『ふしづくりの教育』古川小学校/1975頃/明治図書出版 『音楽教育の診断と体質改善』山本弘/1968/明治図書出版 『誰にでもできる音楽の授業』山本弘/ユ98ユ/明治図書出版 『音楽教育を子どものものに』山本弘/1973/明治図書出版 注5;『ふしづくりの教育』古川小学校/pp.64∼70 注6;『ふしづくりの教育』古川小学校/pp.69∼70 注7;『ふしづくりの教育』古川小学校/p.69. 一24一.

(30) 第3節 基礎事項の相関 ここでは、1節および2節のそれぞれの基礎の捉え方に相関関係があ ると仮定し、その事実を探る。. 日本の音楽科教育は、そのほとんどが学習指導要領にそって行われて いるといっても過言ではない。しかし、1節(2)において学習指導要領に おける‘基礎’を探ってはみたものの、 ‘基礎’を明確に指す言葉はな. い。このことは、基礎に重点をおいた昭和43年改訂の学習指導要領で も、変わらないと言えよう。. 時代の流れの中で、その社会背景に応じた教育が考えられ、学習指導 要領も変化してきた。その学習指導要領を手本として学校教育は実践さ. れてきた。1節において記した各学習指導要領における音楽学習の‘基 礎’および‘基本’をまとめ、一覧表に表わしてみる(資料2参照)。 [資料2] 基礎および基本とされた事項 S.22. 主な特徴. ・リズム. ・ヨーロッパ音楽主体. E感覚. ・読譜中心. S.26. ・創造的表現の基盤となる歌唱・器楽技能 S.33. S.43. E読譜および記譜 E感覚. ・低学年における基礎の重要性. ・リズム、メロディー、ハーモニーおよび楽典. ・基礎を領域として位置付ける E低学年における基礎の重要性. E(知的理解に先立っ)感覚. S.52. ・ゆとりある教育. H.元. ・新しい学力観. 昭和22年の学習指導要領は、ヨーロッパ音楽を主体にしており、な かでもリズムは、律動的秩序を感覚的、運動的に捉えさせることを目標 としている。しかし、全体的に感覚を重視した点に特徴がみられる。. 26年は、リズム遊びやリズム運動等、楽しむことで習得させるよう 方向づけている。しかし一方では、多くの文章が‘発展する’‘発達す. 一25一.

(31) る’等の述語で締めくくられており、楽しむことそのものよりも、その 結果を大きく望みすぎているきらいがある。. 33年は、低学年における基礎の重視を特徴として挙げることができ る。しかし、3年生以上の学年では、身体を使った遊びというよりはむ しろ、 ‘∼できるようにする’ ‘理解させる’等、学習の色が濃い授業 を連想させる記述に変わっている。. 43年にはリズムのみを浮き立たせるのではなく、領域としての基礎 のなかで総合的に扱ったものとなっている。しかし、学習することの多 さは、かえって感覚を疎外する危険をもはらんでいるようである。 52年以降は前述したように‘基礎’のタL一一一・ムはない。しかし、例え. ば、52年の学習指導要領では表現の領域において、‘リズムフレーズ’ というタームを使用しており、 ‘音楽の流れの中でのリズム’を主とし. て扱っているように思われる。また、52年には‘ゆとりある教育’が、 平成元年には‘新しい学力観’がそれぞれ先走りをしてしまい、‘基礎’. がなおざりにされているかのように見られがちである。 以上が1節をまとめた表からみた、学習指導要領における‘基礎’‘基. 本’の取り扱いである。学習指導要領においても、さまざまな試行錯誤 を重ねてはいるものの、拡げたり整理したりの繰り返しが見られるだけ のように感じる。. 「ふしづくり一本道Gにおける基礎は2節㈲に記した通り、音楽の3 要素である「リズム・メロディー・ハーモニー」に諸々の力が相まって、. 基礎能力が培われると考えている。前掲した諸々の力は、そのほとんど が感覚に頼ったものであり、「ふしづくり一本道」は、子どもの持って いるそれらの感覚を、最大限に引き出す手助けをするものといえるので. 一26一.

(32) はないか。. 資料2にみられるように、 「ふしづくり一本道」の全盛期の頃、つま. り昭和43年の学習指導要領は、‘基礎’と考える事項のほとんどが「ふ しづくり一本道」における‘基礎’ (p.23,資料1参照)と同じである. ことがわかる。仮定したとおり、学習指導要領および「ふしづくり一本 道」における‘基礎’には、相関関係があるのである。 しかし、ここには1っ問題がある。 「ふしづくり一本道」は‘基礎’. を音楽の3要素である「リズム・メロディー一・ハーモニー」と捉えてい. る。これは、前掲の表(特に昭和43年)から、学習指導要領において もいえることである。この「リズム・メロディー・ハーモニー」は、一. 般に「音楽の3要素」と言われている。ただし、厳密には「音楽を構成 する3つの要素」であり、音楽学習における‘基礎’と言い替えること が果たして可能かどうか、という問題である。. 先にも述べたように、 「ふしづくり一本道」は、昭和41年からの古. 川小学校における実践が有名である。しかし、41年からの実践に至る までには、何らかの研鐙の期間を要したことは、このシステムの完成度 からも容易に想像できる。第2章において、 「ふしづくり一本道」発想 の原点に触れてみることとする。. 一27一.

(33) 第2章. 「ふしづくり一本道」成立までの経緯. 「ふしづくり一本道」という名は、小学校音楽教育の1つとして知ら れている。しかし、 「ふしづくり一本道」というシステムが突然生まれ たわけではない。 「ふしづくり一本道」の名をもち、実を結ぶまでの経. 緯を調べることにより、この音楽教育の考え方の変質および理念の構築 等を知る手がかりを得ることができないかと考えた。 高山市教育研究所(現存しない)は、 「ふしづくり一本道」発想の原. 点ともいえる数々の学校音楽教育に関する研究をしてきた。この章では、 中村好明氏作成による年表「高山市小中学校音楽教育の変遷〕をもとに、 「ふしづくり一本道」成立の経緯をたどる。. 第1節 萌芽期 (1)r基底カリキュラム』. r基底カリキュラム』は1950年8月20日に、高山市教育研究所 が中心となり、高山市全市の教員全員で作成され、発行された。後に作 成される『音楽のおけいこ』の基となったものである。. 当カリキュラムは、教材曲の曲自体の要素を重視し、その指導の進行 の筋道を明確にするものであり、 「ふしづくり一本道」のシステムとは. 直接関係はない、との説明を中村氏よりうけた。しかし、使用にあたっ まま ての注意事項が書かれている「このカリキュラムを使用される唱え」の. 書きだしには「芸能科百はすべてそうでありますが、昔楽に於尚更強ぐ まま 感ぜられる事に計画的に基礎から次第に揖導ぜなぐτは、決しτ身につ いたカはっかないという事であります。」 (p.1)とある。また、途中 には「このカグヰユラムは(中諮♪基礎に最もカをスれ」 (p.1)とか、. 「これは一年生から使用した場合は、このプランのままで結拷でありま. 一28一.

(34) すが、中途より使用する場合はどうしても前との闘連が必要となります から、蒔間的に短縮して、一年生の頁から基本的に指導すべきである。」. (P.2)とあり、本小論において取り上げる「ふしづくり一本道」の基 となったものであることを、強く感じさせるものとなっている。. 先述したように、このr基底カリキュラム』は「基礎に最も力をいれ たもの」ということであった。しかし目次の項目を見てみると、発声指 導・楽器の指導・墨譜指導・合唱(和音)指導・その他となっており、. 目次からは、このカリキュラムのさす‘基礎’とは何かということはみ えてこない。以下では、 『基底カリキュラム』の内容を説明しながら、. 当書のいう‘基礎’に関する記述を探る。. 『基底カリキュラム』は、2種類の表で成り立っている。目次におい て、これらの表に関する記載がないだけでなく、名称も定かではない。. 1つは、ポイントを一覧表に書き込んだ、いわば‘ポイソトー覧表’ とでもいうべき表(以下、ポイソトー覧表と呼ぶ)であり、もう1つは、 各学年ごとの年間計画を一覧表にした表(以下、年間計画表と呼ぶ)で ある。. ‘ポイソトー覧表’は、B4用紙3枚分ほどの表である(資料3参照)。. 資料3は、縦軸に学年を、横軸に拍子・リズム・視唱・音程・記号・和 音・歌唱(発声・音色)・器楽・鑑賞の9つの項を設けた表の一部分で ある。. 指導のポイントは、学年別で9つの項それぞれに、2∼6項目が書き 込まれている。そのポイントの内容は、 「どならなので楽しぐ歌うこと ができる」 (歌唱:1年)とか、 「音楽について、理論的並びに歴史的. 一29一.

(35) 5年)等、わかりやすく記されている。し. ヌ〃識を持たせる。」 (鑑賞. かし、なかには「曲そのもののなかに没頭して穂ける」 とか「音楽に対する判断力がっく」. 5年)等、抽象的な表現も. (鑑賞. 「一息で長く声を延ばすことが出来る」. ある。また、. 「声の量より質が大切である事を知る』」. (鑑賞:1年). (歌唱:2年)、. (歌唱:4年)のように、同じ.. 歌唱の指導に内容的な矛盾を感じるものもある。しかし、学年が違うた め、このような一見矛盾と感じる指導が必要になることもあるのかもし れない。全体的に指導ポイントの内容は概念的な表現を用’いることなく、. また誰もが理解できるように詳細に書かれてある。 [資料3]. 装義.. i騰藍二二__.、_,.一.一.一..一__L∴{皐纏 ユ. ,. へ. 1B. 亀. 1._\._、一._..∴...,_....._..:._.,..’.’ ¶. ・. 1」鷲:と麗鵜盟雛と幅巌亙駄荊酷物貰輻 ド!:ヨ1幾契鶉解職…姫子亡繍贈る・G6・. 1} 司. ・・. ∂. 1一一一一ic一三三;tヨ誓r亡しn狂ヨ+∼Nas_)ご∼覧5区易uぢる. ・. コ. 薩i騨欝∵鱗. コ. . 1・=泊チ{酬臼夢の凹乏強捌=£爪て1翫島漿冒}「diど1=∼:泊子がと}t. ロ. 珪1. 三と 満じ紳. 1. ・. 三二惹鶉濤纂鶉野ら丘邑Σ薦酷5ぎヨε押渠『7 ・1哩ワ壁璋子グヒれる. ,婬濤こ異諺繧鍋黍雪く ・. ・,. 亙璽∵._.⊥..・乙 四ll器曇窪き霧鷺鰭宵惑σa揖嗣弼やrに「」 !・;白弓しとニリズ’kを好つ.こき1」区別出果5. i’量n翔る. ’. ・. :. :難i灘雛撫熱lll縫 レ綴懇叢翫,磁、磁瀦ご謙. 一 … 一・;: t一. 二 1。1臼子がdうまり趣くならない ロ. 綴灘療勧縛羨。∵一・’・’美難. 欝欝擦講. _.一一ゆ鵬・_一__.. ’9. ・一. ・. ,「一一…曹■’ ■胃’tt. 一’‘.’雫曹噂噂一餉. r「●. .tt’亀● ●. qエi”t,ε鶏ず?灘ご∼愕曹蕊」」みチ,,・・:・蔦難. ・ヲラボΦ欧、囲に合ヒて鵬突冒購泊子そ励リズムが員既果る覧,;で・三 く1∫Mlψハ(丁月,〔)(1、〔7♪} ・’齢ゴ≒1二’・, 「・・19猷「Pt正Oく貝切出呆る. .「 三亡. ’1・廟剛ズム趣・さや,t・わびさび出瓢. ..’・・三。. ; ’ @N ’ , ・’ i’. ・30一.

(36) ‘年間計画表’は、それぞれの学年の目標を掲げ、縦軸に月・単元の. 2項を、横軸に導入と展開・指導すべきこと・鑑賞と補助教材の3項を. 設けた一覧表である(資料4参照)。資料4は、3頁に掲載されている 1年生の年間指導計画のはじめの部分である。1年から6年までの‘年. 間計画表’は、同一の形式で作成されている。3頁から128頁にわた って、当書のほとんどがこの‘年間計画表’で占められている。 まま 先述の「このカリキュラムを使用される謡え」のなかに、 「抽象的な. 言葉丈では尚更使用しにくいので、出来る丈具体的例をスれ、仕事が多 ぐて、教材の研究が出来ない場合にも役に立つ様に、指導法や教材も加 えました。又一定の教科書ψから教材を選定せず、指導プランに必要な 曲や今迄に児童に好かれている幽を多方面からスれました。」 (p.1) と書かれている。実際に、二二年ごとの‘年間指導計画表’は、.‘ポイ. ソトー覧表’にそって、各項に関して細かく書かれてある。 [資料4]. 第 韻 {i.音 媛 科 据 嫡 G‡画 昌. σ 楽じく嘱又う∫・ 1一.. 量. ヨ. D縫瓢巌:蒙欝λシ1馳リ輝融じE ,. 角無_鷺”aTT一”一2’ x「「一下「「「三「互r;τr裳.「疏。。醐. ξ%講離翻∵ぎli額藁『1蒲一. 縢議1{1選ll∫:1!劃. 一31一.

(37) 以下に、 ‘年間指導計画表’に掲げてある各学年の目標を一覧表に表 わす。. 学年. 目標. ・楽しく歌う. 1年 ・リズム遊ぎ、リズム合奏に力を入れ、リズム感を重視した ・音楽をきくことを楽しませる ・一 N生の学習に精神的発達に伴いその程度を漸次高める. 2年 ・リズムに於ては、特に力を入れ旋律を一体的にとらえさせることに注意する まま ・読符の指要第一段階に入る. ・リズム指導より旋律指導に入る. 3年 ・器楽はシロフォンを中心とする まま. ・読符は少しく理論的な説明や考えを交えて指導する. 4年. ・歌唱ではやわらかい発声が出来、正しい口形で発声出来るようにしたい ・読符ではリズムと音程が簡単ならすらすらと読めるようにしたい ・器楽では組の七、八割迄がシロフォンでハ長調やb、#のいらない他調子の曲がひ けるようにしたい まま. ○カテンツ(終止形合唱)に力を入れ、合唱の美しさと面白さがわかる様にしたい まな. な ま. 5年 ○特殊楽器(絃・管・楽器やピアノ・オルガン・アコージョン等)を生かした合奏が 出来る様にしたい。 ○作曲の簡単なものが出来るようにしたい。. 〇五学年の目標が次第に高まって来るので、小学校としては或程度まとまった姿の音 楽指導が作られる。即ち合唱らしい合唱、合奏らしい合奏が出来るようになる。 ○個性が相当はっきりして来るから音楽に摘する個性の児童を十分延ばしてやりた 6年 い。特に変声期に入った子供には歌より器楽に力を入れさせたい。. ○音楽の知識的な事項を多く教材に取り入れて行きたい。. 1年の目標から、音楽科教育への導入が楽しくあることを目指してい る様がうかがえる。また、低学年におけるリズムの重視をも読み取るこ とができる。学年全体からは、歌唱に対する細かな配慮、各学年間の積 み上げ等を見て取ることができる。これらは、「ふしづくり一本道」に つながる項目といえるのではないか。. 「ふしづくり一本道」の基本理念と相反する項目として、2年から目. 標に見受けられる読譜指導が挙げられる。この読譜指導は、後に作成さ れる『音楽のおけいこ』へと続くものである。. 一32一.

(38) 以上より、 『基底カリキュラム』における‘基礎’は、ポイソトー覧. 表における横軸に書かれている9項目、つまり、拍子・リズム・視唱・ 音程・記号・和音・歌唱(発声・音色)・器楽・鑑賞と捉えることがで きると考える。広範囲にわたる諸事項を、浅く教授することにより、そ れぞれの基礎的な部分を、学年をおって指導する方法を用いていると考 えるのである。. この当時から「ふしづくり一本道」が後に作成されることを予測して いたわけではないであろう。しかし、試行錯誤のはじまりといっても過 言ではないのではないか。. (2) r音楽のおけいこ 指導書』. 『音楽のおけいこ 指導書』は、1955年9月に、高山市六三音楽 研究会により作成された。1954年初版の副教本『音楽のおけいこ』 の指導書にあたるものである。対象となる学年および学校種別に関する. 記述は本書のなかにはない。内容から、小学校1年生から3年生までの 音楽の指導に使用する副教本であることがわかる。. 1954年に出版されたr音楽のおけいこ』に関しては、手元に資料 がないため、詳しくはわからない。しかし、同r指導書』の目次の前に 次のような記述があり、『音楽のおけいこ』および『音楽のおけいこ 指導書』が、どのような趣旨のもとで作成され、出版されているのかを 窺い知ることができる。以下は、『音楽のおけいこ 指導書』の表紙の 裏側にある記載事項を、そのまま書き写したものである。. 一33一.

(39) F. ぐ音楽担任の先生にお願ひ♪ 始めに この指導書を研究される先生方にお願ひします。. 高山六三音楽研究会にて発行致しています漕楽のおけいこssは 音楽の教科書以タ匹に余分に揖導する教材ではありません。. 子供達が音楽を楽しんで㍉唱ひ、穂き、演奏するカを延ばすため には、どうしても系統のある基礎指導をしなければなりません。 ところが音楽の教科書は国語や算数と異って一の教材集なのです。 教科書を一頁残らず丁寧に指導する事はとても不可能です。. そこで最低これだけは是非指導してほしい基礎教材を系統的に編 纂したのがこのワークブックなのです。. 1.2年の低学年に於では侍に基礎指導が大切なのです。教科書 の曲を教えているだけでは決しで実力がつきません。 先生方がまず㍉自信をもつτこのワL一一一一クブックを教科書と同じ. に重視されて、揖導されたならば高山市の音楽が全面的に向.たす る事は臼に見るより明らかです。. 簡単な指導書でありますが充分御研究下さる様御願いいたします。. 高山六三音楽研究会. ]. 以上の文章から、 r音楽のおけいこ』は、教科書以外の副本であること、. そして、それには何も強制力がないこと、さらには系統的な基礎指導を めざし作成されたものであること等を知ることができる。. この頁には、目次もあわせて掲載されている。次に挙げる4項目が、 その目次である。. 「・音楽のおけいこに含まれている基礎指導の分類と指導期聞の一覧表. ・音楽のおけいこをつらぬいて流れる三つの基礎要項 ・教賦物フラッシュ.カードについて’. 一34一.

参照

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