〔三三三三欝警〕
.女兄幹細胞白血病の一一A例・
東京女子馨學専門學校病理學教室(主任 佐藤教授) 榎: 本 ニノ モト 東京女子馨學專門學校小児科教室(主任 磯田教授) 喜 久 キ ク 士 憂 加 (受付 照和19年1月1⑪R)緒 言
成
ザL。膣
幸
サチ 日藏 アキ 子, コ子
コ 今日血球出生學上の見解は諸読紛々として未だその露出を知らぬ所であるが、余等の経験せし本 白血病に於ける血液像は特異で、幹細胞白olL病たるを示し淋巴球及び晶晶の増加が全くなV・白血病 の所見を呈してみた。 以下記述する語例は槻察期間も短く、叉外的事情から最後迄の詳細なる槍査を敏き1剖槍を行ひ得 なかったので、血球漆生學上には何程の貢献をなし得べしとも考へられぬが、從來の諸家の見解に幾 分なりとも首肯し得られる黒占ありと畳ゆるので、不備を:顧みす、…鞍に概略を報告することとした。 症 鯛 患免 ○井○子 八ケ月昭和18年7蒐30日入院、8月5日退院、8月11H死亡3
穿酸歴 麗父母に就いて詳かならず。父母は健在にして、暗に流産の既徒なし。藏胞3名、第一・子健在、第 二子は2.歳の時消化不良症にそ死亡せり。家族i及び近親に貧血性素因を伴ふ疾病に罹患せるものなし。其の他 結稼、悪性腫瘍、精紳病等の遺傅的弓由なし。 饒往歴 満期安産、生下時農重800匁、母乳榮養にて生長し、種痘4個善感、生後40日目よ9約3週間百 蕊咳に罹患せる他特別の既往症なし◎ 現症歴:昭和18年7月(生後七ケ月)冷め頃より戴冠悪くv次第に衰へたるも顔:色攣りなし0 7月5日獲熱感あるのに氣付き、某讐の診察を受けその際獲熱、39.6。CあU、演化不良症の診籔の下に治療 を受くるも依然として護熱37。C乃至39。Cを示し、団子釜々溝失せり0 7月17目頃より時々咳歎現れ、顔色の蒼白なるに氣付く、獲熱38℃代を示し機嫁悪く殆んど笑ふが如き ことなし。食慾は佳良なるも便通1目3同、乃至4回、浴化不良便な嬰。. 7月20日頃母親ぱ腹部に硬きものの鯛るるに氣付き頻色及び手足の爪の釜々蒼白となりゆ《に氣付く。そ 一 ・77 ・一一の頃より膣高く泣かず、次第κ眉描となP、咳漱櫓加し、咳歎の際呼吸苦し、さうに見受けられたηと。睡眠 は障碍きれず、食慾は佳良なり。 7月31日獲熱及び腹部腫瘤を主訴として當小晃科に入院せり。 入院時所見 艦格榮養共に中等度b艦温38.8℃、呼吸安静にして、顔貌苦悶朕ならす。馨音匹夏る。 皮膚、口唇は著しく蒼白なるもチアノーゼ、皮下塒血その他の異常認められす。眼瞼結膜貧血し、 瞳孔正臥左右同大なり。歯牙は下顎に中切tw・一一・枚あり。三三粘膜に黒撒の出血あり。舌は測閏に して、僅かに舌苔あり。口腔粘膜は一般に貧血歌な垢咽頭正常にしてロ團皮膚に輻裂なし。頭部 異常なし。頸部淋巴腺左側に小豆大乃至大豆大5乃至6個、右側に米粒大乃至大豆大2乃至3個を 燭知す。心音正常にして雑音なし。肺b胸骨左縁及び右後方上部に曾て呼吸晋鋭利なる他異常なし。 腹部馨り膨隆せす。静脈の怒張認められす。打診にて上腹部は濁音,.爵位にて肝臓腫脹し、右記線 上にて季肋下3横指あり○牌臓亦腫脹し、その下縁は膀窩にあり(附圖参照)◎四肢、膝蓋腱反射及 びアヒレス腱反射正常、浮腫なし。手掌、足鵬共に浸潤を認めす。爪血色なく硬度普通。 入院後の線過 7月31日差翌翌最高38。4℃、機嫌左程悪しからす。安静に睡眠す。咳漱嗜泣の際にのみ呼吸困 難の歌を呈す。夜より咳漱増力“し、咳蹴の際吐乳すること3同に及ぶ。便同敷5同にして、消化不 良便なり。 8月1臥母艦血清及びヴィタミンC剖の注射を施行す。肝臓及び脾臓の大きさ前日と攣りな しQ 8月2日、四温38℃tS前日と略々同様の状態にして、母髄血清及びヴィタミンC剤の注射を行 への。 8月3日、最:高37。80C、機嫌良くなり、‘‘打扇”を持って遊ぶ様になりたるも、暗面の同敏は:嗜 回せり、嘔川=なし。 8月4日、襲熱最高38。8℃h食慾、睡眠共に佳良、肝臓脾臓の腫大同様なり。 8月5日午後M家庭の都合に依り退院す。 退院後の経過 1獲熱380C代を’持績し、8日頃より心雑音を蕪取するに至り、食慾次第に減少し 11日途に鬼籍に入れり。その間肝臓及び牌臓腫大は殆ど同様なり。 諸検査成績 (1)尿所見:一 外見、黄色透明tl反憲PH=6.4、蛋白質(一) アセトン(一) ウロビリノーゲ ン(一m)、沈渣に異常なし。 (2)糞便所見:一 黄色薄粥歌にして顯粒及び粘液を混づ㌔膿及び血液をなし。寄生轟卵を認 めす。 (3) 赤1虹L球沈降葺藤織:一
30分一40 1時間一90−2時聞一121申等値一75
(4).血清ワ氏反慮及び村田氏反慮陰性(5)Mantoux氏反慮2000薇液
2鰻時間(一)48時間(一) (6)レ線所見:一 胸部、四肢共に特記すべき所見なし。 (7)血液凝固時闇(佐藤清渓法):一 6分 (8) 出」血時論:一 鍬血50分に及ぶも止血せす。 末梢血液像所見 並L液所見は別表に示す如くで、入院即日の赤血球650000、並t色素量(Sahll)21%、伯L色素脂激 O.49、白蹟L球数ユ5000であった。. 拍1液塗抹染色標本は退院まで2同施行槍劃することが珪1來た。 その内言睾をみるに次の如くである。 〔1〕赤.血球系統:赤血球数65⑪000、.血色素量21%で/fit色素指数0.49の低通し素性貧並tの像もし てみる。赤血球の大小不同症あり、手均直樫7.75μで別表の如きPriceJones氏曲線を示す。異形赤血球も見ら「黶A多染性は著明でurなkA。蠣基嗜好類粒性赤血球、 HOwell−Joily氏ノ1・艦、 Cabot 氏環並等は認められぬ。:有酔臥血.球は出現してみない。 〔II〕.白拍三球系統:白血球数は15000でその中主要細胞は組織膿球(濱口)及びHaemcoyt− blastenである。 (1)組織圓球は32∼33%を占め、その大きさは赤血球大で直径4。0陶9.0μ雫;均約6.04μであ る。形は曲舞形で一見小淋巴球に似てみるが精槍すれば隠れと異ることを知る。原形質は甚だ少く 殆んど裸核歌のものが大多激を占めてみる。僅かに見らやる原形質は好臨基性で無頼粒である。核 は全く正圓形でクvマチンが極めて緻密に結含してみる爲、一様に濃染す。核小宿は此のギームザ 染色では絵珍明瞭でははない。 以上は定型的組織圓球と構さるべきものなるも、之等の他にペン先型と訂せらるる、原形質が比 較的多く、核は正楽なるも原形質の一端がひきのばされた如き異型の組織圓球を約0.6%見らる。 (2)次に是より大型で原形質$多く、核は繊細網状に構造せられたるものが42∼43%の多数 を占めてみる。之はHaemocytblastenと穆されたものであらう。 該細胞の大きさは直濡9.0∼15.0μで手垂直隠約11.5μである。原形質は強鰹基性で無穎粒で あり、核の全周をとり雀いて原形質の存在するものは少く、核の一・Utが裸核歌になってみるものが 多く、叉邊縁が滑かでなく突起歌を呈せるものを屡々認む。核は大多数は圓形なるも輕度の切込又 は轡曲を有するものも相當ある。ク・マチン網は繊細緻密に結合し、結節を有するもめが多く、組 織圓球より軟染性なり。1∼4個の核小宴を有するもの約54.9%あり。 以上の定型的Haemocytblastenと思はるるものの他にクロマチン網は比較的疎に結合し、5 ∼11個の豊海を有するもの約ユ.7%存し、又原形質中に核の崩壌物と思はるる核と同色に染まり たる大なる圧迫を有するもの約2.3%回せり。之等はHaemocytblastenの退行塗性に陥れるも のと解する。 一79一
(3)定型無骨腱母細胞とHaemocytbiastenとの間の移行型と見回:され蔦べきものもあ}]o之 等原形質の比較的多く、核めクロヤチン網の繊細に構造せられ、1∼2個の核小蔀の存在するもの を骨髄母細胞の中に包含せり(2∼3%)。その他のクロマチン網に結節の存するHhemocytbtasten より骨髄母細胞への移行型と見微されるものts Y上記のHaemocytblasten:中に包含せ⑫。 原形質中にアヅール細粒を有する前骨髄細胞も置く少敷ながら存在す(⑪.9「%)。 (4) 中性嗜好骨髄細胞 0.9∼2%. (5)‘中性嗜好後骨髄細胞 1∼3% (6)中性嗜好桿妖核細胞 2∼3% (7) 分葉細石田胞 申性嗜好 3∼7% エオジン嗜}好 1ん7% (8)以上類粒白血球に尊しtS軍球はOん2%、淋巴球は2∼3%に過ぎづ㌔ 時としてはクPtマチン網の結合が髪疎で1∼2個の核小艦を有す靱所謂Ferrata−Zelienも言忍 められた。 次に自血球のPer⑪xydase反慮(Graham氏)を検するに中性嗜好及びエオジン嗜好細胞に限 i)て陽性なり(15%)。 以上を綜合すれば本例は組織圓球及びHaemocytblastenを主要細胞とし、骨髄性白血病の方 向に韓化せんとする傾向を有する白血病性血液像を呈す碁といふべきである◎ 二三並む1に考按 本症例は38℃内外の弛張熱を俘ろて経過し、霞血性素因が認められ、著明な脾腫,、肝腫あij、 淋巴腺の腫脹は著しくないといふ臨床的所見、及び白血球壌多とその血液像よ遇して幹細胞白血病 に自致す。 然し乍ら之を異常なる細胞型を有する骨臆性白血病と見倣すべきかも或は所謂幹無縁白血.病と罰 すべきかにつV・ては跳者1こよつて意見を異にする所であts 。’ 余等が幹細胞となしたる2種の細胞に就きて少しく考ふる所を蓮べんdee tS先づ組織圓球と記せる ものは骨髄母細胞に封しては素より、Haemocytblastenの上位にあ.るものにして、正常流血中に なも亦、正常骨髄申にも存在せぬことは、正常造血の分化が、骨髄母細胞以下に於て行はれ、組織圓 球は正常造血に則しては、風口的地位にあ三宮血病帥ち血球の腫蕩的檜殖による何等かの刺戟あ
る離の疾造血麟内職現し説つvrm中に鵬もので、本例に効ては該細胞とHaem。.
cytb豆asten或は骨髄母細胞への移行型力§見られぬ爲、1組織圓球よ参次の細胞への分化は極めて迅速 なるものと考ふ。この勲は余の経験例からは断定し得ざるも吉田、小林町税の報告に依れば組織圓 球より難球母細胞への移行を認められることから、推論し得ると考へる。 次にH・aem◎cytblastenは核ノ1・燈を有し、幼若型に騒する壁構造を有することによ鉱造血能力 を有する細胞なるこ、とは容易に理解せられ、又骨髄母細胞へ分化する中興型も見られるヵ》ら雨者の關係は明かである。然るに本細胞が正常骨髄中に誰明せられない所以のものは、組織圓球が造血能 力を獲得して、流血中に出現せる時に必須的に現はるる中闇相なる爲にして、正常造血には組織圓 球が關與せぬ爲で,thる。. さて余等の幹細胞群と從來幹細胞として知られてみるものとの關係を考ふるにNaegeliのMi− kromyeloblastenは余等の組織圓球に一致するものの他にそれよb大型にして、核小謄を有し、 繊細なる核網を所有するものを含み、余等bHaemocytbiastenにも一致する。三等の例に於ては Naegeliの設に從ひ、この2種細胞をMikromyeloblastenと辮しても差支へなけれどM幹細胞は 骨髄母細胞のみの母細胞に屈すとV・ふ一元論的幽幽よりすれば、組織圓球。Haemocytbtastenと
稽するのを安當と思ふ。PapPenheimのLymphoidcytenは虹にNaegeli學派の反駁する所に
して・細瀬球が網糧内被細胞系纐・ら獲現するものである卿・是とは全然賂を異にす・ Maximow, FerrataのHaemocytblastenは大型にして、核は微細網駄乃至微粒子泡沫厭構造で ある黙三等のHaemocytblastenと一一9tす。從ってHaemocytblastenと組織圓球とをEEj k・の ’ 階級として扱って差支へなしと考へる。 本邦に於て近時幹細胞白血病は金氏、永野・大日方爾氏及び吉田・小林爾氏によ勤報告せられ、 各々少しく見解を異にするも、幹細胞の存在の可能が認められてみるといふことより、白血病の腫 瘍的態度、或は造血機能に回する問題等に今後の示唆を與へるものではないかと思ふ。 稿を終るに臨み終始御懇篤なる御指導並に御校閲の勢を賜)たる佐藤溝教授、佐藤やいec綬te並に小児科教 室磯田教授に出し満腔の謝意を表す。 主 要 1交 獄 吉田箆治・座秣邦彦1日本』血液學會雑誌、第6巻、第4號。永野章・大日方艦信:目本血液學會雑誌tS第6 巻、第5號。金持星:目奉血液學會雑誌、第2巻。Naegeli : B1utkrankheiten u. BIutdiagnostik(1931) 第 互 表 月制塞 40.5C「: 腹囲 41.5ひ、『 41.3 cmor一一一一一一一一〇一一一一一一一NX2Y一
一81一
第ff表宋総血液像
赤血球
f
血亀素:量(%)
色 素 嶺 薮
”一7t’ttrr 一一ttt’1一一ttr一一L’ittttttt 白 血 …求 藪 15000 t ...一.一.vtt一一一t一.ttlTL....“tm幹組織圓球
’細 ls (ペンニ先型)胞,n (紡錘型)
群 ヘモチトブラステン]
骨髄母鞭胞
前骨髄,出田
i
骨1中性嗜婦牲
瓢・・ジ・雪田
胞,盛基軸好牲
麹申牲嗜好性
髄 エオジン嗜女子性二陣墓嗜好性
31/珊 5/服
650000 21(%) . O.54 33.8 % 1.08 0a13 42.21 3L5 0.53 32.1% O.57 0 43021 2.9 e副中性嗜好幽
駄 }
核 エオジン嗜好性
細、胞陣基嗜妊性
1
分1中性嗜好性
葉…核 エオジン嗜好性
細一目1盤基嗜好性
O.9 0 e 1.7 0 0 2e28 0 0 3.63 7.27 0ml
軍 核 細 胞
淋 巴 球
プラスマ細胞
0 2.92 0 圏2.39 0 0 3.1 0 0 3.8 0 0 7.99 1.14 0 0 2.8 0第 亘 表 影1 aO 30 20 to o 1 /