平成
25年
度 特定 の課題 につ い て の学修 の成果中学 校 国語 科 説 明 的 文 章 を分 か りや す く書 くた め の
授 業 方 法 の 工夫
一推敲活動 と「読む こと」「書 くこと」の関連指導を手立て として一
兵 庫 教 育 大 学 大 学 院 学 校 教 育研 究 科 教 育 実践 高 度 化 専攻 授 業 実 践 リー ダー コー スP12031B
宮 本 将 幸序章.…… … … …… … … ■.…… … …… … … …3 第1節 研 究 の背 景.…… … … …1 第1項 問題 の所在.…… … … …… … … …… … … …1 第2項 平成
20年
告示 の学習指導要領 か ら.……… … … … …… … …… … … ……… … … …2 第2節 研 究 の 目的.…… … … …3 第3節 研 究 の計 画 .…… … … …3 第 I章 分か りやす い文章 を書 く授業 の構想.…… … …… … … …… … … 4 第1節 推敲活動 の理論 と実践.…… … … …… … … …… … … … 4 第1項 推敲活動 について.…■…… … … …… … … … …4 第2項 評価活動 を指導す る際 の視点.…… … … …6 第3項 先行 実践 の分析.…… … … …10 第2節 教材 文の工夫点 を活用す ることの理論 と実践.…… … … …… … … ……15 第1項 教材 文 の工夫点 を活用す ることについて.…… …… … … …15 第2項 教材 文 の工夫点 を活用す るための手立て 。…… … ¨… … … …… … … …16 第3項 先行 実践 の分析.…… … … 18 第3節 研 究仮説.…… … … 20第 Ⅱ章 実践授業 I.…… … …… … … …… … … 21 第1節 授業計画.…… … … …… … … …… … … 21 第1項 対象 と実施時期.…… … … …21 第2項 教材 分析.…… … … …・21 第3項 単元 目標.…… … … … …… … …… … … …… … … …… … … …… … 22 第
4項
単元指導計画(全 10時間).…… … … …22 第5項 指導観.…… … … …… … … …28 第6項
生徒観.…… … … …… … … …・ ¨1・… 31 第2節 マ ッピングを活用す る実践 (第 1時).…… … … …… … … …… … … 32 第1項 指導計画.…… … … …・32 第2項 授 業 の実際.…… … … …… … … 34 第3節 教材 文の工夫点 を活用す る実践 (第 8時).…
… …… … … 35 第1項 指導計画.…… … … …・35 第2項 授業 の実際.…… … … …・36 第4節 推敲 の練 習 と実践 (第9時).…
…… … … …… … … …… … … …・38 第1項 指導計画.…… … … …・38 第2項 授業 の実際.…… … … ■・… …1.…… … … …・39 第5節 自己評価 と推 敲 (第 10時).…
…… … … …… … … ……41 第1項 指導計画.…… … … … …… … … 41 第2項 授業 の実際.…… … … …・42 第6節 結果 と考察.…… … … 45 第1項 生徒作品の分析.…… … … …45 第2項 マ ッピングの分析.…… …… … … …… …… … … …… … …… … ……56 第3項 教材 文 の工夫点の活用.…… … … 58 第4項
質 問紙調査 の分析.…… … … …60 第7節 実践授業 Iの 成果 と課題.…… … …… … … …… … …… … …… … … … …… … … 65 第1項 分析 結果 のま とめ.…… … … …65 第2項 成果 と課題.…… … … …・66 第Ⅲ章 実践授業 Ⅱ.…… … …… … ……… … … …… … … 67 第1節 授業計画.…… … …… … … …67 第1項 対象 と実施時期.…… … …… … …… … … …… … … 67 第2項 単元 目標.…… … … …… … … …… …… … … ……67 第3項
単元指導計画(全4時
間).…… … … …… … … …67 第4項
指導観.……… … … …70 第5項
生徒観.…… … … …… … … …… … … …… … … …73第3節 相互評価 の実践 (第
3時).…
… … … 77 第1項 指導計画.…… … … …・77 第2項 授業 の実際.…… … … …・79 第4節
結果 と考察.…… … … 81 第1項 生徒作品の分析.…… … … …… … … …・ 二.… 81 第2項 自己評価 シー ト・相互評価 シー トの分析 .…… …… …… … … …… … … 92 第3項 振 り返 リシー トの分析.…… … …… … … … …… … … …97 第5節 実践授業 Ⅱの成果 と課題.…… … … …… … … … …… … … … 99 第1項 分析結果 のま とめ.…… … … …… … … 99 第2項 成果 と課題.…… … … 100 終章.…… … … … …… … … …102 第1節 研 究 の成果 .…… … … …102 第2節 研 究の課題 .…… … … …103 引用 。参 考 文献 謝辞 巻 末 資料序 章
序 章
第1節
研 究 の 背 景 第1項
問題 の所 在 生徒 が作 文 を書 けない の は、様 々な原 因 が考 え られ る。 い くつ か例 を挙 げ る と、何 を書 けばい い の か分 か らない、 どの よ うに書 けばいい のか分 か らない、 書 くこ とが あ って も、語彙 量 が少 な く適切 に表現す る力 が乏 しい 、何 のために、 誰 に対 して書 くのか分 か らない、 な どで あ る。 これ らの原 因 が複雑 に絡 み合 つて、生徒 た ちは作文 を書 くこ とがで きない と 考 え られ る。 文 章 を書 けない原 因 は一人 一人違 って い るた め、教 師 は書 けない 生徒 に個別 で指 導 して い か な けれ ばな らない。 しか し、 当然 なが らそれ には限 界 が あ る。 そ のた め、従 来 の作 文指 導 にお い て は、発想 や題材 探 し、取材 や構 成 、記述 な どの段 階 ご とに様 々 な手 立 てが 工夫 され 実践 され て い る。 しか し、記 述後 の 推 敲 の段 階 は、生 徒 自身 に読 み 直 しを させ る ぐ らいで 、 ほ とん ど手 立 てが講 じ られ てい ない のが 現状 で あ ろ う。 ただ単 に推 敲活 動 を させ るだ けで は、生徒 が 修 正 で き るの は誤 字 脱 字 ぐ らい で あ る。 明確 な観 点 を持 つて読 み 直 し、 よ り分 か りやす い文 章 を作 り上 げ る。 そ して、文章 を評価す る 目を育成 してい くた め の手立て を工夫す る必要 があ るだ ろ う。 また、 も う一 つ の 問題 と して挙 げ られ るのは、生徒 が文章 の表現方 法 を習得 してい ない こ とで あ る。 い く ら推 敲活 動 に手 立 て を講 じて も、生徒 自身 に文章 表 現力 が な けれ ば 、 よ り分 か りや す い文 章 にす る こ とは で きな い。 生徒 の文 章 表現力 を上 げ るた めには、作 文指 導 を継 続 的 に行 わ な けれ ば な らない。 しか し、 中学校 の現場 で は 、作文指 導 の時 間 をあま り確保 で きず 、多 くの場 合 、読解 指 導 を 中心 に単元 が計 画 され てい る。 そ のた め 、作文 指 導 を継 続 的 に 行 えない。 作文 指 導 を継 続 的 に行 うた めには、生徒 が効 果 的 に作文活 動 をで き る単元構成や授 業展 開 を考 え る必 要 が あ る。 例 えばそ の1つ
の方 法 と して、読解 指 導 だ けで終 わ るのでは な く、その発展 と して作文指導 に取 り組 む こ とが考 え られ る。つ ま り、「読む こ と」 と 「書 くこ と」 を密接 に関連 づ け、指 導 を行 な うよ うにす るの で あ る。 読解活 動 で学 んだ こ とを生徒 自 らの文 章表 現 に活 用 してい く。 そ うす る こ とに よ り、生徒 は文章 の表現方法 を習得 で き、米区続 的 に文章表現力 を高 め るこ とがで きるであろ う。第
2項
平成20年
告 示 の学 習指 導要領 か ら 平成20年
3月
に告示 され た 中学校 学習指導要領 の国語科 の 日標 に「国語 を適 切 に表 現 し正確 に理解 す る能 力 を育成 し、伝 え合 う力 を高 め る」 こ とが示 され てい るl。 さ らに、 『 中学校 学 習指 導要領解 説 国語編』で は、各 学年 にお け る「書 くこ と」 の 中の 「推 敲 」や 「交流 」 に関す る指 導 事項 を、表1の
よ うに ま とめ てい る2。 表1
「推敲」と「交流」の指導事項 この よ うに、平成20年
告 示 の学習指導要領 では、読 みや す く分 か りやす い文 章 にす るた め に推 敲す る こ とが求 め られ てい る。 また 、書 い た文 章 を互 い に読 み合 い 、 自分 の表 現 に役 立 て る と ともに、 自分 の考 え を広 げた り深 めた りす る 交流活動 も示 され て い る。 また、3学
年 の交 流 に 関す る指 導事 項 で は 、他者 が 書 いた文章 を、「論 理 の展 開 の仕 方や表 現 の仕方 な どにつ いて評価 」す る こ とも 記載 され てい る。一方、
『 中学校学習指導要領解説
国語編』第
2章
第
1節
国語科の 目標の解説
には、「
『 話す こと 。聞 くこと』、
『 書 くこと』、
『 読む こと』の各領域の 日標はそ
れぞれ独 自の 目標 として示 しているが、同時に相互に密接な関連性がある。 し
たがって、各領域 の 目標 を関連付 けるとともに、指導が調和的に行われ るよ う
1文部科学省『 中学校学習指導要領』2008 p.202文
部科学省『 中学校学習指導要領解説 国語編』東洋館2008 p.17
第1学年 第2学年 第3学年 推 敲 に 関 す る 指 導 事 項 書 い た 文 章 を 読 み 返 し、表 記 や 語 句 の用 法 、 叙 述 の仕 方 な どを確 か め て 、読 み や す く分 か りや す い文 章 にす る こ と。 書 い た 文 章 を 読 み 返 し、語 句 や 文 の使 い方 、 段 落相 互 の関係 な どに注 意 して 、読 みや す く分 か りや す い 文 章 に す る こ と。 ウ 書 い た 文 章 を 読 み 返 し、文 章全 体 を整 え る こ と。 交 流 に 関 す る 指 導 事 項 書 い た文 章 を互 い に読 み合 い 、題 材 の と らえ方 や材 料 の用 い方 、根 拠 の 明確 さな どにつ い て意 見 を述 べ た り、 自分 の表 現 の 参 考 に した りす る こ と。 書 い た文 章 を互 い に読 み 合 い 、文 章 の構 成 や材 料 の活 用 の仕 方 な どにつ い て意 見 を述 べ た り助 言 を した りして 、 自分 の考 え を広 げ る こ と。 書 い た 文 章 を互 い に読 み合 い 、論 理 の展 開 の仕 方 や 表 現 の仕 方 な どにつ い て評 価 して 自分 の表 現 に役 立 て る と ともに 、 も の の見 方 や 考 え方 を深 め る こ と。序 章
な配慮をする必要がある。」
3とぁる。
『 中学校学習指導要領解説
国語編』では、
「読むこと」 と「書 くこと」の関連指導の必要性 を指摘 している。関連指導の
1つ の方法 として、読解活動で学んだことを生徒 自らの文章表現に活用 してい
くことは、有効的な方法だ と考えられ る。
第
2節
研 究 の 目的
これまで述べてきた作文指導における問題点を克服す るため、まず 「推敲活
動」、次に 「
『 読む こと』 と『 書 くこと』における関連指導」、この
2つ
の手立て
を講 じる。 この
2つ
の手立てに重点を置いた作文指導を行な うことにより、生
徒が、より分か りやすい文章を書けるようにすることを目的 とす る。
具体的に、推敲活動においては、 自己評価 と相互評価活動に着 目す る。適切
な観点で 自己評価や相互評価 を行 うことによ り、 自分の文章には何が足 りない
のか理角牢できるよ うにする。
また、評価活動 を取 り入れて書き直 しを行つた として も、生徒 自身に表現力
がなければ、よ り分か りやすい文章に書 き直す ことができない。そこで、学習
する教材文におけるす ぐれた説明の仕方や表現方法を、生徒 自らの文章表現に
活かせ るよ うにす る。
第
3節
研 究 の 計 画
上記の 目的を達成す るため、次のような計画で研究を進める。
① より分か りやすい文章を書 くために有効な手立てを明 らかにす る。
② 中学生を想定 して、導き出された手立てを組み込んだ授業を構想す る。
③構想 した授業に必要な教材、ワークシー ト、提示用資料、検証資料等を準備
す る。
④授業構想 を基に授業実践を行い、手立ての有効性の検証を行 う。
⑤研究で得 られた成果 と課題 を整理す る。
3前掲 書2に同 じ p.11第
I章
分か りやす い文章 を書 く授業の構想
第
1節
推 敲 活 動 の理 論 と実 践
第 1項
推敲活動について
(1)推
敲とは
まず、推敲 とい う言葉を定義 してお く。
『 中学校学習指導要領解説
国語編』
では推敲を以下のように定義 している
4。 自分 の書 い た文 章 を見 直す こ とに よって、伝 え よ うとす る事 実や 事柄 、意 見 な どが十 分 に書 き表 され て い るか ど うか を検 討 す る こ と この定義 をふ ま えて筆者 は以下の よ うに推敲 を定義す る。 推敲 とは、文章 を見直 して十分 に書 き表 したい ことが書 けてい るか検討 し、よ り分 か りやす い文章にす るために書 き直す活動の ことである。 解説編 で は 「検 討 す る こ と」 と して い るが、本研 究 にお い て は、 さ らに一歩 進 めて 「書 き直す 活 動 」 もカロえた。 なお 、説 明的文 章 を書 くこ とを想 定 して い るので、 目的 を 「よ り分 か りやす い文 章 にす るた め」 と してい る。(2)推
敲活 動 の意 義 推 敲活 動 の意義 につ い て は、 これ まで諸 家 に よつて様 々な論 が提 示 され て い る。 西辻 正 副(2005)は
自 らの文 章 を よ り良い もの にす るた めには、以 下の よ うな こ とが大切 だ と述 べ てい る5。 自らの文 章 をよ りよい ものにす るた めには、 自分 の書いた文 章 を客観 的 に見直す こ とに よ つて、伝 えよ うとす ることが十分 に書 き表 されてい るか ど うか を検討す ること、 さらには、 学習者相互で 自分 た ちの思考や表現 を深 め合い高 め合 うことが大切 である。 ま た 、倉 沢 栄 吉(1979)も
推 敲 活 動 の意 義 につ い て以 下 の よ うに述 べ て い る6。 作文教育において何が大事か とい うと、自ら考えなお し、自らそれを反省 し、書きなおす4前
掲書 2に 同 じ p.33 5西辻正副 「推敲 ―自己評価 。相互評価で文章を見直す」『 実践国語研究』明治図書2005
No.262 p.1346倉
沢栄吉『作文指導の理論 と展開』新光閣書店1979 p■
38第1章 分か りやす い文章 を書 く授業 の構想 とい うよ うな反省 的思考 と、その反省 に も とづ いて、実際 に書 きなおす とい う実践力、行動 力 を身 につ け させ るこ となのです。 この よ うに、 自 らの文 章 を よ りよい もの にす るた め に は、伝 え よ うとす る こ とが十分 に書 き表 され てい るか ど うか を検討 す る こ とが重 要 で あ る。 そ して 、 推 敲す る こ とに よ り、読 み 手 の立場 か ら 自 らの文 章 の どこを改 善す べ きなのか 考 える。 それ は 自分 の文 章 を客観 的 に評 価 す る こ とに な る。 した が つて 、推 敲 す る こ とは評価 す る こ とにつ なが ってい る。 首藤 久義
(2004)も
「推 敲 とい う 行為 は、見方 を変 え る と、 自分 の書 くもの につ い て 自分 で評 価 しそ の評価 に応 じて修 正す る とい う営 み で あ る。」7と述べ てい る。 ここで 「評価 」 とい う言葉 につ いて正確 に と らえ る必 要 が あ る。(3)評
価 とは 倉沢栄 吉(1988)│ま
「評価 とい う限 りにお いては、対象 の持 つてい る固有 の 価値 につ いて の全 体 的 な品定 めで あ る。」0と 述べ てい る。また、高森 邦 明 (1970) は作文指 導 にお け る評 価 につ いて次 の よ うに述べ てい る9。 作文指導 にお け る評価 の段階 は、評価活動の段階 として とらえ られ る。そ うとらえる と評価 は、 教師ひ と りが、提 出 させ た作文について、添肖1、 批評、採点 を行 ない、返却 してや ることをい う のでな くして、こ どもた ち 自身が書 き上 げた作文 に とり組 んで学ぶ活動 を行 な う過程 をい うこと になる。す なわ ちそれ は書かれ た 自分や他 人の作文 を点検 した り、添削 した り、批評 した りす る 活動 を とお して、こ どもた ちが言語意識 を深化 させ 、表現技能 を確 かな ものにす る過程 を さす こ とになる。 高森 が述 べ る よ うに 、授 業者 の評価 だ けで は な く、生徒 自身 が書 き上 げた作 文 に取 り組 ん で学 ぶ活 動 を行 う過 程 の こ とで もあ る。 つ ま り、教 師側 か らだ け ではな く、生徒 が 主体 とな って行 う評価 を も意 味す る。 一般 的 に も評 価 の主体 は教 師だ けで は な い こ とは言 われ てい る。 それ をふ ま えて 、改 めて本 論 文 で次 の よ うに定義 してお く。 評価 とは 、授 業者 の評価 だ けで は な く、生徒 自身 が書 き上 げた 作 文 をあ る基 準 で判 断 し、 生徒 が主 体 とな って行 う活動 で あ る。 7首藤久義『書くことの学習支援一場を作 り個に即 して書く生活の向上を助ける一』 東洋館 出版社2004 p.97
倉沢栄吉『 倉澤栄吉国語教育全集5 高森 邦 明 「作 文 指 導 にお け る加 筆 『 国語教 育研 究』 謙 光社No.17
過程重視の表現指導』角川書店1988 p.547
・批評作業の構造 ―評価活動の一類型 として 」 1970 p.50第
2項
評価 活動 を指 導す る際 の視 点 評価活 動 を指 導 す る際 の視 点 と して は以 下の4つ
が挙 げ られ る。(1)評
価 の 方法 評価 の方 法 と して は 、教 師 に よ る評価 、 自分 で行 う自己評価 、生徒 同士で行 う相互評価 が あ る。 ま た、相 互評 価 の方 法 には 、1対
1に
よる相 互評 価 、 グル ー プで行 う相互評価 、 クラス全体 で行 う相互評価 な どが考 え られ る。 この相 互評 価 を取 り入れ る意義 につ いては、高森 邦 明 (1970)10、 首藤 久義(2004)な
どの先 行研 究 で述 べ られ てい る。その 中で首藤 の論 を引用 してお く11。 書 き手 は 自分 で書 い た わ けで あ るか ら、そ の文 章 の内容 が読 む 前 か らわか つて い るの で 、ど う して も誤 りや 、わ か りに く さを見 落 と して しまいが ちで あ る。それ を防 ぐた めには、誰 かほかに 協力者 を求 め る とよい。 自 らの文 章 を 自分1人
で読 み 返 す だ けで は 、 ど う して も甘 い評 価 とな って し ま い 、 改 善 点 を 見 つ け に くい。 相 互 評 価 を取 り入 れ る こ とに よ り、 自分 で は気 づ か ない 間違 いや 改 善 点 を見 つ け る こ とが で き る。 ま た 、他 人 の作 文 に あ る欠 点 を見 つ け る こ とに よ り、 そ うい う欠 点 を避 け る よ うに 自覚 させ る こ とが で き る。 ま た 、小 林 一 仁(1981)は
、 自己評 価 と相 互 評 価 の位 置 付 け につ い て 次 の よ うに述 べ て い る12。 推敲は本来、自分の文章について観点別に自己評価を下 して練 り上げるにある。相互評価、グ ループ評価、教師による評価は、その自己評価を下すための参考意見、援助 として位置付けるベ きものである。 相 互 評 価 に よ り、 自分 で は気 づ か な い 間違 いや 改 善 点 を見 つ け る こ とが で き る。 しか し、相 互 評 価 、 グル ー プ評 価 、教 師 に よ る評 価 は 、 自己評 価 の援 助 と して位 置 付 け な けれ ば な らな い。 推 敲 す る上 で大 切 な の は 、 自分 の 文 章 につ い て 自己評 価 し、 自分 で よ り良 い表 現 を考 え る こ とで あ る。(2)自
己評 価 ・ 相 互 評 価 の 順 序 性 自己評 価 ・ 相 互 評 価 を行 う1贋序 に は 、様 々 な組 み 合 わせ が 考 え られ る。 倉 沢 Ю 前掲書9に同 じ p.52 11前掲書7に同 じ pp.38‐392小
林一仁 「推敲指 導の方法 と観点」『 高等学校作文指導講座[中巻]作
文の指導過程』 有精堂出版1981 p.229
第1章 分 か りやす い文章 を書 く授業の構想 栄 吉(1979)は、自己評 価 。本目互 評 価 の重 要 度 につ い て 以 下 の よ うに述 べ て い る13。 重要な度合は、作者の評価―自己評価、相互評価、教師の評価 とい う順にな ります。今ま では、 どち らか とい うと教師だけが評価権 を行使 していて、一方的 に断定 を加 えていたのだ けれ ども、教師 はむ しろ奥へ 引 つ込 んでいて、本人がいか に評価す るか とい うことを、いつ も刺激 してや る とか、友 人がみ んなで、その子 のいい ところや特徴や 、その子 ら しさといっ た もの を認 める よ うに しむ けてや る こ とのほ うが大事です。 これが基本的な図式だろ うと思 います。 また、倉 沢栄 吉
(1988)は
ク ラス全 体 で共 同評価 を させ る前 に、作者 に十分 自分 の問題 点 を 自覚 させ る こ とが大事 だ と主張 し、次 の よ うに述べ てい る14。 共 同評価 の場合 よ く見 られ る偏 向 は、常 に結 果 主義 で論 議 が戦 わ され る とい うこ とで あ る。 つ ま り 「ここが 間違 つた。」「これ は この ほ うが よい。」 な どとい う言葉 に よって、で き上 が っ て い る作 品の結 果 の表 層 をみ ん なで話 しあ つて 、 よ しあ しを き め る よ うな形 に な るので あ る。 先 に述 べ た よ うに 、作 者 に プ ロセ ス の話 を させ て、 それ か ら起 こる作 者 的 問題 点 につ い て話 しあえば、 この よ うな こ とには な らない わ けで あ る。 これ らの こ とか ら分 か るのは、ペ アや グルー プ な ど、 どの よ うな形 態 に よる 相互評価 活 動 を行 うに して も、 そ の前 に 自己評価 活 動 を取 り入 れ た方 が 良い と い うこ とで あ る。 まず 、 自分 の書 いた文章 を 自己評価 し、 どこに問題 が あ るの か考 えた り、工夫 した部分 を把握 した りす る。 そ の後 、相 互評価 で助 言 を も ら うとい うや り方 が 良い と考 え られ る。(3)評
価 の観 点 生徒 に評 価 す る基 準 が無 けれ ば 、文章 の良 し悪 しは判 断 で きない。 そ こで 自 己評価 。相 互 評価 活 動 を取 り入れ る場合 、基準 とな る評価 の観 点 が必要 にな っ て くる。授 業者 が評 価 の観 点 を設 定 し、 あ らか じめ生徒 に与 え、生徒 はその観 点 に従 つて文 章 を評 価 で きる よ うにす る こ とが大切 で あ る。 で は、授 業者 は評価 の観 点 を どの よ うに設 定すれ ば よいのだ ろ うか。 高森 邦 明(1970)は 、評価 の観 点 につ いて次 の よ うに述べ てい る15。 文のつ く りか えか ら、文 と文のつ なが り、段落のま とめ、文章の構成 な どについて直す ことは、 十二、三才以下の こどもに要求す るには、むず か し過 ぎる内容 であ り、またそれ以上の こ どもに 13前掲書6に同 じ p.147 14前掲書8に同 じ p.174 15前掲書9に同 じ pp.51‐52要求す る として も同時 に多 くを期待す ることはで きない。当然 、推考事項の分析 とその難易 とが 考慮 され な くてはな らない。 また 、倉 沢 栄 吉
(1979)は
評 価 の観 点 につ い て次 の よ うに述 べ て い る16。 書写的評価 と文章の内容・思想および表現的評価 とは区別 しなければならないから、評価 には三つ あ る と言 つて い い の で は な い で しょ うか。一つ が 内容 の問題 、一 つ が表 し方 の問題 、 そ して も う一 つ が 表 記 の 問題 、 それ ぞれ 違 う評 価 の領 域 が あ る とい うわ け です。 そ の三 つ を 合 わせ て 、原 則 的 に総 合 的 に一本 とす べ き もので は ない。 これ らの こ とか ら、評価 の観 点 の分析 とそ の難 易度 を考慮す る必 要性 を示唆 してい る。 そ して 、誤 字脱 字 や 文 法 の ま ちが い な どの表記 面 と、段 落 の ま とま りや 文章 の構 成 な どの構成 面 で は難 易度 が違 い 、評 価 の観 点 を設 定す る際 、そ れ ぞれ 区別 してお か な けれ ば な らない。 しか し、研 究者 や 実践者 に よっては、評価 の観 点 をカテ ゴ リー分 け してい る 者 もいれ ば、 カテ ゴ リー分 け をせ ず観 点 だ け を設 定 して い る者 もい る。 評価 の 観 点 は研 究者 や 実 践者 に よつて様 々に設 定 され てお り、評 価 の観 点 が体 系的 に な つてい ない のが現状 で あ る。そこで、中学校の教科書
4社
17と『 中学校学習指導要領解説
国語編』
18で推
敲の観点が どのよ うに扱われているか分析 した。次ページの表
1-1は
『 中学
校学習指導要領解説
国語編』 をもとに して、教科書で扱われている観点を筆
者が分類 したものである。
この分析結果か ら以下の
2点
のことがわかる
① 「主題の明確 さ」 という観点は
4社
の教科書で扱われている
『 学習指導要領解説
国語編』では 「主題の明確 さ」 とい う観点は扱われて
いなかった。一方、教科書
4社
では 「主題の明確 さ」について扱われている。
文章を書 く際、何が言いたいのかをはつきりさせて書 くことは大切であ り、「主
題の明確 さ」は文章を評価す る上で必要な観点であると考える。
②
4社
の教科書すべてで扱われている観点
4社
の教科書すべてで扱われている観点は、「主題の明確 さ」、「文や段落の長
さ」、「文体の統一」、「誤字脱字」、「句読点や符号の使い方」であった。 この
5つの うち、「主題の明確 さ」、「文体の統一」、「句読点や符号の使い方」の
3つ
は、
16前掲 書6に同 じ p.144r光
村 図書 、東京 書籍 、教 育 出版 、 ないので 、観 点 の分 類 表 (表 1 18前掲 書2に同 じ 三省 堂の4社である。 なお、学校 図書は観 点 を掲載 してい-1)に
は、学校 図書 を抜 いてあ る第1章 分 か りやす い文章 を書 く授業の構想 『 学習指 導 要領 解 説 国語編 』 で扱 われ てい ない。 しか し、
4社
の教科書 では 扱 われ てお り、 この5つ
は推 敲す る上 で大切 な観 点 で あ る と考 える。 表1-1
観点の分類表 この分析 結果 を基 に、筆者 が実践授 業 I・ Ⅱにお い て評価 の観 点 を設 定 し、 生徒 にあ らか じめ提 示 す る (本論 文p.30、 p.71)。 なお 、 どち らの実践 におい て も、観 点 の数 を減 らす た め、「句 読 点や符 号 の使 い方 」 の観 点 は、「誤字脱字」 の 中に含 めて指導 を行 う。(4)推
敲活 動 を行 う段 階 実習 で扱 う教 科 書(教育 出版)を見 る と、作文 は取材 ・構 成・記 述・推 敲0交
流 の順番 で指導す るよ うになってい る19。 推 敲や 交流活 動 は 出来 上 が った文 章 に対 して行 われ る。 先行研 究 で は 、推 敲 活 動 を行 う段 階 につ い て、 どの よ うに言 及 され て い るの だ ろ うか。中冽 正 尭(1984)は 「表 現 とい う営為 の過 程 での こ とであ るか ら、評価 は、主題 設 定 、取材 、構想 、記述 のいずれ に も及 び 、記述 の前後 にわた る。」 と 指摘 してい る20。 首藤 久義(2004)の
論 で は、推 敲 とは評価 に応 じて修 正す る 19『伝え合 う言葉 中学国語1』 教育出版 2012 pp.162‐ 182 20中 冽正尭 「表現指導に生きる評価の実際」『 国語科評価論 と実践の課題』 全国大学国語教育学会編 明治図書 1984 p.101 筆者 の分類 解 説 光村 図書 東京書籍 教育 出版 三省 堂 学 年 1 2 3 1 9 “ 3 1 2 3 1 2 3 1 2 3 内 容 主題 の 明確 さ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 構 成 わか りやすい構成 ○ 〇 ○ ○ ○ 一段 落 一 内容 ○ ○ 文 と文、段落 と段落 のつなが り ○ 〇 ○ ○ 表 現 文や段 落 の長 さ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 文体 (常体・ 敬 体) の統 一 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 主語 と述 語 の対応 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 言葉の意味の間違い ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 表 記 誤 宇脱 字 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 句 読 点や 符 号 の使 い方 ○ ○ 〇 ○ 〇 ○ ○ ○ ○ ○ ○とい う営み で あ り、「取材 、構想 、記述 のすべ てにわた って行 われ る 自己評価 で あ る。」 と述 べ て い る21。 そ して 、 内 田伸 子
(2009)は
以 下 の よ うに論 述 してい る22。 推敲 は作文 を清 書 し終 えてか ら始 ま るものではない。推敲 は 自分 のアイデ ィアや意識 を明 確 にす るために組 み 立 て メモ を作 る段階か らす でに始 ま つてい るので あ る。 時間 をかけて考 えを練 つてい く過程 で ピッタ リした ことばに言い表 し、 もの ごとの筋道 をはっき りさせ る営 みなのである。 これ らの先行研 究 か ら、推 敲活動 は作文 の全過 程 で行われることも、効果的だと 分かる。つま り、作 文 の過 程 は取材 ・構 成0記
述 ・推 敲 とい う順 序 を、一 つず つ 踏 ん で行 われ るわ けで はない と考 え られ る。 作文 の過 程 の順番 に と らわれ ない で、推 敲活 動 を作文 の過程 の途 中に挟 んで作文 を行 う方法 も有効 であ ろ う。 しか し、 どの段 階 か ら推 敲活 動 を行 うに して も生徒 自身 に表現力 がなけれ ば、 読みやす く分 か りや す い文 章 に書 き直す こ とが で きない。 そ こで 、教材 文 にお け るす ぐれ た説 明 の仕 方や 表 現方 法 の工夫 を、生徒 自 らの文章表 現 に活 かせ る よ うにす る。 第3項
先行 実践 の分析(1)分
析 の視 点 これ までの評価 活 動 を取 り入れ た実践 は、 どの よ うな形 で行 われ て きたのか。 それ を明 らか にす るた めに、先行 実践 を今 まで第2項
で述 べ て きた 「評価活 動 を指導す る際 の視 点 」 で分析 す る。 方 法 は、分析 対 象 の学 習指 導過 程 か ら構 成 要 素 を抽 出 し、本研 究 にお ける要 件 に照 らす とい うもの で あ る。 なお 、そ の際 に用 い る学 習指 導過 程 の要件 は、 以 下の4点
で あ る。①評価の方法
②評価の順序
③評価の観点
④評価の段階
(2)分
析の方法
先行実践 を分析す るにあたって、
4つ
の分析の視点をもとに分析 フレームワ
ークを作成 した
(表1-2)。
21前掲書7に同 じ p.97 22内田伸子 「作文 の推敲過程 にお ける語 の選択 ―ことばを選ぶ こ と 。考 えを発見す ること」 『 日本語教育』2009 140号表
1-2
分 析 フ レー ム ワー ク 実践者 (対象) *** 単元名 *** 単元計画 (全*時
間) *** ①評価の方法 ②評価の順序 ③評価の観点 【カテゴリー】 ④評価の段階 備 考 第1章 分 か りやす い文章 を書 く授 業の構想(*:分
析 対象 か ら引用 あ るい は整 理 した もの)(3)分
析 の 対象 対象 と して は、校 種 を限定せ ず分析 を行 つた。 ただ し、本研 究 は 中学校 を対 象 とした文章表 現 力 育成 を 目指 した学習指導過程 を提案 す る もので あ る。 した が つて、発 達段 階 を考慮 し中学 生 に近 い年齢 を対象 と した実践 を分析 す る必 要 が あ る と考 え、小 学校 にお け る先行 実践 では、5年
生以 上 で実施 され た もの を 分析 対象 と した。 合 わせ て8例
の先行 実践 を分析 した。10例
の詳細 につ いては 巻末資料 に載 せ て い るが 、1例
を以 下 に示す23(表
1-3)。
表1-3
先行実践の分析例 23勝俣敦「自己評価を用いた作文指導」『実践国語研究』明治図書 2004 No.259 pp.171‐ 181 実践者(対象) 勝俣敦 (山梨県秋 山村 立秋 山中学校 第二学年) 単元名 「視野を広げ、考 えを深めよ う―表現の しかたを工夫 して書 く」 単元計画 (全5時
間) 1.「説 得 力 あ る文章 にす るた めの条件 」を一人 一 つず つ 考 え発 表 させ る。 2.イ ンタ ビュー に行 く前 に 自分 の考 え をま とめ る。 3.イ ンタ ビュー に行 つて きて考 えた意 見文 (下書 き)を
書 かせ る。 4.自 己評 価 カー ドで 、 自分 の意 見文(下書 き)を推 敲 させ る。 5.意見文 (下書 き)を
推 敲 した もの を元 に清 書 を させ る。 ①評価の方法 【自己評価】 ②評価の順序 自己評価 のみ ③評価の観点 (カテゴリ■) 文の在 り方 「説得力ある文章にするための条件」を生徒 に考えさせ る。 自己評価 をす るための基準 を生徒 自身 に考 え させ る。 一文 を簡潔 に書いてある。 ①(4)分
析の結果
ここでは、分析 フレームワークを用いて先行実践を分析 した結果を、①∼④
の視点ごとに検討 していく。
8例
の先行実践を分析 した結果を表
1-4に
集約
した。
表1-4
先行 実践 の分析 結果 分析 の視 点 具 体 的 な項 目 実 践数 ①評価の方法 自己評価 3 1対 1によ る相 互評価 2 グル ー プ に よる相 互評 価 4 クラス全 体 に よる相 互評価 1 相 互評価(形態 は分 か らない) 1 ②評価の順序 自己評価 のみ 1 相 互評価 のみ 2 自己評 価 → 相 互評価 3 相 互評 価 → 自己評価 0 そ の他 2 ③評価の観点 具体的な観 点 を提示 してい る (カテ ゴ リー分 けを してい る) 3 構成 の在 り方 ② 文末表現(だ 。です=断
定)、 (ら しい:よ うだ 。そ うだ=伝
聞・推定)、 (たい=希
望)な
どを使い分けている。 ③ 段落 と段落の接続関係 を表す接続語が使われている。 ④ とりあげたい話題 を疑問形で書いている。 ⑤ 意見の根拠 となることが ら(イ ンタビュー した人の話)が書かれてい る。 ⑥ 自分の言いたい結論(意見)が一文で書いてある。 ⑦ ④∼⑥が一貫性のあるものになつている。 ④評価の段階 第1次意 見文 の記述後 備 考 ・意 見文 を書 かせ る前 に、「説得力 あ る文章 にす るた めの条件 」を生徒 に 考 え させ る。 自己評価 をす るた めの基 準 を生徒 自身 に考 え させ る。 。「下書 き」 と 「清 書」を二枚 見比べ る こ とで、 どの よ うな考 えで どの よ うに変化 した か とい う思考過 程 が分 か る よ うに して い る。 ・ 下書 きには消 しゴム を使 わ ないで、推 敲す る部分 をナ ンバ リング させ る。 ・ 下書 きにナ ンバ リング した もの を、清書作 文 の同 じ部分 に も同 じナ ン バ リン グを し、後 で どの部分 を どの よ うに推 敲 し、直 したのか を一 日で 判 断 で き る よ うに させ てい る。第 1章 分 か りや す い 文章 を書 く授 業 の構想 具 体 的 な観 点 を提 示 して い る (カテ ゴ リー分 け を して い ない) 3 具体 的 な観 点 を提 示 して い ない 2 ④評価の段階 構 想 の段 階 0 作 文 を半分 程 度 書 き上 げた段 階 1 第1次作 文 を書 き上 げた段 階 7 ① 評価 の方法 評価 の方 法 と して は、 自己評価 、相 互評価 の実践 が見 られ た。 グル ー プ に よ る相 互評価 で は、 グル ー プの人数 を
4∼
6人
程度 に設 定 してお り、そ の グル ー プ内で作文 を回覧 し、お互 い の作文 につ いて指摘 で き る よ うに してい る。また、 実践者 に よつて は、付 箋 に コメ ン トを書 く活 動や 、評価 シー トを予 め用意 して お き、生徒 が評価 シー トに改 善点 な どを書 き込 め る よ うに してい る活動 な ども あった。 一方 、 クラス全 体 に よる相互評価活動 を行 つてい る実践 が1例
見 られ た。 こ れ は授 業者 が意 図的 に作成 した例 文 を用 いて、 クラス全員 で話 し合 い 、評価 の 視 点 を明確 に させ るた めに行 つた もので あ る。 クラス全 体 で相 互評価 活 動 をす る こ とは、評価 の視 点 を明確 に させ る手立 て と して有効 だ と言 え る。 ② 評価 の順 序 評価 の順 序 は、 自己評価 のみ 、相 互評価 のみ行 つてい る実践 が見 られ た。 作 文 の改善点 は、相 互評価 のみ の活動 で も見 出せ るで あ ろ う。 しか し、作 文 の評 価 活動 で大事 な こ とは、自分 の頭 で考 え判 断 し、文章 を練 り上 げ る こ とにあ る。 相 互評価活 動 のみ で は、他者 か らの指摘 を受 け入れ るか ど うか だ けなので、受 動 的 になって しま う。 評価活 動 を行 うので あれ ば、 自己評価活 動 は取 り入れ る べ きであ る。 また、 自己評 価 と相 互評価 の両方 を取 り入れ てい る実践 で は、 自己評価 を行 つた後、相互評価活動 を行 つてい る。相互評価活動 を行 つてか ら、 自己評価活 動 を行 つてい る実践 は見 られ なか つた。 まず 自己評価 で 自 らの作文 の改 善点や 問題 点 を把握 して か ら、相 互評価活 動 に よつて助言 を も ら うとい う順 序 が 良い と思 われ る。 相 互評価 活 動 はあ くまで 自己評価 の手助 け とい う位 置 づ けで考 え、実践 しな けれ ばな らない。 ③ 評価 の観 点 具体的 な評 価 の観 点 を提 示 して い る実践 が多 く見 られ た。 評価 の観 点 を示す こ とに よ り、生徒 は 明確 な視 点 を持 つて評価 活 動 を行 うこ とが で き る。ゆえに、 評価 の観 点 は提 示 した方 が 良い と考 える。 評価 の観 点数 は実践者 に よつて様 々で あ る。最 も観 点 が多 い実践 で15項
目提 示 していた。 この実践 は 中学3年
生 に行 つてい る もの で あ る。 発 達段 階 を考慮して観 点数 と難 易度 を設 定 しな けれ ば な らない。 ④ 評価 の段 階 評価 の段 階 は ほ とん どの実践者 が、第
1次
作文 を書 き上 げた後 に行 つてい る。1例
だ け作文 を半分程度 書 き上 げた段 階 で評価活動 を行 つてお り、この評価活動 で気づ い た こ とを以後 の記述 で も活 かせ るよ うに してい る。 この実践者 は 「短 時間 に効率 よ く書 き上 げ させ るた めには、 この よ うな記 述途 上 での推敲 と軌道 修 正 も必要 にな る。」 と述べ てい る。作 文 を書 き上 げ る前 に評価活動 を させ るの も有効 な手立 てか も しれ ない。第1章 分 か りやす い文章 を書 く授業 の構想
第
2節
教 材 文 の 工 夫 点 を活 用 す る こ との理 論 と実 践
この節 で は 、教 材 文 にお け る説 明の仕 方 の様 々な工夫 点 を、生徒 自 らの文章 表 現 に活 かせ る よ うにす るた めの理論 と実践 につ い て論 じる。 なお 、 これ 以後 の論述 につ いては、「教材 文 にお ける説 明の仕方 の様 々な工夫 点」 を 「教材文 の 工夫点」 と略称 す る。 第1項
教材 文 の 工 夫 点 を活 用す る ことにつ いて(1)読
む こと と書 くことの 関連 指導 「読む こ と」 と 「書 くこ と」 の関連指導 につ いては、先行研 究や先行 実践 で 様 々な方 法 が言及 され てい る。 そ の 中の1つ
に、作文 学 習 のた め に読 む活 動 を 行 う方 法 が あ る。 す な わ ち、作 文指 導 のた めに教材 文 を読解 す る方 法 で あ る。 教材 文 の工夫 点 を活 用 す る こ とも この方 法 に該 当す る。 教材 文 にお け る文章構 成や表 現方 法 な どを、 自分 の文 章 に活 用す るた め に読 み 、 自 らの文 章表 現 の参 考 にす る。 そ うす る こ とに よ り、生徒 の文 章表 現力 を高 め る こ とが で き る と考 える。(2)教
材 文 の工 夫点 を活用す る意 義 教材 文 の工夫 点 を活 用す る意義 につ いて、石 田佐 久馬 (1979)は 次 の よ うに述ベ てい る24。 参考にするとい うのは、いろいろ他のものとひきくらべて自分の考えを決める手がかりに す る こ とで あ る。つ ま り、他 の もの と比べ なが ら自分 の もの を創 造す る こ とで あ る。 しか し、 小 学 生 に は、読 ん だ 文 章 の書 き表 わ し方 を も とに して 自分 な りの新 しい書 き表 し方 を生み 出 す とい うこ とは 、 なか な かむず か しい こ とで あ る。 学級 の実態 を考 えた場合 、それ を全 体 の 日標 とす るわ け に は い か ない。 そ こで、 まず 、読 ん だ文 章 をまね る こ とか ら始 めた い。 まね る こ とに よつて 、基 本 的 な こ とを しつか りと 自分 の もの にす る こ とが 、創 造 につ なが る と思 われ る。 石 田は小 学 生 を対 象 に述 べ て い るが 、読 ん だ文 章 をまね る こ とか ら始 め るの は 中学生 に も有 効 だ と考 え る。 教材 文 の工夫 点 をまね る こ とか ら始 め、その工 夫 点 を徐 々 に身 に付 けてい くこ とに よ り、生徒 の表 現 力 向上 につ なが る と思 わ れ る。 また、小川 末 吉(1977)は
「記述力 を高 めるた めの文章表現 の工夫 は、その 文章 を読 ん で 、 どの よ うに表 現 が 工夫 され てい るか を理 解 し、 自分 の文 章表 現 24石田佐久馬『読み書きを結ぶ―関連指導―』東洋館出版社1979 p■
69にお いて実践す るの で な けれ ば な らない。」 と述 べ てい る25。 これ らの こ とか ら、教材 文 にお け る表 現 の工夫 を理解 し、そ の工夫 を 自らの 文章 に活用す る こ とに よ り、生徒 の文章表 現力が高 ま る と考 え られ る。つ ま り、 教材 文 の工夫 点 を活 用 す る こ との有効性 を示 唆 してい る。 第
2項
教材 文 の 工 夫 点 を活 用す るための手立 て 第1項
では、生徒 の文 章表現 力 を高 め るた めに、教材 文 を理解 し、 自 らの文 章表現 にお い て活 用す る こ との可能性 につ いて言及 した。 では、そ うす るた め には 、教材 文 か ら何 を学 び 、 どの よ うな学 習過 程 を構 成 すれ ばいいのだ ろ うか。(1)教
材 文 か ら何 を学ぶ の か 小川 末 吉(1977)は
読解 の学習指 導 にお いて 、文 章 の記 述 力 を高 め るた めの 作文学習 と して以 下 の視 点 を示 してい る26 ①書き出しの文が、主題の展開として、どのように工夫されているか。 ②書き出しの文を受けて、第二の文 (センテンス)か
ら第二の文へと、どのように記述が工夫さ れ て い るか。 ③一つの段落 としてのま とま りが、意味(事が ら)のま とま りとして、適切に区切 られているか。 ④段落 と段落 との続 き方が、主題 の展開 として、 どのよ うに工夫 されているか。 ⑤文章の表現内容に応 じて、会話文の入れ方が どのよ うに工夫 されているか。 ⑥文章の表現内容に応 じて、文の長 さが どのよ うに工夫 されているか。(表現内容によっては、 短 く切つた文は歯切れがよく、長い文は冗漫になる場合がある。) ⑦文章の表現内容に応 じて、文の止め方(現在形・過去形な ど)がどのよ うに工夫 されているか。 ③文章の表現内容に応 じて、事象の記述 と感想・意見、精叙 と略叙、説明 と描写、要点 と細部な どの関係 をどのように工夫 しているか。 ⑨文章の表現内容に応 じて、図・絵・グラフ、記号、見出 しな どが どのよ うに工夫 されているか。 ⑩結びの文が、主題 との関係 か らどのよ うに工夫 されているか。そして小川は 「単に、
『何が書いてあるか』を問題にするのではなく、前述の
観点から、
『何がどのように表現 されているか』を研究 しなければならない。」
と述べている。また、細谷俊太郎
(2012)は
、「読むこと」と「書 くこと」の関
連指導を行 う上で重要 となることを以下のように述べている
27。 25小 川末吉『読解における作文指導』明治図書 1977 pp.148‐ 149 26前 掲書25に同 じ pp.148‐149 27細 谷俊太郎 「読みの力と書 く力とを結ぶ関連指導法の開発」『 実践国語研究』明治図書 No.310 2012 p.16「関連指 導 」 を行 う上 で要諦 とな るのは、 か ら論 の展 開 や 説 明 の仕 方 、表 現 の仕 方 等 、 書 き手 の 立場 と して 文 章 を読 み 取 る こ とに よ の学習 に生 か しや す くな る と考 え る。 第 1章 分 か りや す い文 章 を書 く授 業 の構想 読 む こ との指 導 の 中心 を、 内容 を読 み 取 る こ と 書 き手 の 工夫 を考 え る こ とに移 す こ とで あ る。 り、読 む こ との学 習 で身 につ けた力 を書 くこ と この こ とか ら、 読 解 指 導 に お い て 大 切 な こ とは 、何 が 書 い て あ るか を捉 え さ せ るだ けで は な く、「どの よ うに表 現 され て い るか 」 を生 徒 に捉 え させ る こ とも 有 効 的 な方 法 だ と考 え られ る。
(2)ど
の よ うな 学 習 過 程 を構 成 す るの か 旭 川 地 方 作 文 教 育 研 究 会 で は 、「作 文 単 元 学 習 」 とい う方 法 を提 唱 して お り、 様 々 な実 践 を とお して 作 文 単 元 学 習 の有 効性 を検 証 して い る。 そ の 中で 中西 信 行(1995)は
、作 文 単 元 学 習 の特 色 を以 下 の よ うに述 べ てお り28、 また 、作 文 単 元 学 習 の基 本 的 学 習 過 程 を提 示 して い る29(図
1-1)。
理解 と表現教材、そ して言語事項をも組み合わせた 「総合性」を求めているところにあり ます。そのために、「理解を表現に結びつける学習」段階を意図的に組み込み、具体的な指導 に よつて、それ らの 関連性 を密 接 に して い くわ けです。 オ リエ ンテー シ ョン ・意欲づ け 。目的意識 の高揚 ↓ 理解 の学習 。日標達成 。目的意識の継続 ↓ 理解 を表現に結 びつ け る学習 。活用方法 。表現意欲 の喚起 ↓ 表現の学習 図1-1
作文単元学習の基本的学習過程 中西 らの作 文 単元 学 習 の特徴 は、「理解 を表現 に結 びつ け る学 習」段 階 を意 図 的 に組 み込 ん でい る こ とで あ る。「理解 を表 現 に結 びつ け る学 習」 とは、理解 教 28中 西信行『書く力をつける作文新単元学習 中学校編』旭川地方作文教育研究会編 明治図 書 1995 p.19 29 同 上 pp.28‐29材 の指 導 後 、 作 文 作 成 の た め の 資 料 を使 つて 、理 解 教 材 を表 現 に活 か して い く 段 階 の こ とで あ る。 この段 階 を組 み 込 む こ とは 、 自 らの 表 現 に役 立 ち、理 解 を よ り深 め られ る と述 べ て い る。 以 上 の こ とか ら、教 材 文 を理 解 し、 自 らの文 章 表 現 に お い て 活 用 す るた め に は 、「理 解 を表 現 に結 び つ け る学 習 」 が有 効 で あ る と考 え られ る。 第
3項
先 行 実 践 の 分 析 本 項 で は 、 先 行 実 践 を分 析 す る こ とに よ り、教 材 文 の 工 夫 点 を活 用 す るた め の有 効 的 な手 立 て を学 ん で い く。 尾 矢 貞雄(2006)は 、説 明文 指 導 にお い て 、「文 章 の全 体 構 成 」◆「段 落相 互 の 関 係 」。「適 切 な接 続 語 の用 法 」。「適 切 な文 末表 現 の用 法 」 の理 解 を図 り、生徒 自 らの文 章 表 現 に活 かせ る よ うに して い る。 また 、説 明 文 指 導 にお い て 「『 書 くた め に読 む 』 とい う学 習 過 程 を構 成 す る こ とで 、説 明 文 に見 られ る文 章 の論 理 性 を子 どもが 自分 の 表 現 に 取 り入 れ 、論 理 的 な文 章 表 現 力 を身 につ け る こ とが で き る」 こ とを明 らか に して い る30。 次 に 、須 藤 昌幸(2005)は
、論 理 的 文 章 の構 成 を指 導 す る際 、「読 む こ と と書 くこ との 関連 指 導 」 を重 視 した 実 践 を行 い 、次 の よ うに述 べ て い る31。 読むことの学習で文章構成図を作成 し、段落の役割や文章構成の方法を読み取る。次に、そ の学習経験をもとに、書 く学習における論理的構成図の作成に入る。読む学習における構成 図への理解をもとに、書 く活動における論理的構成図の形式の理解を容易にするのである。 また、読む学習で扱つた意見文の論理的構成法を実際例 として、書く学習における文章構成 のパターンを考える際に応用 していくことができるようにする。 須 藤 の 実 践 で は 、 教 材 文 の 文 章 構 成 図 を作 成 す る こ とに よ り、段 落 の役 割 や 文 章構 成 の方 法 を読 み 取 つ て い る。 そ の 読 み 取 つ た こ とを活 か して 書 く活 動 を 行 つて い る。 最 後 に 、 富 永 宏 文(2007)は
、説 明 的 文 章 を読 み 、 そ こで 学 ん だ表 現 を 自 ら の表 現 に活 か して い く と と もに 、 書 い た 文 章 を、 目的 や 相 手 を意 識 して 、 自 ら 読 ん で書 き直 す 実 践 を行 つ て い る。 そ して 、「読 み 」「書 き」 を繰 り返 し学 習 す る場 面 を重 視 す る こ とに よ り、「子 ど もた ち 自 らが 、様 々 な情 報 を収 集 、整 理 、 30尾 矢貞雄 「説明文の論理性を自分の文章表現に生かす指導―論理的な文章を書くために、教 材文で何を学ぶか」『 教育実践研究』No.16
上越教育大学学校教育総合セ ンター2006
pp.17‐22 31須藤 昌幸 「文 章 を論 理 的 に構成 す るた めの構 成 表 の改 善 一段 落 の役 割 や つ な が りを明示 す る 『論理的構成図』による試み」『 教育実践研究』No.15 上越教育大学学校教育総合センター 2005 pp.31‐ 36第1章 分か りやす い文章 を書 く授業 の構想 活用 しなが ら、論 理 的 思 考力 、説 明的文 章表 現 力 を高 めて い くこ とが で きる」 こ とを明 らか に してい る32。 以上 これ らの実 践 か ら、授 業者 は書 くた め に読 む とい う学 習過 程 を構 成 す る こ とが重 要 で あ り、生徒 が明確 な 目的 を持 って教材 文 を読 め る よ うにす るこ と が効果 的 だ と考 え られ る。 そ の 目的 とは、教材 文 の よ さを 自分 の表現 に活 かす こ とで あ る。 その た めには、授 業者 が教材文 を使 つて生徒 に何 を学 ばせ るのか 決 めてお くこ とが大切 で あ る。 32富 永宏文 「目的意識をもつて追求 し、相手を意識 して論理的に表現する力の育成一問題解決 的学習と『 読む』『書く』繰 り返 し学習を取 り入れた説明的文章指導を通 して」 『教育実践研究』
No.17
上越教育大学学校教育総合センター 2005 pp.19‐ 24第
3節
研 究仮 説
前節までに明らかになった、読みやす く分か りやすい文章を書 くための手立
てをもとに、以下の研究仮説 を設定す る。
【
研究仮説
I】 教材文の工夫点を自らの文章に取 り入れることにより、より分か りやすい文章に書き直 すことができるであろう。【
研究仮説Ⅱ】
設定 した評価 の観 点 をふ まえて 自分 の文章 を評価す ることに よ り、よ り分か りやすい文 章 に書 き直す こ とがで きるで あろ う。【
研究仮説Ⅲ】
設定 した評価 の観 点 をふ まえて相互 に よる評価 を行 うことに よ り、自分だけでは気づか ない改善点に着 目でき、 よ り分か りやすい文章に書 き直す ことがで きるであろ う。 研 究仮 説Iは
教 材 文 の 工夫 点 の活 用 、研 究 仮 説 Ⅱは 自己評 価 活 動 、研 究仮 説 Ⅲは相 互 評 価 活 動 の 手 立 て を反 映 させ た もの で あ る。第 Ⅱ章 実践授業I
第 Ⅱ章
実践授 業
I 第1節
授 業 計 画 第1項
対象 と実 施 時期 中学校 第1学
年4学
級(131名
)に
お いて 「教材 文 の工夫 ′点を活用 して説 明文 を書 こ う」 の単元 を実 践 した。 本 授 業 実践 は、教 育実 践 プ ロジ ェ ク ト実習 と し て、平成25年
5月
下旬 か ら6月 下旬 にか けて、兵庫 県 内 の公 立 中学校 で行 つた ものであ る。 第2項
教材 分析 本 教材 「花 の形 に秘 め られ たふ しぎ」33は、 自然 写真 家 中村 匡男 に よる、「花 の形 」 と 「訪れ る昆 虫」 との関係 につ い て、調査 を も とに して書 かれ た説 明的 文章 で あ る。 以 下 に、本教材 の特徴 を示す。 1.「序論 一本 論 ―結 論 」 とい う論 の展 開 であ る 2.第 二 。三段 では問題 提起 と結論部分 が分かれ、「問い ―答 え」の文章構造 である 3.グ ラフ と写真 を効果 的に配置 してい る 4.接 続表 現 を効 果 的 に使 用 してい る 5.対 比 を効果 的 に使用 してい る 6。 「昆虫」 と 鶉 」の両方の立場に立たせるための 「擬人化 した表明」を使用 している この よ うに本 教材 には分 か りやす く説 明す るた めの工夫 点が多 くあ る。 33『伝え合う言葉
中学国語
1』教育出版所収教材
2012 pp.16‐21 出﹄ 一 t ハ ナ バ チ の 特 徴 「花 の形 に秘 め られ たふ しぎ」文章構 造 図 ■ ■ 答 2 ﹁花 粉 運 び を 頼 む 相 手 に 合 わ せ て 、 そ れ ぞ れ 異 な る も の に I ■ ハ ナ ア プ や ハ エ の 特 徴 0 各 1 ﹁花 の 形 が 、 蜜 を な め に 来 る 昆 虫 の 種 類 を 制 限 し て い る た め ﹂ 3 ァ キ ノ キ リ ン ソ ウ の 特 徴 ‘ 間 1 ﹁な ぜ 、 花 に よ っ て 動 れ る 昆 虫 の 種 類 が 偏 っ て い る の か ﹂ ■ は じ め ︵読 者 に 呼 び か け ︶第
3項
単 元 目標(1)「
花 の形 に秘 め られ たふ しぎ」 にお け る工夫 点 を見つ け、 自分 の表 現 の参考にできる。 【
関心 。意欲・態度】
(2)マ
ッピングを使 い、 日常生活の中か ら課題 を決め、 自分の考えをまとめ
ることができる。【
「書 くこと」
(ア)】(3)伝
えたい事実や事柄 について、根拠を明確 に し、接続語や段落構成 を工
夫 して書 くことができる。【
「書 くこと」
(ウ)】(4)自
分の書いた説明文を読み返 し、 5つ の観点
(誤字脱字 。文体の統一 。一
段落一内容・一文の長 さ 。主題の明確 さ
)に従つて評価でき、分か りやす
い文章に推敲できる。【
「書 くこと」
(工)】(5)文
章の中心的な部分 と付力目的な部分、事実 と意見な どを読み分け、内容
を理解す る。 【
「読むこと」
(イ )】(6)漢
字や語句な どに注意 して、文章を表記 している。【
伝統的な言語文化 と
国語の特質に関す る事項
(イ )】以上、
6つ
の単元 目標 を達成す るために授業方法の工夫を行 う。具体的には
以下の
4点
を行 う。
①マ ッピングの活用
②教材文の工夫′
点の活用
③評価の観点の提示 と自己評価
④推敲の練習 と実施
第
4項
単元指導計画
(全10時 間
)実践授業 Iで は、マ ッピングや構成 メモを活用 し、第
1次
作文作成 に時間を
かける。第
1次
作文作成後、教材文の読解をとお して教材文の工夫点を提え、
自らの文章に活用できるよ うに単元を設定 した。
第
1・2時
を使い、十分な時間をかけて第
1次
作文を作成す る。マ ッピング
や構成メモを活用 し、書 く前の手立てを充実 させ る。第
3∼
7時
では教材文の
読解 を行 う。それ と同時に教材文の工夫点を生徒に捉 えさせ る。第
8時
では教
材文の工夫点 を活用 して、第
1次
作文 を書き直す活動 を行 う。第
9時
はワー ク
シー トを使つて、推敲の練習をす る。第
10時
では自らの文章を推敲 し、最終作
文を書 くとい う計画である。
以上のことをふまえた結果、単元構想図
(図2-2)は
次頁のよ うになった。
第 Ⅱ章 実践授 業I 第1次作文 を書 く (第 1・ 2時) °マ ツピングを使い、情報を引き出す 。構成メモを使 い、文章を構成す る 教材 文 を読解す る (第 3∼ 7時) 。事実 と意見な どを読み分け、内容 を理解す る 。教材文の工夫点を捉 える 第2次作文 工夫点 を取 り入れ て書 き直す (第 8時)
降終作文
│ 自己評価 と推 敲 を行 い、最終作文 を書 く(第 10時) 図2-2
単元構想図 単 元構 想 図 を も とに詳 細 な 単 元 計 画 を作 成 授 業仮 説 I│
した。以下に示す。
時 学 習 活 動・ 内容 指導上 の 留意 点 授 業 の工 夫 点 第 1 次 11説
明 文 とは どの よ うな 文 章 なのか 理 解 す る。 2.説明文を書 くために、マ ッピングを使 って情報を整 理する。 ・情報 を書 き出す際、時間 を決めゲ ーム的に行 う。 ・授業者が実際にマ ッピングをや り なが ら説明す る。 ・ テーマは(明石・ 自分・学校)の三 つか ら選んで、説明文 を書 くことを 伝 える。 ① マ ッピング を活用2
1マ
ッ ピ ン グ で 出 た 情 報 を、 内容 の 関連 を考 えて分 類 し、観 点 を決 め て整理 す る。 2.原稿 用紙 の書 き方 を理解 す る。3説
明文 を書 く。 ・ マ ッピングの中で説明 したい部分 を丸で囲む。 ・マ ッピングで書 き出 した項 目の中 か ら説明す る事柄 を選ぶ。 ・選んだ項 目をどの順番で説明す る か考 える。 ・机間指導 を しなが ら、活動 内容が 分 か らな い生徒 に は個 別 に対 応 し てい く。 ・便覧pp 246‐ 247を使 い、以下の 4点をお さえる。 ○題名は、1行日の上か ら2・ 3 字 あけて書 く。 ○名前 は、題名の次の行 に、下の 方 を1∼3字あけて書 く。 ○本文は名前の次の行か ら書 く。 ○書 き出 しは、最初の1字分 をあ けて、2マス ロか ら書 く。 ・後半の学習で、筆者の優れた工夫 を説明文 に活か して、書 き直 しをす る ことを伝 える。 第 2 次 31教
材 文 「花 の形 に秘 め ら れ たふ しぎ」 を読む。 2.形 式段落 を振 る。 3.意 味調べ をす る。 4.形 式段 落① ∼⑨ の中か ら 「問 い」 と「答 え」の段 落 を探 し、 ノー トに書 く。 授 業者 が範読 す る ・段落 と段落の関係をおさえなが ら 読む ことによ り、全体の構成がわか ることを捉えさせ る。 ・「なぜ∼だろうか。」という表現に 注 目させ ることによ り、「問い」 と なつている段落 をおさえさせ る。 ・「問い」に対す る「答え」がまと め られている段落をおさえさせる。第 Ⅱ章 実践授業I
5形
式段 落⑩ ∼① の 中か ら 「問 い」 と「答 え」の段落 を探 し、図にま とめ る。 ・授業者が⑥∼⑨段落の関係 を図に してまとめる。 ・生徒自ら図にまとめさせる。 4 1.「問 い」 と 「答 え」 の部 分 をお さえ、段 落間の 「接 続表 現 」 を手 がか りに全 文 を四つの段落 に分 ける。 2.第 一段 落 を通読 す る。 3.第一 段 落 を ワー ク シー に沿 つて整 理 す る。 4.第一 段 落 に お け る筆 者 の 工 夫 点 を見 つ け る。 ・授業者が四つの段落に分け、なぜ その よ うに分 けたのか根拠 を説 明 する。 ・段落に書かれている内容 を意識 さ せて読 ませ る。 以下 の項 目で ま とめ させ る。 ○調査 の 目的 ○調査 の場 所 ○調 査 の方法 ○調査 でわ か つた こと ・ 以下のような工夫点を生徒か ら出 させ る。 ○口乎びか け ○調査 についての項 目整理 (調査 の 目的 ∼場 所 ∼方 法 ∼ 結果∼分析) ○ナ ンバ リング(1つ目は 、2つ 目は) ○具体的な数字 ○グラフの活用 ②教材文のエ 夫 点の活 用 5 1.第 二 段 落 を通 読 す る。 2.第 二 段 落 で 述 べ られ て い る 「問 い」 を お さえ、 どの 。「問い一説明 ―答 え」 とい う論の 流 れ に な つて い る こ と を も う一 度 捉 えさせ る。 ・ ワークシー トにまとめる。 ・第二段落で提示 されている「問い」よ うな 「答 え」 を導 いて い るか整理す る。
3「
オオ バ ス ノキ」 と「ア キ ノキ リン ソウ」の違 い を ワー ク シー トに従 つて整理 す る。4第
二段 落 で新 た に提 示 さ れ る2番
目 の 問 い を お さ え、 その 問 い を解 くための カギにつ いて考 える。 をお さえ、教科書 に線 を引かせ る。 ・「オオバスノキ」 と「アキ ノキ リ ンソウ」の違 いか ら、どの よ うな「答 え」 を導 いているか を考 え、教科書 に線 を引かせ る。 ・「問 い」 と「その問い を解 くため に必要 な こと」 をお さえ させ る。 6 1.「植 物 に と っての花 の役 割 」 とは何 か 、接続語 の役 割 に注意 しなが ら読み 、文 章 に書 いてま とめ る。3第
二段落 にお ける筆者 の 工夫点 を見 つける。 。「植物 に とっての花の役割」 とは 何かについて、接続語 を線 で囲ませ なが ら、形式段落⑫ を読 ませ る。 ・「植物 に とっての花の役割」 につ いてワー クシー トにま とめ させ る。 ・以下のような工夫点を生徒か ら出 させ る。 ○論の構造(問い一説明 ―答 え) ○写真の活用 ○対比 〇文 と文 をつな ぐ接続語 ○段落 と段落 をつな ぐ接続語 ②教材文のエ 夫 点の 活 用 7 1.「ハナバ チ」 と「ハナ ア ブ・ハ エ」 の連 い をあ らか じめ示 した観 点 に従 つて考 える。 2.第 二段 落 で述 べ られ て い る筆者の考 えをま とめ る。 第 二 段 落 で 提 示 さ れ た 「問 い」 に 対 して導 か れ た 「答 え」 に つ いて考 え る。 ・教科書 pJ 92.17か ら最後 まで を 通読 させ る。 ・生徒が黒板に書 いている間に机間 指導 をす る。 ・ ワー クシー トにまとめ させ る。第 Ⅱ章 実践授 業 I 4.「 オオ バ ス ノキ」 と「ア キ ノキ リン ソウ」 のそれ ぞ れ に つ いて 、花 の形の違 い をその理 由 とともに書 かせ る。
5第
二段 落 と第 四段落 に お ける筆者 の工 夫 点 を見 つ け る。 。以下のような工夫点を生徒か ら出 させ る。 ○対比 〇文 と文 をつな ぐ接続語 ○段落 と段落 をつな ぐ接続語 ○写真の活用 ② 教材 文のエ 夫点の活用 第 3 次 81今
まで学 ん だ 「花 の形 に 秘 め られ たふ しぎ」 につ い て 筆 者 の 工 夫 点 を ま とめ る。 2.授業 者 が 作 成 した 例 文 「ボ リウ ッ ド」 を読む。3工
夫 点 を 一 つ 以 上 使 つ て、説明文 を書 き直す 。 ,自 分 で考 えたの ち、学級 全体 で出 し合 い、授 業者 が整理 す る。 ○口乎びか け ○ナ ンバ リング(一つ 目は 、二 つ 目は) ○具体的な数字 ○例示 ○対比 〇接続語 ○論の構造 (問い∼説 明∼答 え) ・作文が進まない生徒には、書 き出 しの例 を与 え、書 く抵抗 を減 らす。 また、マ ッピングや構成 メモ を見直 して書 くための ヒン トを与 える。 ②教材文のエ 夫 点 の活 用 9 1.例文 を使 つて 、評価 の観 点 を確認す る。 2.例 文 「イ ル カ の 眠 り方 」 。文章 を見比べた時、どこを見た ら 良いのか(観点)を提示す る。 ・ 推敲記号の使 い方 を説明す る。 ・推敲記号は赤ペ ンで記入 させ る。 ・次回は生徒 自らが書 いた説明文 を ③評価の観点 の提 示 ④推敲の練習なお 、本論 文 で は、特徴 的 な実践 を行 つた第