第Ⅲ章 実践授業 Ⅱ
第 1節 研 究 の成果
終章
本研究の目的は、「推敲活動」 と「 『読むこと』 と『 書 くこと』における関連 指導」に重点を置いた作文指導を行な うことにより、生徒が読みやす く分か り やすい文章を書けるようにすることであつた。本研究は以下の研究仮説に基づ いて行つた。
【 研究仮説
I】教材文の工夫点を自らの文章に取 り入れることにより、より分か りやすい文章に書き直 す ことができるであろ う。
【 研究仮説 Ⅱ】
設定 した評価 の観 点 をふ まえて 自分 の文章 を評価す るこ とに よ り、よ り分 か りやす い文 章 に書 き直す こ とがで きるであろ う。
【 研究仮説Ⅲ】
設定 した評価 の観 点 をふ まえて相互 に よる評価 を行 うこ とに よ り、自分だ けでは気づか ない改善点に着 日でき、 よ り分か りやすい文章に書 き直す ことがで きるであろ う。
これ らの研 究 仮 説 を基 に 単 元 設 計 を し、授 業 実 践 を行 つ た。 実 践 授 業
Iで
は 研 究仮 説 I・ Ⅱを 、 実 践 授 業 Ⅱで は研 究 仮 説 Ⅱ・ Ⅲ を設 定 し、授 業 を行 つた。こ こで は 、 実 践 授 業
IoⅡ
で 明 らか とな つた成 果 と課 題 につ い て整 理 す る。終 章
(2)評
価 の観 点の提 示 と評 価 シー トの活用評価 の観 点 が書 かれ た評価 シー トを使 用 して実践 を行 つた。 評価 の観 点 を提 示 した こ とは 、生 徒 が 明確 な観 点 で作 文 を評価 で き、推 敲 す る上 で有効 で あつ た。
また、実践授 業
Iで
は 自己評価 シー トを、実践授 業 Ⅱで は 自己評価 シー トと 相 互評価 シー トを使 つて授 業 を行 つた。 評価 シー トを活 用 す る こ とは、評価 し た作文 につ い て 、的確 な評価 を行 う上 で役 立 った。(3)自
己評 価 活 動 とグルー プに よ る相互評価 活動自 らの文 章 を明確 な視 点 を持 つて 自己評価 す る こ とは、改善 点や 間違 い な ど を見つ け る こ とが で き、 よ り分 か りや す い文 章 に書 き直 す こ とに繋 が った。 特 に、 自己評 価 で は表 記 面 に関す る間違 い を正 す こ とが容 易 とな った。 そ して 、 自己評価 活 動 に よつて 、 自 らの文 章 を振 り返 り、 よ り良い表 現 を判 断す る こ と がで きた。
グル ー プ に よる相 互評 価 活 動 は 、 自分
1人
で は気 づ か ない点 につ い て指摘 を 受 け、 自 らの作 文 を推 敲す る上 で有効 で あつた。また、 自 らの作 文 につ いて具体 的 な指 摘 が多 い ほ ど、最 終作 文 の質 が 良 くな る こ とが わか つた。 した が つて 、相 互評 価 活動 を上手 く機 能 させ るた め には、
グル ー プ内で具体 的 で的確 な指摘 が多 く出 るよ うにすれ ば 良い と言 え る。
一方 、 グル ー プ の人数 は、最終 作文 の質 に影 響 しない こ とが わか つた。 それ よ りも、 グル ー プ の 中 に作文 を的確 に評価 で き る生徒 が い る と、作者 はそ の指 摘 を取 り入 れ て書 き直 し、最 終作 文 の質 が 向上す る結 果 とな つた。 つ ま り、 グ ルー プ内の人数 よ りもグル ー プの質 が大切 で あ る事 が 明 らか にな つた。
(4)推
敲の練 習 と実 施実践授 業 I・ Ⅱの両方 の実 践 で 、授 業者 が作成 した例 文 を使 い 、 ク ラス全 体 で推 敲 の練 習 を行 つた。推 敲 の練 習 をす る こ とに よ り、 ス ムー ズ に 自 らの文 章 を推敲 で き有 効 で あ つた。
そ して、生徒 に推 敲 活 動 を 自分 で体験 させ た こ とに よ り、推 敲 の意 義及 び評 価 の観 点 を提 え させ る こ とが で きた。
第
2節
研 究 の 課 題本研 究 の課題 と して
3点
が挙 げ られ る。(1)評
価 の観 点の精選評価 の観 点 を提 示 した こ とは、生徒 が 明確 な観 点 で作 文 を評 価 で き、推 敲す る上 で有効 で あ つた。 しか し、推 敲す る段 階 で大 き く文 章構 成 な どを変 え る生 徒 は少 な く、表記 面 の推 敲 を して い る生徒 が多 か った。 作 文 の 内容 や 構成 を、
よ り分 か りや す く書 き直せ る よ うな評価 の観 点 を精 選す る必 要 が あ る。
(2)文
章 を評価 す る ことに慣れ る自己評価 。相 互 評価 にお い て評 価 シー トを使 用 して改 善 点 を具 体 的 に書 け る よ うに した。 しか し、作 文 を的確 に評価 で きず 具体 的 な コメ ン トを書 けない生 徒 が見 られ た。 これ は文 章 を評価 して読 む こ と 自体 に生徒 が慣 れ て い ない こ と が考 え られ る。 普 段 の学 習過 程 で も文 章 を評価 す る学 習 を取 り入れ 、生徒 に慣 れ させ る必要 が あ る。
例 えば、教 科 書 の読解 活 動 にお い て、 内容 だ けで な く、筆者 が どの よ うな表 現 上 の工夫 を して い るか 、 ま たそ の工夫 に よって どの よ うな効 果 が あ るのか を 評価 して読 む方 法 な どが考 え られ る。 普段 か らそ の よ うな学 習 を取 り入れ る こ とに よ り、 自 らの文 章 を読 み 直す 際 に も、客観 的 な視 点 で評 価 で き る よ うにな るだ ろ う。
(3)グ
ルー プに よ る相互 評価 活 動相 互評価 活 動 にお い て 、
1人
あた りの相 互評 価 シー トに記 入 す る時 間 は4分
で行 つた。 そ の結 果 、 具体 的 な助 言 を書 い てい ない相 互 評価 シー トが 、い くら か見 られ た。 この原 因 の
1つ
と して、時 間制 限が挙 げ られ る。 も う少 し、 ゆ と りを もつた時 間設 定 に していれ ば 、助 言 を書 くこ とが で きて い た の で は ない だ ろ うか。また、質 疑応 答 に 関 して も
2つ
課題 が残 る。1つ
目は 、授 業者 の指 示 が明確 で なか った こ とで あ る。 そ の た め、生徒 は質 疑応 答 の時 間 に どの よ うな活 動 を すれ ばいい の か分 か らない よ うだ った。2つ
目は、生徒 自身 もグル ー プ学習 に 慣れ てお らず 、活発 な意 見交換 が で きて いなか った こ とで あ る。以上 の課題 を克 服 す る授 業 を開発 し実 践 を行 い 、分析 ・評 価 ・ 改 善 を とお し て、 よ り分 か りや す い文 章 を書 く力 を育成 す る授 業 モ デ ル を構 築す る こ とを今 後 の課題 と したい。
【 引用 0参 考文献】
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