第Ⅲ章 実践授業 Ⅱ
第 4節 結果 と考察
第 Ⅲ章
実践授 業 Ⅱ
第 4節 結 果 と考 察
うな特徴があつたのかは、次頁第 1項 (2)観 点 ごとの変容で述べる。
③女子よ り男子が伸び幅大
男子 と女子で点数の伸び幅に違いが見 られ る。男子は 0〜 5点 、女子は 1〜
3点 伸びている。男子の方が女子に比べて点数の伸び幅が大きい。 この理由と して、女子は第 1次 作文の段階で、すでに高い評価 を得ていた。第 1次 作文に おける男子、女子別の平均点は、それぞれ 4.76点 、6.43点 であった。 したがっ て、女子の方が点数の伸び幅が小 さかつた と推測できる。一方、増減な しの男 子生徒 も 4名 いた。 これは、 自己評価、相互評価であま り改善点が見つか らな かつた り、改善点は見つけたが、書き直す ことができなかった りしたためであ ろ う。
④項 目ごとの分布 と変動
項 目ごとで点数別の人数の変動を調べた
(図3‑5)。 結果は以下の とお りで ある。
内 容 構 成
30 25 20 15 10 5
0 ‐ 0点〔人〕
1
2点︲人
2点(人)
1点(人}
■
︲ 点 ︲ 人
2点〔人〕
J 郷
1点{人
1点〔人
25
20 ‐
■1次作 文
15
‐■ 最 終 作 文 111L
O点〔人)
表 記
口1次 作文 口最終作文
■1次作 文 口最終作文
表 現 25
20 15 10 5 0
ヨ1次作 文
■最終作文 25 20 15 10
:│
0点〔人〕L 囃
図
3‑5
項 目ごとの分布 と変動内容 に関 して、
1点
か ら2点
に上 が った生徒 が多 く、14人
もい る。 これ は、生徒 が 自己評価 。相 互評 価活 動 を とお して、何 につ いて書 きたいのか明確 にな り主題 意識 を持 つ よ うにな つた か らで あ ろ う。構成 は、点数 が上 が ってい る生 徒 もい るが 、 あ ま り人数 の変 動 は見 られ ない。 それ は 、第
1時
に文 章構 成 の指第 Ⅲ章
実践授業 Ⅱ
導 を行 つた た め、第
1次
作文 の段 階 で評 価 点 が高 か つた た めで あ る。 また 、表 現・ 表記 に関 して、0点
の者 が ほ とん どいな くな り (表現1人
、表記0人
)、2
点 の生徒 が大幅 に増 えてい る こ とが分 か る。表
3‑3
生徒作品の評価結果第 1次 作文 最1 1作文
内 容 構 成 表 現 表 記 完 成 度 合 計 内 容 構 成 表 現 表 記 完 成 趙合 計 増減
男子
S‑1 1 2 1 2 1 1 2 1 2 1 7 0
S‑2 nυ 2 0 2 0 0 2 0
S‑3 2 1 2 1 2 2 1 2 1 1
S‑4 2 1 0 2 1 2 2 2 2 1
S‑5 1 0 0 2 2 2
S‑6 1 1 1 1 1 1 1 1 0
S‑7 1 2 1 1 1 6 2 2 1 2 1 8 2
S‑8 1 2 2 2 2 2 2
S‑9 0 1 2 0 0 2 0 0
S― 1 2 0 0 2 1 1 1 6 2
S― 1 1 2 1 0 1 2 2 2 2 1 4
S― 1 1 0 0 1 0
S― 0 1 0 1 0 2 0 1 2 1 0 4
S― 1 1 0 1 2 1 1 2 2 4
S― 2 0 2 2 1 2 1
a J
S― 1 0 1 2 1
a J
S― 1 0 0 0 1 1 3
S― 1 2 2 2 2 2 2 10 8
女 子
S― 1 2 1 2 1 7 2 2 1 2 1 8
S‑20 1 2 2 1 2 2 2 2
S‑21 1 1 0 1 1 2 2
S‑22 1 2 1 1 2 7 1 2 2 1 2 8 1
S‑23 1 2 1 0 1 2 1 1 1 6 1
S‑24 2 2 2 2 2 2 2 10
S‑25 2 2 2 2 2 2
S‑26 1 2 0 1 5 1 2 1 2
S‑27 1 2 2 1 2 2 2 ●●
S‑28 2 2 2 2 2 1
S‑29 1 2 1 2 1 7 2 2 1
● 1
S‑30 1 1 2 1 1 2 1 2 1 7 1
S‑31 2 2 2 1 2 1 8 2
S‑32 2 2 2 2 2 2
数 の 数 点 毎 人
0点(人) 3 8 8 4 3 0 1 0 3
1点(人) 25 13 22 24 9 19 9 20
2点(人) 4 18 2 13 4 18 23 23 9
合計 点 33 49 26 37 う0 177 47 55 43 55 38 238 61 平均点 1.03 1.53 0.81 1.16 1.00 5.53 1.47 1.72 1,34 1.72 .19 7̲44 1.91
○青色の項 目は3点以上上昇 した生徒 であ る。
(2)項
目ご との 変容第
1次
作 文 と最 終 作 文 の結 果 に 関 して 、それ ぞれ の項 目ご とに見 て い く。 そ れ ぞれ の項 目に対 して対応 の あ るt検
定 を行 つた。①内容
内容の項 目に関 しては、有意な差が見られた
(表3‑4)。
表
3‑4
対応 の あ るt検定 の結 果 (内容)1次作文
最終作文
t検
定 平 均1.03 1.47 N=32
SD O.47 0.67 t(31)=4.910**
率
P<.05
書P<.01第
1次
作文 に比 べ て最 終作文 で は、主題 を明確 に して書 き直 してい る生徒 が見 られ た。 具体 的 に は、以 下 の よ うな書 き直 しを行 つてい た。・序論 と本論 で述 べ て きた こ とを結論 でま とめ る
。本論で述べ る事柄 を絞 る
。「序論 。本論 。結論 」 で述べ るこ とを一貫 させ る
・ よ り作文 の内容 に合 ってい る題名 に変更す る
また、 内容 の項 目に関 して評価 が上 が ってい る生徒 の 中で も、特 に題 名 を変 更す る生徒 が多 くお り、
11名
見 られ た。題 名 を変 更す る こ とは、推 敲 に よつて、何 を書 きたい のか が 明確 にな ったか らだ と思 われ る。
例えば、表 3‑5の ③の題名 は、「柔道部での 日々」 とい う漠然 とした題名か ら、「先輩の引退、そ して大会」 とい う具体的な題名に変わっている。 3年 生が 部活 を引退 し、部活が 2年 生へ と引き継がれて、新 メンバーで大会に挑む内容 が題名か ら伝わって くる。
表
3‑5
生徒 が考 えたタイ トル例 (内容)第1次作文
最終作文
①コンクール
→
努力があつての感動
②大切な試合
→
「次への一歩」
③柔道部での 日々
→
先輩の引退、そ して大会
④最近の部活
→
最近の朝練の結果
第 Ⅲ章
実践授業 Ⅱ
②構成
構成の項 目に関 しては、有意な傾向が見られた
(表3‑6)。
表
3‑6
対応 のあ るt検定 の結果 (構成)1次作 文
最 終 作 文
t検
定 平 均153 1.72 N=32
SD O.57 0.46 t(31)=2.675・
*P<.05 **P<.01
生徒 は文 章構 成 を意識 して書 い てい た。 しか し、他 の項 目に比 べ て構 成 の項 目は点数 の変化 が少 ない。 そ の理 由 と しては
2つ
考 え られ る。1つ
日は、第1次
作文 の段 階 で平均1.53点
と、す で に評価 が高 い こ とで あ る。したが って 、 ほ とん どの生徒 が第
1次
作 文 の段 階 で文 章構 成 を考 えて書 いてい るこ とが分 か る。それ は、第1時
の段 階で授業者 が、第1次
作 文 を書 く前 に 「序 論 。本論 。結論 」 の文 章構 成 の指 導 を行 つた。 そ の後 、生徒 は第1次
作文 を書 いたた め、文 章構 成 を意識 していた と言 える。 さらに、最終 作文 の段 階 で分 かりやす い段 落構 成 に推 敲 してい る生徒 も見 られ た。
2つ
日の理 由 と して、構 成 を大 き く変 える こ とは、生 徒 に とつて難 しいの だ と考 え られ る。 作 文 指 導 の 中で段 落 を入 れ替 えた り、増 や した り、削 つた りす る練習 が もつ と必 要 で あ る。③表現
表現の項 目に関 しては、有意な差が見 られた
(表3‑7)。
表
3‑7
対応 のあ るt検定 の結果 (表現)1次作文
最終作文
t検
定 平 均0.81 1.34 N=32
SD O.54 0.55 t(31)=4.836**
*P<.05 **P<.01
読 み手 の こ とを考 えて よ り分 か りや す い言葉 や 表 現 に書 き直 して い た。 主 な 特徴 と しては以 下 の
5点
で あ る。。主語 と述語 を対応す る
・文体 を統一す る
・ 一文 を短 くす る
・具体的な言葉や数 字 な どを使 う
・ 適切 な接続語 を使 う
④表記
表記の項 目に関 しても、有意な差が見 られた
(表3‑8)。
表
3‑8
対応のあるt検定の結果 (表記)1次作文
最終作文
t検
定 平 均1.16 1.72 N=32
SD O.81 0.46 t(31)=4.756**
*P<.05 **P<.01
表記 の間違 い は 自己評 価 の時点 で気 づ く生徒 が多 か った。 しか し、相 互評価 に よ り、 さ らに作 文 の精度 が 高 ま り、表 記 の間違 い につ い て は ほぼ書 き直す こ とがで きてい た。 生徒 は以 下 の よ うな書 き直 しを行 つてい た。
・誤字脱字 を訂 正す る
。ひ らがなを漢字 に直す
。段落の初 めは一字 下げる
。句読点 を適切 につ ける
(3)作
文の 変容 【個 人 】次 に、個 別 で生 徒 の作 文 が 自己評価 、相 互評価 を通 して どの よ うに変化 した のか を、以下の
2つ
のカテ ゴ リー に分 けて見 てい く。①相互評価が有効であつた例
② 自己評価及び相互評価が有効であつた例
①相互評価が有効であつた例
S‐
5の 作文の変容 を見てい く。 このグループは 1人 欠席者がいたため、 3人 グループで相互評価 を行つた。また、第 2時 では自己評価活動 を宿題 に して し まい、その結果
S‐5自 身は自己評価を してこなかつた。つま り、
S‐5の 作文が 変容 したのは相互評価 によるもの と考えてよい。まずは、
S‐5の 第 1次 作文を 以下に提示す る。
S‑5が
書いた第1次作文 今までの部活ぼくは、部活に入部 したときは、まだテニスの事はまつたく知らなかつた。
部活に行くとせんぱいがたが、すごくうまくて、そんけいしていた。
テニスのルールは、とてもむずかしくて、サープの順 ばんとかしつかり覚えられるかが心配でした。しかし 今になるとちやんと分かつているのでルールはちやんとできました。
先生は、テニスの面より他の事をきちんとしなさい。と言つていました。他の事というのは声をしつかり出 したりあいさつをしつか りしたり練習試合の時に他校に行つた時にトイレをかりた後にスリッパを次の人 の事を考えてしつかりそろえたりと、そういう面をしつかりしろと先生は言つています。
今は、部員の皆がうまくなつていて、試合でもどんどん勝ちあがつていつているので、応えんするがわも 楽しいです。
テニス部をこれからもずつとつづけていつて、さいごまでやりつづけてたいです。
この生徒 は段 落 構 成 を考 えて書 くこ とはで きて い る。 しか し、本 論 に あた る
第 Ⅲ章
実践授 業 Ⅱ
3段
落 と4段
落 で はそれ ぞれ別 の話題 を挙 げて い る。 具 体 的 には 、3段
落 日ではテ ニ スにつ い て 書 い てお り、
4段
落 目では先 生 の指 導 につ い て書 い てい る。その結果 、主題 が 明確 に な ってお らず 、何 につ い て書 きた い の か分 か りに く く なつてい る。
次 にS‐
5と
同 じグル ー プ 内 の2人
(S‐31、 S‐15)力
`この作文 を どの よ うに 評価 したのか を見 る (図3‑6、
7)。評価者S‐
31は
内容 、構成 、表記 のカテ ゴ リー に対 してそれ ぞれ1つ
以上具体 的 に気 づ い た点 を書 い てい る。 特 に、② の 「主題 が は つ き りと してい るか」 と い う観 点 に対 して、「先 生が言 う事 が半分以上かいてい て主題 がテ ニスなのか先 生 なのか わか らない。」 と指 摘 してい る。 これ は、 どち らか一方 に話 を絞 る こ と に よつて、主題 を明確 化 で き る と考 えた か らで あ ろ う。 また 、構 成 の カテ ゴ リ ー につ いて も 「一 つ の段落 にた くさん書 いてい る」、「段 落分 けを しよ う」 な ど と正 しく段 落 分 け をす る よ うに指 摘 して い る。 内容 ご との ま とま りに段 落 を分 け るよ うに、呼び か けてい る こ とが うか が える。その住 表 記 構 成 内 容
O お 五 い の 書 い た 文 章 を 次 の 観 点 に 従 つ て 鮮 価 し よ う
︒ O 内︑ 容
﹂ 構﹁ 成
﹂ 表﹃ 記 一 に つ い て飛 像 一 つず つは コ メ ン ト を 等 こ う
.
相 互 評 価 シ ー ト 一■ 喘 群尊
作 者 0 ① 0 ⑥ l ⑤ i C4D o lの lo
濠宰や選サ領名は正しく書き 表されているか 篠宇ヽ脱字はないか
殿 澪 せ 殺 落 は う な が つ て い る
一つ 段の 落 に 一つ の事 柄 が書 でい あ る か
痒﹁ 綸 木・ 摯 錯・ 綸
﹂ 三の 椰 構成 で 審 い て い るか
具体 的 な 柄事 が詳 し く書 かれ て いる か
主 題 が は っ き
︐ し て い る か
題 名 と内 本 が あ っ て いる か
評価の観点
△ 0 /̲3 ハ △ 〇 0 0 △00
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