第Ⅲ章 実践授業 Ⅱ
第 5節 実践授業 Ⅱの成果 と課題
(1)仮 説 Iに ついて
分析結果を整理 し、研究仮説が成 り立つかどうか検証する。
【 研究仮説 Ⅱ】
設定 した評価 の観 点 をふ まえて 自分の文章 を評価す ることによ り、よ り分か りやすい文 章 に書 き直す こ とがで きるで あろ う。
① 自己評価 シー ト
自己評価 をとお して、より分か りやすい文章に書き直 している生徒は 9人 い た。 しか し、 自己評価活動を宿題 として しまい、授業者 が直接指導す ることが できなかった。その結果、自己評価 シー トを記入 し提出 している生徒は 32名 中 20名 とな り、データ数が少なくなつた。 したがって、研究仮説 Iに ついては支 持 された とは言い切れない。 自己評価活動を有効に機能 させ るためには、教師 の指導が必要である。
(2)仮 説Ⅲについて
分析結果を整理 し、研究仮説が成 り立つか どうか検証す る。
【 研究仮説Ⅲ】
設定 した評価 の観 点 をふ まえて相互 に よる評価 を行 うこ とに よ り、自分だけでは気づか ない改善点に着 目で き、 よ り分か りやすい文章に書 き直す ことができるであろ う。
① 生徒 作 品
全体
32名
の評価 点(10点
満 点)力
`平均5.53点
か ら7.44点
に1.91点
に上 が つた。 これ は 自己評価 を最 終作文 に反 映 してい る生徒 も含 む。 そ こで、 自己評 価 を反 映 して い る生徒 を引い た 、相 互評 価 のみ を取 り入 れ て書 き直 してい る生 徒23人
で、1人
あた りの作文 の平均 点 を出 した ところ、5.22点
か ら7.13点
に1.91点
上が ってい た。 この こ とか ら、相 互評価 で 出 され た ア ドバ イ ス を取 り入 れ て、 よ り分 か りや す い文章 に書 き直 してい るのが わか る。② 相互評価 シー ト
相 互評価 シー トで指 摘 され た数 が最 終 作文 の質 に影 響 して い るのか を調 べ る た め、指摘 され た数 と作文 の評価 点 の増 減 で積 率相 関係 数 の検 定 を行 つた。 そ の結果 、
r=o.71を
示 す強 い相 関関係 が あ る こ とが分 か つた。 つ ま り、具体 的 な助 言数 が多 い と、作 文 の評 価 点 が上 が る と言 え る。 ま た、生徒 は相 互評価 シ ー トを用 い る こ とに よつて具体 的 な観 点 で作文 を評価 で き、ア ドバ イ ス を書 く こ とが で きた。 したが って、相互評価 シー トを用 いて、相 互評価 活動 を行 うことに よつて 、 自分 だ け では気 づ か ない改善点 に気 づ くこ とがで き、 よ り分 か り やす い文章 に書 き直せ た と言 える。
③ 振 り返 リシー ト
相 互評価活 動 を行 つた第
3時
の振 り返 リシー トで、32名
中24名 (75%)が
相 互評価活 動 を支 持 してい る記 述 を してい た。 生徒 の記 述 内容 には 、相 互評価 活動 に よって 、改 めて気 づ くこ とが あ った とい う記 述 が見 られ た。 この こ とか ら、相互評価 を とお して、 自分一 人 で は気 づ けない点 を改 めて認識 で きた と感 じてい るこ とが わか る。
以上 の結果 か ら、研 究仮説 Ⅲ は支持 され た と考 え る。
第
2項
成果 と課 題第
1節
第3項
で述 べ た授 業 方法 の工夫① 〜④(p.67)に
つ い て 、成果 と課題 を述べ てい く。①評価の観点の提示
評価の観点を提示 したことは、生徒が明確な観点で作文を評価でき、推敲す る上で有効であった。ただ し、生徒は内容のカテ ゴリーの うち、特に主題につ いて判断 しに くいよ うである。
② 自己評価 シー ト・相互評価 シー トの活用
評価シー トを活用す ることは、評価 した作文の改善点について、具体的に記 述す ることができる点で有効であつた。ただ し、 自己評価活動についてはおお いに改善の余地がある。
③ グルー プによる相互評価活動
グループによる相互評価活動は、 自分 1人 では気づかない点について指摘を 受け、 自らの作文 を推敲す る上で有効であった。ただ し、 1人 あた りの相互評 価 シー トに記入す る時間や質疑応答に関 して課題が残 る。
特に、質疑応答では授業者の指示が明確でなかった。そのため、生徒は質疑 応答の時間にどのよ うな活動 をすればいいのか分か らないよ うだった。また、
生徒 自身もグループ学習に慣れてお らず、活発な意見交換ができていなかった。
そこで質疑応答の改善策 として以下の 2点 が挙げられ る。
① 日常の授業の中にグループによる話 し合いをもつと取 り入れ る。
②授業者がテーマや内容、グループ内の役割、時間など明確な指示を出す。
③ グループの中で司会や記録などの役割を決めさせ、司会の手順要領 を記 した 司会カー ドを用意す る。
④推敲の練習 と実施
推敲の練習をす ることによ り、問題無 く自らの文章を推敲できた。ただ し、
推敲の練習を行 うことによ り、時間の余裕が無 くなって しまった。そのため、
第 Ⅲ章
実践授業 Ⅱ
当初 は教 師 の指 導 の も と、評 価 の観 点 に従 つて行 う予 定 で あ った 自己評価 活 動 がで きなか った。
4時
間の 中で、推 敲 の練 習 を行 つた のが 、 い さ さか無 理 な時 間配分 とな り、他 に影 響 を及 ぼ した。終章
本研究の目的は、「推敲活動」 と「 『読むこと』 と『 書 くこと』における関連 指導」に重点を置いた作文指導を行な うことにより、生徒が読みやす く分か り やすい文章を書けるようにすることであつた。本研究は以下の研究仮説に基づ いて行つた。
【 研究仮説
I】教材文の工夫点を自らの文章に取 り入れることにより、より分か りやすい文章に書き直 す ことができるであろ う。
【 研究仮説 Ⅱ】
設定 した評価 の観 点 をふ まえて 自分 の文章 を評価す るこ とに よ り、よ り分 か りやす い文 章 に書 き直す こ とがで きるであろ う。
【 研究仮説Ⅲ】
設定 した評価 の観 点 をふ まえて相互 に よる評価 を行 うこ とに よ り、自分だ けでは気づか ない改善点に着 日でき、 よ り分か りやすい文章に書 き直す ことがで きるであろ う。
これ らの研 究 仮 説 を基 に 単 元 設 計 を し、授 業 実 践 を行 つ た。 実 践 授 業
Iで
は 研 究仮 説 I・ Ⅱを 、 実 践 授 業 Ⅱで は研 究 仮 説 Ⅱ・ Ⅲ を設 定 し、授 業 を行 つた。こ こで は 、 実 践 授 業